JPH07227282A - L−メチオニン γ−リアーゼの安定化法 - Google Patents
L−メチオニン γ−リアーゼの安定化法Info
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- JPH07227282A JPH07227282A JP6337280A JP33728094A JPH07227282A JP H07227282 A JPH07227282 A JP H07227282A JP 6337280 A JP6337280 A JP 6337280A JP 33728094 A JP33728094 A JP 33728094A JP H07227282 A JPH07227282 A JP H07227282A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 L-メチオニン,L-システイン等のアミノ酸の
検出及び定量等に有用なL-メチオニン γ-リアーゼを簡
便に且つ長期間安定に保存するための方法を提供。 【構成】 L-メチオニン γ-リアーゼと、(1)オリゴ
糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコール、(4)
タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)グルタチオン
及び(7)N-アセチルシステインから成る群より選ばれ
た1種又は2種以上の物質とを共存させた溶液を凍結乾
燥することを特徴とするLーメチオニン γーリアーゼの安
定化方法、及び該方法により安定化されたL-メチオニン
γ-リアーゼ。
検出及び定量等に有用なL-メチオニン γ-リアーゼを簡
便に且つ長期間安定に保存するための方法を提供。 【構成】 L-メチオニン γ-リアーゼと、(1)オリゴ
糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコール、(4)
タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)グルタチオン
及び(7)N-アセチルシステインから成る群より選ばれ
た1種又は2種以上の物質とを共存させた溶液を凍結乾
燥することを特徴とするLーメチオニン γーリアーゼの安
定化方法、及び該方法により安定化されたL-メチオニン
γ-リアーゼ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L-メチオニン、L-シス
テイン等のアミノ酸の検出及び定量等に有用なL-メチオ
ニン γ-リアーゼを安定化するための方法に関する。
テイン等のアミノ酸の検出及び定量等に有用なL-メチオ
ニン γ-リアーゼを安定化するための方法に関する。
【0002】
【発明の背景】L-メチオニン γ-リアーゼ[EC 4.4.1.1
1]は、Pseudomonas属、Aeromonas属等の微生物に由来
する酵素で、下記式1及び式2に示すように、ピリドキ
サール5'-リン酸(PLP)を補酵素として、L-メチオ
ニンならびにその誘導体のα,γ-脱離反応やγ-置換反
応を触媒するほか、L-システイン類縁体のα,β-脱離反
応やβ-置換反応をも触媒する多機能型のピリドキサー
ル酵素である。
1]は、Pseudomonas属、Aeromonas属等の微生物に由来
する酵素で、下記式1及び式2に示すように、ピリドキ
サール5'-リン酸(PLP)を補酵素として、L-メチオ
ニンならびにその誘導体のα,γ-脱離反応やγ-置換反
応を触媒するほか、L-システイン類縁体のα,β-脱離反
応やβ-置換反応をも触媒する多機能型のピリドキサー
ル酵素である。
【式1】
【式2】
【0003】L-メチオニン γ-リアーゼは基質特異性が
優れており、これを用いることによりL-メチオニン,L-
システイン等のアミノ酸類の検出及び定量が可能なた
め、臨床検査等の分野への利用が期待されている酵素で
ある。L-メチオニン γ-リアーゼはまた、その活性中心
にタンパク質のシステイン残基に由来するSH基を持つ
酵素であり、酵素活性の発現にはこのSH基が必須であ
る、いわゆるSH酵素の1つである。一般にSH酵素
は、Hg2+のような重金属、p-メルクリ安息香酸(PM
B)、N-エチルマレイミド、ヨード酢酸などのSH試薬
やフェリシアン化物などの酸化剤で失活する性質を有し
ているため、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)等のキレート剤や、例えば2-メルカプトエタノール
(2-ME)やジチオスレイトール(DTT)等のチオー
ル化合物を含む溶液中に共存させることによりその活性
を保護するのが一般的である。また、PLP等の補酵素
を共存させ、その酵素活性を保護することも広く行われ
ている。
優れており、これを用いることによりL-メチオニン,L-
システイン等のアミノ酸類の検出及び定量が可能なた
め、臨床検査等の分野への利用が期待されている酵素で
ある。L-メチオニン γ-リアーゼはまた、その活性中心
にタンパク質のシステイン残基に由来するSH基を持つ
酵素であり、酵素活性の発現にはこのSH基が必須であ
る、いわゆるSH酵素の1つである。一般にSH酵素
は、Hg2+のような重金属、p-メルクリ安息香酸(PM
B)、N-エチルマレイミド、ヨード酢酸などのSH試薬
やフェリシアン化物などの酸化剤で失活する性質を有し
ているため、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)等のキレート剤や、例えば2-メルカプトエタノール
(2-ME)やジチオスレイトール(DTT)等のチオー
ル化合物を含む溶液中に共存させることによりその活性
を保護するのが一般的である。また、PLP等の補酵素
を共存させ、その酵素活性を保護することも広く行われ
ている。
【0004】しかし、L-メチオニン γ-リアーゼの場
合、このような方法を利用して溶液状態で保存しても室
温では酵素活性が著しく低下し、また、低温でも徐々に
酵素活性が低下して、50日以上の長期間保存後の酵素活
性は当初の30%以下となる。また、L-メチオニン γ-リ
アーゼをキレート剤、補酵素、DTT等の共存下で凍結
乾燥して低温保存した場合でも、長期間の保存では酵素
活性がかなり低下してしまうという問題があった。ま
た、L-メチオニン γ-リアーゼの保存方法としては、E
DTA、PLP、2-MEを含む0.1M以上のリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.2)に該酵素を添加、溶解した後、こ
れを-20℃で凍結保存し、これを50mMのDTTを含む0.0
1Mリン酸カリウム溶液中で、0℃、1時間透析処理し
て使用するという方法も報告されている(Analytical B
iochemistry 138, 421-424 (1984))が、この方法でもL
-メチオニン γ-リアーゼを長期間安定に保存すること
は難しい。従って、L-メチオニン γ-リアーゼを安定な
状態で長期間保存し得る方法の開発が望まれている現状
にある。
合、このような方法を利用して溶液状態で保存しても室
温では酵素活性が著しく低下し、また、低温でも徐々に
酵素活性が低下して、50日以上の長期間保存後の酵素活
性は当初の30%以下となる。また、L-メチオニン γ-リ
アーゼをキレート剤、補酵素、DTT等の共存下で凍結
乾燥して低温保存した場合でも、長期間の保存では酵素
活性がかなり低下してしまうという問題があった。ま
た、L-メチオニン γ-リアーゼの保存方法としては、E
DTA、PLP、2-MEを含む0.1M以上のリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.2)に該酵素を添加、溶解した後、こ
