JPH07229452A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH07229452A
JPH07229452A JP2240594A JP2240594A JPH07229452A JP H07229452 A JPH07229452 A JP H07229452A JP 2240594 A JP2240594 A JP 2240594A JP 2240594 A JP2240594 A JP 2240594A JP H07229452 A JPH07229452 A JP H07229452A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
control valve
fuel
concentration
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Application number
JP2240594A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Aota
浩之 青田
Junya Morikawa
潤也 森川
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/390,124 priority patent/US5529047A/en
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成を複雑化することなく流量制御弁の製造
・組立時や経時変化等で発生する各個体特有の履歴特性
による影響をなくすこと。 【構成】 内燃機関1の空燃比を検出する酸素センサ6
と、その空燃比に基づいて内燃機関1に供給される混合
気の空燃比をフィードバック制御するCPU21の処理
と、放出通路15の経路中に配設され、前記蒸発燃料を
含む空気量を変化させるパージVSV16と、その空気
量を変化させたときの空燃比フィードバック値の理論空
燃比からの偏差を検出するCPU21の処理と、その偏
差に基づいて蒸発燃料の濃度を算出するCPU21の処
理と、その蒸発燃料の濃度とそれに対応するパージVS
V16の駆動信号とに基づいてその駆動信号をオフセッ
トするCPU21の処理とからなる。これにより、蒸発
燃料の濃度の算出が正確となり、空燃比の変動が抑えら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内で発生す
る蒸発燃料を内燃機関(エンジン)の吸気側に放出し燃
焼させパージ(purge)する空燃比制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の空燃比制御装置に関連
する先行技術文献としては、特開平5−187332号
公報、特開平5−215020号公報にて開示されたも
のが知られている。
【0003】前者には、アイドル時に流量制御弁(パー
ジ制御弁)の駆動開始信号を学習し、流量制御弁の流量
特性を直線補正することにより、排気エミッションの悪
化を防止する技術が示されている。後者には、流量制御
弁の流量を流量計により逐次検出し、その駆動信号を補
正することにより、流量制御弁のパージ流量を正確に制
御する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、両者とも、
アイドル時でないときに流量制御弁の前後の圧力差が変
化した場合、その流量制御弁のデューティ比−流量特性
が変化するため単純な直線補正では排気エミッションの
悪化を完全に防止することは無理であり、また、流量制
御弁の公差(各流量制御弁に特有の部品製作寸法のバラ
ツキ等から生じる設計理論値に対する差分)は、高デュ
ーティ比(90%程度)でも発生するが、これに対する
補正ができないという不具合があった。更に、後者のも
のでは、流量計も必要であり構成が複雑であった。
【0005】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、構成を複雑化することなく
燃料タンクに発生する蒸発燃料を空気と共に内燃機関の
吸気側に放出する流量制御弁の製造・組立時や経時変化
等で発生する各個体特有の履歴特性による影響をなくす
ことが可能な内燃機関の空燃比制御装置の提供を課題と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる内燃機
関の空燃比制御装置は、燃料タンクに発生する蒸発燃料
をキャニスタに蓄え、前記キャニスタに蓄えられた蒸発
燃料を空気と共に前記キャニスタから内燃機関の吸気側
に接続された放出通路を介して放出するようにしたもの
において、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出
手段と、前記空燃比検出手段で検出された空燃比に基づ
いて前記内燃機関に供給される混合気の空燃比をフィー
ドバック制御する空燃比フィードバック手段と、前記放
出通路の経路中に配設され、前記蒸発燃料を含む空気量
を変化させる流量制御弁と、前記流量制御弁で空気量を
変化させたときの前記空燃比フィードバック手段による
空燃比フィードバック値の理論空燃比からの偏差を検出
する偏差検出手段と、前記偏差検出手段で検出された偏
差に基づいて前記蒸発燃料の濃度を算出する濃度算出手
段と、前記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃料の濃
度とそれに対応する前記流量制御弁の駆動信号とに基づ
いて前記流量制御弁の駆動信号をオフセットするオフセ
ット設定手段とを具備するものである。
【0007】請求項2にかかる内燃機関の空燃比制御装
置の前記オフセット設定手段は、請求項1の具備する手
段に加えて、前記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃
料の濃度の最大値とそれに対応する前記流量制御弁の駆
動信号とに基づいて前記流量制御弁の駆動信号をオフセ
ットするものである。
