JPH07231121A - 熱電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電変換素子およびその製造方法

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JPH07231121A
JPH07231121A JP6044925A JP4492594A JPH07231121A JP H07231121 A JPH07231121 A JP H07231121A JP 6044925 A JP6044925 A JP 6044925A JP 4492594 A JP4492594 A JP 4492594A JP H07231121 A JPH07231121 A JP H07231121A
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JP
Japan
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silicon
conversion element
substrate
thermoelectric conversion
silicon carbide
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JP6044925A
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English (en)
Inventor
Kazuo Okano
一雄 岡野
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Tokyo Tekko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tekko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな起電力が得られる熱電変換素子を提供
する。 【構成】 炭化珪素からなる基体の内部に珪素を含浸さ
せてなる熱電変換素子において、基体の内部に多数の気
泡を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱電池等に用いられ
る熱電変換素子およびその熱電変換素子を製造するのに
好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱電変換素子には、炭化珪素から
なる多孔質の基体に珪素を含浸させてなるものがある。
この熱電変換素子は、珪素単体からなる熱電変換素子に
比して加熱側を高温にすることができ、したがって大き
な起電力が得られるという利点がある(特開平5ー18
3196号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような熱電変換素子においては、炭化珪素からなる基体
の熱伝導率が比較的高いため、高温側に加えた熱が低温
側に伝導し、低温側を加熱してしまう。この結果、高温
側と低温側との間の温度差が小さくなり、熱起電力が低
下してしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、請求項1に係る熱電変換素子は、炭化珪素からな
る多孔質の基体に珪素を含浸させてなる熱電変換素子に
おいて、上記基体の内部に多数の気泡を形成したことを
特徴としている。この場合、気泡については、基体に対
する気泡全体の体積比が5〜30%になるように形成す
るのが望ましい。また、そのような熱電変換素子を製造
するために、請求項3に係る製造方法は、炭化珪素から
なる粉体を焼結してなる多孔質の基体に溶融した珪素を
含浸させて熱電変換素子を製造する熱電変換素子の製造
方法において、炭化珪素からなる粉体を焼結するに際
し、予め炭化珪素を主成分とする粉体に溶融した珪素と
の濡れ性が炭化珪素より悪い物質からなる粉体を添加す
ることを特徴としている。また、濡れ性が悪い物質から
なる粉体については、炭化珪素の粉体に対する体積比が
5〜25%になるように添加するのが望ましい。なお、
この発明で「炭化珪素からなる」とは、炭化珪素が10
0%であることを意味するのみならず、炭化珪素に若干
の添加物を添加したもの、例えば炭化珪素の粉末に焼結
助剤としての炭素やホウ素を添加したものをも含む。
【0005】
【作用】請求項1に係る熱電変換素子においては、基体
に形成された気泡が高温側の熱が低温側に伝わるのを妨
げ、基体の伝熱度を下げる。したがって、高温側と低温
側との間の温度差を大きくすることができる。この場
合、基体に対する気泡の体積比が5%より小さくする
と、気泡による熱伝導率の低下という効果が薄れてしま
う。一方、30%より大きくすると、基体の電気抵抗が
過度に大きくなってしまう。請求項3に係る製造方法に
おいて、炭化珪素の粉体に、珪素に対する濡れ性が悪い
物質からなる粉体を添加して焼結すると、基体の空孔を
区画する内面のうちの多くは炭化珪素によって形成され
るが、一部は珪素に対する濡れ性が悪い物質によって形
成される。このような基体に溶融状態の珪素を含浸させ
ると、炭化珪素によって形成された内面は、炭化珪素と
溶融珪素との濡れ性が良好であるので、そこには珪素が
接触して広がる。したがって、当該部分の空孔には珪素
