JPH07235220A - 透明導電性基板およびその作製方法 - Google Patents

透明導電性基板およびその作製方法

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JPH07235220A
JPH07235220A JP6136523A JP13652394A JPH07235220A JP H07235220 A JPH07235220 A JP H07235220A JP 6136523 A JP6136523 A JP 6136523A JP 13652394 A JP13652394 A JP 13652394A JP H07235220 A JPH07235220 A JP H07235220A
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JP
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transparent conductive
film
substrate
conductive film
overcoat
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JP6136523A
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English (en)
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Soichi Kawada
宗一 川田
Masaya Yukinobu
雅也 行延
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面抵抗が小さく、光学特性に優れかつ耐候
性に優れた透明導電性基板を得る。 【構成】 酸化物超微粉を溶剤中に分散せしめてなる透
明導電インクを透明基板上に塗布、乾燥した後、透明基
板上にシリカゾルを主成分とするオーバーコート液を塗
布し、次いで乾燥または乾燥、焼成することにより、比
抵抗が0.01〜0.5Ω・cm、ヘーズ値が0〜2
%、体積含有濃度40〜75%の透明導電性基板を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイ(L
CD)、太陽電池等の電極、ブラウン管等の帯電防止あ
るいは電磁波シールド等に用いるのに最適な透明導電性
基板およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に透明導電性基板は、インジウムー
錫酸化物(ITO)やアンチモンー錫酸化物(ATO)
等の酸化物をスパッター法やCVD法等によりガラス基
板上に成膜させることにより得られるし、また可視光の
波長よりも粒径の小さい導電性の超微粉を含有した透明
導電インクをガラス等の基板上に塗布し乾燥させた後、
400℃以上の高温で焼成することにより得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記前者の
方法による場合は、高価な装置を必要とし、生産性や製
品の歩留が低いために、安価な透明導電性基板を得るこ
とは困難であった。また、上記後者の方法による場合
は、導電性超微粉間に空隙が残るため、光が散乱し光学
特性が劣る。そこで、従来のこの空隙を埋めるため、あ
らかじめ透明導電インクにガラス形成成分を入れて透明
導電性基板を作製する方法が提案されているが、このガ
ラス形成成分は、導電性超微粉間に介在して導電膜の表
面抵抗を増加させる原因になるという問題があり、この
ため上記後者の方法では、透明導電性基板の光学特性と
表面抵抗値に対する所望条件を同時に満足させることは
困難であった。また、上記後者の方法で作製した透明導
電性基板は、空気中に数か月放置しておくと、大気中の
水分によると考えられる劣化のために膜の抵抗が上昇し
ていくという耐候性の面での問題点もあった。
【0004】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、表面抵抗が小さく、光学特性に優れかつ耐候性に
優れた透明導電性基板およびその作製方法を提案しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る透明導電性
基板は、可視光線を透過する基板と、該基板上に形成さ
れた平均粒径0.1μm以下の酸化物超微粉が、シリカ
を主成分とするバインダー中に分散した透明導電膜と、
該透明導電膜上に形成されたシリカを主成分とするオー
