JPH07218610A - モータコアの回転磁界内鉄損測定装置 - Google Patents

モータコアの回転磁界内鉄損測定装置

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JPH07218610A
JPH07218610A JP1294094A JP1294094A JPH07218610A JP H07218610 A JPH07218610 A JP H07218610A JP 1294094 A JP1294094 A JP 1294094A JP 1294094 A JP1294094 A JP 1294094A JP H07218610 A JPH07218610 A JP H07218610A
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core
iron loss
magnetic field
motor
motor core
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JP1294094A
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Tomoyuki Abe
智之 阿部
Tsutomu Kaido
力 開道
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、重量物を扱えるように縦型に
(モータの回転軸を鉛直に)工夫することにより、実際
にモータで使われているモータコアの鉄損を測定する装
置を提供することを目的とする。 【構成】 モータコアを、試料ホルダーを介して、ベア
リングで支持するにあたり、モータコアと、ベアリング
の位置関係が縦にならんでいることを特徴とし、励磁部
とモータコア支持部の両者の位置を微調整する微調整台
を有し、ベアリングにエアーベアリングを用いて、モー
タとブレーキとを有し、励磁されたモータコア内の磁束
密度を測定するためのサーチコイルに誘起される電圧を
測定する装置を有し、2相以上の励磁電源を持つ電磁石
の電源のそれぞれの相の電源電圧を調整することによっ
て磁束の偏りを補正する装置を有し、永久磁石もしくは
励磁用コアが発熱する場合に、気体もしくは液体を冷媒
として用いて、励磁コアを冷却する装置を有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータコアのエネルギ
ー損失に影響するあらゆる要因を含む状態で、モータコ
アの回転磁界内での鉄損を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、モータコアを横から支持
する(モータの回転軸を水平としている)方法を採用し
ている。しかしながら、従来の装置では、横から支持す
るという性格上、地球の引力が軸に対して一方向にかか
るために、モータコアのうち、積層枚数の内の数枚、も
しくは軽いもの(200g以下)の測定が可能である。
ところが、実際にモータで使われている大部分のモータ
コアは従来の測定方法では測定できない程度の重量で、
例えば10〜20Kg程度のものが多い。その結果、実際
のモータコアの状態の重量で、鉄損をシミュレートした
測定はできない。実際のモータコアの状態で鉄損をシミ
ュレートするためには重量対策を取る必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
を解決するもので、重量物を扱えるように縦型に(モー
タの回転軸を鉛直に)工夫することにより、実際にモー
タで使われているモータコアの鉄損を測定する装置を提
案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、実際にモータ
内で使われているモータコアの重量(200g以上)
で、かつ回転磁界中で使用されるモータコアの、前記回
転磁界中で消費される鉄損を測定するにあたり、前記モ
ータコアに誘起される回転力、もしくは、励磁コアもし
くは永久磁石に誘起される回転力を測定することにより
鉄損を容易に求めることを特徴とするモータコアの回転
磁界内鉄損測定装置である。測定系の設置方法が縦置き
で、測定系は個別でも良く、一体物でも良い。ここで測
