JPH07231743A - 徐放性フェロモン製剤 - Google Patents

徐放性フェロモン製剤

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JPH07231743A
JPH07231743A JP31990994A JP31990994A JPH07231743A JP H07231743 A JPH07231743 A JP H07231743A JP 31990994 A JP31990994 A JP 31990994A JP 31990994 A JP31990994 A JP 31990994A JP H07231743 A JPH07231743 A JP H07231743A
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Japan
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pheromone
acetate
sustained
ethylene
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JP31990994A
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Ryuichi Saguchi
龍一 左口
Hiroshi Suzuki
宏始 鈴木
Hachiro Saito
八郎 斎藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汎用の散布機で散布することができ、フェロ
モンを長期にわたり、ほとんど一定の濃度で放出するこ
とができる徐放性フェロモン製剤を提供する。 【構成】 蒸発エネルギーが21,000〜27,000cal/moleで
あり、かつ溶解性を示す尺度となるパラメータが8〜9ca
l1/2cm-2/3である性フェロモンを、パラメーターが8〜
9.5cal1/2cm-2/3である合成樹脂からなる平均粒径0.2〜
2.5mmの粉粒体に含有させて徐放性フェロモン製剤とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、害虫の交尾交信を撹乱
して増殖を抑制する徐放性フェロモン製剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、フェロモンは有害な昆虫の増殖を
抑える効果がある物質として注目されてきている。その
中でも、容易に利用できて害虫の増殖を抑制する効果が
高く、最も普及しているフェロモンは性フェロモンであ
る。性フェロモンは交尾のときに虫が異性を誘引するた
めに放出する信号物質である。害虫防除にフェロモンを
利用できるようになったのは、天然物質に非常に近い構
造のフェロモンを合成できるようになってきたからであ
る。
【0003】害虫の発生を抑制する手段のひとつに交信
撹乱法がある。交信撹乱法とは、性フェロモンを放出す
る徐放性フェロモン製剤を圃場に配置し、害虫が個々の
異性を感知したり位置確認する交信能力を低下させ、交
尾できなくさせるものである。
【0004】徐放性フェロモン製剤には次のような性質
が要求されている。性フェロモンを必要な量、必要な期
間放出できること。単位時間あたりの放出量に逐次むら
がないこと。一定期間で全量を放出でき、放出完了後の
残量が少ないこと。このほかにも、噴霧や散布の作業を
良好にするため、微粒子や懸濁液の形態で得られること
が要求されることがある。
【0005】前記の性質を満たす徐放性フェロモン製剤
として、フェロモンを無機物と混合して結束剤を加えて
造粒したもの、フェロモンをマイクロカプセル化したも
の、フェロモンを高分子樹脂に含浸させたものが挙げら
れる。
【0006】無機物と混合して造粒した徐放性フェロモ
ン製剤はフェロモンを均一に放出できない。しかも製剤
の外形が特殊であり、広範囲に撒くには特殊な散布機が
必要であった。マイクロカプセル化した徐放性フェロモ
ン製剤の場合、単位重量あたりの放出表面積をより小さ
くして性フェロモンの放出速度を抑制しようとしても、
製造技術上の制約からその直径を 0.2mm以上にすること
はできなかった。表面を覆うカプセルの機械的強度も弱
かった。このため徐放性フェロモン製剤にはフェロモン
を高分子樹脂に含浸させたものが広く利用されている。
【0007】フェロモンを高分子樹脂に含浸させた徐放
性フェロモン製剤の一形態として、フェロモンを高分子
粉体に担持させたものがある。フェロモンを高分子粉体
に担持した製剤はフェロモン単位重量あたりの表面積が
大きくフェロモンの放出が過剰となり、使用できる期間
が短い。さらに保存温度上昇等によってフェロモン製剤
表面の粉体が表面移行し、粉体同士が付着するブロッキ
ングが発生することがある。ブロッキングを防止するた
