JPH07232964A - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents

窒化珪素質焼結体

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JPH07232964A
JPH07232964A JP6334103A JP33410394A JPH07232964A JP H07232964 A JPH07232964 A JP H07232964A JP 6334103 A JP6334103 A JP 6334103A JP 33410394 A JP33410394 A JP 33410394A JP H07232964 A JPH07232964 A JP H07232964A
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JP
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boron
sintered body
silicon nitride
sic
high temperature
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JP6334103A
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Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Toshio Kamitori
利男 神取
Shigetaka Wada
重孝 和田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温における耐クリープ性等の高温特性の向
上した窒化珪素質焼結体を提供する。 【構成】 焼結体の主成分となる窒化珪素と、焼結体中
に分散した炭化珪素と、焼結体全体に対し、ほう素に換
算して0.005〜0.5重量%含まれるほう素および
ほう素化合物のうちから選ばれる少なくとも一方とより
なる窒化珪素質焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造用部材等に利用す
ることができる、窒化珪素を主成分とし、炭化珪素が分
散した窒化珪素質焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素(Si34 )を主成分とする
窒化珪素質焼結体は、強度が高く、耐熱衝撃性、耐蝕性
に優れているため、ガスタービン部材、熱交換器材料、
ベアリング等における構造用部材等に用いられている。
【0003】その中で、ガスタービン部材のような13
00℃以上の高温において使用される部材には更に高温
強度や高温での耐クリープ性等の高温特性を向上させる
必要がある。
【0004】この特性の中で、耐クリープ性とは、焼結
体等の対象物に荷重(応力)をかけた状態で保持し、対
象物が破断に至るまでの度合い(時間および対象物の変
形量)であり、破断に至るまでの時間が長いほど、また
対象物の変形量(例えば、引張荷重をかけた場合には破
断に至るまでの伸び)が小さいほど耐クリープ性が良好
であることを示している。
【0005】特に、焼結体がガスタービン等のエンジン
用部品等の高温部材として使用される場合、高温状態で
一定の荷重(応力)が長時間にわたって焼結体に作用す
る。それに対する抵抗、すなわち高温での耐クリープ性
を向上させることが要求されている。
【0006】従来、窒化珪素質焼結体の高温特性を向上
させる手段として、Si34 の焼結体中に炭化珪素
(SiC)粒子を分散させる例がある。このSiC粒子
の分散により、高温での強度が高く、耐クリープ性、耐
酸化性に優れたものとなる。
【0007】すなわち、Si34 の焼結体中にSiC
粒子が添加、分散されると、Si34 の焼結体の靱
性、硬さなどが増加し、耐摩耗性が向上する。また、S
iCが微細な場合、SiCはSi34 の結晶粒内ある
いは粒界等に存在する。これらのSiCは粒界すべり等
を防止する役割を行い、Si34 の焼結体の高温特性
を改善させる。このSiCは、球状粒子、板状粒子、ウ
ィスカー、または長繊維などの形状で用いられる。
【0008】このSiC粒子が分散した窒化珪素質焼結
体の例として以下のものがある。
【0009】原料として、Si34 、SiC、および
焼結助剤を用い、これらを混合し、その後、該混合物を
ホットプレスあるいはカプセルHIP(カプセルを用い
た熱間静水圧プレス)等の焼結により焼成することによ
って、SiC粒子が分散した窒化珪素質焼結体を得てい
る。また、他の例として、CVD(化学的気相蒸着)法
により合成した非晶質Si−C−N粉末にY23 等の
焼結助剤を添加してホットプレス等により焼成すること
により、Si34 よりなるマトリックス中に平均粒径
が1μm以下のSiC粒子が分散した窒化珪素質焼結体
を得ている(特開平2−160669号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のSiC
を含む窒化珪素質焼結体では、高温強度等の高温特性が
不十分であるか、高温特性は例えば1300℃で700
MPa以上と優れていても、その製造方法がホットプレ
スという生産性に劣る方法でしか製造できない。例え
ば、特開平2−160669号公報に示される上記焼結
体では、1200℃での強度が最高で121kg/mm
2 (3点曲げ強度)である。しかし、1300℃以上に
おける強度の記載はないが、たとえ優れた強度が得られ
たとしても、特開平2−160669号公報ではホット
プレスによる焼結を必須としており、実用性に乏しい。
【0011】また、特開昭60−46973号公報に
は、Si34 とSiCとよりなる焼結体中に酸化ホウ
素等の酸化物を0.02〜50.00原子%含有させた
焼結体が記載されている。本発明と関係するほう素化合
物の具体的な含有量は実施例5にほう素(B)量として
0.53重量%添加することが記載されている。しか
し、このような多量のほう素を窒化珪素質焼結体に添加
すると、B2 3 系よりなる融点の低いガラス相が生成
し、高温特性、特に耐クリープ性を低下させると考えら
れる。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みな
されたものであり、高温における耐クリープ性等の高温
特性に優れた窒化珪素質焼結体を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結体の主成
分となる窒化珪素と、焼結体中に分散した炭化珪素と、
焼結体全体に対し、ほう素に換算して0.005〜0.