定系とは、励磁装置、回転力計、ベアリングのようなモ
ータコアの回転磁界内鉄損測定装置を構成する機器のこ
とをいう。重量200g以上のモータコアをベアリング
のような重量物を支える装置の上に乗せて、モータコア
と、ベアリングのような重量物を支える装置が縦になら
んで支えて、測定系を縦置きにすると、地球の引力によ
るモータコアの重量が、回転軸に一方向に作用する負荷
を軽減することができる。回転軸を支える場合におい
て、回転力の誤差を最小限にとどめる様なエアーベアリ
ングもしくはボールベアリングのようなベアリングを用
いることを特徴とする。
【0005】回転磁界中で使用されているモータコアに
鉄損があると、そのモータコアに回転力が誘起される。
このとき鉄損W(W)は、誘起される回転力T(Nm)、
鉄損を起こすモータコアに対する回転磁界の回転数をn
(rpm )、円周率をπとすると、W=2πnT/60で
表され、回転磁界中での磁性材料の鉄損は誘起される回
転力だけで測定することができる。回転力は、形状、歪
み、磁束分布、遠心力、板状の場合は枚数、積層方法、
接着方法、固定方法などの影響を全て含む、実際にモー
タコアが応用製品に使用される状態で、かつ実際にモー
タ内で使われているモータコアの重量(200g以上)
で評価することができる。回転力の測定は、モータコア
に誘起される回転力を測定してもよく、また、励磁コア
もしくは永久磁石に誘起される回転力を測定してもよ
い。
【0006】板状のモータコアを使用する場合に、積層
枚数が1枚、モータコアの応用製品に使用される状態の
枚数未満、もしくはモータコアの応用製品に使用される
枚数で測定することができる。
【0007】本発明のモータコアの回転磁界内鉄損測定
装置でのモータコアとは、インナーコアでもアウターコ
アでもどちらでも良く、また、電機子コアでも、磁界コ
アのどちらでも良い。モータコアを励磁するときの磁束
分布が一定の大きさである必要はなく、モータコアに回
転磁界がかかればよい。
【0008】本発明の回転磁界とは、鉄損の測定を行う
モータコアに対する磁界の動きを示すものであり、モー
タコアと外部磁場のどちらか一方、あるいは双方が回転
し、モータコアに対して相対的に磁界が回転する場合を
いう。
【0009】外部磁場は電磁石、もしくは永久磁石でも
よい。外部磁場は一定の大きさと方向をもつ必要はな
く、場所によって変化してもよく、磁束分布をもっても
よい。更に、外部磁場とモータコアの位置関係により磁
束分布が変化しても、モータコアと外部磁場のどちらか
一方あるいは双方が一回転して同じ角度で同じ磁束分布
になれば良い。電磁石は、コアに巻線して、モータコア
に磁界を与えるものであるが、その巻線方法は、従来の
モータで使用されている巻線方法である分布巻きでも集
中巻でもよく、またその他の可能な巻線方法でもよい。
モータコアに誘起されるべき所定の磁束分布ならしめる
ために、ティース又はスロットの導線数の分布を調整す
れば良い。電磁石になるコアは、ティースのついたもの
や、必要無ければティースの無いものでも良い。
【0010】モータコアを支える試料ホルダーは、回転
力の変化に影響を及ぼさない程度に軽量で、モータコア
を支えるのに十分な強度を有し、モータコアと、励磁コ
アもしくは永久磁石が接触せず、モータコアがアウター
コアである場合の鉄損を測定する場合には励磁コアもし
くは永久磁石のまわりの適当な場所にモータコアが位置
させるような形状を有し、モータコアがインナーコアで
ある場合の鉄損を測定する場合には励磁コアもしくは永
久磁石の内側の適当な場所にモータコアが位置させるよ
うな形状を有するどの様なホルダーでもよい。尚、当然
ながら、試料ホルダーの素材は非磁性でなければなら
ず、例えばポリプロピレンがよい。
【0011】モータコアと試料ホルダーの間の把持は、
押さえ込んだり、はめ込んだり、両面もしくは片面テー
プを用いたり、接着剤でとめたり、実機の固定法または
これに準ずる方法で、モータコアに歪みが入らないよう
に行っても良い。
【0012】測定系が個別である場合、回転力の伝達の
精度を向上するために、回転力計、励磁コアもしくは永
久磁石、ベアリングのそれぞれ下に、それぞれの間の位
置を調整する微調整台を設けたり、それぞれの間に回転
