JPH0722095Y2 - ランチジャー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願考案は、ランチジャーに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的なランチジャーにおいて
は、容器本体部分が縦長に形成されていて、該容器本体
内の単一の収納部に、飯容器や菜容器などを上下に積み
重ねて収納させていた。

【０００３】ところで、このように飯容器や菜容器など
を単一の収納部内に上下に積み重ねた状態で収納するよ
うにすると、該収納部内に飯容器や菜容器を収納した
後、下側に収納されている容器（例えば飯容器）だけ取
出せばよい場合でも、まず上側に位置する容器（例えば
菜容器）を先に取出した後でなければ下側の容器を取出
すことができず、内容器の出し入れ作業が面倒となって
いた。

【０００４】又、公知のランチジャーの中には、図３に
示すように、容器本体１０１に、飯容器１０４を収納す
る飯容器収納部１１１と菜容器１０５を収納する菜容器
収納部１２１とを別々に形成し、必要に応じて飯容器１
０４又は菜容器１０５をそれぞれ個別に取出せるように
したものが知られている（特開平２−２２０６０３号公
報）。

【０００５】この図３に示す公知のランチジャーでは、
容器本体１０１には、その下部側に横向きに開口する飯
容器収納部１１１と、その上部側に上向きに開口する菜
容器収納部１２１とが設けられている。飯容器収納部１
１１の出し入れ口１１２には、それ専用の蓋１３５が設
けられ、又菜容器収納部１２１にも、それ専用の蓋１３
１が設けられている。

【０００６】なお、飯容器収納部１１１の出し入れ口１
１２を密閉する蓋１３５にはヒンジ（１３６ａ）で結合
されたレバー状つまみ１３６が取付けられている。そし
て、このつまみ１３６は、両蓋１３１，１３５の施蓋時
には、その先端部１３６ｂが上方の蓋１３１によって押
えられて該つまみ１３６が傾倒不能となるようにされて
おり、それによって飯容器収納部用の蓋１３５が不測に
脱落しないようにしている。

【０００７】そして、図３に示すランチジャーでは、飯
容器１０４と菜容器１０５を出し入れするときには、先
ず菜容器上方の蓋１３１を取外し、続いてつまみ１３６
を仮想線１３６′で示すように傾倒させた後、該つまみ
（１３６′）を引いて下方の蓋１３５を取外し、それに
続いて飯器１０４を容器本体１０１内に出し入れすると
ともに菜容器１０５の脱着を行う。

【０００８】ところで、この公知のランチジャーにおい
ては、菜容器１０５の径が飯容器１０４の径より大きく
なっている。又、飯容器収納部１１１の奥行き深さは、
菜容器１０５の径と同等程度有している。ところが、こ
の公知のランチジャーでは、飯容器収納部１１１内に飯
容器１０４のみを収納するようになっているので、該飯
容器１０４を飯容器収納部１１１内に収納したときに飯
容器収納部１１１内の奥行き方向にかなりのスペースの
余剰空間が生じるようになり、このランチジャーの持ち
運び時に該飯容器１０４が飯容器収納部１１１内でその
奥行き方向に移動し易くなるという問題がある。又、飯
容器１０４内の米飯は、それ自体の分量が多い場合は、
比較的長時間保温されるが、そうかといって米飯ばかり
を分量を多くする訳にもいかず、その分量、換言すれば
飯容器１０４の体積を大きくすることにも自ずと限界が
ある。

【０００９】

【考案の目的】本願考案は、上記した公知のランチジャ
ーの問題点に鑑み、飯容器（及び汁物容器）と菜容器と
を容器本体に形成した飯・汁物容器収納部と菜容器載せ
台からそれぞれ個別に出し入れすることができ、しかも
そのように飯容器（及び汁物容器）と菜容器とを個別に
出し入れし得るようにしたものにおいて、１つの収納部
（飯・汁物容器収納部）内に飯容器と汁物容器とを収納
して該収納部内の空所を有効利用する一方、該飯容器や
汁物容器が飯・汁物容器収納部内で移動しにくくなるよ
うにするとともに、飯・汁物容器収納部内に収納される
汁物容器内の汁物食品の温熱を利用して飯容器内のご飯
を保温し得るようにし、さらにランチジャーの携帯時に
飯容器内のご飯が該飯容器内で片寄らないようにするこ
とを目的としてなされたものである。

