JPH07223899A - シリコン積層体の製造方法 - Google Patents

シリコン積層体の製造方法

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JPH07223899A
JPH07223899A JP22724594A JP22724594A JPH07223899A JP H07223899 A JPH07223899 A JP H07223899A JP 22724594 A JP22724594 A JP 22724594A JP 22724594 A JP22724594 A JP 22724594A JP H07223899 A JPH07223899 A JP H07223899A
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JP
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silicon
wall surface
film
powder
coating
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JP22724594A
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English (en)
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Fumitaka Tamura
文孝 田村
Yoshinori Okayasu
良宣 岡安
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Silicon Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多結晶シリコン膜内への不純物混入が低減さ
れるシリコン積層体を安定してかつ簡便に製造できる方
法を提供すること。 【構成】 密閉容器20内に収容されたSi粉末6層内に内
側筒部310と外側筒部320の二重管構造部30aを有する搬
送管30の先端を挿入し、かつ二重管構造部の隙間部にキ
ャリアガスを注入してSi粉末を吹き上げながら製造装置
10の高温プラズマ中へSi粉末を導入すると共に、Si粉末
の溶融物をカーボンファイバー織布40上に製膜させて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン積層体の製造方法で
あって、容器の内壁面、内側筒部の内壁面、外側筒部の
外壁面に、変性ポリシラザンを主成分とし低温製膜が可
能なコーティング用組成物にて構成された耐熱性、耐摩
耗性、耐食性等に優れた珪素−窒素−酸素−炭素系セラ
ミックスから成る被膜22、311、321を設けたことを特徴
とする。これ等被膜の作用で容器の内壁面等がSi粉末に
より削られ難くなり削りかす発生に伴う原料汚染を防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性基材とこの基材
上に製膜された多結晶シリコン膜とでその主要部が構成
され、例えば、太陽電池等に適用可能なシリコン積層体
の製造方法に係り、特に、上記多結晶シリコン膜内への
不純物の混入を低減できる製造方法の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種のシリコン積層体の製造方法とし
ては、例えば、特開昭55−73450号公報に記載さ
れたものが知られている。
【0003】すなわち、この製造方法は、融解槽に収容
された融体シリコン内に一連の穴を備えた網状構造のカ
ーボンファイバー織布等を浸漬し、上記穴内並びに表面
に融体シリコンを充填並びに被覆すると共にこの融体を
結晶化させてシリコン積層体を求める方法である。
【0004】ところで、この方法によりシリコン積層体
を製造する場合、上記融体シリコンを保持しかつ結晶化
させる一連の穴を備えた網状構造のカーボンファイバー
織布等を適用することが前提となるため、この製造方法
においてはその表面並びに内部構造が密状態にあるシー
ト状基材を適用することが困難な欠点があった。
【0005】このため、従来においては熱CVD法やプ
ラズマCVD法等の製膜手段により基材上に多結晶シリ
コン膜を直接製膜させてシリコン積層体を製造し、この
シリコン積層体を上記太陽電池等に組込む方法が採られ
ているが、これ等の製造方法においても以下のような欠
点があった。
【0006】まず、熱CVD法においては適用可能なシ
リコン原料が分解され易いSiH4、Si26 等のシラ
ン化合物や、SiH2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲ
ン化珪素に限られ、SiF4 、SiCl4 、Si