力の誤差を最小限にとどめる様な継手を用いてもよい。
【0013】モータコアに対する相対的な回転数n(rp
m )の回転磁界中でモータコアの回転磁界による鉄損
を、モータコアに誘起する回転力を測定することにより
測定する場合に、モータコアを磁気特性にあまり影響し
ない程度の低い回転数n0 で回転させ、外部回転磁界の
回転数をn+n0 (rpm) で回転させることにより、回転
力の伝達系での摩擦力による測定誤差を低減してもよ
い。当然回転数は、外部回転磁界の回転方向を考慮する
必要がある。
【0014】モータコアがn0 で回転する場合、モータ
コアに流れ込む磁束密度を測定するために、モータコア
に施したサーチコイルに誘起される電圧を、スリップリ
ングのような回転数に差があるもの同士で電圧を伝える
機構を兼ね備えたベアリングを用いたり、電磁波の様な
遠隔的に情報を送る機構を用いたりして、回転系の外に
置かれた電圧計に接続して直接的に誘起電圧を測定して
もよい。
【0015】励磁磁石が電磁石の場合、モータコアに流
れ込む磁束密度を間接的に測定するために、電磁石に巻
線を施して巻線の電圧を測定し、同時にモータコアの磁
束密度を測定することによって、電磁石に巻いた巻線か
らの電圧とモータコアの磁束密度との間の対応をとって
モータコアの磁束密度を評価してもよい。
【0016】モータコアに流れ込む磁束密度の測定を行
う場合において、空隙補償コイルを用いて空隙を補償し
てやり、磁束密度の測定を行ってもよい。
【0017】モータコアに対する相対的な回転数n(rp
m) で回転磁界中においてモータコアの回転磁界による
鉄損を励磁磁石に電磁石を用い、電磁石に誘起する回転
力を測定することにより測定する場合に、電磁石を磁気
特性にあまり影響しない程度の低い回転数n0 だけ余分
に回転させ、外部回転磁界の回転数をn+n0 (rpm) で
回転させることにより、摩擦力による測定誤差を低減し
てもよい。当然回転数は、外部回転磁界の回転方向を考
慮する必要がある。この時スリップリングのような回転
数に差があるもの同士で電圧を伝える機構を使って電源
電圧のような電圧を電磁石に伝えれば良い。
【0018】励磁磁石として電磁石を用いて2相以上の
電源で電磁石を励磁して、電磁石とモータコアの間の空
隙がもたらすモータコア内の磁束分布の偏りを補正する
場合、電磁石の電源のそれぞれの相の電源電圧をそれぞ
れ調整することによって磁束の偏りを補正すればよい。
【0019】磁束の偏りを補正するには、モータコア
と、励磁コアもしくは永久磁石の間の空隙を、隙間ゲー
ジのような隙間を測定するゲージを用いて調整したり、
また、回転力計、励磁コアもしくは永久磁石、ベアリン
グのそれぞれ下に設けられたそれぞれの間の位置を調整
する微調整台で調整して、空隙を一定にするのがよい。
【0020】励磁コアもしくは永久磁石が発熱する場合
に、空気や窒素のような気体を、励磁コアもしくは永久
磁石に吹きかけるか、もしくは水などの液体を流し込む
などをして冷却してもよい。
【0021】励磁磁石とは、電磁石でも永久磁石でもよ
く、モータコアを励磁するための磁石のことをいう。励
磁磁石が電磁石の場合、前記電磁石の電源相数が2相、
もしくはそれ以上でもよく、ティース数が2つ、もしく
はそれ以上でもよい。励磁磁石である永久磁石や電磁石
の極数は、二極だけでなく、四極以上でも良い。モータ
コアとは、いかなる種類の磁性材料、形状、使用法でも
良く、けい素鋼板などのような、板状のものを1枚もし
くは2枚以上積層したものから、磁性材料との複合材料
の成形品や、フェライト、アルミダイキャスト製品、付
属品が付いている場合のような1体または数個のものよ
りなるものでも良い。
【0022】モータコアの応用製品とは、モータのよう
なアクチュエータや、発電機など、モータコアが回転磁
界の生じている場所で用いられている場合のことをい
う。
【0023】積層法とは、モータコアが板状の場合、2
枚以上のモータコアを角度を変えて積む、つまりまわし
積みを行うことがあるが、このようなモータコアの積み
方のことをいう。
【0024】
【実施例】本発明を実施例の図を参照しながら説明す
る。 実施例1 図1および図2は三相電源1、磁界発生コイル2と鉄心
3によりえられる回転数n+n0 の回転磁界中で、単純
化した形状であるティースなしのアウターコア4を2枚