が隙間なく充填される。一方、空孔を区画する内面のう
ち、溶融珪素との濡れ性が悪い物質によって形成された
内面には、珪素が接触しても広がらない。このため、当
該部分の空孔には珪素が十分に充填されず、その一部が
気泡となって残る。この場合、濡れ性の悪い物質からな
る粉体の炭化珪素の粉体に体する体積比を5〜25%に
すると、基体に対する気泡の体積比が5%〜30%にな
る。
【0006】
【実施例】以下、この発明に係る製造方法の実施例につ
いて説明する。なお、この発明に係る熱電変換素子は、
製造方法を説明しながら明らかにする。
【0007】この発明に係る熱電変換素子を製造する場
合には、まず炭化珪素の粉体と、溶融珪素に対する濡れ
性が炭化珪素より悪い物質からなる粉体を準備する。炭
化珪素の粉体については、従来の製造方法において用い
られるものと同様に平均粒径が0.03〜0.5μmの
ものを用いる。この場合、炭化珪素については、それ単
独であってもよく、あるいは焼結助剤としての炭素やホ
ウ素、あるいはその他の粉体を若干添加してもよい。
【0008】溶融珪素に対する濡れ性が炭化珪素より悪
い物質としては、例えば窒化ホウ素(BN)、窒化アル
ミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)等がある。
これを炭化珪素の粉体とほぼ同一の平均粒径の粉体とす
る。
【0009】次に、炭化珪素の粉体に濡れ性が悪い物質
からなる粉体を添加する。この場合、濡れ性が悪い物質
からなる粉体については、炭化珪素に対する体積比で5
〜25%にするのが望ましい。これは、製造された基体
に対する全気泡の割合(体積比)を5〜30%にするた
めである。
【0010】次に、濡れ性が悪い物質からなる粉体を炭
化珪素の粉体中にほぼ均一に分散させ、これを所望の形
状に加圧成形する。そして、成形体を真空焼結炉で焼結
して基体を製造する。このようにして製造された基体
は、多孔質構造になる。この場合、基体内の空孔を区画
する内面のうちの多くの部分は、炭化珪素によって形成
されるが、その一部は濡れ性の悪い物質によって形成さ
れる。なお、焼結条件は、従来の製造方法と同様でよ
い。例えば、成形体を2000°C程度に加熱して30
分間維持する。
【0011】その後、焼結された基体に溶融した珪素を
含浸させて熱電変換素子を製造する。このようにして製
造された熱電変換素子は、内部に多数の気泡を有してい
る。すなわち、溶融した珪素は、基体の空孔内に入り込
み、空孔内に充填される。このとき、空孔を区画する内
面のうちの炭化珪素によって形成された部分について
は、炭化珪素と溶融珪素との濡れ性がよいので、溶融珪
素は空孔の内面に接触して広がり、当該部分の空孔を埋
める。一方、空孔を区画する内面のうち、溶融珪素との
濡れ性が悪い物質によって形成された内面には、珪素が
接触しても広がらない。このため、当該部分の空孔には
珪素が十分に充填されず、その一部が気泡となって残
る。
【0012】なお、基体に珪素を含浸させるに際して
は、製造された熱電変換素子をP型またはN型半導体と
するために、珪素に3価または5価の元素を予め添加し
ておく。
【0013】上記のようにして製造された熱電変換素子
においては、多数の気泡が基体の熱伝導率を低下させ
る。したがって、高温側と低温側との間の温度差を大き
くすることができ、これによって熱電変換素子の起電力
を高い状態に維持することができる。
【0014】ここで、気泡については、基体に対する全
気泡の体積比が5〜30%になるように形成するのが望
ましい。これは、気泡の体積比を5%より小さくすると
図1に示すように、基体の熱伝導率をあまり低くするこ
のができなくなるからである。一方、体積比を30%よ
り大きくすると、基体中の気泡が過度に多くなり、図2
に示すように、基体の電気抵抗が大きくなり過ぎるから
である。なお、図1は、気泡のない緻密構造の基体の熱
伝導率(K0)と、各気泡分率を有する基体の熱伝導率
Kとの比(K/K0)を示す図であり、図2は、気泡の
体積分率が40%である基体の電気抵抗ρ40と、各気泡
分率を有する基体の電気抵抗ρとの比(ρ/ρ40)を示
す図である。
【0015】
【実験例】平均粒径0.04μmの炭化珪素粉末100
gに、珪素との濡れ性が悪い物質として平均粒径0.5
μmの窒化ホウ素20g添加し、さらに、焼結助剤とし
て平均粒径0.1μmの炭素2.0gを添加した。これ
を均一に混合した後、直径が2.5mmで、長さが50
mmの棒状に加圧成形した。この成形体を真空焼結炉中
において2000°Cに加熱し、30分間焼結した。こ
のようにして製造した焼結体(基体)を溶融した珪素中
に浸漬して珪素を含浸させた。なお、珪素中には、重量
比で1.0%のアルミニウムを予め固溶させておいた。
【0016】このようにして製造された熱電変換素子の
微構造を電子顕微鏡で観察した結果を図1に示す。図3
に示す写真において、白い部分が炭化珪素であり、黒い
部分が珪素であり、薄黒い部分が気泡である。この写真
から明らかなように、熱電変換素子の内部には多数の気
泡が存在している。
【0017】次に、上記のようにして製造された熱電変
換素子を室内において一端を1200°Kに加熱し、全
体の温度が静定するまで放置した後、熱電変換素子の他
端の温度を測定したところ790°Kであり、一端と他
端との間の温度差は410°Kであった。また、熱起電
力を測定したところ0.36Vであった。