26 、及び、SiH22 等の分解され難いハロゲン化
珪素や金属級シリコン粒子(MG・Si)等の適用が困
難な欠点があった。また、SiH4 等のシラン化合物は
その発火性が極めて高いためその取扱いに細心の注意を
払わねばならず、かつ、SiH4 等のシラン化合物を適
用するにしてもその分解率があまり高くないため、基材
への材料供給速度が遅くなる分、多結晶シリコンの製膜
にかなりの時間を要する欠点があった。
【0007】他方、プラズマCVD法においても適用で
きる材料の選択範囲が狭く、かつ、シリコン原料の分解
率が低いため上記熱CVD法と同様に多結晶シリコンの
製膜に時間を要する欠点があった。また、プラズマCV
D法は低温条件下においてなされるため基材に耐熱性が
要求されない利点を有しているが、その反面、製膜処理
が低温でなされることから結晶粒径の大きい多結晶シリ
コン膜が求め難い欠点があった。
【0008】このような技術的背景の下、本発明者はプ
ラズマ溶射法によるシリコン積層体の製造方法を既に提
案している。
【0009】すなわち、この製造方法はシリコン原子が
含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入してこの
原料を溶融又は分解し、この溶融又は分解物を耐熱性基
材上に製膜させて多結晶シリコン膜を形成するものであ
る。
【0010】そして、この製造方法によれば、シリコン
原子が含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入し
てこれを溶融又は分解しているため従来法では適用が困
難であった分解温度の高いシリコン原料や金属級シリコ
ン粉末の適用が可能となり、かつ、シリコン原料の溶融
又は分解速度が速まって上記基材上への溶融又は分解物
の供給速度も速まるため多結晶シリコン膜の製膜速度の
向上が図れると共に、プロセス全体が従来より高温条件
下でなされるため結晶粒径の大きい多結晶シリコン膜を
求めることが可能になる等の利点を有する方法であっ
た。
【0011】ところで、このプラズマ溶射法に適用され
るシリコン原料の一種であるシリコン粉末は、通常、粉
砕法にて製造されるため鋭角な角部を有する粒径不揃い
な粒子構造になっている。このため、このような構造の
シリコン粉末を製造装置の高温プラズマ中へ供給するた
めには工夫を必要とし、本発明者等は以下のような手段
を講じてその目的の達成を図っている。
【0012】すなわち、この供給方法は図3に示すよう
に密閉された容器a内にシリコン粉末bを収容し、か
つ、その先端に内側筒部c1とこの外側を囲む外側筒部
c2の二重管構造部(図4参照)を備えた搬送管cの上
記先端部をシリコン粉末b層内に挿入すると共に、上記
内側筒部c1と外側筒部c2との間にキャリアガスを注
入しその風圧によりシリコン粉末bを吹き上げかつ搬送
管c内を搬送させて製造装置eの高温プラズマf中へ供
給する方法であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
供給方法によりシリコン粉末b原料を高温プラズマ中へ
導入する際、上記シリコン粉末原料は比較的硬度が高く
かつ鋭角な角部を有しているため、上記容器aや搬送管
cの二重管構造部cがステンレス等金属材料で構成され
ている場合、容器aの内壁面や搬送管cにおける内側筒
部c1の内壁面及び外側筒部c2の外壁面がシリコン粉
末原料で削られ易く、シリコン粉末原料が削られた金属
不純物等で汚染されることがあった。
【0014】このため、製造されたシリコン積層体の多
結晶シリコン膜内に金属不純物等が混入され易く、これ
に起因して多結晶シリコン膜の電気的特性が劣化する問
題点があった。
【0015】この場合、シリコン粉末原料より硬度の高
い材料で上記容器や搬送管を構成する方法も考えられる
が、通常、このような高硬度の材料は成型性が悪いため
現実的には適用困難な方法であった。
【0016】また、熱CVD法やプラズマCVD法等の
製膜手段を適用してシリコン粉末原料と接触し易い容器
の内壁面や上記外側筒部の外壁面等をシリコン系被膜に
より被覆する方法も考えられる。しかし、熱CVD法を
適用するためには耐熱性を有する材料で上記容器や搬送
管を構成する必要があり、また、立体形状を有する容器
や搬送管の壁面へプラズマCVD法を適用して被膜を形
成することは通常困難なため上述した方法と同様に現実
的には適用が困難な方法であった。
【0017】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記容器の内壁
面や外側筒部の外壁面等を被覆する材料として変性ポリ
シラザンを主成分とする低温製膜可能なコーティング用
組成物を適用することで不純物混入の低減が図れたシリ
