JPH07227125A

JPH07227125A - 自走草刈機

Info

Publication number: JPH07227125A
Application number: JP6045030A
Authority: JP
Inventors: Seiji Teramoto; 元省二寺
Original assignee: Seirei Industry Co Ltd
Current assignee: Yanmar Agribusiness Co Ltd
Priority date: 1994-02-18
Filing date: 1994-02-18
Publication date: 1995-08-29

Abstract

(57)【要約】（修正有）［目的］走行車輪によって走行する機体に、一定姿勢の
回転刃と、傾斜角度調節可能な回転刃とを併設して、水
平な場所の草刈だけでなく、畦畔の上面と法面の同時刈
りもできるようにした自走草刈機を、機体が安定よく支
えられて作業者にかかる労力負担の少ない状態で楽に、
且つ高能率に作業できるものとする。［構成］一定姿勢の回転刃と傾斜角度調節可能な回転刃
とを併設してある自走草刈機の走行装置を、所定の間隔
をもって前後に配設される一対の走行車輪で構成すると
ともに、両回転刃を、一対の走行車輪の間で、且つ、走
行車輪を中心にして左右に振り分け状に配設した自走草
刈機にしている。また、両回転刃を駆動する刈刃駆動装
置のうちの何れか一方に、正逆転切換伝介装した自走草
刈機にし、さらに、走行車輪を駆動する車輪駆動系に、
クラッチ接続状態のままで切換え可能な正逆転機構を介
装した自走草刈機にしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、走行車輪によって走行
する機体に、一定姿勢の回転刃と傾斜角度変更可能な回
転刃とを装設することによつて、水平な場所の草刈のみ
ならず、畦畔の上面と法面を同時に草刈することもでき
るように構成された自走草刈機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の自走草刈機は、例えば、実公昭
６３−１０６５９号公報や、実公昭６３−２５９６２号
公報などによって既に知られているところである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものは、一定姿勢の回転刃を、エンジンによって駆動さ
れる走行車輪の前方延長線状に配設し、傾斜角度変更可
能な回転刃は、前記走行車輪よりも前方部位にあって機
体横側方に張出し位置させて設けるものであったから、
左右方向の重量バランスが悪くて、殊に、畦畔の上面と
法面を同時に草刈する場合には、作業者自身が外力を加
えて機体を所定姿勢に支えることが必要になり労力負担
が大きいという問題があった（第１の問題点）。

【０００４】また、従来のものは、一定姿勢の回転刃と
傾斜角度変更可能な回転刃の双方が常に、定められた方
向にしか回転しないものであったから、草量が多い場合
には刈取った草の排出が良好に行われないという問題が
あった（第２の問題点）。さらに、従来のものは、機体
が前進方向に直進走行する状態でしか作業することがで
きないものであったから、作業地に対する適応性がよく
なくて作業能率がよくないという問題もあった（第３の
問題点）。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上述し
た問題点を解消することにあり、第１の問題点を解消す
るため、一定姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回
転刃(８)とを装設してある自走草刈機に、前後一対の走
行車輪(１)(２)を設けるとともに、回転刃(７)(８)を、
一対の走行車輪(１)(２)の間で、且つ、走行車輪(１)
(２)を中心にして左右に振り分け状に配設し、一対の走
行車輪(１)(２)と、走行車輪(１)(２)に対し直交状で左
右に並列する回転刃(７)(８)部に付設する接地そり体
(２３)(２４)とで機体を支持するようにしている。

【０００６】また、第２の問題点を解消するため、一定
姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)とを
装設してある自走草刈機において、回転刃(７)(８)を駆
動する刈刃駆動部(Ｄ２)(Ｄ３)のうち何れか一方に、正
逆転切換伝動機構(２７)を介装した自走草刈機としてお
り、さらに、第３の問題点を解決するために、一定姿勢
の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)とを装設
した自走草刈機において、走行車輪を駆動する車輪駆動
部(Ｄ１)に、クラッチ(１０)を接続した状態のままで切
換え可能な正逆転機構を介装した自走草刈機としてい
る。

【０００７】

【作用】傾斜角度変更可能な回転刃(８)を、一定姿勢の
回転刃(７)と同じような姿勢になるように角度調節すれ
ば、回転刃(７)(８)の双方が平坦な地面に沿うように位
置し、それぞれの下方に付設されている接地そり体(２
３)(２４)が接地して、機体は、接地そり体(２３)(２
４)と前後一対の走行車輪(１)(２)とで４点接地状態に
安定よく支えられ、また、畦畔の上面と法面を同時に草
刈するときには、傾斜角度変更可能な回転刃(８)を角度
調節して法面に沿わせるように位置させて作業するが、
このときにも、機体は、接地そり体(２３)(２４)と前後
一対の走行車輪(１)(２)とで４点接地状態で左右バラン
スよく支えられるので、いずれの作業体勢においても作
業者は労力負担少なく楽に作業をすることができる。

