JPH07234282A - 車両用レーダ装置 - Google Patents

車両用レーダ装置

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JPH07234282A
JPH07234282A JP6293110A JP29311094A JPH07234282A JP H07234282 A JPH07234282 A JP H07234282A JP 6293110 A JP6293110 A JP 6293110A JP 29311094 A JP29311094 A JP 29311094A JP H07234282 A JPH07234282 A JP H07234282A
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pulse signal
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雅弘 大西
Takeshi Ono
健 大野
Hiroshige Fukuhara
裕成 福原
Katsunori Yamada
勝規 山田
Hiroshi Sato
宏 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度の良い自動測距を可能とする。 【構成】 パルス信号送出手段によってパルス信号を所
定の送出回数だけ周期的に外部へ送出し、このパルス信
号が物標に反射して返って来る方向からの信号を受信手
段によって連続的に受信して2値化し、この2値化受信
信号を加算手段によってパルス信号送出手段の信号送出
タイミングからの経過時間を異ならせた複数のサンプリ
ング点毎に所定の送出回数分ずつ加算する。この加算処
理が終了すれば、判定手段によって、加算手段の求めた
各サンプリング点の加算値を所定の閾値と比較し、所定
の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリング点に対
応する距離を前方の物標までの距離として算出する。こ
こで、自車速測定手段によって当該装置が搭載されてい
る車両の速度を検出し、その速度に応じて受信手段の、
受信利得を増減調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、先行車の存在とその
先行車までの距離とを自動的に検出する車両用レーダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用レーダ装置としては、図2
9に示す装置が知られている。この装置は、自車両の前
方に例えば電波やレーザ光等のパルス信号を送出した時
から、先行車から反射されるパルス信号を受信するまで
の時間の計測結果に基づいて車間距離を演算するもので
ある。
【0003】パルス信号送出手段1は、前方の車両へ向
けて電波やレーザ光等のパルス信号を送出し、反射パル
ス信号受信手段2は、前方の車両から反射して来るパル
ス信号を受信して電気信号に変換する。また、制御手段
3は、パルス信号の送出タイミングを制御し、時間計測
手段4は、制御手段3の指令に基づいてパルス送出タイ
ミングから反射パルスを受信するまでの時間をカウント
して測定する。
【0004】図30は各種信号のタイミングチャートで
あり、トリガ信号(1)は、所定間隔Tr毎の一定周期
で制御手段3からパルス信号送出手段1に繰り返し出力
される信号である。送出パルス信号(2)は、パルス信
号送出手段1から出力される信号であり、トリガ信号
(1)に同期して出力される。受信パルス信号(3)
は、反射パルス信号受信手段2において外部の物標から
反射して返ってきたパルス信号であり、受信パルス信号
(3)の振幅が所定の閾値Vthを超えた時、反射パルス
信号受信手段2により検出信号が出力される。一方、ク
ロックパルス(4)は、時間計測手段4により、パルス
信号(2)が送出されてから検出信号が出力されるまで
の時間をカウントするための信号であり、一定期間の
間、間隔△t毎に出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のレーダ装置では以下のような問題がある。す
なわち、反射パルスの受信信号には通常、内部雑音や外
来雑音が含まれており、反射パルス検出のための閾値は
このような雑音の影響で誤検出することのないよう比較
的高い値に設定する必要がある。一般に雑音はガウス分
布に従うランダム雑音と見なしてよく、雑音の瞬時振幅
をnとすると、その確率分布P(n)は図31に示すよ
うに平均値がゼロで、分散がσ2 のガウス分布を呈する
確率密度定数となる。ここでσは標準偏差である。この
ときの確率密度関数P(n)は(1)式で表される。
【数1】
【0006】上記(1)式においてσ2 は雑音電力に相
当し、σはその実効値に相当する。振幅sの信号に上記
のような雑音が加わった時の確率密度関数P(n−s)
は(2)式で表される。
【数2】
【0007】したがっていま、所望の距離からの反射パ
ルスを99、85%の確率で正しく検出するためには、
図31に示すように閾値を3σにとり、信号の振幅が閾
値よりもさらに3σ高い、すなわち雑音の実効値σより
も6倍(SN比にして15.6dB)高いピーク信号が
得られるよう送出するパルス信号出力を設定すれば良
い。しかし、レーダ装置の場合、受信信号のレベルはい
わゆるレーダ方程式より距離の4乗に比例して減衰する
ことが知られており、測距(検知)距離を長くとるため
には大出力で極めてコストが高い特殊な発信デバイスあ
るいは発光デバイスが必要となる。また、高出力化にか
えて受信強度を上げようとするとアンテナの開口面積あ
るいは受光面積を大きくする必要があるため、レーダヘ
ッドの形状と重量が共に大きくなり、特に自動車の車間
距離検知レーダ装置へ適用しようとすると車両搭載性が
極めて悪くなるという問題がある。さらに人体へ照射さ
れたときの安全性の確保の観点から出力は安全基準以下
に制限されるため、所望の検知能力を得ることは難し
い。
【0008】一方、微弱な信号を検出するため、受信感
度を大幅に改善する手段として特公平1−46034、
特公平2−2106に示すような方法が提案されてい
る。これはロランC信号のような一定の繰り返し周期を
もつ受信信号に対し、信号が正か負かを表す2値化信号
に変換してサンプリングし、マイクロコンピュータによ
って一定時間の間RAMメモリに反復して加算記憶した
後、メモリ内容から信号の有無とSN比及びその時間位
置を検出するようにしたもので、SN比を加算により大
幅に改善することができ、微弱な受信信号の検出が可能
になる。
【0009】しかし、この従来例の構成は、ロランC信
号のような比較的繰り返し周期が長く、信号の検出に要
する時間も比較的長くてもよい場合には適しているが、
レーダ信号受信に適用しようとすると、以下のような問
題点がある。
【0010】すなわち、レーダ信号の受信強度は上述の
ように距離の4乗に比例して減衰するため、検知距離を
2倍にするためには16倍の感度向上が必要になる。と
ころが加算による感度改善量は加算数の1/2乗に比例
するため、16倍の感度向上を図るためには加算回数を
162 =256倍に増やす必要がある。送出パルス送出
繰り返し周期は極力短くしなければならないが、従来の
方法では加算と記憶にマイクロコンピュータでRAMメ
モリを制御していたため、マイクロコンピュータのクロ
ックタイムと命令サイクルでサンプリングと加算に要す
る時間が決まってしまい、これにより送出パルスの送出
繰り返し周期が制限され、加算数を大幅に増やすことに
よる感度向上には限界がある。
【0011】また、上述したレーダ装置を自動車の追突
警報装置に適用する場合、以下のような問題が生じる。
すなわち同様のレーダ装置を搭載した対向車がこちらに
対向して送出する場合、自車両から送出するパルス信号
と対向車から送出されるパルス信号とが互いに干渉しあ
い、正常な測距を行うことができなくなる恐れがある。
【0012】なお、正常な測距を害するのは、対向車の
パルス信号ばかりではなく、自車両のエンジンのスパー
ク雑音や、ヘッドライト、エアコン、ワイパ等の電装品
の電源のON・OFFによる雑音、あるいは電源電圧の
変動、さらには日照の変化、トンネルへの進入等の環境
変化による雑音が原因になることもある。すなわち、こ
れら自車両の雑音が外部からの雑音と共鳴して検出レベ
ルを大きくし、あらかじめ設定された閾値を超えてしま
い、実際には存在しない物標の反射パルスと誤ることが
あり得る。
【0013】また一方、本願出願人が特願平3−171
380に示すように、前方車両への近接状況に応じて警
報報知する場合、車間距離だけでなく相対速度が必要に
なるが、従来のレーダ装置で相対速度を求めようとする
と、以下のような問題がある。すなわち、一般にパルス
レーダ装置では物標との距離しか測定できないため、相
対速度を精度良く求めるためには測距精度を高くして、
時間変化率を測定する必要があるが、従来例で測距精度
を上げようとすると、送出パルス幅を短くすると共にサ
ンプリング点を増やす必要がある。ところが、例えば測
距範囲130mの区間で1mの測距精度を得るためには
サンプリング点が1m毎に130個必要になり、加算処
理に極めて長い時間がかかる。また、送出パルス幅も数
ns程度にする必要があるため、パルス信号送出部が複
雑、かつ高価になり、従来例の特徴が損なわれる問題が
ある。
【0014】また一方、パルス信号送出手段1を駆動す
る際には、発光素子の耐久性及び信頼性確保のためにパ
ルスのデューティ比が低くする必要があるため、送出パ
ルスの繰り返し時間が制限されてしまう。当然、送出パ
ルスの繰り返し時間を短くして測距の高速化を図ると、
発光素子の耐久性・信頼性が低下し、逆に送出パルスの
繰り返し時間を長くすると、測距の高速化が害される。
【0015】また、上記のような従来のレーダ装置で行
うパルス信号送出、反射パルス信号検出の方法では、測
距の分解能がサンプリング間隔で定まり、これを送出パ
ルスの幅としていたため、測距の分解能を上げるために
サンプリングパルス周期を狭くし、送出パルス幅を狭く
する必要があり、そのため、測距の分解能を上げようと
すると、回路を高速化することが必要となり、複雑、効
果になってしまう問題がある。加えて、分解能をサンプ
リングパルス周期よりも短くできないという本来的な問
題もある。
【0016】これらの問題に鑑み、本願出願人は特願平
5−156643号の特許出願(これに基づく優先権主
張出願、特願平6−146752号参照)において図3
2に示すような車両用レーダ装置を提案している。この
提案されている車両用レーダ装置は、電磁波、レーザ光
などのパルス状の信号を周期的に所定回数N(例えば、
約8000回)外部へ送出するパルス信号送出手段5a
と、このパルス信号送出手段5aが送出するパルス信号
が物標に反射して来る方向からの信号を連続的に受信し
てその信号強度に応じて2値化する反射パルス信号受信
手段5bとをレーダヘッド5に備えている。また、レー
ダヘッド5の反射パルス信号受信手段5bからの2値化
信号を、送信手段5aの信号送出タイミング後の複数の
時間を異ならせたサンプリング点毎にサンプリングして
加算するサンプリング手段6Aと、このサンプリング手
段6Aが得た各サンプリング点毎のサンプリング値を加
算記憶する加算記憶手段6Bから構成される演算記憶手
段6と、加算記憶手段6Bの記憶している各サンプリン
グ点毎の加算値を所定の閾値と比較し、閾値を超える加
算値を示すサンプリング点を見い出すことによってその
サンプリング点に対応する前方位置に先行車両が存在す
ると判定し、その距離情報を出力する判定手段7と、こ
れらの各回路の動作を制御する制御手段8を備えてい
る。
【0017】このような従来の車両用レーダ装置では、
パルス信号送出手段5aによってパルス状の信号を周期
的に外部へ出力する。そして反射パルス信号受信手段5
bが送出パルス信号が物標に反射して来る方向からの信
号(この信号には反射信号のみならず、その方向から入
ってくる他の雑音も多く含まれている)を連続的に受信
し、一定の信号レベルを超えるか超えないかによって2
値化した信号に変換して連続的に出力する。そしてサン
プリング手段6Aが、パルス信号送出手段5aの送出タ
イミング後の複数の時間を異ならせたサンプリング点毎
に2値化信号をサンプリングして0又は1のサンプリン