コン積層体の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、密閉容器内に収容されたシリコン粉末層内
に、内側筒部と外側筒部の二重管構造部を先端に備えた
搬送管を挿入し、かつ、上記内側筒部と外側筒部との間
にキャリアガスを注入してその風圧によりシリコン粉末
を吹上げながら搬送管を介し製造装置の高温プラズマ中
へシリコン粉末を導入すると共に、シリコン粉末の溶融
物を基材上に製膜させて多結晶シリコン膜を形成するシ
リコン積層体の製造方法を前提とし、変性ポリシラザン
を主成分とするコーティング用組成物にて構成された珪
素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸素−炭素系セラミ
ックスの被膜により上記容器の内壁面と搬送管における
内側筒部の内壁面並びに外側筒部の外壁面を被覆するこ
とを特徴とするものである。
【0019】このような技術的手段において変性ポリシ
ラザンを主成分とし珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素
−酸素−炭素系セラミックスを形成する低温製膜(50
0℃以下)可能なコーティング用組成物としては以下の
ものが例示できる。
【0020】例えば、主として一般式(I):
【0021】
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子、
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭
素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、ア
ルコキシ基を表す。但し、R1 、R2 、R3 のうち少な
くとも1つは水素原子である)で表される単位からなる
主骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラ
ザンと、グリシドールとを反応させて得られる数平均分
子量が約200〜50万のグリシドール付加ポリシラザ
ンを主成分とするコーティング用組成物が挙げられる。
【0022】ここで、上記グリシドール付加ポリシラザ
ンとは、ポリシラザンの全骨格中の少なくとも一部のケ
イ素原子に結合した水素原子とグリシドールとが反応し
て、ポリシラザン中のケイ素原子がグリシドールと縮合
した側鎖基あるいは環状、架橋構造を有する化合物であ
る。すなわち、ポリシラザンとグリシドールとの反応で
は、グリシドールのOH基とポリシラザンのSiH基の
間で脱水素縮合反応が起こり、下記の如くSi−O−C
結合が形成される。
【0023】
【化2】 更に、反応条件によってはグリシドールの3位または2
位の炭素とポリシラザンのNH基の間に結合が生じてエ
ポキシ基が開環し、更にこれによって生じたOH基とポ
リシラザンのSiH基の間で脱水素縮合反応が起こり、
Si−O−C結合が形成される場合もある。この場合に
は下記の如くポリシラザン分子間にグリシドール分子を
介した架橋構造が形成されることになる。
【0024】
【化3】 尚、上記ポリシラザンの一例として下記構造を有するペ
ルヒドロポリシラザンが挙げられる。
【0025】
【化4】 そして、上記グリシドール付加ポリシラザンを、例え
ば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素
の炭化水素溶媒;ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタ
ン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;
脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類溶媒等
に溶解してコーティング用組成物を調製し、浸漬、ロー
ル塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り、バー塗
り等の適宜塗布手段により上記コーティング用組成物を
容器の内壁面、搬送管における内側筒部の内壁面並びに
外側筒部の外壁面に塗布し、かつ、充分乾燥させた後、
加熱・焼成して、耐熱性、耐摩耗性、耐食性等に優れた
珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸素−炭素系セラ
ミックスから成る被膜を形成する。
【0026】尚、上記焼成条件については、グリシドー
ル付加ポリシラザンの分子量や構造によって若干異なる
が、500℃以下、好ましくは50℃〜300℃の範囲
である。焼成雰囲気は空気中あるいは不活性ガス等のい
ずれであってもよいが、空気中がより好ましい。空気中
での焼成によりグリシドール付加ポリシラザンの酸化、
あるいは空気中に共存する水蒸気による加水分解が進行
し、上記のような低い焼成温度でSi−O結合あるいは
