JPH07222464A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH07222464A
JPH07222464A JP1239394A JP1239394A JPH07222464A JP H07222464 A JPH07222464 A JP H07222464A JP 1239394 A JP1239394 A JP 1239394A JP 1239394 A JP1239394 A JP 1239394A JP H07222464 A JPH07222464 A JP H07222464A
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Hiroto Yoshinuma
吉沼  洋人
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 静電アクチュエータの移動子と固定子との位
置合わせを精密に行なうことができると共に、自重を大
幅に増やさずに、高出力、低電圧化を可能とする静電ア
クチュエータの提供。 【構成】 固定子1における帯状電極25〜27からの
取り出し電極と移動子10における帯状電極25′〜2
7′からの取り出し電極とがそれぞれの電気絶縁性基板
上において移動子10の移動方向と同一方向に配線され
ると共に、固定子1における取り出し電極の配線位置と
移動子における取り出し電極の配線位置とが、その少な
くとも1組において対向し、かつその対向する電極には
同一極性の電圧が印加されるように配線されてなり、更
に、対向する固定子1及び移動子10の取り出し電極の
組合せにおけるいずれか一方の取り出し電極が2分割さ
れると共に他方の帯状取り出し電極と等間隔をおいて対
向させられるように配線される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
関し、特に、その駆動に際して移動子と固定子との位置
合わせを精密に行なうことができると共に、静電アクチ
ュエータの自重を大幅に増やさず、高出力・低電圧化を
可能とする静電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電界エネルギーを機械エネルギー
に変換する静電モーターとして、静電アクチュエータが
開発されている。静電アクチュエータは、図1にその断
面図で示すように、固定子1上に移動子10が搭載され
ており(図では移動子10は、固定子1と離間した状態
で図示しているが、固定子1上に接触した状態で搭載さ
れている)、固定子1には、電気絶縁基板に3相電源に
接続される帯状取り出し電極25A〜27Aと、駆動部
を形成する帯状電極群25〜27とが配線され、また移
動子10にも、電気絶縁基板に3相電源に接続される帯
状取り出し電極25A′〜27A′と、駆動部を形成す
る帯状電極群25′〜27′とが配線された構造を有し
ている。
【0003】そして、固定子1においては、Φa電源に
接続される取り出し電極25Aとそれから延設される帯
状電極群25、25、25・・からなる配線パターン、
Φb電源に接続される取り出し電極26Aとそれから延
設される帯状電極群26、26、・・からなる配線パタ
ーン、Φc電源に接続される取り出し電極27Aとそれ
から延設される帯状電極群27からなる配線パターンの
3種類の配線パターンが組合せて配線されている。その
組合せは、図1の固定子に示すように、端部から帯状電
極25、27、26、25、27・・・・の順に並列さ
せて配線される。
【0004】一方、移動子10においては、Φa電源に
接続される取り出し電極25A′とそれから延設される
帯状電極群25′、25′・・からなる配線パターン、
Φb電源に接続される取り出し電極26A′とそれから
延設される帯状電極群26′、26′・・からなる配線
パターン、Φc電源に接続される帯状取り出し電極27
A′とそれから延設される帯状電極群27′、27′・
・からなる配線パターンの3種類の配線パターンが組合
せて配線されている。その組合せは、図1の移動子10
に示すように、端部から25′、26′、27′の順に
並列させて配線される。
【0005】即ち、図1に示すように、固定子1上に移
動子10を搭載した状態では、固定子1における帯状電
極群27、26、25・・・・の配列順序は、移動子1
0における帯状電極群25′、26′、27′・・・・
と、その電源への接続順を逆にしていることを特徴とし
ている。
【0006】このように構成される静電アクチュエータ
においては、3相電源における印加電圧を、例えばΦa
(−):Φb(0):Φc(+)→Φa(0):Φb
(+):Φc(−)→Φa(+):Φb(−):Φc