グ値を得、これを加算記憶手段6Bにおいてサンプリン
グ点毎に加算、記憶していく。この加算記憶手段6Bの
各サンプリング点毎の加算回数はパルス信号送出手段5
aにより一定の周期で繰り返し送出されるパルス状の信
号の所定の送出回数Nである。
【0018】その所定回数N分のサンプリング加算処理
が終了すると、判定手段7がサンプリング点毎の加算値
を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標
からの反射信号が存在するサンプリング点があるか否か
を判定し、物標からの反射信号が存在すると判定する時
にはさらに、パルス信号送出手段5aによる信号送出
後、所定の閾値よりも大きい加算値を示すサンプリング
点までの時間内に送出パルス信号が伝播する距離を算出
し、外部の物標までの距離を自動的に算定して表示装置
(図示せず)に表示することによって運転者に知らせ
る。
【0019】すなわち、図33に示すように、受信信号
が雑音ばかりであれば、受信手段5bで受信され2値化
された信号は0か1かであり、その2値化信号をN回加
算して得られる加算値はほぼN/2である。そして、受
信信号のうちに反射パルスが含まれていれば、そのパル
ス信号強度に応じて加算値がNからN/2の間の値を示
すことになる。そこで、加算値として最大値Anを示す
サンプリング点Xnに対応する距離を物標までの距離と
して算出するのである。
【0020】しかしながら、雑音レベルN/2を超える
加算値を示すサンプリング点が複数点であれば、その最
大値を示すサンプリング点に対応する距離を物標までの
距離とすると、サンプリング点が例えば、10mきざみ
の距離に対応する時間点として設定されている場合には
10mの精度でしか測距することができず、その精度を
さらに向上させる必要がある。
【0021】そこで、図34に示すようにピーク検出手
段11を追加し、このピーク検出手段11が演算記憶手
段6からサンプリング加算出力を受けて、次のピーク検
出処理を実行し、そのピーク点Xに対応する送出パルス
送出タイミングからの時間遅れTdを判定手段7に渡す
ようにしたものが同じ出願において提案されている。
【0022】このピーク検出処理手順を図35に基づい
て説明すると、まず、全サンプリング点Xiの加算値を
順次読み込み、雑音レベルN/2を超えるデータについ
て最も大きい加算値を第1のピーク値A2とし、次に大
きい加算値を第2のピーク値A3としてそれらのサンプ
リング点X2,X3を特定する。次に、これらのサンプ
リング点X2,X3に隣接するサンプリング点X1,X
4における加算値A1,A4を読み出し、A1,A2間
を直線で結び、またA3,A4間も直線で結び、それら
の直線同士の交点を加算値データのピーク位置として求
め、この交点に対応する時間点Xを送出パルスの送出タ
イミング(実際にはパルス中点)から反射パルスを受信
するまでにかかった時間Tdとして求める。
【0023】こうして、ピーク検出手段11は反射パル
スの受信波形をそのピーク点近くの両側の接線によって
近似し、それらの接線の交点によってピーク点を推定す
る近似方式によってピーク点の時間Tdを求め、これを
判定手段7に出力する。これによって判定手段7は時間
Tdに対応する距離を算定し、必要に応じて出力し、警
報を発したりすることになる。例えば、サンプリング点
間の時間間隔Δtに対応する距離が10mであれば、距
離L=10・Td/Δt(m)として距離を算定するの
である。
【0024】これによって、サンプリング点が10m刻
みであってもそれよりも1桁低い、1mオーダの精度で
測距することができるようになる。
【0025】ところが、このような車両用レーダ装置に
おいても、特に送出パルス強度が強かったり、受信手段
の利得が高かったりすると、図36に示すように複数の
サンプリング点での加算値がNとなる飽和状態(サチュ
レーション)が発生する。つまり送出回数N回のそれぞ
れにおいて受信2値化信号が1となり、N回の加算値が
Nとなってしまうのである。このような飽和が起こる
と、ピーク検出手段11において正確にピーク検出を行
うことができなくなる。
【0026】なぜならば、図36の場合、飽和加算値N
を示すサンプリング点がX1,X2,X3の3点である
場合、上述のピーク検出処理によれば加算点A1,A2
間とA3,A4間をそれぞれ直線で結んだ交点はA3と
なり、この交点A3に対応する時間点X3がこの場合、
ピーク位置の時間点Xとなる。ところが、実際の反射パ
ルス信号の分布は図36に鎖線で示したようなものとな
っていれば、そのピーク点Pに対応する時点は計算上の
ピーク点A3に対応する時点(X)と大きく異なること
になる。このことは、飽和加算値がある場合には正確な
ピーク検出ができないことを意味している。
【0027】ところで、このような飽和状態は送出パル
ス信号の出力が大き過ぎるか、反射パルスの受信利得が
大き過ぎる場合に発生する。これを避けるためには、当
該車両用レーダ装置を車両に搭載する際に微妙な調整を
行わなければならないが実際の路上では、渋滞時にはせ
いぜい10m前方までの測距性能があればよく、市街地
走行時の測距レンジは長くてもせいぜい50m程度であ
り、これに対して高速走行する高速道路での測距レンジ
は100〜130mとしなければならず、このような広
い測距レンジ0〜130mを1つのレーダ装置で広くカ
バーさせようとすると困難な課題に直面する。
【0028】すなわち、図37に示すように、レーダ装
置21の送出手段5aによる送出パルス信号の出力強度
が一定であるとすると、高速道路上で高速走行している
時のように遠距離前方の先行車(とらえるべき物標)2
2を測距する必要がある場合には、その物標22に反射
して返って来る反射パルス信号の強度が小さくなってい
るので受信手段5bの受信利得を高くしなければなら
ず、逆に、図38に示すように、渋滞時や市街地走行の
ような低速走行している時のように近距離レンジの測距
が主に必要な場合には、送出パルス信号の出力強度が一
定であるとすると、反射パルス信号の強度が大きいので
受信手段5bの受信利得を小さくしなければ前述した加
算記憶手段6Bの加算値が飽和してしまうことになり、
利得の調整が微妙で、的確なものに設定することが困難
である。
【0029】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、その目的は、反射パルス信号受信手
段の利得を車速度に応じて可変調整し、低速時には特に
近距離レンジの測距が正確に行え、高速時には特に遠距
離レンジの測距が正確に行え、車速に応じた距離レンジ
の測距が正確に行える車両用レーダ装置を提供すること
にある。
【0030】この発明の他の目的は、いずれかのサンプ
リング点の加算値が飽和する場合には送出パルス信号の
パルス幅を短くする調整を行うことによって飽和加算値
の発生を回避し、遠距離、近距離を問わず、正確に測距
ができる車両用レーダ装置を提供することにある。
【0031】この発明のさらに他の目的は、いずれかの
サンプリング点の加算値が飽和する場合があっても、そ
れらの加算値を用いて正確に測距ができる車両用レーダ
装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の車両用
レーダ装置では、パルス信号送出手段によってパルス信
号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送出し、このパ
ルス信号が物標に反射して返って来る方向からの信号を
受信手段によって連続的に受信し、2値化して出力し、
この受信手段が出力する2値化信号を、加算手段によっ
てパルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経過
時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の送出
回数分ずつ加算する。
【0033】そして所定回数の信号送出、受信、加算処
理が終了すれば、判定手段によって、加算手段の求めた
各サンプリング点の加算値を所定の閾値と比較し、その
大小に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか
否かを判定し、当該所定の閾値よりも大きい加算値を与
えるサンプリング点に対応する距離を前方の物標までの
距離として算出する。
【0034】ここで、自車速測定手段によって当該装置
が搭載されている車両の速度を検出し、受信利得制御手
段によって、この検出速度が大きければ受信手段の受信
利得を上げ、検出速度が小さければ受信利得を下げる利
得制御を行うことにより、高速走行時には遠距離レンジ
の測距を正確に行い、低速走行時には近距離レンジの測
距を正確に行えるようにする。
【0035】請求項2の発明の車両用レーダ装置では、
パルス信号送出手段によってパルス信号を所定の送出回
数だけ周期的に外部へ送出し、このパルス信号が物標に
反射して返って来る方向からの信号を受信手段によって
連続的に受信し、2値化して出力し、この受信手段が出
力する2値化信号を、加算手段によってパルス信号送出
手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた
複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算す
る。
【0036】そして、所定回数の信号送出、受信、加算
処理が終了すれば、判定手段によって、加算手段の各サ
ンプリング点の加算値を所定の閾値と比較し、その大小
に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否か
を判定し、当該所定の閾値よりも大きい加算値を与える
サンプリング点に対応する距離を前方の物標までの距離
として算出する。
【0037】ここで、送出パルス幅制御手段によって、
加算手段の算出するいずれかのサンプリング点の加算値
が飽和加算値を示していないかどうかチェックし、飽和
加算値を示すサンプリング点がある場合には、パルス信
号送出手段に対して送出パルス信号のパルス幅を狭くす
る制御を行う。
【0038】こうして、送出パルス信号の出力強度が大
きいためにいずれかのサンプリング点の加算値が飽和す
るような場合、送出パルス信号のパルス幅を狭くするこ
とによって出力強度を抑制する調整を行い、遠距離、近
距離を問わず、常に適正な加算値が得られるように調整
することにより、正確な測距ができるようにする。
【0039】請求項3の発明の車両用レーダ装置では、
パルス信号送出手段によってパルス信号を所定の送出回
数だけ周期的に外部へ送出し、このパルス信号が物標に
反射して返って来る方向からの信号を受信手段によって
連続的に受信し、2値化して出力し、この受信手段が出
力する2値化信号を、加算手段によってパルス信号送出
手段の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた
複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算す
る。
【0040】そして、所定回数の信号送出、受信、加算
処理が終了すれば、判定手段によって、加算手段の各サ
ンプリング点の加算値を所定の閾値と比較し、その大小
に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否か
を判定し、当該所定の閾値よりも大きい加算値を与える
サンプリング点に対応する距離を前方の物標までの距離
として算出する。
【0041】ここで、積分手段によって、受信手段が出
力する2値化信号を所定期間だけ積分し、送出パルス幅
制御手段によって積分手段の積分結果を所定の基準値と
比較し、当該基準値を超える積分結果が得られる場合に
は、パルス信号送出手段に対して送出パルス信号のパル
ス幅を狭くする制御を行う。
【0042】こうして、送出パルス信号の出力強度が大
きいためにいずれかのサンプリング点の加算値が飽和す
るような場合、積分結果から飽和状態が発生することを
予測し、送出パルス信号のパルス幅を狭くすることによ
って出力強度を抑制する調整を行い、遠距離、近距離を
問わず、常に適正な加算値が得られるように調整するこ
とにより、正確な測距ができるようにする。
【0043】請求項4の発明の車両用レーダ装置では、
第1のパルス信号送出手段によって第1の信号送出タイ