【０００８】そして、回転刃(７)(８)を駆動する刈刃駆
動部(Ｄ２)(Ｄ３)のうち何れか一方に正逆転切換伝動機
構(２７)を介装した場合には、草量の多さに応じて、一
方の回転刃を他方の回転刃に対して逆転させる状態に切
り換え、刈草が両側に分散排出される捌きのよい状態に
して作業することができる。また、走行車輪を駆動する
車輪駆動部(Ｄ１)に、クラッチ(１０)を接続した状態の
ままで切換え可能な正逆転機構を介装した場合には、直
進状態での作業だけでなく、任意の時期に車輪駆動部
(Ｄ１)を正逆転切換えすることで機体を左右にジグザク
状に走行させながら作業することもできる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。図１は本発明に係る草刈機の全体側面図、図２は
同じく平面概略図、図３は図１のＡ−Ａ断面拡大図、図
４は図３のＢ部の内部構造説明図、図５は畦畔の上面及
び法面を草刈する状態を示す説明図である。

【００１０】図１および図２において、草刈機は、前後
一対の走行車輪(１)(２)を支承した車輪支持ケ−ス(３)
を、エンジン(４)の下方に連設されているミッションケ
−ス(５)に取付け、ミッションケ−ス(５)から後方に操
縦ハンドル(６)を延設した自走機体に、左右一対の回転
刃(７)(８)を装備して、これらの回転刃(７)(８)と前後
一対の走行車輪(１)(２)とを、ミッションケ−ス(５)に
収容されている伝動機構でもって駆動して自走しながら
刈取作業するように構成されており、操縦ハンドル(６)
は、上下及び左右に回動可能で、特に、上下方向にはス
トッパ−(３４)(３４)により規制される範囲内において
自由に動き得るフロ−ティング構造にして設けられてい
る。

【００１１】そして、上記伝動機構は、図３に示されて
いるように、エンジン(４)の出力軸(９)にクラッチ(１
０)を介して連動結合される入力軸(１１)と、入力軸(１
１)に変速伝動部(１２)を介して連動連結された回転軸
(１３)と、回転軸(１３)に連動装設される車輪駆動部
(Ｄ１)と、２つの刈刃駆動部(Ｄ２)(Ｄ３)とで構成され
ている。

【００１２】車輪駆動部(Ｄ１)は、回転軸(１３)と一体
的に回転する駆動体(１４)を、回転軸(１３)の軸心方向
にスライド移動できるように嵌装し、その駆動体(１４)
をシフタ−(１５)でスライド移行させて、駆動体(１４)
に対向形設されている円錐状の摩擦面(１４ａ)(１４ｂ)
の何れかを択一に受動円錐体(１６)に圧接することによ
り受動円錐体(１６)側に正転又は逆転動力を伝達するよ
うに構成され、シフタ−(１５)は、操縦ハンドル(６)の
手元部に設けられる走行方向切換レバ−(３５)により作
動し得るようになっている。

【００１３】しかして、上記受動円錐体(１６)は、回転
軸(１３)に直交してミッションケ−ス(５)に軸受されて
いる伝動軸(１７)に嵌着され、その伝動軸(１７)は車輪
支持ケ−ス(３)内に延設されて、同部に嵌着されるスプ
ロケット(１８)と、車輪支持ケ−ス(３)の所定部位に横
設されている前後の車軸(１９)(２０)に嵌着されたスプ
ロケットとにチエンを掛回して駆動機構を構成し、前後
の車軸(１９)(２０)に取付けられた走行車輪(１)(２)を
正転又は逆転駆動するようになっている。

【００１４】また、２つの刈刃駆動部(Ｄ２)(Ｄ３)のう
ちの一方(Ｄ２)は、前述した回転軸(１３)を、ミッショ
ンケ−ス(５)から下方に垂設する支持筒部(２１)内を経
て下方に延設し、その下方突出端部に着脱自在に取付け
る回転刃(７)を駆動するように構成され、さらに、他方
の刈刃駆動部(Ｄ３)は、ミッシヨンケ−ス(５)から横側
部に延設する保持ケ−ス(２２)に収容される伝動系によ
って回転刃(８)を駆動するように構成されている。な
お、刈刃駆動部(Ｄ２)における回転刃(７)の下方と、刈
刃駆動部(Ｄ３)における回転刃(８)の下方には、遊転す
る接地そり体(２３)(２４)がそれぞれ設けられている。