【0008】請求項3にかかる内燃機関の空燃比制御装
置は、請求項2の具備する手段に加えて、前記蒸発燃料
の濃度の最大値が、前記内燃機関の始動後における所定
時間内の最大値とするものである。
【0009】請求項4にかかる内燃機関の空燃比制御装
置の前記オフセット設定手段は、請求項2の具備する手
段に加えて、前記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃
料の濃度の最大値が所定値より小さいときには、前記流
量制御弁の駆動信号を増大する方向にオフセットし、前
記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃料の濃度の最大
値が所定値より大きいときには、前記流量制御弁の駆動
信号を減少する方向にオフセットするものである。
【0010】請求項5にかかる内燃機関の空燃比制御装
置の前記オフセット設定手段は、請求項1の具備する手
段に加えて、前記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃
料の濃度とそれに対応する前記流量制御弁のデューティ
信号とに基づいて前記流量制御弁のデューティ信号をオ
フセットするものである。
【0011】請求項6にかかる内燃機関の空燃比制御装
置の前記流量制御弁は、請求項1の具備する手段に加え
て、その駆動信号が大気圧と吸気圧との差圧と、パージ
流量とから算出されるものである。
【0012】請求項7にかかる内燃機関の空燃比制御装
置の前記オフセット設定手段は、請求項1の具備する手
段に加えて、オフセットの値が前記流量制御弁の駆動信
号が大きい程小さくなるように設定されるものである。
【0013】
【作用】請求項1においては、空燃比フィードバック手
段では、空燃比検出手段で検出された空燃比に基づいて
内燃機関に供給される混合気の空燃比がフィードバック
制御される。そして、流量制御弁で空気量を変化させた
ときの空燃比フィードバック手段による空燃比フィード
バック値の理論空燃比からの偏差が偏差検出手段で検出
され、その偏差に基づいて濃度算出手段で蒸発燃料の濃
度が算出される。この算出された蒸発燃料の濃度とそれ
に対応する流量制御弁の駆動信号とに基づきオフセット
設定手段にて流量制御弁の駆動信号がオフセットされ
る。このように、空燃比フィードバック値の理論空燃比
からのズレ量により算出される蒸発燃料の濃度とそれに
対応する流量制御弁の駆動信号とに基づき流量制御弁の
駆動信号がオフセットされる。即ち、空燃比フィードバ
ック制御されているときには常時、蒸発燃料の濃度が所
定範囲内となるように流量制御弁の駆動信号がオフセッ
トされるのである。
【0014】請求項2の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段では、請求項1の作用に加えて、濃度
算出手段による蒸発燃料の濃度の最大値が用いられ、そ
れに対応する流量制御弁の駆動信号とに基づき流量制御
弁の駆動信号がオフセットされる。このように、濃度算
出手段で蒸発燃料の濃度の最大値が用いられることで、
流量制御弁の駆動信号が補正され易くなる。
【0015】請求項3の内燃機関の空燃比制御装置の蒸
発燃料の濃度の最大値は、請求項2の作用に加えて、内
燃機関の始動後における所定時間内のものとされ、内燃
機関の始動初期に流量制御弁の駆動信号がオフセットさ
れるため、的確な空燃比フィードバック制御が早めに実
行されることとなる。
【0016】請求項4の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段は、請求項2の作用に加えて、濃度算
出手段で算出された蒸発燃料の濃度の最大値が所定値よ
り小さいときには、流量制御弁の駆動信号が増大するよ
うにその駆動信号にオフセットが加算され、逆に、蒸発
燃料の濃度の最大値が所定値より大きいときには、流量
制御弁の駆動信号が減少するようにその駆動信号からオ
フセットが減算される。このように、流量制御弁の駆動
信号がオフセットされることにより、蒸発燃料の濃度の
最大値が所定値内で安定したものとなる。
【0017】請求項5の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段では、請求項1の作用に加えて、流量
制御弁の駆動信号がデューティ信号であるものに対して
はそのデューティ信号がオフセットされ、空燃比フィー
ドバック制御が実行される。
【0018】請求項6の内燃機関の空燃比制御装置の流
量制御弁は、請求項1の作用に加えて、その駆動信号が
大気圧と吸気圧との差圧と、パージ流量とから一義的に
算出される。
【0019】請求項7の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段は、請求項1の作用に加えて、流量制
御弁の駆動信号が大きい程オフセットの値が小さくなる
ように設定されている。即ち、流量制御弁は駆動信号が
小さいとき程大きくオフセットされるため、より的確に
その駆動信号が補正されることとなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0021】図1は本発明の一実施例にかかる内燃機関
の空燃比制御装置を示す全体構成図である。
【0022】図1において、1は複数のシリンダからな
る内燃機関(エンジン)、この内燃機関1には吸気管2
と排気管3とが接続されている。吸気管2内の内燃機関
1側には、電磁式のインジェクタ4が配設されると共
に、その上流側にはスロットル弁5が配設されている。
更に、排気管3内には空燃比検出手段を達成する酸素
(O2 )センサ6が配設され、酸素センサ6は排気ガス
中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力する。
【0023】また、インジェクタ4に燃料を供給する燃
料供給系統は、燃料タンク7、燃料ポンプ8、燃料フィ
ルタ9及び調圧弁10からなる。そして、燃料タンク7
内の燃料(ガソリン)が燃料ポンプ8にて燃料フィルタ
9を介して各インジェクタ4に圧送されると共に、調圧
