JPH0722789B2 - ダイセット付きプレス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主にサッシバーに孔明け、皿絞り或いは切欠
き等のプレス加工を行う際に使用するダイセット付きプ
レス装置に関するもので、１基のみによる使用の場合も
あるが、多くは複数基横に並列に配置して使用すること
が多い。

〔従来の技術〕

押出し成形されたサッシバーに孔明け加工等のプレス加
工を所定間隔で複数箇所に施すことが必要である。その
プレス加工を行うのに、大量生産方式による場合と多品
種少量生産方式の場合があるが、多品種少量生産方式で
は、従来、取外し可能にしたダイセットを備えるプレス
装置が使用されている。ところでダイセットは一般にプ
レス機のベット上に殆ど位置決めすることなく載置して
使用されるが、サッシバーの場合には主に長手方向に亘
って所定間隔をもって複数のプレス加工を行う必要があ
り、１基のプレス装置を使用するよりも所定間隔をあけ
て複数基並列させて使用し、一挙に加工する方が有利で
ある。そこで、複数基使用する手段として、各プレス装
置の間隔を自由に調節可能に固定し、しかも各プレス装
置に備えるダイセットを正確に位置決め固定する。その
正確に位置決め固定する手段としては、ダイセットを複
数本のボルトナットで締め付け固着するものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述のように、ダイセットを複数本のボルトナットで締
め付け固着するものであるから、ダイセットのパンチと
ダイを取り替える必要が生じるごとに、ダイセットを締
め付けているボルトナットを一々取り外し、また締め付
けする作業を行う必要があり、プレス装置が１基であれ
ばそれほど問題はないが、多数基に亘って施す必要があ
る場合には、取替え作業に時間が掛り、生産能率が意外
に低下する素因があった。

本発明は以上の問題を解決することを課題として開発し
たもので、ダイセットをワンタッチ操作で一挙に正確な
位置に固着できると共に、簡単な操作で取り外すことが
出来るダイセット付きプレス装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明による解決手段は、上下動するラムを有するＣ型
フレーム内に、パンチとダイを備えたダイセットを配設
しているプレス装置において、Ｃ型フレームとダイセッ
トに亘る凹凸係合によって、ダイセットをＣ型フレーム
内で案内する横方向位置決め手段と、ダイセットの背面
がＣ型フレームの奥面に当接するように形成した奥行き
方向位置決め手段と、ダイセットをＣ型フレームの奥面
に取付けた磁石で形成して着脱自在に固着する連結手段
と、該連結手段を解除するＣ型フレームに設けたワンタ
ッチ解除手段とを備えていることを特徴とする。

更に他の手段として、連結手段を、ダイセットをＣ型フ
レームの奥面に取付けた弾発係止爪と、ダイセットの背
面に弾発係止爪が結合するように設けた掛り部とで形成
しても良い。

〔作用〕

Ｃ型フレーム内にダイセットを挿入するのみで、横方向
位置決め手段と奥行き方向位置決め手段とによって左右
のずれを修正して正常位置に嵌め込まれると共に、磁力
または弾発係止爪の係止関係によってダイセットをＣ型
フレームの所定位置に固着できるものであり、ダイセッ
トを取り出す時には、ワンタッチ解除手段によって連結
手段をワンタッチ操作するのみで固着状態が解除され、
即座に取り出すことが出来るものである。

〔実施例〕

本発明を具体的に説明すると、第１図と第２図に示して
いるように、Ｃ型フレーム１の上部に油圧または空気圧
によるシリンダー２で上下動するフランジ付きラム３を
有し、該フレーム１のベット上にダイセット４を着脱自
在に載置してある。ダイセット４は第１図乃至第４図に
示すように、Ｃ型本体５に可動体６をＣ型本体５の起立
壁に沿って 上下動自在に設けると共に、可動体６が上
昇限界位置で保持できるように、第４図図示の如くＣ型
本体５にボールとスプリングで形成したラッ７が設けて
あり、また可動体６の上面部に、前記ラム３のフランジ
を挿入するＴ形溝８が前後方向に亘って設けてある。こ
の可動体６にパンチ９を固着し、Ｃ型本体５の下盤にダ
イ10を固着し、更にＣ型本体５の内面でダイ10の両側部
に、第１図と第２図に点線で示しているように規制板11
を嵌め付ける係合溝12,12が設けてある。