【００１０】

【目的を達成するための手段】本願考案は上記の目的を
達成すべくなされたもので、本願請求項１の考案のラン
チジャーは、飯容器と、菜容器と、蓋で密封された汁物
容器と、内部に飯容器及び汁物容器を収納する飯・汁物
容器収納部と上部に菜容器を載せる菜容器載せ台をそれ
ぞれ設けた容器本体と、飯・汁物容器収納部の出し入れ
口を開閉する中蓋と、容器本体の外側を被覆する蓋体と
を備える一方、飯・汁物容器収納部は、該飯・汁物容器
収納部の出し入れ口を容器本体の一側面から開口させた
状態で横向き姿勢となるように設置し、飯・汁物容器収
納部内に、底部側に汁物容器を収納するとともに出し入
れ口側に飯容器を正立状態で収納したことを特徴として
いる。

【００１１】又、本願請求項２の考案は、上記請求項１
の考案のランチジャーにおいて、汁物容器を飯・汁物容
器収納部内に横倒し状態で収納するとともに、飯・汁物
容器収納部内に汁物容器と飯容器とを収納して出し入れ
口を中蓋で蓋した状態においては汁物容器の底面が飯・
汁物容器収納部内の底壁面に当接又は近接する位置まで
押し込まれるようにしたことを特徴としている。

【００１２】

【作用】本願請求項１〜２の考案のランチジャーでは、
容器本体に、飯・汁物容器収納部と菜容器載せ台とを個
別に設けているので、該飯・汁物容器収納部と菜容器載
せ台にそれぞれ飯容器（及び汁物容器）と菜容器を個別
に収納または載置できる。

【００１３】又、本願各請求項の考案のランチジャーで
は、飯・汁物容器収納部は横向きに設置しており、該飯
・汁物容器収納部の底部側に汁物容器を収納し、且つ出
し入れ口側に飯容器を収納する。そして、該飯・汁物容
器収納部内に汁物容器と飯容器とを収納した状態で、飯
・汁物容器収納部の出し入れ口を中蓋によって密閉す
る。このように、汁物容器と飯容器とを飯・汁物容器収
納部内の奥行き方向に並べて収納すると、該飯・汁物容
器収納部内における奥行き方向の余剰空間が小さくな
り、中蓋で飯・汁物容器収納部の出し入れ口を蓋した状
態では、飯容器と汁物容器とが飯・汁物容器収納部内で
移動しなくなるかあるいは移動する範囲が極めて小さく
なる。特に、本願請求項２の考案のように、飯・汁物容
器収納部内に汁物容器と飯容器とを収納して出し入れ口
を中蓋で蓋した状態において、汁物容器の底面が飯・汁
物容器収納部内の底壁面に当接又は近接する位置まで押
し込まれるようにすると、飯・汁物容器収納部内の奥行
き方向の余剰空間がなくなって飯容器及び汁物容器が中
蓋と飯・汁物容器収納部内の底壁面との間においてより
一層安定した状態で保持されるようになる。又、飯・汁
物容器収納部内は、汁物容器内に収容されている汁物食
品の温熱によって比較的高温度に保たれ、その温熱によ
って飯容器内のご飯が保温される。さらに、容器本体は
通常正立状態で携帯されるが、容器本体が正立状態にあ
るときには、飯容器も飯・汁物容器収納部内で正立姿勢
となるので、該飯容器内でご飯が片寄る（移動する）こ
とがない。尚、汁物容器は、蓋で密封されているので、
どのような姿勢で収納しても内容物がこぼれることがな
い。

【００１４】

【考案の効果】本願考案のランチジャーは、次のような
効果がある。 (1) 容器本体に飯・汁物容器収納部と菜容器載せ台とを
個別に設けているので、飯容器と菜容器とを個別に出し
入れできる。 (2) 飯容器と汁物容器とを、横向き姿勢の飯・汁物容器
収納部内の奥行き方向に並べて収納しているので、飯容
器と菜容器とを個別に出し入れできるようにしたものに
おいて、飯・汁物容器収納部を両容器（飯容器と汁物容
器）の収納部として有効利用できる。 (3) 中蓋で飯・汁物容器収納部の出し入れ口を蓋した状
態では、飯容器と汁物容器とが飯・汁物容器収納部内で
その奥行き方向に移動しなくなるかあるいは移動する範
囲が極めて小さくなるので、該飯容器と汁物容器とを安
定した状態で収納できる。 (4) 特に、本願請求項２の考案のように、飯・汁物容器
収納部内に汁物容器と飯容器とを収納して出し入れ口を
中蓋で蓋した状態において、汁物容器の底面が飯・汁物
容器収納部内の底壁面に当接又は近接する位置まで押し
込まれるようにすると、飯・汁物容器収納部内の奥行き
方向の余剰空間がなくなって、飯容器及び汁物容器をよ
り一層安定した状態で保持できる。 (5) 飯・汁物容器収納部の底部側に汁物容器を収容し得
るので、これに味噌汁やスープその他の高温度の汁物食
品を収容すれば、飯・汁物容器収納部内の空気が同汁物
容器によって保温されて、飯・汁物容器収納部内の飯容
器をその全周から保温することができる。 (6) 容器本体を正立状態で携帯すると、飯容器も飯・汁
物容器収納部内で正立姿勢となるので、該飯容器内でご
飯が片寄ることがなく、喫食時に飯容器内のご飯が食べ
にくくならない。