【００１５】前記保持ケ−ス(２２)は、横方向(図４の
Ｘ方向)に伸縮することができる横伸縮ケ−ス(２２ａ)
をミッシヨンケ−ス(５)から横側方に延設し、その横伸
縮ケ−ス(２２ａ)の延出端部に、縦方向(図４のＹ方向)
に伸縮することができる縦伸縮ケ−ス(２２ｂ)を回動連
結部(Ｂ)を介して連結して、回動連結部(Ｂ)を回動調節
することにより縦伸縮ケ−ス(２２ｂ)の垂下角(ａ)を任
意に調節できるように構成されている。

【００１６】また、保持ケ−ス(２２)内に収容される伝
動系は、横伸縮ケ−ス(２２ａ)の伸縮に追従する伸縮軸
になった横駆動軸(２５)と、縦伸縮ケ−ス(２２ｂ)の伸
縮に追従する伸縮軸になった縦駆動軸(２６)とを回動連
結部(Ｂ)内の正逆転切換伝動機構(２７)により連動連結
して構成され、前記回転刃(８)は、縦駆動軸(２６)の下
方端部に嵌着されている。

【００１７】回動連結部(Ｂ)内の正逆転切換伝動機構
(２７)は、図４にみられるように、横駆動軸(２５)に遊
嵌した一対のベベルギア(２８)(２９)を、横駆動軸(２
５)に対して直交する枢軸に支持されたベベルギア(３
０)に常時噛合させ、そのベベルギア(３０)に、縦駆動
軸(２６)の上端部に嵌着した受動ベベルギア(３１)を噛
合させて、前記一対のベベルギア(２８)(２９)を、操縦
ハンドル(６)に装設される回転方向切換レバ−(３６)に
接続したシフタ−(３２)でもってスライド移行されるク
ラッチ体(３３)を介して横駆動軸(２５)に択一に結合す
ることによって、縦駆動軸(２６)および回転刃(８)を、
ミッションケ−ス(５)の直下に位置する回転刃(７)と同
じ方向、または反対方向に回転駆動することができるよ
うに構成されている。そして、二つの回転刃(７)(８)
は、平面視（図２参照）において、前後一対の走行車輪
(１)(２)の間にあり、且つ、走行車輪(１)(２)を中心に
して左右に振り分け状に位置している。

【００１８】なお、前後一対の走行車輪(１)(２)のう
ち、少なくとも前方の走行車輪(１)は幅狭に形成するの
が好ましい。また、図示された実施例では、前後一対の
走行車輪(１)(２)の双方を駆動するものとしているが、
前方又は後方の何れか一方の走行車輪のみを駆動するよ
うに構成してもよい。さらに、走行車輪(１)(２)を支承
する車輪支持ケ−ス(３)は、ミッションケ−ス(５)に固
着又は一体的に連設してもよいが、場合によっては、ミ
ッションケ−ス(５)に対し伝動軸(１７)中心で回動させ
て任意の回動位置に固定できるように構成してもよく、
そのようにした場合には、車輪支持ケ−ス(３)の回動で
もって前後の走行車輪(１)(２)の上下位置を背反に変更
することにより回転刃(７)(８)の前傾角を設定すること
ができる。

【００１９】図示の実施例のように構成された草刈機で
平坦地の草刈りをする場合は、図３にみられるように、
保持ケ−ス(２２)の伸縮と回動連結部(Ｂ)の回動調節に
よって、保持ケ−ス(２２)側の回転刃(８)を、支持筒部
(２１)側の回転刃(７)と同じように平坦な地面に沿うよ
うに位置させる。そして、ミッションケ−ス(５)内の伝
動機構を稼働すれば、車輪駆動部(Ｄ１)により前後一対
の走行車輪(１)(２)が駆動され、その際、車輪駆動部
(Ｄ１)が正転状態にあれば前進方向に、また、逆転状態
にあれば後進方向に機体が直進走行すると共に、刈刃駆
動部(Ｄ２)(Ｄ３)によって回転刃(７)(８)が回転駆動さ
れて所期の草刈りが行われる。

【００２０】しかして、上記のような作業体勢において
は、前後一対の走行車輪(１)(２)と左右に並列する回転
刃(７)(８)の下側に設けられている接地そり体(２３)
(２４)の４点で接地するので機体の安定がよく、作業者
は上下方向にフロ−ティング構造の操縦ハンドル(６)を
握って楽に作業することができるのである。また、草の
量が多い時には、回転方向切換レバ−(３６)を操作し、
回転刃(８)を回転刃(７)に対して反対方向に回転させ
て、刈草を両側に排出する草捌けのよい状態で作業する
ことができる。