め、特開昭64-20853号公報には親水性基を有する粉末を
混合した徐放性フェロモン製剤が記載されている。特開
昭56-148402号公報、特開平6-192024号公報には粒子表
面に粉末樹脂を接着した徐放性フェロモン製剤が記載さ
れている。このようにブロッキングを防止するには二次
的加工が不可欠であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためになされたもので、汎用の散布機で散布す
ることができ、フェロモンを長期にわたり、ほとんど一
定の濃度で放出することができる徐放性フェロモン製剤
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の徐放性フェロモン製剤は、性フェ
ロモンが、それと相溶性のある合成樹脂からなる平均粒
径0.2〜2.5mmの粉粒体に含有されているものである。合
成樹脂の粒径が0.2mm未満の場合、単位重量あたりの表
面積が広すぎて性フェロモンの初期の揮発速度が速くな
りすぎて短期間に性フェロモンのほとんどが放出されて
しまい、長期間にわたって害虫を防除できない。2.5mm
を超える場合には、単位重量あたりの表面積が小さくな
り、性フェロモンの揮発速度が遅くなる。さらに粒径が
大きい分、粉体奥部の性フェロモンが、粒体表面の性フ
ェロモンが揮発した後の表面の空白部分に到達するのに
時間がかかり、事実上急速に揮発が終了してしまう。
【0010】性フェロモンは合成樹脂に0.3μg〜3mg
/個の割合で含有しているのが好ましい。含有量がこの
範囲だと、通常の気象条件下で長期にわたって害虫を防
除できる。0.3μg未満の場合には、害虫の交尾を撹乱
するだけの量のフェロモンが揮発されない。3mgを超
える場合には、性フェロモンを多量に含有させただけの
効果が発揮されず、経済的に好ましくない。
【0011】性フェロモンの蒸発エネルギーは21,000〜
27,000cal/moleが好ましい。蒸発エネルギーが21,000ca
l/mole未満では、徐放性フェロモン製剤から放出される
性フェロモンの放出が過剰となってしまい、長期にわた
っての放出ができなくなる。27,000cal/moleを超える場
合には、性フェロモンの放出が過小であるため害虫を防
除できない。とりわけ本発明の平均粒径、フェロモン含
有率の場合、数十日間という長期にわたり一定の濃度で
フェロモンを放出するには、蒸発エネルギーが21,800〜
27,000cal/moleが特に好ましい。
【0012】性フェロモンの溶解性を示す尺度となる溶
解性パラメーターは8〜9cal1/2cm-2/3が好ましい。本発
明はフェロモンをそれと相溶性のある合成樹脂に含有さ
せたことを特徴とするものである。この相溶性とは2種
またはそれ以上の物質が相互に親和性を有し、溶液また
は混和物を形成する性質をいう。従って、相溶性を有す
る物質同士は互いに他方を高濃度で含有することができ
るとともに、含有した他方を急速に放出することなく徐
々に揮散させる特性を有する。本発明における徐放性フ
ェロモン製剤は、性フェロモンと合成樹脂がこの相溶性
を有するために、保存中におけるフェロモンの露華もな
く、粉流体同士が付着してしまうようなブロッキングも
起こらないものである。従って、フェロモンの溶解性を
示すパラメーターが8〜9cal1/2cm-2/3からはずれると、
フェロモンの合成樹脂への溶解性が悪く、高分子に含有
されうるフェロモン量も限定され、また徐放性も全く付
与されなくなってしまうので好ましくない。
【0013】性フェロモンは分子量が220〜330であるこ
とが好ましく、特に250〜310が望ましい。分子量は放出
速度、放出濃度に影響し、放出期間を左右する。分子量
が220未満の場合には放出する性フェロモンの蒸気圧が
大きくなりすぎ、放出速度が速くなり長期間性フェロモ
ンを放出することができない。分子量が330を超える場
合には性フェロモンの放出蒸気圧が小さくなりすぎ、大
気中に害虫の交尾を撹乱するだけのフェロモン濃度を得
ることができない。
【0014】性フェロモンには、14−メチル−1−オク
タデセン、 Z9−トリコセン、E4−トリデセニルアセテー
ト、ドデシルアセテート、Z7−ドデセニルアセテート、
Z8−ドデセニルアセテート、Z9−ドデセニルアセテー
ト、E7,Z9−ドデカジエニルアセテート、Z9−テトラデ
セルアセテート、E11−テトラデセニルアセテート、Z11
−テトラデセニルアセテート、Z9,E11−テトラデカジエ
ニルアセテート、Z9,E12−テトラデカジエニルアセテー
ト、Z11−ヘキサデセニルアセテート、Z7,Z/E11−ヘキ
サデカジエニルアセテート、Z13−ヘキサデカトリエニ
ルアセテート、Z13−オクタデセニルアセテート、E13,Z
13−オクタデカジエニルアセテート、Z11−ヘキサデセ
ナール、Z13−オクタデセナール、Z13−イコセン-10-オ