【００１５】

【実施例】図１及び図２には、本願考案の実施例のラン
チジャーが示されている。この実施例のランチジャー
は、外形が四角形箱形で内部に飯・汁物容器収納部１１
と上部に菜容器載せ台２１をそれぞれ設けた容器本体１
と、該容器本体１の飯・汁物容器収納部１１内に収納さ
れる飯容器４及び汁物容器６と、容器本体１の菜容器載
せ台２１上に載置される菜容器５と、飯・汁物容器収納
部１１の出し入れ口１２を閉塞する中蓋７と、菜容器載
せ台２１上に載置される菜容器５の外側及び飯・汁物容
器収納部１１の出し入れ口１２を閉塞する中蓋７の前面
を同時に被覆し得る蓋体３とを備えて構成されている。

【００１６】容器本体１は、断面四角形で横長の外箱１
３と、ステンレス鋼板製で真空二重壁構造をもつ内容器
２０とで構成されている。内容器２０は、飯容器４と汁
物容器６とを収納するための飯・汁物容器収納部１１と
なるものである。

【００１７】外箱１３は、下面側が開放された逆容器形
の外箱本体１４の下面に底板１７を無理バメ嵌合により
一体化させて形成されている。この外箱１３の上面は、
菜容器載せ台２１となる。又、この外箱１３の長手方向
の一側面１５には、飯・汁物容器収納部１１の出し入れ
口１２となる開口が形成されている。

【００１８】内容器２０は、その開口径と胴部内径とが
等しい円筒容器状に形成されている。この内容器２０
は、外箱１３内に横向きで且つ内容器開口と外箱側の出
し入れ口１２とが合致するようにして組付けられてい
る。

【００１９】容器本体１（飯・汁物容器収納部１１）の
出し入れ口１２には、中蓋７が着脱自在に取付けられて
いる。この中蓋７の内部には、断熱材が設けられてい
る。従って、飯・汁物容器収納部１１内は、真空二重壁
構造の内容器２０と断熱中蓋７とにより保温作用が良好
となる。

【００２０】菜容器載せ台２１の外周寄り位置には、上
向きに突出する小凸壁２２が一体形成されている。この
小凸壁２２は、菜容器載せ台２１上に載置される菜容器
５の位置決めをするためのものである。該小凸壁２２
は、外箱上面における反出し入れ口１２側の縁部とそれ
に隣接する両側縁部に跨がって平面視コ字状に形成され
ている。

【００２１】このランチジャーでは、単一の蓋体３で、
菜容器載せ台２１の上部と飯・汁物容器収納部１１の出
し入れ口１２を密閉する中蓋７の前面を同時に被覆でき
る。又、この蓋体３は、容器本体１に対して上方に持ち
上げると取外すことができ、その単一の蓋体取外し操作
で菜容器載せ台２１の上部と飯・汁物容器収納部１１の
出し入れ口１２を密閉する中蓋７の前面を同時に開放す
ることができる。

【００２２】又、このランチジャーは、図１に示すよう
に、容器本体１の飯・汁物容器収納部１１内に飯容器４
と汁物容器６を収容している。

【００２３】飯容器４は、椀状の主体部４１と蓋４２と
で構成されている。又、汁物容器６は、椀状の主体部６
１に対してパッキン６４を介して内蓋６３を載置し、さ
らにその外側から蓋６２を主体部６１に螺合（符号６
５）して密閉状態で構成されている。従って、この汁物
容器６では、横倒しにしても液漏れしないようになって
いる。

【００２４】飯・汁物容器収納部１１（内容器２０の内
部）の底部１９は凹椀状となっている。この飯・汁物容
器収納部１１内には、その底部１９側に汁物容器６が横
倒し状態で且つ底面６１ａが飯・汁物容器収納部底部１
９に対面する状態で収納されるとともに、出し入れ口１
２側に飯容器４が正立状態で収納される。

