JPH07227755A - 磁力による表面処理方法及び装置 - Google Patents

磁力による表面処理方法及び装置

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JPH07227755A
JPH07227755A JP4486194A JP4486194A JPH07227755A JP H07227755 A JPH07227755 A JP H07227755A JP 4486194 A JP4486194 A JP 4486194A JP 4486194 A JP4486194 A JP 4486194A JP H07227755 A JPH07227755 A JP H07227755A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理管の周囲に磁束の透過可能な包摂部材
を配置することにより、管の内外両表面を同時に処理す
ることのできる処理方法及び装置を得る。 【構成】 環状の支持リング1の内面上に、逆磁極を内
側に向け相互に対向した希土類磁石2,3が固着されて
いる。この支持リング1の内側には、非磁性体からなる
円管4が配置され、この円管4の内側に非磁性体の被処
理パイプ5が挿通されている。被処理パイプ5の内部
と、被処理パイプ5と円管4との間には、磁性砥粒を含
むスラリー6が収容され、スラリー6は、磁石2と3の
間に存在する磁束に沿って配置されている。支持リング
1が回転すると、スラリー6も回転して被処理管5の内
面5aと外面5bとを同時に研磨することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁力による表面処理方法
及び装置に係り、特に移動磁界により表面処理用の磁性
体を駆動して被処理体の表面処理を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、磁石を回転させ又は電磁コイ
ルにより回転磁界を発生させることにより、中心部に配
置されたパイプの内面を研磨する技術が提案されてい
る。このような磁気研磨法は、パイプ内に磁性体研磨工
具を導入して回転させるなどの方法に較べて、研磨部材
と研磨装置の駆動側とを接触させずに研磨することがで
きるため、パイプの径や長さに制限されることなく、種
々の被研磨材に対して広く適用できるという利点があ
る。この場合、パイプの内部には、磁性体の粒子を含む
砥粒を供給したり、磁性体や磁石の表面に研磨布等を被
覆させた磁気研磨部材を配置し、一方、パイプの周囲に
は、モータ等により回転可能に取付けた支持リングを設
け、この支持リングの内側に複数個の磁石を取付けるよ
うにする。また、支持リングと磁石の代わりに、パイプ
の周囲に環状に電磁コイルを配設し、これらの電磁コイ
ルの内側先端を全て中心のパイプに向けるとともに、こ
れらの電磁コイルに位相の異なる交流電力を供給して、
パイプの設置部分に回転磁界を発生させる場合もある。
このような技術は、近年、例えば半導体製造技術におい
て高純度の原料ガス等が要求されることとなってきてお
り、ガスの供給配管やガスボンベの内面の清浄化が要求
されているため、きわめて重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記磁
気研磨法において、パイプの内面のみを研磨する場合は
特に支障はないが、処理効率を上げるためにパイプの内
面と同時に外面をも研磨しようとすると、パイプの外側
にも機械的に外面を研磨するための装置を取付ける必要
があり、パイプの着脱を妨害したり、これらの装置の取
付け等が煩雑になって、却って処理効率が低下するとい
う問題があった。この場合、パイプの外面についても磁
気研磨により同時に研磨することが考えられるが、パイ
プの外部に研磨剤や研磨工具を安定的に配置することが
困難であるため、実現に到っていない。また、このよう
な磁気研磨を行う場合、表面を単に平坦化すればよい場
合だけではなく、パイプの内面や外面を所望の形状(例
えばパイプを軸線方向に沿って異なる厚さに仕上げたい
場合など)に加工する場合もあり、この場合には研磨時
間や研磨条件を軸線方向に変化させているが、研磨時間