れを-20℃で凍結保存し、これを50mMのDTTを含む0.0
1Mリン酸カリウム溶液中で、0℃、1時間透析処理し
て使用するという方法も報告されている(Analytical B
iochemistry 138, 421-424 (1984))が、この方法でもL
-メチオニン γ-リアーゼを長期間安定に保存すること
は難しい。従って、L-メチオニン γ-リアーゼを安定な
状態で長期間保存し得る方法の開発が望まれている現状
にある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記した如き状況に鑑みなさ
れたもので、L-メチオニン γ-リアーゼを簡便に且つ長
期間安定化し得る方法を提供するものである。
れたもので、L-メチオニン γ-リアーゼを簡便に且つ長
期間安定化し得る方法を提供するものである。
【0006】
【発明の構成】本発明は、L-メチオニン γ-リアーゼ
と、(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖ア
ルコール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、
(6)グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインか
ら成る群より選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存
させた溶液を凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニ
ンγーリアーゼの安定化方法、及び該方法により安定化
されたLーメチオニン γーリアーゼの発明である。ま
た、本発明は、L-メチオニン γ-リアーゼ、オリゴ糖及
び、(1)タンパク質、(2)アミノ酸、(3)グルタ
チオン及び(4)N-アセチルシステインから成る群より
選ばれた1種又は2種以上の物質、とを共存させた溶液
を凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニン γーリア
ーゼの安定化方法、及び該方法により安定化されたLーメ
チオニン γーリアーゼの発明である。
と、(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖ア
ルコール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、
(6)グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインか
ら成る群より選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存
させた溶液を凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニ
ンγーリアーゼの安定化方法、及び該方法により安定化
されたLーメチオニン γーリアーゼの発明である。ま
た、本発明は、L-メチオニン γ-リアーゼ、オリゴ糖及
び、(1)タンパク質、(2)アミノ酸、(3)グルタ
チオン及び(4)N-アセチルシステインから成る群より
選ばれた1種又は2種以上の物質、とを共存させた溶液
を凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニン γーリア
ーゼの安定化方法、及び該方法により安定化されたLーメ
チオニン γーリアーゼの発明である。
【0007】即ち、本発明者らはLーメチオニン γーリア
ーゼを簡便に長期間安定化し得る方法を見出すべく鋭意
研究を重ねた結果、L-メチオニン γ-リアーゼと、
(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコ
ール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)
グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインから成る
群より選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存させた
溶液を凍結乾燥するか、又は、L-メチオニン γ-リアー
ゼ、オリゴ糖及び、(1)タンパク質、(2)アミノ
酸、(3)グルタチオン及び(4)N-アセチルシステイ
ンから成る群より選ばれた1種又は2種以上の物質、と
を共存させた溶液を凍結乾燥することによりその目的が
達せられることを見出し、本発明を完成するに至った。
ーゼを簡便に長期間安定化し得る方法を見出すべく鋭意
研究を重ねた結果、L-メチオニン γ-リアーゼと、
(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコ
ール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)
グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインから成る
群より選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存させた
溶液を凍結乾燥するか、又は、L-メチオニン γ-リアー
ゼ、オリゴ糖及び、(1)タンパク質、(2)アミノ
酸、(3)グルタチオン及び(4)N-アセチルシステイ
ンから成る群より選ばれた1種又は2種以上の物質、と
を共存させた溶液を凍結乾燥することによりその目的が
達せられることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明に係るオリゴ糖としては、例えばサ
ッカロース,マルトース,ラクトース,トレハロース等
の二糖類、例えばラフィノース,マルトトリオース等の
三糖類等が好ましくが挙げられるが、特に好ましいのは
トレハロース、ラフィノース等である。また、水溶性多
糖類としては例えばデキストラン等が好ましく挙げられ
る。オリゴ糖または水溶性多糖類の添加割合としては、
凍結乾燥前の酵素溶液に於ける濃度として通常0.1〜20
(w/v)%、好ましくは1〜10(w/v)%の範囲が挙げら
れる。本発明に係る糖アルコールとしては、例えばソル
ビトール、マンニトール、キシリトール等が好ましく挙
げられ、その添加割合としては、凍結乾燥前の酵素溶液
に於ける濃度として通常0.1〜20(w/v)%、好ましくは
1〜10(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係るタ
ンパク質としては、例えばゼラチン加水分解物が好まし
く挙げられ、その添加割合としては、凍結乾燥前の酵素
溶液に於ける濃度として通常0.1〜20(w/v)%、好まし
くは1〜10(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係
る酸性アミノ酸としては、例えばグルタミン酸,アスパ
ラギン酸等或はこれらの塩(例えばアルカリ金属塩)等
が、また、その他のアミノ酸としては例えばグルタミ
ン,アスパラギン等が好ましく挙げられる。これらアミ
ノ酸の添加割合としては、凍結乾燥前の酵素溶液に於け
る濃度として通常0.1〜20 (w/v)%、好ましくは1〜1
0(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係るグルタチ
オンやN-アセチルシステインの添加割合としては、凍結
乾燥前の酵素溶液に於ける濃度として通常1〜20 mM、
好ましくは5〜10mMの範囲が挙げられる。
ッカロース,マルトース,ラクトース,トレハロース等
