JPH0722658Y2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の利用分野］ 本考案は、液晶による各種表示部が前後方向に隔設表示
されて、奥行方向に立体的表示を行なわせしめることが
できるように構成した液晶表示装置に関するものであ
る。

［考案の背景］ 従来公知の二層型の液晶表示装置としては、例えば第３
図に示す如き構造のものがある。これは平行状態で隔設
される３枚の透明基板31a,31b,31cの相互間に、２層のT
N型液晶層32を形成すると共に、外側の透明基板31aと31
cの外側面に、偏光軸が同方向となる夫々の偏光板33が
装着されているものであり、さらにその後方の偏光板33
の背面側には光拡散板34、光源35及びその反射板36が配
置されているものである。なおこれに類似するものとし
ては特開昭56-43680号がある。

このような二層型液晶表示装置にあっては、中間に位置
される透明基板31bの表裏両面に各種の表示パターン37
を分担形成することができるので、複雑な表示パターン
を保有せしめることができる特長を有するが、その反
面、前後双方の表示部の表示色の濃度が同じであるた
め、表示内容が高重要度のものも低重要度のものも同一
に認識してしまい、高重要度の表示内容を強く認識させ
難いという問題点があった。

［考案の目的］ 本考案は、このような従来の問題点を解決するためにな
されたもので、各種表示内容に濃度差を持たせ、例えば
車両用として用いる場合には、車速，回転数といった高
重要度表示内容を濃く表示させ、正常時の燃料残量，水
温等の低重要度表示内容を淡く表示させることによっ
て、高重要度の表示内容を強く認識することができる液
晶表示装置を提供することを目的とするものである。

［考案の実施例］ 以下に本考案の実施例を、第１図及び第２図に示す実施
例に基いて詳細に説明する。

この実施例は、自動車の運転席前方に設置して使用する
自動車用情報を表示する液晶表示装置であって、1Aと1B
は前後双方のTN型液晶セルであって、前方液晶セル1Aの
構造は、スペーサ２に介して液晶封入空間３を形成する
前後方向２枚の透明基板4a,4bと、その封入空間３内に
充填されるTN型液晶５を有し、その一方の透明基板4aの
内側面には、透明なる共通電極6aが形成され、また他方
の透明基板4bの内側面には、第２図で示す車速並びに回
転数表示のためのバーグラフ及び文字記号等の表示パタ
ーンに形成されるパターン電極6bが形成されているもの
である。以上が前方液晶セル1Aの構成であるが後方液晶
セル1Bも同様に構成されている。即ち２がスペーサ、4a
及び4bは透明基板、５は液晶封入空間３内に封入されて
いるTN型液晶、6cは一方の透明基板4aの内側面に形成し
た共通電極、6dは他方の透明基板4bの内側面に形成さ
れ、かつ第２図に示す燃料量、水温等の表示をバーグラ
フ及び文字記号で表示するための表示パターンである。
このような構成された２枚の液晶セル1Aと1Bは、空間７
を確保する間隙保持用の隔設部材８により隔設されてお
り、例えばこの前後双方の液晶セル1A,1B相互間は、10
〜20mm（望ましくは15mm）の間隔が確保されている。さ
らに前方液晶セル1Aの前面と、後方液晶セル1Bの全面及
び後面には、偏光板9a,9b,9cが重合されてポジ型液晶表
示器Ａ及びＢが構成される。10は後方ポジ型液晶表示器
Ｂの後方に配置されている光拡散反射板であって、この
光拡散反射板10は、その後方ポジ型液晶表示器Ｂの後面
と、光拡散反射板10との間に空間11を形成するためにド
ーム状（碗状）に形成されている。この空間11の奥行は
５〜10cm（望ましくは7cm）を確保している。12は、そ
の光拡散反射板10の周囲又はその一部に配置されて、光
拡散反射板10の表面を略均一に照明するための冷陰極放
電管（光源）を示し、さらにこの光源12からの光が直接
目に入ることを避けるための傘13が、その光源12に近設
されている。なお、この傘13は遮光性のものであって
も、また半透明性のものであってもよい。14は前方ポジ
型液晶表示器Ａの前面に取付けられている基枠、15は各
透明基板4bの上側部に取付けられている駆動用の集積回
路を示す。