Si−N結合を主体とする強靭な被膜の形成が可能にな
るからである。
【0027】このように、グリシドール付加ポリシラザ
ンを主成分とするコーティング用組成物を適用すること
により、500℃以下の低温条件にて耐熱性、耐摩耗
性、耐食性等に優れた珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒
素−酸素−炭素系セラミックスから成る被膜の形成が可
能になるため、上記容器や搬送管の構成材料としてステ
ンレス合金等あまり耐熱性を有さない材料の適用が可能
となる利点を有している。尚、コーティングするグリシ
ドール付加ポリシラザンの種類によっては、限られた焼
成条件でセラミックスへの転化が不完全である場合もあ
る。この場合には焼成後の被膜を50℃未満の条件で長
時間保持し、被膜の性質を向上させることも可能であ
る。この場合の保持雰囲気は空気中が好ましく、また、
水蒸気圧を高めた湿潤空気中でも更に好ましい。保持す
る時間は特に限定されるものではないが、10分以上3
0日以内が現実的に適当である。また、保持温度は特に
限定されるものではないが、0℃以上50℃未満が現実
的に適当である。
【0028】また、上記コーティング用組成物中には、
形成する被膜の膜厚増大を図るため炭化ケイ素(Si
C)や窒化ケイ素(SiNX )等非酸化物系無機物の微
粉を適量配合してもよい。また、上記グリシドール付加
ポリシラザンに代えて、このグリシドール付加ポリシラ
ザンと同様に500℃以下の低温条件にて耐熱性、耐摩
耗性、耐食性等に優れた珪素−窒素−酸素系又は珪素−
窒素−酸素−炭素系セラミックスから成る被膜の形成が
可能である以下の変性ポリシラザン、すなわち、数平均
分子量が100〜5万のポリシラザンと、下記一般式
(II) :
【0029】
【化5】 (式中、R4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基またはア
リール基を表し、少なくとも1個のR4 は上記アルキル
基またはアリール基である)で表されるケイ素アルコキ
シドとを加熱反応させて得られる数平均分子量が約20
0〜50万のケイ素アルコキシド付加ポリシラザンを主
成分とするコーティング用組成物を適用してもよいし、
あるいは数平均分子量が100〜5万のポリシラザンと
アルコールとを反応させて得られる数平均分子量が約2
00〜50万のアルコール付加ポリシラザンを主成分と
するコーティング用組成物を適用してもよい。
【0030】次に、本発明に係るシリコン積層体の製造
方法に適用できる上記基材としては、この基材が高温プ
ラズマに晒される関係上耐熱性を具備していることを要
し、例えばアルミナのようなセラミックス基材や耐熱ス
テンレス鋼のような金属基材、及び炭素系基材等が挙げ
られる。尚、炭素系基材の具体例としては、表面並びに
内部構造が密状態にあるグラファイト板や炭素−炭素複
合材料(例えば、カーボンファイバーと炭化された樹脂
成分とでその主要部が構成されたもの等)、及び密に編
まれて表面並びに内部構造が密状態にあるカーボンファ
イバー織布等が挙げられ、更に、疎に編まれた網状構造
のカーボンファイバー織布の適用も可能である。
【0031】また、上記高温プラズマ中に導入されるシ
リコン粉末としては、粒径が約200μm以下の金属級
シリコン粉末(MG・Si,例えばSi純度が99%の
もの)や太陽電池級シリコン粉末(SOG,例えばSi
純度が99.9999%のもの)等が適用できる。
【0032】尚、上記高温プラズマ発生部内における圧
力条件は、この高温プラズマ発生部内へのシリコン原料
の供給のし易さや製造装置の構成の簡略化等を考慮し
て、通常、大気圧又は大気圧近傍(数百Torr)の条
件に設定されるが、これより低い条件、例えば数十To
rrに設定しても当然のことながらよい。そして、高温
プラズマ発生部内の圧力条件をこのように低く設定した
場合、プラズマフレーム(プラズマ空間)が広がるため
シリコン原料の溶融物を上記基材の広い領域へ供給する
ことが可能となり、基材上に大面積でかつ膜質均一な多
結晶シリコン膜を形成できる利点を有している。但し、
プラズマ空間が広がることに伴いその単位体積当りのエ
ネルギー供給量が低下するため、プラズマ発生のための
投入電力を増大させることを要する。
【0033】
【作用】請求項1に係る発明によれば、変性ポリシラザ
ンを主成分とするコーティング用組成物にて構成された
珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸素−炭素系セラ
ミックスの被膜により、容器の内壁面と搬送管における
内側筒部の内壁面並びに外側筒部の外壁面を被覆してお
り、シリコン原料粉末を製造装置の高温プラズマ中へ供
給する際、上記被膜の作用により鋭角な角部を有するシ
リコン原料粉末にて上記容器の内壁面や外側筒部の外壁