や研磨条件の相違により加工面の仕上がりが変わってし
まう等の問題があり、条件を設定するのに困難がある。
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その
課題は、パイプ等の内外面を磁気研磨により同時に加工
できる方法を実現することにあり、また、その表面の所
望の処理態様に応じて適宜処理できる方法を得ることに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた第1の手段は、外部の移動磁界に基づ
いて駆動される磁性体により、内外両表面を備えた被処
理体を処理する磁力による表面処理方法において、被処
理体の周囲を磁束の透過可能な包摂部材で包囲し、被処
理体の内部及び被処理体と包摂部材との間に表面処理用
磁性体を移動可能に収容し、外部からの移動磁界により
表面処理用磁性体を駆動して被処理体の内面及び外面を
同時に処理するものである。
【0005】この場合に、被処理体の内部に、少なくと
も一部が磁性体からなる芯部材を配置して処理すること
が好ましい。
【0006】また、第2の手段としては、被処理体の内
部に少なくとも一部が磁性体からなる芯部材を配置し、
被処理体と芯部材との間に表面処理用磁性体を移動可能
に収容し、外部からの移動磁界により表面処理用磁性体
を駆動して被処理体の内面又は外面を処理するものであ
る。
【0007】さらに、表面処理装置の構成としては、被
処理管の周囲を包囲するように配置された磁束の透過可
能な管状部材と、被処理管の内部及び/又は被処理管と
管状部材との間に移動可能に収容された表面処理用磁性
体と、管状部材の外部から被処理管の軸線を略中心とし
て回転する磁界を印加する回転磁界印加手段とを設ける
場合がある。
【0008】また、被処理管の周囲を包囲するように配
置された磁束の透過可能な管状部材と、被処理管の内部
又は被処理管と管状部材との間に移動可能に収容された
表面処理用磁性体と、被処理管と管状部材との間又は被
処理管の内部に移動可能に収容され、被処理管の外面又
は被処理管の内面に対してほぼ無作用になるように形成
された補助磁性体と、管状部材の外部から被処理管の軸
線を略中心として回転する磁界を印加する回転磁界印加
手段とを設ける場合もある。
【0009】これらの装置においては、被処理管の内部
に、その軸線方向に延長し、少なくとも一部が磁性体か
らなる芯部材を配置することが好ましい。
【0010】また、管状部材の内面は、被処理管の所望
の表面処理態様に応じて凹凸形状に形成することが望ま
しい。
【0011】さらに、被処理管の所望の表面処理態様に
応じて、管状部材に部分的に磁性体を取付け若しくは管
状部材を部分的に異なる厚さの磁性体で構成することが
好ましい。
【0012】装置としては、被処理管の内部に、その軸
線方向に延長し、少なくとも一部が磁性体からなる芯部
材を配置し、被処理管と芯部材との間に表面処理用磁性
体を移動可能に収容する場合もある。
【0013】芯部材を配置する場合には、芯部材の表面
を、被処理管の所望の表面処理態様に応じて凹凸形状に
形成することが好ましい。
【0014】
【作用】請求項1によれば、被処理体の周囲に包摂部材
を配置し、被処理体の内部及び包摂部材と被処理体の間
に収容された表面処理用磁性体を駆動して表面処理を行
うので、表面処理用磁性体が被処理体の外面側に確実に
保持され、被処理体の内面と外面とを同時に処理できる
とともに、表面処理用磁性体が包摂部材の内側において
被処理体の内外に亘る磁路を形成するので、研磨部分に
おける磁気抵抗が低減されて磁力が増大することによ
り、被処理体への表面処理用磁性体の接触圧が増加す
る。
【0015】請求項3によれば、芯部材の磁性体の部分
においては芯部材が外部から印加された磁界の磁路の一
部を構成するため磁気抵抗が低減されるとともに、芯部
材の配置により被処理体の内部の空間が限定されるため
磁力により駆動される表面処理用磁性体の量を増加させ
ずに被処理体に対する表面処理用磁性体の接触量又は接
触面積を相対的に増大させることができる。
【0016】請求項5によれば、被処理管の内面と外面
の一方のみを処理する場合には、処理面に接する側にの
