JPH07228549A - 新規な4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents

新規な4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体及びその製造方法

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JPH07228549A
JPH07228549A JP2033994A JP2033994A JPH07228549A JP H07228549 A JPH07228549 A JP H07228549A JP 2033994 A JP2033994 A JP 2033994A JP 2033994 A JP2033994 A JP 2033994A JP H07228549 A JPH07228549 A JP H07228549A
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JP
Japan
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aryl
acid
derivative
compound
group
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JP2033994A
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English (en)
Inventor
Yukifumi Koseki
幸史 古関
Takashi Ebata
隆 恵畑
Hajime Matsushita
肇 松下
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】有用な医薬中間体である(2S,3S)−4−
アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体及びその製
造方法を提供する。 【構成】式(1)に示す光学活性化合物である(2S,
3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導
体。 (式中Qは水素原子、ニトロ、ハロゲン、NR
(R及びRは独立に、水素原子、アルキル、アシ
ル、アリールである。また、これらは一緒になって環を
形成していてもよい。)、又はOR(Rは水素原
子、アルキル、アシル、アリールである。)であり、R
はアミノ酸エステル若しくはアミノ酸からのアミノ、若
しくはNHR(Rは水素原子、アルキル、アリー
ル、アシルである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な4−アリール−
2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)及びその製造方
法に関する。また、本発明は、該酪酸誘導体(1)を用
いたベスタチン及びその誘導体(2)の製造方法に関す
る。更に本発明は、前記酪酸誘導体(1)の製造方法に
おける新規な中間体(7)に関する。
【0002】
【従来の技術】ベスタチン(2a)は、αアミノペプチ
ダーゼBの阻害剤(H. Umezawa, T. Aoyagi, H. Suda,
M. Hamada, T. Takeuti, J. Antibiot., 29, 97 及び10
0 (1976 );特開昭52116435)及びガン治療の
免疫療法剤(特開昭52117435)として公知の化
合物である。また、近年ロイコトリエンA水解酵素阻害
(L. Orinig, G.,Krivi, F. A. Fitzpatrick, J. Biol.
Chem., 266, 1375-1378(1991) )の活性があることも
報告されている。ペスタチンは、これらの酵素を阻害
し、ブラジキニンの生成を阻害することにより抗炎症作
用を有するとされている(特開昭52116435
号)。また、ベスタチンのフェニル基が、オルトクロ
ロ、パラクロロ、パラニトロ、パラアミノ、パラメチル
等で置換されたフェニル誘導体であるもの、或いはアミ
ノ酸が、セリン、メチオニン、アラニン、バリン、イソ
ロイシン等のロイシン以外のアミノ酸に置換されたもの
もαアミノペプチダーゼB、或いはロイシンアミノペプ
チダーゼに対してベスタチンと同様の活性があることが
知られている(R. Nishizawa, T. Saino, T. Takita,
H. Suda, T. Aoyagi, H. Umezawa, J. Med. Chem., 20,
510-515 (1977))。従って、ベスタチンと同等の阻害
活性を示すこれらの誘導体もまた有用であると考えられ
る。
【0003】このように、ベスタチン及びその誘導体
は、医薬の分野で重要であるので、その簡便な製造方法
と製造原料を提供することは、医薬の分野で重要である
ばかりでなく、医薬品の製造においても重要である。
【0004】
【化12】
【0005】上述のような活性を有するベスタチンの合
成法としては、以下のものが知られている。 (1)不飽和カルボン酸をエポキシ化又は水和し、次い
でアミノ基を導入する方法(K. Kato, T. Saino, R. Ni
shizawa, T. Takita, H. Umezawa, J. Chem. Soc., Per
kin I, 1980, 1618-1621)。 (2)D−フェニルアラニンを出発原料として、増炭反
応により炭素を1つ導入し、さらいロイシンと結合する
方法(R. Nishizawa, T. Saino, T. Takita, H.Suda.
T. Aoyagi, H. Umezawa, J. Med. Chem., 20, 510-515
(1977))。 (3)リンゴ酸を出発原料とし、これにフェニル基を導
入し、更にリンゴ酸のカルボキシル基に、Crutiu
s反応によってアミノ基を導入する方法(B. H.Norman,
M. L. Morris, Tetrahedron Lett., 33, 6803-6906 (1
992) )。 (4)光学活性な2,3−ジヒドロキシ−4−フェニル
酪酸をアジド化する方法(W. H. Pearson 及びJ. V. Hi
nes, J. Org. Chem., 54, 4235-4237 (1989))。 (5)D−フェニルアラニンを出発原料として、光学活
性なホモアリルアミンを得、更にヨウ素化体を経てベス
タチンを合成する方法(S. Kobayashi, T. Isobe, M. O
hno,Tetrahedron Lett., 44, 5079-5082 (1984) )。
【0006】第一の合成法においては、生成物はラセミ
体として得られる。ベスタチンの活性がアミノ基とヒド
ロキシル基の絶対配置に依存している(R. Umezawa, J.
Med. Chem., 20, 510-515 (1977) )ことが知られてい
るので、第一の方法では、光学分割をしなければならな
いという問題がある。また、目的のthreo体を得る
ためにはcisのオレフィンが必要であり、このものを
得るには更に困難が伴うという欠点もある。
【0007】第2の方法では、非天然型のアミノ酸を用
いる必要があり、この化合物の入手が困難であるという
欠点を有している。第3の方法では、爆発の危険がある
Crutius反応を使用しなければならないという欠
点がある。
【0008】第4の方法で、W. H. Pearson らは、キラ
ル化合物を使用してベスタチン誘導体を製造している。
この方法での光学誘導率は、キラル化合物を使用してい
るにもかかわらず、5.6:1と低いものであるため、
製造の効率が良くない。また、キラル化合物の入手にも
困難が伴うという欠点がある。
【0009】第5の方法でも、非天然型のアミノ酸を使
用するため、先の第2の方法で述べた欠点がある。ま
た、例えば上記第4の合成法で用いられているようなア
ジド化では、2,3−ジヒドロキシ−4−フェニル酪酸
の2つの水酸基の3位のみを位置選択的且つ立体選択的
にアジド基に変換することが必要である。一般に、アル
コールのアジド基への変換は、アジド基に置換する水酸
基にパラトルエンスルホニル基を導入し、その後金属ア
ジドを反応させることによって行われる。この方法で
は、複数の水酸基がある場合、パラトルエンスルホニル
基を目的の水酸基に選択的に導入することが必要である
が、通常何れかの水酸基に優先的にパラトルエンスルホ
ニル基を導入することは難しい。例えば、上記の2,3
−ジヒドロキシ−4−フェニル酪酸の場合は、反応性の
高い2位の水酸基に優先的にパラトルエンスルホニル基
が導入されてしまう(K. Kato, T. Saino, R. Nishizaw
a, T. Takita, H. Umezawa, J. Chem. Soc., Perkin I,
(1980) 1618-1621 )。従って、上記2,3−ジヒドロ
キシ−4−フェニル酪酸の3位の水酸基を選択的にアジ
ド化する方法の開発が待たれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点に
鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、医薬品
の製造に有用であり、且つベスタチン誘導体を合成する
ための重要な中間体である4−アリール−2,3−ジヒ
ドロキシ酪酸誘導体(1)を提供することにある。
【0011】また、本発明の第二の目的は、入手容易な
出発原料から、前記4−アリール−2,3−ジヒドロキ
シ酪酸誘導体(1)を製造するための方法を提供するこ
