JP3621988B2 - イオノゾンデ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、到来電波の方探機能を有するイオノゾンデ装置に関し、特にアンテナの指向性による方探ではなく、到来電波の電磁界の解析による方探を行なうイオノゾンデ装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
イオノゾンデ装置は、周波数を連続的に掃引したパルス電波を上空に発射し電離層で反射された電波を地上で再び受信し、電離層から反射して戻ってくる電波の遅延時間から、電離気体の分布を表すイオノグラムを作成する電離層観測機である。従来のイオノゾンデ装置においては、十分な分解能を持った方探の機能が付加されておらず、方向について十分な知見を得ることができなかった。このため、イオノグラムにより電離層の状態を調べる場合、真上に打ち上げられた電波が真上から反射して戻ってくるということが仮定されて解析されてきた。この仮定は、電離層が平坦に広がる場合については正しいが、電離層が傾斜している場合や不規則に乱れている場合、あるいはまた微細構造をもつ場合には、正しくないことが知られている。このように、上記の仮定が成り立たない場合、真上に打ち上げられた個々のパルス電波が、どちらの方向から戻ってくるかが分かれば、イオノグラムの解釈をより厳密に行なうことができるため、より正確な電離層の状態の調査をすることができる。
【0003】
従来のイオノゾンデ装置において到来電波の方探を行なうには、アドコックアンテナや、直交したループアンテナを用いて、方探を行なうことが知られている。しかし、電離層観測に用いられる短波帯においては、これらの装置の、方位誤差は数十度と大きく、電離層分布の方位成分についての知見を得るには十分でなかった。
【0004】
方探の機能を持ったイオノゾンデ装置としては、ディジゾンデ装置が文献(RadioScience,13(3)、519−530,1978)に報告されている。この装置のアンテナ系は、次のように構成されている。
【0005】
ディジゾンデ装置のアンテナ系においては、十系統の直交ループアンテナを使用して方探を行い、打ち上げた個々のパルス電波が、どちらの方向から戻ってくるかという知見を得ている。
【0006】
前記のイオノゾンデ装置で、ループアンテナが使われている点において、本発明と類似しているが、アンテナの指向性を用いて方位信号を得ており、この点において、本発明装置と相違している。
【0007】
また、前記のイオノゾンデ装置で、直交ループアンテナの指向性を合成して得られる方位分解能は約30度であり、電離層の構造を調べるには十分でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方探機能をもつイオノゾンデ装置は、アンテナ指向性を利用していたが、イオノゾンデ装置の用いる短波帯においては方位の分解能が数十度と大きく、電離層構造を知るには不十分であるという問題点があった。
【0009】
本発明は、電離層からの反射波の到来方向を、従来のものよりも改善された分解能で観測できる方探機能を付加したイオノゾンデ装置を提案することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における第1の発明は、送信部と受信部とを備え、その受信部は少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来電波の磁界Hzの強度と、到来電波のそれに直交する電界Exの強度と、HzおよびExに直交する電界Eyの強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の到来方向nの方向余弦のx、y成分を(nx、ny)とし、Zを固有インピーダンスとするとき、nx=(HzEx*−ExHz*)Z/(ExEy*−EyEx*)、また、ny=(HzEy*−EyHz*)Z/(ExEy*−EyEx*)なる関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦のx、y成分を求めることを特徴としている。
【0011】
また、本発明における第2の発明は、送信部と受信部とを備え、その受信部は少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系統のループアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来電波の電界Ezの強度と、到来電波のそれに直交する磁界Hxの強度と、EzおよびHxに直交する磁界Hyの強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の到来方向nの方向余弦のx、y成分を(nx、ny)とし、Zを固有インピーダンスとするとき、nx=−(EzHx*−HxEz*)/(HxHy*−HyHx*)Z、また、ny=−(EzHy*−HyEz*)/(HxHy*−HyHx*)Zなる関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦のx、y成分を求めることを特徴としている。
