JPH07221018A - 窒化化合物半導体の形成方法 - Google Patents
窒化化合物半導体の形成方法Info
- Publication number
- JPH07221018A JPH07221018A JP969194A JP969194A JPH07221018A JP H07221018 A JPH07221018 A JP H07221018A JP 969194 A JP969194 A JP 969194A JP 969194 A JP969194 A JP 969194A JP H07221018 A JPH07221018 A JP H07221018A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nitrogen
- single crystal
- compound semiconductor
- electronic state
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶
表面に簡単にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半
導体を形成する窒化化合物半導体の形成方法を提供する
ことが目的である。 【構成】 GaAs化合物半導体からなる単結晶基板5
を、該単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱し
た状態で、窒素ガスを用いてプラズマ放電させた後に生
成した単結晶表面に励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンを照射することにより、単結晶表面に
GaNを形成する。
表面に簡単にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半
導体を形成する窒化化合物半導体の形成方法を提供する
ことが目的である。 【構成】 GaAs化合物半導体からなる単結晶基板5
を、該単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱し
た状態で、窒素ガスを用いてプラズマ放電させた後に生
成した単結晶表面に励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンを照射することにより、単結晶表面に
GaNを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IIIb−Vb族化合物
半導体からなる単結晶表面にIIIb族元素と窒素からな
る窒化化合物半導体を形成する窒化化合物半導体の形成
方法に関する。
半導体からなる単結晶表面にIIIb族元素と窒素からな
る窒化化合物半導体を形成する窒化化合物半導体の形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、GaAs(ヒ化ガリウム)を用い
た半導体素子の表面保護膜、絶縁膜又は斯る素子を形成
する際のパターン形成用マスク膜等として、GaAs単
結晶の表面に形成したGaN(窒化ガリウム)膜が利用
されている。
た半導体素子の表面保護膜、絶縁膜又は斯る素子を形成
する際のパターン形成用マスク膜等として、GaAs単
結晶の表面に形成したGaN(窒化ガリウム)膜が利用
されている。
【0003】このGaNを含むIIIb族元素と窒素から
なる窒化化合物半導体は、上述の用途を初め中間層など
種々の利用が考えられている。
なる窒化化合物半導体は、上述の用途を初め中間層など
種々の利用が考えられている。
【0004】例えば、上記GaNの形成方法としては、
分子線エピタキシャル法(MBE法)のようにガリウム
原料と窒素原料の両方を供給して、GaAs単結晶表面
にGaN膜を形成する方法が知られている。
分子線エピタキシャル法(MBE法)のようにガリウム
原料と窒素原料の両方を供給して、GaAs単結晶表面
にGaN膜を形成する方法が知られている。
【0005】また、他の方法として、GaAs単結晶表
面にアンモニアを熱分解したガスを照射して、該GaA
s単結晶表面にGaN膜を形成する試みが成されてい
る。
面にアンモニアを熱分解したガスを照射して、該GaA
s単結晶表面にGaN膜を形成する試みが成されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにM
BE法によりGaNを形成する方法では、ガリウム原料
と窒素原料の両方の供給量を制御する必要があるので、
GaNの形成が困難であった。
BE法によりGaNを形成する方法では、ガリウム原料
と窒素原料の両方の供給量を制御する必要があるので、
GaNの形成が困難であった。
【0007】また、アンモニアを熱分解する方法では、
この熱分解したガスは反応性が低いと考えられ、GaN
が殆ど形成できなかった。
この熱分解したガスは反応性が低いと考えられ、GaN
が殆ど形成できなかった。
【0008】本発明は上述の問題点を鑑み成されたもの