(0)と順次切替えると、移動子と固定子上でそれぞれ
逆向きに進行する電位の波を生じ、これらの進行波間に
生じる静電気力により、図1における矢印で示すよう
に、移動子を浮上させる共に帯状電極の配列方向とは直
角方向に移動子を駆動させるものである。また、この3
相電源での印加電圧の位相の組合せを変化させることに
より、移動子は左右いずれの方向への移動も可能であ
り、また、3相電源をより多相化することも可能であ
る。
【0007】このような静電アクチュエータは、固定子
と移動子とに同一の電圧が常に印加されるので、高出力
が得られ、駆動時に移動子・固定子間に反撥力が発生す
るので摩擦力が小さく、また停止時には吸引力が働くの
で、大きな保持力が得られるものであり、また、製作に
高精度が要求されない、薄型化、大面積化、積層化が容
易で、高出力、低電圧駆動化が容易であるという長所を
有するものである。
【0008】しかしながら、この静電アクチュエータに
おいては、移動子を駆動させるに伴い、固定子への搭載
位置が駆動方向とは直角方向に位置ずれを生じるという
問題があり、移動子と固定子の位置合わせが必要とな
る。そのため、従来は、固定子に位置合わせガイドを設
け、移動子が駆動方向と直角方向での位置ずれが生じな
いようにしているが、ガイドの作製は、固定子と移動子
における取り出し電極の線巾に合わせた精度が要求され
る。しかも、静電アクチュエータとして高出力、低電圧
化を図る場合、その電極巾は更に細くなる傾向があり、
ガイドの作製は益々困難となるという問題がある。更
に、このような位置合わせガイドを設けると、静電アク
チュエータ自体の自重も増加するので、高出力、低電圧
化が得られないという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、静電アクチ
ュエータの移動子と固定子との位置合わせを精密に行な
うことができると共に、静電アクチュエータの自重を大
幅に増やさずに、高出力、低電圧化を可能とする静電ア
クチュエータの提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の静電アクチュエ
ータは、電気絶縁性基板上に駆動部を形成する複数の帯
状電極が配線された固定子と、該固定子上に搭載され、
電気絶縁性基板上に駆動部を形成する複数の帯状電極が
配線される移動子とからなり、固定子と移動子における
それぞれの帯状電極への印加電圧の位相の切替えによ
り、移動子を浮上させ、駆動させる静電アクチュエータ
において、固定子における帯状電極からの取り出し電極
と移動子における帯状電極からの取り出し電極とがそれ
ぞれの電気絶縁性基板上において移動子の移動方向と同
一方向に配線されると共に、固定子における取り出し電
極の配線位置と移動子における取り出し電極の配線位置
とが、その少なくとも1組において対向し、かつその対
向する電極には同一極性の電圧が印加されるように配線
されてなり、更に、対向する固定子及び移動子の取り出
し電極の組合せにおけるいずれか一方の取り出し電極が
2分割されると共に他方の帯状取り出し電極と等間隔を
おいて対向させられるように配線されたことを特徴とす
る。
【0011】本発明の静電アクチュエータについて説明
する。図2は、本発明の静電アクチュエータの斜視図で
あり、図3はそのA−A面での断面図、また、そのB−
B面での断面は、駆動部断面を示すが、上述した図1に
示すものと同様であり、後述する作製方法で詳述する。
【0012】本発明の静電アクチュエータの動作原理
は、図1を使用して説明した従来の静電アクチュエータ
と同一であるが、本発明は、図2に示すように、固定子
1における取り出し電極25A〜27A、移動子10に
おける取り出し電極25A′〜27A′を、それぞれの
電気絶縁性基板上に移動子の移動方向と同一方向(即
ち、駆動部を形成する帯状電極方向とは直交する方向)
として配線され、その配線位置は、駆動部の両側部にそ
れぞれ配置される。その配線にあたっては、図3に示す
ように、移動子10を固定子1上に搭載した際に、同一
電源から配線され、同一極性の電圧が印加される移動子
における取り出し電極と固定子における取り出し電極と
が、電界方向において対向するように、それぞれが固定
子内、移動子内において配線される。
【0013】対向する取り出し電極25A、25A′を
例として説明すると、移動子における取り出し電極25
A′は、図2に示すように、その端部で接続して2分割
されている。更に、図3に示すように、その2分割され
た移動子における取り出し電極25A′は、固定子にお
ける取り出し電極25Aとそれぞれ等間隔で対向する位
置となるように、移動子内において配線させておく。
【0014】また、図3においては、同時に固定子にお
