JPH0722358U - 液体加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼器として格別大きな吸引力のあるものを
使用する必要がなく、したがってその先端において振動
燃焼や不着火のような不安定な燃焼状態を生ずることな
く、さらに低温の排ガスを供給することのできる加熱装
置を提供する。 【構成】 燃焼器付き加熱罐体と、給水口及び出湯口を
有し、前記罐体内において燃焼ガスによって加熱される
水室とを具えた液体加熱装置において、前記加熱罐体は
燃焼ガス上昇室と、これに連接された燃焼ガス下降室と
を有し、前記燃焼ガス下降室の下部とバーナの１次空気
吸気口部とを通気管で接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はＮＯｘ生成抑制型液体加熱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

液体加熱装置においては、燃焼排ガスに含まれるＮＯｘが大気を汚染するとい うことから、ＮＯｘが生成しないように工夫することが要望され、その有効な手 段として燃焼排ガスの一部を燃焼空気に混合して燃焼器に導入する、いわゆる排 ガス再循環方式が開発され、その際排ガスは低温であると有効であることが知ら れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで提案されたものとしては図４に示すようなものがあり、それは罐体41の 内部に給水口42から給水され、出湯口43から出湯する図示しない水室が設置され 、罐体41に据え付けたバーナからなる燃焼器44によって水室内の水を加熱し、煙 突45にこれから排ガスの一部を燃焼器44に還流する分岐煙道46が設けられ、燃焼 器44には吸気口47からの外部空気と煙道46からの排ガスの一部とが混合して供給 されるようになっているものである。

【０００４】 通常煙突45内の排ガスは浮力によって自然に同煙突45内を上昇する通気力をも っている。一方前記のような加熱装置にあっては、分岐煙道46の煙突45への接続 部は、燃焼器44より上部に位置しているので、通気力を有する排ガスを分岐煙道 36を介して下方の燃焼器34に誘導するには非常に大きな吸引力が必要であって、 燃焼器44は吸引能力の大きなものとしなければならないという問題を生ずるのに 加えて、吸引能力の大きな燃焼器44を使用すると、風圧が強大となって風量との バランスがくずれ、その先端における火炎が保持されないで飛ばされ、振動燃焼 や不着火を起こすというような問題を生じ、さらに吸引される排ガスが充分低温 とならないという問題もある。

【０００５】 この考案の目的は、前記従来の加熱装置のもつ問題点を解消し、燃焼器として 格別大きな吸引力のあるものを使用する必要がなく、したがってその先端におい て振動燃焼や不着火のような不安定な燃焼状態を生ずることなく、さらに低温の 排ガスを供給することのできる加熱装置を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は前記のような目的を達成するために、請求項１に記載の考案は、燃 焼器付き加熱罐体と、給水口及び出湯口を有し、前記罐体内において燃焼ガスに よって加熱される水室とを具えた液体加熱装置において、前記加熱罐体は燃焼ガ ス上昇室と、これに連接された燃焼ガス下降室とを有し、前記燃焼ガス下降室の 下部とバーナの１次空気吸気口部とを通気管で接続したことを特徴とするもので ある。請求項２に記載の考案は、請求項１に記載の考案において、水室は燃焼ガ ス上昇室と燃焼ガス下降室との間に形成された内筒と、燃焼ガス下降室の外周に 形成された外筒とを有し、これらの両筒は下部に設けた通液管によって連結され ていることを特徴とするものである。請求項３に記載の考案は、請求項１に記載 の考案において、水室は燃焼ガス上昇室と燃焼ガス下降室とに配置され、上部で 連通している蛇行管またはら旋管からなることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

前記のようなこの考案にあっては、燃焼ガス下降室の下部にある低温の排ガス はバーナによる押込力により増圧されており、一方バーナの吸気口部は減圧され ていることにより、余計な吸引力を加えるまでもなくバーナ内に燃焼排ガスの一 部が吸引されてＮＯｘの生成が抑制される。この場合水室内の水は内筒内にあっ て、燃焼ガス上昇室と同ガス下降室との両周面において、また外筒内にあって燃 焼ガス下降室の周面において、燃焼ガスとの間で効率のよい熱交換が行われ、こ れは水室が燃焼ガス上昇、下降両室に配置された蛇行管またはら旋管においても 同様である。

【０００８】

【実施例】

図１に示すこの考案の第１実施例において、１は最内方に位置する燃焼ガス上 昇室を示し、その下部側方にバーナ２が装着されており、その外周及び底部を包 囲して中空筒状の内部水室３が、またその外周に中空筒状の燃焼ガス下降室４が 、さらにその外周に中空筒状の外部水室５がそれぞれ形成され、両室１，４は上 部において通煙管６で、下部において集煙室７で連通され、両水室３，５は上部 において集湯室８で、下部において通液管９で連通され、内部水室３には下部に 給水口10が、また集湯室８には出湯口11がそれぞれ設けられている。バーナ２の 下部には混合チャンバ14が取付けられ、このチャンバ14の下方には外気吸入口15 が、また加熱装置側には排ガス吸入口16がそれぞれ設けられ、排ガス吸入口16は 蛇腹状通気管17を介して集煙室７と連通している。なお、18は燃料管、19は集煙 室７に接続された煙突を示す。

