JPH07224342A - 加圧鋳造用マグネシウム合金 - Google Patents
加圧鋳造用マグネシウム合金Info
- Publication number
- JPH07224342A JPH07224342A JP1651794A JP1651794A JPH07224342A JP H07224342 A JPH07224342 A JP H07224342A JP 1651794 A JP1651794 A JP 1651794A JP 1651794 A JP1651794 A JP 1651794A JP H07224342 A JPH07224342 A JP H07224342A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- case
- content
- alloy
- less
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱間割れが小さくクリープ特性などの機械的
性質が優れる割れ感受性の小さい加圧鋳造用マグネシウ
ム合金を提供するものである。 【構成】 アルミニウムを6〜12重量%、亜鉛を6〜
12重量%、硅素を0.1〜1.5重量%、ストロンチ
ウムを0.005〜0.1重量%含有し、残部がマグネ
シウムおよび不可避不純物からなる組成の加圧鋳造用マ
グネシウム合金である。
性質が優れる割れ感受性の小さい加圧鋳造用マグネシウ
ム合金を提供するものである。 【構成】 アルミニウムを6〜12重量%、亜鉛を6〜
12重量%、硅素を0.1〜1.5重量%、ストロンチ
ウムを0.005〜0.1重量%含有し、残部がマグネ
シウムおよび不可避不純物からなる組成の加圧鋳造用マ
グネシウム合金である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト、スクイズ
キャストなどの加圧鋳造において使用される加圧鋳造用
マグネシウム合金に係り、熱間割れが小さくクリープ特
性などの機械的性質が優れる割れ感受性の小さい加圧鋳
造用マグネシウム合金に関する。
キャストなどの加圧鋳造において使用される加圧鋳造用
マグネシウム合金に係り、熱間割れが小さくクリープ特
性などの機械的性質が優れる割れ感受性の小さい加圧鋳
造用マグネシウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイカスト用やスクイズキャスト
用のマグネシウム合金として、熱間割れの低減およびク
リープ強度の改善を目的として硅素(Si)含有量を
1.5%以下添加することがあった。また、アルミニウ
ム(Al)を9重量%含有するJIS・MC2合金(A
Z91)は、割れ感受性が小さく鋳造性に優れたマグネ
シウム合金として知られている。また、マグネシウム合
金にストロンチウム(Sr)を添加することで、合金組
織の結晶粒が微細化して引け性が改善され、機械的性質
が向上するという報告もある。
用のマグネシウム合金として、熱間割れの低減およびク
リープ強度の改善を目的として硅素(Si)含有量を
1.5%以下添加することがあった。また、アルミニウ
ム(Al)を9重量%含有するJIS・MC2合金(A
Z91)は、割れ感受性が小さく鋳造性に優れたマグネ
シウム合金として知られている。また、マグネシウム合
金にストロンチウム(Sr)を添加することで、合金組
織の結晶粒が微細化して引け性が改善され、機械的性質
が向上するという報告もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Siの
添加だけでは、冷却速度が遅い部分を含む肉厚変動の大
きい製品の場合、共晶Mg2 Si化合物が粗大に晶出
し、機械的性質が低下するという問題がある。一方、A
lを9重量%以上含む合金の場合、重力鋳造では割れは
ほとんど発生しないが、加圧鋳造においては、割れが発
生しやすい。Srのみの添加でも、結晶粒が微細化し割
れは抑制されることもあるが、加圧鋳造の場合にはそれ
でも不十分であり、依然割れが多数発生する。
添加だけでは、冷却速度が遅い部分を含む肉厚変動の大
きい製品の場合、共晶Mg2 Si化合物が粗大に晶出
し、機械的性質が低下するという問題がある。一方、A
lを9重量%以上含む合金の場合、重力鋳造では割れは
ほとんど発生しないが、加圧鋳造においては、割れが発
生しやすい。Srのみの添加でも、結晶粒が微細化し割
れは抑制されることもあるが、加圧鋳造の場合にはそれ
でも不十分であり、依然割れが多数発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
して、熱間割れ感受性が小さい加圧鋳造用マグネシウム
合金を得るために、本発明においては、ダイカスト、ス
クイズキャストなどの加圧鋳造において使用される加圧
鋳造用マグネシウム合金であって、アルミニウムを6〜
12重量%、亜鉛を6〜12重量%、硅素を0.1〜
1.5重量%、ストロンチウムを0.005〜0.1重
量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避不純物か
らなる構成とした。