の二糖類、例えばラフィノース,マルトトリオース等の
三糖類等が好ましくが挙げられるが、特に好ましいのは
トレハロース、ラフィノース等である。また、水溶性多
糖類としては例えばデキストラン等が好ましく挙げられ
る。オリゴ糖または水溶性多糖類の添加割合としては、
凍結乾燥前の酵素溶液に於ける濃度として通常0.1〜20
(w/v)%、好ましくは1〜10(w/v)%の範囲が挙げら
れる。本発明に係る糖アルコールとしては、例えばソル
ビトール、マンニトール、キシリトール等が好ましく挙
げられ、その添加割合としては、凍結乾燥前の酵素溶液
に於ける濃度として通常0.1〜20(w/v)%、好ましくは
1〜10(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係るタ
ンパク質としては、例えばゼラチン加水分解物が好まし
く挙げられ、その添加割合としては、凍結乾燥前の酵素
溶液に於ける濃度として通常0.1〜20(w/v)%、好まし
くは1〜10(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係
る酸性アミノ酸としては、例えばグルタミン酸,アスパ
ラギン酸等或はこれらの塩(例えばアルカリ金属塩)等
が、また、その他のアミノ酸としては例えばグルタミ
ン,アスパラギン等が好ましく挙げられる。これらアミ
ノ酸の添加割合としては、凍結乾燥前の酵素溶液に於け
る濃度として通常0.1〜20 (w/v)%、好ましくは1〜1
0(w/v)%の範囲が挙げられる。本発明に係るグルタチ
オンやN-アセチルシステインの添加割合としては、凍結
乾燥前の酵素溶液に於ける濃度として通常1〜20 mM、
好ましくは5〜10mMの範囲が挙げられる。
【0009】本発明に係る上記各種添加剤(但し、グル
タミン,アスパラギン等のアミノ酸は除く。)はそれぞ
れ単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いても
何れにても良いが、2種以上組み合わせて用いる場合、
その一つをオリゴ糖とし、他を蛋白質、アミノ酸(グル
タミン、アスパラギン等の酸性アミノ酸以外のアミノ酸
も含む。)、グルタチオン及びN-アセチルシステインか
ら成る群より選ばれた1種又は2種以上とした場合は、
更に高い効果が得られる。この場合、得られたLーメチオ
ニン γーリアーゼの凍結乾燥品は37℃で3ヶ月保存後で
も酵素活性は変動しない。
タミン,アスパラギン等のアミノ酸は除く。)はそれぞ
れ単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いても
何れにても良いが、2種以上組み合わせて用いる場合、
その一つをオリゴ糖とし、他を蛋白質、アミノ酸(グル
タミン、アスパラギン等の酸性アミノ酸以外のアミノ酸
も含む。)、グルタチオン及びN-アセチルシステインか
ら成る群より選ばれた1種又は2種以上とした場合は、
更に高い効果が得られる。この場合、得られたLーメチオ
ニン γーリアーゼの凍結乾燥品は37℃で3ヶ月保存後で
も酵素活性は変動しない。
【0010】本発明で用いられるLーメチオニン γーリア
ーゼは、Pseudomonas属、Aeromonas属等本酵素を産生す
る微生物を常法により培養し、適宜精製を行う等の常法
(Analytical Biochemistry 138, 421-424 (1984)等)
により得られたものを用いれば足りる。その一例を示せ
ば例えば以下の如く行えば良い。即ち、Pseudomonas
属、Aeromonas属等のLーメチオニン γーリアーゼを産生
する微生物をL-メチオニン、尿素、グリセリン、リン酸
塩、酵母エキス等を含む適当な培地中で、20〜37℃で15
〜30時間振盪培養する。培養した菌体を集め、これを適
当な方法、例えば酸化アルミニウムと共に摩砕する等の
方法により破砕した後、適当な緩衝液等で抽出を行って
粗酵素溶液を得る。これをイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー等を用いる常法により精製すれば、L-メチオニ
ン γーリアーゼが得られる。尚、得られたLーメチオニン
γーリアーゼを含む溶液を更に限外濾過による濃縮処
理、透析処理する等は任意である。本発明を実施するに
は例えば以下のようにして行えば良い。即ち、上記した
如き方法により得られたLーメチオニン γーリアーゼと、
(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコ
ール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)
グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインから成る
群より選ばれた1種又は2種以上の化合物とを共存させ
た溶液、或は、上記した如き方法により得られたLーメチ
オニン γーリアーゼと、オリゴ糖と、(1)タンパク
質、(2)アミノ酸、(3)グルタチオン及び(4)N-
アセチルシステインから成る群より選ばれた1種又は2
種以上の化合物とを共存させた溶液[これらの溶液に
は、要すれば例えばリン酸塩,トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン,グッド(Good's)等の緩衝剤、例え
ばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等の金属マスキ
ング剤、本酵素の補酵素であるPLP等、Lーメチオニン
γーリアーゼ溶液中に適宜添加されるものをこの分野で
通常添加される濃度範囲内で含有していても良い。]
を、常法により凍結乾燥すれば良い。得られた凍結乾燥
品はそのまま適当な温度にて保存可能であるが、保存温
度が低い方がより長期の保存ができるので通常-40〜30
℃、好ましくは-40〜10℃、より好ましくは-40〜-20℃
で保存することが望ましい。
ーゼは、Pseudomonas属、Aeromonas属等本酵素を産生す
る微生物を常法により培養し、適宜精製を行う等の常法
(Analytical Biochemistry 138, 421-424 (1984)等)
により得られたものを用いれば足りる。その一例を示せ
ば例えば以下の如く行えば良い。即ち、Pseudomonas
属、Aeromonas属等のLーメチオニン γーリアーゼを産生
する微生物をL-メチオニン、尿素、グリセリン、リン酸
塩、酵母エキス等を含む適当な培地中で、20〜37℃で15
〜30時間振盪培養する。培養した菌体を集め、これを適
当な方法、例えば酸化アルミニウムと共に摩砕する等の
方法により破砕した後、適当な緩衝液等で抽出を行って
粗酵素溶液を得る。これをイオン交換カラムクロマトグ
ラフィー等を用いる常法により精製すれば、L-メチオニ
ン γーリアーゼが得られる。尚、得られたLーメチオニン
γーリアーゼを含む溶液を更に限外濾過による濃縮処
理、透析処理する等は任意である。本発明を実施するに
は例えば以下のようにして行えば良い。即ち、上記した
如き方法により得られたLーメチオニン γーリアーゼと、
(1)オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコ
ール、(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)
グルタチオン及び(7)N-アセチルシステインから成る
群より選ばれた1種又は2種以上の化合物とを共存させ
た溶液、或は、上記した如き方法により得られたLーメチ
オニン γーリアーゼと、オリゴ糖と、(1)タンパク
質、(2)アミノ酸、(3)グルタチオン及び(4)N-
アセチルシステインから成る群より選ばれた1種又は2
