JP2003133835A - イオノゾンデ装置 - Google Patents

イオノゾンデ装置

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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電離層からの反射波の到来方向を、従来のも
のよりも改善された分解能で観測できる方探機能を付加
したイオノゾンデ装置を提案することを目的とする。 【解決手段】 送信部と受信部とを備え、その受信部は
少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポ
ールアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、ある
いは、少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系
統のループアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備
え、それぞれのアンテナ系により、該送信部から発射さ
れた到来電波の磁界の強度と、到来電波のそれに直交す
る電界の強度と、それらの磁界および電界に直交する電
界あるいは磁界の強度とを計測し、それらの計測値と固
有インピーダンスの値を用いて、到来電波の到来方向の
方向余弦を求める構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、到来電波の方探機
能を有するイオノゾンデ装置に関し、特にアンテナの指
向性による方探ではなく、到来電波の電磁界の解析によ
る方探を行なうイオノゾンデ装置に関している。
【0002】
【従来の技術】イオノゾンデ装置は、周波数を連続的に
掃引したパルス電波を上空に発射し電離層で反射された
電波を地上で再び受信し、電離層から反射して戻ってく
る電波の遅延時間から、電離気体の分布を表すイオノグ
ラムを作成する電離層観測機である。従来のイオノゾン
デ装置においては、十分な分解能を持った方探の機能が
付加されておらず、方向について十分な知見を得ること
ができなかった。このため、イオノグラムにより電離層
の状態を調べる場合、真上に打ち上げられた電波が真上
から反射して戻ってくるということが仮定されて解析さ
れてきた。この仮定は、電離層が平坦に広がる場合につ
いては正しいが、電離層が傾斜している場合や不規則に
乱れている場合、あるいはまた微細構造をもつ場合に
は、正しくないことが知られている。このように、上記
の仮定が成り立たない場合、真上に打ち上げられた個々
のパルス電波が、どちらの方向から戻ってくるかが分か
れば、イオノグラムの解釈をより厳密に行なうことがで
きるため、より正確な電離層の状態の調査をすることが
できる。
【0003】従来のイオノゾンデ装置において到来電波
の方探を行なうには、アドコックアンテナや、直交した
ループアンテナを用いて、方探を行なうことが知られて
いる。しかし、電離層観測に用いられる短波帯において
は、これらの装置の、方位誤差は数十度と大きく、電離
層分布の方位成分についての知見を得るには十分でなか
った。
【0004】方探の機能を持ったイオノゾンデ装置とし
ては、ディジゾンデ装置が文献(RadioScience,13(3)、
519-530,1978)に報告されている。この装置のアンテナ
系は、次のように構成されている。
【0005】ディジゾンデ装置のアンテナ系において
は、十系統の直交ループアンテナを使用して方探を行
い、打ち上げた個々のパルス電波が、どちらの方向から
戻ってくるかという知見を得ている。
【0006】前記のイオノゾンデ装置で、ループアンテ
ナが使われている点において、本発明と類似している
が、アンテナの指向性を用いて方位信号を得ており、こ
の点において、本発明装置と相違している。
【0007】また、前記のイオノゾンデ装置で、直交ル
ープアンテナの指向性を合成して得られる方位分解能は
約30度であり、電離層の構造を調べるには十分でな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の方探機能をもつ
イオノゾンデ装置は、アンテナ指向性を利用していた
が、イオノゾンデ装置の用いる短波帯においては方位の
分解能が数十度と大きく、電離層構造を知るには不十分
であるという問題点があった。
【0009】本発明は、電離層からの反射波の到来方向
を、従来のものよりも改善された分解能で観測できる方
探機能を付加したイオノゾンデ装置を提案することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における第1の発明は、送信部と受信部とを
備え、その受信部は少なくとも1系統のループアンテナ
系と2系統のダイポールアンテナ系の、計3系統のアン
テナ系を備え、それぞれのアンテナ系により、該送信部
から発射された到来電波の磁界Hzの強度と、到来電波
のそれに直交する電界Exの強度と、HzおよびExに
直交する電界Eyの強度とを計測し、それらの計測値を
用いて、到来電波の到来方向nの方向余弦を(nx
y)とし、Zを固有インピーダンスとするとき、nx
(HzEx*−ExHz*)Z/(ExEy*−EyE
*)、また、ny=(HzEy*−EyHz*)Z/(E
xEy*−EyEx*)なる関係に従って、到来電波の到
