JPH07226552A

JPH07226552A - 直交形ガスレーザ装置の光共振器

Info

Publication number: JPH07226552A
Application number: JP1677594A
Authority: JP
Inventors: Yuji Mitsuda; 祐次密田
Original assignee: Amada Co Ltd
Current assignee: Amada Co Ltd
Priority date: 1994-02-10
Filing date: 1994-02-10
Publication date: 1995-08-22

Abstract

(57)【要約】【目的】直交形ガスレーザ装置において、簡単な構成
で、出力が大きく、対称的なモードパターンの得られる
光共振器を提供する。【構成】請求項１の発明は図（ａ）のように、外箱１
の内部に設けられた誘電体電極３、３´間に、電源Ｅか
ら高周波交流が印加された放電空間に、リアミラーＭ
１、全反射ミラーＭ２、Ｍ３、出力ミラーＭ４からなる
コの字形折り返し光路を、ガス流Ｇに対して４５度傾斜
した平面５に設けたもので、図（ｂ）のように出力ミラ
ーＭ４から対称ビームが出力される。請求項２の発明
は、発信効率を向上するために、放電空間にコの字形折
り返し光路の二つの光路を上下に分ける分離壁を設け、
分離壁に上下放電空間で放電が行なわれるように放電電
極を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は直交形ガスレーザ装置
の光共振器の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】直交形ガスレーザ装置の光共振器につい
ては、従来から、レーザ出力の増大、発振効率の向上及
びビームの横モード（以下単にモードという）の改善等
を図るため、公開特許公報昭６１−７５５７６、公開特
許公報昭６４−４２８７２、特許公報平３−７６７９
３、特許公報平４−６４１９４、特願平４−７１５２
２、特願平４−１１５６６６、特願平４−１５２５５６
等に見られるように、種々の形式の折り返し光路を備え
た光共振器が提案されている。

【０００３】例えば、図８に示したものは最も一般的な
折り返し光路で、外箱１の内部に設けられた誘電体電極
３、３´に、電源Ｅから高周波交流が印加された放電空
間に、３本の折り返し光路Ｋ、Ｌ、Ｎを、ガス流Ｇに対
してほぼ直角で、且つ水平にＺ形に設けたもので、水平
Ｚパスとも言われる。同様に３本のＺ形折り返し光路を
垂直に設けた垂直Ｚパスと言われるものもあり、またガ
ス流に対して傾斜した面にＺ形折り返し光路をもうけた
ものもある。また、同一水平面内に多数の折り返し光路
をジグザグ状に設けたものなどもある。

【０００４】このように放電空間に複数の折り返し光路
を設けると、レーザの発振効率がよくなり、出力は大き
くなるが、ビームのモードパターンが例えば図８（ｃ）
のように縦長（高次モード）になり、ビームの強度分布
がガス流に平行な方向（Ｘ軸）と垂直な方向（Ｙ軸）で
異なるようになる。このことは折り返し光路の数が増え
る程顕著になる。ビームのモードパターンが方向によつ
て異なることは、切断等のレーザ加工に悪影響があるの
で、光路の折り返し部に、ビームをその中心軸（光軸）
に対して光学的に所定角度回転させるビーム回転ミラー
を設けたものや、ガス流方向の温度勾配を考慮して折り
返し光路を配置するものや、リアミラーと出力ミラーの
直前に絞りを設けるものなどが提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、折り返
し光路のビームのモードパターンの改善には種々の方法
があるが、この発明はビームを光軸に対して光学的に回
転させる方法に関するものである。この方法を図６によ
って説明する。図（ａ）は折り返し光路におけるビーム
の断面を示すもので、図示の矢印のように中心部は上部
又は下部より励起ガスに触れる長さが長い。そのため、
図（ｂ）のように、Ｘ、Ｙ方向でビームの強度分布が異
なることになる。図（ｃ）は図（ａ）を９０度回転した
もので、ビームの強度分布は図（ｄ）のようになる。図
（ａ）と図（ｃ）を重ねると、ビームの強度分布は図
（ｅ）のようになり、方向性のないレーザ加工に適した
ものになる。即ち、折り返し光路が二つの場合には、そ
の一つを９０度回転させればよい。