であり、IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶表
面に簡単にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半導
体を形成する窒化化合物半導体の形成方法を提供するこ
とが目的である。
であり、IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶表
面に簡単にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半導
体を形成する窒化化合物半導体の形成方法を提供するこ
とが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化化合物半導
体の形成方法は、Ga、In、Al又はBの中から少な
くとも1つ選択されるIIIb族元素と、As又はPの中
から少なくとも1つ選択されるVb族元素と、からなる
IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶を、該単結
晶表面からVb族元素が蒸発する温度以上に加熱した状
態で、前記単結晶表面に、励起電子状態にある窒素原
子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、
又は窒素を含む分子イオンを照射することにより、前記
単結晶表面にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半
導体を形成することを特徴とする。
体の形成方法は、Ga、In、Al又はBの中から少な
くとも1つ選択されるIIIb族元素と、As又はPの中
から少なくとも1つ選択されるVb族元素と、からなる
IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶を、該単結
晶表面からVb族元素が蒸発する温度以上に加熱した状
態で、前記単結晶表面に、励起電子状態にある窒素原
子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、
又は窒素を含む分子イオンを照射することにより、前記
単結晶表面にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半
導体を形成することを特徴とする。
【0010】特に、GaAs化合物半導体からなる単結
晶を、該単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱
した状態で、前記単結晶表面に励起電子状態にある窒素
原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを照射することにより、
前記単結晶表面にGaNを形成することを特徴とする。
晶を、該単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱
した状態で、前記単結晶表面に励起電子状態にある窒素
原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを照射することにより、
前記単結晶表面にGaNを形成することを特徴とする。
【0011】更に、前記励起電子状態にある窒素原子、
窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は
窒素を含む分子イオンの照射は、窒素ガス又はアンモニ
アガスを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種
の照射により行われることを特徴とする。
窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は
窒素を含む分子イオンの照射は、窒素ガス又はアンモニ
アガスを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種
の照射により行われることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明では、Ga(ガリウム)、In(インジ
ウム)、Al(アルミニウム)又はB(ホウ素)の中か
ら少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と、As(ヒ
素)又はP(リン)の中から少なくとも1つ選択される
Vb族元素と、からなるIIIb−Vb族化合物半導体か
らなる単結晶を、該単結晶表面からVb族元素が蒸発す
る温度以上に加熱した状態とするので、単結晶表面上に
はVb族元素が存在せず、IIIb族元素のみが存在する
ので、このIIIb族元素の反応性が高まる。
ウム)、Al(アルミニウム)又はB(ホウ素)の中か
ら少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と、As(ヒ
素)又はP(リン)の中から少なくとも1つ選択される
Vb族元素と、からなるIIIb−Vb族化合物半導体か
らなる単結晶を、該単結晶表面からVb族元素が蒸発す