ける帯状取り出し電極26Aを2分割して移動子におけ
る帯状取り出し電極26A′と対向させているが、これ
は、駆動に際して3相電源を使用する場合、対向する取
り出し電極同士が0Vとなる場合があるからである。0
V電源を使用しない場合には、少なくとも1組の取り出
し電極において一方を分割して対向させておけばよい。
【0015】図4は、図3で示される取り出し電極の作
用を、3相電源での各電源による位相の変化との関係で
説明するための図であり、(a)は、Φa(−):Φb
(0):Φc(+)とした場合、(b)はΦa(0):
Φb(+):Φc(−)と変化させた場合、(c)はΦ
a(+):Φb(−):Φc(0)と変化させた場合て
ある。
【0016】このようにして、固定子及び移動子におけ
る取り出し電極では、常に、同一波形がかかり、対向す
る3本の取り出し電極間で静電気力による反撥が生じ、
例えば(a)では固定子における取り出し電極25A
が、2本ある移動子における取り出し電極25A′の間
に位置するようになり、また、同様なことが(b)、
(c)でも生じるので、移動子が駆動する際に、移動子
が駆動方向とは直角な方向で位置ずれを生じることを防
止することが可能となる。
【0017】図5〜図11は、このような3相電源を使
用する場合における移動子と固定子における取り出し電
極の組合せの例示であるが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0018】次に、3相電源を使用する場合における静
電アクチュエータの作製方法について説明する。図12
は、図2に示す本発明の静電アクチュエータのB−B面
での断面図であり、図中、1は固定子、10は移動子で
あり、2は電気絶縁性基板、3は電気絶縁性フイルム、
25〜27、25′〜27′は帯状電極である。
【0019】図12に示すように、固定子と移動子と
は、電極配線を除いては、同一構造を有するものであ
り、以下、固定子を例にして説明する。
【0020】本発明における電極配線においては、図2
に示すように、帯状電極27と、取り出し電極26Aと
が重ならざるを得ないという問題がある。そのため、基
板にスルーホールを穿設し、帯状電極27をスルホール
を通して基板裏面に延設し、その取り出し電極27Aを
基板裏面に配線しても、移動子の駆動に伴う位置ずれを
防止することができる。しかしながら、この種の静電ア
クチュエータにおいては、その駆動電圧は200V〜1
000Vであり、絶縁破壊を防止するために基板膜厚と
しては1μm以上必要であり、静電アクチュエータを積
層してアクチュエータとする場合に、全体の容量が大き
くなるという問題がある。またスルホールを治具を使用
して穿設すると孔の直径が300μm以下のものとはで
きず、また、エッチングにより穿設する場合にも直径5
0μmが限度であり、固定子における帯状電極層の密度
が限定され、静電アクチュエータの高出力、低電圧駆動
化が得られなく、また作業工程も複雑であるという問題
がある。
【0021】そのため、本発明における固定子及び移動
子の作製方法としては、例えば、(1)第1転写基板に
部分的に絶縁処理してマスクを形成する工程と、(2)
前記転写基板のマスク以外の部分にメッキ法により第1
帯状電極層を形成する工程と、(3)該第1帯状電極層
を、粘着層を有する電気絶縁性基板上に転写する工程
と、(4)電気絶縁性基板上の第1帯状電極層における
取り出し電極層上に粘着性を有する電気絶縁層を積層す
る工程と、(5)第2の転写基板に第2帯状電極層を、
前記第1帯状電極層の形成と同様にして形成する工程
と、(6)該第2帯状電極層を前記第1帯状電極層を形
成した電気絶縁性基板上に、該第1帯状電極層における
取り出し電極上に、粘着性を有する電気絶縁層を介して
転写して多層化させる工程、により製造するのが好まし
い。
【0022】固定子における多層電極配線板について、
図13により説明する。同図(a)は、帯状電極と取り
出し電極との配置関係を示す斜視図、同図(b)はその
断面図であり、図中、20は電気絶縁性基板、21は粘
着層、22は粘着層23を有する電気絶縁層、25は第
1電極群、26は第2電極群、27は第3の電極群、2
5A〜27Aは各電極群の取り出し電極である。
【0023】同図(a)(b)に示すように、多層電極
配線板は、電気絶縁性基板20上に粘着層21を介し
て、第1電極群25、第2電極群26が配置され、次い
で第2電極群26における取り出し電極26A上に粘着
層23を有する絶縁層22が被覆され、更に、第3の電
極群27を電気絶縁性基板20上及び粘着層23を有す
る絶縁層22上に積層される。
【0024】図13に示す多層電極板の製造方法を、図
14〜図17により説明する。図14(a)は転写板の