ン、7,8−エポキシ−2−3メチルオクタデカン、8−メチ
ル−2−デシルプロピオネートが挙げられる。これらは
単独で用いられても、混合して用いられてもよい。さら
に必要に応じて各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤等が添
加されてもよい。
【0015】合成樹脂のパラメーターは8〜9.5cal1/2cm
-2/3が好ましい。パラメーターが8〜9.5cal1/2cm-2/3
ら外れると、性フェロモンのパラメーターに近似しない
ことになり、合成樹脂と性フェロモンとの相溶性が失わ
れる。性フェロモンと相溶性のある合成樹脂の中でも、
特に加工性に優れた汎用樹脂であり、カルボキシル基等
の極性基を有するオレフィン系共重合体が望ましい。
【0016】カルボキシル基等の極性基を有するオレフ
ィン系共重合体には、エチレンとビニルエステルとの共
重合体、エチレンとα−,β−不飽和カルボン酸または
その誘導体との共重合体等のエチレン共重合体等があ
る。具体的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(8.0〜
9.6cal1/2cm-2/3)、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体(8.0〜9.8cal1/2cm-2/3)、エチレン−メタクリル
酸エステル共重合体(8.0〜9.2cal1/2cm-2/3)等であ
る。各共重合体のパラメーターの取り得る範囲は括弧内
に示す通りである。これらの共重合体の組成を変えてパ
ラメーターの値を8.0〜9.5cal1/2cm-2/3に調整し、性フ
ェロモンのパラメーターに近似させることによって共重
合体と性フェロモンとの相溶性を向上できる。これらの
共重合体のうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体は低廉
で入手も容易であるので特に好ましい。
【0017】カルボキシル基等の極性基を有するエチレ
ン共重合体はその他のオレフィン系重合体と混合されて
もよい。混合されるその他のオレフィン系重合体には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の単独
重合体、これらオレフィン系モノマーと他の共重合性モ
ノマーとの共重合体が挙げられる。非極性のオレフィン
系重合体は性フェロモンの拡散速度あるいは揮発濃度を
高める働きがあり、種類および混合比を適宜変えれば性
フェロモンの揮発速度を調節することができる。例えば
オレフィン系重合体の混合比が高くなると揮発速度は速
くなる。
【0018】性フェロモンを含有している前記徐放性フ
ェロモン製剤は、各粉粒体表面がコーティング剤によっ
て被覆されていてもよい。コーティング剤で被覆すると
性フェロモンの揮発速度が速すぎるような場合に、速度
を抑制することができる。コーティング剤は性フェロモ
ンが透過し難いものであればよく、例えばポリメタクリ
ル酸メチル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレートが挙げられる。その外にも、性
フェロモンが透過できない無機粉粒体を合成樹脂の粒体
個々に部分的であれば接着してもよく、性フェロモンと
相溶性の無い合成樹脂粉粒体を個々に部分的に接着して
もよい。
【0019】このような徐放性フェロモン製剤は、合成
樹脂と性フェロモンとを押出機の中で混練し、次いでそ
れを粒体化し、必要に応じてその粒体を粉砕機で粉砕
し、必要な粒度範囲を篩い分けることで得られる。その
他、合成樹脂のペレットに性フェロモンを含浸させ、さ
らに細かく所定粒度まで粉砕してもよく、合成樹脂粉末
に性フェロモンを含浸させてそれをさらに細かく所定粒
度まで粉砕してもよい。
【0020】粉粒体の表面をコーティングするには、性
フェロモンを含浸させた合成樹脂粉末に例えばポリメタ
クリル酸メチルをスプレーすればよい。
【0021】得られた徐放性フェロモン製剤は圃場内に
均一に配置される。配置方法は特に限定されるものでは
ない。製剤をそのまま散布してもよいし、徐放性フェロ
モン製剤と水溶性接着剤、例えばアクリル系接着剤とを
水に混合して懸濁化させてから散布してもよい。散布の
時期は害虫が交尾期に入る直前が好ましい。
【0022】徐放性フェロモン製剤は粒径0.2〜2.5mmの
粉体に性フェロモンが含有されたものであり、特殊な形
状ではないため汎用の散布器で散布できる。
【0023】
【作用】溶解性を示す尺度となるパラメーターの近似し
ている物質同士は相溶性がよく、互いに他方を高濃度で
含有することができる。本発明の徐放性フェロモン製剤
は、性フェロモンと合成樹脂とのパラメーターが近似し
ているので、性フェロモンが露華することがなく、合成
樹脂の粉粒体同志が付着してしまうブロッキングも起こ
