JPH07234284A - 位相制御による電磁探査の信号処理方法と位相制御 による電磁探査の信号処理装置 - Google Patents

位相制御による電磁探査の信号処理方法と位相制御 による電磁探査の信号処理装置

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JPH07234284A
JPH07234284A JP6195894A JP6195894A JPH07234284A JP H07234284 A JPH07234284 A JP H07234284A JP 6195894 A JP6195894 A JP 6195894A JP 6195894 A JP6195894 A JP 6195894A JP H07234284 A JPH07234284 A JP H07234284A
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signal
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phase control
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Tokitaka Ori
隆孝 小里
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KENSETSU KIKAKU CONSULTANT KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来から、電磁探査は、屋外で行い、軽量な測
定器がよい。また、測定後、直ちに、その測定場所で、
測定結果を知る必要があるが、本発明は、上記の問題を
解決することを第一の目的とし、受信器の入力信号は、
同辺からのノイズのために、その電磁波は、振幅や周波
数や位相もひずみ、そして、さらに、時間的に変動して
いる。この問題を解決することを本発明の第二の目的と
する。 【構成】本発明は、位相制御をアナログ式に行ない得る
ようにし、入力信号以外の不要な位相を消去することに
より、出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得るように
した位相制御による電磁探査の信号処理方法であり、ま
た、本発明は、位相制御による電磁探査の信号処理装置
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相制御による電磁探
査の信号処理方法と位相制御による電磁探査の信号処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電磁探査法によって地下の導
電率を測定する方法としては、地磁気脈動や雷放電によ
るシューマン共振現象による自然電磁波を信号源とする
地磁気−地電流法(マグネトテルリック法.以下、MT
法と称する)と人工電磁波発振器による電磁波を信号源
とする方法(以下、CSMT法と称する。Contro
lled Source MT法の省略である)に大別
され、いずれも、その信号源に対する地下の電磁応答を
測定することから、導電率を求めてきた。そして、MT
法もしくはCSMT法(可聴周波帯の電磁波を利用する
場合は、CSAMT法と呼ばれるが、この方法も、CS
MT法に属するものである)は、地下の導電率の影響が
無視出来る周波数帯において、地上での電磁応答による
電場と磁場の信号強度を測定して導電率もしくは比抵抗
(導電率の逆数である)を求めるのである。この方法に
おいては、測定電磁波の周期をT、電場強度をE、磁場
強度をHとすると、この時の比抵抗ρは、下の式で求
められる。 ρ=0.2T(E/H) そして、受信する電磁場の強度は、ノイズ混入があるた
め、そして、特に、我が国では、測定地点の周辺に近接
して民家や送電線や種々の電気機器が使用されているこ
とが多く、良質の信号が受信し難くて、測定する電場お
よび磁場の強度がひずみ、正しい比抵抗値を得難い。そ
して、ノイズ混入による電磁場のひずみ、強度の変動だ
けでなく、周波数或いは位相ひずみも生じる。このた
め、従来の信号処理技術としてよく用いられているもの
には、下記のように分けられる。 (1)漏波器即ちフィルターによってノイズ信号を除去
して処理する方式 (2)受信したアナログ信号をデジタル変換し、フーリ
エ級数展開によって信号強度と位相を求めるFFT処理
方式 (3)PLL回路即ち位相周期ループ回路の応用による
信号処理方式 (4)周波数弁別器やプロダクト検波器を用いた無線通
信技術などに見られる復調回路を利用した処理方式 しかし、まず、(1)の処理方式は、フィルターを用い
ているため、位相を検出することが困難である。(2)
の処理方式は、近年、スペクトルアナライザーなどに用