【0018】
【比較例】上記実験例と窒化ホウ素を添加していない点
だけが異なる熱電変換素子を製造した。その微構造を電
子顕微鏡で観察した結果を図4に示す。図2と同様に、
白い部分が炭化珪素からなる部分であり、黒い部分が珪
素からなる部分である。ところが、気泡を示す薄黒い部
分がなく、気泡が形成されていないことが分かる。
【0019】比較例たる熱電変換素子の一端を1200
°Kに維持したところ、他端の温度は860°Kであ
り、温度差は360°Kであった。この発明に係る熱電
変換素子に比して温度差が50°Kだけ小さかった。ま
た、得られる起電力は0.31Vであり、この発明に係
る熱電変換素子よりも0.5Vも低かった。換言すれ
ば、この発明の熱電変換素子は、従来の熱電変換素子に
比して、温度差を1.2倍にすることができ、熱起電力
を1.16倍にすることができた。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の熱電変
換素子によれば、基体の内部に形成した気泡によって基
体の熱伝導率を低くすることができ、これによって高温
側と低温側との間の温度差を大きくすることができる。
したがって、熱起電力を増大させることができるという
効果が得られる。また、この発明の製造方法によれば、
内部に気泡を有する熱電変換素子を容易に製造すること
ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気泡のない緻密構造の基体の熱伝導率(K0
と、各気泡分率を有する基体の熱伝導率Kとの比(K/
0)を示す図である。
【図2】気泡の体積分率が40%である基体の電気抵抗
ρ40と、各気泡分率を有する基体の電気抵抗ρとの比
(ρ/ρ40)を示す図である。
【図3】この発明の製造方法によって製造された熱電変
換素子の微構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】従来の製造方法によって製造された熱電変換素
子の微構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素からなる多孔質の基体に珪素を
    含浸させてなる熱電変換素子において、上記基体の内部
    に多数の気泡を形成したことを特徴とする熱電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 上記基体に対する上記気泡の体積比が5
    〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の熱電
    変換素子。
  3. 【請求項3】 炭化珪素からなる粉体を焼結してなる多
    孔質の基体に溶融した珪素を含浸させて熱電変換素子を
    製造する熱電変換素子の製造方法において、炭化珪素か
    らなる粉体を焼結するに際し、予め炭化珪素からなる粉
    体に溶融した珪素との濡れ性が炭化珪素より悪い物質か
    らなる粉体を添加することを特徴とする熱電変換素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記濡れ性の悪い物質からなる粉体の炭
    化珪素に対する体積比が5〜25%であることを特徴と
    する請求項3に記載の熱電変換素子の製造方法。
JP6044925A 1994-02-18 1994-02-18 熱電変換素子およびその製造方法 Pending JPH07231121A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005091393A1 (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Japan Science And Technology Agency 多孔質熱電材料及びその製造方法
JP2010510682A (ja) * 2006-11-21 2010-04-02 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 熱電素子、前記素子の作製方法、および前記素子の使用
JPWO2019039320A1 (ja) * 2017-08-22 2020-12-24 株式会社白山 熱電材料及び熱電モジュール
US11056633B2 (en) 2016-01-21 2021-07-06 Evonik Operations Gmbh Rational method for the powder metallurgical production of thermoelectric components

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US11056633B2 (en) 2016-01-21 2021-07-06 Evonik Operations Gmbh Rational method for the powder metallurgical production of thermoelectric components
JPWO2019039320A1 (ja) * 2017-08-22 2020-12-24 株式会社白山 熱電材料及び熱電モジュール

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