とにある。
【0012】更に、本発明の第3の目的は、前記4−ア
リール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)から、
ベスタチン及びその誘導体を調製するための方法を提供
することにある。
【0013】また、本発明の第4の目的は、前記4−ア
リール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)を製造
するための重要な中間体、(2S,3S)−4−アリー
ル−2,3−イソプロピリデンジオキシ酪酸(7)を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】ベスタチン誘導体は、種
々の薬理活性が期待でき医薬品として使用しうることも
期待される。しかし、ベスタチン誘導体を光学的に純粋
な形で得ることは非常に困難であった。本願発明者らは
入手容易な原料から必要な官能基を構築することを鋭意
研究した結果、安価なD−リボースから、ベスタチン誘
導体を調製するための重要な中間体である4−アリール
−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体を得ることに成功し
た。また、該4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸
誘導体の3位の水酸基のみをアジド基に位置選択的且つ
立体選択的に置換する方法を確立することに成功し、本
発明を完成するに至った。
【0015】従って、本発明の目的は、以下に示す(2
S,3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸
誘導体(1)の製造方法、及び該酪酸誘導体(1)を用
いたベスタチン及びその誘導体の製造方法によって達成
される。また、本発明は該方法で製造される(2S,3
S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体
(1)及び(2S,3S)−4−アリール−2,3−置
換ジオキシ酪酸(7)に関する。
【0016】従って、本発明の一側面は、以下の(a)
から(f)の工程を具備する、新規な光学活性化合物
(2S,3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ
酪酸誘導体(1)を製造するための方法である。
【0017】(a)下記化13に示す、2,3−イソプ
ロピリデン−D−リボフラノース(3)の1位にアリー
ル基を導入し、(2R,3R,4S)−5−アリール−
3,5−ジヒドロキシ−3,4−イソプロピリデンジオ
キシペンタン−1−オール(4)を得る工程;
【0018】
【化13】
【0019】但し、式中Qは水素原子、ニトロ、ハロゲ
ン、NR12 (R1 及びR2は独立に、水素原子、ア
ルキル、アシル、アリールである。また、これらは一緒
になって環を形成していてもよい。)、又はOR3 (R
3 は水素原子、アルキル、アシル、アリールである。)
であり、Rはアミノ酸若しくはアミノ酸エステルからの
アミノ、若しくはNHR4 (R4 は水素原子、アルキ
ル、アリール、アシルである。)である。X’はハロゲ
ン原子である。
【0020】(b)下記化14に示すように、前記(2
R,3R,4S)−5−アリール−3,5−ジヒドロキ
シ−3,4−イソプロピリデンジオキシペンタン−1−
オール(4)の1,2−ジオール部を酸化的に切断し、
(3R,4S)−5−アリール−2−ヒドロキシ−3,
4−イソプロピリデンジオキシテトラヒドロフラン
(5)を得る工程;
【0021】
【化14】 但し、Qは先に定義したとおりである。
【0022】(c)下記化15に示すように、前記(3
R,4S)−5−アリール−2−ヒドロキシ−3,4−
イソプロピリデンジオキシテトラヒドロフラン(5)の
2位水酸基を酸化して(2S,3S)−4−アリール−
2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−ブタノリド
(6)を得る工程;
【0023】
【化15】 但し、Qは先に定義したとおりである。
【0024】(d)下記化16に示すように、前記(2
S,3S)−4−アリール−2,3−イソプロピリデン
ジオキシ−4−ブタノリド(6)を還元的に開環し、
(2S,3S)−4−アリール−2,3−イソプロピリ
デンジオキシ酪酸(7a)を得る工程;
【0025】
【化16】 但し、Qは先に定義したとおりである。
【0026】(e)下記化17に示すように、前記(2
S,3S)−4−アリール−2,3−イソプロピリデン
ジオキシ酪酸(7a)をアミノ化合物と反応し、アミド
誘導体(8)を得る工程;
【0027】
【化17】
【0028】但し、Q及びRは先に定義したとおりであ
る。 (f)下記化18に示すように、前記アミド誘導体
(8)を脱保護し、(2S,3S)−4−アリール−
2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)を得る工程。
【0029】
【化18】
【0030】但し、Q及びRは先に定義したとおりであ
る。また、本発明の一側面は以下の工程(g)及び
(h)に示すベスタチンの誘導体の製造方法である。
【0031】(g)下記化19に示す、(2S,3S)
−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体
(1)の3位に立体選択的及び位置選択的にアジド基を
導入することにより、(2S,3R)−4−アリール−
3−アジド−2−ヒドロキ酪酸のアミド誘導体(9)を
得る工程;
【0032】
【化19】 但し、Q及びRは先に定義したとおりであり、Xはリチ
ウム若しくはナトリウムである。
【0033】(h)下記化20に示すように、前記(2
S,3R)−4−アリール−3−アジド−2−ヒドロキ
酪酸のアミド誘導体(9)のアジド基を還元し、ベスタ
チン誘導体(2)を得る工程。
【0034】
【化20】 但し、Q及びRは先に定義したとおりである。
【0035】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、アルキルは、炭素数1から10、好ましくは1
から4の直鎖、分岐、又は環状の飽和若しくは不飽和の
炭化水素を意味する。
【0036】また、アリールは、炭素数6から12、好
ましくは6から8の芳香族炭化水素を意味し、これらは
置換基を有していても、またいなくてもよい。アルコキ
シは、炭素数1から10、好ましくは1から4の直鎖、
分岐、又は環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素を含有
するアルキルオキシ基を意味する。
【0037】アルコキシアルキルは、炭素数2から1
2、好ましくは2から8の直鎖、分岐、又は環状の飽和
若しくは不飽和のアルコキシアルキル基を意味する。ア
リールオキシは、炭素数6から12、好ましくは6から
8の無置換若しくは置換芳香族炭化水素を含有するアリ
ールオキシ基を意味する。
【0038】アシルは、炭素数1から10、好ましくは
2から8のアルキル、又はアリールカルボニル基を意味
する(アルキル及びアリールは上記と同じ意味であ
る。)。アミノは、NR12 (R1 、R2 は独立に、
水素原子、アルキル、アシル、アリールである。また、
これらは一緒になって環を形成していてもよい。)で表
されるアミノ基、又はアミノ酸若しくはアミノ酸エステ
ルからのアミノ基を意味する。ここで、アミノ酸若しく
はアミノ酸エステルからのアミノ基とは、アミノ酸若し
くはアミノ酸エステルの窒素原子上の水素原子を1つ取
り除いたアミノ基をいう。
【0039】一緒になって環を形成するとは、上記置換
基が二価基となって互いに結合し、置換基の結合した原
子と共に環を形成することを意味し、形成された環は、
アルキル、アリールで置換されていてもよい。また、形
成される環は、置換基を含めて炭素数が1から20であ
り、好ましくは1から7である。
【0040】更に、ハロゲンとは、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。本発明におい
て、エーテル系溶媒とは、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等をいう。
【0041】炭化水素系溶媒とは、石油エーテル、ベン
ゼン、トルエン等をいう。ハロゲン系溶媒とは、四塩化
炭素、クロロホルム、塩化メチレン等をいう。アルコー
ル系溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等をいう。
【0042】エステル系溶媒とは、酢酸メチル、酢酸エ
チル等をいう。更に、極性溶媒とはジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリック
トリアミド(HMPA)等をいう。
【0043】本発明の化合物(2S,3S)−4−アリ
ール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)について
説明する。化合物(1)においては、アリール基はフェ
ニル誘導体である。これは、化合物(1)が本発明の一
側面であるベスタチン誘導体の製造方法の重要な中間体
であること、及び該ベスタチン誘導体の医薬品への応用
という見地に基くものである。具体的には、フェニル
基、ハロゲン化フェニル基、アルキルフェニル基、ヒド
ロキシルフェニル基、アルコキシフェニル基、アリール
オキシフェニル基、ニトロフェニル基、無置換又はアミ
ノ基が1若しくは2置換されたアミノフェニル基、アシ
