JPH072253B2 - 通気孔付きパラボラアンテナのデイツシユの製造方法 - Google Patents

通気孔付きパラボラアンテナのデイツシユの製造方法

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JPH072253B2
JPH072253B2 JP61054794A JP5479486A JPH072253B2 JP H072253 B2 JPH072253 B2 JP H072253B2 JP 61054794 A JP61054794 A JP 61054794A JP 5479486 A JP5479486 A JP 5479486A JP H072253 B2 JPH072253 B2 JP H072253B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はパラボラアンテナのデイツシユの製造方法に係
り、特に強風を受けた時の風圧を低下させるのに好適な
通気孔を有したデイツシユの製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来のパラボラアンテナは特開昭59−218005号に記載の
ように大形プレスによつて上下金型によりプレスするか
又は、上下型間に被加工板を弾性板と共に挟持し、水圧
により弾性板と共に凹型部へ変形させて曲面部を成形
し、しかる後、外周部にトリミング及びフランジ部加工
を行つてパラボラアンテナのデイツシユを成形してい
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術はデイツシユの電波反射面の曲面精度を下
げる挟持部の滑り込みの防止等と後加工によるフランジ
補強部の成形による曲面精度の低下防止等、及び、通気
孔を有するデイツシユの成形に弾性板を直接に作用させ
ることによる。弾性板の消耗に対する配慮がされておら
ず、また、成形された被加工板に降伏応力の高い材料、
例えば鉄板等を使用した場合にフランジ曲げ加工を後加
工で行うことによる曲面精度の悪化が起ると言う問題が
あつた。
すなわち、従来は被加工板が鉄板等の高降伏応力の材料
である場合は、上下型間に挟持された材料のクランプ部
は水圧による成形により内側へ引張られ、クランプ部の
端部より内部へ滑り込み現象が起き易く、又、その滑り
込み量も場所によつて異なるなどの現象があり、成形品
の曲面精度が得られない。また、パラボラアンテナのデ
イツシユの反射面を成形後、外周のトリミングとフラン
ジ部を成形してデシツシユの完成品を得るが、フランジ
部成形時に反射面の外縁部に応力が加わり易く、この工
程も同様に成形品の曲面精度を下げていた。
また、従来技術で弾性板の下に孔のない金属平板を、更
にその下に通気孔付きの被加工板を重ねて型で外周部を
挟持して水圧をかけると金属平板と被加工板の間でもそ
の挟持部で滑り込みが生じ易く、成形品の面精度を悪く
していた。
また、デイツシユの電波反射面に風圧を下げるための通
気孔を形成した被加工板を弾性板を用いて成形する場
合、弾性板が通気孔の切欠き部で摩耗し易く、弾性板の
寿命が短くなる恐れがあつた。
本発明の目的は通気孔付きの高降伏応力材の金属材料で
も被加工板にプレスを使つて、金属平板を介して流体圧
力を作用させて高曲面精度のデイツシユを作り、弾性板
の消耗を減らすことにある。又、外周補強フランジ部と
通気孔用網状部を一体に形成した平らな被加工板を高い
面精度を持つたデイツシユに成形することにあり、耐風
圧を下げた取付性の良いパラボラアンテナの通気孔付き
デイツシユを作ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的達成のため被加工板の外周部が成形後に取付用
補強部となるリング状平板部と該リングの内側に網状孔
付き金属板部が一体に形成された被加工板と該被加工板
の外周と同一形状の孔のない金属平板を該被加工板の下
側に敷き2枚合せて同時にパラボラアンテナの反射面形
状の凹形の型形状の球殻状曲面を持つ上金型の外周に形
成されたクランプ部と受け型に形成したクランプ受け部
との間でパラボラアンテナのデイツシユの取付用補強部
をプレスの動作により形成し、同時に被加工板を金属平
板と共にクランプし、金属平板と受け型の間に圧力を持
つた流体を作用させてパラボラアンテナの電波反射面を
同時成形し、同時に成形された金属平板をはがして取り
除く。残つた網状の孔付きの被加工板は外周に補強フラ
ンジ部を有し、面央部に網状の通気孔4又は空間部のあ
る電波反射面を成形されたパラボラアンテナのデイツシ
ユとなる。かかる方法により外周補強部を先ず成形し、
同時にその部をクランプして後に金属平板と共に電波反
射面を流体の作動圧力により成形することにより、本発