積層して回転数n0 で回転させ、回転数nの回転磁界に
よる鉄損を測定する装置であり、5は測定試料であるア
ウターコア4に誘起する回転力と回転数を検出する検出
器、6は試料であるアウターコア4を一定回転、もしく
は静止させるモータとブレーキであり、7はアウターコ
アに巻いた磁束密度測定用のコイルであり、7−1はス
リップリングであり、7−2は磁束密度測定用の電圧計
であり、7−3はベアリングであり、8はアウターコア
を把持する試料ホルダーである。図2は図1のA方向か
ら見た矢視図である。この場合も回転数n+n0 で回転
する座標軸で考えると、アウターコア4には回転数nの
回転磁界がかかるので、W=2πnT/60の関係式に
より、アウターコア4に誘起する回転力Tを測定するこ
とで回転磁界による鉄損Wを求めることができる。
【0025】アウターコア4が停止状態である場合に
は、摩擦力による回転力の不安定が生じるので、この実
施例では、アウターコア4をその影響が無くなるできる
だけ低い回転数で回転させ、測定精度を高めている。試
料ホルダー8とアウターコア4の把持は、試料ホルダー
8にはアウターコア4に合う適当な形状のものを使用し
てアウターコア4をはめ込んでも良いし、接着剤でアウ
ターコア4に歪みが入らないようにアウターコア4を試
料ホルダー8に把持してもよいし、鉄損に影響を及ぼさ
ない押え板でアウターコア4を把持してもよい。アウタ
ーコアに誘起される磁束密度の測定は、コイル7に誘起
される電圧を、スリップリングを使って誘起電圧測定系
外に伝えて測定している。
【0026】実施例2 図3および図4は直流電流により発生する磁界中で、実
際の形状であるティースつきのアウターコア12一枚を
回転させることによりアウターコア12に回転磁界をか
け、回転磁界による鉄損を回転力によって測定する装置
である。図4は図3のB方向から見た矢視図である。9
は直流電源、10は直流磁界を発生させるためのコイ
ル、11は直流磁界を発生させるための鉄心、12は回
転磁界による鉄損を測定する試料であるアウターコア、
13は測定試料であるアウターコア12に誘起する回転
力と回転数を検出する検出器で、14は試料であるアウ
ターコア12を一定回転もしくは静止させるモータとブ
レーキ、16はアウターコアを把持する試料ホルダーで
ある。前記実施例1と同じように、試料であるアウター
コア12には、アウターコア12が回転することで相対
的に回転磁界がかかっているので、アウターコア12の
回転磁界による鉄損が求められる。
【0027】実施例3 図5および図6は永久磁石18により発生する磁界中
で、ティースつきかつ巻線が施された実際の形状である
状態のアウターコア19一枚を、永久磁石18を回転さ
せることによりアウターコア19に回転磁界をかけ、回
転磁界による鉄損を回転力によって測定する装置であ
る。図6は図5のC方向から見た矢視図である。17は
永久磁石を回転させるモータ、18は磁界を発生させる
ための永久磁石、19は回転磁界による鉄損を測定する
試料であるアウターコア、20は測定試料であるアウタ
ーコア19に誘起する回転力と回転数を検出する検出器
で、21は試料であるアウターコア19を一定回転もし
くは静止させるモータとブレーキ、23はアウターコア
を把持する試料ホルダー、24は誘導電流が流れないよ
うに短絡していない巻線である。前記実施例1と同じよ
うに、試料であるアウターコア19には永久磁石18が
回転することで、相対的に回転磁界がかかっているの
で、アウターコア19の回転磁界による鉄損が求められ
る。アウターコア19が停止状態である場合には、摩擦
力による回転力の不安定が生じるので、この実施例3で
は実施例1と同様に、アウターコア19を摩擦力の影響
が無くなるできるだけ低い回転数で回転させ、測定精度
を高めている。
【0028】実施例4 本発明の装置は層間絶縁の破れを測定することを目的と
しても活用できる。アウターコアが板状で2枚以上積層
し、前記図1、または図2で測定した場合、層間の絶縁
が破れると、測定試料の渦電流損の増加分ΔWにともな
い、ΔW=2πnΔT/60で表される分だけ回転力が
ΔTだけ増える。これを応用して、層間の絶縁が破れて
いない測定試料Aと、層間の絶縁が破れた測定試料Bの
