JPH07233604A - 軒先水切り装置付き鼻隠板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に施工でき、かつ、屋根裏に雨水の浸入
の恐れのない軒先水切り装置付き鼻隠板を提供すること
にある。 【構成】 野地板９、この野地板９の上に葺設された瓦
８、および、この瓦８と野地板９の間に挿着された一連
の水切り板１７を備え、さらに、この水切り板１７が、
上記瓦８の下面を被覆するカバー帯１２、このカバー帯
１２に繋がる、上記野地板９の端面を被覆する垂下帯１
３、この垂下帯１３に繋がる、上記野地板９の下面を被
覆する水平帯１４、この水平帯１４に繋がる、傾斜自在
な傾斜帯１６、および、この傾斜帯１６に繋がる鼻隠板
本体１０とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、軒先水切り装置付き鼻
隠板に関し、屋根の軒先に取り付けられ、防水に有用な
軒先水切り装置付き鼻隠板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、屋根の軒先の施工は、野地板上に
瓦が葺設され、上記野地板の下に垂木が敷かれ、この垂
木間に鼻板が取り付けられ、さらに、鼻板に軒先を覆う
鼻隠板を取り付けた後に、この鼻隠板の上方で瓦と野地
板の間に、一連の水切り板が挿着されたものであった。

【０００３】しかし、上記のような屋根の軒先の施工に
おいては、一連の水切り板が鼻隠板の上端部を被覆して
おらず、風の強いときなどに降る横殴りの雨滴が鼻隠板
の上端部から屋根裏に浸入する問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事実
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡
単に施工でき、かつ、屋根裏に雨水の浸入の恐れのない
軒先水切り装置付き鼻隠板を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の軒先水切り装置
付き鼻隠板は、野地板（９）、この野地板（９）の上に
葺設された瓦（８）、および、この瓦（８）と野地板
（９）の間に挿着された一連の水切り板（１７）を備
え、さらに、この水切り板（１７）が、上記瓦（８）の
下面を被覆するカバー帯（１２）、このカバー帯（１
２）に繋がる、上記野地板（９）の端面を被覆する垂下
帯（１３）、この垂下帯（１３）に繋がる、上記野地板
（９）の下面を被覆する水平帯（１４）、この水平帯
（１４）に繋がる、傾斜自在な傾斜帯（１６）、およ
び、この傾斜帯（１６）に繋がる鼻隠板本体（１０）と
から構成されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板によると、
野地板（９）、この野地板（９）の上に葺設された瓦
（８）、および、この瓦（８）と野地板（９）の間に挿
着された一連の水切り板（１７）を備え、さらに、この
水切り板（１７）が、上記瓦（８）の下面を被覆するカ
バー帯（１２）、このカバー帯（１２）に繋がる、上記
野地板（９）の端面を被覆する垂下帯（１３）、この垂
下帯（１３）に繋がる、上記野地板（９）の下面を被覆
する水平帯（１４）、この水平帯（１４）に繋がる、傾
斜自在な傾斜帯（１６）、および、この傾斜帯（１６）
に繋がる鼻隠板本体（１０）とから構成されているの
で、瓦（８）と野地板（９）の間に水切り板（１７）を
折り曲げて、カバー帯（１２）を挿着し、垂下帯（１
３）を野地板（９）の端面に、水平帯（１４）を野地板
（９）の下面に突きつけ、傾斜帯（１６）を所望の方向
に向け、鼻隠板本体（１０）を軒先に取り付けることが
できる。すなわち、簡単に施工でき、かつ、水切り板
（１７）が、カバー帯（１２）、垂下帯（１３）、水平
帯（１４）、傾斜帯（１６）、および、鼻隠板本体（１
０）によって一連に被覆しているので、屋根裏に雨水が
浸入するのを防ぐことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。

【０００８】図１は、本発明の軒先水切り装置付き鼻隠
板を用いて施工した軒先の斜視図である。図２は、本発
明の一実施例に係る軒先水切り装置付き鼻隠板の斜視図
である。

【０００９】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板は、屋
根の軒先に用いられる。上記屋根は、図１に示すごと
く、野地板（９）上に平板の瓦（８）が葺設され、上記
野地板（９）の下に垂木（１５）が設けられ、この垂木
（１５）間に、上記野地板（９）の下面との間に鼻板
（１１）が設けられている。この鼻板（１１）は、木材
のみに限定されず、断熱性を保つため合板上にグラスウ
ールなどの断熱層を形成したものでもよい。

【００１０】上記軒先の瓦（８）と野地板（９）の間
に、一連の水切り板（１７）が挿着されている。図２に
示すごとく、この水切り板（１７）は、一枚の板に溝が
形成されたものであり、カバー帯（１２）、垂下帯（１
３）、水平帯（１４）、傾斜自在な傾斜帯（１６）、お
よび、この傾斜帯（１６）に繋がる鼻隠板本体（１０）
とから構成されている。水切り板（１７）の材質は、ア
ルミニウム、スチール、ステンレスなどの金属製である
が、折り曲げ自在なものであれば、特にこれに限定され
るものではない。