平面図、同図(b)はその断面図であり、30は転写基
板、31は絶縁層、33電極層であり、次の2工程によ
り製造することができる。
【0025】(1)まず、ステンレス等の金属板からな
る転写基板30上に、第1電極群と第2電極群とからな
る第1帯状電極層が配線される部分以外にセラミックス
或いは樹脂等の絶縁性を有する材料を用い、フォトリソ
等のパターニングにより形成する、簡易的にはフォトレ
ジストを用い、直接パターニングを行なう、或いはスク
リーン印刷によってパターニングを行なって、絶縁層3
1を形成する。絶縁層31の膜厚は、0.5μm〜40
μmの膜厚とするとよい。また、回路となる部分におい
ては、第3電極群における帯状電極の配線箇所を残し
て、第1帯状電極層を形成させる。
【0026】(2)次いで、絶縁層31により被覆され
ていない転写基板30上に電気メッキにより金属電極層
33(第1帯状電極層)を積層する。電極層としては、
銅、はんだ、ニッケル等により形成するか、または順次
相違する金属層を積層して形成するとよく、その膜厚
は、上記絶縁層の膜厚と同程度に形成するとよい。
【0027】このようにして形成された転写板を使用し
て、本発明における多層電極板は、次の(3)〜(6)
で示す工程により製造される。
【0028】(3)図15(a)にその斜視図、同図
(b)にその断面図を示すように、電気絶縁性基板20
上における電極配線部に粘着層21が適宜塗布形成され
る。電気絶縁性基板としてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、エポキシ樹脂等のプラスチック、また
ガラス等からなり、膜厚に特に制限はないが、好ましく
は1μm〜50μmとするとよい。また、粘着剤として
は特に制限はないが、一般にゴム系、アクリル系樹脂等
の粘着剤を使用でき、性状として溶剤系、水系(エマル
ジョン型)ホットメルト系、無溶剤系(液状硬化型)等
の粘着剤を使用することができる。
【0029】(4)このように形成した電気絶縁性基板
に、上記(1)(2)で作製した転写板を重ね合わせ、
転写板における電極配線を電気絶縁性基板上に転写す
る。電極配線が転写された状態を、図16(a)にその
斜視図で、同図(b)にその断面図を示す。図中、20
は電気絶縁性基板であり、25は第1電極群、26は第
2電極群、25Aは第1電極群の取り出し電極、26A
は第1電極群の取り出し電極であり、図15と同一符号
は同一内容を示す。
【0030】なお、粘着層21を介して電極層を転写し
たが、上記(2)で転写基板30上に電極層を形成した
後、電着粘着剤液中で、電着を行ない、電極層上にのみ
電着粘着層を形成(膜厚は0.5μm〜50μm)した
後、電気絶縁性基板20上に電着粘着層を介して電極を
転写してもよい。このような電着粘着剤としては、例え
ばエポキシ樹脂にアミン付加したカチオン系樹脂とエポ
キシ系樹脂と硬化剤とを混合して微粉化した微粉末とを
水媒体中に分散させた分散液を使用するとよく、この電
着粘着剤は電極層上に電着させた後、加熱、加圧条件を
コントロールすることにより、接着性(硬化度)を調整
することが可能なものである。このような電着粘着剤と
しては他にもアニオン系樹脂を使用することができる。
【0031】(5)次に、電気絶縁性基板上の第2電極
群26における取り出し電極部26A部分を被覆するよ
うに粘着層23を有する電気絶縁層22を被覆する。図
17(a)に絶縁層を被覆した状態の斜視図を示し、同
図(b)にその断面図を示す。
【0032】粘着層23を有する電気絶縁層22は、体
積抵抗1014Ω・cm以上を有するポリエチレンテレフ
タレート、ポリイミド等のプラスチックフイルムの両面
に、上述した粘着剤を塗布したもの、或いは粘着性をそ
れ自体有する樹脂フイルムを使用してもよく、膜厚は1
μm〜50μmとするとよく、好ましくは10μm〜2
5μmとするとよい。膜厚が薄いと第2電極群と第3電
極群との印加電圧により絶縁破壊が生じるので好ましく
なく、またこの膜厚が厚すぎると、第3電極群を積層す
るに際して断線等の問題が生じるので好ましくない。
【0033】(6)次に、上記(1)〜(2)で説明し
たと同様に、別の転写基板上に第3電極群(第2帯状電
極層)を形成して、転写板を作製し、図17に示す粘着
層23を有する電気絶縁層22を形成した電気絶縁性基
板と重ね合わせ、第2電極群における取り出し電極上
に、粘着層23を有する電気絶縁層22を介して、第3
電極群を転写し、図13に示される多層電極配線板が作
製される。
【0034】なお、上記では電気絶縁性基板上にまず、
第1帯状電極層を形成し、次いで第2帯状電極層を絶縁
層を一部介して積層したが、これとは逆に、電気絶縁性
基板上にまず、第2帯状電極層を形成し、次いで第1帯