ルオキシフェニル基等を挙げることができる。フェニル
基が置換基を有する場合は、1置換体でも多置換体でも
よいが、好ましくは1置換体である。本発明において、
好ましいアリール基はフェニル基、ヨードフェニル基、
アセチルアミノフェニル基である。
【0044】また、化合物(1)において、R基はアミ
ノ基である。この理由は、先にアリール基のところで述
べた理由と同様である。アミノ基は、無置換であって
も、置換されていてもよい。R基としては、例えば、N
2 、アルキルアミノ基、アルキル若しくはアリールカ
ルボニルアミノ基、セリン、ロイシン、バリン、イソロ
イシン、アラニン、メチオン、プロリン等のアミノ酸か
らのアミノ基、または、前記アミノ酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、ベンジルエステル等のアミノ酸エ
ステルからのアミノ基を挙げることができる。本発明で
は、アミノ酸若しくはアミノ酸エステルからのアミノ基
が好ましく、L−ロイシン又はこのエチルエステル若し
くはベンジルエステルからのアミノ基が特に好ましい。
【0045】次に、本発明の化合物(2S,3S)−4
−アリール−2,3−イソプロピリデンジオキシ酪酸
(7)について説明する。化合物(7)は、前記化合物
(1)の製造方法の主要な中間体である。従って、化合
物(7)のアリール基には、先に化合物(1)で述べた
フェニル誘導体がそのまま当てはまる。
【0046】次に、本発明の(2S,3S)−4−アリ
ール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)の製造方
法について説明する。出発原料である2,3−イソプロ
ピリデン−D−リボフラノース(3)は、D−リボース
とアセトンを反応し、化合物(3)の2及び3位の水酸
基を保護することによって得ることができる(P. A. Le
vene及びT. Stiller, J. Biol. Chem., 102, 187-201
(1933) )。
【0047】工程(a)は、2,3−イソプロピリデン
−D−リボフラノース(3)の1位にアリール基を導入
し、(2R,3R,4S)−5−アリール−2,5−イ
ソプロピリデンジオキシペンタン−1−オール(4)を
得る工程である。この反応は、例えば、金属アリール基
を2,3−イソプロピリデン−D−リボフラノース
(3)と反応することにより行われる。
【0048】この反応で用いることができる金属アリー
ル化合物には、例えば、ArMgX’(但し、X’はハ
ロゲン原子を表す)で表されるアリールマグネシウム塩
(グリニヤール試薬)、ArX(但し、XはLi、N
a、K等のアルカリ金属を表す)で表されるアルカリ金
属アリール化合物等がある。本発明では、いずれの金属
アリール化合物を用いることもできるが、調製の容易さ
からグリニヤール試薬を用いることが好ましい。上記金
属アリール化合物のアリール基(Ar)は、特に限定さ
れないが、本製造方法の最終生成物(1)の有用性を考
慮すると、フェニル誘導体が好ましい。本工程に適した
フェニル誘導体は、例えば、上記金属アリール化合物の
調製が可能な、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、ヒ
ドロキシルフェニル基、アルキルフェニル基、アルコキ
シフェニル基等がある。フェニル基が置換基を有する場
合は、1置換体でも多置換体でもよいが、好ましくは1
置換体である。また、置換フェニル基は、本工程でフェ
ニル記を導入しておき、後の工程(d)で得られる化合
物(7a)、若しくは工程(f)で得られる化合物
(1)において所望の置換基を導入することによって得
ることもできる。
【0049】本工程で用いることができる溶媒は、金属
アリール化合物と反応しないものであれば特に限定され
ない。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチ
ルエーテル、又はジオキサンのようなエーテル系化合
物、ベンゼン等の炭化水素化合物を用いることができ
る。好ましくはTHFを用いる。
【0050】本工程の反応は、−40℃から50℃の反
応温度で好適に行いうるが、−5℃から5℃の範囲で行
うことが好ましい。また、反応時間は、1時間から24
時間が好適である。
【0051】本反応のような環状化合物と金属アリール
化合物の反応では、アリール基が、リボースの環の上下
両方からリボースの1位を攻撃しうる(下記化21にお
いて、上側からの攻撃はAの経路で、下側からの攻撃は
Bの経路で表した)。本反応のような場合には、アリー
ル基の攻撃はリボースの上側から優先して起ると考えら
れる(K. Koseki, T. Ebata, T. Kadokura, H. Kawakam
i, M. Ono, H. Matsushita, Tetrahedron, 49, 5961-59
68 (1993) )。
【0052】
【化21】
【0053】但し、Q及びXは先に定義したとおりであ
る。ここで得られる両立体異性体は、工程(b)又は工
程(c)で分離することができるが、本発明において
は、工程(d)でどちらの異性体を用いても同一の化合
物が得られるので、特に両異性体を分離する必要はな
い。
【0054】工程(b)は、(3R,4S)−5−アリ
ール−2−ヒドロキシ−3,4−イソプロピリデンジオ
キシテトラヒドロフラン(5)を調製する工程である。
本工程の反応は、前記工程(a)で得られた化合物
(4)を酸化剤と処理することによって行われる。酸化
剤としては、1,2−ジオールの炭素−炭素結合を切断
することができるものであれば特に限定されないが、過
ヨウ素酸ナトリウム、クロム酸、又は四酢酸鉛等を好適
に用いることができる。本反応においては、過ヨウ素酸
ナトリウムが好ましい。
【0055】本反応の溶媒は、特に限定されるものでは
ないが、THF、ジエチルエーテルのようなエーテル系
溶媒、メタノール、エタノールのようなアルコール系溶
媒、又は石油エーテルのような炭化水素系溶媒を好適に
用いることができる。特に好ましくは、ジエチルエーテ
ルが用いられる。
【0056】反応温度は−30℃から50℃が好まし
く、5から25℃付近が最も好ましい。また、反応は1
時間から24時間の範囲で行うことができる。
【0057】工程(c)は、(2S,3R)−5−アリ
ール−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−ブタノ
リド(6)を得る工程である。本工程の反応は、上記工
程(b)で得られた化合物(5)の2位を酸化すること
によって行う。本工程の酸化反応は、2位の水酸基をケ
トンに変換できるものであれば特に限定されない。例え
ば、化合物(5)にジョーンズ試薬(A. Bowers, T. G.
Halsall, E. R. H. Jones, A. J. Lemin, J. Chem. So
c., (1953) 2548 )を作用させることによって本反応を
行うことができる。更に、本工程の酸化反応に使用しう
る他の酸化剤としては、炭酸銀、酸化銀、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)と無水酢酸の組み合わせ等が挙げ
られる。
【0058】反応の溶媒は、使用する酸化剤に適した溶
媒を用いればよいが、例えば上記ジョーンズ試薬を用い
る場合は、アセトン等を好適に用いることができ、炭酸
銀、酸化銀等ではベンゼン等を好適に用いることができ
る。
【0059】また、反応温度及び反応時間も酸化剤に応
じて適宜選択すればよいが、一般には、−25から50
℃で0.1から48時間反応する。具体的には、例えば
上記ジョーンズ試薬の場合、−10℃から10℃好まし
くは0から5℃で、0.1から0.5時間反応させるこ
とが好ましい。
【0060】工程(d)は、上記工程(c)で得られた
化合物(6)を還元的に開環し、(2S,3S)−4−
アリール−2,3−イソプロピリデンジオキシ酪酸(7
a)を得る工程である。本反応は、化合物(6)を適切
な溶媒に溶解し、水素雰囲気下においてパラジウム等の
金属触媒の存在下で行われる。本反応に用いられる触媒
には、パラジウム−炭素等のパラジウム系触媒、酸化白
金等の白金系触媒を例として挙げることができる。
【0061】反応の溶媒は、通常の触媒水素化反応にお
いて使用されるものであれば特に限定されない。例え
ば、メタノール、エタノールのようなアルコール系溶
媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒を用いることができ
る。
【0062】水素の圧力は、1から100気圧、好まし
くは1から10気圧である。反応温度は−10℃から7
0℃を好適に用いることができ、また反応時間は、1か
ら30時間が好ましい。
【0063】本反応で得られた化合物(7a)は、アリ
ール基に容易に種々の置換基を導入することができる。
例えば、アリール基がフェニル基の場合、該フェニル基
上に種々の置換基を導入でき、置換フェニル基とするこ
とが可能である。
【0064】例えば、ニトロ基を導入したい場合は、強
酸性条件以外の一般的に用いられるニトロ化を行なえば
よい。例えば、無水酢酸及び発煙硝酸を用いるニトロ化
を好適に用いることができる。
【0065】また、アミノ基を導入したい場合は、前記
ニトロフェニル基のニトロ基を、還元しアミノ基へ変換
すればよい。この還元反応には、接触還元、亜鉛及び酢
酸による還元等が挙げられる。該接触還元は、パラジウ
ム−炭素等のパラジウム系触媒の存在下で水素を作用さ
せることよって行うことができる。
【0066】更に、ハロゲン原子を導入したい場合は、
前記アミノフェニル基のアミノ基を亜硝酸ナトリウム等