種以上の化合物とを共存させた溶液[これらの溶液に
は、要すれば例えばリン酸塩,トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン,グッド(Good's)等の緩衝剤、例え
ばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等の金属マスキ
ング剤、本酵素の補酵素であるPLP等、Lーメチオニン
γーリアーゼ溶液中に適宜添加されるものをこの分野で
通常添加される濃度範囲内で含有していても良い。]
を、常法により凍結乾燥すれば良い。得られた凍結乾燥
品はそのまま適当な温度にて保存可能であるが、保存温
度が低い方がより長期の保存ができるので通常-40〜30
℃、好ましくは-40〜10℃、より好ましくは-40〜-20℃
で保存することが望ましい。
【0011】本発明の方法により得られたLーメチオニン
γーリアーゼの凍結乾燥品を実際の測定等に使用する際
には、通常これを水で再溶解して用いれば良いが、溶解
後の安定性を考慮するとEDTA,PLP,2-MEやD
TTなどを含む適当な緩衝液で再溶解することが望まし
い。以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約
を受けるものではない。
γーリアーゼの凍結乾燥品を実際の測定等に使用する際
には、通常これを水で再溶解して用いれば良いが、溶解
後の安定性を考慮するとEDTA,PLP,2-MEやD
TTなどを含む適当な緩衝液で再溶解することが望まし
い。以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約
を受けるものではない。
【0012】
【実施例】以下の参考例、実施例及び比較例に於いて、
L-メチオニン γ-リアーゼの活性測定は次の方法により
行った。 ・L-メチオニン γ-リアーゼ活性測定方法 (試液) ・酵素溶解液 1mMのEDTA、0.02mMのPLP及び0.01%の2-MEを
含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)を酵素溶解液とした。 ・基質溶液 25mMのL-メチオニンと0.01mMのPLPを含む0.1Mリン
酸カリウム緩衝液(pH8.0)を基質溶液とした。 (操作方法)基質溶液 2.0mlを37℃で5分間加温する。
これに適当量のL-メチオニン γ-リアーゼを含む酵素溶
解液 0.02mlを加え、正確に37℃で10分間反応させた
後、50%トリクロロ酢酸溶液 0.25mlを加えて反応を停
止させる。次にこの1.0mlと1.0M酢酸緩衝液(pH5.0)
2.0ml及び0.1% 3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラ
ゾン塩酸塩(MBTH)溶液 0.8mlとを混合し50℃で30
分間加熱した後、冷却して320nmの吸光度 Atを測定す
る。空試験として基質溶液 2.0mlに50%トリクロロ酢酸
溶液 0.25mlをあらかじめ加えたものを37℃で5分間加
温後、酵素溶解液 0.02mlを加えて更に37℃で10分間反
応させる。以下上記と同様に操作して吸光度 Abを測定
する。酵素活性値は次式により求める。 L-メチオニン γ-リアーゼ活性値(u/ml)=(At−A
b)× 2.74
L-メチオニン γ-リアーゼの活性測定は次の方法により
行った。 ・L-メチオニン γ-リアーゼ活性測定方法 (試液) ・酵素溶解液 1mMのEDTA、0.02mMのPLP及び0.01%の2-MEを
含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)を酵素溶解液とした。 ・基質溶液 25mMのL-メチオニンと0.01mMのPLPを含む0.1Mリン
酸カリウム緩衝液(pH8.0)を基質溶液とした。 (操作方法)基質溶液 2.0mlを37℃で5分間加温する。
これに適当量のL-メチオニン γ-リアーゼを含む酵素溶
解液 0.02mlを加え、正確に37℃で10分間反応させた
後、50%トリクロロ酢酸溶液 0.25mlを加えて反応を停
止させる。次にこの1.0mlと1.0M酢酸緩衝液(pH5.0)
2.0ml及び0.1% 3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラ
ゾン塩酸塩(MBTH)溶液 0.8mlとを混合し50℃で30
分間加熱した後、冷却して320nmの吸光度 Atを測定す
る。空試験として基質溶液 2.0mlに50%トリクロロ酢酸
溶液 0.25mlをあらかじめ加えたものを37℃で5分間加
温後、酵素溶解液 0.02mlを加えて更に37℃で10分間反
応させる。以下上記と同様に操作して吸光度 Abを測定
する。酵素活性値は次式により求める。 L-メチオニン γ-リアーゼ活性値(u/ml)=(At−A
b)× 2.74
【0013】参考例1 L-メチオニン γ-リアーゼの精
製 0.25%L-メチオニン、0.1%尿素、0.1%グリセリン、0.
1%KH2PO4、0.1%K2HPO4、0.01%MgSO4・
7H2O及び0.025%酵母エキスを含む培地 600ml(pH7.
2)を2リットル坂口フラスコにとり、これにPseudomon
as putidaを一白金耳植菌し、28℃、120rpmで18時間振
盪培養した。その後、培養液を遠心分離して菌体を集
め、集めた菌体を乳鉢中で酸化アルミニウムとの摩砕に
より破砕した。破砕した菌体に10mMリン酸カリウム緩衝
液(pH7.2、10mM EDTAを含む)を加えて懸濁した
後、遠心分離して粗酵素溶液を得た。10mMリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.2、10mM EDTAを含む)で平衡化した
DEAE-Toyopearl 650Mカラム(東ソー(株)製)に上記粗
酵素溶液を吸着させた後、0.04M KCl及び10mM ED
TAを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)で該カラムを充
分に洗浄した。次いで0.08M KCl及び10mM EDTA
を含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)によって目的酵素を
溶出した。得られた酵素溶液に0.12M KClを含む0.1
Mピロリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)を添加してpH
を8.2±0.1に調整した後、これを0.12M KClを含む
0.02Mピロリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)で平衡化
したDEAE-Sephadex A-50カラム(ファルマシア バイオ
テク(株)製)に吸着させた。0.02Mピロリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH8.3、0.12M KCl含有)で該カラムを充
分に洗浄した後、0.25MKClを含む0.02Mピロリン酸
ナトリウム緩衝液(pH8.3)によって目的酵素を溶出し
た。得られた精製酵素溶液を、ADVANTEC社製PM-30膜を
用いて限外濾過濃縮し、0.02mM PLP、0.01% 2-ME
を含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)(酵素溶解
液)で透析して、L-メチオニン γ-リアーゼを得た。
製 0.25%L-メチオニン、0.1%尿素、0.1%グリセリン、0.
1%KH2PO4、0.1%K2HPO4、0.01%MgSO4・
7H2O及び0.025%酵母エキスを含む培地 600ml(pH7.