み表面処理用磁性体を収容し、非処理面に接する側には
磁路を形成するための補助磁性体を配置することによ
り、磁力を弱めることなく一方のみの表面処理を行うこ
とができる。
【0017】請求項7によれば、管状部材の内面の凹凸
形状は被処理管の外側において表面処理用磁性体の配置
され得る幅を増減させるので、これに伴って磁気抵抗も
増減し、表面処理強度を凹凸形状に応じて変化させるこ
とができる。
【0018】請求項8によれば、管状部材に部分的に磁
性体を取付け若しくは管状部材を部分的に異なる厚さを
もつ磁性体で構成することにより、磁性体の取付部分若
しくは厚い部分の磁力が低減されるので、部分的に表面
処理強度を変化させることができる。
【0019】請求項10によれば、芯部材の表面の凹凸
形状は磁気抵抗を増減させるので、表面処理強度を凹凸
形状に応じて変化させることができる。
【0020】
【実施例】次に、図面を参照して本発明に係る磁力によ
る表面処理方法及び装置の実施例を説明する。本発明
は、単に磁気研磨に限らず、表面を切削して形状加工を
行う場合や部分的な加工例えばバリ取りを行う場合など
に用いたり、研磨剤の代わりに中性洗剤等の洗浄液やエ
ッチング液を含ませ、或いは磁性工具の接触面に洗浄液
やエッチング液を供給して、表面の洗浄やエッチングを
行う場合にも用いることができるものである。また、パ
イプの表面処理に限らず、ガスボンベやバルブの本体そ
の他の内面を備えた部材であるならば広く適用できるも
のである。以下の実施例では、パイプの内面又は外面に
対して磁気研磨を施す場合について説明する。
【0021】図1は本発明の実施例1の研磨方法及び装
置の要部を示す拡大断面図である。環状の支持リング1
の内面上に、逆磁極を内側に向け相互に対向した希土類
磁石2,3が固着されている。この支持リング1は図7
(a)に示す可動体10に回転自在に取付けられ、モー
タ11により回転するようになっている。可動体10は
ボールねじ12により支持リング1の軸線方向に移動す
るようになっている。この支持リング1の内側には、非
磁性体からなる円管4が配置されている。円管4は、図
示しないフレームに固定されている。円管4の内側に
は、研磨される非磁性の被処理パイプ5が挿通され、や
はりフレームに対して固定されている。
【0022】通常、図7(a)に示すように円管4は被
処理パイプ5とともに、その両端部においてフレームに
取付けられているが、図7(b)に示すように円管4を
支持リング1の内側近傍に限定された長さとし、支持リ
ング1に対して取付けてもよい。この場合、円管4’の
端部には内側に向けて形成された鍔部4’aを設け、円
管4’内に供給した後述の砥粒を含むスラリー6を外部
に飛散させないようにしている。鍔部4’aの先端と被
処理パイプ5との間にはある程度の間隔が必要である
が、磁界とともに回転するスラリー6は、鍔部4’aの
中心側から外部へ出ることはない。
【0023】この円管4と被処理パイプ5の内部には、
磁性体粒子と砥粒と研磨油、又は磁性体砥粒と研磨油か
らなるスラリー6が供給される。被処理パイプ5を垂直
若しくは傾斜させて固定する場合には、スラリー6は、
研磨工程中に円管4及び被処理パイプ5の上端から所定
量連続して供給される。もちろん、研磨工程中に所定時
間毎に供給してもよい。図7(b)に示す装置において
は研磨工程当初にスラリー6をある程度の量予め円管
4’の内部に導入しておく。
【0024】本実施例1では、支持リング1を回転させ
ながら、可動体10を軸線方向に揺動させつつ一方向に
次第に移動させた。動作条件は被処理パイプの材質(例
えばアルミニウム、ステンレス鋼等)、処理前の表面粗
さ、砥粒の粒径等により適宜設定されるが、典型例とし
ては、支持リング1の回転数は1100rpm、可動体
10の揺動ストロークは80mm、揺動周期は0.8H
z、スラリーの供給量は5cc/min、可動体の平均
移動速度は50mm/minである。
【0025】このようにして研磨を行うと、図1に示す
ようにスラリー6は磁石2,3の間の磁束に沿って配置
され、円管4及び被処理パイプ5に対して回転する。し
たがって、被処理パイプ5の内面5aと外面5bは同時
にスラリー6により研磨される。ここで、円管4の内面