弁10にて各インジェクタ4に供給される燃料が所定圧
力に調整される。
【0024】燃料タンク7の上部から延びるパージ管1
1は吸気管2のサージタンク12と連通され、そのパー
ジ管11の途中には、燃料タンク7内で発生する蒸発燃
料を吸着する吸着材としての活性炭を収納したキャニス
タ13が配設されている。また、キャニスタ13には外
気を導入するための大気開放孔14が配設されている。
パージ管11はキャニスタ13よりもサージタンク12
側を放出通路15とし、この放出通路15の途中に流量
制御弁を構成するパージVSV(Purge VacuumSwitching
Valve;以下、単に『VSV』ともいう)16が配設さ
れている。このパージVSV16は、スプリング(図示
略)により常に弁体17がシート部18を閉じる方向に
付勢されているが、コイル19を励磁することにより弁
体17がシート部18を開くようになっている。したが
って、パージVSV16のコイル19の消磁により放出
通路15が閉じ、コイル19の励磁により放出通路15
が開くようになっている。このパージVSV16はパル
ス幅変調に基づくデューティ比制御により後述するCP
U21によって開度調節される。
【0025】したがって、パージVSV16にCPU2
1から制御信号を供給し、キャニスタ13が内燃機関1
の吸気管2に連通されるようにしてやれば、大気中から
新しい空気Qaが導入され、これがキャニスタ13内を
換気して吸気管2から内燃機関1のシリンダ内に送込ま
れ、キャニスタパージが行われ、キャニスタ13の吸着
機能の回復が得られることとなる。そして、このときパ
ージVSV16を介して導入される新しい空気であるパ
ージ空気量Qp(l/min )は、CPU21からパージ
VSV16に供給されるパルス信号のデューティ比
(%)を変えることにより調節される。図2は、このと
きのデューティ比(%)に対するパージ空気量Qp(l
/min )を示す特性図であり、吸気管内の負圧が一定の
ときのパージVSV16のデューティ比(%)とパージ
空気量Qpとの関係を示しており、この図から、パージ
VSV16はデューティ比を0%から増加させるに連れ
て、ほぼ直線的にパージ空気量、即ち、キャニスタ13
を介して内燃機関1に吸込まれる空気量が増加すること
が判る。
【0026】CPU21はスロットル弁5の開度を検出
するスロットルセンサ5aからのスロットル開度TA信
号と、内燃機関1の機関回転数を検出する回転数センサ
(図示略)からの機関回転数NE信号と、スロットル弁
5を通過した吸気圧(吸入空気の圧力)を検出する吸気
圧センサ5bからの吸気圧PM信号(吸入空気量センサ
からの吸入空気量信号でもよい)と、内燃機関1の冷却
水温(冷却水の温度)を検出する水温センサ5cからの
冷却水温THW信号と、吸入空気温度を検出する吸気温
センサ(図示略)からの吸気温THA信号とを入力す
る。
【0027】また、CPU21は酸素センサ6からの出
力信号(電圧信号)を入力し、混合気のリッチ/リーン
判定を行う。そして、CPU21はリッチからリーンに
反転したとき及びリーンからリッチに反転したときは燃
料噴射量を増減すべく、後述の空燃比フィードバック係
数であるFAF値を階段状に大きく変化(スキップ)さ
せると共に、リッチまたはリーンのときにはFAF値を
徐々に増減させるようになっている。なお、このフィー
ドバック制御は冷却水温が低いときや機関高負荷・高回
転走行時には行わない。また、CPU21は機関回転数
と吸気圧により基本噴射時間を求め、基本噴射時間に対
しFAF値等による補正を行って最終噴射時間を求め、
インジェクタ4に所定の噴射タイミングでの燃料噴射を
行わせる。
【0028】ROM34は、内燃機関1全体の動作を制
御するためのプログラムやマップを記憶している。RA
M35は各種のデータ、例えば、スロットル弁5のスロ
ットル開度、機関回転数等の検出データ等を一時的に記
憶する。そして、CPU21はROM34内のプログラ
ムに基づいて内燃機関1の動作を制御する。
【0029】図3は全開パージ率RPRG(%)を示す
マップであり、機関回転数NE(rpm)と吸気圧PM(mm
Hg)(本実施例では負荷を吸気圧としているが、その
他、吸入空気量やスロットル開度でもよい)により決定
される。このマップは、吸気管2を通って内燃機関1に
流入する全空気量に対するパージVSV16のデューテ
ィ比が100%のときに放出通路15を通って流れる空
気量の比を示しており、ROM34内に記憶されてい
る。
【0030】本実施例にかかる内燃機関の空燃比制御装
置では、空燃比F/B(フィードバック)制御、空燃比
(A/F)学習制御、パージ率制御、エバポ(Evaporat
iveEmission:エバポエミッション;蒸発燃料)濃度学
習制御、燃料噴射量制御、パージVSV制御の各プログ
ラムが実行される。
【0031】以下、実施例の動作について各制御毎に説
明する。
【0032】〈空燃比F/B(フィードバック)制御:
図4参照〉空燃比F/B制御ルーチンを図4に基づいて
説明する。なお、この空燃比F/B制御ルーチンは空燃
比フィードバック手段を達成するものであり、約4ms
毎にCPU21にて実行される。
【0033】ステップS101で、空燃比F/B制御可
能か否かが判定される。この空燃比F/B条件として
は、主に以下に示す条件を全て満足した場合である。
(1)始動時でない。(2)燃料カット中でない。
(3)冷却水温(THW)が所定温度以上である。
(4)燃料噴射量(TAU)が所定の下限値(TAUmi
n )を越えている。(5)酸素センサが活性状態であ
る。
【0034】これらの条件が成立するときには、ステッ
プS102に移行し、酸素センサ出力と所定判定レベル
OXとを比較し、それぞれ遅延時間H,I(ms)にて
空燃比フラグXOXRを操作する。例えば、XOXR=
1のときリッチ、XOXR=0のときリーンとする。次
にステップS103に移行して、空燃比フラグXOXR
に基づき、空燃比フィードバック係数であるFAF値を
操作する。即ち、XOXRが変化(0→1),(1→