ミングで第1のパルス信号を所定の送出回数だけ周期的
に外部へ送出し、この第1のパルス信号が物標に反射し
て返って来る方向からの信号を第1の受信手段によって
連続的に受信し、2値化して出力し、この第1の受信手
段が出力する2値化信号を、第1の加算手段によって第
1のパルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経
過時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の送
出回数分ずつ加算する。
【0044】また、この第1の信号送受信系による所定
回数の信号送受信処理が完了した後、第2のパルス信号
送出手段によって前述の第1の信号送出タイミングに対
して所定時間だけ遅らせた第2の信号送出タイミングで
第1のパルス信号と同じパルス信号である第2のパルス
信号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送出し、この
第2のパルス信号が物標に反射して返って来る方向から
の信号を第2の受信手段によって連続的に受信し、2値
化して出力し、この第2の受信手段が出力する2値化信
号を、第2の加算手段によって前述の第1のパルス信号
送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
せた複数のサンプリング点であってその周期を第1の加
算手段のサンプリング点の周期と同じにしたサンプリン
グ点毎に所定の送出回数分ずつ加算する。
【0045】そして、これら第1の信号送受信系と第2
の信号送受信系とのそれぞれによるパルス信号の送受信
処理が完了すると、差分手段によって第1の加算手段が
得た第1の加算値と第2の加算手段が得た第2の加算値
との差分を演算し、直線近似手段によって、各サンプリ
ング点毎の差分値を見て、時間軸を横軸、差分値を縦軸
とする直交座標上で+側の最大値を与えるサンプリング
点と−側の最小値を与えるサンプリング点との間に存在
するそれぞれの差分値を最小2乗法によって直線近似
し、時間軸と交わるゼロクロス点を見出し、さらに、判
定手段によって、第1の信号送出タイミングと第2の信
号送出タイミングとの中間時間点から直線近似手段が割
り出したゼロクロス点までの経過時間を算出し、当該時
間を第1又は第2のパルス信号が物標に反射して返って
来るまでにかかる往復時間とし、対応する距離を前方の
物標までの往復距離として算出する。
【0046】こうして、いずれかのサンプリング点に飽
和加算値が見られても、パルス信号出力あるいは受信利
得を可変制御することになく、得られた加算値を利用し
て測距を行う。
【0047】請求項5の発明では、請求項4記載の車両
用レーダ装置において、さらに、差分手段が、ある1又
は連続する複数のサンプリング点の差分値がゼロで、そ
の前後に+側の差分値及び−側の差分値を示すサンプリ
ング点を見出す場合に、当該差分値をゼロとするサンプ
リング点の数+1に対応する時間だけ、第1のパルス信
号の送出タイミングに対して第2のパルス信号の送出タ
イミングをさらに遅らす制御を行うパルス送出タイミン
グ制御手段を備えることにより、いずれかのサンプリン
グ点に飽和加算値が見らる場合でも、パルス信号出力あ
るいは受信利得を可変制御することなく、第1のパルス
信号と第2のパルス信号との送出タイミングを調整する
だけで、第1、第2の加算手段それぞれによって得られ
る飽和加算値も含めた加算値を利用して測距を行うこと
ができるようになる。
【0048】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1の発明の一実施例の回路構成を示
している。この実施例の車両用レーダ装置は、電磁波、
レーザ光などのパルス状の信号を周期的に所定回数N
(例えば、約8000回)外部へ送出するパルス信号送
出手段5aと、このパルス信号送出手段5aが送出する
パルス信号が物標に反射して来る方向からの信号を連続
的に受信してその信号強度に応じて2値化する、自動利
得制御機能付の反射パルス信号受信手段5bとをレーダ
ヘッド5に備えている。
【0049】この実施例の車両用レーダ装置はまた、レ
ーダヘッド5の反射パルス信号受信手段5bから連続的
に出力される2値化信号を、送信手段5aの信号送出タ
イミング後の複数の時間を異ならせたサンプリング点毎
にサンプリングするサンプリング手段6Aと、このサン
プリング手段6Aが得た各サンプリング点毎のサンプリ
ング値を加算記憶する加算記憶手段6Bから構成される
演算記憶手段6と、加算記憶手段6Bの記憶している各
サンプリング点毎の加算値を所定の閾値と比較し、閾値
を超える加算値を示すサンプリング点を見い出すことに
よってそのサンプリング点に対応する前方位置に先行車
両が存在すると判定し、その距離情報を出力する判定手
段7と、図35に示した方法でピーク検出を行うピーク
検出手段11と、これらの各回路の動作を制御する制御
手段8を備えている。
【0050】以上は従来例として図34に示したものと
共通するが、この実施例の特徴部分としてさらに、当該
レーダ装置を搭載する車両の車速を検出する自車速測定
手段9と、この自車速測定手段9が検出する自車速の大
小に応じて受信手段5bの受信利得を制御するための利
得制御信号を生成する利得制御信号発生手段10を備え
ている。
【0051】上記の自車速測定手段9は車両の速度メー
タに速度信号を与える速度センサからの信号を利用する
が、その速度信号に対して、例えば、0〜20km/
h、20〜40km/h、40〜60km/h、60〜
80km/h、80〜100km/hのように20km/
h刻みの速度レンジを設定し、あるいは0〜30km/
hの低速レンジ、30〜60km/hの中速レンジ、6
0km/h超の高速レンジといったレンジ分けをして、
いずれの速度レンジに属するかの判定信号を出力する。
【0052】利得制御信号発生手段10は自車速測定手
段9からの速度レンジ判定信号に対応して、各速度レン
ジ毎の受信利得の最大値を有し、加算記憶手段6Bの各
サンプリング点毎の加算値をチェックして、いずれのサ
ンプリング点の加算値も上限値Aを超えず、またいずれ
かのサンプリング点の加算値が下限値Bを超えるように
上記最大利得値までの範囲で受信手段5bの受信利得を
多段階に増減制御する利得制御信号を生成して反射パル
ス信号受信手段5bに与えるようになっている。
【0053】次に、上記構成の第1の実施例の車両用レ
ーダ装置の動作について説明する。図2(1)に示すよ
うに、パルス信号送出手段5aによってパルス状の信号
を例えば、4μsといった一定周期で周期的に外部へ出
力する。そして反射パルス信号受信手段5bが、図2
(2)に示すような、送出パルス信号が物標に反射して
返って来る方向からの信号(この信号には反射信号のみ
ならず、その方向から入ってくる他の雑音も多く含まれ
ている)を連続的に受信し、一定の信号レベルを超える
か超えないかによって2値化した信号に変換して連続的
に出力する。
【0054】そしてサンプリング手段6Aが、同図
(3)に示すような周期Δtのサンプリングパルスによ
って、パルス信号送出手段5aの送出タイミング後の複
数の時間を異ならせたサンプリング点毎に2値化信号を
サンプリングして0又は1のサンプリング値を得、これ
を加算記憶手段6Bに与える。加算記憶手段6Bでは、
サンプリングパルスに同期して、サンプリング手段6A
から与えられるサンプリング点毎の0または1の信号を
所定回数だけ加算、記憶していく。この加算記憶手段6
Bの各サンプリング点毎の加算回数はパルス信号送出手
段5aにより一定の周期で繰り返し送出されるパルス状
の信号の所定の送出回数Nである。
【0055】その所定回数N分のサンプリング加算処理
が終了すると、判定手段7が加算記憶手段6Bから図2
(4)に示すようなサンプリング加算出力を得て、サン
プリング点毎の加算値を所定の閾値(ほぼ、N/2と等
しい値に設定される)と比較し、その大小に基づいて外
部の物標からの反射信号が存在するサンプリング点があ
るか否かを判定し、さらに、物標からの反射信号が存在
すると判定する時には、パルス信号送出手段5aによる
信号送出後、所定の閾値よりも大きい加算値を示すサン
プリング点までの時間内に送出パルス信号が往復する距
離を算出し、外部の物標までの距離を自動的に算定して
表示装置(図示せず)に表示することによって運転者に
知らせる。
【0056】ここで、図2(4)に示したように加算出
力に閾値を超える加算値を示すサンプリング点が複数点
見出される場合には、ピーク検出手段11が同図(5)
に示すようなピーク検出処理を行い、そのピーク点に対
応する時点Tを判定手段7に与える。なお、このピーク
検出処理は後述する。
【0057】以上が通常の測距処理であるが、実際には
物標の存在する位置によって各サンプリング点毎の加算
値が小さすぎたり、逆に従来例の説明で図36に示した
ように飽和加算値になってしまうことがある。そこで、
自車速測定手段9と受信利得制御信号発生手段10とは
次の処理動作を行い、常に反射パルス信号受信手段5b
の受信利得が適正なものになるように自動調整する。
【0058】各サンプリング点毎の加算値分布は、図4
に示すようにいずれのサンプリング点の加算値も飽和加
算値Nに達せず、またいずれかのサンプリング点の加算
値が雑音レベルN/2を超える値を示していることが望
ましい。そこで、加算値比較基準として上限値Aと下限
値Bを設定し、いずれのサンプリング点の加算値も上限
値Aに達せず、またいずれかのサンプリング点の加算値
が下限値Bを超える値を示すように受信手段5bの受信
利得を制御する。
【0059】この受信利得の制御手順は図5に示すフロ
ーチャートに従う。まず、自車速測定手段9は車速を検
出して利得制御信号発生手段10に入力する。利得制御
信号発生手段10は、図3に示すような利得制御チャー
トに従う利得可変範囲のデータテーブルを備えており、
利得制御できる最大利得Gとして、車速が0〜X1まで
の範囲の時には一定の下限利得G1に固定し、次の車速
レンジX1〜X2では車速に応じて下限利得G1と上限
利得G2との間でリニアに変化させ、ある車速X2以上
になれば上限利得G2に固定する。この車速レンジとし
ては、例えば、X1=20km/h、X2=60km/
hに設定し、超低速レンジ、市街地走行レンジ、高速レ
ンジに分けて最大利得Gを可変調整する(ステップST
1,ST2)。
【0060】ここで、通常、車両速度が上昇しても所定
回数Nのサンプリング加算によって得られる各サンプリ
ング点の加算値が適正なものであれば、受信手段5bの
利得としては下限利得G1に設定されたままである。し
かしながら、前回までの利得制御によって受信手段5b
の利得が前回の測距時の車速に対応した最大利得Gまで
上昇していることもある。
【0061】いま、一度の測距動作でパルス信号送出手
段5aがパルス信号を4μsごとに所定回数である約8
000回送出し、そのパルス信号送出の度に、反射パル
ス信号受信手段5bが受信する信号をサンプリング手段
6Aが例えば、66nsのパルス間隔の14個のサンプ
リングパルスを発生してサンプリングし、加算記憶手段
6Bで各サンプリング点毎のサンプリング値0または1
を加算していく(ステップST3,ST4)。
【0062】こうして、一度の測距動作が終了すると、
利得制御信号発生手段10は加算記憶手段6Bの各サン
プリング点の加算値を走査し、いずれかのサンプリング
点の加算値が加算上限値Aを超えていないか(ステップ
ST5)、またいずれのサンプリング点の加算値も加算
下限値Bを超えていないかを判定する(ステップST
7)。
【0063】ここで、図7の曲線S1に示すように上限
値Aを超える加算値を示すサンプリング点(例えば、サ
ンプリング点Xi+1 ,Xi+2 )があれば、ステップST
5の判定においてYESとなり、加算値を小さくするた
めに受信利得を1段階減少させる処理を行う(ステップ
ST6)。
【0064】上記の利得減少処理の後、再び測距動作が
実行されるが、再開した測距動作では、受信利得が減少
しているで受信信号の増幅度が絞られ、2値化処理する
場合に1を出力する確率が低減し、その結果として、各
サンプリング加算値は減少することになる。そこで、利
得減少処理を1回、あるいは複数回繰り返すことによっ
て、図7の曲線S2に示したようにいずれのサンプリン