いられ、本方式の目的を得るための別の手法であるが、
この処理方式は、アナログ/デジタル変換を行い、コン
ピューター処理による必要があるため、測定器の大型
化、高消費電流による屋外での電源問題、そして、コン
ピューター処理時間のため、リアルタイムな結果を得難
くて、製作費も高くつくのである。(3)の信号処理方
式は、本発明に近い技術であり、周波数周期過程を経て
位相同期状態をロックする方式であるが、受信器内に設
けられた局部信号発振器の位相と入力信号の位相との差
が残留するため、定常位相誤差が出力電圧から除去でき
ない欠点があり、位相は求められない。また、この方式
は、元来、安定した発振周波数を自動制御するのが目的
である。(4)の処理方式は、古くから用いられている
方式であって、この方式も、やはり、電場や磁場の位相
そのものを求める目的にはなりえず、放送電波などの復
調器に使用されており、位相は検出出来ない。また、M
T測定は、電場と磁場の強度のみを測定しても、地下の
比抵抗は求められるが、重要なことは、電場と磁場の位
相が、地下の地質構造の不均一性によって変化するた
め、これらの位相を精度良く測定することが望ましい
が、今迄、そのようなことは行なわれてこなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、まず、第一
に、通常は、MT測定のためのMT受信器は、屋外で使
用することが普通であり、時には、山岳地帯にまでも地
質調査に行くために、携帯しなければならない測定用機
器は、なるだけ軽量でなければならない。そして、さら
に、その電源は、他から求められないので、蓄電池を使
用することになるが、なるたけ、小型蓄電池を使用する
必要がある。第二に、測定後、直ちに、その測定場所
で、測定結果を知る必要があるが、従来は、この間題に
ついて、それほど努力をしてこなかった。本発明は、上
記の二つの問題をともに解決することを目的とするもの
である。また、従来から、MT測定やCSMT測定にお
いて、受信器の入力信号は、周辺からのノイズのため
に、その電磁波は、振幅や周波数や位相もひずみ、そし
て、さらに、それらの変化は、時間的に変動している。
このようなことは、信号対ノイズの比として、S/N比
で表わし、その数値を評価している。そこで極端な時に
は、ノイズの中に埋れた信号成分を検出しなければなら
ないので、調査従事者は、非常に苦労するのである。そ
して、本発明は、上記の問題を位相制御という新しい手
法を用いることによって、信号処理過程において生じる
不要な位相成分を打ち消し、受信信号の強度を高S/N
比でもって検出し、同時に、電場と磁場の位相差も求め
る。このため、受信信号の性質を分析出来、その結果と
して、高精度の電磁探査法受信器に利用することを、そ
の次の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、位相制御をア
ナログ式に行ない得るようにし、入力信号以外の不要な
位相を消去することにより、出力電圧の位相ひずみを事
実上無くし得るようにした位相制御による電磁探査の信
号処理方法であり、また、本発明は、位相制御などの信
号処理をアナログ式に行ない得るようにし、軽量な受信
器を装備した位相制御による電磁探査の信号処理装置で
ある。
【0005】
【作用】本発明は、位相制御をアナログ式に行ない得る
ようにし、入力信号以外の不要な位相を消去することに
より、出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得るように
した位相制御による電磁探査の信号処理方法であるか
ら、信号処理過程において生じる不要な位相成分を打ち
消し、出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得る。ま
た、本発明は、位相制御などの信号処理をアナログ式に
行ない得るようにし、軽量な受信器を装備した位相制御
による電磁探査の信号処理装置であるから、軽量で、か
つ、リアルタイムで測定結果を見ることができるので能
率的である。次に、図面に記載された本発明の位相制御
による電磁探査の信号処理装置の信号処理回路のブロッ
ク図に示された部分構成について述べると、前置増幅器
1の後ろに、受信周波数より高い周波数の高周波成分を
除去するローパスフィルター2を位置させ、そのローパ
スフィルター2はMT法では、バンドパスフィルターと
なり、その後ろに、二つの信号の乗算器3を位置させ、
その後ろに、ローパスフィルター4を位置させ、そのロ
ーパスフィルター4は乗算器の出力で生じた高周波成分
を除去するローパスフィルターであって、その後ろに、
乗算器の出力電圧の増幅器5を位置させ、その後ろに、
乗算器の出力電圧指示器6を位置させ、その乗算器の出
力電圧指示器は、電場と磁場のそれぞれの虚数成分と実
