JPH0723248B2 - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造方法

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JPH0723248B2
JPH0723248B2 JP5036065A JP3606593A JPH0723248B2 JP H0723248 B2 JPH0723248 B2 JP H0723248B2 JP 5036065 A JP5036065 A JP 5036065A JP 3606593 A JP3606593 A JP 3606593A JP H0723248 B2 JPH0723248 B2 JP H0723248B2
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alumina
slurry
ceramic
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智明 石黒
明 松井
一実 加藤
信夫 高瀬
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Toyama Prefecture
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Toyama Prefecture
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セラミックス粉末と
水を混合した泥漿を射出成形し、セラミックス成形体を
得るセラミックス成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より複雑かつ高精度なセラミックス
製品の成形方法として、射出成形法が知られている。こ
の射出成形法は、セラミックス粉末にポリエチレン、ポ
リスチレン等の樹脂およびワックスから構成される有機
バインダーを多量に混合し、混練して、この混練原料を
約200℃に加熱し流動化させ、無吸水性の金型内に射
出し、冷却固化して成形体を作製するものである。そし
て、作製した成形体を脱脂し、焼成することでセラミッ
クス焼結体が得られるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の射出成形法
では、金型内での冷却に伴って流動性が急激に低下する
ため、ウエルドやフローマークといった成形欠陥が生じ
易い。しかも、成形体に膨れや亀裂を生じさせることな
く脱脂するには、昇温速度をゆっくりとし、脱脂完了ま
でに100〜400時間という長時間が必要であった。
これらの欠点を解決するための提案として、有機バイン
ダーを含まない泥漿を、泥漿の凝固温度以下に冷却され
た金型に注入し固化させ、成形体を得る方法があるが
(特開昭60−217106号「無機粉末凍結成形
法」)、この方法では、水等の分散媒添加量が多くな
り、しかもその許容幅が狭いという欠点がある。さら
に、水等の分散媒添加量が多いので、成形体の強度が小
さく、焼成品の密度を低いなどの問題がある。また成形
品を焼成する前に、凍結乾燥工程が必要であり、工程及
び装置が複雑なものとなる欠点がある。
【0004】この発明では、上記従来の射出成形法に存
在する脱脂、成形欠陥といった問題点を解決し、複雑か
つ高寸法精度が要求されるセラミックス製品のための成
形体を得ることができるセラミックス成形体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のセラミックス
成形体の製造方法は、50〜97重量%、好ましくは、
70〜90重量%のセラミックス粉末と、3〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%のρアルミナ粉末から
なる無機質粉末100重量部に、水15〜50重量部、
好ましくは18〜30重量部を混合して泥漿を形成し、
この泥漿を30℃〜100℃に加温した無吸水型に射出
成形するセラミックス成形体の製造方法である。
【0006】さらに、ポリカルボン酸系、ポリリン酸
系、ナフタレンスルフォン酸系、アミン系、アリルスル
フォン酸系等の分散剤が0.01〜3重量部添加された
泥漿を用いるものである。さらに必要に応じて、有機結
合剤として水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸アミド、
アルギン酸ソーダ、CMC等を0〜5重量部、また、消
泡剤、潤滑剤、保護剤、などを添加してもよい。ここで