【0012】
また、第3の発明は、上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加えて、受信部と送信部とが10km以上分離され、斜入射観測を行なうよう構成したことを特徴としている。
【0013】
また、第4の発明は、ノイズの少ないイオノグラムを得るために、上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加えて、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その受信部は、少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系とを備え、あるいは、少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系統のループアンテナ系とを備え、3系統のアンテナ系より得られた該送信部から発射された到来電波の電界強度あるいは磁界強度に関する3個の計測値の一次式、3個の計測値の二乗値の一次式、或いは3個の計測値の関数値をもって強度として、イオノグラムを表示または蓄積するようにしたことを特徴としている。
【0014】
また、第5の発明は、電離層反射波の到来方向を容易に把握することができるようにするために、上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加えて、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その表示部においては、電離層反射波の到来方向を表示する際に、イオノグラムと併せて、ディレクトグラムを併用することを特徴としている。
【0015】
また、第6の発明は、電離層反射波の到来方向を容易に把握することができるようにするために、上記した第1の発明あるいは第2の発明の構成に加えて、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その表示部においては、ディレクトグラムの表示に複数の色による表示を行い、複数の到来方向の状況を表示するに当たって、異なる色相、彩度或いは明度を変えて表示し、且つ、イオノゾンデの表示に当たっては、その色相、彩度あるいは明度の予め決められた対応による色表示を行なうことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の第1の実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。図1に示す装置は、周波数掃引されたパルス電波を発射するための送信系と、そのパルス電波と同じ周波数の電波を受信する、ほぼ垂直のループアンテナ3をもつ受信系と、ループアンテナ面に平行な面内で相互に直交するダイポールアンテナ1、2を有する2つの受信系の、計3系統のアンテナ受信系により、到来電波のほぼ水平の磁界Hzの強度と、Hzと直交し、且つ相互に直交する電界Ex,Eyの強度とを計測し、それらの計測値(振幅と位相を含む)から、受信電波の到来方向を算出するイオノゾンデ装置のブロック図である。このために、アンテナ1、2、および3で電波を受信し、その電波の電界と磁界のそれぞれの(x、y、z)成分からなる6成分のうちの3成分をアンテナの出力信号とし、各信号を広帯域増幅器で増幅し、その信号を局部発振器(VFO=可変周波数発振器)からの信号とミキサ回路により混合して2MHz程度の中間周波信号に変換したあと、その信号をさらに10乃至50kHz程度の周波数帯に変換する。このように変換された3成分の信号を、AD変換部4で同時サンプリングによりAD変換して、ディジタル信号とする。イオノグラム処理部5では、それらの3成分の信号強度からイオノグラムを作成して、表示部7へ送る。ここで、イオノグラムとは、図3に示すように、イオノゾンデによる観測記録であり、周波数を連続的に掃引したパルス電波を上空に発射し電離層で反射された電波を地上で再び受信し、その遅れ時間から電離層の見かけの高さを測定した記録である。
【0017】
これと併せて、ディレクトグラム処理部6では、3成分の値をそれぞれFFT(高速フーリエ変換)を行い、予め測定あるいは計算により求めた測定装置に関する振幅と位相の変動の補正を行なった後、反射波の到来方向を算出してディレクトグラムを作成し、これを表示部7へ送る。ここでディレクトグラムとは、当該装置を設置する観測点の真上に原点をもつ高度一定の座標平面上に、観測点から見た電離層反射波の到来方向にその強度を投影することにより得られる図である。表示部7では、イオノグラムとディレクトグラムとを併せて表示する。またここでは、データの蓄積や記録なども行なう。