バーコート膜とから構成される透明導電性基板であっ
て、該透明導電膜の酸化物超微粉の体積含有濃度が40
〜75%であり、該透明導電膜の比抵抗が0.01〜
0.5Ω・cmであり、膜のヘーズ値が該透明導電膜の
厚さが0.5〜2μmのとき0.5〜2%、該透明導電
膜の厚さが0.5μm未満のとき0〜1%であることを
特徴とする。
【0006】また、この透明導電性基板の作製方法とし
ては、酸化物超微粉を溶剤中に分散せしめて得られる透
明導電インクを可視光線を透過する基板上に塗布・乾燥
し、酸化物超微粉単体からなる透明導電膜を形成せしめ
た後、該透明導電膜上にシリカゾルを主成分とするオー
バーコート液を塗布し、次いで乾燥もしくは乾燥・焼成
することを特徴とする。
【0007】可視光線を透過する基板としては、ソーダ
ライムガラス(転位点660℃)、低アルカリガラス
(転位点670℃)、無アルカリガラス(転位点730
℃)、等が用いられる。その他の基板として、シリコン
半導体基板等も用いることができる。
【0008】透明導電インクとしては、インジウムー錫
酸化物(ITO)、アンチモンー錫酸化物(ATO)、
または酸化亜鉛ー酸化アルミニウム、酸化ルテニウム
(RuO)、三酸化レニウム(ReO)等の可視光
の波長よりも粒径の小さい酸化物超微粉を溶剤中に分散
させたものが用いられる。また、これらの酸化物超微粉
を混ぜ合わせ、ブレンドして用いることも可能である
が、好ましくは導電性がよいITO超微粉が最適であ
る。
【0009】オーバーコート液としては、アルキルシリ
ケートおよびその低縮合物を、塩酸等の触媒の存在下で
加水分解して得られるシリカゾルからなるものが用いら
れる。
【0010】透明導電インクを基板上に塗布し、インク
中の溶剤を揮発させるインクの乾燥は、導電性超微粉の
最密充填を行うため、ゆっくり行うことが好ましい。基
板上への透明導電インクおよびオーバーコート液の塗布
には、ワイヤバーコーティング法、ドクターブレードコ
ーティング法、スピンコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法等が用いられる。
【0011】
【作用】本発明において、透明導電インクは、フィラー
としての粒径0.1μm以下、好ましくは粒径0.01
〜0.05μmのITO、ATO等の導電性超微粉と溶
剤とからなる。溶剤は一般の塗料、インクに用いられる
有機溶剤または水を用いることができる。
【0012】有機溶剤としては、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン系
溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、セル
ソルブ、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール、ブチ
ルカルビトールアセテート等の多価アルコール誘導体、
その他Nーメチルピロリドン、N、Nージメチルホルム
アミド等があげられる。
【0013】透明導電インクは、導電性超微粉が十分に
分散した状態にあり、このため、超微粉単体からなる導
電膜を形成できる。導電性超微粉が十分に分散した状態
を得るために、微量の界面活性剤等の添加剤を使用する
こともできる。
【0014】一方、本発明において、透明導電インク
は、バインダーとなる成分が含まれていない。このた
め、最終的には超微粉単体からなる導電膜が形成される
が、その導電膜中の超微粉間には空隙が存在し、その空
隙が光の散乱因子となり、導電膜の光学特性(ヘーズ
値)が悪化したり、また基板への密着力も弱く、さらに
導電性超微粉の接触部が強固に接合されていないため表
面抵抗が大きくなったりする。
【0015】最終的に得られる導電膜の光学特性を向上
させ、表面抵抗値を小さくするため、透明導電インクを
塗布した後の乾燥をゆっくり行い、導電膜中の酸化物超
微粉の体積含有濃度を40〜75%、好ましくは50〜
70%の範囲にすることが必要である。40%未満では
抵抗値が大きくなり、光学特性も悪化するからである。
【0016】さらに、本発明では、導電膜を形成した
後、導電膜中の超微粉の間にオーバーコート液が十分し
み込むので、導電膜中のバインダー部分とオーバーコー
ト膜が同時に形成される。このため、従来の透明導電イ
ンクにガラス形成成分を入れて作製される透明導電性基
板に比べて、優れた光学特性および導電性が得られる。
【0017】また、導電膜の形成と全く独立して、バイ
ンダー部分を変えることができるので、例えば弗素
(F)を含有するシリカゾルを用いたり、シリカゾルに
他のジルコニア化合物、チタン化合物、アルミニウム化