【０００６】折り返し光路のビームの回転は、折り返し
部に設置されたビーム回転ミラーによって行われるが、
折り返し光路が多い場合にはビーム回転ミラーも増え、
繁雑になることを免れない。この発明は、後述するよう
に、ビーム回転ミラーが不必要なコの字形折り返し光路
に着目してなされたものである。

【０００７】コの字形折り返し光路は、図７（ａ）に示
すように、同一平面に設けられたリアミラーＭ１、全反
射ミラーＭ２、Ｍ３、出力ミラーＭ４からなっており、
図（ｂ）のように光路Ａ、Ｂ、Ｃが、ガス流方向と同一
平面上にある場合には、光路Ａの水平方向の矢印は光路
Ｃでは１８０度回転し、反転するが、図（ｃ）のよう
に、光路Ａ、Ｂ、Ｃがガス流方向に対して４５度傾いた
平面上にある場合には、光路Ａの水平方向の矢印は光路
Ｃでは９０度回転して垂直方向になる。

【０００８】この発明は、コの字形折り返し光路を７図
（ｃ）のように配置することにより、簡単な構成で、出
力が大きく、対称的なモードパターンの得られる直交形
ガスレーザ装置の光共振器を提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項１の発明は、ガス流方向と光軸が、互いに
直交するガスレーザ装置において、放電部における前記
の光軸が、ガス流に対して４５度傾いた面内に、コの字
形に折り返された少なくとも一つのコの字形折り返し光
路から構成されているものである。

【００１０】また、請求項２の発明は、請求項１の発明
において、放電空間にコの字形折り返し光路の二つの平
行光路を上下に分ける分離壁を設け、分離壁に上下放電
空間で放電が行なわれるように放電電極を設けたもので
ある。分離壁によって放電空間を分離し、コの字形折り
返し光路の二つの平行光路を上下に分けたのは、コの字
形の形成によって、一般に二つの平行光路間に隙間がで
き、その間をガス流が素通りするのを防止するためであ
る。

【００１１】

【作用】前記のように構成されているので、請求項１の
発明はコの字形折り返し光路の二つの光路が相対的に９
０度回転するので、対称的なモードパターンが得られ
る。また、折り返し光路によって出力が大きくなる。請
求項２の発明は、分離壁によってガス流がコの字形折り
返し光路の二つの平行光路と有効に交差するようにな
る。従って、ガス流の素通りが防止されるため発振効率
が向上する。また、電極間が短くなるので放電電圧が低
下（半分）し、放電プラズマの均一性を得やすいため出
力およびモードの安定性が向上する。

【００１２】

【実施例】次に、この発明の実施例について添付図面に
基づいて説明する。

【００１３】図１は請求項１の発明の一つの実施例であ
る。図（ａ）のように外箱１の内部に設けられた誘電体
電極３、３´に、電源Ｅから高周波交流が印加された放
電空間に、リアミラーＭ１、全反射ミラーＭ２、Ｍ３、
出力ミラーＭ４からなるコの字形折り返し光路Ａ、Ｃ
を、ガス流Ｇに対して４５度傾斜した平面５に設けたも
のである。このように構成されているいるので、図
（ｂ）のように、出力ミラーＭ４から対称的なモードパ
ターンのビーム（対称ビーム）が出力される。

【００１４】図２は請求項１の発明の他の実施例の説明
図で、６個のミラーＭ１（リアミラー）、Ｍ２、Ｍ３、
Ｍ５、Ｍ６、Ｍ４（出力ミラー）からなるコの字形折り
返し光路Ａ、Ｃ、Ｆを、ガス流Ｇに対して４５度傾斜し
た平面５に設けたものである。この共振器は折り返し光
路が増えるので、前者より出力が大きくなる。