数成分を指示する乗算器の出力電圧指示器であり、その
後ろに、時間積分器7を位置させ、その後ろに、出力端
子13と出力端子14と出力端子15と出力端子16を
位置させ、中間部の最先端に、発振器8を位置させ、そ
の発振器8は、受信周波数と同じ周波数を発振する局部
発振器8であり、その局部発振器8の後ろに、位相調整
器9を位置させ、その後ろに、90度移相器10を位置
させ、その両横に、左右の中の一方の最先端に、電場信
号の入力端子11を位置させ、左右の中の他方の最先端
に、磁場信号の入力端子12を位置させた本発明の位相
制御による電磁探査の信号処理装置の信号処理回路であ
って、位相制御による電磁探査の信号処理方法により、
リアルタイムで、電磁探査を確実に達成し得る。
【0006】
【実施例1】本発明は、地下の導電率を求める電磁探査
法における電場と磁場の強度と、それぞれの位相を測定
する受信器の信号処理において、受信したい電場もしく
は磁場の信号周波数と同じ周波数を受信器内で発振せし
め、この発振信号を移相器によって制御することによ
り、ノイズ混入による位相ひずみを除き、電場と磁場の
強度を最大感度で検波し、さらに、検波出力に残留する
と思われる強度や位相の時間的変動を時間積分器によっ
て平均し、精度の高い電場と磁場強度およびそれぞれの
位相差を求める信号処理方式であって、その信号処理方
式の技術手段を用いて、その信号処理方式の技術手段を
電磁探査法受信器での信号処理に利用し得るようにした
位相制御による電磁探査の信号処理方法である。
【0007】
【実施例2】本発明は、地下の導電率を求める電磁探査
法における電場と磁場の強度と、それぞれの位相を測定
する受信器の信号処理において、受信したい電場もしく
は磁場の信号周波数と同じ周波数を受信器内で発振せし
め、この発振信号を移相器によって制御することによ
り、ノイズ混入による位相ひずみを除き、電場と磁場の
強度を最大感度で検波し、さらに、検波出力に残留する
と思われる強度や位相の時間的変動を時間積分器によっ
て平均し、高精度の電場と磁場強度およびそれぞれの位
相差を求める信号処理方式であって、その信号処理方式
の技術手段を用いて、その信号処理方式の技術手段を、
MT法やCSMT法などの電磁探査法受信器での信号処
理に利用し得るようにした位相制御による電磁探査の信
号処理方法である。
【0008】
【実施例3】電場および磁場は、それぞれ接地電極型セ
ンサーおよびインダクションコイルセンサーなどによっ
て、受信器の入力端11および12に導かれるのである
が、これらの信号が微弱であるために、これ以降の信号
処理回路を作動させるのに必要な強度まで前置増幅器1
によって所定のレベルまで増幅するのであり、これらの
受信電磁波には、受信したい周波数以外の高調波成分な
どが混入しており、この高調波成分は、乗算器3の作動
を不安定にすることがあるため、これを除くために、ロ
ーパスフィルター2を通すことになるのであるが、一
方、受信したい周波数は、受信器に設けた基準周波数発
振器8によって発振されるのであり、発振周波数は任意
に切り換えられるようになっており、そして、この発振
周波数は、本発明においては高精度が要求されるため、
水晶発振子などを用いた回路とし、電場と磁場の信号処
理回路は同一のものでよく、その信号処理回路を用いて
信号処理に利用し得るようにした位相制御による電磁探
査の信号処理装置である。
【0009】
【実施例4】電場の入力信号をV(t)とし、 V(t)=A・sin(ωt+θ) なる正弦波信号とする。Aは振幅であり、ωは角振動
数であり、周波数fについて、ω =2πfである。t
は時間であり、θは位相である。次に、基準周波数
(受信周波数)の発振信号をV(t)とし、以下、こ
のV(t)を、局部発振信号と称する。 V(t)=A・sin(ωt+θ) の余弦波信号としておく。この信号は、移相調整器9を
通り、乗算器3に導くが、この位相調整器9は、発振信
号V(t)の初期位相θを−180度〜0度〜+1
80度の範囲で調整できるものとする。この移相調整器
は、はじめは、0度にセツトされていて、これを出た信
号は、ひとつは、90度移相器10を通り、乗算器3に
入力されるが、他は直接に乗算器に入力する。これは、
次に、説明する信号処理理論式から判るごとく、90度
移相器10を経たものは入力信号の虚数成分(信号ベク
トルの正弦成分)を、他のものは実数成分(信号ベクト
ルの余弦成分)を分離して処理するためである。まず、
90度移相器10を通る信号処理は入力信号V(t)
と局部発振信号V(t)とが乗算器3によって乗算さ
れ、次に示す出力信号V(t)となるのである。この
場合、V(t)は90度移相器10を通過するので、
余弦波であれば正弦波に変わる。三角関数の公式より二