グ点の加算値も上限値Aを超えないようになれば、その
時の利得が適正なものとし、加算記憶手段6Bの各サン
プリング点の加算値を用いて距離算定を実行することに
なる(ステップST8)。
【0065】なお、この利得減少処理は、受信利得が利
得下限G1に達するまでは繰り返し実行することができ
るが、受信利得を利得下限G1まで減少させても加算上
限値Aを超えるサンプリング点があれば、そのまま距離
算出処理に進む。
【0066】逆に、受信利得が低いために、図8の曲線
S3に示すように、いずれのサンプリング点の加算値も
加算下限値Bを超えない場合があれば(ステップST
7)、利得制御信号発生手段10は受信手段5bの受信
利得を1段階上昇させる処理を行う(ステップST
9)。
【0067】この利得上昇処理の後、再び測距動作が実
行されるが、再開した測距動作では、利得が上昇してい
るので受信信号の増幅度が大きくなり、2値化処理する
場合に反射パルス信号が含まれている信号に対して1を
出力する確率が増加し、その結果として、反射パルスの
受信タイミングに対応するサンプリング点の加算値は増
加することになる。そこで、利得上昇処理を1回、ある
いは複数回繰り返すことによって、図8の曲線S4から
曲線S5に示すように、いずれかのサンプリング点の加
算値が加算下限値Bを超えるようになり、その時の利得
が適正なものとし、加算記憶手段6Bの各サンプリング
点の加算値を用いて距離算定を実行することになる(ス
テップST8)。
【0068】なお、この利得上昇制御は受信手段5bの
受信利得が現在の車速に対応する最大利得Gまで上昇す
れば打ち切り、その最大利得Gを用いて測距した結果で
距離算出する。
【0069】このようにして、車速に応じて最大受信利
得Gを可変調整することには、次のような利点がある。
すなわち、従来例の説明に用いた図37に示したよう
に、高速道路を高速で走行している場合には、捕らえる
べき先行車22は比較的遠方にあり、その測距のために
は受信利得を高いものとする必要があるが、同じ高速道
路でも渋滞が発生し、低速走行になったような場合には
同じく従来例の説明に用いた図38に示すように捕らえ
るべき先行車23と共に近距離前方に多数の他の車両が
存在することになり、受信利得を高いままに保っておく
と、捕らえるべき先行車23による反射パルス信号を検
出するだけでなく他の物標1〜3のような車両からの反
射パルス信号も受信してしまうことになり、多数のサン
プリング点で加算値が高く出てしまうことになる。そこ
で、このような低速走行時には近距離前方の先行車23
だけを検出するように受信利得を絞る方が有効である。
【0070】しかしながら、渋滞が解消して車間距離が
徐々に延び、速度も上昇するようになれば、それに応じ
て遠距離前方の先行車までの測距が必要となってくるの
で、再び受信利得を上昇させる必要がある。
【0071】そこで、図9に示すように、車速に応じて
最大利得Gを可変調整するのである。この図9の最大利
得Gの変化例は、高速道路において最初の時間帯T0〜
T1では高速走行しているために最大利得を利得上限G
2に設定し、渋滞に遭遇した時間帯T1〜T2ではノロ
ノロ運転になったので最大利得を利得下限G1に設定
し、渋滞から抜け出した時点T2以降は加速される車速
に応じて最大利得Gを図3のチャートに基づいて上昇さ
せ、高速走行に入れば、再び、利得上限G2に最大利得
Gを設定したことを示している。
【0072】以上のようにして反射パルス信号受信手段
5bの利得制御を行い、適正な受信利得に自動調整して
得られた各サンプリング点の加算値を用いて距離算出処
理が実行されることになる(ステップST8)。
【0073】この距離算出処理は図6のフローチャー
ト、及び図35に従来例として示したグラフにしたがっ
て実行される。距離算出処理では、まずピーク検出手段
11によってピーク検出処理を実行する。このピーク検
出処理では、ピーク検出手段11が加算記憶手段6Bか
らサンプリング加算値を受けて、N/2を超えるサンプ
リング点の加算値について最も大きい加算値を第1のピ
ーク値A2とし、次に大きい加算値を第2のピーク値A
3としてそれらのサンプリング点X2,X3を特定する
(ステップST11〜ST16)。ここでは、図35に
示すように第1ピーク点A2(サンプリング点としてX
2の位置)が第2ピーク点A3(サンプリング点として
X3の位置)よりも近い位置にあったとしている。
【0074】次に、第1ピークのサンプリング点X2と
第2ピークのサンプリング点X3それぞれに対応する距
離の遠近を判断し(ステップST17)、第1ピーク点
A2が第2ピーク点A3よりも対応する距離において近
い場合には第1ピーク値A2とそれよりも対応する距離
が1刻み分近いサンプリング点X1の加算値A1とを直
線で結び(ステップST20)、同じように、第2ピー
ク値A3とそれよりも対応する距離が1刻み分遠いサン
プリング点X4の加算値A4とを直線で結ぶ(ステップ
ST21)。
【0075】上記のステップST17の判断で第1ピー
クのサンプリング点が第2ピークのサンプリング点より
も対応する距離において遠い場合には、逆に、第1ピー
ク値とそれよりも対応する距離が1刻み分遠いサンプリ
ング点の加算値とを直線で結び(ステップST18)、
同じように、第2ピーク値とそれよりも対応する距離が
1刻み分近いサンプリング点の加算値とを直線で結ぶ
(ステップST19)。
【0076】次に、これらの処理によって得た2本の直
線の交点を加算値のピーク位置として求め、この交点に
対応する時間点Xを送出パルスの送出タイミングから反
射パルスを受信するまでにかかった時間Tとして求め、
これを判定手段7に出力し、ここで対応する距離を算出
して表示することになる(ステップST22,ST2
3)。
【0077】このようにしてピーク検出手段11によっ
てサンプリング点の中間に受信信号形の実際のピーク位
置があってもそれを求めることができ、サンプリング点
を細かくしなくても測距精度の向上が図れる。例えば、
10m刻みのサンプリングパルス周期を設定したレーダ
装置によって、それよりも1桁小さい1mの精度で正確
に測距することができるようになり、サンプリングパル
ス周期を小さくしなくても測定精度を向上させることが
できる。
【0078】なお、請求項1の発明は、上記の第1の実
施例に限定されず、利得制御可能範囲として、図10に
示すように距離レンジをX1〜X4と細かく分け、それ
ぞれの距離レンジで最大利得GをG1〜G5のいずれか
に固定するような設定とすることもできる。
【0079】この発明の車両用レーダ装置は、例えば、
衝突警報装置に適用することができる。図11はそのよ
うな衝突警報装置の構成を示している。この衝突警報装
置は、この発明の車両用レーダ装置110と、このレー
ダ装置110で得られる車速信号及び距離信号をもとに
して安全車間距離を演算し、安全車間距離信号を出力す
る安全車間距離演算手段130と、この安全車間距離信
号と前記距離信号を比較する第1の距離比較手段140
と、この第1の距離比較手段140からの出力に応じて
警報を発する警報手段180と、前記第1の距離比較手
段140の比較において距離信号が安全車間距離より小
さいと判断されたときに前記車速信号と距離信号から演
算した相対速度に基づいて検知物体が停止しているか否
かを判別する停止判別手段150と、この停止判別手段
150で停止物と判別された物体を検知し始めてからの
走行距離とあらかじめ定めた路側物間距離とを比較する
第2の距離比較手段160と、この第2の距離比較手段
160で走行距離があらかじめ定めた路側物間距離より
も短いときに、自車両が物体から所定値より離れている
か否かを判別する距離判別手段170と、この距離判別
手段170で所定値よりも離れていると判別されたとき
には警報をキャンセルするキャンセル手段190とから
構成されている。
【0080】この衝突警報装置によれば、車速信号と距
離信号を得るためにこの発明の車両用レーダ装置110
を用いることにより、例えば、自車速が60km/hで
あれば前方の距離70mまでしか物標を検知しないの
で、捕らえるべき物標としての先行車両を正しく捕らえ
て衝突警報を出力することができるようになる。
【0081】また、この発明の車両用レーダ装置は設定
車速での定速走行を行い、かつ定速走行中に車間距離制
御を行う車速制御装置に適用することもでき、この場合
も、捕らえるべき物標として先行車両を正しく捕らえて
車間距離制御を行うことができることになる。
【0082】次に、請求項2の発明の実施例を図12に
基づいて説明する。図12は請求項2の発明の実施例を
示している。この第2の実施例の車両用レーダ装置は、
図34に示した従来回路に対して、さらに加算記憶手段
6Bの各サンプリング点の加算結果を見てパルス信号送
出手段5aが送出するパルス信号のパルス幅を可変調整
するパルス幅調整手段12を追加的に備えたことを特徴
とする。
【0083】すなわち、電磁波、レーザ光などのパルス
状の信号を周期的に所定回数N(例えば、約8000
回)外部へ送出する、送出パルス信号のパルス幅の可変
調整が可能なパルス信号送出手段5aと、このパルス信
号送出手段5aが送出するパルス信号が物標に反射して
返って来る方向からの信号を連続的に受信してその信号
強度に応じて2値化する反射パルス信号受信手段5bと
をレーダヘッド5に備えている。
【0084】また、レーダヘッド5の反射パルス信号受
信手段5bからの2値化信号を、送信手段5aの信号送
出タイミング後の複数の時間を異ならせたサンプリング
点毎にサンプリングして加算するサンプリング手段6A
と、このサンプリング手段6Aが得た各サンプリング点
毎のサンプリング値を加算記憶する加算記憶手段6Bか
ら構成される演算記憶手段6と、加算記憶手段6Bの記
憶している各サンプリング点毎の加算値を所定の閾値と
比較し、閾値を超える加算値を示すサンプリング点を見
い出すことによってそのサンプリング点に対応する前方
位置に先行車両が存在すると判定し、その距離情報を出
力する判定手段7と、図35に示した方法でピーク検出
を行うピーク検出手段11と、加算記憶手段6Bの各サ
ンプリング点の加算結果を見てパルス信号送出手段5a
が送出するパルス信号のパルス幅を可変調整するパルス
幅調整手段12と、これらの各回路の動作を制御する制
御手段8を備えている。
【0085】上記のパルス信号送出手段5aの送出パル
ス信号のパルス幅調整機能は、水晶発振器とディジタル
回路の組合せによって構成することができる。つまり、
パルス信号の送出周期を1サイクルとして、その1サイ
クルのうちのパルス信号の送出時間wをオン期間とする
オンデューティ比を制御するPWM回路を利用して、パ
ルス信号送出手段5aの発光素子(図示せず)の発光時
間を増減調整する構成が可能である。
【0086】次に、上記構成の第2の実施例の車両用レ
ーダ装置の動作について説明する。通常動作では、第1
の実施例と同じように図2(1)に示すように、パルス
信号送出手段5aによって所定のパルス幅wのパルス状
の信号を例えば、4μsといった一定周期で周期的に外
部へ出力する。そして反射パルス信号受信手段5bによ
って、図2(2)に示すように、送出パルス信号が物標
に反射して返って来る方向からの信号を連続的に受信
し、一定の信号レベルを超えるか超えないかによって2
値化した信号に変換して連続的に出力する。
【0087】そしてサンプリング手段6Aが、同図
(3)に示すように周期Δtのサンプリングパルスによ
って、パルス信号送出手段5aの送出タイミング後の複
数の時間を異ならせたサンプリング点毎に2値化信号を
サンプリングして0又は1のサンプリング値を得、これ
を加算記憶手段6Bに与える。加算記憶手段6Bでは、
サンプリングパルスに同期して、サンプリング手段6A
から与えられるサンプリング点毎の0または1の信号を
所定回数だけ加算、記憶していく。この加算記憶手段6
Bの各サンプリング点毎の加算回数はパルス信号送出手
段5aにより一定の周期で繰り返し送出されるパルス状
の信号の所定の送出回数Nである。
【0088】その所定回数N分のサンプリング加算処理
が終了すると、判定手段7が加算記憶手段6Bから図2
(4)に示すようなサンプリング加算出力を得て、サン
プリング点毎の加算値を所定の閾値(ほぼN/2に等し
い値に設定される)と比較し、その大小に基づいて外部
の物標からの反射信号が存在するサンプリング点がある
か否かを判定し、さらに、物標からの反射信号が存在す