来方向の方向余弦を求めることを特徴としている。
【0011】また、本発明における第2の発明は、送信
部と受信部とを備え、その受信部は少なくとも1系統の
ダイポールアンテナ系と2系統のループアンテナ系の、
計3系統のアンテナ系を備え、それぞれのアンテナ系に
より、該送信部から発射された到来電波の電界Ezの強
度と、到来電波のそれに直交する磁界Hxの強度と、E
zおよびHxに直交する磁界Hyの強度とを計測し、そ
れらの計測値を用いて、到来電波の到来方向nの方向余
弦を(nx、ny)とし、Zを固有インピーダンスとする
とき、nx=−(EzHx*−HxEz*)/(HxHy*
−HyHx*)Z、また、 ny=−(EzHy*−Hy
Ez*)/(HxHy*−HyHx*)Zなる関係に従っ
て、到来電波の到来方向の方向余弦を求めることを特徴
としている。
【0012】また、第3の発明は、上記した第1の発明
あるいは第2の発明の構成に加えて、受信部と送信部と
が10km以上分離され、斜入射観測を行なうよう構成
したことを特徴としている。
【0013】また、第4の発明は、ノイズの少ないイオ
ノグラムを得るために、上記した第1の発明あるいは第
2の発明の構成に加えて、送信部と受信部と信号処理部
と表示部とを備え、その受信部は、少なくとも1系統の
ループアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系とを
備え、あるいは、少なくとも1系統のダイポールアンテ
ナ系と2系統のループアンテナ系とを備え、3系統のア
ンテナ系より得られた該送信部から発射された到来電波
の電界強度あるいは磁界強度に関する3個の計測値の一
次式、3個の計測値の二乗値の一次式、或いは3個の計
測値の関数値をもって強度として、イオノグラムを表示
または蓄積するようにしたことを特徴としている。
【0014】また、第5の発明は、電離層反射波の到来
方向を容易に把握することができるようにするために、
上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加え
て、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、そ
の表示部においては、電離層反射波の到来方向を表示す
る際に、イオノグラムと併せて、ディレクトグラムを併
用することを特徴としている。
【0015】また、第6の発明は、電離層反射波の到来
方向を容易に把握することができるようにするために、
上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加え
て、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、そ
の表示部においては、ディレクトグラムの表示に複数の
色による表示を行い、複数の到来方向の状況を表示する
に当たって、異なる色相、彩度或いは明度を変えて表示
し、且つ、イオノゾンデの表示に当たっては、その色
相、彩度あるいは明度の予め決められた対応による色表
示を行なうことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の第1の実施形
態を図1に基づいて詳細に説明する。図1に示す装置
は、周波数掃引されたパルス電波を発射するための送信
系と、そのパルス電波と同じ周波数の電波を受信する、
ほぼ垂直のループアンテナ3をもつ受信系と、ループア
ンテナ面に平行な面内で相互に直交するダイポールアン
テナ1、2を有する2つの受信系の、計3系統のアンテ
ナ受信系により、到来電波のほぼ水平の磁界Hzの強度
と、Hzと直交し、且つ相互に直交する電界Ex,Ey
の強度とを計測し、それらの計測値(振幅と位相を含
む)から、受信電波の到来方向を算出するイオノゾンデ
装置のブロック図である。このために、アンテナ1、
2、および3で電波を受信し、その電波の電界と磁界の
それぞれの(x、y、z)成分からなる6成分のうちの
3成分をアンテナの出力信号とし、各信号を広帯域増幅
器で増幅し、その信号を局部発振器(VFO=可変周波
数発振器)からの信号とミキサ回路により混合して2M
Hz程度の中間周波信号に変換したあと、その信号をさ
らに10乃至50kHz程度の周波数帯に変換する。こ
のように変換された3成分の信号を、AD変換部4で同
時サンプリングによりAD変換して、ディジタル信号と
する。イオノグラム処理部5では、それらの3成分の信
号強度からイオノグラムを作成して、表示部7へ送る。
ここで、イオノグラムとは、図2に示すように、イオノ
ゾンデによる観測記録であり、周波数を連続的に掃引し
たパルス電波を上空に発射し電離層で反射された電波を
地上で再び受信し、その遅れ時間から電離層の見かけの
高さを測定した記録である。
【0017】これと併せて、ディレクトグラム処理部6
では、3成分の値をそれぞれFFT(高速フーリエ変
換)を行い、予め測定あるいは計算により求めた測定装
置に関する振幅と位相の変動の補正を行なった後、反射
波の到来方向を算出してディレクトグラムを作成し、こ
れを表示部7へ送る。ここでディレクトグラムとは、当
該装置を設置する観測点の真上に原点をもつ高度一定の
座標平面上に、観測点から見た電離層反射波の到来方向
にその強度を投影することにより得られる図である。表
示部7では、イオノグラムとディレクトグラムとを併せ
