JPH07230160A - 位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスク

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JPH07230160A
JPH07230160A JP4204494A JP4204494A JPH07230160A JP H07230160 A JPH07230160 A JP H07230160A JP 4204494 A JP4204494 A JP 4204494A JP 4204494 A JP4204494 A JP 4204494A JP H07230160 A JPH07230160 A JP H07230160A
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】有限個の微細な孤立パターンを微小パターンピ
ッチで形成し得る補助パターン方式の位相シフトマスク
を提供する。 【構成】位相シフトマスクは、透明な材料から成る基体
10に形成された遮光領域12及び光透過領域を備え、
この光透過領域は、(イ)第1の光透過領域20と、
(ロ)第1の光透過領域20に隣接して設けられた第2
の光透過領域30と、(ハ)第1若しくは第2の光透過
領域20,30が配置されていない第2若しくは第1の
光透過領域の側方の領域に設けられた第1の若しくは第
2補助光透過領域22,32から構成され、そして、第
1の光透過領域20を通過した光の位相と、第2の光透
過領域30及び第2の補助光透過領域32を通過した光
の位相とが異なり、第2の光透過領域30を通過した光
の位相と、第1の補助光透過領域22を通過した光の位
相とが異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、半導体装置製
造工程において各種パターン形成技術等に用いられる位
相シフトマスク、より詳しくは補助パターン方式の位相
シフトマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造におけるパターン転写
工程、所謂リソグラフィ工程で使用されるフォトマスク
が、フォトマスク上のパターン形状をウエハ上に形成さ
れたレジスト材料に転写するために用いられている。半
導体装置等におけるパターン加工の寸法は年々微細化し
ている。そして、遮光領域と光透過領域とから構成され
たパターン領域のみを備えた従来型のフォトマスクで
は、リソグラフィ工程で使用する露光装置の露光光の波
長程度の解像度を得ることができず、半導体装置等の製
造において要求される解像度を得ることが困難になりつ
つある。そこで、近年、このような従来型のフォトマス
クに替わって、光の位相を異ならせる位相シフト領域を
具備した、所謂位相シフトマスクが用いられるようにな
ってきた。位相シフトマスクを用いることによって、従
来型のフォトマスクでは形成不可能な微細パターンの形
成が可能とされている。
【0003】ウエハ上に形成されたレジスト材料にコン
タクトホールやビアホール、スルーホールに代表される
孤立パターンを形成するために、リム方式位相シフトマ
スクあるいは補助パターン方式位相シフトマスクと呼ば
れる位相シフトマスク、若しくはハーフトーン方式位相
シフトマスクが検討されている。
【0004】リム方式位相シフトマスクは、図20の
(A)の模式的な部分平面図及び図20の(B)の一部
断面図に示すように、透明材料から成る基体10に形成
された、凹部から成る光透過領域100と、遮光領域1
2と、光透過領域100と遮光領域12との間に設けら
れた位相シフト領域102から構成されている。位相シ
フト領域102における基体10の厚さと、光透過領域
100における基体10の厚さが異なる。その結果、光
透過領域100を通過する光の位相と、位相シフト領域
102を通過する光の位相が、例えば180度、相違す
る。
【0005】また、補助パターン方式位相シフトマスク
は、図21の(A)の模式的な部分平面図及び図21の
(B)の一部断面図に示すように、基体10に形成され
た、凹部から成る光透過領域100と、遮光領域12
と、光透過領域100に近接した遮光領域内に設けられ
た補助パターン領域104から構成されている(例え
ば、特開平4−216549号公報の平面配置図を参
照)。光透過領域100と補助パターン領域104の間
には遮光領域12Aが存在する。補助パターン領域10
4における基体10の厚さと、光透過領域100におけ
る基体10の厚さが異なる。その結果、光透過領域10
0を通過する光の位相と、補助パターン領域104を通
過する光の位相が、例えば180度、相違する。
【0006】更に、ハーフトーン方式位相シフトマスク
は、図22の(A)の模式的な部分平面図及び図22の
(B)の一部断面図に示すように、基体10に形成され
た、凹部から成る光透過領域100と、半遮光領域10
6とから構成されている。半遮光領域106における基
体10の厚さと、光透過領域100における基体10の
厚さが異なる。その結果、光透過領域100を通過する
光の位相と、半遮光領域106を通過する光の位相が、
例えば180度、相違する。
【0007】これらの3つの方式は、いずれも、例えば
コンタクトホールやビアホール、スルーホールに代表さ
れる孤立パターン(以下、一括してコンタクトホールと
呼ぶ)の形成に顕著に効果があることが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの方
式には、以下に説明する問題がある。即ち、これらの方
式は、例えばコンタクトホールの形成に顕著に効果があ
るが、マスク上のコンタクトホールパターンを、近接さ
せることができないという甚だしい欠点がある。例え
ば、0.3μm径のコンタクトホールパターンをパター
ンピッチ0.6μmで2次元的にマスク上に無数に配列
した場合を、以下考える。
【0009】ここで、パターンピッチとは隣接するコン
タクトホールパターンの中心間の距離を意味する。尚、
以下においては、マスク上に形成されたコンタクトホー
ルパターンの大きさを、ウエハ上のレジストに形成すべ
きコンタクトホールの大きさで表現する。言い換えれ