もスラリー6に接しているので研磨されることとなる
が、図7(b)に示すように円管4を支持リング1に対
して取付けると円管4が支持リング1とともに回転する
ため、円管4とスラリー6もほぼ同様に回転するので、
円管4の内面は殆ど研磨されなくなる。
【0026】この実施例1では被処理パイプ5の周囲に
円管4を配置したので、スラリー6が円管4内に閉じ込
められ、効率的に被処理パイプ5の外面5aを研磨する
ことができるとともに、支持リング1の回転によりスラ
リー6が外側に飛散することも防止できる。また、スラ
リー6は外部から印加される磁界に沿って円管4の内部
において磁路を形成するので、磁気抵抗が低減されるこ
とにより磁力が増大して、研磨圧を増加させることがで
きるため加工量を増大できる。
【0027】この場合、スラリー6の代わりに、表面に
研磨布を貼着させた磁性体の研磨工具6’a,6’bを
被処理パイプ5内と、円管4と被処理パイプ5との間と
に、それぞれ配置させ、スラリー6と同様に磁石2,3
の間を結ぶ線上に磁力により保持させた状態で研磨を行
うこともできる。このとき、被処理パイプ5内に配置さ
れる研磨工具6’aは、被処理パイプ5の内径にほぼ等
しい長さをもつもの、若しくは複数の研磨工具を収容し
た場合には磁力線に沿って被処理パイプ5の内径にほぼ
等しい長さに配列され得るものであることが望ましい。
また、円管4と被処理パイプ5との間には図示のように
2つの研磨工具6’bを配置することが好ましい。
【0028】なお、上記実施例においては支持リング1
を回転させているが、逆に被処理パイプ5を回転させて
も同様の効果が得られる。また、支持リングは、磁石
2,3により形成される磁路の磁気抵抗を低減するため
に、磁性体で構成されることが望ましい。磁石2,3は
必ずしも対向している必要はなく、少なくとも相互に逆
磁極となっている2つ以上の磁極が支持リング1の内面
側に存在していればよい。もちろん、これらと同等の回
転磁界を複数の電磁コイルによって形成することもでき
る。
【0029】図2には本発明に係る実施例2を示す。こ
の実施例2では、被処理パイプ5の内部に磁性体(例え
ば鉄)の棒状芯7を挿入し、磁石2,3の間の磁気抵抗
を低減させている。したがって、希土類磁石2,3の間
の磁力を増大させ、研磨力を高めることができる。この
棒状芯7は、被処理パイプ5と同様にフレームに固定さ
れる。
【0030】実施例2においては、被処理パイプ5の内
部に棒状芯7を配置したことにより磁石2,3の間の磁
気回路の磁気抵抗が低減されて研磨力が増大する。ま
た、棒状芯7を配置させたことにより、被処理パイプ5
内の空間が減少してスラリー6の必要量が低減され若し
くはスラリー6の流動量が増加し、或いは所定量のスラ
リー6に対して被処理パイプ5の内面5aへの接触量を
増大させることができる一方、磁力により駆動されるス
ラリー6の全体重量は変わらないから、研磨効率をさら
に高めることができる。このことは上記研磨工具6’
a,6’bを使用した場合についても同様であり、駆動
される重量を変えずに内面5aに対する接触面積を増加
させることができる。
【0031】棒状芯7は、通常鉄棒その他の磁性体を用
いるが、磁石2,3に対向する面を磁石の磁極とは逆の
磁極になるように着磁した磁石で構成することもでき
る。この場合、棒状芯7は磁石2,3と同期して回転さ
せる必要があるが、研磨作用をさらに高めることができ
る。
【0032】図3には、円管4と被処理パイプ5との間
にのみスラリー6を供給し、被処理パイプ5の外面5b
のみを研磨する場合を示す。この場合、被処理パイプ5
の内側にはスラリー6が供給されないので、磁気抵抗を
低減させるために被処理パイプ5の内径に近い太さの棒
状芯7’を挿入し、研磨効率を高めることができる。ま
た、棒状芯7の周囲に2つの磁性体片(又は磁石片)
8,9を収容し、支持リング1の回転とともに回転させ
ることも可能である。この場合、磁性体片8,9は樹脂
コーティング等により被処理パイプの内面を傷付けない
ようにすることが望ましい。さらに被処理パイプ5の内
面5aに傷をつけない程度の柔らかい磁性体粉又は磁性
粒子をスラリー6の代わりに供給してもよい。