つの信号を乗算すると、 V(t)=K・V(t)・V(t) =K・A・A・sin(ωt+θ)・sin(ωt+θ)/2 =K・A・A・cos(ωt−θ)/2 −K・A・A−cos(2ωt+θ+θ)/2 この出力信号V(t)は、ローパスフィルター4を通
すことにより、上式の右辺第2項の高調波成分は除去さ
れ、この出力信号は、 V(t)=K・A・A・cos(θ−θ)/2 となる。上式におけるKは、局部信号発振器8の利得係
数である。同様に、90度移相器10を通さない信号処
理は V(t)=K・V(t)・V(t) =K・A・A・sin(ωt+θ)・cos(ωt+θ)/2 =K・A・A・cos(θ−θ)/2 +K・A・A−sin(2ωt+θ+θ)/2 となり、ローパスフィルター4を通すことにより、 V(t)=K・A・A・sin(θ−θ)/2 となる。V(t)もV(t)も角振動数ωに関する
交流分が除去されているため、直流成分となっている。
そして、次の説明では、上式のK/2をKとしてお
く。以上の処理によって、入力端子11から入力された
電場成分は、V(t)とV(t)の二つの直流成分
に分離され、これらは次の信号処理に必要な電圧まで増
幅する必要があるため、直流電圧増幅器5を通すのであ
る。ここで、本発明の最も重要なことであるが、V
(t)の成分の中にあるA・cos(θ−θ
とV(t)の成分の中にあるA・sin(θ−θ
)の項に着目する。これらの成分に含まれるθは、
前にも説明したように、局部発振器の初期位相である
が、これは発振器の性質上、どうしても既知量とする。
もしくは、検出することも不可能である。従って、θ
の位相を持つ発振信号とθの位相を持つ入力信号と
は、同相(位相周期)状態になっていないため、乗算器
の出力電圧を最大感度のすることが出来ない。これを同
相(位相周期)に調整するのが位相調整器9である。こ
の位相調整器9により位相調整をするのであるが、その
位相制御を数式で表わすと次のようになる。位相調整器
9の位相調整量をθとすると、位相調整器9からの出
力信号は、初期位相θと位相調整器9の位相調整量θ
の和、もしくは差の位相θ’=θ±θを持った信
号であって、θを調整することによって当然θ’が変
化する。従って、位相調整器9の虚数成分の出力電圧
(t)は、下記の式で求められる。 V(t)=K・A・A・sin(θ−θ’) そこで、二つの信号を同相状態に調整すれば、θ
θ’からsin(θ−θ’)=sin零度=0とな
り、V(t)は、ゼロ電圧に近づくのである。一方、
この時の実数成分の出力電圧V(t)は、 V(t)=K・A・A・cos(θ−θ’) で求められるから、同相状態では、cos(θ
θ’)=cos零度=1となるため、 V(t)=K・A・A となって、最大値を示す。このような同相状態は、二つ
の出力電圧の指示器6によって確認でき、直流増幅器5
の出力電圧の虚数成分V(t)の指示値を最小にし、
もしくは実数成分のV(t)の指示値を最大になるよ
うに位相調整器9を調整することで、ほぼ完全な位相周
期復調(位相周期検波)の状態を実現する事が可能であ
る。そして、これらの位相調整は、位相調整器9の中に
組み込まれる可変抵抗器をマニュアル操作で行う事が、
回路構成上簡単に済むが、出力電圧V(t)もしくは
(t)を位相調整器9にフィードバックし、自動制
御回路として実施することも可能である。次に、電場と
磁場信号の位相差を求める方法について、以下、説明す
る。同相状態で、出力電圧は、虚数成分のV(t)
が、ゼロとなっているために、実数成分のV(t)
は、そのまま、入力信号のベクトル値を表わしているこ
とになる。即ち、V(t)=K・A・Aとなっ
ているから、あらかじめ、回路の定数となるKとA
の値を既知の状態にしておけば、入力信号のベクトル値
は、A=V(t)/K・Aで求められる。
もし、同相状態から外れている場合は、二つの出力信号
を前述のθ’を用いて電場と磁場のそれぞれの虚数成分
と実数成分を次のように記述する。ただし、K・A
=Kとおく。 ここに、θは、磁場成分の位相であり、Aは、その
ベクトル値である。電場と磁場のθ’を含んだ位相値
は、電気の複素理論により、 θ−θ’=tan−1(E/E) θ−θ’=tan−1(H/H) で求められる。一方、MT理論において、地下の比抵抗
分布を調査する場合、電場および磁場の成分のベクトル
値は、はじめに説明したように、地下の見かけ比抵抗値
を求めるために使われるが、これとは別に、電場と磁場
の位相差Φ=θ−θの値が地下の不均質性を示すも
う一つ情報量として重要である。この位相差Φは、上の
二つの式より、θ’を消去すれば、 Φ=θ−θ=tan−1(E/E)−tan
−1(H/H) なる式によって簡単に求めることができる。本発明で
は、局部発振器に由来する位相θ’が最終的に消去でき
る信号処理回路になっていることも重要な点である。以
上の説明は、入力信号に含まれるノイズが少なく、その
波形が正弦波もしくは余弦波の状態に近いほど、実施例
