JPH07228993A - ステンレス鋼の表面処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼の表面処理方法

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JPH07228993A
JPH07228993A JP6021394A JP2139494A JPH07228993A JP H07228993 A JPH07228993 A JP H07228993A JP 6021394 A JP6021394 A JP 6021394A JP 2139494 A JP2139494 A JP 2139494A JP H07228993 A JPH07228993 A JP H07228993A
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JP
Japan
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treatment
stainless steel
electricity
phosphoric acid
chromic acid
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Withdrawn
Application number
JP6021394A
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English (en)
Inventor
Takehisa Mizunuma
武久 水沼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ステンレス鋼に電解処理を施すこ
とにより、表面光沢を殆ど損なうことなく、耐食性を大
幅に向上させることを目的とする。 【構成】 第1処理として、クロム酸100〜400g
/l、リン酸1〜5g/lを含む水溶液で、ステンレス
鋼を電気量が平方デシメートル当り、10〜50Asecの
陽極電解処理を行った後、第2処理として、前記水溶液
で、平方デシメートル当り、50〜300Asecの陰極電
解処理を行うことを特徴とするステンレス鋼の表面処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼に電解処
理を施すことにより、表面光沢を殆ど損なうことなく、
耐食性を大幅に向上させる表面処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】本発明は、電解処理によって、ステンレ
ス鋼の耐食性を向上させる方法に関するものであるが、
従来技術としては、フェライト系ステンレス鋼板BA材
を硝酸水溶液中で電解処理することによって、耐食性が
改善されることが例えば、特開昭59−6398号公
報、特公昭61−2760号公報に開示されている。ま
た、ステンレス鋼の表面に生成した着色皮膜もしくは、
無着色皮膜をクロム酸と硫酸とからなる水溶液中で陰極
電解処理し、表面皮膜の硬度及び耐食性を向上させる方
法が、特開昭46−7308号公報、特公昭53−31
817号公報に開示されている。
【0003】これらの方法の内、硝酸水溶液での電解処
理方法は、ある程度の耐食性の向上効果は得られるもの
の、大幅な耐食性向上効果は期待できない。また、特開
昭46−7308号公報、特公昭53−31817号公
報に開示される方法も耐食性向上効果は得られるもの
の、その程度では満足すべきものではなく、更に耐食性
の向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたもので、ステンレス鋼の表
面光沢を殆ど損なうことなく大幅に耐食性を向上させる
表面処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
ステンレス鋼を更に高耐食化するための表面処理につい
て、種々の研究を重ねた結果、ステンレス鋼をクロム酸
とリン酸から成る水溶液で第1処理として低電気量で陽
極電解処理を行った後、第2処理として陰極電解処理を
行うことにより、ステンレス鋼の表面光沢を殆ど損なう
ことなく、耐食性が大幅に向上するという知見を得た。
耐食性向上効果の機構の詳細については、不明である
が、クロム酸を含有する電解溶液中で陰極電解すること
により、金属クロムがステンレス鋼の表面に電着するた
めと推定される。また、金属クロムを電着するための電
解処理溶液としては、クロム酸と硫酸から成る水溶液で
も可能であるが、クロム酸とリン酸から成る水溶液の方
が陰極電解処理時の刺激臭の発生が殆どない上、耐食性
向上効果も良好であることも知見した。
【0006】即ち、本発明は、第1処理として、クロム
酸100〜400g/l、リン酸1〜5g/lを含有す
る水溶液で、電気量10〜50Asec/dm2 の陽極電解処
理を行った後、第2処理として、前記水溶液で電気量5
0〜300Asec/dm2 の陰極電解処理を行うことを特徴
とするステンレス鋼の表面処理方法を要旨とするもので
ある。
【0007】以下、本発明法について詳細に説明する。
本発明で処理する材料は、ステンレス鋼であれば良い
が、SUS304,SUS430等の比較的耐食性の低
い汎用鋼への適用が効果的である。次に、本発明条件の
限定理由について説明する。
【0008】本発明の電解処理に使用する水溶液のクロ
ム酸濃度は、100〜400g/lであるが、100g
/l未満では、耐食性向上に充分な表面皮膜を形成でき
ず、400g/lを超えると耐食性向上効果が飽和する