【００２５】そして、このランチジャーでは、飯・汁物
容器収納部１１内に汁物容器６と飯容器４とを収納した
状態で、出し入れ口１２へ断熱中蓋７を嵌挿すると、該
中蓋７によって飯容器４及び汁物容器６が飯・汁物容器
収納部１１の内方に押し込まれて、汁物容器６の底面６
１ａが飯・汁物容器収納部１１内の底壁面１９ａに当接
又は近接するようになっている。このように、汁物容器
６と飯容器４とを飯・汁物容器収納部１１内の奥行き方
向に並べて収納すると、該飯・汁物容器収納部１１内に
おける奥行き方向の余剰空間が小さくなり、中蓋７で飯
・汁物容器収納部１１の出し入れ口１２を蓋した状態で
は、飯容器４と汁物容器６とが飯・汁物容器収納部１１
内で移動しなくなるかあるいは移動する範囲が極めて小
さくなる。特に、飯・汁物容器収納部１１内に汁物容器
６と飯容器４とを収納して出し入れ口１２を中蓋７で蓋
した状態において、汁物容器６の底面６１ａが飯・汁物
容器収納部１１内の底壁面１９ａに当接又は近接する位
置まで押し込まれるようにすると、飯・汁物容器収納部
１１内の奥行き方向の余剰空間がなくなって飯容器４及
び汁物容器６が中蓋７と飯・汁物容器収納部１１内の底
壁面１９ａとの間においてより一層安定した状態で保持
されるようになる。

【００２６】又、このランチジャーでは、汁物容器６内
にスープ、みそ汁などの温熱食品を収容しておけば、そ
の温熱によって飯・汁物容器収納部１１の空間Ｓ内の空
気が温められ、飯容器４をその全周から保温するように
なっている。

【００２７】さらに、このランチジャーでは、容器本体
１は通常正立状態で携帯されるが、該容器本体１が正立
状態にあるときには、飯容器４も飯・汁物容器収納部１
１内で正立姿勢となるので、該飯容器４内でご飯が片寄
る（移動する）ことがなく、喫食時に飯容器４内のご飯
が食べにくくならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の実施例にかかるランチジャーの縦断
面図である。

【図２】図１のランチジャーにおける開蓋状態の斜視図
である。

【図３】公知のランチジャーの縦断面図である。

【符号の説明】

１は容器本体、３は蓋体、４は飯容器、５は菜容器、６
は汁物容器、７は中蓋１１は飯・汁物容器収納部、１２
は出し入れ口、１９は飯・汁物容器収納部の底部、１９
ａは飯・汁物容器収納部内の底壁面、２０は内容器、２
１は菜容器載せ台、６１ａは汁物容器の底面、６２は汁
物容器の蓋である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飯容器（４）と、菜容器（５）と、蓋
   （６２）で密封された汁物容器（６）と、内部に前記飯
   容器（４）及び前記汁物容器（６）を収納する飯・汁物
   容器収納部（１１）と上部に前記菜容器（５）を載せる
   菜容器載せ台（２１）をそれぞれ設けた容器本体（１）
   と、前記飯・汁物容器収納部（１１）の出し入れ口（１
   ２）を開閉する中蓋（７）と、前記容器本体（１）の外
   側を被覆する蓋体（３）とを備える一方、 前記飯・汁物
   容器収納部（１１）は、該飯・汁物容器収納部（１１）
   の出し入れ口（１２）を正立状態における前記容器本体
   （１）の一側面から開口させた状態で横向き姿勢となる
   ように設置し、 前記飯・汁物容器収納部（１１）内に、
   底部（１９）側に汁物容器（６）を収納するとともに出
   し入れ口（１２）側に飯容器（４）を正立状態で収納し
   た、ことを特徴とするランチジャー。
2. 【請求項２】 請求項１において、汁物容器（６）を飯
   ・汁物容器収納部（１１）内に横倒し状態で収納すると
   ともに、該飯・汁物容器収納部（１１）内に前記汁物容
   器（６）と飯容器（４）とを収納して出し入れ口（１
   ２）を中蓋（７）で蓋した状態においては前記汁物容器
   （６）の底面（６１ａ）が前記飯・汁物容器収納部（１
   １）内の底壁面（１９ａ）に当接又は近接する位置まで
   押し込まれるようにした、ことを特徴とするランチジャ
   ー。