JP2003234225A - 渦電流損の評価方法およびその装置 - Google Patents

渦電流損の評価方法およびその装置

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JP2003234225A
JP2003234225A JP2002032340A JP2002032340A JP2003234225A JP 2003234225 A JP2003234225 A JP 2003234225A JP 2002032340 A JP2002032340 A JP 2002032340A JP 2002032340 A JP2002032340 A JP 2002032340A JP 2003234225 A JP2003234225 A JP 2003234225A
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JP2002032340A
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Munekatsu Shimada
宗勝 島田
Hideaki Ono
秀昭 小野
Tetsuro Tayu
哲朗 田湯
Makoto Kano
眞 加納
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁石の電気抵抗値によらずに、また、大掛り
な装置等を用いなくても渦電流損を評価することができ
る渦電流損評価装置を提供する。 【解決手段】 本発明の渦電流損評価装置1の磁場発生
部10は、断熱材により形成され、その内部に測定用の
試料50を配置するための空間が設けられた試料配置室
11と、試料配置室11および試料50を支持する支持
台12と、試料50に作用する高周波磁場を発生するコ
イル(磁場発生手段)13と、試料50の温度を測定す
る熱電対(温度測定手段)14と、コイル13により発
生された高周波磁場の磁路を形成するヨーク15とを有
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁石の渦電流損の評
価方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気自動車(EV)や、ハイブリ
ッド電気自動車(HEV)の開発に伴い、これらの自動
車に用いる永久磁石同期モータの開発も進んでいる。永
久磁石同期モータは、エネルギー積の大きな希土類永久
磁石を用いており、ステータが分割コア方式で集中巻の
モータや、ロータに磁石が埋め込まれたモータ(IP
M)では、磁石の電気抵抗が小さいために、磁石の渦電
流損に基づく発熱が問題となっている。
【0003】特に、EVやHEV用の永久磁石同期モー
タの開発では小型化および高効率化が追求されるため、
磁石の発熱はより深刻な問題となっている。この問題を
解決し磁石の発熱を低減するためには、磁石の電気抵抗
を大きくし、かつエネルギー積も大きくする必要があ
る。電気抵抗およびエネルギー積の増大を達成できるも
のとしては、粒径が100ミクロン程度の磁石粉末を樹
脂で固めたボンド磁石があり、この中でも、NdFeB
の粉末を樹脂で固めたNdFeBボンド磁石が注目され
ている。
【0004】NdFeBボンド磁石は、磁石粉末同士が
樹脂で絶縁されているので、渦電流損による発熱は極め
て小さくなり、高密度化することにより、エネルギー積
を増大させることができる。
【0005】このようなNdFeBボンド磁石は、磁石
粉末の密度等により電気抵抗およびエネルギー積が異な
るため、開発に際し、試作したNdFeBボンド磁石の
テストピースの渦電流損を評価する必要がある。
【0006】テストピースの渦電流損を評価する方法と
しては、テストピースの電気抵抗値を測定して評価する
ことが考えられる。しかし、一般的には、電気抵抗値が
大きい程渦電流損は小さいが、電気抵抗値は同じでも渦
電流損が何割も異なる場合もあるので、電気抵抗値によ
り渦電流損を評価するのでは、正確にテストピースの渦
電流損を評価しているとはいえない。
【0007】また、モータに使用するための磁石のテス
トピースを評価するので、磁石がモータ内でさらされて
いる磁場と同じ条件で渦電流損を評価しなくては意味が
ない。しかし、モータ内での磁場を再現しようとする
と、とても大掛りな磁場発生手段等が必要となり、大掛
りになってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、磁石の電気抵抗値によらず
に正確に磁石の渦電流損を評価でき、また、大掛りな装
置等を用いなくても渦電流損を評価することができる渦
電流損評価方法およびその装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段によって達成される。
【0010】(1)本発明の渦電流損評価方法は、試料
に高周波磁場を所定時間印加して、該高周波磁場による
試料の温度上昇を測定し、該温度上昇に基づいて前記試
料の渦電流損を評価することを特徴とする。
【0011】(2)予め前記試料の渦電流損を評価する
ための基準試料について、前記所定時間と同じ時間、前
記高周波磁場と同等の高周波磁場を印加し、該高周波磁
場による前記基準試料の温度上昇を測定しておき、該基
準試料の温度上昇を、前記試料の温度上昇と比較して、
前記試料の渦電流損を評価する。
【0012】(3)測定した前記試料の温度上昇の上昇
率を算出し、算出した該上昇率を予め求められている前
記試料の熱容量に乗じることによって、前記試料の渦電
流損を求める。
【0013】(4)渦巻き状コイルを用いて前記試料に
印加する前記高周波磁場を発生する。
【0014】(5)熱電対を用いて温度を測定する。
【0015】(6)前記試料は、前記高周波磁場の発生
源と近接させる。
【0016】(7)前記高周波磁場の磁場周波数は5k