回転力を測定する。ただし、AとBは、測定試料は2枚
以上積層したもので、単位体積当たりの鉄損に影響を及
ぼす要因が、前記層間抵抗以外全く同じ条件である。測
定試料A、Bの単位体積当たりの鉄損に差が現れたと
き、層間の絶縁が破れていることになるので、このこと
を用いて層間の絶縁破壊の検出が可能である。表1は周
波数50Hz、磁束密度1.0Tで、外径17Cm程度、内
径6Cm程度、板厚0.5mm程度のアウターコアの絶縁が
破れた場合の前記図1の測定装置で測定した鉄損を示し
ている。
【0029】
【表1】
【0030】実施例5 図7、図8は、PWM制御した励磁電源25を用いて回
転磁界を励磁コイルで発生することにより、アウターコ
ア28の厚みが励磁磁石の厚みよりも小さい程度のアウ
ターコアについて、回転磁界中で回転力の測定を実施
し、鉄損を測定している例である。図8は図7の矢視図
である。
【0031】実施例6 図9、図10は、試料ホルダー40を止め具41によっ
て固定することでアウターコア36を固定し、励磁磁石
である電磁石に誘起される回転力を検出器38で測定
し、鉄損を測定する装置である。電磁石の電源33から
得られる電圧を、スリップリング39を介して実施例1
のごとく回転数n0 ほど回転させた電磁石に伝えてい
る。アウターコアに誘起される磁束密度測定用の巻線4
2をアウターコアの一周に渡って巻線を施し、アウター
コアに誘起される全体の磁束密度を測定している。
【0032】実施例7 図11および図12は電磁石11−1により発生する磁
界中で、ティースつきかつ巻線が施された実際の形状で
ある状態のインナーコア11−2一枚を、電磁石11−
1を励磁することによりインナーコア11−2に回転磁
界をかけ、回転磁界による鉄損を回転力によって測定す
る装置である。図12は図11のE方向から見た矢視図
である。11−3は電磁石を励磁する電源、11−2は
回転磁界による鉄損を測定する試料であるインナーコア
11−2、11−4は測定試料であるインナーコア11
−2に誘起する回転力と回転数を検出する検出器で、1
1−5は試料であるインナーコア11−2を一定回転も
しくは静止させるモータとブレーキ、11−6はインナ
ーコア11−2を把持する試料ホルダー、11−7は短
絡していないつまり誘導電流が流れないような巻線であ
る。前記実施例1と同じように、電磁石11−1が回転
磁界を発生することで、試料であるインナーコア11−
2には相対的に回転磁界がかかっているので、インナー
コア11−2の回転磁界による鉄損が求められる。イン
ナーコア11−2が停止状態である場合には、摩擦力に
よる回転力の不安定が生じるので、この実施例7では実
施例1と同様に、インナーコア11−2を摩擦力の影響
が無くなるできるだけ低い回転数で回転させ、測定精度
を高めている。
【0033】実施例8 図13および図14に示すように、電磁石から流れ出る
磁束がコアの外周(例えば図1)ではなく、片面でも良
い。その場合、当然モータコアは磁束の流れ出す方向に
なくてはならない。図13および図14は、本発明中の
電磁石とモータコアの部分のみを図示している。13−
1はモータコアを励磁するための電磁石、13−2は電
磁石の励磁捲き線、13−3はモータコアを示す。図1
4は図13のF方向から見た矢視図である。
【0034】実施例9 図15に示すように、試料ホルダー15−1とエアーベ
アリング15−4が一体になっていてもよい。試料ホル
ダー15−1の上にモータコア15−2が乗り、エアー
ベアリングの本体が試料ホルダーをエアーを介して支持
している。電磁石15−3でモータコアを励磁してい
る。
【0035】実施例10 図16に示すように、電磁石の内径もしくは外径が可変
のものを用いてもよい。この電磁石は、可動部16−2
を動かすことにより、可動部の外側もしくは内側に位置
するモータコアを励磁する。励磁は捲き線16−1に電
流を流すことにより行う。
【0036】
【発明の効果】回転磁界中でのエネルギー損失を測定す
るモータコアが、形状、歪み、磁束分布、遠心力のよう
な、エネルギー損失に影響するあらゆる要因を含んだ状
態で、重量が200g以上のモータコアの鉄損を測定す
ることができる。
【0037】本発明の測定装置によると、従来法ではで
きなかった実機状態での鉄損の測定、つまり、いかなる