通りに信号処理を行なえる。従って、この信号処理は、
はじめに説明したCSMT法のように人工的に周波数の
知れたノイズの少ない電磁波の信号処理に非常に効果的
である。しかし、MT法のようにノイズの多い信号源
は、波形がひずみ、位相も一定していない。このような
信号については、ローパスフィルター2を適当なバンド
幅のバンドパスフィルターに置き換えて、受信周波数に
近い信号となるように、漏波することによってノイズ分
の除去や波形のひずみは、かなり改善される。ただし、
この場合、バンドパスフィルター自身の位相特性をあら
かじめ検定しておき、このフィルターによる位相ずれを
補正しておく必要がある。とにかく、屋外のフィールド
において、実際に受信する電磁波は、それなりにノイズ
を含み、ひずんでいると見なければならない。この問題
の解決に適した回路が積分器7の回路である。この積分
器7は前述した電場と磁場の出力成分であるE,E
・およびH,Hが時間的に揺らぎのあることを配慮
して、ある測定時間T内の平均値を求めるために追加さ
れているものである。そこで、測定時間Tを長く取れば
取るほど、ノイズによる揺らぎが相殺されていくのであ
る。そこで、測定時間Tを任意に選べるようにして、積
分器の回路を製作しておくと実用性を高めうるのであ
る。その積分器の回路の一例を、下に示す。積分器7に
入る出力を、E=K・A・sin(θ−θ’)
とすると、図1の出力端子13に表われる信号は、 的に揺らぐものは、上式においては、入力信号の振幅A
や位相θである。同様に、他の出力成分E
,Hはそれぞれ、図1の出力端子14,15,1
6に出力されるのであって、かようにして、精度を高め
て測定し得るようにした位相制御による電磁探査の信号
処理方法である。
【0010】
【効果】本発明は、位相制御をアナログ式に行ない得る
ようにし、入力信号以外の不要な位相を消去することに
より、出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得るように
した位相制御による電磁探査の信号処理方法であるか
ら、信号処理過程において生じる不要な位相成分を打ち
消し、出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得る効果が
ある。また、本発明は、位相制御などの信号処理をアナ
ロク式に行ない得るようにし、軽量な受信器を装備した
位相制御による電磁探査の信号処理装置であるから、軽
量で、かつ、リアルタイムで測定結果を見ることができ
るので能率的であるなどの効果がある。また、本発明
は、電源を小型蓄電池にし、全体的に軽量にすることに
より、通常、一殿に、MT測定のためのMT受信器は、
屋外で使用することが普通であり、時には、山岳地帯に
までも地質調査に行くために、携帯しなければならない
測定用機器を、なるだけ軽量にし、そして、さらに、そ
の電源は、他から求められないので、蓄電池を使用し
て、特に、小型蓄電池を使用して、実用性を高めうる効
果がある。また、本発明は、測定後、直ちに、その測定
場所で、測定結果を知ることができる効果がある。ま
た、従来から、MT測定やCSMT測定において、受信
器の入力信号は、周辺からのノイズのために、その電磁
波は、振幅や周波数や位相もひずみ、そして、さらに、
時間的に変動している。このようなことは、信号対ノイ
ズの比として、S/N比で表わし、その数値を評価して
いる。そこで極端な時には、ノイズの中に埋れた信号成
分を検出しなければならないので、そのための調査従事
者は、非常に苦労したが、本発明は、上記の問題を解決
するために、位相制御という新しい手法を用いることに
よって、行なったのであるが、その位相制御をアナログ
式に行なえるようにし、入力信号以外の不要な位相部分
を消去することにより、出力電圧の位相ひずみを事実上
無くしうるようにしうる効果がある。また、本発明は、
測定される入力信号の位相値が、位相同期状態を保持し
て出力されているため、精度の高い測定値が得られる効
果がある。そして、さらに、位相値か得られると、地下
の比抵抗分布の異方性をより正しく考察しうる効果があ
る。また、本発明は、信号処理過程において生じる不要
な位相成分を打ち消し、受信信号の強度を高S/N比で
もって検出し、同時に、電場と磁場の位相差も求めるこ
とかできる効果がある。また、本発明の信号処理は、す
べて、アナログ式で行なえるため、受信器が軽量でコン
パクトであり、かつ、消費電流が少なくて済むので、小
型バッテリーでも使用し得るので電源確保が容易であ
る。また、本発明の位相制御による電磁探査の信号処理
装置は、山地でも、ノイズの多い場所でも、電磁探査を
可能とし得る効果がある。そして、また、アナログ式で
あるため、測定現場においてリアルタイムに測定値を監
視できるので、能率よく測定作業をなし得る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の位相制御による電磁探査の信