5重量%含まれる、ほう素およびほう素化合物のうちか
ら選ばれる少なくとも一方とよりなることを特徴とする
窒化珪素質焼結体である。
【0014】
【作用】本発明の窒化珪素質焼結体は、高温における耐
クリープ性等の高温特性に優れる。この理由は、明確で
はないが、以下のように推察する。
【0015】ほう素またはほう素化合物は、焼結体中で
窒化珪素(Si3 4 )や炭化珪素(SiC)の結晶粒
子の粒界においてガラス相として存在する。しかし、そ
の量がほう素に換算して0.005〜0.5重量%であ
るため、このガラス相はSiC結晶粒子の表面に存在
し、SiC結晶粒子とSi3 4 結晶粒子との濡れ性を
改善する役目を果たす。そのため、SiC結晶粒子が均
一に焼結体中に分散しやすくなる。また、これに伴いS
3 4 結晶粒子の粒成長が抑制され、さらに異常粒成
長も生じにくくなる。このことより、組織が微細にな
る。
【0016】また、SiC結晶粒子がSi3 4 結晶粒
子同士の間に存在することにより焼結体への荷重付加時
にSi3 4 結晶粒子がずれるのを抑制して耐クリープ
性を向上させるが、粒界にガラス相が存在すると、逆に
Si3 4 結晶粒子がずれるのを促進して、結果的にS
iC結晶粒子の働きを弱める。このガラス相の幅が大き
いほどその作用が大きくなる。しかし、本発明では、ガ
ラス相の存在量が少ないことにより、結晶粒界のガラス
相の幅が狭くなり、SiC結晶粒子の働きに影響を与え
にくい。
【0017】よって、高温での耐クリープ性や高温強度
等の高温特性が著しく改善されると考えられる。
【0018】
【発明の効果】本発明の窒化珪素質焼結体は、高温にお
ける耐クリープ性等の高温特性に優れる。
【0019】
【実施例】以下、本発明をより具体的した発明(その他
の発明)について説明する。
【0020】(その他の発明の説明)本発明の窒化珪素
質焼結体は、窒化珪素を主成分とする焼結体中に、炭化
珪素が分散し、さらにほう素およびほう素化合物のうち
から選ばれる少なくとも一方を含有しているものであ
る。
【0021】窒化珪素(Si34 )は、焼結体の主成
分(マトリックス)となるものである。該Si34
しては、α、β、α’、β’等どのような結晶形態のも
のでもよい。また、結晶粒は、細かいほどよく、平均粒
径が5.0μm以下の範囲が望ましい。これは、Si3
4 等の結晶粒径が大きくなると、その絶対強度や高温
強度を低下させるためである。
【0022】炭化珪素(SiC)は、焼結体中に分散す
るものである。該SiCとしては、α、β等どのような
結晶形態のものでもよい。また、結晶粒は、細かいほど
よく、平均粒径が0.5μm以下の範囲が望ましい。こ
れは、SiC結晶粒の粒径が大きいと、破壊起点となり
絶対強度が低下することがあるためである。
【0023】また、SiCの形状は、球状粒子、板状粒
子など特に限定されるものではない。
【0024】炭化珪素(SiC)の含有量としては、主
成分であるSi34 との存在割合が、Si34 :S
iC=95:5〜1:1(重量比)の範囲が望ましい。
この範囲よりSiCの量が少ないと、高温特性の改善が
認められないことがあり、また、この範囲よりSiCの
量が多いと、緻密な焼結体が得られないことがある。
【0025】ほう素およびほう素化合物のうちから選ば
れる少なくとも一方の含有割合としては、焼結体全体に
対し、ほう素に換算して0.005〜0.5重量%の範
囲とする。該割合が0.005重量%未満では、通常の
加圧焼結法では緻密にならないため所定の強度を有する
焼結体が得られない。また、ホットプレス(HP)や熱
間静水圧プレス(HIP)により緻密化が可能である
が、このHP、HIPは生産性に劣る方法である。ま
た、0.5重量%を越えると、耐クリープ性が低下す
る。さらに、ほう素およびほう素化合物のうちから選ば
れる少なくとも一方の含有割合としては、焼結体全体に
対し、ほう素に換算して0.05〜0.10重量%の範
囲がより耐クリープ性が向上して望ましい。
【0026】ほう素化合物としては、ほう素の酸化物
(B23 等)、ほう素の炭化物(B4 C等)、ほう素
の塩化物、ほう素の弗化物等、ほう素の化合物であれば
どのようなものでもよく、該ほう素化合物のうちから選
ばれる少なくとも1種を使用する。例えば、ほう素の酸
化物であるB23 はガラス相として存在すると考えら
れるが、その存在量が限定範囲内であれば高温特性は大
きくは低下しない。また、ほう素は高温の焼結過程で揮
散していき、焼結体の表面部での含有量は内部での含有
量より少なくなる。また、焼結体中に分散しているSi