る温度以上に加熱した状態とするので、単結晶表面上に
はVb族元素が存在せず、IIIb族元素のみが存在する
ので、このIIIb族元素の反応性が高まる。
【0013】この反応性の高いIIIb族元素が存在する
単結晶表面に、反応性の高い,励起電子状態(励起され
た電子状態)にある窒素原子、窒素イオン、励起電子状
態にある窒素を含む分子、又は窒素を含む分子イオンを
照射するので、この単結晶表面に窒化化合物半導体が良
好に形成される。従って、この方法ではIIIb族元素の
供給は行わなくてもよいので、形成の際の制御が簡単
で、窒化化合物半導体が良好に形成できる。
単結晶表面に、反応性の高い,励起電子状態(励起され
た電子状態)にある窒素原子、窒素イオン、励起電子状
態にある窒素を含む分子、又は窒素を含む分子イオンを
照射するので、この単結晶表面に窒化化合物半導体が良
好に形成される。従って、この方法ではIIIb族元素の
供給は行わなくてもよいので、形成の際の制御が簡単
で、窒化化合物半導体が良好に形成できる。
【0014】特に、励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンの照射を、窒素ガス又はアンモニアガ
スを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種の照
射により行う場合には、加熱によってVb族元素が単結
晶の表面からのみ蒸発するため、表面にのみ窒素と結合
するIIIb族元素が存在することに加え、プラズマ放電
により作成されたプラズマ活性種は、イオンビームのよ
うに加速されていないので、結晶中に打ち込まれない。
従って、単結晶内部の結晶性が劣化する虞れがなく、表
面にのみ窒化化合物半導体が形成できる。
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンの照射を、窒素ガス又はアンモニアガ
スを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種の照
射により行う場合には、加熱によってVb族元素が単結
晶の表面からのみ蒸発するため、表面にのみ窒素と結合
するIIIb族元素が存在することに加え、プラズマ放電
により作成されたプラズマ活性種は、イオンビームのよ
うに加速されていないので、結晶中に打ち込まれない。
従って、単結晶内部の結晶性が劣化する虞れがなく、表
面にのみ窒化化合物半導体が形成できる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例に係るIIIb族元素と窒素
からなる窒化化合物半導体の形成方法を説明する。図1
は本実施例で使用する窒化化合物半導体を形成するため
の装置を示す模式断面図である。
からなる窒化化合物半導体の形成方法を説明する。図1
は本実施例で使用する窒化化合物半導体を形成するため
の装置を示す模式断面図である。
【0016】図中、1は内部が10-3Torr以下、好
ましくは10-9〜10-10Torr台に真空保持される
真空容器(チャンバー)、2は窒素元素を含む原料ガス
を導入する為の導入管、3は導入管2より導入した窒素
元素を含む原料ガスを用いてプラズマ放電を起こすため
の放電管である。本実施例の放電管3では、rf高周波
によりプラズマ放電を起こす。
ましくは10-9〜10-10Torr台に真空保持される
真空容器(チャンバー)、2は窒素元素を含む原料ガス
を導入する為の導入管、3は導入管2より導入した窒素
元素を含む原料ガスを用いてプラズマ放電を起こすため
の放電管である。本実施例の放電管3では、rf高周波
によりプラズマ放電を起こす。
【0017】4は前記原料ガスを用いて放電管3にてプ
ラズマ放電させた後、生成された励起電子状態にある窒
素原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを出射するオリフィス、
5はIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶基板、
6は基板5をその表面(主面)がオリフィス4の出射口
に対向するように設置し、該基板5をその表面からVb
族元素が蒸発する温度以上前記単結晶が融解する温度且
つIIIb族元素が蒸発する温度より低い温度に加熱する
ための加熱部である。
ラズマ放電させた後、生成された励起電子状態にある窒
素原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを出射するオリフィス、
5はIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶基板、
6は基板5をその表面(主面)がオリフィス4の出射口
に対向するように設置し、該基板5をその表面からVb
族元素が蒸発する温度以上前記単結晶が融解する温度且
つIIIb族元素が蒸発する温度より低い温度に加熱する
ための加熱部である。
【0018】まず、この装置を用いて、GaAs化合物
半導体単結晶表面にGaN(窒化ガリウム)を形成する
条件を示す。
半導体単結晶表面にGaN(窒化ガリウム)を形成する