【００１１】図１および図２に示すごとく、カバー帯
（１２）は、水切り板（１７）の一端に形成され、上記
瓦（８）の下面を被覆している。垂下帯（１３）は、第
１の折り溝（５）を挟んでカバー帯（１２）に繋がって
おり、上記野地板（９）の端面を被覆している。水平帯
（１４）は、第２の折り溝（４）を挟んで垂下帯（１
３）に繋がっており、上記野地板（９）の下面を被覆し
ている。傾斜自在な傾斜帯（１６）は、第３の折り溝
（３）を挟んで水平帯（１４）に繋がっており、瓦
（８）の下面や野地板（９）の端面の被覆が不要な位置
にあるので、屋根の勾配によって所望の方向に向けるこ
とができ、傾斜が自在になる。鼻隠板本体（１０）は、
水切り板（１７）の他端に形成されており、水切り板
（１７）の長手方向に対してカバー帯（１２）の反対側
である。この鼻隠板本体（１０）は、第４の折り溝
（１）を挟んで傾斜帯（１６）に繋がっている。鼻隠板
本体（１０）は、上記鼻板（１１）に釘打ちなどによっ
て固定されるものである。

【００１２】上記第１の折り溝（５）、第２の折り溝
（４）、第３の折り溝（３）、および、第４の折り溝
（１）は、各々の折り溝で自由に折り曲げられ、カバー
帯（１２）、垂下帯（１３）、水平帯（１４）、傾斜帯
（１６）、および、鼻隠板本体（１０）の位置を明確に
するものであれば、図２に示す水切り板（１７）の面に
形成されるものとは限らず、水切り板（１７）の両面の
どちらに形成されていてもかまわないものである。

【００１３】また、図１に示すごとく、上記傾斜帯（１
６）に野地板（９）の下面に設けられた通気層（２０）
に連通する複数の通気孔（２）を備えている。上記通気
孔（２）から通気層（２０）に空気が出入りすること
で、屋根裏の換気が行われるものである。この通気孔
（２）に金網等で作製された防虫ネットが付設されてい
ると、上記通気層（２０）内へ虫の浸入を防ぐことがで
きる点で好ましい。通気孔（２）の形状や大きさは、上
記実施例に限定されず、通気層（２０）の広さなどによ
り適宜決定され、雨水が屋根裏に侵入しないものであれ
ば、どのようなものであってもかまわない。

【００１４】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板は、さ
らに、雨樋（７）を備えている。この雨樋（７）は、上
記垂下帯（１３）から落下する水滴を受けており、横殴
りの雨が降っても完全な集排水ができるものである。こ
の雨樋（７）は、図１に示す形状に限らず自由に選択で
きるものであり、例えば、図１に示すごとく、鼻隠板本
体（１０）に摺動式の吊り金具（６）などを釘やネジな
どによって取り付け、雨樋（７）の大きさや幅などによ
って吊り金具（６）を調整し、吊り金具（６）の長孔
（１９）をネジ止めして取着するものである。

【００１５】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板による
と、野地板（９）、この野地板（９）の上に葺設された
瓦（８）、および、この瓦（８）と野地板（９）の間に
挿着された一連の水切り板（１７）を備え、さらに、こ
の水切り板（１７）が、上記瓦（８）の下面を被覆する
カバー帯（１２）、このカバー帯（１２）に繋がる、上
記野地板（９）の端面を被覆する垂下帯（１３）、この
垂下帯（１３）に繋がる、上記野地板（９）の下面を被
覆する水平帯（１４）、この水平帯（１４）に繋がる、
傾斜自在な傾斜帯（１６）、および、この傾斜帯（１
６）に繋がる鼻隠板本体（１０）とから構成されている
ので、瓦（８）と野地板（９）の間に水切り板（１７）
を折り曲げて、カバー帯（１２）を挿着し、垂下帯（１
３）を野地板（９）の端面に、水平帯（１４）を野地板
（９）の下面に突きつけ、傾斜帯（１６）を所望の方向
に向け、鼻隠板本体（１０）を軒先に取り付けることが
できる。すなわち、簡単に施工でき、かつ、水切り板
（１７）が、カバー帯（１２）、垂下帯（１３）、水平
帯（１４）、傾斜帯（１６）、および、鼻隠板本体（１
０）によって一連に被覆しているので、屋根裏に雨水が
浸入するのを防ぐことができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板によ
ると、簡単に施工でき、かつ、屋根裏に雨水の浸入の恐
れがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の軒先水切り装置付き鼻隠板を用いて施
工した軒先の斜視図である。

【図２】本発明の一実施例に係る軒先水切り装置付き鼻
隠板の斜視図である。

【符号の説明】

２ 通気孔 ７ 雨樋 ８ 瓦 ９ 野地板 １０ 鼻隠板本体 １２ カバー帯 １３ 垂下帯 １４ 水平帯 １６ 傾斜帯 １７ 水切り板 ２０ 通気層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 月森 博幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 須佐美 智栄 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 野地板（９）、この野地板（９）の上に
   葺設された瓦（８）、および、この瓦（８）と野地板
   （９）の間に挿着された一連の水切り板（１７）を備
   え、さらに、この水切り板（１７）が、上記瓦（８）の
   下面を被覆するカバー帯（１２）、このカバー帯（１
   ２）に繋がる、上記野地板（９）の端面を被覆する垂下
   帯（１３）、この垂下帯（１３）に繋がる、上記野地板
   （９）の下面を被覆する水平帯（１４）、この水平帯
   （１４）に繋がる、傾斜自在な傾斜帯（１６）、およ
   び、この傾斜帯（１６）に繋がる鼻隠板本体（１０）と
   から構成されていることを特徴とする軒先水切り装置付
   き鼻隠板。
2. 【請求項２】 上記傾斜帯（１６）に野地板（９）の下
   面に設けられた通気層（２０）に連通する複数の通気孔
   （２）を備えたことを特徴とする請求項１記載の軒先水
   切り装置付き鼻隠板。
3. 【請求項３】 上記垂下帯（１３）から落下する水滴を
   受ける雨樋（７）を備えたことを特徴とする請求項１ま
   たは請求項２記載の軒先水切り装置付き鼻隠板。