【0018】
ここで、ディレクトグラム処理部6におけるFFT変換と補正はAD変換部4の一部で行なってもよい。
【0019】
本例において、ループアンテナの面は、上方からの電波を受信するため、ほぼ垂直に設置するが、イオノグラム作成時に直交ダイポールの受信信号により右旋と左旋の偏波識別が容易になるように、ループアンテナの面とy軸とを垂直から30度程度傾けて、Eyを受信するアンテナ2が水平電界に対して感度を持つよう設置するのがよい。
【0020】
一般に到来電波を受信した場合のアンテナの電気信号出力は、アンテナによって異なるが、アンテナの入力インピーダンスの計算値から求めることができる。また標準となる電波信号を受信して、その電界強度あるいは磁界強度と電気信号出力との関係を求めることにより、容易に較正因子を得ることができる。この較正因子を用いることにより、アンテナの電気信号出力から、到来電波の電界強度あるいは磁界強度を求めることは容易である。
【0021】
このように求めた到来電波の電界強度および磁界強度から以下のように到来電波の方向を求める。nを電波の到来方向の単位ベクトルとし、電波の全電界ベクトルをE、電波の全磁界ベクトルをH、空気中における電波の固有インピーダンスをZとするとき、一般に知られている電波の進行方向(−n)と電界E及び磁界Hとの間の直交関係より、電波の到来方向nに関する次の式が得られる。
【0022】
【数1】
Figure 0003621988
【0023】
この式から、Hz、Ex、Eyの共役複素数をそれぞれHz*、Ex*、Ey*とするとき、次の関係が容易に得られる。
【数2】
Figure 0003621988
電離層反射波は楕円偏波であるので二式は異なる式である。
【0024】
これから、到来電波方向のx、y成分として、次の関係が得られる。
【数3】
Figure 0003621988
【0025】
上式はHz、Ex、Eyの絶対値を|Hz|、|Ex|、|Ey|とし、HzとExの位相差をδzx、HzとEyの位相差をδzy、ExとEyの位相差をδxyとすれば、次のように表すこともできる。
【数4】
Figure 0003621988
【0026】
このとき、θをz軸から測った電波の到来角、φをx−y平面でx軸から反時計方向に測った電波の到来角とすれば、
【数5】
Figure 0003621988
となる。
【0027】
このように、到来電波の方向は、その、ほぼ水平の磁界Hzと、Hzと直交し、且つ、相互に直交する、ほぼ水平の電界Exとほぼ垂直の電界Ey、とから求めることができる。また、上記の方法は、アンテナの指向性を用いて到来電波の方位を求めるものでないため,到来電波に同調したアンテナを用いる必要がなく、小型のダイポールアンテナを用いることができる。従来のイオノゾンデにおいては、受信アンテナにほぼ垂直の大型のループアンテナを用いることが多いが、それに小型のダイポールアンテナを加えることにより、容易に方探のアンテナ系を構成できる。
【0028】
次に第2の実施形態として、周波数掃引されたパルス電波を受信する、ダイポールアンテナをもつひとつの受信系と、ループアンテナをもつ2つの受信系の、計3系統のアンテナ受信系をもった方探イオノゾンデ装置を説明する。この装置のブロック図を図2に示す。このアンテナ系により、到来電波のほぼ垂直方向の電界Ezの強度と、Ezと直交し、且つ相互に直交するほぼ水平な、磁界Hxの強度と、Hyの強度と、を計測し、それらの計測値(振幅と位相を含む)から、以下のように到来電波の方向を求める。
【0029】
数1は、nを電波の到来方向の単位ベクトルとし、電波の全電界ベクトルをE、電波の全磁界ベクトルをH、空気中における電波の固有インピーダンスをZとするとき、次のように書くこともできる。
【数6】
Figure 0003621988
【0030】
この式から、Hz、Ex、Eyの共役複素数をそれぞれHz、Ex、Eyとするとき、次の関係が容易に得られる。
【数7】
Figure 0003621988
電離層反射波は楕円偏波であるので二式は異なる式である。
【0031】
これから、到来電波方向のx、y成分として、次の関係が得られる。
【数8】
Figure 0003621988
【0032】
上式はEz、Hx,Hyの絶対値を|Ez|、|Hx|、|Hy|とし、EzとHxの位相差をδzx、EzとHyの位相差をδzy、ExとEyの位相差をδxyとすれば、次のように表すこともできる。
【数9】
Figure 0003621988
【0033】
このように、到来電波の方向は、その、相互に直交するほぼ水平な磁界Hx、Hyと、ほぼ垂直方向の電界Ezとから求めることができる。上記の方法では、上方から到来する電波に対して、ダイポールアンテナの受信感度が増すように、z軸を垂直方向から傾け、ダイポールアンテナを垂直から傾けて方探を行うこともできる。