ば、マスクに形成されたコンタクトホールパターンを5
倍の縮小倍率を有する縮小光学系にてレジストに転写す
る場合、ウエハ上のレジストに形成すべきパターンの大
きさをXμmとすれば、マスク上のパターンは5Xμm
となるが、以下の説明では、Xμmのパターンと表現す
る。
【0010】リム方式位相シフトマスクにおいては、典
型的には、図20に示した光透過領域100の大きさは
0.42μm、位相シフト領域102の大きさは0.1
5μmとなる。従って、光透過領域100とその両側に
設けられた位相シフト領域102を合わせた大きさは、
0.42+0.15×2=0.72μmとなる。従っ
て、パターンピッチを0.6μmとした場合、隣接した
位相シフト領域102が重なり合い、0.3μm径のコ
ンタクトホールパターンをパターンピッチ0.6μmで
2次元的にマスク上に無数に配列することは不可能であ
る。
【0011】補助パターン方式位相シフトマスクにおい
ては、図21に示した光透過領域100と遮光領域12
Aとその両側に設けられた補助パターン領域104を合
わせた大きさは、典型的には0.88μmとなる。従っ
て、補助パターン方式位相シフトマスクにおいても、パ
ターンピッチを0.6μmとした場合、隣接した補助光
透過領域104が重なり合い、0.3μm径のコンタク
トホールパターンをパターンピッチ0.6μmで2次元
的にマスク上に無数に配列することは不可能である。
【0012】一方、半遮光領域106の光透過率が16
%であるハーフトーン方式位相シフトマスクにおいて
は、図22に示した光透過領域100の大きさは、典型
的には0.37μmとなる。従って、ハーフトーン方式
位相シフトマスクにおいては、パターンピッチを0.6
μmとした場合、隣接した光透過領域100が重なり合
うことはない。即ち、0.3μm径のコンタクトホール
パターンをパターンピッチ0.6μmで2次元的にマス
ク上に無数に配列することが可能である。更には、半遮
光領域106における光の振幅透過率をより小さくすれ
ば、光透過領域100の大きさを0.30μmに近づけ
ることができる。
【0013】しかしながら、ハーフトーン方式位相シフ
トマスクにおいては、マスク上のパターンピッチが小さ
くなるに従い、隣接する光透過領域100を透過した光
相互の干渉が生じる。その結果、所望のパターン以外の
パターンが、ウエハ上のレジストに形成されてしまうと
いう問題がある。例えば、NA=0.45、パーシャル
コヒーレンシー0.3、波長248nmのKrFエキシ
マレーザを用いた半導体露光装置を用いた場合、パター
ンピッチが小さくなるに従い、マスク上の隣接する光透
過領域100を通過した光の相互干渉、一般に光近接効
果と称される物理現象が生じる。その結果、パターン転
写に寄与する光強度の一次ピークの他にも、不要なパタ
ーンを形成する二次ピークが生じる。二次ピークの光強
度が例えば0.3以上になると、一般に不要なパターン
がレジストに形成される。図23に、デフォーカス量
(焦点深度)をパラメータとして、パターンピッチを変
化させたときの二次ピークの光強度を示す。尚、図23
及び次に説明する図24においては、コンタクトホール
パターン径は0.3μmである。従って、ハーフトーン
方式位相シフトマスクにおいては、0.3μm径のコン
タクトホールパターンをパターンピッチ0.6μmで2
次元的にマスク上に無数に配列することは、光近接効果
といった物理現象から不可能である。
【0014】位相シフト方式を用いない従来のフォトマ
スクにおいても、ハーフトーン方式位相シフトマスクと
同様に、0.3μm径のコンタクトホールパターンをパ
ターンピッチ0.6μmで2次元的にフォトマスク上に
無数に配列することは、光近接効果によって二次ピーク
の光強度が0.3以上となるために、不可能である。例
えば、NA=0.45、パーシャルコヒーレンシー0.
3、波長248nmのKrFエキシマレーザを用いた半
導体露光装置を用いた場合、デフォーカス量をパラメー
タとして、パターンピッチを変化させたときの二次ピー
クの光強度を、図24に示す。
【0015】位相シフトマスクにおいて、図25に示す
ように、第1の光透過領域110と第2の光透過領域1
12を千鳥状に配列し、第1の光透過領域110を通過
した光の位相と第2の光透過領域112を通過した光の
位相とを異ならせることによって、0.3μm径のコン
タクトホールパターンをパターンピッチ0.6μmで2
次元的にマスク上に無数に配列することが可能である。
尚、図25においては、図を明確化するために第1及び
第2の光透過領域110,112に斜線を付した。
【0016】外周部の第1及び第2の光透過領域以外の
位置に配列された第1若しくは第2の光透過領域11
0,112を通過する光は、それらの周囲に配置された
第2若しくは第1の光透過領域112,110を通過す
る光と干渉し、その結果、シャープなパターンをレジス
トに形成することができる。しかしながら、外周部の第
1及び第2の光透過領域の外側の領域には、位相シフト
領域が形成されていない。それ故、これらの外周部の第
1及び第2の光透過領域を通過する光によっては、シャ
ープなパターンをレジストに形成することができない。
そのため、例えば2つ以上の有限個のコンタクトホール
パターンを形成することは極めて困難である。
【0017】従って、本発明の目的は、有限個のコンタ
クトホール等の微細な孤立パターンを微小パターンピッ
チで形成することを可能にする位相シフトマスクを提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る位相シフトマスクは、透
明な材料から成る基体に形成された遮光領域及び光透過
領域を備え、この光透過領域は、(イ)第1の光透過領
域と、(ロ)該第1の光透過領域に隣接して設けられた
第2の光透過領域と、(ハ)第1の光透過領域が配置さ
れていない第2の光透過領域の側方の領域に設けられた
第1の補助光透過領域と、(ニ)第2の光透過領域が配
置されていない第1の光透過領域の側方の領域に設けら
れた第2の補助光透過領域、から構成され、第1の光透
過領域を通過した光の位相と、第2の光透過領域及び第
2の補助光透過領域を通過した光の位相とが異なり、第