0)した時、FAF値を所定量スキップさせ、XOXR
が1または0を継続中は、FAF値の積分制御を実行す
る。そして、ステップS104で、FAF値の上下限チ
ェックをしたのち、ステップS105に移行し、決定し
たFAF値を基にしてスキップ毎または所定時間毎にな
まし(平滑化)処理を行い、FAF値の平均値であるF
AFAV値を算出する。なお、ステップS101で、空
燃比F/B制御が成立しないときには、ステップS10
6に移行し、FAF値を初期値1.0とする。ここで、
空燃比フィードバック係数であるFAF値は理論空燃比
からどれだけ外れているかを示す指標である。
【0035】〈空燃比(A/F)学習制御:図5参照〉
A/F学習制御ルーチンを図5に基づいて説明する。な
お、このA/F学習制御ルーチンは偏差検出手段を達成
するものであり、約32ms毎にCPU21にて実行さ
れる。
【0036】まず、ステップS201で、A/F条件、
冷却水温条件等のA/F学習前提条件が成立するのを待
って、ステップS202に移行する。ステップS202
では、A/F学習が実行開始され、ステップS203に
移行し、FAF値の平均値であるFAFAV値の基準値
1に対する偏差|FAFAV−1|が2%を越えていな
いかが判定され、A/F学習がこの範囲内であり、12
回繰返し実行されるとステップS204に移行する。ス
テップS204では、初期のA/F学習が終了したとし
て、ステップS205に移行し、A/F学習を停止す
る。次にステップS206に移行して、タイマスタート
したのち、ステップS207に移行し、パージが実行さ
れる。そして、ステップS208で後述のパージ率制
御、ステップS209で後述のエバポ濃度学習制御が実
行される。次のステップS210〜ステップS212に
おいて、パージ実行条件がチェックされる。ステップS
210では、大気温つまり、吸気温THAが50℃を越
えているかが判定される。ステップS210の不等式が
成立するときには、ステップS207〜ステップS21
0を繰返し、A/F学習よりもパージが優先して実行さ
れる。ステップS210の不等式が成立しないときに
は、ステップS211に移行し、エバポ濃度値FLPR
Gが1%を越えているかが判定される。ステップS21
1の不等式が成立するときにも、ステップS207〜ス
テップS211を繰返し、A/F学習よりもパージが優
先して実行される。ステップS211の不等式が成立し
ないときには、ステップS212に移行し、パージ開始
後120秒以内であるかが判定される。即ち、吸気温T
HA、エバポ濃度値FLPRGが共に低くてキャニスタ
13内が空に近くなると予め設定されたパージ開始後1
20秒を越えるとステップS213に移行し、パージが
停止される。次にステップS214に移行して、A/F
学習が実行開始され、ステップS215に移行し、ステ
ップS203の処理と同様に、FAFAV値の基準値1
に対する偏差|FAFAV−1|が2%を越えていない
かが判定され、A/F学習がこの範囲内であり、6回繰
返し実行されるとステップS216に移行する。ステッ
プS216では、A/F学習が完了されたとして停止
し、再び、ステップS207に戻り同様の処理が繰返さ
れる。
【0037】〈パージ率制御:図6参照〉上述の図5の
ステップS208におけるパージ率制御サブルーチンを
図6に基づいて説明する。なお、このパージ率制御サブ
ルーチンは約32ms毎にCPU21にて実行される。
【0038】ステップS301で、空燃比F/B中であ
るかが判定される。この判定では、図4のステップS1
01と同様の判定条件を用い、空燃比F/B中であると
ステップS302に移行し、冷却水温THWが80℃を
越えているかが判定される。ステップS302の不等式
が成立するときには、ステップS303に移行し、図5
のステップS204での初期A/F学習が終了している
かが判定される。なお、ステップS301〜ステップS
303の何れかの判定がNOであるときにはステップS
310に移行し、パージ率RPRG=0としてパージを
停止させる。ステップS303で初期A/F学習が終了
していると、ステップS304に移行し、パージ率制御
としてFAFAV値の基準値1に対する偏差|FAFA
V−1|が5%を越えているかが判定される。ステップ
S304の不等式が成立しないときには、ステップS3
05に移行し、パージ率RPRGを0.05%上昇させ
る。一方、ステップS304の不等式が成立するときに
は、ステップS306に移行し、偏差|FAFAV−1
|が10%を越えているかが判定される。ステップS3
06の不等式が成立しないときには、即ち、偏差|FA
FAV−1|が5%〜10%の間にあるとステップS3
07に移行し、そのときのパージ率RPRGがホールド
される。また、ステップS306の不等式が成立すると
きには、ステップS308に移行し、パージ率RPRG
を0.05%下降させる。ステップS305、ステップ
S307及びステップS308の処理後、ステップS3
09に移行し、図3に示す全開パージ率との比較によ
り、パージ率RPRGの上限チェックが実行され、本サ
ブルーチンを終了する。
【0039】〈エバポ濃度学習制御:図7参照〉上述の
図5のステップS209におけるエバポ濃度学習制御サ
ブルーチンを図7に基づいて説明する。なお、このエバ
ポ濃度学習制御サブルーチンは濃度算出手段を達成する
ものであり、約16ms毎にCPU21にて実行され
る。
【0040】ステップS401でパージ実行中であるか
が判定される。なお、パージ実行中でないときには、何
もすることなく本サブルーチンを終了する。ステップS
401でパージ実行中であると、ステップS402に移
行し、図4のステップS105で算出されたFAFAV
値が読込まれる。次にステップS403に移行して、F
AFAV値の基準値1に対する偏差(FAFAV−1)
が2%を越えているかが判定される。ステップS403
の不等式が成立するときには、即ち、偏差(FAFAV
−1)が2%を越えてリーン寄りの状態であるときには
エバポ濃度値FLPRGが薄いと判断できるため、ステ
ップS404に移行し、エバポ濃度値FLPRGが0.