【0034】
また、上記の方法は、アンテナの指向性を用いて到来電波の方位を求めるものでないため,到来電波に同調したアンテナを用いる必要がなく、小型のダイポールアンテナを用いることができる。従来のイオノゾンデにおいては、受信アンテナにほぼ垂直の大型のループアンテナを用いることが多いが、それにひとつの小型のループアンテナとひとつの小型のダイポールアンテナを加えることにより、簡易に方探のアンテナ系を構成できる。
【0035】
また、これらのアンテナの配置について、2つの同形のループアンテナを用いる場合には、ループの面を直交するよう、また、それぞれの中心が同じようになるように配置することができるが、ダイポールアンテナは、ループアンテナから、なるべく接近しているが、しかしループアンテナが電界を乱さない程度に離間した距離において配置することが望ましい。大型のループアンテナと小型のループアンテナを用いる場合には、大型のループアンテナが磁界、電界を乱さない程度に離間した距離において小型のループアンテナとダイポールアンテナを配置することが望ましい。
【0036】
本発明のイオノゾンデ装置においては、電界の受信にあたり、上記したダイポールアンテナ以外のアンテナとして、その変形アンテナも用いることができる。また、同様に、磁界を受信するためのループアンテナ以外のアンテナとして、その変形アンテナも用いることができ、これにより装置を小型化することができる。
【0037】
上記のように、本発明のイオノゾンデは、アンテナの指向性による方探ではなく、到来電波の、任意の方向の磁界とそれに直交する2電界、或いは、到来電波の、任意の方向の電界とそれに直交する2磁界を計測し、その3個の計測値(振幅と位相を含む)の電磁界解析により方探を行う機能を有する。
【0038】
人工の電波である電離層観測波は、一般に電波雑音より強度が大きく、また、位相も安定している。このため、短波帯での方位精度は、誤差3度程度にすることができる。
【0039】
本発明のイオノゾンデ装置においては、受信波の単位標本化時間当たり3個の計測値が得られるので、これらの3個の計測値の一次式(電磁界強度)、3個の計 測値の二乗値(電磁界エネルギー強度)の一次式、或いはその3個の計測値を用いてイオノグラムの強度を与えたり、取捨選択したりすることにより、 S/N比の良いイオノグラムを得ることができる。
【0040】
本装置においては、観測する対象に応じて、送信部と受信部を10km以上隔てて設置して、地表の法線から斜め方向に電波を発射し、電離層で反射された電波が上記の受信部のアンテナに斜め方向から入射する斜入射観測装置として用いることもできる。
【0041】
本装置で得られた到来方向の情報を表示するに当たっては、ディレクトグラムをイオノグラムと重ね合わせた表示か、接近した表示により、明確に電離層の状態を把握することができる。
【0042】
また、ディレクトグラムを色表示して周波数,偏波等に応じて色相,彩度、明度等を変えて表示することにより、到来方位の変化を一層識別しやすくなる。また、これに対応して、イオノグラムのトレスの色表示を行えば、イオノグラムの情報と到来方位の関係を一層明確にできる。表示に記号、文字を用いることもできる。
【0043】
上記のように構成されたイオノゾンデ装置を使用すれば、電離層反射波の到来方向を電磁界成分から算出できるので、アンテナの指向性に依存せずに個々の電離層反射波の到来方向を高い精度で測定することができるようになった。
【0044】
また、得られたディレクトグラムやイオノグラムを、上記のように色別にして有効に表示することにより、電離層反射波の到来方向を容易に把握することができるようになった。
【0045】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0046】
本発明の第1の発明により、イオノゾンデ装置の受信部にひとつの磁界受信系アンテナと2つの電界受信系アンテナの、計3系統のアンテナ系を設けることにより、電波の電界及び磁界の3成分を受信し、3成分の演算から電離層反射波の到来方向を求める構成にしたので、従来の装置に比べ、精度よく到来電波の方位を求める事ができるようになった。
【0047】
本発明の第2の発明により、イオノゾンデ装置の受信部に、第1の発明と異なりひとつの電界受信系アンテナと2つの磁界受信系アンテナの、計3系統のアンテナ系を設けることにより、電波の電界及び磁界の3成分を受信し、3成分の演算から電離層反射波の到来方向を求める構成にしたので、従来の装置に比べ、精度よく到来電波の方位を求める事ができるようになった。このことにより、第1の発明と合わせて柔軟にアンテナ系を構成する事ができるようになった。
【0048】
また、第3の発明により、送信部と受信部とを相応の距離をおいて隔てて設置して斜入射観測を行なう事により、頭上から離れた場所の電離層を効果的に観測できるようになった。