2)を2リットル坂口フラスコにとり、これにPseudomon
as putidaを一白金耳植菌し、28℃、120rpmで18時間振
盪培養した。その後、培養液を遠心分離して菌体を集
め、集めた菌体を乳鉢中で酸化アルミニウムとの摩砕に
より破砕した。破砕した菌体に10mMリン酸カリウム緩衝
液(pH7.2、10mM EDTAを含む)を加えて懸濁した
後、遠心分離して粗酵素溶液を得た。10mMリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.2、10mM EDTAを含む)で平衡化した
DEAE-Toyopearl 650Mカラム(東ソー(株)製)に上記粗
酵素溶液を吸着させた後、0.04M KCl及び10mM ED
TAを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)で該カラムを充
分に洗浄した。次いで0.08M KCl及び10mM EDTA
を含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2)によって目的酵素を
溶出した。得られた酵素溶液に0.12M KClを含む0.1
Mピロリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)を添加してpH
を8.2±0.1に調整した後、これを0.12M KClを含む
0.02Mピロリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)で平衡化
したDEAE-Sephadex A-50カラム(ファルマシア バイオ
テク(株)製)に吸着させた。0.02Mピロリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH8.3、0.12M KCl含有)で該カラムを充
分に洗浄した後、0.25MKClを含む0.02Mピロリン酸
ナトリウム緩衝液(pH8.3)によって目的酵素を溶出し
た。得られた精製酵素溶液を、ADVANTEC社製PM-30膜を
用いて限外濾過濃縮し、0.02mM PLP、0.01% 2-ME
を含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)(酵素溶解
液)で透析して、L-メチオニン γ-リアーゼを得た。
【0014】実施例1 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.24u/ml
含む酵素溶解液に、所定の単糖類、オリゴ糖又は水溶性
多糖類を5(w/v)%となるように添加、溶解したもの
を1.0mlずつバイアル瓶に小分し、常法により凍結乾燥
した。得られた凍結乾燥品を37℃で2週間保存した後、
酵素溶解液1.0mlで再溶解して酵素活性を測定した。得
られた結果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした
場合の凍結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表1
に示す。
含む酵素溶解液に、所定の単糖類、オリゴ糖又は水溶性
多糖類を5(w/v)%となるように添加、溶解したもの
を1.0mlずつバイアル瓶に小分し、常法により凍結乾燥
した。得られた凍結乾燥品を37℃で2週間保存した後、
酵素溶解液1.0mlで再溶解して酵素活性を測定した。得
られた結果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした
場合の凍結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表1
に示す。
【表1】 表1の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の、37℃
で2週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が19%であるのに対して、単糖類を添加した凍結乾燥
品では残存活性率が0%であること、即ち、単糖類はL-
メチオニン γ-リアーゼの不活化を促進することが判
る。一方、本発明に係るサッカロース,マルトース,ラ
クトース,トレハロース等の二糖類、ラフィノース,マ
ルトトリオース等の三糖類あるいはデキストラン等の水
溶性多糖類を加えた凍結乾燥品では80%以上の残存活性
率を示しており、本発明の方法によりL-メチオニン γ-
リアーゼを安定に保存し得ることが判る。また、上記で
調製した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した後、それぞ
れ再溶解して酵素活性を測定したところ、凍結乾燥後の
酵素の残存活性率は、添加剤を加えない凍結乾燥品では
55%であったのに対し、本発明に係るオリゴ糖や水溶性
多糖類を加えた凍結乾燥品ではいずれも100%であっ
た。以上のことから、本発明の安定化方法を利用するこ
とにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安定に保
存し得ることが判る。
で2週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が19%であるのに対して、単糖類を添加した凍結乾燥
品では残存活性率が0%であること、即ち、単糖類はL-
メチオニン γ-リアーゼの不活化を促進することが判
る。一方、本発明に係るサッカロース,マルトース,ラ
クトース,トレハロース等の二糖類、ラフィノース,マ
ルトトリオース等の三糖類あるいはデキストラン等の水
溶性多糖類を加えた凍結乾燥品では80%以上の残存活性
率を示しており、本発明の方法によりL-メチオニン γ-
リアーゼを安定に保存し得ることが判る。また、上記で
調製した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した後、それぞ
れ再溶解して酵素活性を測定したところ、凍結乾燥後の
酵素の残存活性率は、添加剤を加えない凍結乾燥品では
55%であったのに対し、本発明に係るオリゴ糖や水溶性
多糖類を加えた凍結乾燥品ではいずれも100%であっ
た。以上のことから、本発明の安定化方法を利用するこ
とにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安定に保
存し得ることが判る。
【0015】実施例2 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.24u/ml
含む酵素溶解液に、糖アルコールであるソルビトール、
キシリトール又はマンニトールを5(w/v)%となるよ
うに添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に小分
し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品を37
℃で2週間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解して
酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原液の
酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の残存
活性率(%)として表2に示す。
含む酵素溶解液に、糖アルコールであるソルビトール、
キシリトール又はマンニトールを5(w/v)%となるよ
うに添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に小分
し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品を37
℃で2週間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解して
酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原液の
酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の残存
活性率(%)として表2に示す。
【表2】 表2の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
2週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
は19%であるのに対して、本発明に係る糖アルコールを
加えた凍結乾燥品では、いずれも60%前後の残存活性率
を示していること、即ち、本発明の方法によりL-メチオ
ニン γ-リアーゼを安定に保存し得ることが判る。ま
た、上記で調製した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した
後、それぞれ再溶解して酵素活性を測定したところ、凍
結乾燥後の酵素の残存活性率は、添加剤を加えない凍結
乾燥品では55%であったのに対し、本発明に係る糖アル
コールを加えた凍結乾燥品ではいずれも100%であっ
た。以上のことから、本発明の安定化方法を利用するこ
とにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安定に保
存し得ることが判る。
2週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
は19%であるのに対して、本発明に係る糖アルコールを
加えた凍結乾燥品では、いずれも60%前後の残存活性率
を示していること、即ち、本発明の方法によりL-メチオ
ニン γ-リアーゼを安定に保存し得ることが判る。ま
た、上記で調製した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した
後、それぞれ再溶解して酵素活性を測定したところ、凍
結乾燥後の酵素の残存活性率は、添加剤を加えない凍結
乾燥品では55%であったのに対し、本発明に係る糖アル
コールを加えた凍結乾燥品ではいずれも100%であっ
た。以上のことから、本発明の安定化方法を利用するこ
とにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安定に保