明の目的を達成することができる。
〔作用〕
外周に補強フランジ部を有し、内側に網状の通気孔を形
成した被加工板と孔の無い金属平板を合せて同時に先ず
フランジ部を成形し、その部をクランプする。クランプ
状態でプレスの加圧を保持し乍ら受け型に設けた流体接
続口に圧力を持つた流体を接続し、金属平板と受け型の
間に流体の圧力を作用させる。それによつて金属平板は
脹れるが同時に被加工板を脹らませる。上金型に設けた
所望の電波反射面を形成するための予め設計された凹型
の型形状の球殻状曲面12に被加工板は脹らまされて成形
される。凹形の型形状部と被加工板の間の空気は空気孔
より逃がし、被加工板は球殻状曲面密着して成形を完了
する。
プレスの加圧力により成形されたフランジ部の取付用補
強部はクランプされており、その部の材料の内部への滑
り込みがなく、又、流体により脹らまされた被加工材は
膜状に2軸成形されるため電波反射面の面精度を高く保
つことができる。又、フランジ部の後加工も必要がない
ので面精度も狂わない。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第11図により説明
する。まず、第4図から第9図により、成形前の被加工
板と該被加工板の成形後のデイツシユおよび被加工板と
同時に成形される金属平板を説明し、次に第1図から第
3図により、本発明の実施例の製造方法を説明する。
第4図は金属板から所要の外周形状と電波反射面の中央
部を網状に多数の通気孔4を打抜いて形成した被加工板
1の平面図で、第5図はその通気孔4の中央線付近の断
面図である。通気孔は被加工板1がデイツシユに成形さ
れた後に外周補強フランジ部となり同時に取付用補強部
6となる部分には設けず、その内部に通気孔6と等間隔
に多数打抜いて網状孔付き金属板部3を形成する。通気
孔の形状は3角,4角,6角が棧の間隔を均等に出来るので
好ましいが丸やその他の形状でも同様の通気孔を作るこ
とができる。パラボラアンテナのデイツシユは電波を反
射させるものであるため、成形された曲面の面精度が高
い程、電波の受信性能が良く、又、通気孔の孔の大きさ
は受信電波の波長の1/4以下が望ましい。棧の太さは細
い方が通風抵抗が減るため好ましい強度面を配慮して決
める。
第8図はパラボラアンテナのデイツシユが成形された後
の平面図で、第9図はその中央部付近の通気孔4上を断
面とした縦断面図である。
第6図は上記デイツシユの成形時に本発明では要な孔の
無い金属板で外周形状と同じ形状とした金属平板5の平
面図で、第7図はその断面図である。本発明では被加工
板1と合せて金属平板5を同時に成形するため、金属平
板5は流体の作用圧力で破れない程度に薄い金属板でも
良いが、或る程度の厚さを持つた金属平板とすれば、一
回のプレス成形と流体圧成形で通気孔付きのデイツシユ
と通気孔なしのデイツシユを同時に作ることも出来る。
これらを、第1図から第3図により成形する動作順に従
つて説明すると、第1図の如く、被加工板1と金属平板
5を重ね合せて受け型15の所定の位置に置き、流体接続
口17を開放しておく。プレスに設置された上金型11と受
け型15はプレスの作動で上金型11が下降し、第2図の如
く上金型11に形成した球殻状曲面12の外周部に形成され
たテーパー状のクランプ部14と受け型15に形成されたテ
ーパー状のクランプ受け部16の間で被加工板1と金属平
板5の外周フランジ補強部を成形し、同時にプレスの加
圧力を保持してこの部をクランプする。この際受け型15
と金属平板5との間に空気は流体作用孔18を通し流体接
続口17より大気に逃がし、内部の空気の圧力で被加工板
1と金属平板5が内部で脹れるのを防止する。
しかる後、プレスの加圧を続け作ら、クランプ部の滑り
込みを防止し、テーパー状のクランプ部で封止を行い同
時に加圧された流体を流体接続口17に接続し、金属平板
5を脹らませる。脹らまつた金属平板5は被加工板1を
同時に脹らませ、流体を注入し続けると被加工板1は上
金型11の球殻状曲面12に押し付けられる。被加工板1と
球殻状曲面12の間の空気は空気孔13を通し型外に逃げ、
流体の作用圧力で金属平板5と被加工板1は球殻状曲面
に成形された後、仕事を完了する。型から取り出された
金属平板5と被加工板1は人手により分離して、所要の
通気孔付きパラボラアンテナのデイツシユを製作する。
上金型に形成されたテーパー状のクランプ部14と受け型
15に形成されたテーパー状のクランプ受け部16は被加工
板1と金属平板5を合せて成形し、クランプし、同時に
流体の封止を行うため平行面で作る。又、テーパーの代
りに溝と突起を合せて外周補強部を成形し、クランプ
し、同時に封止をすることもできるが、被加工板の外周
フランジ補強部の波打ち現象を起させないためにテーパ
ーと垂直絞りの組み合せにより行うことも効果的であ