条件を示す。
【0019】最初に、洗浄した(100)面を主面とし
て有するGaAs単結晶基板5を加熱部6に設置した
後、真空容器1内を10-3Torr以下に真空排気す
る。その後、加熱部6を加熱して基板5を630℃以
上、本実施例では650℃で加熱する。尚、10-3To
rr以下の真空中では、630℃以上でGaAs単結晶
の表面からVb族元素であるAsが蒸発するので、表面
上にはGaのみが存在する状態となる。
て有するGaAs単結晶基板5を加熱部6に設置した
後、真空容器1内を10-3Torr以下に真空排気す
る。その後、加熱部6を加熱して基板5を630℃以
上、本実施例では650℃で加熱する。尚、10-3To
rr以下の真空中では、630℃以上でGaAs単結晶
の表面からVb族元素であるAsが蒸発するので、表面
上にはGaのみが存在する状態となる。
【0020】その後、窒素元素を含む原料ガスとしてN
2(窒素分子)ガスを用いて、放電管3にてプラズマ放
電させて、励起電子状態にある窒素原子、窒素イオン、
励起電子状態にある窒素分子、又は窒素分子イオンから
なるガスを生成して、オリフィス4から上述した加熱に
より表面(主面)上にGaのみが存在するGaAs単結
晶基板5の該単結晶表面(主面)に1〜1×10-9To
rr、好ましくは1〜1×10-7Torr、より好まし
くは1×10-3〜1×10-5Torrの圧力(但し、真
空容器1内の真空度より大の圧力)で前記生成ガスを照
射して、単結晶基板5の表面(主面)にGaN膜を形成
する。尚、プラズマ放電条件は、本実施例では周波数が
約14MHz、高周波用投入電力が100Wである。
2(窒素分子)ガスを用いて、放電管3にてプラズマ放
電させて、励起電子状態にある窒素原子、窒素イオン、
励起電子状態にある窒素分子、又は窒素分子イオンから
なるガスを生成して、オリフィス4から上述した加熱に
より表面(主面)上にGaのみが存在するGaAs単結
晶基板5の該単結晶表面(主面)に1〜1×10-9To
rr、好ましくは1〜1×10-7Torr、より好まし
くは1×10-3〜1×10-5Torrの圧力(但し、真
空容器1内の真空度より大の圧力)で前記生成ガスを照
射して、単結晶基板5の表面(主面)にGaN膜を形成
する。尚、プラズマ放電条件は、本実施例では周波数が
約14MHz、高周波用投入電力が100Wである。
【0021】図2は上述の方法を用いてGaAs単結晶
表面(主面)にGaN膜を形成した場合のオージェ法に
より分析したその表面の組成と生成ガスの照射時間の関
係を示す。ここで、縦軸は組成(%)、横軸は生成ガス
の照射時間(分)を示しており、白丸、白四角、白三角
はそれぞれ生成ガスの圧力が3×10-5Torrの場合
の窒素、ガリウム、ヒ素を、黒丸、黒四角、黒三角はそ
れぞれ生成ガスの圧力が1×10-4Torrの場合の窒
素、ガリウム、ヒ素を示している。なお、このオージェ
分析は表面から100Å程度の深さまでの平均値を算出
するので、図2では常に母材であるGaAsを含むため
に、このGaAsのAsが検出される。
表面(主面)にGaN膜を形成した場合のオージェ法に
より分析したその表面の組成と生成ガスの照射時間の関
係を示す。ここで、縦軸は組成(%)、横軸は生成ガス
の照射時間(分)を示しており、白丸、白四角、白三角
はそれぞれ生成ガスの圧力が3×10-5Torrの場合
の窒素、ガリウム、ヒ素を、黒丸、黒四角、黒三角はそ
れぞれ生成ガスの圧力が1×10-4Torrの場合の窒
素、ガリウム、ヒ素を示している。なお、このオージェ
分析は表面から100Å程度の深さまでの平均値を算出
するので、図2では常に母材であるGaAsを含むため
に、このGaAsのAsが検出される。
【0022】この図2から、窒素の割合の増加に対応し
て、ガリウムの割合はほぼ一定であるが、ヒ素の割合が
減少していることが判る。これは、生成ガスの照射によ
りヒ素が窒素と置換してGaNが形成されていることを
示している。
て、ガリウムの割合はほぼ一定であるが、ヒ素の割合が
減少していることが判る。これは、生成ガスの照射によ
りヒ素が窒素と置換してGaNが形成されていることを
示している。
【0023】また、GaNの形成効率は生成ガスの圧力
が大きい程大きいことが判る。更に、照射時間が長い
程、GaNの形成量もある量までは増加するが、窒素の
割合が20%程度以上は増加しないことから、GaAs
単結晶表面全体がある厚み(GaNの厚みが20〜30
Å程度)までGaNで覆われ、それ以上該単結晶内部に
はGaNの形成の進行が起こってないことが判る。な
お、このGaNは他の分析により多結晶であることが判
明している。
が大きい程大きいことが判る。更に、照射時間が長い
程、GaNの形成量もある量までは増加するが、窒素の
割合が20%程度以上は増加しないことから、GaAs
単結晶表面全体がある厚み(GaNの厚みが20〜30
Å程度)までGaNで覆われ、それ以上該単結晶内部に
はGaNの形成の進行が起こってないことが判る。な
お、このGaNは他の分析により多結晶であることが判
明している。
【0024】このようにGaNが内部まで形成されず表