号処理装置の信号処理回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 前置増幅器 2 ローパスフ
ィルタ− 3 二つの信号の乗算器 4 ローパスフ
ィルター 5 乗算器の出力電圧の増幅器 6 乗算器の出
力電圧指示器 7 時間積分器 8 局部発振器 9 位相調整器 10 90度移相
器 11 電場信号の入力端子 12 磁場信号の
入力端子 13 出力端子 14 出力端子 15 出力端子 16 出力端子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相制御をアナログ式に行ない得るように
    し、入力信号以外の不要な位相を消去することにより、
    出力電圧の位相ひずみを事実上無くし得るようにした位
    相制御による電磁探査の信号処理方法。
  2. 【請求項2】位相制御をアナログ式に行ない得るように
    し、入力信号以外の不要な位相を消去することにより、
    出力電圧の位相ひずみを事実上無くし、受信器のS/N
    比を改善し得るようにした請求項1記載の位相制御によ
    る電磁探査の信号処理方法。
  3. 【請求項3】位相制御による電磁探査の信号処理装置に
    よって測定される入力信号の位相値を位相同期状態を保
    持して出力させて高精度の測定値を得ることにより、そ
    こで得られた位相値をもって地下の比抵抗分布の異方性
    を正しく考察し得るようにした請求項1記載の位相制御
    による電磁探査の信号処理方法。
  4. 【請求項4】位相制御などの信号処理をアナログ式に行
    ない得るようにし、軽量な受信器を装備した請求項1記
    載の位相制御による電磁探査の信号処理装置。
  5. 【請求項5】位相制御などの信号処理をアナログ式に行
    ない得るようにし、軽量な受信器を装備し、電源を小型
    バッテリーにして、山地における地質調査やノイズの多
    いところでの電磁探査を可能にし、信号処理をアナログ
    式に行ない得るので、リアルタイムに測定値を監視し得
    るようにして能率よい測定作業をし得る請求項1記載の
    位相制御による電磁探査の信号処理装置。
  6. 【請求項6】地下の導電率を求める電磁探査法における
    電場と磁場の強度と、それぞれの位相を測定する受信器
    の信号処理において、受信したい電場もしくは磁場の信
    号局波数と同じ周波数を受信器内で発振せしめ、この発
    振信号を移相器によって制御することにより、ノイズ混
    入による位相ひずみを除き、電場と磁場の強度を最大感
    度で検波し、さらに、検波出力に残留すると思われる強
    度や位相の時間的変動を時間積分器によって平均し、精
    度の高い電場と磁場強度およびそれぞれの位相差を求め
    る信号処理方式であって、その信号処理方式の技術手段
    を用いて、その信号処理方式の技術手段を電磁探査法受
    信器での信号処理に利用し得るようにした請求項1記載
    の位相制御による電磁探査の信号処理方法。
  7. 【請求項7】地下の導電率を求める電磁探査法における
    電場と磁場の強度と、それぞれの位相を測定する受信器
    の信号処理において、受信したい電場もしくは磁場の信
    号周波数と同じ周波数を受信器内で発振せしめ、この発
    振信号を移相器によって制御することにより、ノイズ混
    入による位相ひずみを除き、電場と磁場の強度を最大感
    度で検波し、さらに、検波出力に残留すると思われる強
    度や位相の時間的変動を時間積分器によって平均し、精
    度の高い電場と磁場強度およびそれぞれの位相差を求め
    る信号処理方式であって、その信号処理方式の技術手段
    を用いて、その信号処理方式の技術手段を、MT法やC
    SMT法などの電磁探査法受信器での信号処理に利用し
    得るようにした請求項1記載の位相制御による電磁探査
    の信号処理方法。
JP6195894A 1994-02-23 1994-02-23 位相制御による電磁探査の信号処理方法と位相制御 による電磁探査の信号処理装置 Pending JPH07234284A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011039010A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Public Works Research Institute 変形計測システムおよび変形計測方法

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