面等が削られる恐れがなくなるため、高温プラズマ中へ
導入されるシリコン原料粉末の不純物汚染を防止するこ
とが可能となる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 [実施例1]まず、この製造方法に適用される装置は、
図1に示すようにアークプラズマ並びに誘導プラズマを
形成できる高温プラズマ発生部1とこの高温プラズマ発
生部1に隣接して設けられ内部に基材ホルダー7を有す
る反応室2とを備えた製造装置10と、この製造装置1
0の高温プラズマ発生部1へ供給されるシリコン粉末6
を収容するステンレス製の容器20と、この容器20に
挿入されたステンレス製の二重管構造部30aとその一
端が連結管30bを介して二重管構造部30aに連結さ
れ他端側が上記製造装置10のシリコン原料導入口に取
付けられたフッ素系樹脂製の樹脂管30cとを備えた搬
送管30とでその主要部が構成されている。
【0035】また、上記搬送管30の二重管構造部30
aは内側筒部310と外側筒部320とで構成され、か
つ、内側筒部310の内壁面には図2に示すように以下
に示す方法にて製膜された珪素−窒素−酸素−炭素系セ
ラミックスから成る被膜311が形成されていると共
に、上記二重管構造部30aの一端が容器20内に収容
されたシリコン粉末6層内に挿入されており、かつ、上
記内側筒部310と外側筒部320との間にアルゴン等
のキャリアガスが注入されるように構成されている。
【0036】尚、上記シリコン粉末6層表面からの二重
管構造部30aの挿入距離については、上記高温プラズ
マ発生部1内へ効率よくシリコン粉末6が導入されるよ
うに適正な値に設定されている。
【0037】また、上記容器20はその周囲を枠体21
に囲まれて密閉されており、かつ、その内壁面には図2
に示すように以下に示す方法にて製膜された珪素−窒素
−酸素−炭素系セラミックスから成る被膜22が形成さ
れていると共に、図示外の回転機構により上記搬送管3
0の中心軸を回転中心にして常時回転するように構成さ
れている。また、上記二重管構造部30aにおける外側
筒部320の外壁面にも図2に示すように上記珪素−窒
素−酸素−炭素系セラミックスから成る被膜321が形
成されている。
【0038】そして、上記珪素−窒素−酸素−炭素系セ
ラミックスから成る被膜は以下のような方法にて製膜さ
れている。
【0039】すなわち、ペルヒドロポリシラザンとグリ
シドールとを反応させて得られたグリシドール付加ポリ
シラザンをo−キシレンで希釈して濃度を20重量%と
した後、上記グリシドール付加ポリシラザンに対しその
重量比で50重量%の炭化ケイ素(SiC)微粉末を添
加してコーティング用組成物を製造した。そして、この
コーティング用組成物を上記容器20の内壁面と二重管
構造部30aにおける外側筒部320の外壁面にそれぞ
れ刷毛塗りし、かつ、乾燥させた後、大気雰囲気下10
0℃で1時間焼成処理して珪素−窒素−酸素−炭素系セ
ラミックスから成る被膜22、321を製膜している。
尚、二重管構造部30aにおける内側筒部310の内壁
面に設けられた被膜311は、炭化ケイ素(SiC)微
粉末が添加されていないコーティング用組成物を適用し
浸漬法により形成されている点を除き上記被膜22、3
21と略同一の条件で形成されている。
【0040】このように構成された上記製造装置10内
に、カーボンファイバー織布40を配置し、かつ、反応
室2内を〜10-3Torrまで真空引きを行って反応室2内
の空気等を排気した後、プラズマ点火後の急加熱や局所
的過熱を防ぐため点火に先がけ上記基材ホルダー7に設
けられカーボンファイバー織布40を水平方向へ移動操
作する移動機構(図示せず)を作動させた。
【0041】次に、プラズマ発生部1内へアルゴンガス
と水素ガスを導入すると共にプラズマ点火を行った。電
源は最初に直流を投入しその後に高周波を投入した。
尚、高温プラズマフレームの形状はアルゴンガス、水素
ガスの流量でかなり変化するが安定した状態を比較的容
易に得ることができた。また、この製造装置10にはア
ルゴンガスと水素ガス等のガス導入口、及び、シリコン
原料導入口に圧力制御弁が取付けられ、かつ、反応室2
の下流側には排気系4が設けられておりこれ等機構によ
り反応室2内の圧力は〜550Torrに保持されている。
【0042】そして、上記カーボンファイバー織布40
を高温プラズマと基材ホルダー7内に設けられた加熱手
段8により加熱してその表面温度が十分上昇しているこ
とを放射温度計を用いてモニターし、その表面温度がシ
リコンの融点直下温度(1400℃)になった時点で、
シリコン原料の導入口から定量のシリコン粒子6を導入
してこのシリコン粒子6を高温プラズマ中にて溶融さ
せ、かつ、この溶融物を上記カーボンファイバー織布4
0上へ製膜させた。
【0043】このとき、上記容器20の内壁面と二重管