2の光透過領域を通過した光の位相と、第1の補助光透
過領域を通過した光の位相とが異なることを特徴とす
る。
【0019】本発明の第1の態様に係る位相シフトマス
クにおいては、光透過領域を、1つの第1の光透過領
域、1つの第2の光透過領域、3つの第1の補助光透過
領域及び3つの第2の補助光透過領域から構成し、第1
及び第2の光透過領域の平面形状を正方形とし、第1及
び第2の補助光透過領域の平面形状を長方形とすること
ができる。
【0020】あるいは又、本発明の第1の態様に係る位
相シフトマスクにおいては、光透過領域を構成する第1
の光透過領域の数をM、第2の光透過領域の数をNとし
た場合、 1≦M、1≦N、3≦M+N とし、第1の光透過領域と第2の光透過領域を千鳥状に
配列することができる。
【0021】本発明の第1の態様に係る位相シフトマス
クにおいては、第1の光透過領域の中心から第2の光透
過領域の中心までの距離をL、第1の光透過領域の中心
と第2の光透過領域の中心とを結ぶ直線に沿った第1の
光透過領域の長さ及び第2の光透過領域の長さをそれぞ
れL1及びL2としたとき、1.5≦L/(L1+L2)≦
3.0、より好ましくは、1.5≦L/(L1+L2)≦
2.0の関係を満たすことが望ましい。L/(L1+L
2)の値が1.5未満では、隣接する第1及び第2の光
透過領域相互の光干渉によってコントラストが低下し、
ウエハ上のレジストが全面に亙って略一様に露光される
虞れがある。また、L/(L1+L2)の値が3を越えた
のでは、隣接する第1及び第2の光透過領域相互の光干
渉が弱くなりすぎ、所望のパターンをウエハ上のレジス
トに形成できなくなる。また、デフォーカス量(焦点深
度)が小さくなり、マスクに形成されたパターンをウエ
ハ上のレジストに露光・転写することが困難になる。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る位相シフトマスクは、透明な材料から成る
基体に形成された遮光領域及び光透過領域を備え、この
光透過領域は、(イ)千鳥状に配列された第1及び第2
の光透過領域と、(ロ)外周部の第1若しくは第2の光
透過領域に隣接して設けられた補助光透過領域、から構
成され、第1の光透過領域を通過した光の位相と、第2
の光透過領域を通過した光の位相とが異なり、補助光透
過領域を通過した光の位相と、この補助光透過領域に隣
接した外周部の第1若しくは第2の光透過領域を通過し
た光の位相とが異なることを特徴とする。
【0023】第1の態様に係る位相シフトマスクと第2
の態様に係る位相シフトマスクが相違する点は以下のと
おりである。即ち、第1の態様に係る位相シフトマスク
においては、第1及び第2の光透過領域の少なくとも1
つの側方の領域に補助光透過領域が存在するが、第1及
び第2の光透過領域の全ての側方の領域に補助光透過領
域が存在する場合はない。更に、第1若しくは第2の光
透過領域の少なくとも1つの側方の領域に、第2若しく
は第1の光透過領域が存在するが、第1若しくは第2の
光透過領域の全ての側方の領域に第2若しくは第1の光
透過領域が存在する場合はない。
【0024】一方、第2の態様に係る位相シフトマスク
においては、第1若しくは第2の光透過領域の1つある
いは幾つかは、第2若しくは第1の光透過領域に囲まれ
ている。外周部の第1若しくは第2の光透過領域の少な
くとも1つの側方の領域に補助光透過領域が存在する
が、外周部の第1及び第2の光透過領域の全ての側方の
領域に補助光透過領域が存在する場合はない。更に、外
周部の第1若しくは第2の光透過領域の少なくとも1つ
の側方の領域に、第2若しくは第1の光透過領域が存在
するが、外周部の第1若しくは第2の光透過領域の全て
の側方の領域に第2若しくは第1の光透過領域が存在す
る場合はない。
【0025】尚、本発明の位相シフトマスクにおいて
は、第1及び第2の光透過領域にほぼ相当するパターン
が、ウエハ上のレジストに露光、転写される。一方、補
助光透過領域に相当するパターンは、ウエハ上のレジス
トに露光、転写されることはない。また、或る領域(例
えば第1の光透過領域)を通過した光の位相と、他の領
域(例えば第2の光透過領域)を通過した光の位相は、
180度相違していることが好ましいが、この値に限定
するものではない。第1及び第2の光透過領域を千鳥状
に配列する場合には、如何なる配列パターンとすること
もできるが、これらの光透過領域の中心が、直交する格
子点の上に配置されていることが望ましい。
【0026】本発明の位相シフトマスクにおいては、本
発明の位相シフトマスクを特徴付ける光透過領域以外の
領域に、種々の光透過領域を有するパターンが形成され
ているが、これらの種々のパターンの形状は任意であ
る。
【0027】
【作用】本発明の位相シフトマスクにおいては、第1及
び第2の光透過領域のそれぞれの周囲に、第2及び第1
の光透過領域並びに第2及び第1の補助光透過領域が配
置されている。その結果、第1及び第2の光透過領域を
通過した光は、それらの周囲に配置された第2及び第1
の光透過領域並びに第2及び第1の補助光透過領域を通
過した光と相互に干渉し、シャープな形状を有する光強
度プロファイルを得ることができ、しかも、光近接効果
の影響を小さくすることができる。その結果、位相シフ
トマスクに形成されたパターンをレジストに正確に且つ
シャープに露光・転写することが可能になる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。尚、図面において、同一参照番号は同一
要素を意味する。
【0029】ウエハ上に形成されたレジスト材料に対し
て露光光により転写パターン形状等を形成するとき、縮
小投影に使用されるものをレティクル、一対一投影に使
用されるものをマスクと称したり、あるいは原盤に相当
するものをレティクル、それを複製したものをマスクと
称したりすることがあるが、本明細書においては、この
ような種々の意味におけるレティクルやマスクを総称し
てマスクと呼ぶ。
【0030】(実施例−1)実施例−1は、本発明の第
1の態様に係る位相シフトマスクに関する。実施例−1
の位相シフトマスクは、図1及び図2に示すように、透