によりジアゾニウム塩に変換し、更にジアゾニウム塩を
ハロゲン原子に変換すればよい。また、水酸基等の置換
基も同様にしてフェニル基に導入することができる。
【0067】また、アルキル基又はアシル基を導入する
場合は、例えば、Friedl−Crafts反応を用
いればよい。上記の各反応の条件としては、例えば第4
版実験化学講座19〜26巻、日本化学会編、丸善株式
会社、1991年に記載されている条件を用いることが
できる。
【0068】加えて、本工程の化合物(7a)は、下記
化22に示すように、カルボキシル基をジアゾメタン等
でエステルに変換した後、イソプロピリデン基をトリフ
ルオロ酢酸水溶液のような酸で処理し、脱保護し、更に
3位の水酸基を選択的にアジド化して(7”)のような
化合物に導くこともできる。アジド化の反応は、例え
ば、後述するベスタチン誘導体の製造方法において用い
られるアジド化を好適に使用しうる。
【0069】
【化22】
【0070】但し、Qは先に定義したとおりである。工
程(e)は、上記工程(d)で得られた化合物(7a)
のカルボキシル基をアミド基に変換する工程である。
【0071】本行程は、化合物(7a)を一般的な脱水
縮合剤の存在下でアミノ化合物と反応することによって
行う。本工程のアミノ化合物(RH)は、無置換であっ
てもよく、また置換されていてもよい。ここで、アミノ
化合物のR基は、NH2 、アルキルアミノ基、アルキル
若しくはアリールカルボニルアミノ基、セリン、ロイシ
ン、バリン、イソロイシン、アラニン、メチオン、プロ
リン等のアミノ酸からのアミノ基、または、前記アミノ
酸のメチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステ
ル等のアミノ酸エステルからのアミノ基を挙げることが
できる。本発明では、アミノ酸若しくはアミノ酸エステ
ルからのアミノ基が好ましく、特にL−ロイシン又はこ
のエチルエステル若しくはベンジルエステルからのアミ
ノ基が好ましい。
【0072】脱水縮合剤には、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI)、
1,1’−カルボニルイミダゾール、若しくはクロル炭
酸エステルのようなものが好適であり、特にWSCIが
好ましい。溶媒は、アプロチックなものが好ましい。具
体的には、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化
溶媒が好適である。
【0073】反応温度及び反応時間は、−10℃から5
0℃、好ましくは0から5℃で、1から24時間、好ま
しくは1から5時間である。本工程で得られる化合物
(1)は、アリール基に容易に種々の置換基を導入する
ことができる。例えば、アリール基がフェニル基の場
合、該フェニル基上に種々の置換基を導入できる。種々
の置換基は、先の工程(d)で説明したのと同様な方法
で導入することができる。
【0074】工程(f)は、前記工程(e)で得られた
化合物(8)を加水分解して(2S,3S)−2,3−
ジヒトロキシ酪酸誘導体(1)を得る工程である。本工
程の反応は、化合物(8)を一般的な酸の水溶液で処理
することによって行われる。本反応に使用し得る酸は特
に限定されないが、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、過
塩素酸等が好適である。特にトリフルオロ酢酸が好まし
い。反応温度は、使用する酸によって異なるが、−10
℃から60℃が好ましい。90%トリフルオロ酢酸水溶
液では、5℃から10℃が好適である。反応時間も使用
する酸によって異なるが、1から10時間が好ましい。
【0075】本工程で得られる化合物(1)は、アリー
ル基に容易に種々の置換基を導入することができる。例
えば、アリール基がフェニル基の場合、該フェニル基上
に種々の置換基を導入できる。種々の置換基は、先の工
程(d)で説明したのと同様な方法で導入することがで
きる。
【0076】上述の製造方法で得られる化合物(1)
は、ベスタチン誘導体を製造するための重要な中間体化
合物である。次に、ベスタチン誘導体の製造方法につい
て説明する。
【0077】工程(g)は、上記の製造方法で得られた
(2S,3S)−2,3−ジヒトロキシ酪酸誘導体
(1)の3位の水酸基を選択的にアジド基に変換する工
程である。
【0078】本工程は、第一に適切な溶媒に溶解した化
合物(1)を水酸基の活性化剤と反応させ、得られた活
性化体を極性溶媒中でアジド化することによって行われ
る。第一段階の水酸基の活性化において、活性化剤とし
ては、例えば1−メチル−2−フルオロピリジン パラ
トルエンスルホン酸塩、3−エチル−2−フルオロベン
ゾチアゾリウムテトラフルオロボレート、ジエチルアゾ
カルボン酸、トリフルオロメタンスルホン酸クロリド、
トリフルオロメタンスルホン酸無水物、パラトルエンス
ルホン酸クロリド、パラトルエンスルホン酸無水物、ジ
フェニルリン酸アジド等を挙げることができる。本工程
において特に好ましいのは、1−メチル−2−フルオロ
ピリジン パラトルエンスルホン酸塩である。
【0079】この活性化反応に用いることができる溶媒
には、例えばクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン
化溶媒、THF等のエーテル系溶媒、ベンゼン等の炭化
水素系溶媒があるが、クロロホルムのようなハロゲン化
溶媒が好ましい。反応温度は−30℃から60℃が好ま
しく、20℃が特に好ましい。反応時間は、5分から2
4時間が好ましく、1時間から2時間が特に好ましい。
得られた活性化体は単離してもよいが、そのまま次のア
ジド化反応に使用することができる。
【0080】次に得られた活性化体をアジド化する。ア
ジド化剤にはナトリウムアジド、リチウムアジド等のア
ルカリ金属アジドを用いることができる。本反応ではリ
チウムアジドが好ましい。
【0081】このアジド化に用いる極性溶媒には、例え
ばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチルホスホリックトリアミド(HMPA)がある。
本反応ではHMPAが特に好ましい。好ましい反応温度
は、30℃から130℃の範囲であり、特に好ましくは
70℃から80℃である。アジド化の反応時間は10分
から24時間、好ましくは、1から2時間である。
【0082】本工程のアジド化は、化合物(1)のアリ
ール基及びR基が、それぞれ先に例示した種々の置換フ
ェニル、及び種々のアミノ基であっても適用することが
可能であり、種々のベスタチン誘導体の前駆体[化合物
(9)]を調製する有効な方法である。
【0083】工程(h)は、上記工程(g)で得られた
化合物(9)を必要に応じて脱保護し、次いでアジド基
を還元することによって、ベスタチン誘導体(2)を製
造する工程である。この工程では、還元反応は、アジド
基をアミノ基に変換することができるものであれば特に
限定されないが、接触還元等の既存の方法(W. H. Pear
son 及びJ. Hines, J. Org. Chem., 54, 4235-4237 (19
89) )を用いることができる。接触還元の反応条件に
は、先述した工程(d)の接触水素化の条件がそのまま
当てはまる。
【0084】また、接触還元以外の方法としては、化合
物(9)をピリジン−水−トリエチルアミン等の溶媒に
溶解し、硫化水素を作用させることによって、アジド基
を還元することもできる。
【0085】本工程では、還元の前に脱保護が必要な場
合がある。脱保護の必要な場合としては、例えば、前記
化合物(9)のR基がアミノ酸エステル、特にアルキル
エステルからのアミノ基である場合である。このエステ
ルの脱保護は、化合物(9)をメタノール、エタノール
等のアルコールに溶解し、これに水酸化ナトリウム水溶
液等の塩基を作用させることによって行われる。このよ
うにして得られた化合物のアジト基を還元し目的のベス
タチン誘導体(2)を得ることができる。
【0086】
【実施例】以下の実施例において、IRスペクトルは、
JASCO FTIR/5000により、また、NMR
はBruker AC−300P( 1H=300.13
MHz、13C=75.50MHz)により測定した。N
MRスペクトルにおいて、ケミカルシフトの算出には、
1H−NMRスペクトルについてはテトラメチルシラン
を内部標準に使用し、13C−NMRではCD3 COOD
(20.0ppm:メチル炭素のシグナル)及びCDC
3 (77ppm)を使用した。また、特に断わらない
限り重クロロホルムを溶媒に使用した。旋光度は、JA
SCO DIP−370を使用して測定した。更に、融
点は、YANACOマイクロ融点測定器を用いて測定
し、補正は行わなかった。
【0087】実施例1 以下に、本発明の一態様である(2S,3S)−2,3
−イソプロピリデンジオキシ−4−フェニル酪酸誘導体
(1a;Q=H)の製造方法について説明する。
【0088】工程(a):THF120mlに2,3−イ
ソプロピリデンジオキシ−D−リボフラノース(3)1
5.0gを溶解し、冷却した。これを撹拌しながら、市
販のフェニルマグネシウムブロミドの2M溶液を138
ml滴下した。反応液の温度は滴下の1/3程度までは2
0℃以下で行い、その後は、5℃以下で行った。滴下終
了後、5℃で1時間撹拌し、更に室温で1時間半撹拌し
た。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に加え、分
液した。水層をエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、濃縮した。得られた粗(2R,3R,