存し得ることが判る。
【0016】実施例3 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.26u/ml
含む酵素溶解液に、ゼラチン加水分解物((株)ニッピ製
NP−2000)又は牛血清アルブミン(BSA)を
5(w/v)%となるように添加、溶解したものを1.0mlず
つバイアル瓶に小分し、常法により凍結乾燥した。得ら
れた凍結乾燥品を37℃で3週間保存した後、酵素溶解液
1.0mlで再溶解して、酵素活性を測定した。得られた結
果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍
結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表3に示す。
含む酵素溶解液に、ゼラチン加水分解物((株)ニッピ製
NP−2000)又は牛血清アルブミン(BSA)を
5(w/v)%となるように添加、溶解したものを1.0mlず
つバイアル瓶に小分し、常法により凍結乾燥した。得ら
れた凍結乾燥品を37℃で3週間保存した後、酵素溶解液
1.0mlで再溶解して、酵素活性を測定した。得られた結
果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍
結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表3に示す。
【表3】 表3の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
3週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が15%であるのに対して、本発明に係るタンパク質を添
加した凍結乾燥品の残存活性率はこれよりも高いことが
判る。特に、ゼラチン加水分解物を加えた凍結乾燥品で
は85%の残存活性率を示した。また、上記で調製した凍
結乾燥品を5℃で50日間保存した後再溶解して酵素活性
を測定したところ、凍結乾燥後の酵素の残存活性率は、
添加剤を加えない凍結乾燥品では55%であったのに対
し、ゼラチン加水分解物を加えた凍結乾燥品では100%
であった。以上のことから、本発明の安定化方法を利用
することにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安
定に保存し得ることが判る。
3週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が15%であるのに対して、本発明に係るタンパク質を添
加した凍結乾燥品の残存活性率はこれよりも高いことが
判る。特に、ゼラチン加水分解物を加えた凍結乾燥品で
は85%の残存活性率を示した。また、上記で調製した凍
結乾燥品を5℃で50日間保存した後再溶解して酵素活性
を測定したところ、凍結乾燥後の酵素の残存活性率は、
添加剤を加えない凍結乾燥品では55%であったのに対
し、ゼラチン加水分解物を加えた凍結乾燥品では100%
であった。以上のことから、本発明の安定化方法を利用
することにより、L-メチオニンγ-リアーゼを極めて安
定に保存し得ることが判る。
【0017】実施例4 参考例1で得られたL-メチオニン γ-リアーゼを約0.15
u/ml溶解した酵素溶解液に、所定のアミノ酸を5(w/
v)%となるように添加、溶解したものを1.0mlずつバイ
アル瓶に小分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍
結乾燥品を37℃で4週間保存した後、酵素溶解液1.0ml
で再溶解して酵素活性を測定した。得られた結果を、凍
結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後
の酵素の残存活性率(%)として表4に示す。
u/ml溶解した酵素溶解液に、所定のアミノ酸を5(w/
v)%となるように添加、溶解したものを1.0mlずつバイ
アル瓶に小分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍
結乾燥品を37℃で4週間保存した後、酵素溶解液1.0ml
で再溶解して酵素活性を測定した。得られた結果を、凍
結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後
の酵素の残存活性率(%)として表4に示す。
【表4】 表4の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
4週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が14%であるのに対して、アミノ酸のうち本発明に係る
酸性アミノ酸であるグルタミン酸ナトリウム又はアスパ
ラギン酸ナトリウムを加えた凍結乾燥品では、いずれも
70%以上の活性を維持していることが判る。また、その
他のアミノ酸については、L-メチオニン γ-リアーゼの
安定化効果は見られないことも判る。また、上記で調製
した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した後、それぞれ再
溶解して酵素活性を測定したところ、凍結乾燥後の酵素
の残存活性率は、添加剤を加えない凍結乾燥品では55%
であったのに対し、本発明に係る酸性アミノ酸を加えた
凍結乾燥品ではいずれも100%であった。以上のことか
ら、本発明の安定化方法を利用することにより、L-メチ
オニンγ-リアーゼを極めて安定に保存し得ることが判
る。
4週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が14%であるのに対して、アミノ酸のうち本発明に係る
酸性アミノ酸であるグルタミン酸ナトリウム又はアスパ
ラギン酸ナトリウムを加えた凍結乾燥品では、いずれも
70%以上の活性を維持していることが判る。また、その
他のアミノ酸については、L-メチオニン γ-リアーゼの
安定化効果は見られないことも判る。また、上記で調製
した凍結乾燥品を5℃で50日間保存した後、それぞれ再
溶解して酵素活性を測定したところ、凍結乾燥後の酵素
の残存活性率は、添加剤を加えない凍結乾燥品では55%
であったのに対し、本発明に係る酸性アミノ酸を加えた
凍結乾燥品ではいずれも100%であった。以上のことか
ら、本発明の安定化方法を利用することにより、L-メチ
オニンγ-リアーゼを極めて安定に保存し得ることが判
る。
【0018】実施例5 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.52u/ml
含む酵素溶解液に、ゼラチン加水分解物とサッカロース
(又はトレハロース)とをそれぞれ5(w/v)%となる
ように添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に小
分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品を
37℃で3ヶ月間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解
し、酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原
液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の
残存活性率(%)として表5に示す。
含む酵素溶解液に、ゼラチン加水分解物とサッカロース
(又はトレハロース)とをそれぞれ5(w/v)%となる
ように添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に小
分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品を
37℃で3ヶ月間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解
し、酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原
液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の
残存活性率(%)として表5に示す。
【表5】 表5の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
3ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が8%であるのに対して、ゼラチン加水分解物とサッ
カロース(又はトレハロース)とを組合せて添加した凍
結乾燥品では、いずれも100%の残存活性率を示してい
ることが判る。この結果と実施例1及び実施例3の結果
との比較から、本発明に係るオリゴ糖とタンパク質とを
組み合わせて用いることによりL-メチオニン γ-リアー
ゼをより安定に保存し得ることが判る。
3ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が8%であるのに対して、ゼラチン加水分解物とサッ
カロース(又はトレハロース)とを組合せて添加した凍
結乾燥品では、いずれも100%の残存活性率を示してい
ることが判る。この結果と実施例1及び実施例3の結果
との比較から、本発明に係るオリゴ糖とタンパク質とを
組み合わせて用いることによりL-メチオニン γ-リアー
ゼをより安定に保存し得ることが判る。
【0019】比較例1 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約2.84u/ml
含む酵素溶解液をそのまま5℃で50日間保存した後、酵
素活性を測定した。その結果、50日間低温保存後の酵素
活性は保存前の酵素活性の28%にまで低下していること
が判った。
含む酵素溶解液をそのまま5℃で50日間保存した後、酵
素活性を測定した。その結果、50日間低温保存後の酵素
活性は保存前の酵素活性の28%にまで低下していること
が判った。
【0020】比較例2 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.26u/ml
含む酵素溶解液に、ジチオスレイトール(DTT)を1.