て表示する。またここでは、データの蓄積や記録なども
行なう。
【0018】ここで、ディレクトグラム処理部6におけ
るFFT変換と補正はAD変換部4の一部で行なっても
よい。
【0019】本例において、ループアンテナの面は、上
方からの電波を受信するため、ほぼ垂直に設置するが、
イオノグラム作成時に直交ダイポールの受信信号により
右旋と左旋の偏波識別が容易になるように、ループアン
テナの面とy軸とを垂直から30度程度傾けて、Eyを
受信するアンテナ2が水平電界に対して感度を持つよう
設置するのがよい。
【0020】一般に到来電波を受信した場合のアンテナ
の電気信号出力は、アンテナによって異なるが、アンテ
ナの入力インピーダンスの計算値から求めることができ
る。また標準となる電波信号を受信して、その電界強度
あるいは磁界強度と電気信号出力との関係を求めること
により、容易に較正因子を得ることができる。この較正
因子を用いることにより、アンテナの電気信号出力か
ら、到来電波の電界強度あるいは磁界強度を求めること
は容易である。
【0021】このように求めた到来電波の電界強度およ
び磁界強度から以下のように到来電波の方向を求める。
nを電波の到来方向の単位ベクトルとし、電波の全電界
ベクトルをE、電波の全磁界ベクトルをH、空気中にお
ける電波の固有インピーダンスをZとするとき、一般に
知られている電波の進行方向(−n)と電界E及び磁界
Hとの間の直交関係より、電波の到来方向nに関する次
の式が得られる。
【0022】
【数1】
【0023】この式から、Hz、Ex、Eyの共役複素
数をそれぞれHz*、Ex*、Ey*とするとき、次の関
係が容易に得られる。
【数2】 電離層反射波は楕円偏波であるので二式は異なる式であ
る。
【0024】これから、到来電波方向のx、y成分とし
て、次の関係が得られる。
【数3】
【0025】上式はHz、Ex、Eyの絶対値を|Hz
|、|Ex|、|Ey|とし、HzとExの位相差をδ
zx、HzとEyの位相差をδzy、ExとEyの位相
差をδxyとすれば、次のように表すこともできる。
【数4】
【0026】このとき、θをz軸から測った電波の到来
角、φをx-y平面でx軸から反時計方向に測った電波
の到来角とすれば、
【数5】 となる。
【0027】このように、到来電波の方向は、その、ほ
ぼ水平の磁界Hzと、Hzと直交し、且つ、相互に直交
する、ほぼ水平の電界Exとほぼ垂直の電界Ey、とか
ら求めることができる。また、上記の方法は、アンテナ
の指向性を用いて到来電波の方位を求めるものでないた
め,到来電波に同調したアンテナを用いる必要がなく、
小型のダイポールアンテナを用いることができる。従来
のイオノゾンデにおいては、受信アンテナにほぼ垂直の
大型のループアンテナを用いることが多いが、それに小
型のダイポールアンテナを加えることにより、容易に方
探のアンテナ系を構成できる。
【0028】次に第2の実施形態として、周波数掃引さ
れたパルス電波を受信する、ダイポールアンテナをもつ
ひとつの受信系と、ループアンテナをもつ2つの受信系
の、計3系統のアンテナ受信系をもった方探イオノゾン
デ装置を説明する。この装置のブロック図を図2に示
す。このアンテナ系により、到来電波のほぼ垂直方向の
電界Ezの強度と、Ezと直交し、且つ相互に直交する
ほぼ水平な、磁界Hxの強度と、Hyの強度と、を計測
し、それらの計測値(振幅と位相を含む)から、以下の
ように到来電波の方向を求める。
【0029】数1は、nを電波の到来方向の単位ベクト
ルとし、電波の全電界ベクトルをE、電波の全磁界ベク
トルをH、空気中における電波の固有インピーダンスを
Zとするとき、次のように書くこともできる。
【数6】
【0030】この式から、Hz、Ex、Eyの共役複素
数をそれぞれHz*、Ex*、Ey*とするとき、次の関
係が容易に得られる。
【数7】 電離層反射波は楕円偏波であるので二式は異なる式であ
る。
【0031】これから、到来電波方向のx、y成分とし
て、次の関係が得られる。
【数8】
【0032】上式はEz、Hx,Hyの絶対値を|Ez
|、|Hx|、|Hy|とし、EzとHxの位相差をδ
zx、EzとHyの位相差をδzy、ExとEyの位相
差をδxyとすれば、次のように表すこともできる。
【数9】
【0033】このように、到来電波の方向は、その、相
互に直交するほぼ水平な磁界Hx、Hyと、ほぼ垂直方
向の電界Ezとから求めることができる。上記の方法で
は、上方から到来する電波に対して、ダイポールアンテ
ナの受信感度が増すように、z軸を垂直方向から傾け、
ダイポールアンテナを垂直から傾けて方探を行うことも
できる。
【0034】また、上記の方法は、アンテナの指向性を
用いて到来電波の方位を求めるものでないため,到来電
波に同調したアンテナを用いる必要がなく、小型のダイ
ポールアンテナを用いることができる。従来のイオノゾ
ンデにおいては、受信アンテナにほぼ垂直の大型のルー
プアンテナを用いることが多いが、それにひとつの小型
のループアンテナとひとつの小型のダイポールアンテナ
を加えることにより、簡易に方探のアンテナ系を構成で
きる。
【0035】また、これらのアンテナの配置について、
2つの同形のループアンテナを用いる場合には、ループ
の面を直交するよう、また、それぞれの中心が同じよう
になるように配置することができるが、ダイポールアン
テナは、ループアンテナから、なるべく接近している