2%減らされる。一方、ステップS403の不等式が成
立しないときには、ステップS405に移行し、偏差
(FAFAV−1)が−2%未満であるかが判定され
る。ステップS405の不等式が成立するときには、即
ち、偏差(FAFAV−1)が−2%未満でリッチ寄り
の状態であるときにはエバポ濃度値FLPRGが濃いと
判断できるため、ステップS406に移行し、エバポ濃
度値FLPRGが0.2%増やされる。また、ステップ
S405の不等式が成立しないときには、即ち、偏差
(FAFAV−1)が±2%内で安定しているときに
は、ステップS407に移行し、そのときのエバポ濃度
値FLPRGがホールドされる。ステップS404、ス
テップS406及びステップS407の処理後、ステッ
プS408に移行し、エバポ濃度値FLPRGの上下限
チェックとしてエバポ濃度値FLPRGが0〜25%以
内であるかがチェックされ、本サブルーチンを終了す
る。
【0041】〈燃料噴射量制御:図8参照〉燃料噴射量
制御ルーチンを図8に基づいて説明する。なお、この燃
料噴射量制御ルーチンは約32ms毎にCPU21にて
実行される。
【0042】まず、ステップS501で、ROM34に
記憶されているマップを用い、機関回転数NEと負荷と
しての吸気圧PM(吸気管内圧力)に基づいて基本燃料
噴射量Tpを算出する。次にステップS502に移行し
て、各種補正として、冷却水温THW、吸気温THA、
始動後増量等の補正が実行される。次にステップS50
3に移行して、エバポ濃度値FLPRGにパージ率RP
RGを乗算してパージ補正係数FPRG値が算出され
る。そして、ステップS504に移行し、FAF値及び
パージ補正係数FPRG値が式(FAF−FPRG)に
代入され算出された値が補正係数として燃料噴射量TA
Uに反映され、本ルーチンを終了する。
【0043】〈パージVSV制御:図9参照〉パージV
SV制御ルーチンを図9に基づいて説明する。なお、こ
のパージVSV制御ルーチンはオフセット設定手段を達
成するものであり、約100ms毎にCPU21にて実
行される。
【0044】まず、ステップS601で、イニシャライ
ズ処理として公差補正実行フラグXF1=0、エバポ濃
度FLPRGのピーク値FLPRGP=0としたのち、
ステップS602に移行し、公差補正実行フラグXF1
=1であるかが判定される。このステップS602の等
式が成立するときには、本ルーチンを終了する。この最
初の判定ではXF1=0であり、ステップS602の等
式が成立せず、ステップS603に移行し、内部タイマ
がスタートされたのちステップS604に移行する。ス
テップS604では、図8のステップS501で算出さ
れた基本噴射量Tpが読込まれる。次にステップS60
5に移行して、機関回転数NEが算出される。次にステ
ップS606に移行して、ステップS604で読込まれ
た基本噴射量TpとステップS605で算出された機関
回転数NEとから吸入空気量GAが算出される。次にス
テップS607に移行して、パージ流量GPRGがステ
ップS606で算出された吸入空気量GAと図6で求め
られたパージ率RPRGとを乗算することにより算出さ
れる。次にステップS608に移行して、(大気圧PA
−吸気圧PM)(mmHg)とパージ流量GPRG(l/mi
n )とのパラメータに基づくパージVSV16のデュー
ティ比が図10のマップから算出される。次にステップ
S609に移行して、図7で求められたエバポ濃度FL
PRGの前回までのピーク値FLPRGPと今回の検出
値とが比較され、大きい方がエバポ濃度ピーク値FLP
RGPとして更新される。次にステップS610に移行
して、内燃機関1の始動後240秒が経過するまでステ
ップS604〜ステップS610の処理が繰返され、ス
テップS609におけるエバポ濃度ピーク値FLPRG
Pの更新が繰返される。そして、ステップS610で内
燃機関1の始動後240秒が経過すると、ステップS6
11に移行し、公差補正実行フラグXF1を1としたの
ち、ステップS612に移行し、エバポ濃度ピーク値F
LPRGPが5%未満であるかが判定される。ステップ
S612の不等式が成立するときには、パージVSV1
6の流量が少なめになっていると判断されるため、ステ
ップS613に移行し、図5で求められたVSV出力に
図11に示すマップに基づき、そのときのデューティ比
(%)に対するオフセット値α%が加算される。一方、
ステップS612の不等式が成立しないときには、ステ
ップS614に移行し、エバポ濃度ピーク値FLPRG
Pが15%未満であるかが判定される。ステップS61
4の不等式が成立するときには、即ち、エバポ濃度ピー
ク値FLPRGPが5%〜15%内のときには、パージ
VSV16の流量が公差の中央値に近いと判断されるた
め、ステップS615に移行し、そのときのVSV出力
がホールドされる。また、ステップS614の不等式が
成立しないときには、パージVSV16の流量が多めに
なっていると判断されるため、ステップS616に移行
し、図5で求められたVSV出力から図11に示すマッ
プに基づき、そのときのデューティ比(%)に対するオ
フセット値α%が減算される。ステップS613、ステ
ップS615及びステップS616の処理後、ステップ
S617に移行し、VSV出力上下限チェックとしてV
SV出力が0〜100%内にあるかがチェックされたの
ち、ステップS618に移行し、ステップS603でス
タートされた内部タイマがリセットされ、本ルーチンを
終了する。
【0045】図12は本発明の一実施例の内燃機関の空
燃比制御装置における各制御ルーチンが実行されたとき
の各種信号の遷移を示すタイムチャートである。
【0046】まず、図4の空燃比F/B制御ルーチンが
実行され、図12(a)の時刻t1で空燃比F/B条件
が成立すると同時に、図12(i)の空燃比フィードバ
ック係数であるFAF値が基準値1から動き始める。次
に、図5のA/F学習制御ルーチンが実行され、図12
(b)の時刻t2 で冷却水温条件が成立すると、図12
(d)のA/F学習が実施され、図12(c)の時刻t
3 で初期A/F学習終了条件が成立すると同時に、図1
2(e)のパージ実施のフラグが立ち、図12(f)に
示すようにパージ率RPRG制御が実施開始される。上
述したように、本実施例では流量制御弁であるパージV
SV16に対して図9のパージVSV制御が実行されオ
フセット補正が実施されていることにより、図12