状電極層を絶縁層を介して積層してもよい。
【0035】図13で示される多層電極板上には、オー
バーコート層として、25μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフイルム、ポリイミドフイルム等の電気絶縁性
フイルムを積層するか、またはエポキシ樹脂等を塗布し
た後、25μm厚のポリエチレンテレフタレートフイル
ム、ポリイミドフイルム等の電気絶縁性フイルムを積層
することにより、例えば、図2に示される静電アクチュ
エータにおける固定子が作製される。
【0036】また、本発明の静電アクチュエータは、図
2に示すような、固定子及び移動子が四角形状を有する
場合の他に、図18に示すように、固定子及び移動子が
ドーナツ板状の電気絶縁性基板2上にその円中心から放
射状に延びるように帯状電極層、また、同心円状に取り
出し電極を配置した構造としてもよい。
【0037】
【作用及び発明の効果】本発明の静電アクチュエータに
おいては、固定子及び移動子における取り出し電極で
は、常に、同一波形がかかり、対向する3本の取り出し
電極間で静電気力による反撥が生じ、一方の取り出し電
極が、他方の2本ある取り出し電極の間に位置するよう
になり、移動子が駆動する際に、移動子が駆動方向とは
直角な方向で位置ずれを生じることを防止することが可
能となる。
【0038】また、固定子又は移動子の作製方法におい
て、電気絶縁性基板上に3種類の電極群を積層するにあ
たり、絶縁層を介して各電極を多層化することにより、
電極ピッチを10μm程度まで微細化することが可能で
あり、固定子における帯状電極配置密度を高くでき、静
電アクチュエータの高出力、低電圧駆動化が達成され
る。また、電気絶縁性基板の膜厚を薄くすることがで
き、静電アクチュエータを積層してアクチュエータとす
る場合に全体の容量を小さくすることができる。
【0039】また、転写で電極層を積層することによ
り、絶縁層を介して他の電極層上に積層しても、或いは
絶縁層による段差があっても、電極層の断線等を生じに
くくでき、リソグラフィー等では不可能な電極層の多層
化を行うことができ、また、作業工程も簡素化できる。
【0040】更に、従来のスルーホールを形成する場合
には、電極ピッチが細かくなるにつれて、スルーホール
の径に影響されて電極ピッチの微細化には限界があり、
しかも、スルーホールを近接して穿設する必要があるこ
とから、基材の材質として剛性の高いガラス等は使用で
きないという問題があるが、電極ピッチが細かくなって
も、取り出し電極部の大きさは変わらないので、同一面
積の基板においては、有効な配線部分の面積を広くと
れ、またガラス等の基材を有効に使用できる。
【0041】また、電気絶縁性基板上には全面に粘着層
が形成されているので、オーバーコート層を積層する
際、再度接着剤を塗布する必要がなく、作業工程が簡便
となる。以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0042】
【実施例】
(固定子の作製)ステンレス製の転写基板上に、図14
(a)に示す第1帯状電極層配線部(第1電極群と第2
電極群とからなる)以外を、ポリイミド系樹脂インクを
スクリーン印刷により積層し、1μmの膜厚の絶縁層3
1を形成した。
【0043】次いで、絶縁層が形成されていない転写基
板上に銅電極層33を電気メッキにより1μmの膜厚で
積層し、図14に示す転写板を作製した。
【0044】一方、膜厚25μmのポリイミド基板上
に、アクリル系粘着剤(日本カーバイト(株)製、PE
−118)を塗布し、膜厚2μmの粘着層21を形成し
た後、上記で作製した転写板とを重ね合わせ、圧着する
ことにより、転写板における電極パターン(第1帯状電
極層)をポリイミド基板上に転写した(図16)。
【0045】次いで、図17に示すように、第2電極群
における取り出し電極部上に、膜厚25μmの両面に粘
着剤を塗布したポリイミドフイルムを貼付し、絶縁層2
2を被覆した。
【0046】次に、別のステンレス製の転写基板に、第
3電極群からなる第2帯状電極層配線部以外を、上記同
様にして絶縁層を形成し、更に銅電極層を形成して転写
板を作製した後、上記で作製した第1帯状電極層を有す
るポリイミド基板とを、各電極群を位置合わせして重ね
合わせ、上記同様にローラー圧着し、第2帯状電極層を
転写し、各帯状電極ピッチ320μmで、図13に示さ
れる多層電極配線板を作製できた。更に、この多層電極
配線板上にエポキシ樹脂を2μmの膜厚で塗布した後、
25μmの膜厚のポリイミドフイルムを接着剤を使用し
て積層し、全体の膜厚が55μmの固定子を得た。
【0047】この固定子上に、取り出し電極の配線位置
を図3に示すように調整した以外は上記と同様にして作