複雑な形状やあらゆる使用状況でも回転磁界でのモータ
コアの鉄損を測定することが容易に可能になり、しか
も、被測定モータコア全体の鉄損を容易に測定すること
ができる。これはモータコアが用いられている製品内で
生じる回転磁界でも良く、モータコアの応用される状態
での全鉄損を直接測定できる。従って、モータのような
アクチュエータや、発電機の設計を行う上で必要な鉄損
に関する情報を直接得ることができる。
【0038】この発明は、アクチュエータや発電機だけ
でなく、回転磁界の生じている所で使用される装置のモ
ータコアに適用できる。また、逆に、実機のモータコア
の状態だけでなく、実機枚数以下の一枚などで測定可能
であり、設計のための簡易試験、コア形状決定に役立て
ることができる。実機状態で鉄損の測定ができるため、
コア加工時の歪みの影響や、歪み取り焼鈍後のコアの鉄
損を測定でき、アクチュエータや発電機のようにモータ
コアに回転磁界が生じている装置の組立以前に、より実
際的な評価が可能で非常に便利である。
【0039】このモータコアの回転磁界内鉄損測定装置
は、アクチュエータや発電機のようにモータコアに回転
磁界が生じている装置で、機械損失などの影響をきわめ
て小さくして鉄損が測定できるので、従来のアクチュエ
ータや発電機のようにモータコアに回転磁界が生じてい
る装置での、全エネルギー損失から機械損や銅損のよう
な鉄損以外の損失を除して求める鉄損評価装置より精度
が高い。特にエアーベアリングのようなベアリングを用
いることによって大きく精度を向上できる。アクチュエ
ータや発電機のようにモータコアに回転磁界が生じる装
置を完全に組み立てる以前に、モータコアに巻線を施し
た状態や、モータコアをケースに固定した状態で、モー
タコア鉄損の評価ができる。
【0040】層間の絶縁が破れていない試料と、層間の
絶縁が破れた試料において、それぞれが2枚以上のコア
を積層しかつ単位体積当たりの鉄損に影響を及ぼす要因
が層間抵抗以外全く同じ条件の場合にこの装置を用いて
鉄損を測定したときを比較すると、試料の層間の絶縁が
破れた試料では渦電流損が増加するので、層間の絶縁破
壊の検出に利用することもできる。
【0041】以上のように、アクチュエータや発電機の
ようにモータコアに回転磁界が生じている装置の鉄損低
減および設計、鉄損低減方策探索には非常に有効な手段
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転数n+n0 の回転磁界中で、アウターコア
を積層して回転数n0 で回転させ、回転数nの回転磁界
による鉄損の測定を、回転力を測定することにより行う
装置である。アウターコアに誘起される磁束密度の測定
は、コイル7に誘起される電圧を、スリップリングを使
って誘起電圧測定系外に伝えて測定している。
【図2】図1のA方向から見た矢視図である。
【図3】モータコアの励磁磁石に直流の電磁石を用いた
モータコアの回転磁界内鉄損測定装置である。
【図4】図3のB方向から見た矢視図である。
【図5】モータコアの励磁磁石に永久磁石を用いたモー
タコアの回転磁界内鉄損測定装置である。
【図6】図5のC方向から見た矢視図である。
【図7】電磁石の励磁用電源にPWM制御した励磁電源
を用いた装置である。
【図8】図6のD方向から見た矢視図である。
【図9】積層したアウターコアの鉄損を測る場合、電磁
石の励磁周波数をn、電磁石をn0 でスリップリングを
使って回転させ、n+n0 の回転磁界中で、鉄損の測定
を、回転力を測定することにより行う装置である。
【図10】図9のE方向から見た矢視図である。
【図11】インナーコアであるモータコアの鉄損を測定
する装置である。
【図12】図11のE方向から見た矢視図である。
【図13】モータコアが電磁石からの磁束が流れ出る方
向に位置している場合の例を示す装置である。
【図14】図13のF方向から見た矢視図である。
【図15】試料ホルダーとエアーベアリングが一体にな
っている装置例である。
【図16】電磁石の内径もしくは外径が可変の場合を示
す装置である。
【符号の説明】
1,33 三相電源 1−1 各相の電源電圧をそれぞれ調整する装置 2,26 磁界発生コイル 3,27 鉄心 4,28 ティースなしのアウターコア 5 測定試料であるアウターコア4に誘起する回転力