用いるρアルミナ粉末の粒径は、0.1〜10μm、好
ましくは0.5〜3μmであり、成形用泥漿としては見
かけ粘度が10000cps以下であれば成形可能である
が、脱泡性を加味すると1000cps以下がより好まし
い。
【0007】この泥漿は、30〜100℃好ましくは6
0〜80℃に加温された金属、樹脂、木材等からなる無
吸水性の型に射出され、セラミックス成形体を得る。
【0008】この後、得られたセラミックス成形体は、
引続き乾燥処理を施された後、焼成されてセラミックス
焼結体が製造される。なお、この成形体の乾燥時間は従
来法の脱脂時間と比べて1/2〜1/5ですむものであ
る。また、この発明に用いるセラミックスには、アルミ
ナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられ、セ
ラミックスの種類に限定されるものではなく、要求され
る製品特性等に応じて適宜選択して使用されるものであ
る。
【0009】
【作用】この発明のセラミックス成形体の製造方法は、
ρアルミナをバインダーとして用いることにある。すな
わち、ρアルミナは、水和する時に周囲のρアルミナ粒
子と水を共用するために固化する性質のあることが知ら
れており、この発明ではこの現象をセラミックス成形体
の製造方法に積極的に応用し、セラミックス材料のバイ
ンダーあるいは硬化剤としてρアルミナを利用すること
で、従来法の問題点を解決するものである。
【0010】一方、この発明のセラミックス成形体の製
造方法の条件外の成形方法において、セラミックス粉末
が97重量%を越える場合、すなわち、ρアルミナ粉末
が3重量%未満からなる無機質粉末を用いた場合、バイ
ンダーとしてのρアルミナが少な過ぎ、成形体の強度が
小さく持ち運びに困難をきたす。また、セラミックス粉
末が50重量%未満、すなわち、ρアルミナ粉末が50
重量%越える無機質粉末を用いた場合は、ρアルミナが
多過ぎて粘度が高過ぎ、硬化が速く、硬化時の成形体内
の温度分布が不均一であることによる割れが生じ易い。
また、これを避けるために、型温を低く保ち硬化速度を
遅くしてやる必要があり、このため、かえって硬化時間
が長くなり生産性が悪くなるものである。
【0011】さらに、添加する水が15重量部未満では
流動しにくく成形困難となる。また、水が50重量部を
越えると、成形体強度が低く、型から成形体を取り出す
時に割れ易く持ち運びも困難となり、硬化時間も長くな
り、生産性が落ちる。
【0012】さらに、無吸水型の温度が30℃未満で
は、泥漿の固化時間が非常に長くなり、100℃を越え
ると、固化時に爆裂や固化した成形体を脱型する時の乾
燥割れが頻繁になり不適である。
【0013】また、ρアルミナの粒径は、10μm越え
ると、セラミックス焼成品中に気孔が多く発生し、密度
が上がらない。また、0.1μm未満では、泥漿作製に
水が多く必要になり、生産性が低下するものである。
【0014】
【実施例】
(実施例1)平均粒径0.4〜0.5μmのアルミナ粉
末80重量%と平均粒径2μmのρアルミナ20重量%
からなる無機質粉末100重量部に純水20重量部、お
よび、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩(商
品名SNディスパーサント5468)を混合し、アルミ
ナ製ポットミルを用いて泥漿を調整した。ポリカルボン
酸アンモニウム塩の添加量と泥漿粘度を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】これらの内、粘度の低い泥漿No3を用い
て、図1に示す棒をプランジャータイプ射出成形機を用
いて、射出圧力20kgf/cm2、プランジャー温度20
℃、金型温度60℃で成形した。この成形体の曲げ強さ
は40kgf/cm2であり、40時間の乾燥後の曲げ強さは
100kgf/cm2であった。これを、室温から1600℃
まで4時間で昇温し、1600℃で1時間保持しセラミ
ックス焼結体を得た。そして、炉冷の後この焼結体を取
り出しその表面を調べたところ、膨れや亀裂は認められ
なかった。
【0017】(実施例2)平均粒径0.4〜0.5μm
のアルミナ粉末40〜98重量%と平均粒径2μmのρ
アルミナ60〜2重量%からなる無機質粉末100重量
部に純水を20〜40重量部、および、分散剤としてポ
リカルボン酸アンモニウム塩(商品名SNディスパーサ
ント5468)を0.4重量部混合し、アルミナ製ポッ
トミルを用いて泥漿を調整した。これを、プランジャー
タイプ射出成形機で射出圧20kgf/cm2、金型温度60
℃のもとで成形し、成形体の曲げ強さを測定した。その