製した移動子を図2に示すように配置し、取り出し電極
25Aと25A′を3相電源におけるΦaに、取り出し
電極26Aと26A′を3相電源におけるΦbに、取り
出し電極27Aと27A′を3相電源におけるΦcに接
続し、±500Vの電圧で、Φa(−):Φb(0):
Φc(+)→Φa(0):Φb(+):Φc(−)→Φ
a(+):Φb(−):Φc(0)の順に電圧を印加
し、評価したところ、位置ずれが起こらず、良好な駆動
を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、静電アクチュエータの断面図である。
【図2】図2は、本発明の静電アクチュエータの斜視図
である。
【図3】図3は、図2のA−A面での断面図で、移動子
と固定子の位置関係を説明するための図である。
【図4】図4は、図3における取り出し電極への電圧印
加順序の説明図である。
【図5】図5は、3相電源を使用する場合における移動
子と固定子における取り出し電極の組合せの一例であ
る。
【図6】図6は、3相電源を使用する場合における移動
子と固定子における取り出し電極の組合せのの一例であ
る。
【図7】図7は、3相電源を使用する場合における移動
子と固定子における取り出し電極の組合せの一例であ
る。
【図8】図8は、3相電源を使用する場合における移動
子と固定子における取り出し電極の組合せのの一例であ
る。
【図9】図9は、3相電源を使用する場合における移動
子と固定子における取り出し電極の組合せの一例であ
る。
【図10】図10は、3相電源を使用する場合における
移動子と固定子における取り出し電極の組合せのの一例
である。
【図11】図11は、3相電源を使用する場合における
移動子と固定子における取り出し電極の組合せの一例で
ある。
【図12】図12は、本発明の静電アクチュエータの断
面図で、作製方法を説明するための図である。
【図13】図13は、本発明の静電アクチュエータの移
動子又は固定子における多層電極配線板を示す図で、
(a)はその斜視図、(b)は断面図である。
【図14】図14は、図13の多層電極配線板を作製す
るために使用する転写板を示す図で、(a)は平面図、
(b)は断面図である。
【図15】図15は、図13の多層電極配線板を作製す
るにあたり、電気絶縁性基板上に粘着層を形成した状態
を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図16】図16は、図13の多層電極配線板を作製す
るにあたり、第1帯状電極層を電気絶縁性基板に転写し
た状態を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図で
ある。
【図17】図17は、図13の多層電極配線板を作製す
るにあたり、第1帯状電極層上に絶縁層を積層した状態
を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図18】図18は、本発明における他の静電アクチュ
エータを示す図である。
【符号の説明】
1は固定子、2は電気絶縁性基板、3は電気絶縁性フイ
ルム、10は移動子、25〜27は、固定子における帯
状電極、25′〜27′は移動子における帯状電極、2
5A〜27Aは、固定子における取り出し電極、25
A′〜27A′は、移動子における取り出し電極であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性基板上に駆動部を形成する複
    数の帯状電極が配線された固定子と、該固定子上に搭載
    され、電気絶縁性基板上に駆動部を形成する複数の帯状
    電極が配線される移動子とからなり、固定子と移動子に
    おけるそれぞれの帯状電極への印加電圧の位相の切替え
    により、移動子を浮上させ、駆動させる静電アクチュエ
    ータにおいて、固定子における帯状電極からの取り出し
    電極と移動子における帯状電極からの取り出し電極とが
    それぞれの電気絶縁性基板上において移動子の移動方向
    と同一方向に配線されると共に、固定子における取り出
    し電極の配線位置と移動子における取り出し電極の配線
    位置とが、その少なくとも1組において対向し、かつそ
    の対向する電極には同一極性の電圧が印加されるように
    配線されてなり、更に、対向する固定子及び移動子の取
    り出し電極の組合せにおけるいずれか一方の取り出し電
    極が2分割されると共に他方の帯状取り出し電極と等間
    隔をおいて対向させられるように配線されたことを特徴
    とする静電アクチュエータ。
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