4S)−2,5−ジヒドロキシ−3,4−イソプロピリ
デンジオキシ−5−フェニルペンタン−1−オール(4
a)は、精製せず、次の反応に用いた。
【0089】工程(b) 上記工程(a)で得られた粗製の(2R,3R,4S)
−2,5−ジヒドロキシ−3,5−イソプロピリデンジ
オキシ−5−フェニルペンタン−1−オール(4a)を
エーテル100mlに溶解した。この溶液に10%の過ヨ
ウ素酸ナトリウム水溶液200mlを加え、室温下で2時
間撹拌した。有機層と水層を分離し、水層をエーテルで
抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、濃縮して、粗製の(3R,4S)−2−ヒド
ロキシ−3,4−イソプロピリデンジオキシ−5−フェ
ニルテトラヒドロフラン(5a)を3.14g得た。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグイフィー(シリカゲル
300g;溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で
分画精製した。得られた画分は、2位の水酸基の立体化
学が異なる化合物の2:1混合物(5a’:7.7g )
と、該ヘミアセタールとは5位のフェニル基の立体化学
が異なると思われる化合物(5a”:0.77g ;細か
い針状晶)であった。
【0090】物性値 化合物(5a’) 比旋光度:[α]D 26 −30.2゜(c 0.32
1、CHCl3 ) IR:νmax (cm-1);3434(br)、2990、
2942、1497、1456、1379、1214、
1160、10791 H−NMR(δ):1.36(3H,s)、1.54
(3H,s)、2.74(1H,d,J=3.5H
z)、4.65(1H,d,J=6.1Hz)、4.9
1(1H,dd,J=2.2,8.3Hz)、5.26
(1H,d,J=2.2Hz)、5.63(1H,d,
J=3.5Hz)、7.25〜7.41(5H,m) 化合物(5a”) 融点:87.0〜87.5℃(無色針状晶) 比旋光度:[α]D 26 −49.2゜(c 0.30
3、CHCl3 ) IR:νmax (cm-1);3364(br)、2982
(m)、1456(m)、1379(m)、1212
(s)、1160(m)、1089(s)、1065
(s)、1011(s)1 H−NMR(δ):1.27(3H,s)、1.45
(3H,s)、2.61(1H,d,J=2.4H
z)、4.73(1H,d,J=5.8Hz)、4.8
5(1H,dd,J=2.6,9.4Hz)、5.27
(1H,d,J=3.7Hz)、5.55(1H,d,
J=2.3Hz)、7.26〜7.41(5H,m) 工程(c) 工程(b)で得られた(3R,4S)−2−ヒドロキシ
−3,4−イソプロピリデンジオキシ−5−フェニルテ
トラヒドロフラン(5a’)(10.6g;44.9mm
ol)をアセトンに溶解し、氷冷下でジョーンズ試薬を2
0ml加えた。反応を追跡し、化合物(5a’)が消失し
たところで、イソプロピルアルコールを加え、過剰のジ
ョーンズ試薬を分解した。生じた固形物を濾別し、瀘液
に重曹を加え、溶液を弱アルカリ性にした。この混合物
を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。この溶液を水及
び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:ヘキサン;酢酸エチル=8:2)で精製
し、(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオキ
シ−4−フェニル−4−ブタノリド(6a)を5.53
g(53%)得た。このものをヘキサン−クロロホルム
混合溶媒から再結晶し、単一の立体異性体として(6
a)を得た。
【0091】物性値 融点:100〜100.5℃ 比旋光度:[α]D 27 54゜(c 0.313、CH
Cl31 H−NMR(δ):1.40(3H,s)、1.56
(3H,s)、4.72(1H,d,J=5.4H
z)、4.38(1H,d,J=5.4Hz)、5.6
3(1H,s)、7.20〜7.50(5H,m) 工程(d) 先の工程(c)で得られた(2S,3S)−2,3−イ
ソプロピリデンジオキシ−4−フェニル−4−ブタノリ
ド(6a)(5.45g;23.3mmol)メタノール5
0mlに溶解し、5%パラジウム−活性炭500mgを加
え、水素雰囲気下で撹拌した。反応を追跡し、化合物
(6a)が消失したところで触媒をセライトを通して濾
過した。瀘液を濃縮し、(2S,3S)−2,3−イソ
プロピリデンジオキシ−4−フェニル酪酸(7b)を
5.34g(収率91.7%)得た。機器分析用の純粋
なサンプルを得るために、前記(7b)の一部をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢
酸エチル=9:1から0:10)で精製した。
【0092】物性値 比旋光度:[α]D 26 −49.9゜(c 1.74、
CHCl31 H−NMR(δ):1.36(3H,s)、1.64
(3H,s)、2.74(1H,dd,J=9.5,1
4.3Hz)、3.05(1H,dd,J=2.9,1
3.8Hz)、4.65(1H,ddd,J=3.0,
7.1,9.5Hz)、4.68(1H,d,J=7.
1Hz) 工程(e) 先の工程(d)で得られた(2S,3S)−2,3−イ
ソプロピリデンジオキシ−4−フェニル酪酸(7b)
(1.62g;6.86mmol)及びL−ロイシンベンジ
ルエステル(1.67g;7.55mmol)を無水塩化メ
チレン15mlに溶解し、氷冷した。この溶液に1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩(WSCI)(1.44g;7.55mmol)を
加え、2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加
え、この溶液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン:酢酸エチル=
4:1から2:1)で精製し、N−[(2S,3S)−
2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−フェニルブタ
ノイル]−L−ロイシンベンジルエステル(8a)
(2.49g;収率82.7%)を油状物として得た。
【0093】物性値 比旋光度:[α]D 25 −67.1゜(c 0.21
6、CHCl3 ) IR:νmax (cm-1);3416(m)、2931
(s)、1742(s)、1686(s)、1500
(s)、1375(s)、750(s)1 H−NMR(δ):0.95(6H,d,J=5.7
Hz)、1.35、1.60(3H,s)、1.69
(3H,m)、2.52(1H,m)、3.09(1
H,d,J=14.5Hz)、4.66(2H)、4.
72(1H,m)、5.18(2H,m)、7.09
(1H,d,J=8.5Hz)、7.30(10H,
m) 先の工程(d)で得られた(2S,3S)−2,3−イ
ソプロピリデンジオキシ−4−フェニル酪酸(7b)
(574mg)、L−ロイシンエチルエステル塩酸塩(5
24mg)、WSCI(559mg)、トリエチルアミン
(407μl)及び無水塩化メチレン7mlを用いて上記
と同様にして、N−[(2S,3S)−2,3−イソプ
ロピリデンジオキシ−4−フェニルブタノイル)−L−
ロイシンエチルエステル(8b;0.596g、収率6
5%)を得た。
【0094】
【化23】
【0095】1H−NMR(δ):0.97(6H,
d,J=6.1Hz)、1.30(3H,t ,J =7.
1Hz)、1.35、1.62(3H,s)、2.50
〜2.62(2H,m)、3.10(1H,d,J=
5.8Hz)、4.25(2H、q,J=7.2H
z)、4.55〜4.60(3H,m)、7.07(1
H,d,J=8.5Hz)、7.20〜7.45(5
H) 工程(f) 先の工程(e)で得られたN−[(2S,3S)−2,
3−イソプロピリデンジオキシ−4−フェニルブタノイ
ル]−L−ロイシンベンジルエステル(8a)(2.3
2g;5.28mmol)をトリフルオロ酢酸−水(9:
1)混合物60mlに溶解し、氷冷下で30分撹拌した。
反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣に重曹水を加え、混
合物を弱アルカリ性にした。この溶液を酢酸エチルで抽
出し、有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、濃縮して、N−[(2S,3S)
−2,3−ジヒドロキシ−4−フェニルブタノイル]−
L−ロイシンベンジルエステル(1a)を粗製生物
(2.6g)として得た。この粗製生物をヘキサン−ク
ロロホルム(50ml:4ml)から再結晶し、純粋な化合
物(1a)を非常に細かい針状結晶として得た。
【0096】物性値 融点:70〜72℃ 比旋光度:[α]D 27 −28.3゜(c 1.14、
CHCl3 ) IR:νmax (cm-1);3576(m)、3324(b
rs)、3066(w)、2960(m)、2906
(w)、2872(w)、1740(s)、1657
(s)、1545(m)、746(m)、696(m)1 H−NMR(δ):0.90、0.91(3H,d,
J=6.1Hz)、1.53〜1.70(3H,m)、
2.75(1H,dd,J=9.0、13.8Hz)、
3.09(1H,dd,J=2.9,13.8Hz)、
3.89(1H,ddd,J=3.0,7.4,10.