が、しかしループアンテナが電界を乱さない程度に離間
した距離において配置することが望ましい。大型のルー
プアンテナと小型のループアンテナを用いる場合には、
大型のループアンテナが磁界、電界を乱さない程度に離
間した距離において小型のループアンテナとダイポール
アンテナを配置することが望ましい。
【0036】本発明のイオノゾンデ装置においては、電
界の受信にあたり、上記したダイポールアンテナ以外の
アンテナとして、その変形アンテナも用いることができ
る。また、同様に、磁界を受信するためのループアンテ
ナ以外のアンテナとして、その変形アンテナも用いるこ
とができ、これにより装置を小型化することができる。
【0037】上記のように、本発明のイオノゾンデは、
アンテナの指向性による方探ではなく、到来電波の、任
意の方向の磁界とそれに直交する2電界、或いは、到来
電波の、任意の方向の電界とそれに直交する2磁界を計
測し、その3個の計測値(振幅と位相を含む)の電磁界
解析により方探を行う機能を有する。
【0038】人工の電波である電離層観測波は、一般に
電波雑音より強度が大きく、また、位相も安定してい
る。このため、短波帯での方位精度は、誤差3度程度に
することができる。
【0039】本発明のイオノゾンデ装置においては、受
信波の単位標本化時間当たり3個の計測値が得られるの
で、これらの3個の計測値の一次式(電磁界強度)、3
個の計測値の二乗値(電磁界エネルギー強度)の一次
式、或いはその3個の計測値の関数値としてイオノグラ
ムの強度を与えたり、取捨選択したりすることにより、
S/N比の良いイオノグラムを得ることができる。
【0040】本装置においては、観測する対象に応じ
て、送信部と受信部を10km以上隔てて設置して、地
表の法線から斜め方向に電波を発射し、電離層で反射さ
れた電波が上記の受信部のアンテナに斜め方向から入射
する斜入射観測装置として用いることもできる。
【0041】本装置で得られた到来方向の情報を表示す
るに当たっては、ディレクトグラムをイオノグラムと重
ね合わせた表示か、接近した表示により、明確に電離層
の状態を把握することができる。
【0042】また、ディレクトグラムを色表示して周波
数,偏波等に応じて色相,彩度、明度等を変えて表示す
ることにより、到来方位の変化を一層識別しやすくな
る。また、これに対応して、イオノグラムのトレスの色
表示を行えば、イオノグラムの情報と到来方位の関係を
一層明確にできる。表示に記号、文字を用いることもで
きる。
【0043】上記のように構成されたイオノゾンデ装置
を使用すれば、電離層反射波の到来方向を電磁界成分か
ら算出できるので、アンテナの指向性に依存せずに個々
の電離層反射波の到来方向を高い精度で測定することが
できるようになった。
【0044】また、得られたディレクトグラムやイオノ
グラムを、上記のように色別にして有効に表示すること
により、電離層反射波の到来方向を容易に把握すること
ができるようになった。
【0045】
【発明の効果】この発明は上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
【0046】本発明の第1の発明により、イオノゾンデ
装置の受信部にひとつの磁界受信系アンテナと2つの電
界受信系アンテナの、計3系統のアンテナ系を設けるこ
とにより、電波の電界及び磁界の3成分を受信し、3成
分の演算から電離層反射波の到来方向を求める構成にし
たので、従来の装置に比べ、精度よく到来電波の方位を
求める事ができるようになった。
【0047】本発明の第2の発明により、イオノゾンデ
装置の受信部に、第1の発明と異なりひとつの電界受信
系アンテナと2つの磁界受信系アンテナの、計3系統の
アンテナ系を設けることにより、電波の電界及び磁界の
3成分を受信し、3成分の演算から電離層反射波の到来
方向を求める構成にしたので、従来の装置に比べ、精度
よく到来電波の方位を求める事ができるようになった。
このことにより、第1の発明と合わせて柔軟にアンテナ
系を構成する事ができるようになった。
【0048】また、第3の発明により、送信部と受信部
とを相応の距離をおいて隔てて設置して斜入射観測を行
なう事により、頭上から離れた場所の電離層を効果的に
観測できるようになった。
【0049】また、第4の発明により、得られた3個の
計測値の一次式、3個の計測値の、二乗値の一次式、或
いは3個の計測値の関数値をもって強度として、イオノ
グラムを表示または蓄積するようにしたので、よりノイ
ズの少ないイオノグラムを得ることが容易になった。
【0050】さらに、第5あるいは第6の発明により、
イオノグラムと合わせて、ディレクトグラムを併用して
表示し、しかもその表示を色相、彩度、明度等を変えた
表示とすることにより、周波数や偏波による到来方向の
変化を容易に識別することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ふたつのダイポールアンテナ系とひとつのルー
プアンテナ系を持つイオノゾンデ装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】ひとつのダイポールアンテナ系とふたつのルー
プアンテナ系を持つイオノゾンデ装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】イオノグラムの例を示す図である。