面にのみ形成されるのは、加熱によってVb族元素であ
るAsはGaAs単結晶の表面からのみ蒸発するため、
表面にのみ窒素と結合するガリウムが存在すると考えら
れることに加えて、プラズマ放電により作成された生成
ガスは、イオンビームのように加速されていないので、
結晶中に打ち込まれないためである。従って、単結晶内
部には窒素、GaN等がほとんど存在せず、且つ結晶内
部の結晶性は良好である。
面にのみ形成されるのは、加熱によってVb族元素であ
るAsはGaAs単結晶の表面からのみ蒸発するため、
表面にのみ窒素と結合するガリウムが存在すると考えら
れることに加えて、プラズマ放電により作成された生成
ガスは、イオンビームのように加速されていないので、
結晶中に打ち込まれないためである。従って、単結晶内
部には窒素、GaN等がほとんど存在せず、且つ結晶内
部の結晶性は良好である。
【0025】このように、GaAs化合物半導体からな
る単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱した状
態で、窒素ガスを用いてプラズマ放電させた後の生成ガ
スに含まれる励起電子状態にある窒素原子、窒素イオ
ン、励起電子状態にある窒素を含む分子である窒素分
子、又は窒素を含む分子イオンである窒素分子イオンの
照射では、単結晶内部にまでGaNが形成されず、表面
に制御よくGaNが形成できる。
る単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱した状
態で、窒素ガスを用いてプラズマ放電させた後の生成ガ
スに含まれる励起電子状態にある窒素原子、窒素イオ
ン、励起電子状態にある窒素を含む分子である窒素分
子、又は窒素を含む分子イオンである窒素分子イオンの
照射では、単結晶内部にまでGaNが形成されず、表面
に制御よくGaNが形成できる。
【0026】また、この方法ではGaNを形成するため
に、Gaを供給する必要もないので、制御が簡単であ
る。
に、Gaを供給する必要もないので、制御が簡単であ
る。
【0027】なお、上述ではGaAs単結晶表面に、窒
素ガスを用いてプラズマ放電させた後の生成ガス(プラ
ズマ活性種)に含まれる励起電子状態にある窒素原子、
窒素イオン、励起電子状態にある窒素分子、又は窒素分
子イオンの照射を行うことにより、GaAs単結晶表面
にGaNを形成したが、窒素ガスに代えてアンモニアガ
ス(NH3)を用いてプラズマ放電させた後の生成ガス
に含まれる励起電子状態にある窒素原子、窒素イオン、
励起電子状態ある窒素を含む分子、又は窒素を含む分子
イオンの照射を行ってもGaNを形成できる。但し、ア
ンモニアガスは窒素以外の水素を含み、これが結晶中に
取り込まれる虞れがあるので、窒素ガスの方が好まし
い。
素ガスを用いてプラズマ放電させた後の生成ガス(プラ
ズマ活性種)に含まれる励起電子状態にある窒素原子、
窒素イオン、励起電子状態にある窒素分子、又は窒素分
子イオンの照射を行うことにより、GaAs単結晶表面
にGaNを形成したが、窒素ガスに代えてアンモニアガ
ス(NH3)を用いてプラズマ放電させた後の生成ガス
に含まれる励起電子状態にある窒素原子、窒素イオン、
励起電子状態ある窒素を含む分子、又は窒素を含む分子
イオンの照射を行ってもGaNを形成できる。但し、ア
ンモニアガスは窒素以外の水素を含み、これが結晶中に
取り込まれる虞れがあるので、窒素ガスの方が好まし
い。
【0028】また、GaAs以外のGa、In、Al又
はBの中から少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と
As又はPの中から少なくとも1つ選択されるVb族元
素からなるIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結
晶、即ち[{(InxAl1-x)yB1-y}zGa1-z]As
uP1-u(x=0〜1,y=0〜1,z=0〜0.6,u
=0〜1)単結晶でもよく、好ましくはy=0.9〜
1、より好ましくはz=0〜0.1(即ち、主成分はG
aとAs)、更に好ましいのはGaAsuP1-u単結晶で
ある。この場合もAs又はPのVb族元素はIIIb族元
素より蒸発しやすいので、単結晶表面から該Vb族元素
が蒸発する温度以上該単結晶が溶解する温度且つIIIb
族元素が蒸発する温度より低い温度に単結晶を加熱し
て、前記単結晶表面上に実質的にVb族元素が存在せ
ず、IIIb族元素が存在する状態とし、励起電子状態に
ある窒素原子、窒素イオン、励起電子状態ある窒素を含
む分子、又は窒素を含む分子イオンの照射を行って、前
記単結晶表面にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物
半導体を形成してもよい。
はBの中から少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と
As又はPの中から少なくとも1つ選択されるVb族元
素からなるIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結