2mMとなるように添加したものを1.0mlずつバイアル瓶に
小分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品
を37℃で1週間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解
して酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原
液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の
残存活性率(%)として表6に示す。
含む酵素溶解液に、ジチオスレイトール(DTT)を1.
2mMとなるように添加したものを1.0mlずつバイアル瓶に
小分し、常法により凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品
を37℃で1週間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解
して酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾燥原
液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵素の
残存活性率(%)として表6に示す。
【表6】 表6の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
1週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が32%であるのに対してDTTを添加した凍結乾燥品の
残存活性率は5%であること、即ち、DTTにはL-メチ
オニン γ-リアーゼの安定化効果はないことが判る。
1週間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性率
が32%であるのに対してDTTを添加した凍結乾燥品の
残存活性率は5%であること、即ち、DTTにはL-メチ
オニン γ-リアーゼの安定化効果はないことが判る。
【0021】比較例3 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約1.67u/ml
含む酵素溶液を-20℃で50日間凍結保存した後、50mM D
TTを含む0.01Mリン酸カリウム溶液中で1時間透析し
て再溶解したものについて酵素活性を測定した。その結
果、70日間凍結保存後の酵素活性は保存前の30%にまで
低下していることが判った。実施例6参考例1で得たL-
メチオニン γ-リアーゼを約2.72u/ml含む酵素溶解液
に、グルタチオン又はN-アセチルシステインを10mMとな
るように添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に
小分し、常法によ り凍結乾燥した。得られた凍結乾燥
品を37℃で2ヶ月間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再
溶解し、酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾
燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵
素の残存活性率(%)として表7に示す。
含む酵素溶液を-20℃で50日間凍結保存した後、50mM D
TTを含む0.01Mリン酸カリウム溶液中で1時間透析し
て再溶解したものについて酵素活性を測定した。その結
果、70日間凍結保存後の酵素活性は保存前の30%にまで
低下していることが判った。実施例6参考例1で得たL-
メチオニン γ-リアーゼを約2.72u/ml含む酵素溶解液
に、グルタチオン又はN-アセチルシステインを10mMとな
るように添加、溶解したものを1.0mlずつバイアル瓶に
小分し、常法によ り凍結乾燥した。得られた凍結乾燥
品を37℃で2ヶ月間保存した後、酵素溶解液1.0mlで再
溶解し、酵素活性を測定した。得られた結果を、凍結乾
燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍結乾燥後の酵
素の残存活性率(%)として表7に示す。
【表7】 表7の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が10%であるのに対して、グルタチオン又はN-アセ
チルシステインを添加した凍結乾燥品では、いずれも6
5%前後の残存活性率を示していること、即ちグルタチ
オンやN-アセチルシステインにはL-メチオニン γ-リ
アーゼの凍結乾燥時の失活を防止する効果があることが
判る。また、比較例2の結果から、チオール化合物の1
種であるDTTにはL-メチオン γ-リアーゼの凍結乾
燥時の失活を防止する効果はないことが判明しているの
で、グルタチオンやN-アセチルシステインにこのような
効果があることは意外なことであった。
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が10%であるのに対して、グルタチオン又はN-アセ
チルシステインを添加した凍結乾燥品では、いずれも6
5%前後の残存活性率を示していること、即ちグルタチ
オンやN-アセチルシステインにはL-メチオニン γ-リ
アーゼの凍結乾燥時の失活を防止する効果があることが
判る。また、比較例2の結果から、チオール化合物の1
種であるDTTにはL-メチオン γ-リアーゼの凍結乾
燥時の失活を防止する効果はないことが判明しているの
で、グルタチオンやN-アセチルシステインにこのような
効果があることは意外なことであった。
【0022】実施例7 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約0.52u/ml
含む酵素溶解液に、トレハロース(又はサッカロース)
が5(w/v)%、又はトレハロース(又はサッカロー
ス)及びグルタミン(又はグルタミン酸Na)が夫々5
(W/V)%となるように添加、溶解したものを1.0mlずつ
バイアル瓶に小分し、常法によ り凍結乾燥した。得ら
れた凍結乾燥品を37℃で16ヶ月間保存した後、酵素溶解
液1.0mlで再溶解し、酵素活性を測定した。得られた結
果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍
結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表8に示す。
含む酵素溶解液に、トレハロース(又はサッカロース)
が5(w/v)%、又はトレハロース(又はサッカロー
ス)及びグルタミン(又はグルタミン酸Na)が夫々5
(W/V)%となるように添加、溶解したものを1.0mlずつ
バイアル瓶に小分し、常法によ り凍結乾燥した。得ら
れた凍結乾燥品を37℃で16ヶ月間保存した後、酵素溶解
液1.0mlで再溶解し、酵素活性を測定した。得られた結
果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100%とした場合の凍
結乾燥後の酵素の残存活性率(%)として表8に示す。
【表8】 表8の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が0%であるのに対して、トレハロース(又はサッカ
ロース)のみを添加した凍結乾燥品では、0%の残存活
性率を示し、トレハロース(又はサッカロース)とグル
タミン(又はグルタミン酸Na)とを組合せて添加した凍
結乾燥品では、37〜62%の残存活性率を示している
ことが判る。これらのことから、トレハロース(又はサ
ッカロース)とグルタミン(又はグルタミン酸Na)とを
組合せて用いることにより、L-メチオニン γ-リアー
ゼの凍結乾燥時の安定性を、トレハロース(又はサッカ
ロース)単独の場合よりも向上させることができること
が判る。
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が0%であるのに対して、トレハロース(又はサッカ
ロース)のみを添加した凍結乾燥品では、0%の残存活
性率を示し、トレハロース(又はサッカロース)とグル
タミン(又はグルタミン酸Na)とを組合せて添加した凍
結乾燥品では、37〜62%の残存活性率を示している
ことが判る。これらのことから、トレハロース(又はサ
ッカロース)とグルタミン(又はグルタミン酸Na)とを
組合せて用いることにより、L-メチオニン γ-リアー