【0033】図4には、円管4と被処理パイプ5との間
にはスラリー6を供給せず、被処理パイプ5の内面5a
のみを研磨する場合を示す。ここで、円管4をそのまま
配置してもよく、また、磁石2,3をより接近させるた
めに円管4を取り去ってもよい。この場合には通常の磁
気研磨による内面処理とほぼ同様であるが、棒状芯7に
より磁気抵抗が低減され、研磨効率が向上する。この場
合、円管4を取り外さずに、円管4と被処理パイプ5と
の間に2つの磁性体片(又は磁石片)10,11を配置
してもよく、また被処理パイプ5の外面5bに傷をつけ
ない程度の柔らかい磁性体粉又は磁性粒子をスラリー6
の代わりに供給してもよい。
【0034】図5は、上記実施例1又は実施例2に使用
することのできる円管4の他の例を示すものである。図
5(a)に示すものは、円管41の管壁を軸線方向に波
形に形成したものであり、凹部41aの部分では、内部
に挿入される被処理パイプ5の周囲のスラリー6の保持
範囲が凸部41bの部分よりも少なくなるとともに磁石
2,3と円管4との間隙も大きくなるので、相対的に磁
力が弱くなる。したがって、被処理パイプ5の研磨量は
軸線方向に変化し、被処理パイプ5の内外表面に波形の
うねりを形成することができる。なおこの場合、研磨工
程において円管41は被処理パイプ5に対して軸線方向
に固定される必要がある。このように、円管の内面側に
凹凸形状を設けることにより、スラリー6の配置される
空間距離を変更して磁気間隙を変化させることにより、
磁力の強度を増減させることができるので、被処理パイ
プの内外面を所望の形状に仕上げることができる。
【0035】図5(b)には、円管42の外面上に磁性
体ワイヤ43を部分的に巻付けたものを示す。この円管
42によれば、磁性体ワイヤ43を巻付けていない部分
42aでは、磁性体ワイヤ43を巻付けた部分42bよ
りも磁束が透過し、研磨力も増大するので、上記図5
(a)とほぼ同様に被処理パイプ5の内外表面に波形の
うねりを形成することができる。このように、円管に部
分的に磁性体を取付けることにより、円管を透過する磁
束量を調整し、磁力の強度を増減させることができるの
で、被処理パイプの内外面を所望の形状に仕上げること
ができる。
【0036】円管4,41,42は基本的に非磁性体で
形成されるが、材料の透磁率の値に比して管厚の充分に
薄いものであれば磁性体を用いることもできる。磁性体
を用いた場合には、その厚さを場所により変化させるこ
とにより磁束の透過量を変化させることができるので、
管厚の変化した円管を使用すると上記円管41,42と
同様に研磨量を変化させることができ、所望の形状に加
工できる。
【0037】図6には実施例2に適用できる棒状芯7の
他の例を示す。図6(a)に示す棒状芯71は、その軸
線方向に凹部71aと凸部71bとを交互に形成した波
形断面をもつものである。凹部71aの部分では、凸部
71bの部分よりも棒状芯71の径が小さいので磁気抵
抗は大きくなり、研磨力は低下する。したがって、被処
理パイプ5の内外表面に棒状芯71の形状に対応した波
形のうねりを形成することができる。このように、棒状
芯の表面に凹凸形状を設けることにより、磁気抵抗を変
更し、磁力の強度を増減させることができるので、被処
理パイプの内外面を所望の形状に仕上げることができ
る。
【0038】図6(b)に示す棒状芯72には、磁性体
ワイヤ73が部分的に巻付けられている。磁性体ワイヤ
73を巻付けていない部分72aは磁性体ワイヤ73を
巻付けた部分72bよりも径が小さいため、このように
すると図6(a)に示す棒状芯71と同様の効果を奏す
る。ここで、73を非磁性体ワイヤとすれば、非磁性体
ワイヤにより磁気間隙が形成されるので逆に部分72a
よりも部分72bの方が磁気抵抗が増大し、被処理パイ
プ5の波形のうねりは、上記の場合とは逆に凹凸の逆転
した形状となる。このように、棒状芯の表面に部分的に
磁性体又は非磁性体を取付けることにより、磁気抵抗を
変更し、磁力の強度を増減させることができるので、被
処理パイプの内外面を所望の形状に仕上げることができ
る。
【0039】図6(c)に示す棒状芯74は、磁性体7
4aと非磁性体74bとから形成したものであり、磁性