と回転数を検出する検出器 6,30 試料であるアウターコア4(28)を一定
回転もしくは静止させるモータとブレーキ 7 アウターコアに巻いた磁束密度測定用のコイル 7−1 スリップリング 7−2 磁束密度測定用の電圧計 7−3,29 ベアリング 8,32,40 アウターコアを固定する試料ホルダ
ー 9 直流電源 10 直流磁界を発生させるためのコイル 11 直流磁界を発生させるための鉄心 11−1 電磁石 11−2 ティースつきかつ巻線が施された実際の形
状である状態のインナーコア 11−3 電磁石を励磁する電源 11−4 測定試料であるインナーコア11−2に誘
起する回転力と回転数を検出する検出器 11−5 試料であるインナーコア11−2を一定回
転もしくは静止させるモータとブレーキ 11−6 インナーコア11−2を固定する試料ホル
ダー 11−7 短絡していないつまり誘導電流が流れない
ような巻線 12 回転磁界による鉄損を測定する試料であるアウ
ターコア 13 測定試料であるアウターコア12に誘起する回
転力と回転数を検出する検出器 13−1 モータコアを励磁するための電磁石 13−2 電磁石の励磁捲き線 13−3 モータコア 14 試料であるアウターコア12を一定回転もしく
は静止させるモータとブレーキ 15−1 試料ホルダー 15−2 モータコア 15−3 電磁石 15−4 止め具 16 アウターコアを固定する試料ホルダー 16−1 捲き線 16−2 可動部 17 永久磁石を回転させるモータ 18 磁界を発生させるための永久磁石 19 回転磁界による鉄損を測定する試料であるアウ
ターコア 20 測定試料であるアウターコア19に誘起する回
転力と回転数を検出する検出器 21 試料であるアウターコア19を一定回転もしく
は静止させるモータとブレーキ 23 アウターコアを固定する試料ホルダー 24 誘導電流が流れないように短絡していない巻線 25 励磁電源 28 アウターコア 33 電磁石の電源 34 励磁用捲き線 35 励磁コア 36 アウターコア 37 ベアリング 38 励磁磁石である電磁石に誘起される回転力を検
出する検出器 39 スリップリング 40 試料ホルダー 41 止め具 42 アウターコアに誘起される磁束密度測定用の巻

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータコアを、試料ホルダーを介して、
    ベアリングで支持するにあたり、モータコアと、ベアリ
    ングの位置関係が縦にならんでいることを特徴とするモ
    ータコアの回転磁界内鉄損測定装置。
  2. 【請求項2】 励磁部とモータコア支持部の両者の位置
    を微調整する微調整台を有することを特徴とする請求項
    1記載のモータコアの回転磁界内鉄損測定装置。
  3. 【請求項3】 ベアリングにエアーベアリングを用いる
    ことを特徴とする請求項1または2記載のモータコアの
    回転磁界内鉄損測定装置。
  4. 【請求項4】 モータとブレーキとを有することを特徴
    とする請求項1、2または3記載のモータコアの回転磁
    界内鉄損測定装置。
  5. 【請求項5】 励磁されたモータコア内の磁束密度を測
    定するためのサーチコイルに誘起される電圧を測定する
    装置を有する事を特徴とする請求項1、2、3または4
    記載のモータコアの回転磁界内鉄損測定装置。
  6. 【請求項6】 2相以上の励磁電源を持つ電磁石の電源
    のそれぞれの相の電源電圧を調整することによって磁束
    の偏りを補正する装置を有することを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5記載のモータコアの回転磁界内
    鉄損測定装置。
  7. 【請求項7】 永久磁石もしくは励磁用コアが発熱する
    場合に、気体もしくは液体を冷媒として用いて、励磁コ
    アを冷却する装置を有することを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6記載のモータコアの回転磁界内
    鉄損測定装置。
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