(h)に示すようにエバポ濃度値FLPRGが個体間の
バラツキが少なくほぼ同一に遷移し、図12(i)に示
すように空燃比フィードバック係数であるFAF値が基
準値1の±2%以内で6回のスキップが実行されてエバ
ポ濃度が薄くなったと判定される図12(f)の時刻t
4 までパージ率RPRG制御が実施される。なお、図1
2(g)に示すエバポ濃度値FLPRGは、比較のため
従来の流量制御弁に対してオフセット補正が設けられて
いない場合の遷移を示しており、流量制御弁の製造・組
立時や経時変化等で発生する各個体特有の履歴特性によ
る影響によりエバポ濃度値FLPRGが大きくバラツキ
を有している。こののち、再び、図12(d)のA/F
学習と図12(f)のパージ率RPRG制御とが交互に
実施され、空燃比フィードバック係数であるFAF値が
基準値1から大きくズレることのないようにされる。
【0047】このように、本発明の一実施例の内燃機関
の空燃比制御装置は、燃料タンク7に発生する蒸発燃料
をキャニスタ13に蓄え、キャニスタ13に蓄えられた
蒸発燃料を空気と共にキャニスタ13から内燃機関1の
吸気側に接続された放出通路15を介して放出するよう
にしたものにおいて、内燃機関1の空燃比を検出する酸
素センサ6からなる空燃比検出手段と、空燃比検出手段
で検出された空燃比に基づいて内燃機関1に供給される
混合気の空燃比をフィードバック制御するCPU21に
て達成される空燃比フィードバック手段と、放出通路1
5の経路中に配設され、前記蒸発燃料を含む空気量を変
化させるパージVSV16からなる流量制御弁と、前記
流量制御弁で空気量を変化させたときの前記空燃比フィ
ードバック手段による空燃比フィードバック値の理論空
燃比からの偏差を検出するCPU21にて達成される偏
差検出手段と、前記偏差検出手段で検出された偏差に基
づいて前記蒸発燃料の濃度を算出するCPU21にて達
成される濃度算出手段と、前記濃度算出手段で算出され
た前記蒸発燃料の濃度とそれに対応する前記流量制御弁
の駆動信号とに基づいて前記流量制御弁の駆動信号をオ
フセットするCPU21にて達成されるオフセット設定
手段とを具備するものであり、これを請求項1の実施例
とすることができる。
【0048】したがって、CPU21にて達成される空
燃比フィードバック手段では、酸素センサ6からなる空
燃比検出手段で検出された空燃比に基づいて内燃機関1
に供給される混合気の空燃比がフィードバック制御され
る。そして、パージVSV16からなる流量制御弁で空
気量を変化させたときの空燃比フィードバック手段によ
る空燃比フィードバック値の理論空燃比からの偏差がC
PU21にて達成される偏差検出手段で検出され、その
偏差に基づいてCPU21にて達成される濃度算出手段
で蒸発燃料の濃度が算出される。この算出された蒸発燃
料の濃度とそれに対応する流量制御弁の駆動信号とに基
づきCPU21にて達成されるオフセット設定手段にて
流量制御弁の駆動信号がオフセットされる。このよう
に、空燃比フィードバック値の理論空燃比からのズレ量
により算出される蒸発燃料の濃度とそれに対応する流量
制御弁の駆動信号とに基づき流量制御弁の駆動信号がオ
フセットされる。即ち、空燃比フィードバック制御され
ているときには常時、蒸発燃料の濃度が所定範囲内とな
るように流量制御弁の駆動信号がオフセットされるので
ある。
【0049】故に、従来構成と同様の構成であっても、
流量制御弁の製造・組立時や経時変化等で発生する各個
体特有の履歴特性による影響をなくすことで空燃比の悪
化を抑えつつ燃料タンクに発生する蒸発燃料を理想的に
燃焼させることができる。
【0050】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のCPU21にて達成されるオフセット設定
手段は、CPU21にて達成される濃度算出手段で算出
されたエバポ濃度FLPRGのピーク値FLPRGPで
示される蒸発燃料の濃度の最大値とそれに対応するパー
ジVSV16からなる流量制御弁の駆動信号とに基づい
て前記流量制御弁の駆動信号をオフセットするものであ
り、これを請求項2の実施例とすることができる。
【0051】したがって、CPU21にて達成される濃
度算出手段による蒸発燃料の濃度の最大値が用いられ、
それに対応するパージVSV16からなる流量制御弁の
駆動信号とに基づきその流量制御弁の駆動信号がオフセ
ットされる。このように、濃度算出手段で蒸発燃料の濃
度の最大値が用いられることで、流量制御弁の駆動信号
が補正され易くなる。
【0052】故に、蒸発燃料の濃度のバラツキを抑える
ことができる。
【0053】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のCPU21にて達成されるオフセット設定
手段は、CPU21にて達成される濃度算出手段で算出
されたエバポ濃度FLPRGで示される蒸発燃料の濃度
とそれに対応するパージVSV16からなる流量制御弁
のデューティ信号とに基づいて前記流量制御弁のデュー
ティ信号をオフセットするものであり、これを請求項5
の実施例とすることができる。
【0054】したがって、流量制御弁であるパージVS
V16をソレノイドを用いたデューティ制御弁にて構成
することができる。
【0055】故に、流量制御弁はデューティ信号のデュ
ーティ比を変えるだけで容易に流量制御弁の駆動信号を
オフセットすることができ、各流量制御弁の個体差をな
くすことができる。
【0056】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のエバポ濃度FLPRGのピーク値FLPR
GPで示される蒸発燃料の濃度の最大値は、内燃機関1
の始動後における所定時間内の最大値とするものであ
り、これを請求項3の実施例とすることができる。
【0057】したがって、内燃機関1の始動後における
所定時間を予め設定しておくことにより、濃度算出手段
による蒸発燃料の濃度の最大値がその時間内に更新され
設定される。
【0058】故に、蒸発燃料の濃度のバラツキを素早く
抑えることができる。
【0059】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のパージVSV16からなる流量制御弁は、
その駆動信号が大気圧と吸気圧との差圧と、パージ流量
とから算出されるものであり、これを請求項6の実施例
とすることができる。
【0060】したがって、流量制御弁であるパージVS