【００２１】さらに、回転刃(７)(８)を、図３のように
同じ向きにした作業体勢では、機体を直進しながらの作
業だけでなく、機体を左右にジグザグ状に走行させなが
らの作業もできる。つまり、操縦ハンドル(６)を、走行
車輪(１)(２)に対して交差する横向きに向け変え、その
操縦ハンドル(６)を作業者が握持して、走行方向切換レ
バ−(３５)を任意の時期に握ったり放したりすれば、そ
れによって車輪駆動部(Ｄ１)が正転又は逆転状態に切り
換えられることになって機体が左右にジグザク走行する
のである。

【００２２】ついで、畦畔の上面および法面を同時に草
刈りする場合には、図５にみられるように、保持ケ−ス
(２２)の伸縮と回動連結部(Ｂ)の回動調節によって、保
持ケ−ス(２２)側の回転刃(８)を畦畔の法面に沿わせる
ように位置させる。そうして、作業開始すれば、車輪駆
動部(Ｄ１)によって走行車輪(１)(２)が正転又は逆転方
向に駆動されて機体が直進走行し、且つ、刈刃駆動部
(Ｄ２)(Ｄ３)によって回転刃(７)(８)が回転駆動され
て、回転刃(７)による畦畔上面の草刈りと、回転刃(８)
による畦畔法面の草刈りが同時に行われるのであり、こ
の作業体勢の場合にも、前後一対の走行車輪(１)(２)と
左右に並列する回転刃(７)(８)の下側に設けられている
接地そり体(２３)(２４)の４点で接地して機体が安定よ
く支えられるので作業者は労力負担少なく楽に作業する
ことができるのである。

【００２３】

【発明の効果】請求項１の自走草刈機においては、一定
姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)の双
方を平坦な地面に沿わせて作業する場合は勿論のこと、
傾斜角度変更可能な回転刃(８)を角度調節して法面に沿
わせて畦畔の上面と法面を同時刈りする体勢においも、
機体は、接地そり体(２３)(２４)と前後一対の走行車輪
(１)(２)とで４点接地状態に左右バランスよく支えられ
るので、いずれの作業体勢においても作業者は労力負担
少なく楽に作業をすることができる。請求項２の自走草
刈機においては、処理する草量が多ければ、正逆転切換
伝動機構(２７)を切り換え、一方の回転刃が他方の回転
刃に対して逆転する状態とすることにより刈草が両側に
分散排出される捌きのよい状態にして能率よく作業する
ことができる。請求項３の自走草刈機においては、任意
の時期に車輪駆動部(Ｄ１)を正転又は逆転状態に切換え
ることで機体を左右にジグザク状に走行させながら作業
するもできるので、作業場所の地形などに対する適応性
が向上し、無駄時間少なく高能率に作業することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る草刈機の全体側面図である。

【図２】本発明に係る草刈機の平面概略図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面拡大図である。

【図４】図３のＢ部の内部構造説明図である。

【図５】畦畔の上面及び法面を草刈する状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

１走行車輪２走行車輪７回転刃８回転刃１０クラッチ２３接地そり体２４接地そり体Ｄ１車輪駆動部Ｄ２刈刃駆動部Ｄ３刈刃駆動部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】走行装置によって走行する機体に、一定
姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)とを
装設してある自走草刈機において、前記走行装置を、所
定の間隔をもって前後に配設される一対の走行車輪(１)
(２)で構成するとともに、回転刃(７)(８)を、一対の走
行車輪(１)(２)の間で、且つ、走行車輪(１)(２)を中心
にして左右に振り分け状に配設して、一対の走行車輪
(１)(２)と、走行車輪(１)(２)に対し直交状で左右に並
列する回転刃(７)(８)部に付設する接地そり体(２３)
(２４)とで機体を支持するようにしてあることを特徴と
する自走草刈機。
【請求項２】走行車輪によって走行する機体に、一定
姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)とを
装設してある自走草刈機において、前記回転刃(７)(８)
を駆動する刈刃駆動部(Ｄ２)(Ｄ３)のうち何れか一方
に、正逆転切換伝動機構(２７)を介装してある自走草刈
機。
【請求項３】走行車輪によって走行する機体に、一定
姿勢の回転刃(７)と傾斜角度変更可能な回転刃(８)とを
装設した自走草刈機において、前記走行車輪を駆動する
車輪駆動部(Ｄ１)に、クラッチ(１０)を接続した状態の
ままで切換え可能な正逆転機構を介装してある自走草刈
機。