晶、即ち[{(InxAl1-x)yB1-y}zGa1-z]As
uP1-u(x=0〜1,y=0〜1,z=0〜0.6,u
=0〜1)単結晶でもよく、好ましくはy=0.9〜
1、より好ましくはz=0〜0.1(即ち、主成分はG
aとAs)、更に好ましいのはGaAsuP1-u単結晶で
ある。この場合もAs又はPのVb族元素はIIIb族元
素より蒸発しやすいので、単結晶表面から該Vb族元素
が蒸発する温度以上該単結晶が溶解する温度且つIIIb
族元素が蒸発する温度より低い温度に単結晶を加熱し
て、前記単結晶表面上に実質的にVb族元素が存在せ
ず、IIIb族元素が存在する状態とし、励起電子状態に
ある窒素原子、窒素イオン、励起電子状態ある窒素を含
む分子、又は窒素を含む分子イオンの照射を行って、前
記単結晶表面にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物
半導体を形成してもよい。
【0029】また、前記単結晶はノーンドープであった
が、n型又はp型の場合であってもよく、また上述では
IIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半導体もノーン
ドープであったが、n型又はp型とすることができる。
例えば、窒化化合物半導体を作製する際に同時にアクセ
プター又はドナーとなる不純物を分子線等により添加す
ればよい。
が、n型又はp型の場合であってもよく、また上述では
IIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半導体もノーン
ドープであったが、n型又はp型とすることができる。
例えば、窒化化合物半導体を作製する際に同時にアクセ
プター又はドナーとなる不純物を分子線等により添加す
ればよい。
【0030】なお、励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態ある窒素を含む分子、又は窒素を
含む分子イオンのエネルギー状態は、プラズマ放電によ
り生成されたものであれば十分である。
イオン、励起電子状態ある窒素を含む分子、又は窒素を
含む分子イオンのエネルギー状態は、プラズマ放電によ
り生成されたものであれば十分である。
【0031】
【発明の効果】本発明では、Ga、In、Al又はBの
中から少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と、As
又はPの中から少なくとも1つ選択されるVb族元素
と、からなるIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結
晶を、該単結晶表面からVb族元素が蒸発する温度以上
に加熱した状態とするので、単結晶表面上にはVb族元
素が存在せず、IIIb族元素のみが存在するので、このI
IIb族元素の反応性が高まる。
中から少なくとも1つ選択されるIIIb族元素と、As
又はPの中から少なくとも1つ選択されるVb族元素
と、からなるIIIb−Vb族化合物半導体からなる単結
晶を、該単結晶表面からVb族元素が蒸発する温度以上
に加熱した状態とするので、単結晶表面上にはVb族元
素が存在せず、IIIb族元素のみが存在するので、このI
IIb族元素の反応性が高まる。
【0032】この反応性の高いIIIb族元素が存在する
単結晶表面に、反応性の高い,励起電子状態にある窒素
原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを照射するので、この単
結晶表面に窒化化合物半導体が良好に形成される。従っ
て、この方法ではIIIb族元素の供給は行わなくてもよ
いので、形成の際の制御が簡単で、窒化化合物半導体が
良好に形成できる。
単結晶表面に、反応性の高い,励起電子状態にある窒素
原子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分
子、又は窒素を含む分子イオンを照射するので、この単
結晶表面に窒化化合物半導体が良好に形成される。従っ
て、この方法ではIIIb族元素の供給は行わなくてもよ
いので、形成の際の制御が簡単で、窒化化合物半導体が
良好に形成できる。
【0033】特に、励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンの照射を、窒素ガス又はアンモニアガ
スを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種の照
射により行う場合には、加熱によってVb族元素が単結
晶の表面からのみ蒸発するため、表面にのみ窒素と結合
するIIIb族元素が存在することに加え、プラズマ放電
により作成されたプラズマ活性種は、イオンビームのよ
うに加速されていないので、結晶中に打ち込まれない。
従って、単結晶内部の結晶性が劣化する虞れがなく、表
面にのみ制御性よく窒化化合物半導体が形成できる。
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンの照射を、窒素ガス又はアンモニアガ