して、熱間割れ感受性が小さい加圧鋳造用マグネシウム
合金を得るために、本発明においては、ダイカスト、ス
クイズキャストなどの加圧鋳造において使用される加圧
鋳造用マグネシウム合金であって、アルミニウムを6〜
12重量%、亜鉛を6〜12重量%、硅素を0.1〜
1.5重量%、ストロンチウムを0.005〜0.1重
量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避不純物か
らなる構成とした。
【0005】
【作用】本発明の加圧鋳造用マグネシウム合金は、上に
述べた組成となっており、熱間割れを少なくし、かつ、
機械的性質に悪影響が出ないように、Alを6〜12重
量%、亜鉛を6〜12重量%にするとともに、クリープ
強度の改善を目的としてSiを0.1〜1.5重量%添
加する。また、SrはSi添加により発生する粗大な漢
字状の共晶Mg2 Si化合物を微細な塊状にする効果が
あり、0.005〜0.1重量%加えた。以上のように
して、本発明の加圧鋳造用マグネシウム合金は加圧鋳造
において熱間割れが小さく、機械的性質が優れた材料を
提供する。
述べた組成となっており、熱間割れを少なくし、かつ、
機械的性質に悪影響が出ないように、Alを6〜12重
量%、亜鉛を6〜12重量%にするとともに、クリープ
強度の改善を目的としてSiを0.1〜1.5重量%添
加する。また、SrはSi添加により発生する粗大な漢
字状の共晶Mg2 Si化合物を微細な塊状にする効果が
あり、0.005〜0.1重量%加えた。以上のように
して、本発明の加圧鋳造用マグネシウム合金は加圧鋳造
において熱間割れが小さく、機械的性質が優れた材料を
提供する。
【0006】
【実施例】以下図面やデータに基づいて本発明の実施例
の詳細について説明する。図1は熱間割れについて本発
明の材料を比較例(従来の材料)と比較して測定するた
めに用いた階段状平板の製品形状を示す形状寸法図であ
り、複数の段差を持った階段状平板の段差R部に発生し
た割れの長さを万能投影機により測定した。表1は、ス
クイズキャスト法で鋳造したAl−Zn系マグネシウム
合金の組成(重量%)と割れ長さ(mm)、ボルト締め
付け力の低下率、Mg2 Si化合物の形態を示したもの
である。鋳造条件は、溶湯保持温度720℃、射出速度
0.1m/s、メタル圧力90MPaである。ボルトの
締め付け力の低下が大きい程、クリープ強度が小さいこ
とは知られており、ここでは締め付け力の低下を表1記
載の方法で求めた。
の詳細について説明する。図1は熱間割れについて本発
明の材料を比較例(従来の材料)と比較して測定するた
めに用いた階段状平板の製品形状を示す形状寸法図であ
り、複数の段差を持った階段状平板の段差R部に発生し
た割れの長さを万能投影機により測定した。表1は、ス
クイズキャスト法で鋳造したAl−Zn系マグネシウム
合金の組成(重量%)と割れ長さ(mm)、ボルト締め
付け力の低下率、Mg2 Si化合物の形態を示したもの
である。鋳造条件は、溶湯保持温度720℃、射出速度
0.1m/s、メタル圧力90MPaである。ボルトの
締め付け力の低下が大きい程、クリープ強度が小さいこ
とは知られており、ここでは締め付け力の低下を表1記
載の方法で求めた。
【0007】
【表1】
【0008】表1において、条件No.1〜4は本発明
による合金組成であり、割れ長さは60mm以下、ボル
トの締め付け力の低下率は13%以下、延性低下につな
がるMg2 Si化合物のサイズは微細である。一方、比
較例合金(No.5〜No.8)では割れ長さ、締め付
け力の低下率、化合物のサイズのいずれかに問題があ
る。すなわち、代表的な合金であるNo.5のAZ91
合金は割れ長さが200mm以上であり、No.6およ
びNo.7の合金はAlとZnの量は本発明合金と同じ
であるが、No.6の合金はSiが添加されていないた
めに締め付け力の低下率は大きく、No.7の合金はS
iが添加されているために割れ長さ、低下率のいずれも
良好であるが、Srが添加されていないためにMg2 S
i化合物のサイズが大きい。冷却速度が小さい部分では
引張強さが低くなることが考えられる。No.8合金は
Znが少なく、割れ長さが大きい。本発明の加圧鋳造用
マグネシウム合金は、上述したデータに示すように、熱
間割れ感受性に優れるとともに、クリープ特性に優れ、
しかも微細な組織を有する鋳造材料である。本発明にお
ける、各成分の限定理由は下記の通りである。 (1)Al含有量 SiやSrを添加する前の基本合金の熱間割れ感受性は
小さい方がよい。従って、Alの含有量が6重量%以下
では非常に熱間割れを起し易く、このためAl量の下限
値は6重量%とした。また、12重量%を越えると、熱
間割れは減少するがMg−Al化合物量が多くなり機械
的性質に悪影響を及ぼして機械的性質が低下するから、
Al量の上限値を12重量%とした。 (2)Zn含有量 Znは熱間割れを減少させることを目的として添加する
が、6%未満ではその効果が不十分であるために下限値
を6%とする。また、12%を越えると機械的性質が低
下するために上限値を12%とする。 (3)Si含有量 Siはクリープ強度改善を目的として添加するが、0.