合物またはその加水分解物等を加えたオーバーコート液
により、膜の光学特性(透過率、ヘーズ値、屈折率、反
射率)をコントロールすることも可能である。
【0018】本発明においては、オーバーコート液を塗
布後、乾燥することにより硬化を行い透明導電膜上にオ
ーバーコート膜を形成せしめる。オーバーコート液の乾
燥は、80℃以上、好ましくは150〜180℃で行
う。
【0019】オーバーコート膜により透明導電膜が被覆
されると、オーバーコート液のシリカゾルが導電性超微
粉どうしを強固に結合させると同時に基板とも強固に結
合するため、得られる透明導電膜の膜強度は著しく上昇
する。例えば、この方法によりITO膜上にオーバーコ
ートした場合、その鉛筆硬度を9H程度へ上昇させるこ
とができる。
【0020】また、オーバーコート膜の塗布膜厚が厚い
場合、硬化時の収縮応力により膜中にクラックが入って
しまう。また、オーバーコート膜の塗布膜厚が小さい場
合、透明導電膜中の空隙をすべて埋めることができない
ため、透明導電膜の光学特性は改善されない。これらの
ことより、オーバーコート膜の膜厚は、導電膜中の空隙
を埋めるのに十分でかつ厚すぎないことが望まれる。通
常のシリカゾルからなるオーバーコート液を用いれば、
導電性超微粉層(0〜2μm厚)にオーバーコート膜と
して、0.4μm以下の膜厚とすることが好ましい。
【0021】オーバーコートすると、シリカゾルからな
るオーバーコート液が浸透し、硬化することにより、空
隙は埋められて光の散乱が防止され、透明導電膜の光学
特性は著しく改善され、透明導電膜の厚さが0.5〜2
μmのときはヘーズ値が0.5〜2%であり、透明導電
膜の厚さがを0.5μm未満のときはヘーズ値が0〜1
%の透明導電性基板が得られる。
【0022】さらに、シリカゾルからなるオーバーコー
ト液により得られるオーバーコート膜は、硬化する際収
縮するため、下地となる透明導電膜は圧縮応力を受け、
導電膜中の導電性超微粉の接触部は強固に接合され、表
面抵抗値は低下する。例えば、オーバーコート膜の硬化
により、膜の比抵抗で30〜120Ω・cmが0.05
〜0.3Ω・cmまで低下される。
【0023】このようにして、150〜180℃程度の
低温でも、低抵抗の透明導電膜を得ることができるが、
さらにオーバーコート液を乾燥し、硬化させた後、大気
中で約400℃以上に加熱し、導電性超微粉の接触部の
焼結を促進し、さらに不活性ガス雰囲気中で400〜6
00℃に加熱し、導電性超微粉中に酸素欠陥を導入する
ことにより、さらなる抵抗化を行うことができる。これ
により、膜の比抵抗は0.01〜0.5Ω・cm程度の
透明導電性基板が得られる。
【0024】このようにして得られた透明導電膜は、オ
ーバーコートにより光の散乱が減り光学特性が著しく改
善されるが、さらに得られる膜構造が、屈折率の高い導
電膜と屈折率の低いオーバーコート膜の2層構造となる
ため反射防止機能も同時に付与される。ITO超微粉の
屈折率はおよそ2.0、オーバーコート膜の屈折率は
1.46程度であり、導電膜の屈折率はITO超微粉と
オーバーコート膜の屈折率の中間の値となる。反射防止
を行う上で、導電膜の屈折率を上げることが必要である
が、それにはITO超微粉の充填率をできるだけ上げ
て、ITO超微粉間をオーバーコート液で完全に埋める
必要がある。
【0025】本発明では、ITO超微粉の導電膜中の体
積含有濃度が40〜75%であり、非常に密に充填され
ており、またITO超微粉間をオーバーコート液で埋め
るという方法であり、導電膜の屈折率は1.7〜1.8
5程度まで高まるため、この点でも好ましい透明導電膜
が得られる。
【0026】以上のような反射防止機能は、導電膜の厚
さをλ/4、λ/2等に設定して行われるため、導電膜
厚が制約される。そこで、導電膜厚を厚くして(例えば
0.3μm以上)、その表面にノンブレア処理を行うこ
とも可能である。この方法によれば、200℃以下の温
度で表面抵抗10Ω/□以下の反射防止膜が得られ
る。
【0027】また、透明導電膜がオーバーコート膜によ
り被覆されることにより、導電膜中への大気中の水分の
浸透が妨げられるため、大気中に放置されても、表面抵
抗の変化は少なく、耐候性が向上する。
【0028】ところで、膜の表面抵抗の測定方法として
は、以下に示す各種方法が知られている。 (A)導電膜を成膜する前に基板上に平行電極を形成し
ておき、電極間抵抗を測定する方法。 (B)オーバーコート膜(シリケート)の上から、四探
針または二探針プローブを当てて抵抗を測定する方法。 (C)オーバーコート膜(シリケート)の上に平行電極
を形成した後、10k〜1MHzの交流でインピーダン