と共に、クロム酸の持ち出し量も多くなり、経済的でな
い。クロム酸の望ましい濃度範囲は200〜300g/
lである。リン酸濃度は、1〜5g/lであるが、1g
/l未満では、充分な防食効果が得られず、5g/lを
超えると耐食性向上効果が飽和すると共に、リン酸の持
ち出し量が多くなり経済的でなくなる。望ましい濃度範
囲は2〜3g/lである。
【0009】上記水溶液中で陽極電解処理を行う場合の
電気量を10〜50Asec/dm2 に限定した理由は、10
Asec/dm2 未満では、ステンレス鋼の表面に吸着してい
る汚れを効果的に除去できないため、第2処理における
金属クロムの電着による防食効果が得られず、また50
Asec/dm2 を超えると、ステンレス鋼素材の光沢低下を
生じるためである。望ましい電気量の範囲は30〜40
Asec/dm2 である。陽極電解処理後の陰極電解処理を行
う場合の電気量を50〜30Asec/dm2 に限定した理由
は、50Asec/dm2 未満では、防食効果を有する充分な
表面皮膜を形成できず、300Asec/dm2 を超えると、
防食効果が飽和すると共に、変色を生じるからである。
望ましい電気量の範囲は150〜200Asec/dm2 であ
る。陽極電解処理を行った後、陰極電解処理を行う理由
は、ステンレス鋼素材の表面を極く僅かに溶解し、表面
に吸着している汚れを効果的に除去し、陰極電解処理に
よる金属クロムの電着を均一化するためである。
【0010】本発明の電解処理溶液の温度は、常温程度
で充分であるが、40〜60℃に加温すればなお好まし
い。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。代表的なオ
ーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304の1mm
厚の2B製品ステンレス鋼板を被処理材として用いた。
本発明例及び比較例で得られた材料の製品特性を表1お
よび表2に示す。なお、処理溶液の温度は50℃一定で
行った。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表2の製品特性の評価方法および評価基準
は以下に示す方法によった。 (イ)孔食電位測定試験 JIS(G0577)法で規定される孔食電位測定法に
より試験を行った。測定電位(mV,vs SCE)を記載し
た。 (ロ)塩水噴霧試験8時間噴霧16時間休止の繰り返し
を10回行った。その他の方法はJIS(Z2371)
法に準拠した。 評価は○は発銹なし △は僅かに発銹 ×は激しく発銹によって評価した。
【0015】(ハ)表面光沢 表面処理後の鋼板の表面反射率により評価した。表面反
射率は、タングステンランプを光源とする直径1mmの光
束を入射角45度で試料面に照射し、その正反射光の強
度を銀蒸着の場合を100%として、表示したものであ
る。上記表面反射率と光沢ランクの関係は表3のとおり
である。
【0016】
【表3】
【0017】(ニ)色調 表面処理前後のステンレス鋼板表面を外観で評価した。 その評価は○は変化なし ×は黄色に変化を示すことによって評価した。
【0018】本発明法で電解処理したステンレス鋼板
は、耐食性(孔食電位測定結果、塩水噴霧試験結果)お
よび表面光沢に優れ、色調も変化しないことが判る。一
方、比較例の電解処理方法では、耐食性あるいは表面光
沢、色調または経済性のいずれかが劣っている。
【0019】なお、図1は耐銹性とクロム酸濃度、リン
酸濃度の関係を示す図である。この図1は前記実施例の
第1処理の電解電気量を10Asec/dm2 、第2処理を5
0Asec/dm2 とし、溶液温度を50℃とした場合の、前
記塩水噴霧試験の結果を示す。この図より、本発明範囲
では発銹はなく良好な結果を示すことがわかる。図2は
耐銹性と電解電気量の関係を示す図である。この図2は
前記実施例の処理溶液のクロム酸を100g/l、リン
酸を1g/lとし、溶液温度を50℃とした場合の、前
記塩水噴霧試験の結果を示す。この図より、本発明範囲
では発銹はなく良好な結果を示すことがわかる。
【0020】
【発明の効果】以上の如く、本発明法によれば、ステン
レス鋼板を電気化学的な表面処理を行うことにより、表
面光沢、色調を損なうことなく、耐食性が大幅に向上し
たステンレス鋼板を効率的に製造することができるの
で、工業的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐銹性とクロム酸濃度、リン酸濃度の関係を示
す図である。
【図2】耐銹性と電解電気量の関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1処理として、クロム酸100〜40
    0g/l、リン酸1〜5g/lを含む水溶液で、ステン
    レス鋼を電気量10〜50Asec/dm2 の陽極電解処理を
    行った後、第2処理として、前記水溶液で50〜300
    Asec/dm2 の陰極電解処理を行うことを特徴とするステ
    ンレス鋼の表面処理方法。
JP6021394A 1994-02-18 1994-02-18 ステンレス鋼の表面処理方法 Withdrawn JPH07228993A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106119907A (zh) * 2016-08-31 2016-11-16 柳州市金元机械制造有限公司 一种汽车不锈钢尾气装饰件的镀铬方法

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