1%未満ではその効果が不十分であるために下限値を
0.1%とする。また、1.5%を越えると、初晶のM
g2 Siが晶出し、Srを添加しても微細化することが
できない。この結果、引張強さなどの機械的性質に悪影
響を及ぼす。従って、Siの含有量は1.5%以下とす
る。 (4)Sr含有量 Srは粗大な共晶Mg2 Si化合物を微細な塊状にする
ことを目的として添加するが、0.005%未満ではそ
の効果が不十分であるため、下限値を0.005%とす
る。また、0.1%以上添加しても、その効果の向上は
期待できないので、上限値を0.1%とする。以上が各
成分の数値限定理由であるが、ここで取り上げたマグネ
シウム合金には不純物として含まれるFeを固定し、耐
食性を向上させるために少量のMnを添加してもよくま
た溶湯燃焼防止のために少量のBeを添加してもよい。
による合金組成であり、割れ長さは60mm以下、ボル
トの締め付け力の低下率は13%以下、延性低下につな
がるMg2 Si化合物のサイズは微細である。一方、比
較例合金(No.5〜No.8)では割れ長さ、締め付
け力の低下率、化合物のサイズのいずれかに問題があ
る。すなわち、代表的な合金であるNo.5のAZ91
合金は割れ長さが200mm以上であり、No.6およ
びNo.7の合金はAlとZnの量は本発明合金と同じ
であるが、No.6の合金はSiが添加されていないた
めに締め付け力の低下率は大きく、No.7の合金はS
iが添加されているために割れ長さ、低下率のいずれも
良好であるが、Srが添加されていないためにMg2 S
i化合物のサイズが大きい。冷却速度が小さい部分では
引張強さが低くなることが考えられる。No.8合金は
Znが少なく、割れ長さが大きい。本発明の加圧鋳造用
マグネシウム合金は、上述したデータに示すように、熱
間割れ感受性に優れるとともに、クリープ特性に優れ、
しかも微細な組織を有する鋳造材料である。本発明にお
ける、各成分の限定理由は下記の通りである。 (1)Al含有量 SiやSrを添加する前の基本合金の熱間割れ感受性は
小さい方がよい。従って、Alの含有量が6重量%以下
では非常に熱間割れを起し易く、このためAl量の下限
値は6重量%とした。また、12重量%を越えると、熱
間割れは減少するがMg−Al化合物量が多くなり機械
的性質に悪影響を及ぼして機械的性質が低下するから、
Al量の上限値を12重量%とした。 (2)Zn含有量 Znは熱間割れを減少させることを目的として添加する
が、6%未満ではその効果が不十分であるために下限値
を6%とする。また、12%を越えると機械的性質が低
下するために上限値を12%とする。 (3)Si含有量 Siはクリープ強度改善を目的として添加するが、0.
