JPH0722727B2 - モノマー液体の霧化及び気化蒸着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、モノマー液体を霧化し、気化し、支持体表面
に蒸着させる装置に関する。

〔従来の技術〕

1984年６月14日に出願された、“小型モノリシック多層
コンデンサおよびその製造装置ならびに製法”と題する
米国特許出願第620,647号明細書には小型電気コンデン
サの製造装置ならびに製造方法が開示されている。この
製造方法は、高真空下における蒸着工程を有しており、
蒸着されるもののひつとはモノマーの形の樹旨である。
この樹旨は、蒸着硬化後、モノリシックコンデンサ構造
体上に誘電層を形成する。

フラッシュ蒸発という技術においては液体の微粒子が気
化熱を与えられて瞬間的に蒸発するが、この方法によれ
ば樹旨が、その蒸着工程を通じてモノマーの形態を維持
し得、その後の工程において架橋硬化される。モノマー
は比較的粘性が高く霧化することが難しい。液体を圧力
下において噴霧して霧化することは、極度に薄い蒸着層
を得るのに必要な気化量よりもずっと大きな気化量をも
たらす。また、噴霧を行なうための圧縮ガスの使用は、
蒸着のための真空環境に好ましからざる影響を及ぼす。

〔発明の内容〕

本発明の目的は、粘性の高い液体であるモノマー溶液を
霧化し、ついで気化し、これを支持体表面に蒸着させる
装置を提供することである。本発明の他の目的は、標準
的な器具並びに構造を有し、従って、安価に製作し維持
することができるモノマーの霧化及び気化蒸着装置を提
供することにある。

本発明の上記および他の目的は、以下に添付図面を参照
しつつ行う説明から明らかになろう。

本発明の推奨実施例について専ら説明を行なうが、本発
明をかかる実施例にのみ制限する意図ではないことが理
解されよう。即わち、いろいろな代案、修正、および等
価物の使用が、特許請求の範囲に示される本発明の精神
および範囲を逸脱することなく可能であることが理解さ
れよう。

図において、ライン11および弁12を経て供給されたモノ
マー液を気化させ、更に回転ドラム14の表面13に気化蒸
気を蒸着させるための装置10が示されている。モノマー
液は、本発明を実施する構造体15によって霧化され、蒸
発室16内においてヒーター17の熱を受けて気化され、ノ
ズル構造体18を介してドラム表面13に付着せしめられ
る。ノズル構造体18は蒸着を、不活性ガスに蒸気の流れ
を閉じ込めることによって部分的に制御する。

装置10の全体の構成ならびに目的については前記した出
願番号620,647号明細書に示すとおりであり、これを参
照されたい。

本発明においては、構造体15がモノリシックであること
が必要であり、その一端のチップ部分31が蒸発室16の中
に延在し、これに液体を供給するようになっている。更
に、構造体15の他端には超音波振動装置32が結合されて
いる。構造体15はカラー34によって支持されており、こ
のカラー34は、チップ部分31が延在する蒸発室の開口を
閉鎖しており、チップ部分の喉部付近に固定されてい
る。チップ部分31は首状になったチップ35を有し、この
チップ35は端面36を有し、この端面にチップ部分31に設
けられた毛細通路37を通って液体が供給される。毛細通
路37は、圧縮継手38を介して液体供給ライン11に接続さ
れている。

好ましくは圧電水晶発振器である振動装置32は、ライン
41を介して電源39から電力を受けるようになっている。
チップ35およびその端面36の超音波振動の結果、液体が
通路37から流出し、端面36を覆い、微小な液滴となっ
て、室16の広範囲パターンを通して拡散される。このパ
ターンは、端面36のような平坦な面が使用される時には
浅い円鐘形をなす。典形的には350乃至400゜Fである加熱
された室壁にあたった液体は蒸発し、ガス圧を生じてこ
れによって蒸気が駆動されてノズル構造体18を介して表
面13上に付着することになる。

結合部材43の長さと、チップ部分31の長さとは振動の波
長の1/2に対応する長さであり、装置32は結合部材43と
チップ部分31との基本振動数で作動し、端面36において
最大の振幅が得られまた最小の振幅即わち振動の節が結
合部材43とチップ部分31との間の接合点に表われる。

振動装置32を熱から守るために、チップ部分31と振動装
置32との間に、剛固に接続された結合部材43は水冷構造
となっており、冷却水がライン44を介して、結合部材43
中の通路を流れるようになっている。

チップ部分36を介して蒸発室16から伝わる熱は、結合部
材43およびその中を流通する冷却水によって吸収される
ので、振動装置が過度の温度上昇によって悪影響を受け
ることはない。

振動の吸収を最小にするために、ライン38、44およびカ
ラー34との接続部は振動の節あるいはその近傍にあたる
部分に設けられる。構造体15はカラー34によって片持梁
的に支持されるので、振動の減衰を受けることなく振動
することができる。

チップ部分31の材料としてはチタニウム合金6AL4Vのよ
うな材料が適当であることがわかった。通路37の直径は
ライン11を流れる液体の流量によって決まるが、20ミル
乃至1/8インチが適当であることがわかった。

チップ部分31、振動装置32および電子装置39などの基本
要素は実験室用の標準装置、例えば超音波乳化装置等に
求めることができ、このような比較的標準的な要素を使
用する霧化装置は比較的安価に製造し維持することがで
きる。

【図面の簡単な説明】 添付された単一の図面は、本発明による霧化装置を実施
する装置の部分断面概略図である。 10……霧化および蒸着装置、14……ドラム、15……霧化
用構造体、16……蒸発室、18……ノズル構造体、23……
真空室、31……チップ部分、32……超音波振動装置、35
……チップ、36……チップ端面、43……水冷構造の結合
部材。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】真空室と、前記真空室中に設けられた加熱
   された気化室、前記真空室中に設けられた細長い一体的
   な構造体であって、その一端に前記蒸発室中に突入延在
   するチップ部分を有する構造体と、前記構造体の他端に
   設けられた超音波振動装置と、前記超音波振動装置を付
   勢して前記チップ部分に振動を与えるための手段とを含
   み、前記チップ部分は振動の節部分から約1/4波長離れ
   た位置にその端面を有し且つ当該端面で終る毛細通路を
   形成しており、更に前記通路にモノマー液体を供給して
   前記端面上に流出せしめ、これを気化されるべき液体粒
   子の形に霧化せしめるための手段と、前記蒸発室と前記
   装置との間で前記構造体に設けられた冷却室と、前記冷
   却室に冷却流体を流して前記超音波振動装置を前記蒸発
   室から熱的に遮断するための手段、及び霧化させ気化さ
   せたモノマーを支持体表面に蒸着させるための手段とを
   含むことを特徴とする霧化及び気化蒸着装置。
2. 【請求項２】前記一体的な構造体が前記チップ部分に結
   合された結合部分を有する特許請求の範囲第（１）項記
   載の装置。
3. 【請求項３】前記結合部分が前記冷却室を有している特
   許請求の範囲第（２）項記載の液体気化装置。
4. 【請求項４】前記チップ部分の長さが、前記超音波振動
   装置によって与えられる振動の1/4波長に相当する特許
   請求の範囲第（１）項記載の装置。
5. 【請求項５】前記構造体の長さが前記超音波振動装置に
   よって与えられる振動の一波長に相当する特許請求の範
   囲第（１）項記載の装置。
6. 【請求項６】前記超音波振動装置は、前記構造体の基本
   振動周波数の振動を与え、前記端面に最大の振幅が得ら
   れるようになっている特許請求の範囲第（１）項記載の
   装置。