3Hz)、3.98(1H,d,J=7.4Hz)、
4.68(1H,m)、5.10、5.17(1H,
d,J=12.2Hz)、7.08(1H,d,J=
8.7Hz)、7.23〜7.36(10H,m) 実施例2 以下に(2S,3S)−4−置換フェニル−2,3−ジ
ヒドロキシ酪酸誘導体(1)の製造例を示す。 [原料合成]
【0097】
【化24】
【0098】N−[(2S,3S)−2,3−イソプロ
ピリデンジオキシ−4−フェニルブタノイル]−L−ロ
イシンエチルエステル(8b)(219mg)を無水酢酸
2mlに溶解し、0℃で冷却しながら無水酢酸と発煙硫酸
(10:6)の混合物(2ml)を加えた。反応混合物を
1.5時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、溶液をアルカリ性にした。この溶液をクロロホルム
で抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘ
キサン:酢酸エチル=10:1から4:1)で精製し、
N−[(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオ
キシ−4−(2’−ニトロフェニルブタノイル)]−L
−ロイシンエチルエステル(8c)及びN−[(2S,
3S)−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−
(4’−ニトロフェニルブタノイル)]−L−ロイシン
エチルエステル(8d)の混合物(181mg)を得た。
【0099】得られた(8c)及び(8d)の混合物を
酢酸エチル(2ml)に溶解し、5%Pd−C(20mg)
を加え、常圧の水素雰囲気下において室温で撹拌した。
反応が終了した後、固形物を濾過し、濾液を濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、
ヘキサン:酢酸エチル=5:1から1:1)で精製し、
N−[(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオ
キシ−4−(2’−アミノフェニルブタノイル)]−L
−ロイシンエチルエステル(8f)(48mg)及びN−
[(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオキシ
−4−(4’−アミノフェニルブタノイル)]−L−ロ
イシンエチルエステル(8e)(70mg)を得た。
【0100】物性値 (8e): 1H−NMR(δ):0.95(6H,
d,J=6.0Hz)、1.29(3H,t,J=7.
2Hz)、1.33、1.61(3H,s)、1.55
〜1.75(3H)、2.44(1H,dd,J=9.
5、14.0Hz)、2.96(1H,dd,J=1.
6、14.0Hz)、3.58(2H,br)、4.2
0(2H,q,J=7.2Hz)、4.50〜4.65
(3H)、6.62(2H,d,J=8.4Hz)、
7.04(2H,dd,J =8.4Hz) (8f): 1H−NMR(δ):0.96(6H,
d,J=6.1Hz)、1.29(3H,t,J=7.
1Hz)、1.29、1.33(3H,s)、1.60
〜1.75(3H)、2.50〜2.60(2H,
m)、2.99(1H,br,d,J=14.0H
z)、3.95(2H,br)、4.21(2H,q,
J=7.1Hz)、4.58〜4.65(3H)、6.
67(1H,d,J=7.9Hz)、6.72(1H,
br,t,J =7.4Hz)、7.02〜7.10(3
H) [例1;Q=p−Iの例]N−[(2S,3S)−2,
3−イソプロピリデンジオキシ−4−(4’−アミノフ
ェニルブタノイル)]−L−ロイシンエチルエステル
(8e)(35mg;0.0893mmol)に1規定塩酸
(1ml)を加え、0℃で1時間撹拌した。この溶液に、
亜硝酸ナトリウム(33mg;0.478mmol)を水
(0.2ml)に溶解したものを加え、更に20分撹拌し
た。次にヨウ化カリウム(80mg;0.5mmol)を加
え、室温で1晩撹拌した。反応混合物に飽和炭酸ナトリ
ウム水溶液を加え、溶液のpHを10に調整した後、ク
ロロホルムで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル薄層クロマトグラ
フィー(厚さ1mm;展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)で精製し、N−[(2S,3S)−2,3−ジ
ヒドロキシ−4−(4’−ヨードフェニルブタノイ
ル)]−L−ロイシンエチルエステル(1b)(12m
g)を得た。
【0101】
【化25】
【0102】物性値1 H−NMR(MeOHd4 ;δ):0.98、1.0
0(3H,d,J=6.0Hz)、1.31(3H,
t,J=7.1Hz)、1.20〜1.33(3H)、
2.75(2H,d,J=6.4Hz)、4.06(1
H,dt,J=3.7,6.3Hz)、4.15(1
H,d,J=3.7Hz)、4.21(2H,q,J=
7.1Hz)、4.54(1H,dd,J=5.4、
9.0Hz)、7.08(2H,d,J=8.2H
z)、7.63(2H,dd,J=8.2Hz) [例2;Q=o−NHAcの例]N−[(2S,3S)
−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−(2’−ア
ミノフェニルブタノイル)]−L−ロイシンエチルエス
テル(8f)(130mg)を塩化メチレン(5ml)に溶
解し、ピリジン(0.2ml)及び無水酢酸(0.2ml)
を加え、室温で撹拌した。反応混合物をクロロホルムで
希釈し、水及び硫酸銅水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、濃縮した。得られたN−
[(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオキシ
−4−(2’−アセトアミドフェニルブタノイル)]−
L−ロイシンエチルエステルを精製することなく、トリ
フルオロ酢酸−水(9:1)に溶解し、0℃で15分撹
拌した。反応混合物を濃縮し、残渣にクロロホルムを加
えた。このクロロホルム溶液を重曹水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液、ベンゼン:アセト
ン=10:1から7:3)で精製し、N−[(2S,3
S)−2,3−ジヒドロキシ−4−(2’−アセトアミ
ドフェニルブタノイル)]−L−ロイシンエチルエステ
ル(1c)(77mg)を得た。
【0103】
【化26】
【0104】物性値1 H−NMR(δ):0.93(6H,d,J=4.5
Hz)、1.27(3H,t,J=7.1Hz)、1.
53〜1.71(3H)、2.16(3H,s)、2.
80(1H,dd,J=6.9、14.2Hz)、2.
93( H,d,J=14.2Hz)、3.80〜4.
1(3H)、4.18(2H,q,J=7.1Hz)、
4.55〜4.65(2H)、6.99(1H)、7.
07(1H,t,J=7.2Hz)、7.16(1H,
d,J=7.4Hz)、7.24(1H,t,J=7.
8Hz)、7.80(1H,d,J=8.0Hz)、
9.17(1H,s) 実施例3 以下にベスタチン誘導体(2)の製造方法を実施例に基
づいて説明する。 [例1;Q=Hの例] 工程(g) 実施例1の工程(f)で得られたN−[(2S,3S)
−2,3−ジヒドロキシ−4−フェニルブタノイル]−
L−ロイシンベンジルエステル(1a)をピリジンとの
共沸によりあらかじめ脱水しておいた。この脱水した
(1a)(1.10g;2.76mmol)を無水クロロホ
ルム16mlに溶解し、1−メチル−2−フルオロピリジ
ン パラトルエンスルホン酸塩(1.173g;4.1
4mmol)及びトリエチルアミン(577μl;4.14
mmol)を順次加え、窒素気流下において室温で1時間撹
拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣に無水のヘ
キサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)(16
ml)及びナトリウムアジド(538mg;8.28mmol)
を加えた。反応混合物を窒素気流下において、80℃で
2時間加熱撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、
水及び食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル300g;溶出液、ヘキサ
ン:酢酸エチル=9:1)で精製し、N−[(2S,3
R)−3−アジド−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタ
ノイル]−L−ロイシンベンジルエステル(9a)
(0.59g )を得た。このものを、更にヘキサン−イ
ソプロピルエーテルで再結晶した。得られた化合物(9
a)の物性値は、文献の値と一致した。
【0105】物性値 化合物(9a) 融点:96−97℃ 比旋光度:[α]D 23 −22.6゜(c 1.03
5、CHCl3 ) IR:νmax (KBr;cm-1);3396(m)、31
80(brs)、2960(w)、2102(m)、1
756(s)、1659(s)、1543(s)、12
92(m)、1243(m)、1199(m)、115
8(m)1 H−NMR(δ):0.93(6H,d,J=6.0
Hz)、1.54〜1.74(3H,m)、3.01
(2H,d,J=7.5Hz)、3.40(1H,d,
J=7.0Hz)、4.71(1H,m)、5.16
(2H,s)、7.08(1H,d,J=8.5H
z)、7.23〜7.40(10H,m)13 C−NMR(δ):21.55、22.85、24.
84、36.71、41.11、50.69、64.6
0、67.27、72.52、127.08、128.
19、128.45、128.61、128.80、1
29.27、135.16、136.67、171.4
3、172.90 文献値(W. H. Pearson 及びJ. V. Hines, J. Org. Che
m., 54, 4235-4237 (1989)) 融点:97〜98゜ 比旋光度:[α]D 25 −30.6゜(c 2.22、
CHCl31 H−NMR(δ):0.9(6H,d,J=6.5H
z)、1.6〜1.8(3H)、3.0(2H,d,J
=7.5Hz)、3.6(1H,d,J=7Hz)、
4.0〜4.1(2H,m)、4.7(1H,m)、
5.18(2H,d,J=12Hz)、7.15(1
H,d,J=9Hz)、7.2〜7.40(10H)13 C−NMR(δ):21.7、22.9、24.9、
36.8、41.3、50.8,64.7、67.3、
72.6、127.1、128.2、128.4、12
8.6、128.8、129.3、135.2、13
6.7、171.3、172.7 工程(h) 先に得られた(9a)(119.8mg)を、酢酸に溶解
し、10%パラジウム−炭素14mgを加え、水素雰囲気
下において、20℃で1時間撹拌した。これによってア
ジド基の還元、及び脱ベンジル化を行い、ベスタチン
(2a)を64mg得た。このものの物性値も文献値と一
致した。
【0106】化合物(2a) 比旋光度:[α]D 24 −16.6゜(c 0.54
5、1N−HCl)1 H−NMR(酢酸d4 ;δ):0.92(6H,
m)、1.75(3H,m)、3.07(1H,dd,
J=6,13Hz)、3.21(1H,dd,J=5.