1%未満ではその効果が不十分であるために下限値を
0.1%とする。また、1.5%を越えると、初晶のM
g2 Siが晶出し、Srを添加しても微細化することが
できない。この結果、引張強さなどの機械的性質に悪影
響を及ぼす。従って、Siの含有量は1.5%以下とす
る。 (4)Sr含有量 Srは粗大な共晶Mg2 Si化合物を微細な塊状にする
ことを目的として添加するが、0.005%未満ではそ
の効果が不十分であるため、下限値を0.005%とす
る。また、0.1%以上添加しても、その効果の向上は
期待できないので、上限値を0.1%とする。以上が各
成分の数値限定理由であるが、ここで取り上げたマグネ
シウム合金には不純物として含まれるFeを固定し、耐
食性を向上させるために少量のMnを添加してもよくま
た溶湯燃焼防止のために少量のBeを添加してもよい。
【0009】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の合金組成を
採用することにより、ダイカスト、スクイズキャストな
どの加圧鋳造において、熱間割れが小さくクリープ強度
などの機械的性質に優れるマグネシウム鋳造品が得られ
る。
採用することにより、ダイカスト、スクイズキャストな
どの加圧鋳造において、熱間割れが小さくクリープ強度
などの機械的性質に優れるマグネシウム鋳造品が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加圧鋳造用マグネシウム合金の熱間割
れ特性を測定する供試片の形状寸法図である。
れ特性を測定する供試片の形状寸法図である。
1 供試片
Claims (1)
- 【請求項1】 ダイカスト、スクイズキャストなどの加
圧鋳造において使用される加圧鋳造用マグネシウム合金
であって、アルミニウムを6〜12重量%、亜鉛を6〜
12重量%、硅素を0.1〜1.5重量%、ストロンチ
ウムを0.005〜0.1重量%含有し、残部がマグネ
シウムおよび不可避不純物からなる割れ感受性が小さ
く、クリープ特性に優れた加圧鋳造用マグネシウム合
金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1651794A JPH07224342A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 加圧鋳造用マグネシウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1651794A JPH07224342A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 加圧鋳造用マグネシウム合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07224342A true JPH07224342A (ja) | 1995-08-22 |
Family
ID=11918472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1651794A Pending JPH07224342A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 加圧鋳造用マグネシウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07224342A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110042289A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-07-23 | 北京大学 | 一种含Sr的镁合金 |
-
1994
- 1994-02-10 JP JP1651794A patent/JPH07224342A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110042289A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-07-23 | 北京大学 | 一种含Sr的镁合金 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3204572B2 (ja) | 耐熱マグネシウム合金 | |
CN105483465B (zh) | 一种压铸用Al-Si-Mg铸造铝合金及其制备方法 | |
JP3354098B2 (ja) | 優れた高温特性とダイカスト鋳造性を有するマグネシウム合金 | |
US20020020475A1 (en) | Heat-resistant magnesium alloy member | |
EP2369025B1 (en) | Magnesium alloy and magnesium alloy casting | |
US6846451B2 (en) | Magnesium alloy and magnesium alloy member superior in corrosion resistance | |
JP4852082B2 (ja) | マグネシウム合金 | |
JP2002327231A (ja) | 耐熱マグネシウム合金鋳造品およびその製造方法 | |
US5669990A (en) | Si-containing magnesium alloy for casting with melt thereof | |
JP2003027169A (ja) | アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物品 | |
JP3865430B2 (ja) | 耐熱・耐摩耗性マグネシウム合金 | |
JP2005113260A (ja) | ダイカスト用耐熱マグネシウム合金および同合金のダイカスト製品 | |
US20230062077A1 (en) | Aluminum alloy and preparation method thereof, and aluminum alloy structural member | |
JPH07224342A (ja) | 加圧鋳造用マグネシウム合金 | |
JPH09296245A (ja) | 鋳物用アルミニウム合金 | |
US3718460A (en) | Mg-Al-Si ALLOY | |
JP3254848B2 (ja) | 割れ感受性の小さい加圧鋳造用マグネシウム合金 | |
RU2211872C1 (ru) | Алюминиево-скандиевая лигатура для производства алюминиевых и магниевых сплавов | |
JPS6154853B2 (ja) | ||
JP3242493B2 (ja) | 耐熱性マグネシウム合金 | |
JP3147244B2 (ja) | 塑性加工用素材の製法 | |
JP6569453B2 (ja) | 高靱性アルミニウム合金鋳物及びその製造方法 | |
JPH1017975A (ja) | 鋳物用アルミニウム合金 | |
JP3132693B2 (ja) | ダイカスト用マグネシウム合金 | |
JPH06279889A (ja) | Si含有マグネシウム合金の金属組織改良方法 |