明な材料から成る基体10に形成された遮光領域12及
び光透過領域を備えている。尚、図1は模式的な部分平
面図であり、図2は、図1の線II−IIに沿った模式
的な一部断面図である。尚、図1の平面図においては、
図を明確化するために第1及び第2の光透過領域20,
30、並びに第1及び第2の補助光透過領域22,32
に異なるパターンの斜線を付した。
【0031】この光透過領域は、(イ)第1の光透過領
域20と、(ロ)第1の光透過領域20に隣接して設け
られた第2の光透過領域30と、(ハ)第1の光透過領
域20が配置されていない第2の光透過領域の側方の領
域に設けられた第1の補助光透過領域22と、(ニ)第
2の光透過領域30が配置されていない第1の光透過領
域の側方の領域に設けられた第2の補助光透過領域22
から構成されている。第1の光透過領域20と第2の光
透過領域30との間には遮光領域12が形成されてい
る。第1の光透過領域20と第2の補助光透過領域32
の間、第2の光透過領域30と第1の補助光透過領域2
2の間、並びに第1の補助光透過領域22と第2の補助
光透過領域32の間には、遮光領域12が形成されてい
る。
【0032】そして、第1の光透過領域20を通過した
光の位相と、第2の光透過領域30及び第2の補助光透
過領域32を通過した光の位相とは例えば180度異な
る。更に、第2の光透過領域30を通過した光の位相
と、第1の補助光透過領域22を通過した光の位相とは
例えば180度異なる。実施例−1においては、それぞ
れの領域における基体10の厚さを変えることによっ
て、具体的には基体10に凹部を形成することによっ
て、各領域を通過する光の位相を相対的に変化させてい
る。露光光の波長をλ、基体10を構成する材料の屈折
率をnとした場合、凹部の深さdの値は、d=λ/(2
(n−1))を満足する値である。
【0033】実施例−1においては、光透過領域は、1
つの第1の光透過領域20、1つの第2の光透過領域3
0、3つの第1の補助光透過領域22及び3つの第2の
補助光透過領域32から構成されている。第1及び第2
の光透過領域20,30の平面形状は正方形であり、第
1及び第2の補助光透過領域22,32の平面形状は長
方形である。
【0034】各領域の配置状態、大きさ、露光条件等の
諸元を以下に例示する。 露光波長 248nm レンズ開口数(NA) 0.45 第1の光透過領域のパターンサイズ 0.3μm 第2の光透過領域のパターンサイズ 0.3μm 第1の補助光透過領域のパターンサイズ 長辺 0.45μm 短辺 0.15μm 第2の補助光透過領域のパターンサイズ 長辺 0.45μm 短辺 0.15μm パターンピッチ(L) 0.6μm L/(L1+L2) 2 第1の光透過領域の中心から 第2の補助光透過領域中心までの距離 0.425μm 第2の光透過領域の中心から 第1の補助光透過領域中心までの距離 0.425μm 第1の光透過領域を通過する光の位相 0度 第2の光透過領域を通過する光の位相 180度 第1の補助光透過領域を通過する光の位相 0度 第2の補助光透過領域を通過する光の位相 180度
【0035】第1及び第2の補助光透過領域22,32
の短辺の大きさ、並びに第1の光透過領域20の中心か
ら第2の補助光透過領域32の中心までの距離、及び第
2の光透過領域30の中心から第1の補助光透過領域2
2の中心までの距離は、第1及び第2の補助光透過領域
22,32を通過する光と、第2及び第1の光透過領域
30,20を通過する光との間で十分に光の干渉作用を
生じさせる大きさ並びに距離とする。更に、第1及び第
2の補助光透過領域22,32の短辺の大きさは、第1
及び第2の補助光透過領域22,32を通過する光によ
ってウエハ上に形成されたレジストが露光されない大き
さとする。第1及び第2の補助光透過領域22,32の
短辺の大きさは、例えば0.13μmとすることもでき
る。
【0036】第1の光透過領域20の周囲には、第2の
光透過領域30及び第2の補助光透過領域32が形成さ
れており、第1の光透過領域20を通過した光の位相
と、第2の光透過領域30及び第2の補助光透過領域3
2を通過した光の位相とは、例えば180度相違する。
従って、第1の光透過領域20を通過した光と、第2の
光透過領域30及び第2の補助光透過領域32を通過し
た光とが干渉して、第1の光透過領域20に基づいたパ
ターンを、ウエハ上のレジストに正確に且つシャープに
露光・転写することができる。
【0037】一方、第2の光透過領域30の周囲には、
第1の光透過領域20及び第1の補助光透過領域22が
形成されており、第2の光透過領域30を通過した光の
位相と、第1の光透過領域20及び第1の補助光透過領
域22を通過した光の位相とは、例えば180度相違す
る。従って、第2の光透過領域30を通過した光と、第
1の光透過領域20及び第1の補助光透過領域22を通
過した光とが干渉して、第2の光透過領域30に基づい
たパターンを、ウエハ上のレジストに正確に且つシャー
プに露光・転写することができる。
【0038】以下、実施例−1の位相シフトマスクの作
製方法を、図3及び図4を参照して説明する。
【0039】[工程−100]石英等の透明な材料から
成る基体10上に、例えばクロム等から成る遮光層12
Aをスパッタリング法にて成膜する。その後、遮光層1
2A上に電子線に感光するレジストを塗布して感光層4
0を形成し、図3の(A)に示す構造を得る。
【0040】[工程−110]次に、描画装置からの電
子線による第1の描画工程において、図3の(A)に示
す描画領域20A,22Aを設定し、加速電圧20kV
の電子線による描画を行い、感光層40に所望のレジス
トパターンを形成する。尚、この描画領域20A,22
Aは、第1の光透過領域形成予定領域及び第1の補助光
透過領域形成予定領域に相当する。その後、感光層40
の現像工程を経て図3の(B)に示す構造を得る。
【0041】[工程−120]次いで、反応性イオンエ
ッチング法を用いて塩素及び酸素の混合ガスで遮光層1
2Aをエッチングし、更に、四フッ化炭素及び酸素の混
合ガスによるプラズマ中で基体10をエッチングした
後、感光層40を剥離する(図3の(C)参照)。これ
によって、第1の光透過領域20及び第1の補助光透過