スを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種の照
射により行う場合には、加熱によってVb族元素が単結
晶の表面からのみ蒸発するため、表面にのみ窒素と結合
するIIIb族元素が存在することに加え、プラズマ放電
により作成されたプラズマ活性種は、イオンビームのよ
うに加速されていないので、結晶中に打ち込まれない。
従って、単結晶内部の結晶性が劣化する虞れがなく、表
面にのみ制御性よく窒化化合物半導体が形成できる。
【図1】本発明の実施例で使用する窒化化合物半導体を
形成するための装置を示す模式断面図である。
形成するための装置を示す模式断面図である。
【図2】GaAs単結晶表面にGaN膜を形成した場合
のオージェ法により分析したその表面の組成と生成ガス
の照射時間の関係を示す図である。
のオージェ法により分析したその表面の組成と生成ガス
の照射時間の関係を示す図である。
1 真空容器 5 IIIb−Vb族化合物半導体からなる単結晶基板 6 加熱部
Claims (3)
- 【請求項1】 Ga、In、Al又はBの中から少なく
とも1つ選択されるIIIb族元素と、As又はPの中か
ら少なくとも1つ選択されるVb族元素と、からなるII
Ib−Vb族化合物半導体からなる単結晶を、該単結晶
表面からVb族元素が蒸発する温度以上に加熱した状態
で、前記単結晶表面に、励起電子状態にある窒素原子、
窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は
窒素を含む分子イオンを照射することにより、前記単結
晶表面にIIIb族元素と窒素からなる窒化化合物半導体
を形成することを特徴とする窒化化合物半導体の形成方
法。 - 【請求項2】 GaAs化合物半導体からなる単結晶
を、該単結晶表面からAsが蒸発する温度以上に加熱し
た状態で、前記単結晶表面に励起電子状態にある窒素原
子、窒素イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、
又は窒素を含む分子イオンを照射することにより、前記
単結晶表面にGaNを形成することを特徴とする窒化化
合物半導体の形成方法。 - 【請求項3】 前記励起電子状態にある窒素原子、窒素
イオン、励起電子状態にある窒素を含む分子、又は窒素
を含む分子イオンの照射は、窒素ガス又はアンモニアガ
スを用いてプラズマ放電させてなるプラズマ活性種の照
射により行われることを特徴とする請求項1又は2記載
の窒化化合物半導体の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP969194A JPH07221018A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 窒化化合物半導体の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP969194A JPH07221018A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 窒化化合物半導体の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07221018A true JPH07221018A (ja) | 1995-08-18 |
Family
ID=11727251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP969194A Pending JPH07221018A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 窒化化合物半導体の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07221018A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6475277B1 (en) * | 1999-06-30 | 2002-11-05 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Group III-V nitride semiconductor growth method and vapor phase growth apparatus |
JP2005529484A (ja) * | 2002-05-17 | 2005-09-29 | マッコーリー ユニバーシティ | ガリウムリッチな窒化ガリウム膜の製造プロセス |
JP2020002400A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 住友重機械工業株式会社 | イオン照射装置、イオン照射方法、成膜装置、及び成膜方法 |
-
1994