7,13Hz)、4.55(3H,m)、7.25(5
H,m)13 C−NMR(酢酸d4 ;δ):21.93、23.1
5、25.81、35.52、40.88、52.3
1、57.04、70.33、128.43、129.
96、130.65、136.35、173.62、1
77.21 文献値(W. H. Pearson 及びJ. V. Hines, J. Org. Che
m., 54, 4235-4237 (1989)) 比旋光度:[α]D 24 −14.3゜(c 0.5、1
N−HCl)塩酸塩1 H−NMR(酢酸d4 ;δ):0.94(6H,
m)、1.7〜1.9(3H,m)、3.08(1H,
dd,J=8,15Hz)、3.25(1H,dd,J
=6,15Hz)、4.05(1H,s)、4.5〜
4.7(2H,m)、7.2〜7.4(5H、m)13 C−NMR(酢酸d4 ;δ):22.2、23.4、
26.1、35.8、41.1、52.6、57.3、
70.6、128.7、130.2、130.9、13
6.6、173.9、177.5 [例2;Q=p−Iの例] 工程(g) 実施例2の例1で得られたN−[(2S,3S)−2,
3−ジヒドロキシ−4−(4’−ヨードフェニル)ブタ
ノイル]−L−ロイシンエチルエステル(1b)(82
mg;0.156mmol)を無水クロロホルム3mlに溶解
し、1−メチル−2−フルオロピリジン パラトルエン
スルホン酸塩(73mg;0.24mmol)及びトリエチル
アミン(33μl;0.24mmol)を順次加え、窒素気
流下において室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧
下に濃縮し、残渣に無水のヘキサメチルホスホリックト
リアミド(HMPA)(1.5ml)及びリチウムアジド
(23mg;0.468mmol)を加えた。反応混合物を窒
素気流下において、70℃で2時間加熱撹拌した。反応
混合物に酢酸エチルを加え、水及び食塩水で洗浄し、有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1から2:1)で精製し、N−
[(2S,3R)−3−アジド−2−ヒドロキシ−4−
(4’−ヨードフェニル)ブタノイル]−L−ロイシン
エチルエステル(9b)(42mg)を得た。
【0107】物性値 化合物(9b) IR:νmax (cm-1);3300(br)、2962
(s)、2114(s)、1742(s)、1657
(s)、1533(s)1 H−NMR(δ):0.95(6H,d,J=5.3
Hz)、1.26(3H,t,J=7.2Hz)、1.
59〜1.74(3H,m)、2.97(2H,d,J
=7.5Hz)、3.91(1H,d,J=6.7H
z)、3.96(1H,dt,J=2.1,7.6H
z)、4.05(1H,dd,J=2.3,6.4H
z)、4.18(2H,q,J=7.1Hz)、4.6
2(1H,m)、7.02(2H,d,J=8.1H
z)、7.14(1H,d,J=8.5Hz)、7.6
4(2H,d,J=8.1Hz) 工程(h) 先に得られた(9b)(43mg;0.075mmol)をエ
タノール(0.5ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.1ml)及び水(0.2ml)を加えて1晩
撹拌した。反応混合物に、1規定塩酸(50μl )を加
え、溶液のpHを6に調整した後、濃縮した。残渣にピ
リジン(0.3ml)、水(0.3ml)及びトリエチルア
ミン(0.3ml)を加え、撹拌しながら硫化水素ガスを
通気した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を
ODSシリカゲル[Cosmosil 75C18-0PN;溶出液、アセ
トニトリル:水=40:60(トリフルオロ酢酸0.0
5%含有)]で精製した。得られた生成物を更にODS
シリカゲル(YMC-A314)カラムを用いたHPLC[溶出
液、アセトニトリル:水=40:60(トリフルオロ酢
酸0.05%含有]で繰り返し精製し、N−[(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(4’−ヨ
ードフェニル)ブタノイル]−L−ロイシンエチルエス
テル(2b)(7.5mg)を得た。
【0108】物性値1 H−NMR(MeOHd4 ;δ):0.99、1.0
1(3H,d,J=6.0Hz)、1.7−1.85
(3H)、2.91(1H,dd,J=7.0、13.
9Hz)、3.15(1H,dd,J=7.7、14.
0Hz)、3.77(1H,dt,J=2.7、7.4
Hz)、4.15(1H,d,J=3.3Hz)、4.
45(1H,m)、7.15(2H,d,J=8.3H
z)、7.76(1H,d,J=8.3Hz)13 C−NMR(酢酸d4 ;δ):21.9、23.1、
25.8、35.0、40.8、52.3、56.8、
70.3、132.9、136.2、139.1、17
3.6、177.2(フェニル基の4級炭素について
は、1炭素観測されなかった。) 高分解能FABMAS;観測値:435.07875 計算値:C122442 I=435.07808 実施例4 以下に工程(g)のアジド化の他の実施例[Q=o−N
HAcの例]を示す。
【0109】実施例2の例2で得られたN−[(2S,
3S)−2,3−ジヒドロキシ−4−(2’−アセトア
ミドフェニル)ブタノイル]−L−ロイシンエチルエス
テル(1c)(38mg;0.1mmol)を無水クロロホル
ム1.5mlに溶解し、1−メチル−2−フルオロピリジ
ンパラトルエンスルホン酸塩(46mg;0.163mmo
l)及びトリエチルアミン(23μl)を順次加え、窒
素気流下において室温で2時間撹拌した。反応混合物を
減圧下に濃縮し、残渣に無水のヘキサメチルホスホリッ
クトリアミド(HMPA)(1.5ml)及びリチウムア
ジド(15mg;0.3mmol)を加えた。反応混合物を窒
素気流下において、70℃で1.5時間加熱撹拌した。
反応混合物に酢酸エチルを加え、水及び食塩水で洗浄
し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、N−
[(2S,3R)−3−アジド−2−ヒドロキシ−4−
(2’−アセトアミドフェニル)ブタノイル]−L−ロ
イシンエチルエステルを含む画分を得た。これをピリジ
ン−無水酢酸(1.5ml:1.5ml)によってアセチル
化した後、1規定水酸化ナトリウム(20μl)、メタ
ノール(1ml)、及び水(0.5ml)を加え、室温で1
晩撹拌した。この反応混合物に、1規定塩酸110μl
を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮して、
N−[(2S,3R)−3−アジド−2−ヒドロキシ−
4−(2’−アセトアミドフェニル)ブタノイル]−L
−ロイシンエチルエステル(9c)(12mg)を得た。
【0110】物性値 化合物(9c) IR:νmax (cm-1);3300(br)、2964
(s)、2118(s)、1721(s)、1651
(s)、1535(s)1 H−NMR(MeOH4 ;δ):1.01(6H,
d,J=6.1Hz)、1.70〜1.90(3H,
)、2.22(3H,s)、2.95(2H,d,J
=7.4)、3.93(1H,dt,J=2.8,8.
0Hz)、4.26(1H,d,J=2.7Hz)、
4.52(1H,t,J=7.2Hz)、7.23(1
H,dt,J=1.4,7.4Hz)、7.30(1
H,dt,J=1.6,7.4Hz)、7.38(1
H,dt,J=1.6,7.4)、7.51(1H,d
t,J=1.4,7.4Hz)13 C−NMR(δ):21.34、22.90、23.
60、24.88、31.47、40.35、50.7
3、66.52、72.12、124.42、125.