上記ダイセット４をＣ型フレーム１内にその前方より差
し込むと、Ｔ形溝８内にラム３のフランジが嵌まり、シ
リンダー２を駆動してラム３を下降することにより、可
動体６も一緒に下降して孔明けなどのプレス加工が行わ
れ、ラム３が上昇すると共に可動体６が上昇するもので
ある。

上記プレス装置において挿入したダイセット４が、挿入
する装置のみでＣ型フレーム１内の所定の位置に正確に
嵌められると共に、ダイセット４をＣ型フレーム１に固
着され、しかも簡単な操作で固着状態を解除できるよう
に、横方向位置決め手段13と、奥行き方向位置決め手段
14と、連結手段15と、ワンタッチ解除手段16を設けるも
のである。

横方向位置決め手段13と奥行き方向位置決め手段14を第
１図と第２図に示しているように、ダイセット４のＣ型
本体５における背面両側に凸条17,17を突設し、Ｃ型本
体５の背面と両凸条17,17で凹溝18を形成し、且つその
凹溝18内に係合するように形成したＣ型フレーム１の起
立部19とで横方向位置決め手段13を構成し、また奥行き
方向位置決め手段14は、凹溝18内にＣ型フレーム１の起
立部19が係合した際に、Ｃ型本体５の背面がＣ型フレー
ム１の起立部19における前面である奥面20に接合するよ
うに構成したものである。また他の例として第５図に示
すように、Ｃ型フレーム１の奥面20に凹溝18aを形成
し、ダイセット４のＣ型本体５に凸部21を突設したもの
で、何れにしても互いに凹凸係合によって横方向と奥行
き方向の位置決めを行うものである。

連結手段15は第１図に示す如く、Ｃ型フレーム１の奥面
20に磁石22を面一に埋設し、その吸着力によって固着す
るもので、該磁石22は永久磁石であっても、また電磁石
であっても良い。

更に他の例として第６図と第７図に示すように、弾力的
に開閉する弾発係止爪23で形成する機械的機構によるも
ので、第６図図示のものは、Ｃ型フレーム１に穿設した
窓穴24内に、一対のアーム25,25を横に並列し、且つそ
の先端部がＣ型フレーム１のダイセット４を挿入する側
の内部に突出するように枢着し、各アーム25,25の先端
部に互いに外方へ向って突出する弾発係止爪23,23を有
し、更にスプリング26で各アーム25,25の先端部を互い
に開く方向に附勢してある。一方ダイセット４の背面
に、前記弾発係止爪23が係止する掛け部27を設けた一対
の突片228,28を突設し、しかも各突片28,28間の間隔
を、両弾発係止爪23,23がスプリング26に抗して互いに
寄せ付けられた状態で両弾発係止爪23,23が双方の両突
片28,28間を通過することが出来、また両弾発係止爪23,
23がスプリング26の反発力で開いている状態で、両弾発
係止爪23,23が双方の突片28,28の掛け部27,27に係止す
るようになっている。

また第７図図示のものは、Ｃ型フレーム１より突出する
弾発係止爪23の付のアーム25,25の構造は前述のものと
同様であるが、ダイセット４の背面に設ける掛け部27,2
7を、ダイセット４の肉を切欠して設けたものである。

上記構造のものであれば、ダイセット４を挿入するに従
って、両突片28,28で双方の弾発係止爪23,23間が窄めら
れ、両弾発係止爪23,23が双方の突片28,28間に突入し、
突入と同時に両弾発係止爪23,23が互いに開いて掛り部2
7,27に係止し、ダイセット４をＣ型フレーム１に固着す
るものである。しかもこの固着状態において両突片28,2
8の先端面がＣ型フレーム１の奥面20に当接するもので
ある。