一方、前部偏光板9aの偏光度を中間部偏光板9bの偏光度
よりも高く、また後部偏光板9cの偏光度を中間部偏光板
9bの偏光度と等しくしている。

なお、 すなわち、前方ポジ型液晶表示器Ａを駆動した場合にお
ける前方表示像と、後方ポジ型液晶表示器Ｂを駆動した
場合における後方表示像との濃度は、前部偏光板9aの偏
光度が中間部偏光板9bの偏光度よりも高いことから、前
方表示像が濃く、また後方表示像が淡くポジ表示される
ことになる。

したがって、本実施例によれば、車速，回転数等の高重
要度情報を表示する前方表示像と燃料量，水温等の低重
要度情報を表示する後方表示像とを視認めする際、前方
表示像が濃く表示されるために高重要度情報を強く認識
することができることとなる。

また、前・後方液晶セル1A,1Bが隔設されていることか
ら、前方表示像と後方表示像とに遠近感が生じて立体的
な表示が行なわれるが、該前・後方表示像には濃淡があ
るためにより一層立体的な表示が得られ、さらには光拡
散反射板10がドーム状に形成されているために奥行感が
得られ、前・後方表示像が空間上に浮いた状態で立体的
に表示される。

なお、後方表示像が淡過ぎると表示像の確認がし難いの
で、本実施例では中間部偏光板9bの偏光度を90とし、前
方表示像と後方表示像とのコントラスト等を加味して前
部偏光板9aの偏光度を99としている。

また、後部偏光板9cを中間部偏光板9bと同じ偏光度にし
ているが、この後部偏光板9cの偏光度は、前後部表示像
の濃度差の大小関係に影響を与えないので、前部偏光板
9aと同じ偏光度であっても、他の偏光度であってもよ
い。これは実験的に確認されている。

［考案の概要］ 以上説明してきたように本考案は、前後方向に複数の液
晶セルを配置し、かつ該各液晶セルの表示部を夫々ポジ
表示させるように該各液晶セル間およびその両側に偏光
板を配置した液晶表示装置であって、該中間位置の偏光
板の偏光度は、該中間位置の偏光板の前方に位置された
偏光板の偏光度よりも低く設定されていることを特徴と
する液晶表示装置である。

［考案の効果］ したがって本考案によれば、前部の液晶セルの表示像と
後部の液晶セルの表示像とに濃度差が生じるため、濃い
表示像を高重要度情報とし、また淡い表示像を低重要度
情報とすれば高重要度情報を強く認識させることが可能
となり、高重要度情報の見落しを防ぐことができて、運
転の安全性が高められ、さらに本考案によれば、各液晶
セル間に隔設部材による空間が設けられていることか
ら、この空間によって、各液晶セルによる表示相互間で
奥行の深い立体表示が得られ、視認性が高められるとい
った効果が得られる他、表示像の濃度差によって立体的
な表示も行うことができるといった効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案よりなる液晶表示装置の一実施例を示す
断面図、第２図はその平面図、第３図は従来の液晶表示
装置の断面図を示している。 A,B……液晶表示器、1A,1B……液晶セル ２……スペーサ、3,7,11……空間 4a,4b……透明基板、５……TN型液晶 6a,6c……共通電極、6b,6d……パターン電極 ８……隔設部材、9a,9b,9c……偏光板 10……光拡散反射板 12……冷陰極放電管（光源） 13……傘、14……基枠 15……集積回路

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−142580（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−59162（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−47598（ＪＰ，Ａ) 実開 昭52−83751（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各液晶セルの辺縁部に位置させる隔設部材
   によって、複数の液晶セルを、その前後方向に隔設し、
   かつ該各液晶セルの表示部を夫々ポジ表示させるように
   該各液晶セル間およびその両側に偏光板を配置した液晶
   表示装置であって、該中間位置の偏光板の偏光度は、該
   中間位置の偏光板の前方に位置された偏光板の偏光度よ
   りも低く設定されていることを特徴とする液晶表示装
   置。