ゼの凍結乾燥時の安定性を、トレハロース(又はサッカ
ロース)単独の場合よりも向上させることができること
が判る。
【0023】実施例8 参考例1で得たL-メチオニン γ-リアーゼを約2.72u/ml
含む酵素溶解液に、トレハロースが5(w/v)%、又は
トレハロースが5(w/v)%及びグルタチオン(又はN-
アセチルシステイン)が10mMとなるように添加、溶解し
たものを1.0mlずつバイアル瓶に小分し、常法によ り凍
結乾燥した。得られた凍結乾燥品を37℃で2ヶ月間保存
した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解し、酵素活性を測定
した。得られた結果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100
%とした場合の凍結乾燥後の酵素の残存活性率(%)と
して表9に示す。
含む酵素溶解液に、トレハロースが5(w/v)%、又は
トレハロースが5(w/v)%及びグルタチオン(又はN-
アセチルシステイン)が10mMとなるように添加、溶解し
たものを1.0mlずつバイアル瓶に小分し、常法によ り凍
結乾燥した。得られた凍結乾燥品を37℃で2ヶ月間保存
した後、酵素溶解液1.0mlで再溶解し、酵素活性を測定
した。得られた結果を、凍結乾燥原液の酵素活性を100
%とした場合の凍結乾燥後の酵素の残存活性率(%)と
して表9に示す。
【表9】 表9の結果から、添加剤を加えない凍結乾燥品の37℃で
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が10%であるのに対して、トレハロースのみを添加
した凍結乾燥品では、25%の残存活性率を示し、トレ
ハロースとグルタチオン(又はN-アセチルシステイン)
とを組合せて添加した凍結乾燥品では、89〜95%の
残存活性率を示していることが判る。これらのことか
ら、トレハロースとグルタチオン(又はN-アセチルシス
テイン)とを組合せて用いることにより、L-メチオニン
γ-リアーゼの凍結乾燥時の安定性を、トレハロース
単独の場合よりも向上させることができることが判る。
2ヶ月間保存後のL-メチオニン γ-リアーゼの残存活性
率が10%であるのに対して、トレハロースのみを添加
した凍結乾燥品では、25%の残存活性率を示し、トレ
ハロースとグルタチオン(又はN-アセチルシステイン)
とを組合せて添加した凍結乾燥品では、89〜95%の
残存活性率を示していることが判る。これらのことか
ら、トレハロースとグルタチオン(又はN-アセチルシス
テイン)とを組合せて用いることにより、L-メチオニン
γ-リアーゼの凍結乾燥時の安定性を、トレハロース
単独の場合よりも向上させることができることが判る。
【0024】
【発明の効果】以上述べたことから明かな如く、本発明
は、L-メチオニン、L-システイン等のアミノ酸の検出及
び定量等に有用なL-メチオニン γ-リアーゼの安定化方
法を提供するものであり、本発明を利用することによ
り、従来は保存が難しかったL-メチオニン γ-リアーゼ
を簡便に且つ長期間安定に保存することが可能となるの
で、斯業に貢献するところ大なる発明である。
は、L-メチオニン、L-システイン等のアミノ酸の検出及
び定量等に有用なL-メチオニン γ-リアーゼの安定化方
法を提供するものであり、本発明を利用することによ
り、従来は保存が難しかったL-メチオニン γ-リアーゼ
を簡便に且つ長期間安定に保存することが可能となるの
で、斯業に貢献するところ大なる発明である。
Claims (13)
- 【請求項1】 L-メチオニン γ-リアーゼと、(1)オ
リゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコール、
(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)グルタ
チオン及び(7)N-アセチルシステインから成る群より
選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存させた溶液を
凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニン γーリアー
ゼの安定化方法。 - 【請求項2】 オリゴ糖がサッカロース、マルトース、
ラクトース、トレハロース、ラフィノース又はマルトト
リオースである請求項1に記載の安定化方法。 - 【請求項3】 オリゴ糖がトレハロース又はラフィノー
スである請求項1に記載の安定化方法。 - 【請求項4】 水溶性多糖類がデキストランである請求
項1に記載の安定化方法。 - 【請求項5】 糖アルコールがソルビトール、マンニト
ール又はキシリトールである請求項1に記載の安定化方
法。 - 【請求項6】 タンパク質がゼラチンの加水分解物であ
る請求項1に記載の安定化方法。 - 【請求項7】 酸性アミノ酸がグルタミン酸、アスパラ
ギン酸又はこれらのアルカリ金属塩である請求項1に記
載の安定化方法。 - 【請求項8】 L-メチオニン γ-リアーゼ、オリゴ糖及
び、(1)タンパク質、(2)アミノ酸、(3)グルタ
チオン及び(4)N-アセチルシステインから成る群より
選ばれた1種又は2種以上の物質、とを共存させた溶液
を凍結乾燥することを特徴とするLーメチオニン γーリア
ーゼの安定化方法。 - 【請求項9】 オリゴ糖がサッカロース、マルトース、
ラクトース、トレハロース、ラフィノース又はマルトト
リオースである請求項8に記載の安定化方法。 - 【請求項10】 タンパク質がゼラチンの加水分解物で
ある請求項8又は9に記載の安定化方法。 - 【請求項11】 アミノ酸が、グルタミン、グルタミン
酸又はグルタミン酸の塩である請求項8又は9に記載の
安定化方法。 - 【請求項12】 Lーメチオニン γーリアーゼと、(1)
オリゴ糖、(2)水溶性多糖類、(3)糖アルコール、
(4)タンパク質、(5)酸性アミノ酸、(6)グルタ
チオン及び(7)N-アセチルシステインから成る群より
選ばれた1種又は2種以上の物質とを共存させた溶液を
凍結乾燥して成る、安定化されたLーメチオニン γーリア
ーゼ。 - 【請求項13】 Lーメチオニン γーリアーゼ、オリゴ糖
及び、(1)タンパク質、(2)アミノ酸、(3)グル
タチオン及び(4)N-アセチルシステインから成る群よ
り選ばれた1種又は2種以上の物質、とを共存させた溶
液を凍結乾燥して成る、安定化されたLーメチオニン γー
リアーゼ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06337280A JP3125610B2 (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | L−メチオニン γ−リアーゼの安定化法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34824593 | 1993-12-24 | ||
JP5-348245 | 1993-12-24 | ||
JP06337280A JP3125610B2 (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | L−メチオニン γ−リアーゼの安定化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07227282A true JPH07227282A (ja) | 1995-08-29 |
JP3125610B2 JP3125610B2 (ja) | 2001-01-22 |
Family
ID=26575728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06337280A Expired - Fee Related JP3125610B2 (ja) | 1993-12-24 | 1994-12-26 | L−メチオニン γ−リアーゼの安定化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3125610B2 (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-12-26 JP JP06337280A patent/JP3125610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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