次に、ワンタッチ解除手段16は前述の連結手段15をワン
タッチ操作で解除するものであって、磁石22が電磁石で
あればそのコイルへの通伝を遮断するスイッチによられ
る。また永久磁石22の場合は第１図図示の如く、Ｃ型フ
レーム１に一対のノックピン29,29をダイセット４の背
面に当接され、且つ後端部がＣ型フレーム１の背面より
突出し、しかもスプリング30で後退する方向に附勢して
設け、Ｃ型フレーム１の背面に前記ノックピン29,29を
押し付けるレバー31を枢着したものである。従ってスプ
リング30で後方に附勢されている各ノックピン29,29に
よってレバー31が後方に開いた状態にあるから、そのレ
バー31を押し付けることによって、各ノックピン29,29
がダイセット４に向って押し出され、ダイセット４を磁
石22より外されるものである。

更に第６図と第７図図示の弾発係止爪23による連結手段
15に対するワンタッチ解除手段16は、第６図と第８図に
示しているように、Ｃ型フレーム１の背面に起立して前
後に揺動するレバー31aを枢着し、該レバー31aの上端部
に突設した三角形状を成すカム板32を両アーム25,25間
に突入したものである。従ってカム板32を両アーム25,2
5間に深く突入するようにレバー31aを押し付ければ、カ
ム板32によって両アーム25,25の後端部が開き、逆に先
端部間が窄められるから、ダイセット４を両弾発係止爪
23、23との係合が除かれ、ダイセット４をＣ型フレーム
１内より引き出すことが出来る。

また第９に更に他の例のワンタッチ解除手段16を示して
いるが、この例は前記例の押圧解除に対して引寄せ解除
できように形成するもので、両アーム25.25の後端部
に、左右互いに向き合う方向に先細になるように屈曲
し、その前面に傾斜面33を有する屈折部34を設け、一方
Ｃ型フレーム１の背面に突設したガイドピン35に引手36
を前後方向に摺動可能に係合すると共に、スプリング37
で前方に向って附勢して設け、且つＣ型フレーム１の窓
孔24内に突設した引手ストッパー38,38で前進の限界を
制限してあり、この引手36に設けた前方に延びる一対の
脚39,39の各前端部に、前記屈折部34の傾斜面33に接合
する突出部40を設けたものである。

従って、引手36を後方に向って引くことにより、第９図
の１点鎖線で示すように両アーム25,25の先端部を窄
め、ダイセット４を抜き出し得る状態に設定するもので
ある。

第10図は前記例のダイセット４と異なる他の構成をもつ
ダイセット4aであって、ダイ10を取り付ける基盤41に少
なくとも一対のガイドポール42,42と起立壁43を有し、
パンチ９を取り付ける上盤44をガイドポール42,42と起
立壁43に沿って上下動可能に設け、ガイドポール42に嵌
めたスプリング45で上盤44を支え、ラム３の下降によっ
て上盤44が共に下降し、ラム３の上昇時にはスプリング
45の反発力で上昇するもので、前記起立壁43の両側に、
横方向位置決め手段13を構成する凸条17,17を突設した
ものである。また連結手段15は前記構造と同様のものを
採用するもので、図示のものは磁石22によるものであ
る。

尚、第１図に示しているが、Ｃ型フレーム１内の上面に
ダイセット４を密接するように入れることは困難でりも
僅かに隙間をあけることが望ましい。しかし特に第１図
図示のダイセット４であると、ラム３を下降して孔明け
等のプレス加工を行なってから、ラム３を上昇する時
に、パンチが被加工物より抜き取られずにダイセット４
全体が引き上げられる場合もあるので、Ｃ型フレーム１
の上壁に、ねじ杆よりなるダイセットストッパー46を突
設して、ダイセット４とダイセットストッパー46間にコ
ンマ以下の僅かな寸法の隙間を保つように調整して、ダ
イセット４の浮上を防止するようになっている。