【0049】
また、第4の発明により、得られた3個の計測値の一次式、3個の計測値の、二乗値の一次式、或いは3個の計測値の関数値をもって強度として、イオノグラムを表示または蓄積するようにしたので、よりノイズの少ないイオノグラムを得ることが容易になった。
【0050】
さらに、第5あるいは第6の発明により、イオノグラムと合わせて、ディレクトグラムを併用して表示し、しかもその表示を色相、彩度、明度等を変えた表示とすることにより、周波数や偏波による到来方向の変化を容易に識別することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ふたつのダイポールアンテナ系とひとつのループアンテナ系を持つイオノゾンデ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ひとつのダイポールアンテナ系とふたつのループアンテナ系を持つイオノゾンデ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】イオノグラムの例を示す図である。
【符号の説明】
1、2、13 ダイポールアンテナ
3、11、12 ループアンテナ
4 AD変換部
5 イオノグラム処理部
6 ディレクトグラム処理部
7 表示部

Claims (6)

  1. 送信部と受信部とを備え、その受信部は少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来電波の磁界Hzの強度と、到来電波のそれに直交する電界Exの強度と、HzおよびExに直交する電界Eyの強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の到来方向nの方向余弦のx、y成分を(nx、ny)とし、Zを固有インピーダンスとするとき、nx=(HzEx*−ExHz*)Z/(ExEy*−EyEx*)、また、ny=(HzEy*−EyHz*)Z/(ExEy*−EyEx*)なる関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦のx、y成分を求めることを特徴とするイオノゾンデ装置。
  2. 送信部と受信部とを備え、その受信部は少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系統のループアンテナ系の、計3系統のアンテナ系を備え、それぞれのアンテナ系により、該送信部から発射された到来電波の電界Ezの強度と、到来電波のそれに直交する磁界Hxの強度と、EzおよびHxに直交する磁界Hyの強度とを計測し、それらの計測値を用いて、到来電波の到来方向nの方向余弦のx、y成分を(nx、ny)とし、Zを固有インピーダンスとするとき、nx=−(EzHx*−HxEz*)/(HxHy*−HyHx*)Z、また、ny=−(EzHy*−HyEz*)/(HxHy*−HyHx*)Zなる関係に従って、到来電波の到来方向の方向余弦のx、y成分を求めることを特徴とするイオノゾンデ装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載のイオノゾンデ装置において、受信部と送信部とが10km以上分離され、斜入射観測を行うよう構成したことを特徴とするイオノゾンデ装置。
  4. 請求項1あるいは請求項2に記載のイオノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その受信部は、少なくとも1系統のループアンテナ系と2系統のダイポールアンテナ系とを備え、あるいは、少なくとも1系統のダイポールアンテナ系と2系統のループアンテナ系とを備え、3系統のアンテナ系より得られた該送信部から発射された到来電波の電界強度あるいは磁界強度に関する3個の計測値の一次式、3個の計測値の二乗値の一次式、或いは3個の計測値をもって強度として、イオノグラムを表示または蓄積するようにしたことを特徴とするイオノゾンデ装置。
  5. 請求項1あるいは請求項2に記載のイオノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その表示部においては、電離層反射波の到来方向を表示する際に、イオノグラムと併せて、ディレクトグラムを併用することを特徴とするイオノゾンデ装置。
  6. 請求項1あるいは請求項2に記載のイオノゾンデ装置において、送信部と受信部と信号処理部と表示部とを備え、その表示部においては、ディレクトグラムの表示に複数の色による表示を行い、複数の到来方向の状況を表示するに当たって、異なる色相、彩度或いは明度を変えて表示し、且つ、イオノゾンデの表示に当たっては、その色相、彩度あるいは明度の予め決められた対応による色表示を行なうことを特徴とするイオノゾンデ装置。
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