Cと共存することにより、ほう素は焼結後BとしてSi
Cに固溶しているとも推定される。
【0027】また、上記ほう素化合物の中でも、B2
3 は原料が安価であり、好ましい。
【0028】また、本発明の焼結体には、Y23 、A
23 等の製造時に添加した焼結助剤が含有していて
もよい。
【0029】本発明の窒化珪素質焼結体を製造する方法
としては、以下の方法がある。
【0030】この製造方法は、窒化珪素と炭化珪素とを
含有する原料に、製造する焼結体全体に対し、ほう素に
換算して0.005〜0.5重量%含有するようにほう
素およびほう素化合物のうちから選ばれる少なくとも一
方を添加し、この原料を焼結する。
【0031】この製造方法では、特性に優れた本発明の
窒化珪素質焼結体を製造すると共に緻密な窒化珪素質焼
結体を製造することができる。この理由は、明確ではな
いが、以下のように推察する。
【0032】ほう素またはほう素化合物が少量添加され
ることにより、SiCと粒界ガラス相との濡れ性が著し
く改善される。また、Si34 原料中に微量存在する
SiO2 とほう素またはほう素化合物とが反応して低粘
性のガラス相が生成する。従って、焼結性が著しく改善
され、緻密な焼結体が得られる。
【0033】原料の窒化珪素(Si34 )は、焼結体
のマトリックスとなるものである。該Si34 は、
α、β、α’、β’等どのような結晶形態のものでもよ
い。また、原料である窒化珪素粉末としては、平均粒径
が0.5μm以下であることが望ましい。これより平均
粒径が大きいと、焼結性が著しく低下することがある。
【0034】原料の炭化珪素(SiC)は、焼結体の窒
化珪素マトリックス中に分散するものである。該SiC
は、α、β等どのような結晶形態のものでもよい。原料
である炭化珪素粉末の平均粒径は0.5μm以下が望ま
しい。これより平均粒径が大きいと、焼結性が著しく低
下すると共に高温特性の改善が認められないことがあ
る。
【0035】原料中のSi34 とSiCとの配合割合
は、Si34 :SiC=95:5〜1:1(重量比)
の範囲が望ましい。
【0036】窒化珪素と炭化珪素とを含有する原料に添
加するほう素およびほう素化合物のうちから選ばれる少
なくとも一方の添加量は、製造する焼結体全体に対し、
ほう素に換算して0.005〜0.5重量%含有するよ
うにする。該含有量が、0.005重量%未満では、焼
結性が改善されない。また、0.5重量%を越えると、
焼結体の耐クリープ性が低下する。
【0037】ほう素化合物としては、ほう素の酸化物、
ほう素の炭化物、ほう素の塩化物、ほう素の弗化物等、
ほう素の化合物であればどのようなものでもよく、該ほ
う素化合物のうちから選ばれる少なくとも1種を使用す
る。なお、ほう素化合物の中で最も安価な原料はB2
3 であり、このB23 を使用するのが好ましい。
【0038】また、原料には、焼結助剤として、通常の
Si34 の焼結に用いられる酸化物、窒化物等の粉末
を添加してもよい。高温強度を大きく改善するために
は、特にY23 を単独で用いるのがよい。該Y23
粉末は、平均粒径が0.5μm以下のものが望ましい。
これより平均粒径が大きいと、焼結性が低下すると共に
特性のバラツキが大きくなることがある。
【0039】上記原料にほう素およびほう素化合物のう
ちから選ばれる少なくとも一方を添加して焼結する方法
としては、以下の方法がある。
【0040】(1)窒化珪素と炭化珪素とを含有し、必
要に応じて焼結助剤を添加した原料の粉末にほう素およ
びほう素化合物のうちから選ばれる少なくとも一方を添
加し、混合する。その後、この混合物を焼結する。上記
ほう素およびほう素化合物のうちから選ばれる少なくと
も一方の添加量を調節することにより、焼結体中におけ
るほう素またはほう素化合物の含有量を制御することが
できる。
【0041】(2)窒化珪素と炭化珪素とを含有し、必
要に応じて焼結助剤を添加した原料を成形して成形体を
準備する。ほう素およびほう素化合物のうちから選ばれ
る少なくとも一方の成分を含有する粉末中に上記成形体
を配置(埋設)して、該成形体を焼結する。
【0042】(3)窒化珪素と炭化珪素とを含有し、必
要に応じて焼結助剤を添加した原料を成形して成形体を
準備する。該成形体の周囲にほう素およびほう素化合物
のうちから選ばれる少なくとも一方の成分を含有する粉
末を配置して(ペースト状にして配置する等の形態があ
る。)、該成形体を焼結する。
【0043】(4)窒化珪素と炭化珪素とを含有し、必
要に応じて焼結助剤を添加した原料を成形して成形体を
準備する。また、この成形体を仮焼して仮焼体を準備す