第11図に示す被加工物47はサッシバーであって、その長
手方向に所定の間隔をあけて複数のビス孔48……を明け
たもので、この場合各ビス孔48……を１基のプレス装置
で順次明けても良いが、各ビス孔48……の個数と同数の
プレス装置を使用して、これらにパンチ９とダイ10を設
けたダイセット４または4aを取り付けて加工すれば、能
率を大きく向上することが出来るものである。

〔発明の効果〕

本発明によるプレス装置は、Ｃ型フレームとダイセット
の双方に亘って、凹凸係合による横方向位置決め手段
と、ダイセットの背面とＣ型フレームの奥面との接合に
よる奥行き方向位置決め手段と、磁力吸着または弾発係
止爪の弾発止着による連結手段と、該連結手段を解くワ
ンタッチ解除手段とを設けているもので、ダイセットを
Ｃ型フレーム内に挿入するのみで、横方向にずれること
がなく正確に差し込まれると共に、その挿入操作のみで
ダイセットがＣ型フレームの奥行き方向の定位置に簡単
に、然かも精度よく固着される。

またワンタッチ操作による解除手段によって固着状態を
解除することが出来るので、ダイセットのセッティング
のみならず取り出し操作も容易に出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるダイセット付きプレス装置を示す
縦断面図、第２図は同じく横断面図、第３図はＣ型フレ
ームとダイセットを分離して示す斜視図、第４図は第３
図IV−IV線矢視の断面図、第５図はＣ型フレームとダイ
セットの他の実施例による横方向位置決め手段を示す横
断面図、第６図と第７図はＣ型フレームとダイセットの
他の実施例による連結手段を示す横断面図、第８図は同
じく横断面図、第９図は更に他の例による連結手段を示
す横断面図、第10図はダイセットの他の実施例を示す斜
視図、第11図はプレス加工した被加工物を示す斜視図で
ある。 １…Ｃ型フレーム、２…シリンダー、３…ラム、4,4a…
ダイセット ５…Ｃ型本体、９…パンチ、10…ダイ、13…横方向位置
決め手段 14…奥行き方向位置決め手段、15…連結手段、16…ワン
タッチ解除手段 20…奥面、22…磁石、23…弾発係止爪、27…掛り部 31,31a…レバー、36…引手、47…被加工物、48…ビス孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下動するラム（３）を有するＣ型フレー
   ム（１）内に、パンチ（９）とダイ（10）を備えたダイ
   セット（４）を配設するプレス装置において、Ｃ型フレ
   ーム（１）とダイセット（４）に亘る凹凸係合によっ
   て、ダイセット（４）をＣ型フレーム（１）内で案内す
   る横方向位置決め手段（13）と、ダイセット（4,4a）の
   背面がＣ型フレーム（１）の奥面（20）に当接するよう
   に形成した奥行き方向位置決め手段（14）と、ダイセッ
   ト（4,4a）をＣ型フレーム（１）の奥面（20）に取付け
   た磁石（22）で形成して着脱自在に固着する連結手段
   （15）と、該連結手段（15）を解除するＣ型フレーム
   （１）に設けたワンタッチ解除手段（16）とを備えてい
   ることを特徴とするダイセット付きプレス装置
2. 【請求項２】上下動するラム（３）を有するＣ型フレー
   ム（１）内に、パンチ（９）とダイ（10）を備えたダイ
   セット（４）を配設するプレス装置において、Ｃ型フレ
   ーム（１）とダイセット（４）に亘る凹凸係合によっ
   て、ダイセット（４）をＣ型フレーム（１）内で案内す
   る横方向位置決め手段（13）と、ダイセット（4,4a）の
   背面がＣ型フレーム（１）の奥面（20）に当接するよう
   に形成した奥行き方向位置決め手段（14）と、ダイセッ
   ト（4,4a）をＣ型フレーム（１）の奥面（20）に取付け
   た弾発係止爪（23）と、ダイセット（4,4a）の背面に弾
   発係止爪（23）が係合するように設けた掛り部（27）と
   で形成した連結手段（15）と、該連結手段（15）を解除
   するＣ型フレーム（１）に設けたワンタッチ解除手段
   （16）とを備えていることを特徴とするダイセット付き
   プレス装置