V16の駆動信号は、吸気圧センサや回転数センサ等の
出力信号に基づいて算出されることとなる。
【0061】故に、吸気圧センサや回転数センサ等は元
々、内燃機関1を制御するために配設されているもので
あり、何ら新しく設ける必要がないため極めて安価に構
築することができる。
【0062】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のCPU21にて達成されるオフセット設定
手段は、オフセットの値がパージVSV16からなる流
量制御弁の駆動信号が大きい程小さくなるように設定さ
れるものであり、これを請求項7の実施例とすることが
できる。
【0063】したがって、オフセット設定手段における
流量制御弁であるパージVSV16の駆動信号とオフセ
ットの値とは反比例の関係となる。
【0064】故に、蒸発燃料を含む空気量の変化の特性
を流量制御弁の本来の駆動特性に合致させることができ
る。
【0065】また、本発明の一実施例の内燃機関の空燃
比制御装置のCPU21にて達成されるオフセット設定
手段は、CPU21にて達成される濃度算出手段で算出
されたエバポ濃度FLPRGのピーク値FLPRGPで
示される蒸発燃料の濃度の最大値が所定値より小さいと
きには、パージVSV16からなる流量制御弁の駆動信
号を増大する方向にオフセットし、前記濃度算出手段で
算出された前記蒸発燃料の濃度の最大値が所定値より大
きいときには、前記流量制御弁の駆動信号を減少する方
向にオフセットするものであり、これを請求項4の実施
例とすることができる。
【0066】したがって、オフセット設定手段では、流
量制御弁であるパージVSV16の製造・組立時や経時
変化等で発生する各個体特有の履歴特性に基づくその駆
動信号のオフセット方向が考慮されることとなる。
【0067】故に、オフセット設定手段では、濃度算出
手段において蒸発燃料の濃度の最大値に対する所定値を
設定するだけで、その流量制御弁の駆動信号に合わせた
オフセットの値が設定される。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の内燃機
関の空燃比制御装置によれば、空燃比フィードバック手
段にて空燃比検出手段で検出された空燃比に基づいて内
燃機関に供給される混合気の空燃比がフィードバック制
御される。そして、流量制御弁で空気量を変化させたと
きの空燃比フィードバック手段による空燃比フィードバ
ック値の理論空燃比からの偏差が偏差検出手段で検出さ
れ、その偏差に基づいて濃度算出手段で蒸発燃料の濃度
が算出される。この算出された蒸発燃料の濃度とそれに
対応する流量制御弁の駆動信号とに基づきオフセット設
定手段にて流量制御弁の駆動信号がオフセットされる。
このように、流量制御弁の製造・組立時や経時変化等で
発生する各個体特有の履歴特性がなくなるように補正さ
れるため、蒸発燃料の濃度の算出が正確となり空燃比の
変動を抑えつつ燃料タンクに発生する蒸発燃料が理想的
に燃焼されアイドル安定性や排気エミッション悪化を防
止することができる。
【0069】請求項2の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段によれば、請求項1の効果に加えて、
濃度算出手段による蒸発燃料の濃度の最大値が用いら
れ、それに対応する流量制御弁の駆動信号とに基づきそ
の流量制御弁の駆動信号がオフセットされる。このよう
に、濃度算出手段で蒸発燃料の濃度の最大値が用いられ
ることで、流量制御弁の駆動信号が補正され易くなり、
蒸発燃料の濃度のバラツキを抑えることができる。
【0070】請求項3の内燃機関の空燃比制御装置によ
れば、請求項2の効果に加えて、内燃機関の始動後にお
ける所定時間を予め設定しておくことにより、濃度算出
手段による蒸発燃料の濃度の最大値がその時間内に更新
され設定され、蒸発燃料の濃度のバラツキを素早く抑え
ることができる。
【0071】請求項4の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段によれば、請求項2の効果に加えて、
流量制御弁の製造・組立時や経時変化等で発生する各個
体特有の履歴特性に基づくその駆動信号のオフセット方
向が考慮されることとなる。このため、オフセット設定
手段では、濃度算出手段において蒸発燃料の濃度の最大
値に対する所定値を設定するだけで、その流量制御弁の
駆動信号に合わせたオフセットの値が設定されるのであ
る。
【0072】請求項5の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段によれば、請求項1の効果に加えて、
流量制御弁をソレノイドを用いたデューティ制御弁にて
構成することができる。このため、流量制御弁はデュー
ティ信号のデューティ比を変えるだけで容易に流量制御
弁の駆動信号をオフセットすることができ、流量制御弁
の製造・組立時や経時変化等で発生する各個体特有の履
歴特性をなくすことができる。
【0073】請求項6の内燃機関の空燃比制御装置によ
れば、請求項1の効果に加えて、流量制御弁の駆動信号
は内燃機関を制御するために従来から配設されている各
種センサ等に基づいて算出されるため、見掛け上、新た
な構成要素の付加がないため極めて安価に構築すること
ができる。
【0074】請求項7の内燃機関の空燃比制御装置のオ
フセット設定手段によれば、請求項1の効果に加えて、
流量制御弁の駆動信号とオフセットの値とは反比例の関
係に設定され、蒸発燃料を含む空気量の変化の特性を流
量制御弁の本来の駆動特性に合致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置を示す全体構成図である。
【図2】図2は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置で用いられるデューティ比に対するパージ
空気量Qpを示す特性図である。
【図3】図3は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置で用いられる機関回転数NEと吸気圧PM
をパラメータとする全開パージ率を示すマップである。
【図4】図4は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置における空燃比フィードバック制御の処理