【符号の説明】
1、2、13 ダイポールアンテナ 3、11、12 ループアンテナ 4 AD変換部 5 イオノグラム処理部 6 ディレクトグラム処理部 7 表示部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信部と受信部とを備え、その受信部は
    少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポ
    ールアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それ
    ぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来
    電波の磁界Hzの強度と、到来電波のそれに直交する電
    界Exの強度と、HzおよびExに直交する電界Eyの
    強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の
    到来方向nの方向余弦を(nx、ny)とし、Zを固有イ
    ンピーダンスとするとき、nx=(HzEx*−ExHz
    *)Z/(ExEy*−EyEx*)、また、ny=(Hz
    Ey*−EyHz*)Z/(ExEy*−EyEx*)なる
    関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦を求める
    ことを特徴とするイオノゾンデ装置。
  2. 【請求項2】 送信部と受信部とを備え、その受信部は
    少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系統のル
    ープアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それ
    ぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来
    電波の電界Ezの強度と、到来電波のそれに直交する磁
    界Hxの強度と、EzおよびHxに直交する磁界Hyの
    強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の
    到来方向nの方向余弦を(nx、ny)とし、Zを固有イ
    ンピーダンスとするとき、nx=−(EzHx*−HxE
    *)/(HxHy*−HyHx*)Z、また、 ny=−
    (EzHy*−HyEz*)/(HxHy*−HyHx*
    Zなる関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦を
    求めることを特徴とするイオノゾンデ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載のイオ
    ノゾンデ装置において、受信部と送信部とが10km以
    上分離され、斜入射観測を行うよう構成したことを特徴
    とするイオノゾンデ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2に記載のイオ
    ノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と
    表示部とを備え、その受信部は、少なくとも1系統のル
    ープアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系とを備
    え、あるいは、少なくとも1系統のダイポールアンテナ
    系と2系統のループアンテナ系とを備え、3系統のアン
    テナ系より得られた該送信部から発射された到来電波の
    電界強度あるいは磁界強度に関する3個の計測値の一次
    式、3個の計測値の二乗値の一次式、或いは3個の計測
    値の関数値をもって強度として、イオノグラムを表示ま
    たは蓄積するようにしたことを特徴とするイオノゾンデ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2に記載のイオ
    ノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と
    表示部とを備え、その表示部においては、電離層反射波
    の到来方向を表示する際に、イオノグラムと併せて、デ
    ィレクトグラムを併用することを特徴とするイオノゾン
    デ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1あるいは請求項2に記載のイオ
    ノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と
    表示部とを備え、その表示部においては、ディレクトグ
    ラムの表示に複数の色による表示を行い、複数の到来方
    向の状況を表示するに当たって、異なる色相、彩度或い
    は明度を変えて表示し、且つ、イオノゾンデの表示に当
    たっては、その色相、彩度あるいは明度の予め決められ
    た対応による色表示を行なうことを特徴とするイオノゾ
    ンデ装置。
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