構造部30aにおける内側筒部310の内壁面並びに外
側筒部320の外壁面には珪素−窒素−酸素−炭素系セ
ラミックスから成る被膜22、311、321が形成さ
れているため、容器20の内壁面、上記内側筒部310
の内壁面並びに外側筒部320の外壁面等にシリコン粒
子6が接触してもこれら容器20、内側筒部310の内
壁面や外側筒部320の外壁面がシリコン粒子6の角部
にて削られる恐れがない。従って、高温プラズマ中へ導
入されるシリコン粒子6に容器20や搬送管30の二重
管構造部30aを構成する金属不純物等が付着し難くな
るため、原料純度の向上が図れる利点を有している。
【0044】次いで上述した製膜処理を2〜3分間行
い、かつ、シリコン粒子6の供給停止後も高周波を投入
してアルゴンの高温プラズマを継続させ、5〜10分程
度の冷却制御を行い膜厚1mm程度の多結晶シリコン膜を
形成してシリコン積層体を製造した。
【0045】 ( 製 膜 条 件 ) 反応室内の圧力 〜550Torr DCプラズマ投入電力 5KW RFプラズマ投入電力 30KW アルゴンガス流量 60〜80リットル/min 水素ガス流量 2〜4リットル/min シリコン粉末の粒径 75〜150μm シリコン粉末の供給量 1g/min 高温プラズマ発生部と織布間距離 10〜20cm この様にして求められた多結晶シリコン膜についてTE
M観察を行ったところ、膜厚1mm程度でその結晶粒径は
100μm程度に達していることが確認でき、かつ、多
結晶シリコン膜内の不純物濃度も半導体として充分なレ
ベルまで下がっていることも確認された。 [実施例2]反応室内の圧力を略60Torrに設定
し、かつ、DCプラズマ投入電力を10KW、RFプラ
ズマ投入電力を50KWに設定した点を除き実施例1と
略同一の条件でシリコン積層体を製造した。
【0046】そして、このシリコン積層体の多結晶シリ
コン膜についてTEM観察を行ったところ、実施例1に
係る多結晶シリコン膜と略同一の特性を有していること
が確認された。
【0047】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、シリコン
原料粉末を製造装置の高温プラズマ中へ供給する際、容
器の内壁面と搬送管における内側筒部の内壁面並びに外
側筒部の外壁面に形成された耐熱性、耐摩耗性、耐食性
等に優れた珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸素−
炭素系セラミックスから成る被膜の作用により、鋭角な
角部を有するシリコン原料粉末が接触しても容器の内壁
面や外側筒部の外壁面等がシリコン原料粉末により削り
取られる恐れがなくなるため、高温プラズマ中へ導入さ
れるシリコン原料粉末の不純物汚染を防止することが可
能となる。
【0048】従って、不純物の混入低減が図れるため電
気的特性に優れたシリコン積層体を安定してかつ簡便に
製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製造方法に適用された装置の構成概念
図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】従来例の製造方法に適用される装置の構成概念
図。
【図4】図3の部分拡大図。
【符号の説明】
1 高温プラズマ発生部 6 シリコン粉末 10 製造装置 20 容器 22 被膜 30 搬送管 30a 二重管構造部 30c 樹脂管 40 カーボンファイバー織布 310 内側筒部 311 被膜 320 外側筒部 321 被膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に収容されたシリコン粉末層内
    に、内側筒部と外側筒部の二重管構造部を先端に備えた
    搬送管を挿入し、かつ、上記内側筒部と外側筒部との間
    にキャリアガスを注入してその風圧によりシリコン粉末
    を吹上げながら搬送管を介し製造装置の高温プラズマ中
    へシリコン粉末を導入すると共に、シリコン粉末の溶融
    物を基材上に製膜させて多結晶シリコン膜を形成するシ
    リコン積層体の製造方法において、 変性ポリシラザンを主成分とするコーティング用組成物
    にて構成された珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸
    素−炭素系セラミックスの被膜により上記容器の内壁面
    と搬送管における内側筒部の内壁面並びに外側筒部の外
    壁面を被覆することを特徴とするシリコン積層体の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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