領域22が形成される。尚、エッチングされた基体10
の深さdの値は、露光光の波長をλ、基体10を構成す
る材料の屈折率をnとした場合、d=λ/(2(n−
1))を満足する値である。
【0042】[工程−130]その後、電子線で感光す
るレジストを全面に塗布して感光層42を形成し、更に
その上に帯電防止層(図示せず)を塗布した後、図4の
(A)に示すような描画領域30A,32Aを設定す
る。この描画領域30A,32Aは、第2の光透過領域
形成予定領域及び第2の補助光透過領域形成予定領域に
相当する。
【0043】[工程−140]次いで、感光層42の現
像工程(図4の(B)参照)、塩素ガス及び酸素の混合
ガスによるプラズマ中での遮光層12Aのエッチング工
程(図4の(C)参照)、帯電防止層及び感光層42の
剥離工程を経て、最終的に図1及び図2に示した構造の
位相シフトマスクを得ることができる。遮光領域12は
遮光層12Aから構成されている。
【0044】実施例−1の位相シフトマスクを用いて、
かかる位相シフトマスクに形成されたパターンをウエハ
上のレジストに露光・転写した。図5に、デフォーカス
量と、レジストに形成されたコンタクトホールパターン
径との関係を示す。尚、第1及び第2の光透過領域2
0,30並びに第1及び第2の補助光透過領域22,3
2のパターンサイズ等は上述のとおりである。パターン
ピッチ(L)のみを、0.60、0.75、0.90μ
mと変化させた。
【0045】図5から明らかなように、パターンピッチ
(L)が変化しても、ウエハ上のレジストにおけるコン
タクトホールパターン径の変動は小さい。レジストにお
けるコンタクトホールパターン径の変動を±10%とし
た場合のデフォーカス量(焦点深度)は、以下のとおり
である。尚、図5において、パターンピッチが0.75
μmのグラフと0.90μmのグラフはほぼ重なってい
る。 パターンピッチ(L) デフォーカス量 0.60μm 約±1.0μm 0.75μm 約±0.8μm 0.90μm 約±0.8μm
【0046】実用的なデフォーカス量は±0.75μm
であり、実施例−1の位相シフトマスクは十分なるデフ
ォーカス量を有することが判った。
【0047】(比較例−1)図6の(A)及び(B)に
模式的な部分平面図及び一部断面図を示す従来のフォト
マスクを用いて、かかるフォトマスクに形成されたパタ
ーンをウエハ上のレジストに露光・転写した。尚、平面
形状が正方形の光透過領域100の数は2つである。フ
ォトマスクに形成されたパターンの諸元を、以下のとお
りとした。 露光波長 248nm レンズ開口数(NA) 0.45 光透過領域のパターンサイズ 0.3μm パターンピッチ(L) 0.6,0.75,
0.9μm
【0048】デフォーカス量と、レジストに形成された
コンタクトホールパターン径との関係を、図7に示す。
図7から明らかなように、いずれのパターンピッチにお
いても、レジストにおけるコンタクトホールパターン径
の変動を±10%とした場合のデフォーカス量(焦点深
度)は±0.5μm以下であり、実用的なデフォーカス
量である±0.75μmを得ることはできなかった。
【0049】(実施例−2)実施例−2も、本発明の第
1の態様に係る位相シフトマスクに関する。実施例−2
の位相シフトマスクの部分平面図を図8に示す。尚、実
施例−2の位相シフトマスクの断面構造は、実質的には
実施例−1にて説明した位相シフトマスクの断面構造と
同様とすることができる。
【0050】実施例−2においては、光透過領域を構成
する第1の光透過領域20の数をM、第2の光透過領域
30の数をNとした場合、 M=2、N=1 とした。また、第1の光透過領域20と第2の光透過領
域30は千鳥状に配列されている。第1及び第2の光透
過領域20,30の平面形状は正方形であり、第1及び
第2の補助光透過領域22,32の平面形状は長方形で
ある。各領域の配置状態、大きさ、露光条件等の諸元
は、実施例1と同様とした。尚、一部の補助光透過領域
のパターンサイズを、(長辺)×(短辺)=0.225
×0.15μmとした。
【0051】実施例−2の位相シフトマスクの作製方法
は、実施例−1と同様とすることができるので、詳細な
説明は省略する。
【0052】実施例−2の位相シフトマスクを用いて、
かかる位相シフトマスクに形成されたパターンをウエハ
上のレジストに露光・転写した。デフォーカス量と、レ
ジストに形成されたコンタクトホールパターン径との関
係を、図9に示す。パターンピッチ(L)は、0.6
0、0.75、0.90μmと変化させた。図9から明
らかなように、パターンピッチ(L)が変化しても、ウ
エハ上のレジストにおけるコンタクトホールパターン径
の変動は小さい。レジストにおけるコンタクトホールパ
ターン径の変動を±10%とした場合のデフォーカス量
(焦点深度)は、以下のとおりである。 パターンピッチ(L) デフォーカス量 0.60μm 約±1.0μm 0.75μm 約±0.75μm 0.90μm 約±0.75μm
【0053】実用的なデフォーカス量は±0.75μm
であり、実施例−2の位相シフトマスクは十分なるデフ
ォーカス量を有することが判った。
【0054】(比較例−2)図10に模式的な部分平面
図を示す従来のフォトマスクを用いて、かかるフォトマ
スクに形成されたパターンをウエハ上のレジストに露光
・転写した。尚、光透過領域100の数は3つであり、
断面構造は図6の(B)に示したと同様の構造を有す
る。フォトマスクに形成されたパターンの諸元は、比較
例−1と同様とした。
【0055】デフォーカス量と、レジストに形成された
コンタクトホールパターン径との関係を、図11に示
す。図11から明らかなように、いずれのパターンピッ
チにおいても、レジストにおけるコンタクトホールパタ
ーン径の変動を±10%とした場合のデフォーカス量
(焦点深度)は±0.5μm以下であり、実用的なデフ
ォーカス量である±0.75μmを得ることはできなか
った。
【0056】(実施例−3)実施例−3も、本発明の第
1の態様に係る位相シフトマスクに関する。実施例−3
の位相シフトマスクの部分平面図を図12に示す。実施
例−3においては、光透過領域を構成する第1の光透過