- 1994-01-31 JP JP969194A patent/JPH07221018A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6475277B1 (en) * | 1999-06-30 | 2002-11-05 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Group III-V nitride semiconductor growth method and vapor phase growth apparatus |
JP2005529484A (ja) * | 2002-05-17 | 2005-09-29 | マッコーリー ユニバーシティ | ガリウムリッチな窒化ガリウム膜の製造プロセス |
JP2020002400A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 住友重機械工業株式会社 | イオン照射装置、イオン照射方法、成膜装置、及び成膜方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9466479B2 (en) | System and process for high-density, low-energy plasma enhanced vapor phase epitaxy | |
Newman | The energetics of the GaN MBE reaction: a case study of meta-stable growth | |
EP0540304B1 (en) | An apparatus for manufacturing a nitrogen-containing compound thin film | |
US5657335A (en) | P-type gallium nitride | |
JP2004523450A (ja) | M’nベース物質の生成装置及び生成方法 | |
JP3223295B2 (ja) | 低抵抗p型GaN結晶の製造方法 | |
JP2008510298A (ja) | 窒化物を用いたレーザーダイオード、並びに該レーザーダイオードの製造方法 | |
JPH07221018A (ja) | 窒化化合物半導体の形成方法 | |
Mamutin et al. | Growth of cubic GaN by molecular-beam epitaxy on porous GaAs substrates | |
JP3075581B2 (ja) | 窒化物系化合物半導体膜の成長装置 | |
JPH0553759B2 (ja) | ||
JP4549573B2 (ja) | Iii族窒化物薄膜の形成方法 | |
US5753039A (en) | Manufacturing method of p-type semiconductor crystal | |
Klein et al. | Superconductivity in high Debye temperature material | |
Sobolev et al. | MBE-grown Si: Er light-emitting structures: Effect of epitaxial growth conditions on impurity concentration and photoluminescence | |
Rajakarunanayake et al. | Epitaxial Growth of ZnTe and ZnSe on GaAs by Pulsed Laser Deposition | |
Sukach et al. | Structure and composition of gallium nitride films produced by processing gallium arsenide single crystals in atomic nitrogen | |
Xu et al. | Optical emission spectroscopy of the nitrogen arc in an arc-heated beam source used for synthesis of carbon nitride films | |
Sherwin et al. | The design of an ECR plasma system and its application to InP grown by CBE | |
JPH07517B2 (ja) | 半導体結晶薄膜製造装置 | |
MacKenzie et al. | Incorporation and Optical Activation of Er in Group III-N Materials Grown by Metalorganic Molecular Beam Epitaxy | |
JP3111233B2 (ja) | 半導体製造用活性種生成装置 | |
JPH05234891A (ja) | 分子線エピタキシー装置 | |
JPH05234910A (ja) | 有機金属化学気相成長装置 | |
JPH05234892A (ja) | 結晶成長方法及び結晶成長用ラジカル発生装置 |