【０００９】 このような加熱装置にあっては、バーナ２からの燃焼ガスは上昇室１中を上昇 した後、通煙管６を経て下降室４中を下降して集煙室７に集まり、その大部分ほ ぼ80〜85％が煙突19から外部へ排出され、残りの排ガスはバーナ２によって吸引 されて、通気管17を経て混合チャンバ14に入り、ここで吸入口15から入る外気と 混合されてバーナ２内に燃焼用ガスとして吸引され、燃料管18からの燃料と混合 されて燃焼されて燃焼ガスとなった上、前記のように循環する。

【００１０】 一方内外部水室３，５には給水口10から供給された水が通液管９を通って、両 水室３，５中を上昇し、この間内部水室３にあっては、上昇室１の周囲において その内部を上昇する燃焼ガスによって、また外部水室５にあっては下降室４を下 降する燃焼ガスによって加熱され、温湯となって出湯口11から外部へ取り出され る。このようにして燃焼ガスと水とは、上昇、下降室１，４と内外部水室３，５ とにあって熱交換がなされ、その結果低温化した排ガスが集煙室７に集まり、こ の排ガスはバーナ２による押込力によって高圧となり、バーナ２の吸気口部は減 圧されるため、混合チャンバ14内の混合気は円滑にバーナ２に吸引されることと なる。

【００１１】 図２、３に示すこの考案の第２、３実施例において、第１実施例と同一の部分 には同一の符号を付して説明を省略し、主として異なるところについて説明する 。この第２実施例では燃焼ガス上昇室21と、同下降室24は横方向に並列して配置 され、上部が通煙管26で連接され、水室23は下降室24の下方から内部に入り、蛇 行して上昇し、通煙管26内を横方向に延びた上、上昇室21中を蛇行して下降した 後、その下方から外方へ延出した管体によって形成されている。そして下降室24 の下方に形成された集煙室27に集まった低温の排ガスの一部は第１実施例と同様 に混合チャンバ14において大気と混合された上、燃焼器２に吸引される。20はド レン抜きを示す。この実施例の作用は第１実施例と同様であるので、その説明を 省略する。

【００１２】 図３に示すこの考案の第３実施例について、第２実施例と同様に説明する。こ の実施例において、燃焼ガス上昇室31及び同下降室34はいずれも断熱壁30によっ て構成され、水室33は給水口10を有する元管の途中から複数（この実施例では２ 個）に分岐して、燃焼ガス下降室34中を上昇し、燃焼ガス上昇室31の真上から同 室31内を下降している点で他の２実施例と相違するだけであって、他は同様であ り、したがって同様の作用をするが、ただ各室31，34が断熱壁で包囲されている ので、外部放熱が抑止されて有効な熱交換が実現できる。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は前記のようであって、燃焼器付き加熱罐体と、給水口及び出湯口を 有し、前記罐体内において燃焼ガスによって加熱される水室とを具え、加熱罐体 は燃焼ガス上昇室と、これに連接された燃焼ガス下降室とを有し、燃焼ガス下降 室の下部とバーナの１次空気吸気口部とを通気管で接続されており、水室は燃焼 ガス上昇室と燃焼ガス下降室との間に形成された内筒と、燃焼ガス下降室の外周 に形成された外筒とを有し、これらの両筒は下部に設けた通液管によって連結さ れ、又は燃焼ガス上昇室と燃焼ガス下降室とに配置され、上部で連通している蛇 行管またはら旋管からなるので、低温となった所定量の排ガスがバーナによって 強制的にバーナ内に吸引されて、１次空気と混合した上、燃料に添加されて、バ ーナ内において燃焼されることによって、排ガス中のＮＯｘの生成が有効に抑止 され、その際バーナに吸引される排ガスはバーナの押込力によって増圧されてお り、一方バーナの吸気口部は減圧されていることから、格別吸引力の大きなバー ナを設置する必要がなくて、経済性にすぐれているとともに、振動燃焼や不着火 等の不安定な燃焼状態を生ずることもないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例の一部縦断正面図であ
る。

【図２】この考案の第２実施例の一部縦断正面図であ
る。

【図３】この考案の第３実施例の一部縦断正面図であ
る。

【図４】従来のこの考案と同種の液体加熱装置の正面図
である。

【符号の説明】

１ 燃焼ガス上昇室 ２ バーナ ３ 水室 ４ 燃焼ガス下降室 ５ 水室 ７ 集煙室 ９ 通液管 10 給水口 11 出湯口 14 混合チャンバ 15 外気吸入口 16 排ガス吸入口 17 通気管 21 燃焼ガス上昇室 23 水室 24 燃焼ガス下降室 27 集煙室 31 燃焼ガス上昇室 33 水室 24 燃焼ガス下降室

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼器付き加熱罐体と、給水口及び出湯
   口を有し、前記罐体内において燃焼ガスによって加熱さ
   れる水室とを具えた液体加熱装置において、前記加熱罐
   体は燃焼ガス上昇室と、これに連接された燃焼ガス下降
   室とを有し、前記燃焼ガス下降室の下部とバーナの１次
   空気吸気口部とを通気管で接続したことを特徴とする液
   体加熱装置。
2. 【請求項２】 水室は燃焼ガス上昇室と燃焼ガス下降室
   との間に形成された内筒と、燃焼ガス下降室の外周に形
   成された外筒とを有し、これらの両筒は下部に設けた通
   液管によって連結されていることを特徴とする請求項１
   に記載の液体加熱装置。
3. 【請求項３】 水室は燃焼ガス上昇室と燃焼ガス下降室
   とに配置され、上部で連通している蛇行管またはら旋管
   からなることを特徴とする請求項１に記載の液体加熱装
   置。