結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】ρアルミナが3重量%未満では、成形体が
硬化せず、ρアルミナの量が50重量%を越えると、硬
化が速過ぎて、成形できないものであった。これより、
ρアルミナの添加量は、3〜50重量%、好ましくは1
0〜30重量%の範囲が適切であるといえる。
【0020】(実施例3)平均粒径0.4〜0.5μm
のアルミナ粉末80重量%と平均粒径2μmのρアルミ
ナ20重量%からなる無機質粉末100重量部に純水6
0重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(商品名SN
ディスパーサント5468)0.4重量部添加し、アル
ミナ製ポットミルを用いて泥漿を調整した。この泥漿
を、プランジャータイプ射出成形機を用いて、射出圧力
10kgf/cm2、プランジャー温度20℃、金型温度25
℃で図1の形状の成形体を成形した。この泥漿は、1時
間型内で保持しても硬化せず、成形体は得られなかっ
た。これは、純水の量が多過ぎて、泥漿が硬化しなかっ
たためである。
【0021】(実施例4)平均粒径0.5μmのジルコ
ニア90重量%と平均粒径2μmのρアルミナ10重量
%からなる無機質粉末100重量部に、純水20重量
部、ポリカルボン酸ナトリウム塩(商品名ノプコスパー
ス44−C)1重量部を含む泥漿をアルミナ製ポットミ
ルで作製し、この泥漿を、プランジャータイプ射出成形
機を用いて、射出圧力20kgf/cm2、プランジャー温度
20℃、金型温度60℃で、図1に示す形状品を成形し
た。この成形体の曲げ強さは20kgf/cm2であり、これ
を乾燥後、室温から1600℃まで4時間で昇温し、1
600℃で1時間保持した。炉冷の後取り出し、焼成体
の表面を調べたところ、膨れや亀裂は認められず良好な
セラミックス焼結品が得られた。
【0022】
【発明の効果】この発明の、ρアルミナを含んだ泥漿を
用いたセラミックス成形体の製造方法によれば、泥漿の
流動性が非常に良いので、ウエルド、フローマークなど
の成形欠陥は発生せず、有機バインダーが含まれていな
いので、脱脂工程は不要となり、製造工程が簡略化され
製造時間も大幅に短縮されるものである。さらに、流動
性の良好な泥漿を用いることで、低射出圧で成形可能で
あり、このため、射出成形機の小型化が可能であり、使
用する成形型もアルミニウムおよびその合金や樹脂ある
いは木材等の軽量な材料を使用することができる。
【0023】そして、この発明のセラミックス成形体の
製造方法によれば、複雑で密度むらのない均質な成形体
を容易に作製可能であり、複雑な形状製品や肉厚製品を
寸法精度良く作製できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例で作製した棒の正面図(A)
および側面図(B)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末50〜97重量%、ρ
    アルミナ粉末50〜3重量%からなる無機質粉末100
    重量部に、水15〜50重量部を混合して泥漿を形成
    し、この泥漿を30℃〜100℃に加温した無吸水型に
    射出成形することを特徴とするセラミックス成形体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記泥漿に、ポリカルボン酸系、ポリリ
    ン酸系、ナフタレンスルフォン酸系、アミン系、又はア
    リルスルフォン酸系の分散剤を添加したことを特徴とす
    る請求項1記載のセラミックス成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ρアルミナの粒径が0.1〜10μ
    mであることを特徴とする請求項1記載のセラミックス
    成形体の製造方法。
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JP4517103B2 (ja) * 2004-04-06 2010-08-04 独立行政法人産業技術総合研究所 セラミックス構造体用練土及びその製造方法
JP4517104B2 (ja) * 2004-04-06 2010-08-04 独立行政法人産業技術総合研究所 セラミックス構造体の製造方法及びセラミックス構造体
KR100764435B1 (ko) * 2005-07-26 2007-10-05 비아이 이엠티 주식회사 액체렌즈의 세라믹 몸체

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