領域20の数をM、第2の光透過領域30の数をNとし
た場合、 M=2、N=2 とした。また、第1の光透過領域20と第2の光透過領
域30は千鳥状に配列されている。第1及び第2の光透
過領域20,30の平面形状は正方形であり、第1及び
第2の補助光透過領域22,32の平面形状は長方形で
ある。各領域の配置状態、大きさ、露光条件等の諸元
は、実施例1と同様とした。
【0057】実施例−3の位相シフトマスクの作製方法
は、実施例−1と同様とすることができるので、詳細な
説明は省略する。
【0058】実施例−3の位相シフトマスクを用いて、
かかる位相シフトマスクに形成されたパターンをウエハ
上のレジストに露光・転写した。デフォーカス量と、レ
ジストに形成されたコンタクトホールパターン径との関
係を、図13に示す。パターンピッチ(L)は、0.6
0、0.75、0.90μmと変化させた。図13から
明らかなように、パターンピッチ(L)が変化しても、
ウエハ上のレジストにおけるコンタクトホールパターン
径の変動は小さい。レジストにおけるコンタクトホール
パターン径の変動を±10%とした場合のデフォーカス
量(焦点深度)は、以下のとおりである。 パターンピッチ(L) デフォーカス量 0.60μm 約±1.0μm 0.75μm 約±0.8μm 0.90μm 約±0.75μm
【0059】実用的なデフォーカス量は±0.75μm
であり、実施例−2の位相シフトマスクは十分なるデフ
ォーカス量を有することが判った。
【0060】(比較例−3)図14に模式的な部分平面
図を示す従来のフォトマスクを用いて、かかるフォトマ
スクに形成されたパターンをウエハ上のレジストに露光
・転写した。尚、光透過領域100の数は4つであり、
断面構造は図6の(B)に示したと同様の構造を有す
る。フォトマスクに形成されたパターンの諸元は、比較
例−1と同様とした。
【0061】デフォーカス量と、レジストに形成された
コンタクトホールパターン径との関係を、図15に示
す。図15から明らかなように、いずれのパターンピッ
チにおいても、レジストにおけるコンタクトホールパタ
ーン径の変動を±10%とした場合のデフォーカス量
(焦点深度)は±0.5μm以下であり、実用的なデフ
ォーカス量である±0.75μmを得ることはできなか
った。
【0062】(実施例−4)実施例−4は、本発明の第
2の態様に係る位相シフトマスクに関する。実施例−4
の位相シフトマスクの模式的な部分平面図を、図16に
示す。尚、実施例−4の位相シフトマスクの断面構造
は、実質的には実施例−1にて説明した位相シフトマス
クと同様の断面構造とすることができる。
【0063】実施例−4の位相シフトマスクも、透明な
材料から成る基体10に形成された遮光領域12及び光
透過領域を備えている。
【0064】この光透過領域は、(イ)千鳥状に配列さ
れた第1及び第2の光透過領域50,60と、(ロ)外
周部の第1若しくは第2の光透過領域に隣接して設けら
れた補助光透過領域70から構成されている。そして、
第1の光透過領域50を通過した光の位相と、第2の光
透過領域60を通過した光の位相とが、例えば180度
異なり、補助光透過領域70を通過した光の位相と、こ
の補助光透過領域70に隣接した外周部の第1若しくは
第2の光透過領域を通過した光の位相とが、例えば18
0度異なる。
【0065】第1の光透過領域50と第2の光透過領域
60との間には遮光領域12が形成されている。また、
第1及び第2の光透過領域50,60と補助光透過領域
70の間、隣接する補助光透過領域の間にも遮光領域1
2が形成されている。
【0066】実施例−4においては、光透過領域は、4
つの第1の光透過領域50、1つの第2の光透過領域6
0、12の補助光透過領域70から構成されている。4
つの第1の光透過領域50が、外周部の第1の光透過領
域に相当する。実施例−4においては、外周部の第2の
光透過領域は存在しない。第1及び第2の光透過領域5
0,60の平面形状は正方形であり、補助光透過領域7
0の平面形状は長方形である。実施例−4においては、
外周部の第1の光透過領域50に隣接して補助光透過領
域70が設けられており、第2の光透過領域60は4つ
の第1の光透過領域50に囲まれている。
【0067】第1の光透過領域50を通過した光の位相
と、第2の光透過領域60を通過した光の位相とは、例
えば180度、異なる。また、補助光透過領域70を通
過した光の位相と、この補助光透過領域70に隣接した
外周部の第1の光透過領域50を通過した光の位相と
は、例えば180度、異なる。
【0068】各領域の配置状態、大きさ、露光条件等の
諸元は、概ね実施例−1に例示したと同様である。但
し、一部の補助光透過領域のパターンサイズを、(長
辺)×(短辺)=0.225×0.15μmとした。
【0069】実施例−4の位相シフトマスクは、実質的
には、実施例−1と同様の作製方法で作製することがで
きるので、詳細な説明は省略する。
【0070】実施例−4においては、第1の光透過領域
50の周囲には、第2の光透過領域60及び補助光透過
領域70が形成されており、第1の光透過領域50を通
過した光の位相と、第2の光透過領域60及び補助光透
過領域70を通過した光の位相とは、例えば180度相
違する。従って、第1の光透過領域50を通過した光
と、第2の光透過領域60及び補助光透過領域70を通
過した光とが干渉して、第1の光透過領域50に基づい
たパターンを、ウエハ上のレジストに正確に且つシャー
プに露光・転写することができる。
【0071】一方、第2の光透過領域60の周囲には、
第1の光透過領域50が形成されており、第2の光透過
領域60を通過した光の位相と、第1の光透過領域50
を通過した光の位相とは、例えば180度相違する。従
って、第2の光透過領域60を通過した光と、第1の光
透過領域50を通過した光とが干渉して、第2の光透過
領域60に基づいたパターンを、ウエハ上のレジストに
正確に且つシャープに露光・転写することができる。
【0072】以上、本発明の位相シフトマスクを好まし
い実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。実施例にて説明した各種の
数値は例示であり、適宜変更することができる。第1及