ス測定し、インピーダンスの実部から抵抗を測定する方
法。
【0029】(A)の方法は、最も確実性が高いが、電
極の形成が容易でなく、また電極を非常に薄く形成しな
いと、導電膜やオーバーコート膜の成膜に影響を与え
る。(B)の方法は、最も簡便であるが、本発明のよう
に比較的抵抗の高いオーバーコート膜が導電膜上に形成
される場合には測定値がばらつき易く、正確な測定値が
得られず(高目の値が得られることがある)、精度的に
難点がある。(C)の方法は、比較的簡単に導電膜の抵
抗を正確に得ることができる方法である。
【0030】本発明のITO導電膜は、ITO粒子が細
かく、充填率が高く、表面が平滑なために、(B)のオ
ーバーコート膜を通しての抵抗測定では、オーバーコー
ト膜厚が厚くなると測定値がばらつくことが多いが、図
3に(C)の方法のインピーダンス測定の一例、および
同じ基板を(A)(B)の方法で測定した値を図中に示
すが、(A)(C)の方法はほぼ同じ値となっており、
(C)のインピーダンス測定による方法が導電膜の抵抗
を正確に示していることがわかる。すなわち、本発明で
はオーバーコート膜(シリケート)は高周波の交流を通
しやすいため、オーバーコートの上からでも下地の導電
膜の抵抗を正確に得ることができるからである。
【0031】
【実施例】
実施例1 75mm×75mmの大きさのソーダライムガラス基板
1(厚さ1mm)上に、図2に示すように、Auペース
ト(N.E.ケムキャット製:M.0.Auペースト)
を希釈用シンナー(N.E.ケムキャット製:A−41
82)で希釈し、200meshの版でスクリーン印刷
し、常温で10分間レベリングした後、120℃で20
分間乾燥した。これを大気中550℃で30分間焼成し
た後冷却し、厚さ0.1〜0.2μmのAu電極2を透
明基板上に得た。図2中、Wは3.5cm、tは0.5
cm、lは3.5cmである。
【0032】この透明基板上に平均粒径0.03μmの
ITO超微粉(住友金属鉱山株式会社製:UFPーH
X)を溶剤(イソホロン)に分散させたITO透明導電
インク(東北化工株式会社製:DXー101、ITO含
有量63.8%)を、線径0.075mmのワイヤバー
で塗布し、遠赤外加熱で40℃、10分間乾燥後、80
℃で乾燥して透明導電基板(コート前)を作製し、その
表面抵抗(電極間抵抗)および光学特性(全光線透過率
およびヘーズ値)および膜厚を測定した。その結果を表
1に示す。
【0033】なお、全光線透過率およびヘーズ値は、ス
ガ試験株式会社製の直読ヘーズコンピューターHGMー
ZDPを用いて基板と共に測定した。ここに言う全光線
透過率とは、波長380nm〜780nmの可視光線領
域における視感透過率であり、直線光と散乱光の双方を
含んだものである。ヘーズ値は全光線中における散乱光
の割合で、下記式(1)で表される。
【0034】
【0035】導電膜の膜厚は、サンプルの1部の破断面
を走査電子顕微鏡により観察し測定した。
【0036】また、上記と同様のソーダライムガラス基
板(Au電極なし)上に同様の方法で透明導電膜を形成
した後、成膜前後の基板重量の差と膜厚および塗工面積
を測定し、導電膜中のITO粒子の体積含有濃度(vo
l%)を下記式(2)にて算出した。膜の乾燥は、乾燥
後に膜中に溶剤残留がないように、上記の膜を乾燥後、
さらに200℃、10分間乾燥した後、重量測定した。
その結果を表1に示す。
【0037】
【0038】次に、この導電膜上にテトラエチルシリケ
ート40g(コールコート株式会社製:ESー40)、
エチルアルコール40g、0.2Nー塩酸13.8gを
混合し、40℃で2時間加水分解させることにより得ら
れる溶液10gを10gのエタノールで希釈したオーバ
ーコート液を回転速度1200rpmでスピンコート
し、常温で5分間乾燥した後、150℃で20分間乾燥
し、透明導電性基板(コート後)を作製し、表面抵抗
(電極間抵抗)および光学特性(全光線透過率、ヘーズ
値)を測定した。オーバーコート後の膜厚は、東京精密
株式会社製の表面粗さ測定機サーフコム900Aを用い
て測定した。その結果を表1に示す。
【0039】本実施例で用いたITO超微粉の平均粒径
は、粉の比表面積(BET吸着法)から、粉が真球であ
ると仮定して求めた値であるが、別に粉の透過型電子顕
微鏡写真から測定しても、ほぼ同等の粒径で粒子どうし
の凝集も少ない粉末であることが確認されている。
【0040】実施例2 ITO透明導電インク(東北化工株式会社製:DXー1
01)7gをイソホロン3gで希釈し、透明導電インク
として使用した以外は実施例1と同様の方法で透明導電
膜(コート前)および透明導電性基板(コート後)を得