ると判定する時にはさらに、パルス信号送出手段5aに
よる信号送出後、所定の閾値よりも大きい加算値を示す
サンプリング点までの時間内に送出パルス信号が伝播す
る距離を算出し、外部の物標までの距離を自動的に算定
して表示装置(図示せず)に表示することによって運転
者に知らせる。
【0089】ここで、図2(4)に示したように加算出
力に閾値を超える加算値を示すサンプリング点が複数点
見出される場合には、ピーク検出手段11が図6のフロ
ーチャートに示したピーク検出処理を行い、そのピーク
点に対応する時点Tを判定手段7に与える。
【0090】以上が通常の測距処理であるが、実際には
物標の存在する位置によって各サンプリング点毎の加算
値が小さすぎたり、逆に従来例の説明で上げた図36に
示したように飽和加算値になってしまうことがある。そ
こで、パルス幅調整手段12によって加算記憶手段6B
の加算結果を見て、送出パルス信号のパルス幅wを自動
的に増減調整する。
【0091】このパルス幅調整処理は図13のフローチ
ャートにしたがって実行される。一度の測距動作が完了
すると、加算記憶手段6Bから各サンプリング点の加算
結果を読み出し(ステップST31)、図4に示したよ
うな飽和加算値Nに近い加算上限値Aを超える加算値を
示すサンプリング点の有無を判別する(ステップST3
2)。
【0092】ここで、加算上限値Aを超える加算値を示
すサンプリング点が見出されれば、パルス幅調整手段1
2はパルス信号送出手段5aに対してその送出パルス信
号の幅wをあらかじめ設定されている刻み幅で1段階分
だけ狭める調整を行い、次の測距動作を行わせる(ステ
ップST33)。続く測距動作においても、飽和加算値
を示すサンプリング点が見出されれば、ステップST3
3のパルス幅調整が繰り返されることになる。
【0093】ステップST32で加算上限値Aを超える
加算値を示すサンプリング点がなければ、次に、いずれ
かのサンプリング点の加算値が図4に示したような加算
下限値Bを超える値を示しているかどうか判別する(ス
テップST34)。
【0094】ここで、いずれのサンプリング点の加算値
も加算下限値Bを超す適正な値を示していなければ、パ
ルス幅調整手段12はパルス信号送出手段5aに対して
その送出パルス信号の幅wをあらかじめ設定されている
刻み幅で1段階分だけ拡げる調整を行い、次の測距動作
を行わせる(ステップST35)。ここでも、続く測距
動作においても、いずれのサンプリング点の加算値も加
算下限値Bを超さない結果となれば、ステップST35
のパルス幅調整が繰り返されることになる。
【0095】ある測距動作が完了し、パルス幅調整手段
12が図13のフローチャートにしたがうパルス幅調整
処理に入っても、送出パルス幅wが適正なものであるた
めに、いずれのサンプリング点も飽和加算値を示さず、
またいずれかのサンプリング点の加算値が加算下限値B
を超す値を示している場合には、ステップST36に進
み、図6のフローチャートに従う距離算出処理に入る。
【0096】なお、この図6のフローチャートに従う距
離算出処理は、第1の実施例において説明したので、こ
こでは省略する。ここで、ピーク点までの時間Tの時間
原点は送出パルス信号のパルス中点をとるものとする。
また、厳密には、時間原点からピーク点Xまでの時間T
には、送出パルス信号の往復時間ΔTと共にシステムの
遅れ時間ΔSが含まれている(つまり、T=ΔT+ΔS
である)ので、物標までの正確な距離Rは、信号波の速
度を光速度cとするとき、 R=c・ΔT/2=c・(T−ΔS)/2 で得られる。ここで、システム固有の遅れ時間ΔSは定
数であり、あらかじめ設定することができるものであ
る。
【0097】以上のパルス幅調整の様子をタイミングチ
ャートで示すと図14に示すように、飽和加算値を示す
サンプリング点があれば段階的にw1−w2−w3とな
るように送出パルス信号のパルス幅wを狭める調整を行
う。また、いずれのサンプリング点の加算値も閾値を超
えることがないような場合には、図15に示すように、
送出パルス信号のパルス幅wをw3−w2−w1となる
ように段階的に拡げる調整を行う。なお、これらのパル
ス幅調整において、パルス幅調整の限界は実機において
実験的に決定されるものであるが、例えば、狭い方でサ
ンプリングパルス幅Δt1つ分までとし、広い方でも測
距動作が遅れない範囲で決定する。
【0098】このようにして、第2の実施例の車両用レ
ーダ装置によれば、測距動作によって得られる各サンプ
リング点の加算値が適正範囲にない場合に送出パルス信
号のパルス幅を増減調整するようにしているので、特に
あるサンプリング点の加算値が無効な飽和加算値とな
り、測距精度を悪化させる事態を防止することができ
る。しかも、この第2の実施例では、送出パルス信号の
パルス幅の自動調整によって無効データの発生を防止す
るようにしているので、送出パルス信号の出力強度を調
整したり、受信手段の受信利得を調整したりする場合の
ようにアナログ回路を大規模に使用する必要がなく、デ
ィジタル回路によってパルス幅調整機構を構成し、かつ
そのオン−オフ制御によってパルス幅制御ができるので
電気的ロスが生じない利点がある。
【0099】なお、上記第2の実施例において、パルス
幅の調整を段階的に行う代わりに、加算値が飽和値に達
しているサンプリング点の数kに応じて、1回の調整で
最適なパルス幅になるようにすることもできる。つま
り、当初のパルス幅wとし、ある測距動作によって無効
となる加算値がk個のサンプリング点に見出される場
合、パルス幅wを減少させる減少幅Δwを、このkの関
数f(k)によって決定するのである。例えば、 Δw=f(k)=α・k とする。ここでαは定数で、実験的に決定する。そし
て、新しいパルス幅wを、それまでのパルス幅w´か
ら、 w=w´−Δw によって求めるのである。
【0100】また、ピーク検出手段11によるピーク検
出処理には、図35に示したような直線近似法に代え
て、図16に示すような二次曲線近似法を利用すること
もできる。
【0101】次に、請求項3の発明の実施例について、
図17に基づいて説明する。この第3の実施例の車両用
レーダ装置は、図12に示した第2の実施例のパルス幅
調整手段12に代えて、図17に示す内部構成を有する
パルス幅調整手段12´を備えたことを特徴とする。
【0102】このパルス幅調整手段12´は、反射パル
ス信号受信手段5bの2値化出力信号をサンプリング期
間の間ずつ、繰り返し積分する積分器12Aと、この積
分器12Aが求めた積分値を所定回数N回分、加算する
加算器12Bと、この加算器12Bによる加算結果p
を、前述の加算記憶手段6Bのいずれかのサンプリング
点の加算値が無効データとなる飽和加算値となる受信状
態をそれが起こらない正常受信状態と識別するクライテ
リアとしてあらかじめ設定した基準値piと比較し、そ
の比によって送出パルス信号のパルス幅調整を行う演算
器12Cと、これらの各部の動作タイミング制御を行う
タイミング制御部12Dから構成されている。
【0103】そして、この実施例では、図18に示すフ
ローチャートにしたがって測距動作を行う。すなわち、
初期設定では送出パルス信号のパルス幅は最大値wiに
設定されている。測距動作を開始すると、まず制御手段
8内のサンプリング処理回数のカウント値を0リセット
し、パルス信号送出手段5aが設定されたパルス幅のパ
ルス信号を送出する(ステップST41,ST42)。
【0104】反射パルス信号受信手段5bは受信する信
号を2値化し、サンプリング手段6Aに連続的に出力
し、サンプリング手段6Aは所定のサンプリングパルス
によって2値化信号をサンプリング点毎にサンプリング
し、加算記憶手段6Bに与え、加算記憶手段Bが2値化
サンプリング信号をサンプリング点毎に加算処理する
(ステップST43)。
【0105】これと同時に、パルス幅調整手段12´の
積分器12Aでは受信2値化信号をすべてのサンプリン
グ点の加算が完了するまでの間、積分して加算器12B
に渡し、加算器12Bが積分値を加算処理する(ステッ
プST44)。
【0106】以上の処理はサンプリング加算処理が所定
回数M回(このMはあらかじめ設定した数値で、例え
ば、所定回数Nの1/3あるいは1/2などに設定する
ことができる)だけ繰り返される(ステップST4
5)。
【0107】そして加算回数がM回になれば、パルス幅
調整手段12´の演算器12Cは加算器12Bの積分加
算値p(この値は、受信信号の電力に比例する値とな
る)を読み出して比較値piと比較する(ステップST
46)。この比較において、積分加算値pが基準値pi
以下であればパルス幅は適正なものと判断し、所定回数
N回になるまで、引き続きサンプリング加算処理が繰り
返され(ステップST48)、加算回数がN回になれ
ば、第1の実施例と同じく、図6に示した距離算出処理
に入る(ステップST45)。
【0108】しかしながら、積分加算値pが比較値pi
を超えていればパルス幅が広すぎると判断し、パルス信
号送出手段5aの送出する送出パルス信号のパルス幅w
を次の式にしたがって調整する(ステップST47)。 w=w´・pi/p (ただし、w´はそれまでのパル
ス幅である) こうして、ステップST47において送出パルス信号の
パルス幅の調整が完了すれば、一度の測距動作及びパル
ス幅調整処理動作を終了し、測距動作を最初から再開す
る。
【0109】こうして、この第3の実施例では、サンプ
リング加算値の適否の判定を受信信号を積分、加算した
結果を基準比較値と大小比較することによって実行し、
測距動作によって得られる各サンプリング点の加算値が
適正範囲にない場合に送出パルス信号のパルス幅を増減
調整するようにしているので、特にあるサンプリング点
の加算値が無効な飽和加算値となり、測距精度を悪化さ
せる事態を防止することができる。
【0110】しかも、この第3の実施例でも、送出パル
ス信号のパルス幅の自動調整によって無効データの発生
を防止するようにしているので、送出パルス信号の出力
強度を調整したり、受信手段の受信利得を調整したりす
る場合のようにアナログ回路を大規模に使用する必要が
なく、ディジタル回路によってパルス幅調整機構を構成
し、かつそのオン−オフ制御によってパルス幅制御がで
きるので電気的ロスが生じない利点がある。
【0111】なお、この第3の実施例においても、ピー
ク検出手段11によるピーク検出処理は、図35に示し
たような直線近似法に代えて、図16に示すような二次
曲線近似法を利用することができる。
【0112】次に、請求項4の発明の実施例を図19に
基づいて説明する。この第4の実施例は、制御手段81
とピーク検出手段111の機能に特徴を有しており、そ
の他の構成手段は第1の実施例と共通し、同一の符号を
付することによってそれらの詳しい説明を省略する。
【0113】制御手段81は、レーダヘッド5のパルス
信号送出手段5aに対して第1のパルスタイミングで所
定回数N回、繰り返し送出パルスを送出させて演算記憶
手段6に第1のパルスによるサンプリング加算を実行さ
せ、次にこの第1のパルスタイミングに対してあらかじ
め設定された時間だけずらした第2のパルスタイミング
で所定回数N回、繰り返し送出パルスを送出させて演算
記憶部6に第2のパルスによるサンプリング加算を実行
させる制御機能と、ピーク検出手段111に対してこれ
らの第1のパルスによるサンプリング加算データと第2
のパルスによるサンプリング加算データに基づく新たな
ピーク検出処理を実行させる制御機能と、判定手段7に
このピーク検出手段111が割り出したピーク点の位置
に基づいて反射物標のまでの距離を算定させて表示させ
る制御機能を備えている。
【0114】ピーク検出手段111は、図20に詳しく
示されているように、演算記憶手段6の加算記憶手段6
Bによって得られた第1のパルスによるサンプリング加
算データを記憶する第1パルスサンプリング加算データ
記憶部111aと、第2のパルスによるサンプリング加
算データを記憶する第2パルスサンプリング加算データ
記憶部111bと、これらの第1のパルスによるサンプ
リング加算データと第2のパルスによるサンプリング加
算データとの差分を演算する差分処理部111cと、こ
の差分処理部111cが算出する各サンプリング点毎の
差分値を見て、時間軸を横軸、差分値を縦軸とする直交
座標上で+側の最大値を与えるサンプリング点と−側の
最小値を与えるサンプリング点との間に存在するそれぞ