手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置における空燃比学習制御の処理手順を示す
フローチャートである。
【図6】図6は図5のステップS208のパージ率制御
の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は図5のステップS209のエバポ濃度学
習制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置における燃料噴射量制御の処理手順を示す
フローチャートである。
【図9】図9は本発明の一実施例にかかる内燃機関の空
燃比制御装置におけるパージVSV制御の処理手順を示
すフローチャートである。
【図10】図10は本発明の一実施例にかかる内燃機関
の空燃比制御装置で用いられる(大気圧PA−吸気圧P
M)とパージ流量GPRGとのパラメータに基づくパー
ジVSVのデューティ比を示すマップである。
【図11】図11は本発明の一実施例にかかる内燃機関
の空燃比制御装置で用いられるVSV出力に加減算され
るデューティ比に対するオフセット値を示すマップであ
る。
【図12】図12は本発明の一実施例にかかる内燃機関
の空燃比制御装置における各制御ルーチンが実行された
ときの各種信号等の遷移を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 吸気管 4 インジェクタ 5 スロットル弁 6 酸素(O2 )センサ(空燃比検出手段) 7 燃料タンク 11 パージ管 12 サージタンク 13 キャニスタ 15 放出通路 16 パージVSV(流量制御弁) 21 CPU 34 ROM 35 RAM

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクに発生する蒸発燃料をキャニ
    スタに蓄え、前記キャニスタに蓄えられた蒸発燃料を空
    気と共に前記キャニスタから内燃機関の吸気側に接続さ
    れた放出通路を介して放出するようにした内燃機関の空
    燃比制御装置において、 前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記空燃比検出手段で検出された空燃比に基づいて前記
    内燃機関に供給される混合気の空燃比をフィードバック
    制御する空燃比フィードバック手段と、 前記放出通路の経路中に配設され、前記蒸発燃料を含む
    空気量を変化させる流量制御弁と、 前記流量制御弁で空気量を変化させたときの前記空燃比
    フィードバック手段による空燃比フィードバック値の理
    論空燃比からの偏差を検出する偏差検出手段と、 前記偏差検出手段で検出された偏差に基づいて前記蒸発
    燃料の濃度を算出する濃度算出手段と、 前記濃度算出手段で算出された前記蒸発燃料の濃度とそ
    れに対応する前記流量制御弁の駆動信号とに基づいて前
    記流量制御弁の駆動信号をオフセットするオフセット設
    定手段とを具備することを特徴とする内燃機関の空燃比
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記オフセット設定手段は、前記濃度算
    出手段で算出された前記蒸発燃料の濃度の最大値とそれ
    に対応する前記流量制御弁の駆動信号とに基づいて前記
    流量制御弁の駆動信号をオフセットすることを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発燃料の濃度の最大値は、前記内
    燃機関の始動後における所定時間内の最大値とすること
    を特徴とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記オフセット設定手段は、前記濃度算
    出手段で算出された前記蒸発燃料の濃度の最大値が所定
    値より小さいときには、前記流量制御弁の駆動信号を増
    大する方向にオフセットし、前記濃度算出手段で算出さ
    れた前記蒸発燃料の濃度の最大値が所定値より大きいと
    きには、前記流量制御弁の駆動信号を減少する方向にオ
    フセットすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機
    関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 前記オフセット設定手段は、前記濃度算
    出手段で算出された前記蒸発燃料の濃度とそれに対応す
    る前記流量制御弁のデューティ信号とに基づいて前記流
    量制御弁のデューティ信号をオフセットすることを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】 前記流量制御弁は、その駆動信号が大気
    圧と吸気圧との差圧と、パージ流量とから算出されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記オフセット設定手段は、オフセット
    の値が前記流量制御弁の駆動信号が大きい程小さくなる
    ように設定されることを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
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DE19505663A DE19505663A1 (de) 1994-02-21 1995-02-20 Luft-Treibstoff-Verhältnis-Steuerungssystem für eine Brennkraftmaschine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09177618A (ja) * 1995-12-22 1997-07-11 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の蒸発燃料制御装置
US7334559B2 (en) 2004-08-23 2008-02-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Evaporative fuel supply apparatus

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