らない。相溶性のある物質同士は含有した他方を徐々に
揮発させる特性がある。従って、通常の気象条件下、徐
放性フェロモン製剤は性フェロモンを一定量で僅かずつ
長期間にわたって放出する。尚、このパラメーターは分
子の大きさと蒸発エネルギーによって決定される。
【0024】
【発明の効果】本発明の徐放性フェロモン製剤は汎用の
散布器で散布され、害虫の交尾期間に当たる数十日間の
長期にわたり一定の濃度で性フェロモンを放出するの
で、極めて有効にその交尾を交信撹乱し増殖を防止する
ことができる。さらに、二次加工をしなくても製剤表面
の粉体が表面移行しない。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0026】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:ウルトラセン
UE632、東ソー(株)製、溶解性を示すパラメーター
(以下、δ)=8.4cal1/2cm-2/3)のペレット90重量部
に、コナガの性フェロモンの一成分であるZ11-ヘキサデ
セニルアセテート(蒸発エネルギー(以下、E)=24,0
75cal/mole、δ=8.7cal1/2 cm-2/3)10重量部を含浸さ
せ、粉砕機を用いて平均粒径が 2.0mmの徐放性フェロモ
ン製剤を得た。以下、同様にして平均粒径が1.0mm、0.
25mmの各徐放性フェロモン製剤を得た。
【0027】製剤設置温度を40℃、風速を0.3m/sに設定
し、粒径の異なる各徐放性フェロモン製剤を放置し、フ
ェロモンの残量を測定した。その結果を表1に示す。さ
らに表1の内容をグラフ化して図1に示す。
【0028】得られた徐放性フェロモン製剤をガスバリ
ヤー性のフィルムで包装し、40℃で、2カ月間保存して
開封したところ、ブロッキングは全く認められなかっ
た。
【0029】比較例1 粉砕して得られる徐放性フェロモン製剤の平均粒径を0.
01mm、5.0mmとしたことを除いて、実施例1と同様の操
作を行った。
【0030】結果を表1と図1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記の結果から、実施例1の徐放性フェロ
モン製剤は、40日間一定の速度で性フェロモンが揮散し
ていることがわかった。
【0033】比較例2 担持するフェロモンを10−メチル−トリデカン−2−オ
ン(E=18,965cal/mole、δ=8.7cal1/2 cm-2/3)にし
たことを除いて、実施例1と同様の操作を行い平均粒径
0.8mmの徐放性フェロモン製剤を得た。
【0034】このフェロモン製剤を室内に放置し、フェ
ロモンの残存量を測定した。その結果、フェロモンの拡
散速度が大きく、約2週間でフェロモンの放出が終了し
てしまった。
【0035】比較例3 担持するフェロモンをペリプラノンB(E=22,040cal/
mole、δ=10.0cal1/2cm-2/3)にしたことを除いて、実
施例1と同様の操作を行い平均粒径0.25mmの徐放性フェ
ロモン製剤を得た。
【0036】得られた徐放性フェロモン製剤をガスバリ
ヤー性のフィルムで包装し、40℃で2カ月間保存して開
封したところ、ブロッキングを起こし、一部に塊を生じ
ていた。
【0037】実施例2 Z7,Z/E11-ヘキサデカジエニルアセテート(E=23,775c
al/mole、δ=8.7cal1/2 cm-2/3)1kgとエチレン−酢酸
ビニル共重合体9kgとを混練機で混練し、その混合物を
棒状に押し出し、細かく切断してペレットを得た。比重
は0.95だった。次いでその得られたペレットを粉砕機で
粉砕し、平均粒径0.3mmの粉状の徐放性フェロモン製剤
を得た。
【0038】粉状のこの徐放性フェロモン製剤 2.4kgと
水中油型(以下、O/W型)アクリル系接着剤エマルジ
ョン(固形分50%)60kgとを混合し、この混合物に水60
リットルを添加した。得られた懸濁液を1992年8月米国
アリゾナ州パーカー地区において空中散布機を用いて8
ヘクタールの綿畑に散布した。
【0039】その際、交信撹乱の効果確認のため、同じ
綿畑内にワタアカミムシのフェロモントラップを併せて
設置し、交尾を意味する雄成虫の誘殺数を調査した。そ
の結果、誘殺は散布直後から6週間認められず、徐放性
フェロモン製剤は交尾交信について高い撹乱効果がある
ことが分かった。
【0040】実施例3 マイマイガの性フェロモンである7,8-エポキシ-2-メチ
ルオクタデカン(E=21,905cal/mole、δ=8.2cal cm
-2/3)0.5kgとエチレン−酢酸ビニル共重合体 9.5kgとを
混練機で混練し、この混合物を棒状に押し出して細かく
切断してペレットを製造した。ペレットを粉砕機で粉砕
し、平均粒径0.3mmの粉状の徐放性フェロモン製剤を得
た。この製剤の比重は0.94であった。
【0041】得られた徐放性フェロモン製剤8kgとO/