れの差分値を最小2乗法によって直線近似する直線近似
処理部111dと、この最小2乗法による近似直線が時
間軸と交わるゼロクロス点を反射パルス信号のピーク点
として割り出すピーク点割出部111eから構成されて
いる。
【0115】次に、上記構成の第4の実施例の車両用レ
ーダ装置の動作について、図21のタイミングチャート
と図22のフローチャートに基づいて説明する。制御手
段81によって、図21(1)に示すように第1のパル
ス信号の送出タイミングAと、第2のパルス信号の送出
タイミングBとが所定の時間遅れδtを持つように設定
される。なお、この図21(1)では、同じ時間軸上に
第1のパルスの送出タイミングAと第2のパルスの送出
タイミングBとが重なり合うように描かれているが、実
際の測距動作では、第1のパルスを送出タイミングAで
所定回数N回(上記の各実施例では、N=8000回と
した)送出して第1のパルスによるサンプリング加算を
実行した後、第2のパルスを送出タイミングBで同じく
所定回数N回送出して第2のパルスによるサンプリング
加算を実行するのである。
【0116】そこで、制御手段81はレーダヘッド5の
パルス信号送出手段5aに対して第1のパルス送出タイ
ミングAで所定回数N回、繰り返しパルス送出指令を与
えて第1のパルス信号を繰り返し送出させ、各パルス送
出タイミングA毎に反射パルス信号受信手段5bが第1
のパルス信号が物標に反射して返って来る方向からの信
号を連続的に受信し、一定の信号レベルを超えるか超え
ないかによって2値化した信号に変換して連続的に出力
する。
【0117】そしてサンプリング手段6Aが、図21
(2)に示すような周期Δtのサンプリングパルスによ
って、パルス信号送出手段5aの第1のパルス信号の送
出タイミングA後の複数の時間を異ならせたサンプリン
グ点毎に2値化信号をサンプリングして0又は1のサン
プリング値を得、これを加算記憶手段6Bに与える。加
算記憶手段6Bでは、サンプリングパルスに同期して、
サンプリング手段6Aから与えられるサンプリング点毎
の0または1の信号を所定回数だけ加算、記憶してい
く。この加算記憶手段6Bの各サンプリング点毎の加算
回数はパルス信号送出手段5aにより一定の周期で繰り
返し送出されるパルス状の信号の所定送出回数Nである
(ステップST51)。
【0118】その所定回数N分のサンプリング加算処理
が終了すると、ピーク検出手段111の第1パルスサン
プリング加算データ記憶部111aに図21(2)に示
すようなサンプリング加算データが記憶される(ステッ
プST52)。ここで得られるサンプリング加算データ
は、第1の実施例〜第3の実施例と同じように、受信信
号が雑音レベルであればN/2に近い値となり、反射パ
ルス強度に応じてN/2〜Nの間の値となる。
【0119】次に、制御手段81はパルス信号送出手段
5aに第2のパルスの送出タイミングBで所定回数N
回、繰り返しパルス送出指令を与えて第2のパルス信号
を繰り返し送出させ、これに基づき、第1のパルスと同
じようにしてサンプリング加算処理を演算記憶手段6に
行わせる(ステップST53)。
【0120】そして第2のパルスによる所定回数N分の
サンプリング加算処理が終了すると、ピーク検出手段1
11の第2パルスサンプリング加算データ記憶部111
bに同図(3)に示すようなサンプリング加算データが
記憶される(ステップST54)。
【0121】こうして、第1のパルスによるサンプリン
グ加算と第2のパルスによるサンプリング加算とが終了
すると、ピーク検出手段111の差分処理部111cに
おいて、図21(4)に示すような第1パルスサンプリ
ング加算データと第2パルスサンプリング加算データと
の間の差分演算処理が実行される(ステップST5
5)。
【0122】この差分処理の後、直線近似処理部111
dにおいて最小2乗法による直線近似演算処理が実行さ
れる(ステップST56)。この最小2乗法による直線
近似演算処理は、時間軸を横軸、加算値を縦軸にして、
差分値が+側の最大値となる点ti-2 と−側の最小値と
なる点ti とに挟まれる区間ti-2 〜ti を見出し、そ
の区間内に存在する差分値、図21(4)ではai-2 ,
ai-1 ,ai を抽出する。そして、これらの差分値間に
最小2乗法による直線近似を行い、近似直線aを求め
る。
【0123】こうして直線近似処理で得られた近似直線
aの方程式がピーク点割出部111eに与えられ、ここ
で近似直線aが時間軸と交わるゼロクロス点tx を求
め、第1のパルスの中点と第2のパルスの中点との間の
中間点を時間原点t0 として、ゼロクロス点tx までの
時間間隔Δτをピーク点の時間対応点として求め、これ
を判定手段7に出力する(ステップST57)。
【0124】判定手段7では、ピーク検出手段111か
らのピーク点に対応する時間間隔Δτに対して、次の演
算式に基づいて反射物標までの距離を算定し、表示装置
(図示せず)に表示させて運転者に知らせる(ステップ
ST58)。
【0125】つまり、Δτの時間間隔は、自車両からパ
ルス信号を送出し、前方の先行車に反射して返ってきて
反射パルス信号受信手段に受信されるまでにかかる信号
波の往復時間ΔTとシステムの遅れ時間ΔSの和(Δτ
=ΔT+ΔS)である。ここで、システムの遅れ時間Δ
Sはあらかじめ計測して決定されるシステム特有のもの
であり、信号波の伝播速度は光速度cであるので、物標
までの距離Rは、次の式によって求めることができる。 R=c・ΔT/2=c・(Δτ−ΔS)/2
【0126】以上の測距動作が完了すると、上記第1の
パルスの送出から始まる測距処理が繰り返し実行され
る。
【0127】こうして、この第4の実施例の車両用レー
ダ装置によれば、第1の実施例〜第3の実施例と比較し
て加算記憶手段のいずれかのサンプリング点の加算値が
信号強度が強いために飽和するような場合でもそれに影
響されずに正確に測距することができることになる。
【0128】次に、図23〜図28に基づいて、請求項
5の発明の一実施例について説明する。この第5の実施
例の特徴は、図19及び図20に示した第4の実施例の
車両用レーダ装置において、さらに制御手段81´とピ
ーク検出手段111´に特徴を有しており、その他の構
成手段は第4の実施例と共通であり、その詳しい説明は
省略する。
【0129】制御手段81´は、第4の実施例における
制御手段81と同様に第1のパルス信号に対して第2の
パルス信号をδtだけずらしたタイミングで送出する制
御機能と共に、これら第1のパルス信号の送出タイミン
グAと第2のパルス送出タイミングBとの時間遅れδt
をピーク検出手段111´からの無効データの数を示す
信号に応じて任意に調整する制御機能をも備えている。
【0130】ピーク検出手段111´は、第1のパルス
によるサンプリング加算データと第2のパルスによるサ
ンプリング加算データにあるサンプリング点で飽和状態
が発生しているために、差分処理によって得られるデー
タに無効データが見出される場合にその無効データを割
り出し、必要な送出タイミングずらし時間δtの調整値
を算出する機能を追加的に備えており、図24に示すよ
うに、図20に示した第4の実施例と共通する構成部分
111a〜111eに加えて、差分処理部111cが算
出した差分値から後述する手順に従って無効データを割
り出す無効データ割出部111fと、同じ差分値から有
効データを割り出す有効データ割出部111gと、これ
らの無効データ、有効データに対応して第1のパルスと
第2のパルスとの送出タイミングのふさわしいずらし時
間δtを算出する送出タイミングずらし時間算出部11
1hを備えている。
【0131】次に、上記構成の第5の実施例の車両用レ
ーダ装置の動作について、図25〜図28に基づいて説
明する。制御手段81´によって、図25(1)に示す
ように第1のパルス信号の送出タイミングAと、第2の
パルス信号の送出タイミングBとが所定の時間遅れδt
を持つように設定される。なお、この図25(1)で
も、図21(1)に示した第4の実施例の場合と同じよ
うに、同じ時間軸上に第1のパルスの送出タイミングA
と第2のパルスの送出タイミングBとが重なり合うよう
に描かれているが、実際の測距動作では、第1のパルス
を送出タイミングAで所定回数N回(上記の各実施例で
は、N=約8000回とした)送出して第1のパルスに
よるサンプリング加算を実行した後、第2のパルスを送
出タイミングBで同じく所定回数N回送出して第2のパ
ルスによるサンプリング加算を実行するのである。
【0132】そこで、制御手段81´はパルス信号送出
手段5aに対して第1のパルス送出タイミングAで所定
回数N回、繰り返しパルス送出指令を与えて第1のパル
ス信号を繰り返し送出させ、各パルス送出タイミングA
毎に反射パルス信号受信手段5bが第1のパルス信号が
物標に反射して返って来る方向からの信号を連続的に受
信し、一定の信号レベルを超えるか超えないかによって
2値化した信号に変換して連続的に出力する。
【0133】そしてサンプリング手段6Aが、図25
(2)に示すような周期Δtのサンプリングパルスによ
って、パルス信号送出手段5aの第1のパルス信号の送
出タイミングA後の複数の時間を異ならせたサンプリン
グ点毎に2値化信号をサンプリングして0又は1のサン
プリング値を得、これを加算記憶手段6Bに与える。加
算記憶手段6Bでは、サンプリングパルスに同期して、
サンプリング手段6Aから与えられるサンプリング点毎
の0または1の信号を所定回数だけ加算、記憶してい
く。この加算記憶手段6Bの各サンプリング点毎の加算
回数はパルス信号送出手段5aにより一定の周期で繰り
返し送出されるパルス状の信号の所定送出回数Nである
(ステップST61)。
【0134】その所定回数N分のサンプリング加算処理
が終了すると、ピーク検出手段111´の第1パルスサ
ンプリング加算データ記憶部111aに図25(2)に
示すようなサンプリング加算データが記憶される(ステ
ップST62)。ここで得られるサンプリング加算デー
タは、第1の実施例〜第4の実施例と同じように、受信
信号が雑音レベルであればN/2に近い値となり、反射
パルス強度に応じてN/2〜Nの間の値となる。
【0135】次に、制御手段81´はパルス信号送出手
段5aに第2のパルスの送出タイミングBで所定回数N
回、繰り返しパルス送出指令を与えて第2のパルス信号
を繰り返し送出させ、これに基づき、第1のパルスと同
じようにしてサンプリング加算処理を演算記憶手段6に
行わせる(ステップST63)。
【0136】そして第2のパルスによる所定回数N分の
サンプリング加算処理が終了すると、ピーク検出手段1
11´の第2パルスサンプリング加算データ記憶部11
1bに同図(3)に示すようなサンプリング加算データ
が記憶される(ステップST64)。
【0137】こうして、第1のパルスによるサンプリン
グ加算と第2のパルスによるサンプリング加算とが終了
すると、ピーク検出手段111´の差分処理部111c
において、図25(4)に示すような第1パルスサンプ
リング加算データと第2パルスサンプリング加算データ
との間の差分演算処理が実行される(ステップST6
5)。
【0138】次に、得られた差分値データに対して無効
データ割出部111fが無効データの有無の判定と無効
データに対応するサンプリング点を割り出す処理を行う
(ステップST66)。無効データとは、受信信号強度
が強いために図25(2)に示すように第1のパルスに
よるサンプリング加算でも、同図(3)に示すように第
2のパルスによるサンプリング加算でも加算回数Nとな
る飽和値が出、その結果、同図(4)の差分値データで
は、+側の最大値b1と−側の最小値b2との間に0値
b3,b4,…が見出される場合、これらの0値b3,
b4,…を無効データと判定するのである。
【0139】このような無効データが複数点に見出され
る場合、これらを含めて第4の実施例のように最小2乗
法による直線近似を直接実行すると、推定区間が無用に
長くなってしまって正確なピーク点の割り出しができな
くなる。すなわち、推定区間の幅Wとおき、Wと距離演
算結果のばらつきとの関係を示すと図26のようにな
る。なお、ここでは+側の差分値aのみにばらつきがあ
るとしている。この図26に示すように、差分値aにば
らつきがあれば、ゼロクロス点tx にもそのばらつきが
影響し、次式のようになる。