体74aの部分では、非磁性体74bの部分に較べて磁
気抵抗が低減し、研磨力は増大する。このように棒状芯
を部分的に磁性体又は非磁性体で構成することにより、
種々の形状に被処理パイプを加工できる。
【0040】以上のように、管状部材又は棒状芯の表面
形状を軸線方向に部分的に変え、部分的に磁性体又は非
磁性体を取付け、或いは部分的に磁性体又は非磁性体で
構成することにより、被処理パイプ等の被処理体を所望
の形状に仕上げることができ、また研磨等の表面処理を
所定部位、例えば、パイプの溶接部やT字管の分岐部等
に限定することができる。これらの場合において、上記
のように形状や磁性体の取付等を被処理パイプの軸線方
向に変化させるのではなく、被処理パイプの周面の周回
方向に変化させても同様にその変化に応じて処理状態を
変化させ得ることは明らかである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。 (1)被処理体を包囲する包摂部材を設けることにより、
被処理体の外面側にも表面処理用磁性体を保持させるこ
とができるので、被処理体の内外面を同時に処理するこ
とが可能になるとともに、磁気抵抗が低減されて磁力が
増大することにより、表面処理の効率を向上させること
ができる。
【0042】(2) 少なくとも一部が磁性体からなる芯
部材を被処理体の内部に収容することにより、芯部材の
うち磁性体で構成されている部分では磁気抵抗を低減さ
せることができるので、磁力が増大して被処理体の内面
を効率良く処理することができる。
【0043】(3) 管状部材又は棒状芯の表面形状を部
分的に変え、部分的に磁性体又は非磁性体を取付け、或
いは部分的に磁性体又は非磁性体で構成することによ
り、被処理体を所望の形状に仕上げることができ、また
表面処理を被処理体の所定部位に限定して行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面処理方法又は装置の実施例1
(磁気研磨装置)の要部を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に係る表面処理方法又は装置の実施例2
(磁気研磨装置)の要部を示す拡大断面図である。
【図3】実施例2において被処理パイプの外面のみを研
磨する場合の状態を示す拡大断面図である。
【図4】実施例2において被処理パイプの内面のみを研
磨する場合の状態を示す拡大断面図である。
【図5】実施例1又は実施例2に適用し得る円管の例を
示す断面図(a)及び(b)である。
【図6】実施例2に適用し得る棒状芯の例を示す断面図
(a)、(b)及び(c)である。
【図7】実施例1の磁気研磨装置の動作部分の全体概略
構造を示す概略断面図(a)及び(b)である。
【符号の説明】
1 支持リング 2,3 磁石(回転磁界発生手段) 4,4’,41,42 円管(包摂部材、管状部材) 5 被処理パイプ(被処理体、被処理管) 5a 被処理パイプの内面 5b 被処理パイプの外面 6 スラリー(表面処理用磁性体) 6’a,6’b,8,9 磁性体片、磁石片(補助磁性
体) 7,7’ 棒状芯(芯部材) 43,73 磁性体ワイヤ(磁性体)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部の移動磁界に基づいて駆動される磁
    性体により、内外両表面を備えた被処理体を処理する磁
    力による表面処理方法において、 前記被処理体の周囲を磁束の透過可能な包摂部材で包囲
    し、前記被処理体の内部及び前記被処理体と前記包摂部
    材との間に表面処理用磁性体を移動可能に収容し、外部
    からの移動磁界により該表面処理用磁性体を駆動して前
    記被処理体の内面及び外面を同時に処理することを特徴
    とする磁力による表面処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記被処理体の内部
    に、少なくとも一部が磁性体からなる芯部材を配置して
    処理することを特徴とする磁力による表面処理方法。
  3. 【請求項3】 外部の移動磁界に基づいて駆動される磁
    性体により、内外両表面を備えた被処理体を処理する磁