た。その結果を表1に示す。
【0041】実施例3 ITO透明導電インク(東北化工株式会社製:DXー1
01)5gをイソホロン5gで希釈し、透明導電インク
として使用した以外は実施例1と同様の方法で透明導電
膜(コート前)および透明導電性基板(コート後)を得
た。その結果を表1に示す。
【0042】実施例4 ITO透明導電インク(東北化工株式会社製:DXー1
01)2gをイソホロン8gで希釈し、透明導電インク
とし、透明基板上に回転速度1200rpmでスピンコ
ートした以外は実施例1と同様の方法で透明導電膜(コ
ート前)および透明導電性基板(コート後)を得た。そ
の結果を表1に示す。
【0043】実施例5 実施例4と同様の方法で作製した透明導電性基板(コー
ト後)を大気中450℃で30分間、次いで窒素雰囲気
中450℃で20分間熱処理を行って透明導電性基板
(コート焼成後)を得た。その結果を表1に示す。
【0044】実施例6 実施例5で得られた透明導電性基板(コート焼成後)を
50℃、相対湿度90%以下に放置して、表面抵抗変化
を測定した。その結果を図1に示す。
【0045】比較例1 実施例4と同様の方法で透明導電膜を形成した後、オー
バーコート施さずに大気中450℃で30分間、次いで
窒素雰囲気中450℃で20分間熱処理を行って得られ
た透明導電膜を50℃、相対湿度90%以下に放置し
て、表面抵抗変化を測定した。その結果を図1に示す。
【0046】実施例7 実施例4および実施例5で得られた透明導電性基板を沸
騰水に30分間浸漬した後、水を拭き取り、5分間常
温、常湿に保持した後、膜の外観、光学特性および抵抗
を測定した。双方共に膜外観、光学特性、抵抗に変化は
見られなかった。
【0047】実施例8 平均粒径0.025μm、錫含有量5.8重量%、圧粉
抵抗(100kgf/cm下で測定)0.36Ω・c
mのITO超微粉(住友金属鉱山株式会社製:SUFP
ーHX)を溶剤(イソホロン)に分散させた後、濾過し
て表2のITO透明導電インクー1(ITO含有量:1
1.7重量%)を得た。これを75mm×75mmの大
きさのソーダライムガラス(厚さ1.1mm)上に、常
温常湿(20℃、相対湿度60%)で、回転速度120
0rpmでスピンコートした後、遠赤外線加熱で40
℃、10分間乾燥した後、室温まで冷却し、ITO超微
粉単体からなるITO導電膜を得た。得られたITO膜
の膜厚は、サンプルの一部の破断面を走査顕微鏡により
観察し測定した。
【0048】また、上記と同様のソーダライムガラス基
板上に同様の方法で透明導電膜を形成した後、成膜前後
の基板重量の差と膜厚および塗工面積を測定し、導電膜
中のITO粒子の体積含有濃度(vol%)を算出し
た。その際、測定精度を高めるため、導電膜の塗布、乾
燥を3回繰返して行い、導電膜を厚く形成して測定し
た。その結果を表3に示す。
【0049】この導電膜上にテトラエチルシリケート4
0g(コルコート株式会社製)、エチルアルコール40
g、0.2Nー塩酸13.8gを混合し、40℃で6時
間加水分解させることにより得られるシリカゾル溶液を
表2の組成に調製したオーバーコート液ー1を回転速度
180rpmでスピンコートし、そのままの回転で常温
で2分間保持した後、180℃で30分間乾燥し、透明
導電性基板を作製し、表面抵抗および光学特性(全光線
透過率、ヘーズ値、視感反射率)を測定した。その結果
を表3に示す。
【0050】なお、表面抵抗は四探針法とインピーダン
ス測定法の2通りで測定した。四探針法の抵抗測定は三
菱油化株式会社製のローレスタMCPーT400を用
い、インピーダンス測定は横河ヒューレットパッカード
株式会社製のLFインピーダンスアナライザー4192
Aを用いた。全光線透過率およびヘーズ値は、スガ試験
株式会社製の直読ヘーズコンピューターHGMーZDP
を用いて基板と共に測定した。視感反射率はガラス基板
の裏側に黒色マジックペイント(三菱ペイントマーカー
PXー30)を塗布した後、色彩色差計(ミノルタカメ
ラ株式会社製、CRー300)を用い、JISZ872
2定義のDーO法により測定した。その測定値は国際照
明委員会(CIE)の定めたXYZ表色系の三刺激値の
Yと色度座標x、yを用いて表され、Yの値が視感反射
率を示す。オーバーコート後の膜厚は、東京精密株式会
社製の表面粗さ測定機サーフコム900Aを用いて測定
した。
【0051】実施例9 実施例8と同様のITO超微粉を用い、表2のITO透
明導電インクー2(ITO含有量:27.5重量%)を
用い、表2のオーバーコート液ー2を用いた以外は、実
施例8と同様にして得た透明導電性基板について実施例