【数3】tx =a・W/(a−b) ≒(a ̄±δ)・W/(a ̄−b) =a ̄・W/(a ̄−b)±δ・W/(a ̄−b) ここで、a ̄はaの平均値、δは標準偏差である。ま
た、分母のaのばらつきδはa−bに比べて十分小さい
ので無視している。
【0140】この式の第2式の第2項はゼロクロス点t
x の演算結果のばらつきが推定区間Wに比例することが
明らかである。
【0141】そこで、第1のパルスによるサンプリング
加算データの立下り点ti と第2のパルスによるサンプ
リング加算データの立上り点tj とが重なるように第1
のパルスの送出タイミングAに対して第2のパルスの送
出タイミングBのずらし時間δtを変更し、これを制御
手段81´に与える(ステップST67,ST68)。
【0142】このずらし時間δtの算出は、次の手順に
よる。まず図25(2)の第1のパルスによるサンプリ
ング加算データにおける時間的に最後の有効データc1
を見出す。これは、最後の無効データc2とその後の0
データc2に挟まれるデータを有効データとし、そのう
ちで最もサンプリング点が後となる点ti のデータc1
として見出すのである。次に、同図(3)の第2のパル
スによるサンプリング加算データにおける最後の有効デ
ータd1を見出す。これは同様に、時間的に最後の0デ
ータd2とその後の最初の無効データd3とに挟まれる
データを有効データとし、そのうちで最もサンプリング
点が前となる点tj ´のデータd1として見出すのであ
る(ステップST67)。なお、ここで注意すべきこと
は、第2のパルスによるサンプリング加算の際の時間軸
では、サンプリング開始点ts´は初期設定されたずれ
時間δtだけ第1のパルスによるサンプリング開始点t
s´よりも遅れているということである。
【0143】次に、新たなずらし時間δtを、第1のパ
ルスによるサンプリングの時間軸において、サンプリン
グ点tj ´がサンプリング点ti の1サンプリング間隔
Δtだけ後に来るように決める(ステップST68)。
つまり、サンプリング点tiの第1のパルスによるサン
プリング開始点tsからの時間遅れがS1であり、サン
プリング点tj ´の同じく第1のパルスによるサンプリ
ング開始点ts からの時間遅れがS2であったとすれ
ば、新たな時間遅れδtは、δt=S1−S2+Δtと
設定するのである。これを図27に基づいて説明する
と、同図(1)に示すようにそれまで、第1のパルスの
送出タイミングAに対してδt1 だけずれた送出タイミ
ングB1 で第2のパルスを送出するように設定していた
のを、(S1−S2+1)だけさらにずらしたδt2 の
ずれ時間を設定し、この送出タイミングB2において第
2のパルスを送出するように制御手段81´に制御させ
るようにするのである。
【0144】こうして、第1のパルスの送出タイミング
Aに対して第2のパルスの送出タイミングB2のずらし
時間δtを調整すれば、その後のサンプリング加算処理
では図27(2)〜(4)に示すような測距結果を得る
ことができる。すなわち、同図(2),(3)に示すよ
うに第1のパルスによるサンプリング加算データのうち
の最後の有効データc1に対して第2のパルスによるサ
ンプリング加算データのうちの最初の有効データd1が
第1のパルスに対する時間軸において1サンプリングパ
ルス周期Δtだけ後に現れるようになり、差分値に対す
るピーク点の推定区間も同図(4)に示すようにΔtの
時間幅にまで狭くなり、正確にピーク点tx の割り出し
が可能となる。なお、この場合、無効データの割出処理
によって第1のパルスに対する第2のパルスの送出タイ
ミングのずらし時間を調整したことにより、新たな測距
動作では、図28のフローチャートにおけるステップS
T66の判断では無効データなしと判定され、NO側に
分岐して、以降、第4の実施例と同じように差分データ
に対する最小2乗法による直線近似処理とピーク点の割
出処理が実行され(ステップSTST69,ST7
0)、得られたピーク点tx に対して時間原点t0から
の時間遅れΔτを求め、対応する距離を算出するのであ
る(ステップST71)。
【0145】以上の処理を実行する第5の実施例の車両
用レーダ装置によれば、初期設定された第1のパルスと
第2のパルスの送出タイミングのずらし時間δtのもと
で測距動作を行い、無効データが見出されれば、上記の
ずらし時間δtをふさわしい値に自動的に再調整してか
ら測距動作を繰り返すようにしているので、ピーク点の
位置割出が正確に行えるようになり、いっそう正確な測
距精度が得られる。
【0146】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
パルス信号送出手段によってパルス信号を所定の送出回
数だけ周期的に外部へ送出し、このパルス信号が物標に
反射して返って来る方向からの信号を受信手段によって
連続的に受信して2値化し、この2値化受信信号を加算
手段によってパルス信号送出手段の信号送出タイミング
からの経過時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に
所定の送出回数分ずつ加算し、所定回数の信号送出、受
信、加算処理が終了すれば、判定手段によって、加算手
段の求めた各サンプリング点の加算値を所定の閾値と比
較し、所定の閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリ
ング点に対応する距離を前方の物標までの距離として算
出するが、ここで、自車速測定手段によって当該装置が
搭載されている車両の速度を検出し、受信利得制御手段
によって速度が大きければ受信手段の受信利得を上げ、
検出速度が小さければ受信利得を下げる利得制御を行う
ようにしているので、高速走行時には遠距離レンジの測
距を正確に行い、高速道であっても渋滞中や市街地走行
のように低速走行時には直前方の車両のように検出が必
要な近距離レンジの測距を正確に行うことができ、車速
に対応して測距が必要となるそれぞれの距離レンジの測
距が正確に行える。
【0147】請求項2の発明によれば、パルス信号送出
手段によってパルス信号を所定の送出回数だけ周期的に
外部へ送出し、このパルス信号が物標に反射して返って
来る方向からの信号を受信手段によって連続的に受信し
て2値化し、この2値化受信信号を加算手段によってパ
ルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経過時間
を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数
分ずつ加算し、所定回数の信号送出、受信、加算処理が
終了すれば、判定手段によって加算手段の各サンプリン
グ点の加算値を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも
大きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離を
前方の物標までの距離として算出するが、ここで、送出
パルス幅制御手段によって、加算手段の算出するいずれ
かのサンプリング点の加算値が飽和加算値を示していな
いかどうかチェックし、飽和加算値を示すサンプリング
点がある場合には、パルス信号送出手段に対して送出パ
ルス信号のパルス幅を狭くする制御を行うようにしてい
るので、送出パルス信号の出力強度が大きいためにいず
れかのサンプリング点の加算値が飽和するような場合、
送出パルス信号のパルス幅を狭くすることによって出力
強度を抑制する調整を行い、遠距離、近距離を問わず、
常に適正な加算値が得られるように調整することがで
き、正確な測距ができる。
【0148】請求項3の発明によれば、パルス信号送出
手段によってパルス信号を所定の送出回数だけ周期的に
外部へ送出し、このパルス信号が物標に反射して返って
来る方向からの信号を受信手段によって連続的に受信し
て2値化し、この2値化受信信号を加算手段によってパ
ルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経過時間
を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数
分ずつ加算し、所定回数の信号送出、受信、加算処理が
終了すれば、判定手段によって加算手段の各サンプリン
グ点の加算値を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも
大きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離を
前方の物標までの距離として算出するが、ここで、積分
手段によって受信手段が出力する2値化信号を加算手段
が繰り返し加算動作している間だけ積分し、送出パルス
幅制御手段によって積分手段の積分結果を所定の基準値
と比較し、当該基準値を超える積分結果が得られる場合
には、パルス信号送出手段に対して送出パルス信号のパ
ルス幅を狭くする制御を行うようにしているので、送出
パルス信号の出力強度が大きいためにいずれかのサンプ
リング点の加算値が飽和するような場合、送出パルス信
号のパルス幅を狭くすることによって出力強度を抑制す
る調整を行い、遠距離、近距離を問わず、常に適正な加
算値が得られるように調整することができ、正確な測距
ができる。
【0149】請求項4の発明によれば、第1のパルス信
号送出手段によって第1の信号送出タイミングで第1の
パルス信号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送出
し、この第1のパルス信号が物標に反射して返って来る
方向からの信号を第1の受信手段によって連続的に受信
して2値化し、この2値化受信信号を第1の加算手段に
よって第1のパルス信号送出手段の信号送出タイミング
からの経過時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に
所定の送出回数分ずつ加算し、この第1の信号送受信系
による所定回数の信号送受信処理が完了した後、第2の
パルス信号送出手段によって前述の第1の信号送出タイ
ミングに対してずらした第2の信号送出タイミングで第
1のパルス信号と同じパルス信号である第2のパルス信
号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送出し、この第
2のパルス信号が物標に反射して返って来る方向からの
信号を第2の受信手段によって連続的に受信して2値化
し、この2値化受信信号を第2の加算手段によって前述
の第1のパルス信号送出手段の信号送出タイミングから
の経過時間を異ならせた複数のサンプリング点であって
その周期を第1の加算手段のサンプリング点の周期と同
じにしたサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算
し、これら第1の信号送受信系と第2の信号送受信系と
のそれぞれによるパルス信号の送受信処理が完了する
と、差分手段によって第1の加算手段が得た第1の加算
値と第2の加算手段が得た第2の加算値との差分を演算
し、直線近似手段によって各サンプリング点毎の差分値
を見て、時間軸を横軸、差分値を縦軸とする直交座標上
で+側の最大値を与えるサンプリング点と−側の最小値
を与えるサンプリング点との間に存在するそれぞれの差
分値を最小2乗法によって直線近似し、時間軸と交わる
ゼロクロス点を見出し、さらに、判定手段によって、第
1の信号送出タイミングと第2の信号送出タイミングと
の中間時間点から直線近似手段が割り出したゼロクロス
点までの経過時間を算出し、当該時間を第1又は第2の
パルス信号が物標に反射して返って来るまでにかかる往
復時間とし、対応する距離を前方の物標までの往復距離
として算出するようにしているので、いずれかのサンプ
リング点に飽和加算値が見られても、パルス信号出力あ
るいは受信利得を可変制御することになく、得られた加
算値を利用して測距を行うことができ、電子回路構成を
複雑にせずとも迅速、正確に測距ができる。
【0150】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
において、さらに、差分手段がある1又は連続する複数
のサンプリング点の差分値がゼロで、その前後に+側の
差分値及び−側の差分値を示すサンプリング点を見出す
場合に、当該差分値をゼロとするサンプリング点の数+
1に対応する時間だけ、第1のパルス信号の送出タイミ