59、127.78、128.34、130.81、1
35.77、171.34、172.25、175.7
3 上記の方法で得られたアジド体(9c)は、実施例2の
工程(h)と同様の手順でベスタチン誘導体へと導くこ
とができる。
【0111】実施例5 以下に化合物(7b)の3位をアジド基に変換する例を
示す。(2S,3S)−2,3−イソプロピリデンジオ
キシ−4−フェニル酪酸(7a)をトリメチルシリルジ
アゾメタンで処理し、メチルエステルとした。このメチ
ルエステル体を上記実施例2の工程(g)と同様の手順
でトリフルオロ酢酸−水(9;1)で処理し、イソプロ
ピリデンを脱保護して(2S,3S)−2、3ージヒド
ロキシ−4−フェニル酪酸メチルエステル(7’)を得
た。この化合物(7’)(420mg;2mmol)を無水の
クロロホルム(17ml)に溶解し、1−メチル−2−フ
ルオロピリジン パラトルエンスルホン酸塩(680m
g;2.4mmol)、トリエチルアミン(418μl;6m
mol)を順次加えた。反応混合物を窒素気流下、室温に
おいて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、
残渣に、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMP
A)(12ml)とナトリウムアジド(538mg;8.2
8mmol)を加えた。反応混合物を窒素気流下において、
70℃で2時間加熱撹拌した。反応混合物に酢酸エチル
を加え、水及び食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン;酢酸エチル=2:
1)で精製し、アジド化体(7”)(30mg)を得た。
【0112】物性値 化合物(7”) IR:νmax (フィルム;cm-1);3488(br)、
3032(w)、2960(m)、2114(s)、1
714(s)、1441(s)、1241(s)、11
18(s)1 H−NMR(δ):3.05(1H,d,J=5.3
Hz)、3.12(2H,d,J=8Hz)、3.77
(1H,dt,J=2.0,5.3Hz)、3.81
(3H,s)、4.11(1H,dt,J=2.0,3
Hz)、4.68(1H,d,J=7.1Hz)、7.
25〜7.35(5H,m)
【0113】
【発明の効果】ベスタチン及びベスタチン誘導体は、ア
ミノペプチダーゼBに対する阻害剤として作用すること
が期待でき、本発明の製造方法に従えば、入手容易な出
発原料から短工程で、これらベスタチン誘導体を得るこ
とができる。また本発明では、該方法を用いることによ
り、ベスタチン誘導体を製造するための有用な中間体で
ある(2S,3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロ
キシ酪酸誘導体を提供する。更に本発明の方法に従え
ば、(2S,3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロ
キシ酪酸誘導体の3位水酸基を一選択的かつ立体選択的
にアジド基に変換することができる。従って、短工程且
つ高収率でしかも光学純度が高いベスタチン誘導体を製
造することができる。更に、本発明に従えば、(2S,
3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導
体の重要な中間体である(2S,3S)−4−アリール
−2,3−ジヒドロキシ酪酸が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 205/56 7537−4H 213/00 7457−4H 219/22 7457−4H 229/40 7537−4H 231/00 7106−4H 231/18 7106−4H 233/40 7106−4H // C07M 7:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示す新規な光学活性化合物で
    ある(2S,3S)−4−アリール−2,3−ジヒドロ
    キシ酪酸誘導体。 【化1】 但し、式中Qは水素原子、ニトロ、ハロゲン、NR1
    2 (R1 及びR2は独立に、水素原子、アルキル、アシ
    ル、アリールである。また、これらは一緒になって環を
    形成していてもよい。)、又はOR3 (R3 は水素原
    子、アルキル、アシル、アリールである。)であり、R
    はアミノ酸エステル若しくはアミノ酸からのアミノ、若
    しくはNHR4 (R4 は水素原子、アルキル、アリー
    ル、アシルである。)である。
  2. 【請求項2】 前記Qが、水素原子、ハロゲン、若しく
    はNR12 (R1は水素原子であり、R2 はアシルで
    ある。)であることを特徴とする請求項1に記載の酪酸
    誘導体。
  3. 【請求項3】 前記Qが、水素原子、ヨウ素、若しくは
    アセトアミドであることを特徴とする請求項1に記載の
    酪酸誘導体。
  4. 【請求項4】 前記Rが、アミノ酸エステルからのアミ
    ノ基、若しくはNHR4 (R4 はアシルである。)であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の酪酸誘導体。
  5. 【請求項5】 前記Rが、L−ロイシンエチルエステル
    若しくはL−ロイシンベンジルエステルからのアミノ基
    であることを特徴とする請求項1に記載の酪酸誘導体。
  6. 【請求項6】 新規な光学活性化合物である(2S,3
    S)−4−アリール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体
    (1)を製造するための方法であって、 (a)下記化2に示す、2,3−イソプロピリデン−D
    −リボフラノース(3)の1位にアリール基を導入し、
    (2R,3R,4S)−5−アリール−3,5−ジヒド
    ロキシ−3,4−イソプロピリデンジオキシペンタン−
    1−オール(4)を得る工程と、 【化2】 但し、Qは先に定義したとおりであり、X’はハロゲン
    原子である。 (b)下記化3に示すように、前記(2R,3R,4
    S)−5−アリール−3,5−ジヒドロキシ−3,4−
    イソプロピリデンジオキシペンタン−1−オール(4)
    の1,2−ジオール部を酸化的に切断し、(3R,4
    S)−5−アリール−2−ヒドロキシ−3,4−イソプ
    ロピリデンジオキシテトラヒドロフラン(5)を得る工
    程と、 【化3】 但し、Qは先に定義したとおりである。 (c)下記化4に示すように、前記(3R,4R)−5
    −アリール−2−ヒドロキシ−3,4−イソプロピリデ
    ンジオキシテトラヒドロフラン(5)の2位水酸基を酸
    化して(2S,3S)−4−アリール−2,3−イソプ
    ロピリデンジオキシ−4−ブタノリド(6)を得る工程
    と、 【化4】 但し、Qは先に定義したとおりである。 (d)下記化5に示すように、前記(2S,3S)−4
    −アリール−2,3−イソプロピリデンジオキシ−4−
    ブタノリド(6)を還元的に開環し、(2S,3S)−
    4−アリール−2,3−イソプロピリデンジオキシ酪酸
    (7a)を得る工程と、 【化5】 但し、Qは先に定義したとおりである。 (e)下記化6に示すように、前記(2S,3S)−4
    −アリール−2,3−イソプロピリデンジオキシ酪酸
    (7a)をアミノ化合物と反応し、アミド誘導体(8)
    を得る工程と 【化6】 但し、Q及びRは先に定義したとおりである。 (f)下記化7に示すように、前記アミド誘導体(8)
    を脱保護し、(2S,3S)−4−アリール−2,3−
    ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)を得る工程とを具備した
    製造方法。 【化7】
  7. 【請求項7】 下記化8に示す、ベスタチン誘導体
    (2)の製造方法であって、 【化8】 (g)下記化9に示すように、(2S,3S)−4−ア
    リール−2,3−ジヒドロキシ酪酸誘導体(1)の3位
    に立体選択的及び位置選択的にアジド基を導入すること
    により、(2S,3R)−4−アリール−3−アジド−
    2−ヒドロキシ酪酸のアミド誘導体(9)を得る工程
    と、 【化9】 但し、Q及びRは先に定義したとおりであり、Xはリチ
    ウム若しくはナトリウムである。 (h)下記化10に示すように、前記(2S,3R)−
    4−アリール−3−アジド−2−ヒドロキ酪酸のアミド
    誘導体(9)のアジド基を還元し、ベスタチン誘導体
    (2)を得る工程とを具備した製造方法。 【化10】 但し、Q及びRは先に定義したとおりである。
  8. 【請求項8】 前記Qが、水素原子、ハロゲン、若しく
    はNR12 (R1は水素原子であり、R2 はアシルで
    ある。)であることを特徴とする請求項6又は7に記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記Qが、水素原子、ヨウ素、若しくは
    アセトアミドであることを特徴とする請求項6又は7に
    記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記Rが、アミノ酸エステルからのア
    ミノ基、若しくはNHR4 (R4 はアシルである。)で
    あることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記Rが、L−ロイシンエチルエステ
    ル若しくはL−ロイシンベンジルエステルからのアミノ
    基であることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 下記化11に示す、新規な(2S,3
    S)−4−アリール−2,3−置換ジオキシ酪酸
    (7)。 【化11】 但し、Qは先に定義したとおりである。R5 及びR6
    は、それぞれ独立にアルキル若しくはアルコキシアルキ
    ルであるか、或いはお互いに一緒になって結合し環を形
    成していてもよい。更にこの環は置換されていてもよ
    い。
  13. 【請求項13】 前記R5 及びR6 が、それぞれエトキ
    シエチル又はメトキシメチルであるか、或いはこれらが
    一緒になって結合したシクロヘキシリデン、ベンジリデ
    ン、又はイソプロピリデンであることを特徴とする請求
    項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 前記R5 及びR6 が、一緒になって結
    合したイソプロピリデンであることを特徴とする請求項
    12に記載の化合物。
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