る。該成形体または仮焼体にほう素を含む溶液を含浸、
乾燥させた後焼結する。
【0044】上記(2)、(3)とも、焼結により、成
形体の周囲のほう素またはほう素化合物よりほう素が成
形体中に侵入して焼結体中にほう素またはほう素化合物
が含有する。上記成形体の周囲の混合粉末中のほう素ま
たはほう素化合物の配合割合を調整することにより、焼
結体中におけるほう素またはほう素化合物の含有量を制
御することができる。なお、BNは非常に安定であり、
上記(2)、(3)の方法では、焼結体中にほう素を添
加することが困難であるため、ほう素化合物としては、
BNを用いない方がよい。ただし、BNは酸化されてほ
う素の酸化物を形成し、酸素量にして0.0001重量
%以上のほう素の酸化物を含むBNは、このほう素の酸
化物が焼結体中へのほう素の添加に寄与するため、この
BNはほう素化合物として用いることができる。また、
上記ほう素およびほう素化合物のうちから選ばれる少な
くとも一方の成分を含有する粉末としては、ほう素およ
びほう素化合物のうちから選ばれる少なくとも一方を含
有する原料粉末そのもの、またはほう素およびほう素化
合物のうちから選ばれる少なくとも一方を添加した窒化
珪素粉末またはBN粉末等を用いる。例えば、ほう素の
酸化物をほとんど含まないBNは上記のように、焼結体
中へのほう素の添加に寄与しないため、このBN粉末に
ほう素またはほう素化合物を添加したものでは、ほう素
またはほう素化合物の配合割合を調整することにより、
焼結体中におけるほう素またはほう素化合物の含有量を
制御することができる。また、ほう素の添加量は、焼結
温度、焼結時間等の焼結条件を調整することにより制御
することもできる。
【0045】焼結法としては、常圧焼結、ガス圧焼結、
あるいはこれらとHIPとの組み合わせ等どのような方
法でもよい。しかし、高い生産性と安価なコストとを考
え併せると常圧焼結あるいはガス圧焼結が望ましい。
【0046】焼結温度は1750〜2000℃が望まし
く、さらに望ましくは、1800〜1900℃がよい。
また、焼結時間としては、1〜8時間、さらに望ましく
は、2〜4時間がよく、焼結雰囲気としては、窒素ガス
あるいは不活性ガス中が望ましい。
【0047】本発明の窒化珪素質焼結体は、高温特性に
優れていることより、自動車用エンジン、ガスタービン
等の高温構造用部材等として利用することができる。
【0048】以下、本発明の実施例を説明する。
【0049】(実施例1)Si34 粉末に30重量%
(wt%)のSiC粉末および焼結助剤として8wt%
のY23 を添加した混合粉末に、B23 を、製造す
る焼結体全体に対し、Bに換算して0.1、0.5wt
%となるように添加、配合した(なお、混合割合は、混
合粉末全重量に対してである。実施例2、3、4につい
ても同様である。)。この2種類の混合粉末を成形した
後、1850℃で4時間、N2 ガス中で焼結した。
【0050】また、比較のため、B23 の添加量が製
造する焼結体全体に対し、Bに換算して0.005〜
0.5重量%の範囲をはずれる焼結体も上記と同様にし
て作製した。
【0051】上記のようにして得られた焼結体につい
て、焼結体中のBの存在量を化学分析により求めた。ま
た、焼結体の焼結後の密度、および室温、1400℃で
の4点曲げ強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1より明らかなように、本実施例の焼結
体は、比較例の焼結体よりも曲げ強度に優れ、特に高温
強度に優れていることが分かる。
【0054】(実施例2)Si34 粉末に30wt%
のSiC粉末および焼結助剤として8wt%のY23
を添加した混合粉末を成形して成形体を作製した。製造
する焼結体全体に対し、Bに換算して0.1、0.5w
t%となるようにB23 を含むBN粉末中に上記成形
体を埋めて、1850℃で6時間、N2 中で焼結した。
【0055】また、比較のため、B23 を含まないB
N粉末中に成形体を埋めた場合、および製造する焼結体
全体に対し、Bに換算して3wt%となるようにB2
3 を含むBN粉末中に上記成形体を埋めた場合について
も上記と同様にして焼結体を製造した。
【0056】上記のようにして得られた焼結体につい
て、実施例1と同様にして焼結体中のBの存在量を求
め、また、焼結体の焼結後の密度、および室温、140
0℃での4点曲げ強度を測定した。その結果を表2に示
す。
【0057】
【表2】
【0058】表2より明らかなように、本実施例の焼結
体は、比較例の焼結体よりも曲げ強度に優れ、特に高温