W型アクリル系接着剤エマルジョン(固形分50%) 7.5
kgとを混合し、この混合物に 150リットルの水を添加し
た。得られた混合液を空中散布機を用いて20ヘクタール
の森林に散布した。その後、交信撹乱の効果確認のた
め、同じ森林内にマイマイガのフェロモントラップを設
けた。1箇月間マイマイガの誘殺は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】性フェロモンを含有させたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の粉粒体の平均粒径と性フェロモンの揮発速
度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 49/00 (72)発明者 鈴木 宏始 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 斎藤 八郎 神奈川県横須賀市安浦町三丁目19番地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 性フェロモンが、それと相溶性のある合
    成樹脂からなる平均粒径0.2〜2.5mmの粉粒体に含有され
    ていることを特徴とする徐放性フェロモン製剤。
  2. 【請求項2】 前記性フェロモンが合成樹脂に0.3μg
    〜3mg/個の割合で含有していることを特徴とする請
    求項1に記載の徐放性フェロモン製剤。
  3. 【請求項3】 前記性フェロモンの蒸発エネルギーが2
    1,000〜27,000cal/moleであり、溶解性を示す尺度とな
    るパラメータが8〜9cal1/2cm-2/3であり、前記合成樹脂
    のパラメーターが8〜9.5cal1/2cm-2/3であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の徐放性フェロモン製
    剤。
  4. 【請求項4】 前記性フェロモンが分子量220〜330の脂
    肪族化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の徐放性フェロモン製剤。
  5. 【請求項5】 前記性フェロモンが14−メチル−1−オ
    クタデセン、 Z9−トリコセン、トリデセニルアセテー
    ト、ドデシルアセテート、ドデセニルアセテート、ドデ
    カジエニルアセテート、テトラデセニルアセテート、テ
    トラデカジエニルアセテート、ヘキサデセニルアセテー
    ト、ヘキサデカジエニルアセテート、ヘキサデカトリエ
    ニルアセテート、オクタデセニルアセテート、オクタデ
    カジエニルアセテート、ヘキサデセナール、オクタデセ
    ナール、Z13−イコセン-10-オン、7,8−エポキシ−2−
    メチルオクタデカン、8−メチル−2−デシルプロピオ
    ネートから選ばれる少なくとも一種類の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の徐放性
    フェロモン製剤。
  6. 【請求項6】 前記合成樹脂がエチレンとビニルエステ
    ルとの共重合体、エチレンとα−,β−不飽和カルボン
    酸またはその誘導体との共重合体、またはこれらのうち
    の少なくとも一種を含む混合樹脂であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の徐放性フェロモン製
    剤。
  7. 【請求項7】 前記エチレンとビニルエステルとの共重
    合体、エチレンとα−,β−不飽和カルボン酸またはそ
    の誘導体との共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合
    体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体か
    ら選択される少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の徐放性フェロモン製剤。
JP31990994A 1993-12-28 1994-12-22 徐放性フェロモン製剤 Pending JPH07231743A (ja)

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US09/136,345 US6132749A (en) 1994-12-22 1998-08-19 Sustained release pheromone-containing preparations

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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