ングに対して第2のパルス信号の送出タイミングをさら
に遅らす制御を行うパルス送出タイミング制御手段を備
えているので、いずれかのサンプリング点に飽和加算値
が見らた場合には、パルス信号出力あるいは受信利得を
可変制御することなく、第1のパルス信号と第2のパル
ス信号との送出タイミングを調整することにより、第
1、第2の加算手段それぞれによって得られる飽和加算
値も含めた加算値を利用して測距を行うことができ、電
子回路構成を複雑にせずとも迅速、正確に測距ができ、
そのうえ、ピーク位置の割出がいっそう正確に行えるた
めに測距精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例の機能ブロック図。
【図2】上記実施例の各部の信号波形図。
【図3】上記実施例の反射パルス信号受信手段の利得可
変範囲を示すグラフ。
【図4】上記実施例のサンプリング加算結果を示すグラ
フ。
【図5】上記実施例の測距動作を示すフローチャート。
【図6】上記実施例のピーク検出手段のピーク検出処理
を示すフローチャート。
【図7】上記実施例の利得減少調整時のサンプリング加
算結果を示すグラフ。
【図8】上記実施例の利得増加調整時のサンプリング加
算結果を示すグラフ。
【図9】上記実施例の利得増減処理を示すタイミングチ
ャート。
【図10】請求項1の発明の他の実施例の反射パルス信
号受信手段の利得可変範囲を示すグラフ。
【図11】上記各実施例の車両用レーダ装置を搭載した
衝突警報装置の構成を示すブロック図。
【図12】請求項3の発明の一実施例の機能ブロック
図。
【図13】上記実施例の測距動作を示すフローチャー
ト。
【図14】上記実施例の送出パルス信号のパルス幅を狭
める処理を示す説明図。
【図15】上記実施例の送出パルス信号のパルス幅を広
げる処理を示す説明図。
【図16】上記実施例のピーク検出手段による二次曲線
近似処理を示すグラフ。
【図17】請求項3の発明の一実施例の積分手段の内部
構成を示す機能ブロック図。
【図18】上記実施例のパルス幅調整処理を示すフロー
チャート。
【図19】請求項4の発明の一実施例の機能ブロック
図。
【図20】上記実施例のピーク検出手段の内部構成を示
す機能ブロック図。
【図21】上記実施例の各部の信号波形図。
【図22】上記実施例の測距動作を示すフローチャー
ト。
【図23】請求項5の発明の一実施例の機能ブロック
図。
【図24】上記実施例のピーク検出手段の内部構成を示
す機能ブロック図。
【図25】上記実施例の各部の信号波形図。
【図26】上記実施例における無効データの存在による
ゼロクロス点のばらつきを示すグラフ。
【図27】上記実施例の第1のパルスと第2のパルスの
送出タイミングのずらし時間の調整動作を示す各部の信
号波形図。
【図28】上記実施例の測距動作を示すフローチャー
ト。
【図29】従来例の機能ブロック図。
【図30】上記従来例の各部の信号波形図。
【図31】従来例の雑音の確率分布を示すグラフ。
【図32】他の従来例の機能ブロック図。
【図33】上記従来例のサンプリング加算データを示す
グラフ。
【図34】さらに他の従来例の機能ブロック図。
【図35】上記従来例のピーク検出処理を示すグラフ。
【図36】従来例の飽和状態が発生したサンプリング加
算データを示すグラフ。
【図37】従来例による遠距離レンジの測距動作を示す
説明図。
【図38】従来例による近距離レンジの測距動作を示す
説明図。
【符号の説明】
5 レーダヘッド 5a パルス信号送出手段 5b 反射パルス信号受信手段 6 演算記憶手段 6A サンプリング手段 6B 加算記憶手段 7 判定手段 8 制御手段 9 自車速測定手段 10 利得制御信号発生手段 11 ピーク検出手段 12 パルス幅調整手段 12´ パルス幅調整手段 12A 積分器 12B 加算器 12C 演算器 12D タイミング制御器 81 制御手段 81´ 制御手段 111 ピーク検出手段 111´ ピーク検出手段 111a 第1パルスサンプリング加算データ記憶部 111b 第2パルスサンプリング加算データ記憶部 111c 差分処理部 111d 直線近似処理部 111e ピーク点割出部 111f 無効データ割出部 111g 有効データ割出部 111h 送出タイミングずらし時間算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 17/10 4240−5J (72)発明者 山田 勝規 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 佐藤 宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス信号を所定の送出回数だけ周期的
    に外部へ送出するパルス信号送出手段と、 前記パルス信号送出手段が送出する信号が物標に反射し
    て返って来る方向からの信号を連続的に受信し、2値化
    して出力する受信手段と、 前記受信手段が出力する2値化信号を、前記パルス信号
    送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
    せた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加
    算する加算手段と、 前記加算手段の前記各サンプリング点の加算値を所定の
    閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標からの反
    射信号が存在するか否かを判定し、当該所定の閾値より
    も大きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離
    を前方の物標までの距離として算出する判定手段と、 当該装置が搭載されている車両の速度を検出する自車速
    測定手段と、 前記自車速測定手段が検出する速度に応じて前記受信手
    段の受信利得を制御する受信利得制御手段とを備えて成
    る車両用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 パルス信号を所定の送出回数だけ周期的
    に外部へ送出するパルス信号送出手段と、 前記パルス信号送出手段が送出する信号が物標に反射し
    て返って来る方向からの信号を連続的に受信し、2値化
    して出力する受信手段と、 前記受信手段が出力する2値化信号を、前記パルス信号
    送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
    せた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加
    算する加算手段と、 前記加算手段の前記各サンプリング点の加算値を所定の
    閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標からの反
    射信号が存在するか否かを判定し、当該所定の閾値より
    も大きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離
    を前方の物標までの距離として算出する判定手段と、 前記加算手段が算出するいずれかのサンプリング点の加
    算値が飽和加算値を示していないかどうか判定し、飽和
    加算値を示すサンプリング点がある場合に前記パルス信
    号送出手段が送出するパルス信号のパルス幅を狭くする
    制御を行う送出パルス幅制御手段とを備えて成る車両用
    レーダ装置。
  3. 【請求項3】 パルス信号を所定の送出回数だけ周期的
    に外部へ送出するパルス信号送出手段と、 前記パルス信号送出手段が送出する信号が物標に反射し
    て返って来る方向からの信号を連続的に受信し、2値化
    して出力する受信手段と、 前記受信手段が出力する2値化信号を、前記パルス信号
    送出手段の信号送出タイミングからの経過時間を異なら
    せた複数のサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加
    算する加算手段と、 前記加算手段の前記各サンプリング点の加算値を所定の
    閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標からの反
    射信号が存在するか否かを判定し、当該所定の閾値より
    も大きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離
    を前方の物標までの距離として算出する判定手段と、 前記受信手段が出力する2値化信号を所定期間だけ積分
    する積分手段と、 前記積分手段が得た積分結果を所定の基準値と比較し、
    当該基準値を超える積分結果が得られる場合、前記パル
    ス信号送出手段が送出するパルス信号のパルス幅を狭く
    する制御を行う送出パルス幅制御手段とを備えて成る車
    両用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 第1の信号送出タイミングで第1のパル
    ス信号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送出する第
    1のパルス信号送出手段と、 前記第1の信号送出タイミングと異なる第2の信号送出
    タイミングで前記第1のパルス信号と同じパルス状の第
    2のパルス信号を所定の送出回数だけ周期的に外部へ送
    出する第2のパルス信号送出手段と、 前記第1のパルス信号送出手段が送出する第1のパルス
    信号が物標に反射して返って来る方向からの信号を連続
    的に受信し、2値化して出力する第1の受信手段と、 前記第2のパルス信号送出手段が送出する第2のパルス
    信号が物標に反射して返って来る方向からの信号を連続
    的に受信し、2値化して出力する第2の受信手段と、 前記第1の受信手段が出力する2値化信号を、前記第1
    のパルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経過
    時間を異ならせた複数のサンプリング点毎に所定の送出
    回数分ずつ加算する第1の加算手段と、 前記第2の受信手段が出力する2値化信号を、前記第1
    のパルス信号送出手段の信号送出タイミングからの経過
    時間を異ならせた複数のサンプリング点であってその周
    期を前記第1の加算手段のサンプリング点の周期と同じ
    にしたサンプリング点毎に所定の送出回数分ずつ加算す
    る第2の加算手段と、 前記第1の加算手段が得た第1の加算値と前記第2の加
    算手段が得た第2の加算値との差分を演算する差分手段
    と、 前記差分手段が算出する各サンプリング点毎の差分値を
    見て、時間軸を横軸、差分値を縦軸とする直交座標上で
    +側の最大値を与えるサンプリング点と−側の最小値を
    与えるサンプリング点との間に存在するそれぞれの差分
    値を最小2乗法によって直線近似し、時間軸と交わるゼ
    ロクロス点を見出す直線近似手段と、 前記第1の信号送出タイミングと第2の信号送出タイミ
    ングとの中間時間点から前記ゼロクロス点までの時間を
    算出し、当該時間を前記第1又は第2のパルス信号が物
    標に反射して返って来るまでにかかる往復時間とし、対
    応する距離を前方の物標までの往復距離として算出する
    判定手段とを備えて成る車両用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両用レーダ装置におい
    て、さらに、 前記差分手段が、ある1又は連続する複数のサンプリン
    グ点の差分値がゼロで、その前後に+側の差分値及び−
    側の差分値を示すサンプリング点を見出す場合に、当該
    差分値をゼロとするサンプリング点の数+1に対応する
    時間だけ、前記第1のパルス信号の送出タイミングに対
    して第2のパルス信号の送出タイミングをさらに遅らす
    制御を行うパルス送出タイミング制御手段を備えて成る
    請求項1記載の車両用レーダ装置。
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