    力による表面処理方法において、 前記被処理体の内部に少なくとも一部が磁性体からなる
    芯部材を配置し、前記被処理体と前記芯部材との間に表
    面処理用磁性体を移動可能に収容し、外部からの移動磁
    界により該表面処理用磁性体を駆動して前記被処理体の
    内面を処理することを特徴とする磁力による表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 外部の移動磁界に基づいて駆動される磁
    性体により被処理管の内面又は外面を処理する磁力によ
    る表面処理装置において、 前記被処理管の周囲を包囲するように配置された磁束の
    透過可能な管状部材と、前記被処理管の内部及び/又は
    前記被処理管と前記管状部材との間に移動可能に収容さ
    れた表面処理用磁性体と、前記管状部材の外部から前記
    被処理管の軸線を略中心として回転する磁界を印加する
    回転磁界印加手段とを有し、該回転磁界印加手段の回転
    磁界により前記表面処理用磁性体を駆動して前記被処理
    管の内面及び/又は外面を処理することを特徴とする磁
    力による表面処理装置。
  5. 【請求項5】 外部の移動磁界に基づいて駆動される磁
    性体により被処理管の内面又は外面を処理する磁力によ
    る表面処理装置において、 前記被処理管の周囲を包囲するように配置された磁束の
    透過可能な管状部材と、前記被処理管の内部又は前記被
    処理管と前記管状部材との間に移動可能に収容された表
    面処理用磁性体と、前記被処理管と前記管状部材との間
    又は前記被処理管の内部に移動可能に収容され、前記被
    処理管の外面又は前記被処理管の内面に対してほぼ無作
    用になるように形成された補助磁性体と、前記管状部材
    の外部から前記被処理管の軸線を略中心として回転する
    磁界を印加する回転磁界印加手段とを有し、該回転磁界
    印加手段の回転磁界により前記表面処理用磁性体及び前
    記補助磁性体を駆動して前記被処理管の内面又は外面を
    処理することを特徴とする磁力による表面処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5において、前記被
    処理管の内部に、その軸線方向に延長し、少なくとも一
    部が磁性体からなる芯部材を配置したことを特徴とする
    磁力による表面処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項4又は請求項5において、前記管
    状部材の内面は、前記被処理管の所望の表面処理態様に
    応じて、凹凸形状に形成されていることを特徴とする磁
    力による表面処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項4又は請求項5において、前記被
    処理管の所望の表面処理態様に応じて、前記管状部材に
    部分的に磁性体が取付けられ若しくは前記管状部材が部
    分的に異なる厚さの磁性体で構成されていることを特徴
    とする磁力による表面処理装置。
  9. 【請求項9】 外部の移動磁界に基づいて駆動される磁
    性体により被処理管の内面を処理する磁力による表面処
    理装置において、 前記被処理管の内部に、その軸線方向に延長し、少なく
    とも一部が磁性体からなる芯部材を配置し、前記被処理
    管と前記芯部材との間に表面処理用磁性体を移動可能に
    収容し、外部からの移動磁界により該表面処理用磁性体
    を駆動して前記被処理管の内面を処理することを特徴と
    する磁力による表面処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項6又は請求項9において、前記
    芯部材の表面は、前記被処理管の所望の表面処理態様に
    応じて凹凸形状に形成されていることを特徴とする磁力
    による表面処理装置。
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