る。
本発明の一適用例であるが通気孔4の大きさを6mm×6mm
であける場合、φ480mm径のオフセツト形パラボラアン
テナの場合、その電波反射面に2871個の通気孔を設ける
ことができ、その面積の約50%が通気出来ることになつ
た。従つて、その場合の耐風圧も大幅な低減できるもの
である。
計算によるφ480mmのオフセツトパラボラアンテナの風
速40m/sでの風圧は28kgにもなるが本発明の実施例では
風圧を約50%低減できた。この低減は取付金具や設置構
造の強度上、その製作費の低減効果は著しい。
第10図と第11図は一枚の金属板で作つた被加工板1と異
なり、帯状の金属板を巻いてその合せ部を溶接で接続す
るか、又は、一枚の金属板を打ち抜いて作つた外周リン
グ10の内側に金属線材8を網状に縦横に配して夫々のク
ロス部や外周部で溶接等により接続して作つた網部を内
部に配設した被加工板7である。この被加工板の平面図
を第10に示す。又、第11図はその中央部付近の縦断面図
を示す。
該網部の線材8と隣の線材8の間の空間部9の幅は受信
電波の波長の1/14以下の幅で作る。(一般に受信電波の
全反射をさせるためには1/4波長以下の間隔の網目が望
ましいと言われている。)かかる構造の被加工板7で前
述のプレス動作で同様に高曲面精度に成形できる。
以上の方法では弾性板の如きものを必要としたいので弾
性板の消耗もなく、又、仮りに使つても金属平板との摩
擦しかなく摩擦は少ない。
本発明を利用して同様に通気孔付きのデイツシユと通気
孔なしのデイツシユを成形することが可能で、その場合
は能率も良い。
〔発明の効果〕
本発明によれば通気孔付きの高降伏応力材料の金属板製
の被加工板にプレスを使つて、金属平板を介して流体圧
力を作用させるので外周補強フランジ部と通気孔用網状
部を一体に成形でき、高い面精度を持つたデイツシユを
能率よく形成できる。本発明により成形されたデイツシ
ユは耐風圧を下げた取付け性の良いパラボラアンテナの
通気孔付きのデイツシユができる。
又、プレス作動時の初期に外周補強フランジ部を成形
し、その部をクランプして、電波反射面を成形するので
面精度を悪くするフランジ部の後加工を無くすことがで
きるのでパラボラ面の高精度を保つ事ができる。
又、弾性板を使わなくとも成形できるので弾性板の消耗
がなく、成形された金属平板も耐風圧性は悪いが他のパ
ラボラアンテナのデイツシユとして使うこともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の成形型と被加工板及び金属
平板の成形前の位置関係を表わす縦断面図、第2図は第
1図の型がプレス動作により下死点で被加工板をプレス
加圧した状態を示す縦断面図、第3図は流体を作用させ
て被加工板と金属平板を球殻状曲面に成形した状態を示
す縦断面図、第4図は本発明の一実施例の成形前の被加
工板の正面図、第5図は第4図の中央部付近の縦断面
図、第6図は成形前の金属平板の正面図、第7図は第6
図の中央部の縦断面図、第8図は成形された通気孔付き
のデイツシユの正面図、第9図は第5図の中央部付近の
縦断面図、第10図は外周リングと線材で一体に形成した
成形前の被加工板の正面図、第11図は第10図の中央部付
近の縦断面図である。 1……被加工板、2……リング状平板部、3……網状孔
付き金属板部、4……通気孔、5……金属平板、6……
取付用補強部、7……被加工板、8……線材、9……空
間部、10……外周リング、11……上金型、12……球殻状
曲面、13……空気孔、14……クランプ部、15……受け
型、16……クランプ受け部、17……流体接続口、18……
流体作用孔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周部が成形後にデイツシユの取付用補強
    部となるリング状平板部と該リング状平板部の内側に平
    らな網状孔付き金属板部とが一体に形成された被加工板
    と、該被加工板の下側に敷いた前記リング状平板部の外
    周と同一大きさの孔の無い金属平板とをパラボラアンテ
    ナの反射面形状の凹形の型形状の球殻状曲面を持つ上金
    型の外周に形成されたクランプ部と受け型に形成したク
    ランプ受け部との間でプレス等の動作でパラボラアンテ
    ナのデイツシユの取付用補強部を成形し、同時に前記被
    加工板を前記金属平板と共にクランプし、金属平板と受
    け型との間に流体を作用させてパラボラアンテナのデイ
    ツシユの電波反射面を同時成形し、その後前記金属平板
    を取り除いたことを特徴とした通気孔付きパラボラアン
    テナのデイツシユの製造方法。
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