び第2の光透過領域の平面形状は正方形に限定されず、
長方形、多角形、円等の平面形状とすることができる。
第1及び第2の補助光透過領域も長方形に限定されず、
第1及び第2の光透過領域の平面形状に依存して適宜変
更することができる。
【0073】各実施例においては、第1及び第2の光透
過領域、第1及び第2の補助光透過領域、補助光透過領
域を通過する光の位相を異ならせるために、基体10に
凹部を形成したが、他の手段によって光の位相を異なら
せることもできる。
【0074】例えば、図17の(A)及び(B)に模式
的な一部断面図を示すように、例えば、第2の光透過領
域30及び第2の補助光透過領域32にSOG(Spin O
n Glass)から成る位相シフト層14を形成する。この
位相シフト層14の厚さd’は、露光光の波長をλ、位
相シフト層を構成する材料の屈折率をn’とした場合、
d’=λ/(2(n’−1))を満足する値とする。
尚、図17の(A)においては、位相シフト層14は遮
光領域12の上にも延びている。一方、図17の(B)
においては、位相シフト層14は遮光領域12の下に形
成されている。
【0075】第1及び第2の光透過領域等の配置は例示
であり、如何なる配置・配列とすることもできる。例え
ば、図18の(A)には、2つの第1の光透過領域20
及び1つの第2の光透過領域30が一直線に千鳥状に
(交互に)配列された本発明の第1の態様に係る位相シ
フトマスクを示す。図18の(B)及び図19の(A)
には、3つの第1の光透過領域20及び2つの第2の光
透過領域30が千鳥状に配列された本発明の第1の態様
に係る位相シフトマスクを示す。尚、図18及び図19
においては、各領域の配置関係のみを示した。
【0076】図19の(B)には、4つの第1の光透過
領域50及び3つの第2の光透過領域60A,60Bが
千鳥状に配列された本発明の第2の態様に係る位相シフ
トマスクを示す。3つの第2の光透過領域の内の1つ
(60A)は、4つの第1の光透過領域50に囲まれて
いる。残りの第2の光透過領域60Bは外周部に位置す
る。外周部に位置する4つの第1の光透過領域50並び
に2つの第2の光透過領域60Bに隣接して、補助光透
過領域70A,70Bが設けられている。補助光透過領
域70Aを通過した光の位相と、この補助光透過領域7
0Aに隣接した外周部の第1の光透過領域50を通過し
た光の位相とが、例えば180度、異なる。一方、補助
光透過領域70Bを通過した光の位相と、この補助光透
過領域70Bに隣接した外周部の第2の光透過領域60
Bを通過した光の位相とも、例えば180度、異なる。
【0077】位相シフトマスクの作製工程で用いた各種
材料も適宜変更することができる。基体10は、石英以
外にも、通常のガラス、適宜各種成分を添加したガラス
等から構成することができる。遮光層12を構成する材
料はクロムに限定されず、酸化クロム、クロム上に積層
された酸化クロム、高融点金属(W、Mo、Be等)、
タンタル、アルミニウムやMoSi2等の金属シリサイ
ドなど、光を適当量遮光することができる材料を用いる
ことができる。また、位相シフト層14は、SOGから
構成する代わりに、ポリメチルメタクリレート、フッ化
マグネシウム、二酸化チタン、ポリイミド樹脂、二酸化
珪素、酸化インジウム、SiO2、SiN、各種レジス
ト等、透明な材料であればよい。感光層40,42の形
成の際、ポジ型レジストの代わりにネガ型レジストを用
いてもよい。この場合、電子線描画領域はポジ型レジス
トの場合と逆になる点が異なる。
【0078】
【発明の効果】本発明の位相シフトマスクにおいては、
第1の光透過領域を通過する光と第2の光透過領域を通
過する光の干渉だけでなく、第1(第2)の光透過領域
を通過する光と第2(第1)の補助光透過領域を通過す
る光の干渉を生じさせることによって、有限個のコンタ
クトホールやビアホール、スルーホールに代表される微
細な孤立パターンを微小パターンピッチで形成すること
ができる。しかも、位相シフトマスクに形成されたパタ
ーンを、ウエハ上のレジストにシャープに転写すること
ができる。更には、十分な大きさのデフォーカス量(焦
点深度)を得ることができる。補助光透過領域のパター
ンサイズを最適化することによって、補助光透過領域を
通過した光による光の干渉を確実に生じさせ且つウエハ
上のレジストに不要なパターンが形成されることはな
い。本発明の位相シフトマスクを用いることによって、
半導体装置に要求される2つ以上の並置されたコンタク
トホール等を歩留まり良く生産することができ、半導体
装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例−1の位相シフトマスクの模式的な部分
平面図である。
【図2】実施例−1の位相シフトマスクの模式的な一部
断面図である。
【図3】実施例−1の位相シフトマスクの作製工程を説
明するための、基体等の模式的な一部断面図である。
【図4】図3に引き続き、実施例−1の位相シフトマス
クの作製工程を説明するための、基体等の模式的な一部
断面図である。
【図5】実施例−1の位相シフトマスクにおける、デフ
ォーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホール
パターン径との関係を示すグラフである。
【図6】比較例−1の従来のフォトマスクの模式的な部
分平面図及び一部断面図である。
【図7】比較例−1の従来のフォトマスクにおけるデフ
ォーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホール
パターン径との関係を示すグラフである。
【図8】実施例−2の位相シフトマスクの模式的な部分
平面図である。
【図9】実施例−2の位相シフトマスクにおけるデフォ
ーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホールパ
ターン径との関係を示すグラフである。
【図10】比較例−2の従来のフォトマスクの模式的な
部分平面図である。
【図11】比較例−2の従来のフォトマスクにおけるデ
フォーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホー
ルパターン径との関係を示すグラフである。
【図12】実施例−3の位相シフトマスクの模式的な部
分平面図である。
【図13】実施例−3の位相シフトマスクにおけるデフ
ォーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホール
パターン径との関係を示すグラフである。
【図14】比較例−3の従来のフォトマスクの模式的な
部分平面図である。
【図15】比較例−3の従来のフォトマスクにおけるデ
フォーカス量と、レジストに形成されたコンタクトホー
ルパターン径との関係を示すグラフである。
【図16】実施例−4の位相シフトマスクの模式的な部
分平面図である。
【図17】本発明の位相シフトマスクの別の構成を示す
模式的な一部断面図である。
【図18】本発明の第1の態様に係る位相シフトマスク
の別の形態の模式的な部分平面図である。
【図19】本発明の第1及び第2の態様に係る位相シフ
トマスクの別の形態の模式的な部分平面図である。
【図20】従来のリム方式位相シフトマスクの構造を示
す模式的な部分平面図及び一部断面図である。
【図21】従来の補助パターン方式位相シフトマスクの
構造を示す模式的な部分平面図及び一部断面図である。
【図22】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクの
構造を示す模式的な部分平面図及び一部断面図である。
【図23】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクに
おける、パターンピッチを変化させたときの二次ピーク
の光強度を示すグラフである。
【図24】従来のマスクにおける、パターンピッチを変
化させたときの二次ピークの光強度を示すグラフであ
る。
【図25】第1の光透過領域と第2の光透過領域を千鳥
状に配列した、従来の位相シフトマスクの模式的な部分
平面図である。
【符号の説明】
10 基体 12,12A 遮光領域 14 位相シフト層 20,50 第1の光透過領域 22 第1の補助光透過領域 30,60 第2の光透過領域 32 第2の補助光透過領域 40,42 感光層 70,70A,70B 補助光透過領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】この光透過領域は、(イ)第1の光透過領
域20と、(ロ)第1の光透過領域20に隣接して設け
られた第2の光透過領域30と、(ハ)第1の光透過領
域20が配置されていない第2の光透過領域の側方の領
域に設けられた第1の補助光透過領域22と、(ニ)第
2の光透過領域30が配置されていない第1の光透過領
域の側方の領域に設けられた第2の補助光透過領域
から構成されている。第1の光透過領域20と第2の光
透過領域30との間には遮光領域12が形成されてい
る。第1の光透過領域20と第2の補助光透過領域32
の間、第2の光透過領域30と第1の補助光透過領域2
2の間、並びに第1の補助光透過領域22と第2の補助
光透過領域32の間には、遮光領域12が形成されてい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な材料から成る基体に形成された遮光
    領域及び光透過領域を備え、該光透過領域は、 (イ)第1の光透過領域と、 (ロ)該第1の光透過領域に隣接して設けられた第2の
    光透過領域と、 (ハ)第1の光透過領域が配置されていない第2の光透
    過領域の側方の領域に設けられた第1の補助光透過領域
    と、 (ニ)第2の光透過領域が配置されていない第1の光透
    過領域の側方の領域に設けられた第2の補助光透過領
    域、から構成され、 第1の光透過領域を通過した光の位相と、第2の光透過
    領域及び第2の補助光透過領域を通過した光の位相とが
    異なり、 第2の光透過領域を通過した光の位相と、第1の補助光
    透過領域を通過した光の位相とが異なることを特徴とす
    る位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】光透過領域は、1つの第1の光透過領域、
    1つの第2の光透過領域、3つの第1の補助光透過領域
    及び3つの第2の補助光透過領域から構成され、 第1及び第2の光透過領域の平面形状は正方形であり、 第1及び第2の補助光透過領域の平面形状は長方形であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマス
    ク。
  3. 【請求項3】光透過領域を構成する第1の光透過領域の
    数をM、第2の光透過領域の数をNとした場合、 1≦M、1≦N、3≦M+N であり、第1の光透過領域と第2の光透過領域は千鳥状
    に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の位
    相シフトマスク。
  4. 【請求項4】第1の光透過領域の中心から第2の光透過
    領域の中心までの距離をL、第1の光透過領域の中心と
    第2の光透過領域の中心とを結ぶ直線に沿った第1の光
    透過領域の長さ及び第2の光透過領域の長さをそれぞれ
    L1及びL2としたとき、 1.5≦L/(L1+L2)≦3.0 であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】透明な材料から成る基体に形成された遮光
    領域及び光透過領域を備え、該光透過領域は、 (イ)千鳥状に配列された第1及び第2の光透過領域
    と、 (ロ)外周部の第1若しくは第2の光透過領域に隣接し
    て設けられた補助光透過領域、から構成され、 第1の光透過領域を通過した光の位相と、第2の光透過
    領域を通過した光の位相とが異なり、 補助光透過領域を通過した光の位相と、該補助光透過領
    域に隣接した外周部の第1若しくは第2の光透過領域を
    通過した光の位相とが異なることを特徴とする位相シフ
    トマスク。
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