【００１５】図３は請求項１の発明の更に他の実施例の
説明図で、４個のミラーＭ１（リアミラー）、Ｍ２、Ｍ
３、Ｍ７からなるコの字形折り返し光路と、４個のミラ
ーＭ８、Ｍ５、Ｍ６、Ｍ４（出力ミラー）からなるコの
字形折り返し光路を、それぞれ，別別にガス流Ｇに対し
て４５度傾斜した平面５に設けたものである。Ａ、Ｃ、
Ｆ、Ｊの４本のコの字形折り返し光路のほか、コの字形
折り返し光路をつなぐ光路Ｄの５本の光路からなってい
る。この共振器は前者より更に出力が大きくなる。

【００１６】図４は請求項２の発明の実施例の説明図で
ある。図示のように、外箱１内の放電空間を分離壁７に
よって上下に分離し、上下の放電空間にコの字形折り返
し光路をガス流Ｇに対して４５度傾斜して設けてある。
分離壁７の上面及び下面に放電電極３´、３´が設けて
あり、それぞれ対応する放電電極３、３との間で別々に
設けられた高周波電源Ｅ、Ｅから電力を供給され放電が
おこなわれる。分離壁７によって折り返し光路の隙間を
素通りするガス流が減少するので、発振効率が向上し、
出力が大きくなる。また、電源が別になっているので、
出力の調整が容易で、電源電圧も半減する。

【００１７】図５は請求項２の発明の他の実施例の説明
図で、前図において高周波電源Ｅ、Ｅを共通にしたもの
で、構造が簡単になる。電極３は電源の接地で外箱と同
電位になるので、電気的絶縁の必要がない。従って外箱
を小さくすることができる。尚、この発明（請求項１、
２）の光共振器の出力ビームは４５度の直線偏光であ
る。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から理解されるように、この
発明は特許請求の範囲に記載の構成を備えているので、
請求項１の発明によれば、簡単な構成で、出力が大き
く、対称的なモードパターンが得られる直交形ガスレー
ザ装置の光共振器を提供することができる。また、請求
項２の発明によれば、更に、発振効率が向上した光共振
器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の実施例の説明図で、図（ａ）
は放電空間の断面図、図（ｂ）は光路図である。

【図２】請求項１の発明の他の実施例の説明図で、図
（ａ）は放電空間の断面図、図（ｂ）は光路図である。

【図３】請求項１の発明の更に他の実施例の説明図で、
図（ａ）は放電空間の断面図、図（ｂ）は光路図であ
る。

【図４】請求項２の発明の実施例の説明図である。

【図５】請求項２の発明の他の実施例の説明図である。

【図６】折り返し光路のビームの回転によるモードパタ
ーンの改善方法の説明図である。

【図７】コの字形折り返し光路の説明図で、図（ａ）は
光路図、図（ｂ）は光路Ａ、Ｂがガス流に垂直で、光路
面がガス流に平行な場合のビームの回転を示す説明図、
図（ｃ）は同様に光路面がガス流に４５度傾斜した場合
のビームの回転を示す説明図である。

【図８】従来の折り返し光路を備えた直交形ガスレーザ
装置の光共振器の説明図で、図（ａ）は放電空間の断面
図、図（ｂ）は光路図、図（ｃ）はモードバターンの説
明図である。

【符号の説明】

１放電空間の外箱３、３´ 放電電極５ガス流に対して４５度傾いた平面７分離壁Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｆ、Ｈ、Ｊ、Ｋ、Ｌ、Ｎ光路Ｇレーザガスの流れ方向Ｍ１リアミラーＭ４出力ミラーＭ２、Ｍ３、Ｍ
５〜Ｍ１０全反射ミラー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガス流方向と光軸が、互いに直交するガ
スレーザ装置において、放電空間における前記の光軸
が、ガス流に対して４５度傾いた面内に、コの字形に折
り返された少なくとも一つのコの字形折り返し光路から
構成されていることを特徴とする直交形ガスレーザ装置
の光共振器。
【請求項２】放電空間に、コの字形折り返し光路の二
つの平行光路を上下に分ける分離壁を設け、分離壁に上
下放電空間で放電が行なわれるように放電電極を設けた
ことを特徴とする請求項１の直交形ガスレーザ装置の光
共振器。