強度に優れていることが分かる。比較例の試料No.C
5、C6で、BN粉末中にB23 を添加しないにもか
かわらず、焼結体中に0.001、0.002wt%の
Bが検出されたのは、市販のBN粉末は表面にB2 3
の酸化層が存在していたためと推定される。
【0059】(実施例3)実施例2と同様にして成形体
を作製した。製造する焼結体全体に対し、Bに換算して
0.1、0.4wt%となるようにB23 を含むBN
粉末を、上記成形体の周囲に配置して、1850℃で6
時間、N2 中で焼結した。
【0060】また、比較のため、B23 を含まないB
N粉末を上記成形体の周囲に配置した場合、および製造
する焼結体全体に対し、Bに換算して3wt%となるよ
うにB23 を含むBN粉末を上記成形体の周囲に配置
した場合についても上記と同様にして焼結体を製造し
た。
【0061】上記のようにして得られた焼結体につい
て、実施例1と同様にして焼結体中のBの存在量を求
め、また、焼結体の焼結後の密度、および室温、140
0℃での4点曲げ強度を測定した。その結果を表3に示
す。
【0062】
【表3】
【0063】表3より明らかなように、本実施例の焼結
体は、比較例の焼結体よりも曲げ強度に優れ、特に高温
強度に優れていることが分かる。
【0064】(実施例4)実施例1と同様にして、焼結
体を作製した。なお、B2 3 の添加量は、製造する焼
結体全体に対し、Bに換算して0.05、0.10、
0.45wt%となるようにした。また、比較のため、
2 3 の添加量が製造する焼結体全体に対し、Bに換
算して0.5wt%を越える焼結体(2種類)も上記と
同様にして作製した。
【0065】得られた焼結体について、実施例1と同様
にして焼結体中のBの存在量を求めた。また、焼結体を
引張クリープ試験片(応力印加部:直径3mm)に加工
した後、200MPaの応力をかけて1400℃、大気
中でクリープ試験を実施した。その結果を表4に示す。
なお、表4には、破断に至るまでの時間(クリープ破断
時間)と破断までの伸び(%)を示してある。
【0066】
【表4】
【0067】表4中の焼結体中のB存在量とクリープ破
断時間との関係を図1に示す。
【0068】表4および図1より明らかなように、本実
施例の焼結体は、比較例の焼結体よりもクリープ破断時
間が長く、破断までの伸びが小さいことより、高温での
耐クリープ性に優れていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例における窒化珪素
質焼結体中のほう素存在量とクリープ破断時間との関係
を示す線図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結体の主成分となる窒化珪素と、焼結
    体中に分散した炭化珪素と、焼結体全体に対し、ほう素
    に換算して0.005〜0.5重量%含まれる、ほう素
    およびほう素化合物のうちから選ばれる少なくとも一方
    とよりなることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
JP6334103A 1993-12-22 1994-12-16 窒化珪素質焼結体 Pending JPH07232964A (ja)

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JP6334103A JPH07232964A (ja) 1993-12-22 1994-12-16 窒化珪素質焼結体

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JP34648193 1993-12-22
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11729907B2 (en) 2019-09-18 2023-08-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Structure and circuit board

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11729907B2 (en) 2019-09-18 2023-08-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Structure and circuit board

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