8と同様の測定を行った結果を表3に示す。
【0052】実施例10 実施例8と同様のITO超微粉を用い、表2のITO透
明導電インクー3(ITO含有量:1.9重量%)を得
た。これを40℃に加熱された300mm×210mm
の大きさのソーダライムガラス(厚さ2mm)上に、2
0℃、相対湿度60%で、スピンコートした。その際、
回転速度180rpmで3分間回転させ、ITO膜を乾
燥させた後、表2のオーバーコート液ー3をスピンコー
トし、そのまま回転速度180rpmで2分間回転させ
た後、180℃で30分間乾燥、硬化させ、オーバーコ
ート膜を形成した。このスピンコートするに当り、ソー
ダライムガラス基板の下には40℃に加熱した290m
m×200mm(厚さ10mm)のガラス板を置き、ス
ピンコート工程での基板温度の低下を可及的に防止し
た。ITO膜、オーバーコート膜の連続スピン工程にお
いて、基板温度は40℃から30℃へと、10℃低下し
た。このような連続スピンコートを施して得られた透明
導電性基板について、実施例8と同様の測定を行った結
果を表3に示す。
【0053】実施例11 実施例10と同様の方法で得られた透明導電膜を50
℃、相対湿度90%下に放置して表面抵抗変化を測定し
た。その結果を図4に示す。
【0054】比較例2 実施例8、9で用いたソーダライムガラス基板の全光線
透過率、ヘーズ値、視感反射率を実施例8と同様の方法
で測定した結果を表3に示す。
【0055】比較例3 実施例10で用いたソーダライムガラス基板の全光線透
過率、ヘーズ値、視感反射率を実施例8と同様の方法で
測定した結果を表3に示す。
【0056】実施例12 実施例8と同様の方法で得られた表面抵抗(四探針法)
28.4kΩ/□、全光線透過率95.9%、ヘーズ値
0.2%の透明導電膜の分光反射率を図5に示す。
【0057】実施例13 実施例10と同様の方法で得られた表面抵抗(四探針
法)28.4kΩ/□、全光線透過率95.2%、ヘー
ズ値0.4%の透明導電膜の分光反射率を図6に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る透明
導電性基板は、表面抵抗が小さく、光学特性に優れかつ
耐候性に優れているため、液晶ディスプレイ(LC
D)、太陽電池等の電極、ブラウン管等の帯電防止ある
いは電磁波シールド等に最適である。また、この発明方
法によれば、高価な装置を必要とせず、生産性や製品の
歩留が高いため、高品質の透明導電性基板を安価に提供
することができるという大なる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例6および比較例1における高温
雰囲気中の表面抵抗の変化を示す図である。
【図2】本発明の実施例1において使用した電極付基板
を示す概略図である。
【図3】透明導電膜の表面抵抗の測定例を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施例11における透明導電膜の表面
抵抗の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例12における透明導電膜の分光
反射率を示す図である。
【図6】本発明の実施例13における透明導電膜の分光
反射率を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線を透過する基板と、該基板上に
    形成された平均粒径0.1μm以下の酸化物超微粉が、
    シリカを主成分とするバインダー中に分散した透明導電
    膜と、該透明導電膜上に形成されたシリカを主成分とす
    るオーバーコート膜とから構成される透明導電性基板で
    あって、該透明導電膜の酸化物超微粉の体積含有濃度が
    40〜75%であり、該透明導電膜の比抵抗が0.01
    〜0.5Ω・cmであり、膜のヘーズ値が該透明導電膜
    の厚さが0.5〜2μmのとき0.5〜2%、該透明導
    電膜の厚さが0.5μm未満のとき0〜1%であること
    を特徴とする透明導電性基板。
  2. 【請求項2】 酸化物超微粉を溶剤中に分散せしめて得
    られる透明導電インクを可視光線を透過する基板上に塗
    布・乾燥し、酸化物超微粉単体からなる透明導電膜を形
    成せしめた後、該透明導電膜上にシリカゾルを主成分と
    するオーバーコート液を塗布し、次いで乾燥もしくは乾
    燥・焼成することを特徴とする透明導電性基板の作製方
    法。
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