Hz〜50kHzの範囲であり、該高周波磁場の大きさ
は試料中心位置で10Oe〜200Oeである。
【0017】(8)前記試料に前記高周波磁場を印加す
る時間を50秒〜70秒とし、該印加時間における前記
試料の上昇温度が5度〜50度の範囲とする。
【0018】(9)前記高周波磁場の印加状態を監視し
ながら、前記試料の温度上昇を測定する。
【0019】(10)前記高周波磁場の影響下に空芯コ
イルを配置して、該空芯コイルが発生する電圧により前
記高周波磁場の印加状態を監視する。
【0020】(11)前記高周波磁場は、コイルにより
発生させ、該コイルの銅損に基づいて前記高周波磁場の
印加状態を監視する。
【0021】(12)本発明の渦電流損評価装置は、断
熱材により形成され、内部に測定用の試料が配置される
空間が設けられた試料配置室と、前記試料配置室および
前記試料を支持する支持台と、高周波磁場を発生して前
記試料に印加する磁場発生手段と、前記試料の温度を測
定する温度測定手段と、前記高周波磁場による前記試料
の温度上昇に基づいて該試料の渦電流損を評価する評価
手段とを有することを特徴とする。
【0022】(13)前記磁場発生手段は渦巻き状コイ
ルである。
【0023】(14)前記温度測定手段は熱電対であ
る。
【0024】(15)前記断熱材は断熱性樹脂である。
【0025】(16)前記磁場発生手段は前記試料に印
加する高周波磁場の印加時間を制御する磁場制御部を含
む。
【0026】(17)前記高周波磁場の印加状態を監視
する監視手段をさらに有する。
【0027】(18)前記監視手段は、空芯コイルであ
り、前記高周波磁場の影響下に配置した空芯コイルが発
生する電圧に基づいて前記高周波磁場の状態を監視す
る。
【0028】(19)前記監視手段および磁場印加手段
は共にコイルであり、該コイルによって前記高周波磁場
を発生する際の銅損に基づいて、前記高周波磁場の印加
状態を監視する。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜請求項19に記載の発明は、
試料に高周波磁場を印加して、該高周波磁場による渦電
流損によって発熱する試料の温度上昇を測定し、この温
度上昇に基づいて試料の渦電流損を評価するので、試料
の電気抵抗等によらず、容易に高精度に渦電流損を評価
することができる。
【0030】また、実際に試料をモータ等に組み込んで
駆動させ、そのときの渦電流損を評価する必要がないの
で、モータを駆動するための設備等を必要とせず、評価
のための時間およびコストを軽減することができる。
【0031】さらに、実際にモータを駆動させるときに
発生する磁場よりも高周波の磁場を発生させるので、モ
ータ駆動時よりも強度が弱い磁場を発生させることによ
って、渦電流損を評価することができ、結果として磁場
を発生させるためのコイル等の設備を小規模なものとす
ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】最初に、本発明によりなぜモータ
に用いる磁石の試料(テストピース)の渦電流損が評価
できるかを説明する。
【0033】たとえば、SmCoや、NdFeBなど、
永久磁石同期モータに用いられる希土類焼結磁石は電気
抵抗が小さいために渦電流損による発熱が大きい。試料
の中での磁束密度をB、磁場の周波数をf、電気抵抗率
をρ、形状に依存する係数をkとすると、渦電流損は、 渦電流損=k×B2×f2/ρ…式1 で表されることが知られている。また、磁場をH、試料
の透磁率をμとすると、磁束密度Bは磁場Hと透磁率μ
の関数となる。なお、着磁された状態での磁石の透磁率
μは、空気とほぼ同じである。
【0034】EV、HEV等の車駆動用モータにおいて
磁石がさらされる磁場Hは1kOe以上であり、その周
波数f(基本波)は高くても1kHz程度である。本実
施の形態では、磁石の渦電流損の評価が課題であるの
で、最も厳しい条件で考え、また、周波数としては基本
波の周波数ばかりでなく高調波も考慮する必要がある。
【0035】車駆動用モータの駆動時に発生する磁場と
同等の磁場を再現するには、装置が非常に大規模なもの
になってしまい、磁石の渦電流損を評価するための装置
には不適切である。上記式1に基づいて、磁場の強度を
100Oe程度まで下げて、逆に、磁場の周波数を10
kHz程度まで大きくすることにより、実際にモータが
駆動しているときと同様の渦電流損値を得ることができ
る。
【0036】すなわち、上記式に基づけば、磁場Hを1
kOeから100Oeに0.1倍し、周波数を1kHz
から10kHzに10倍すれば、結果として算出される
渦電流損は同一となる。したがって、発生させる磁場の
強度を下げても高周波とすることで同様の渦電流損値を
得ることができ、磁場発生装置の規模を小さくすること
ができる。
【0037】本発明では、以上の理論に基づいて、磁場
発生装置の規模は小さくして実際のモータ駆動時に発生
する磁場よりも小さい磁場を磁石に印加する代わりに、
発生する磁場の周波数を高くすることにより、正確に渦
電流損を評価することができる。
【0038】本発明では、試料の渦電流損を評価するた
めの2つの方法を提供する。
【0039】第1の方法は、試料に所定時間磁場を印加
して、その際の磁石(試料)の温度を測定し、温度変化
の程度に基づいて渦電流損を評価するものである。この
方法では、予め渦電流損の評価の基準となる基準試料の
渦電流損と、該基準試料に高周波磁場を印加したときの
温度変化とを求めておき、この温度変化を評価対象の試
料の温度変化と比較することにより渦電流損を評価す
る。
【0040】第2の方法は、評価対象の試料に高周波磁
場を印加し、その温度を測定して、このときの温度の変
化率に基づいて渦電流損を評価するものである。第2の
方法では、高周波磁場を印加したときの試料の温度の上
昇率、すなわち、温度上昇曲線の立ち上がりの勾配は、
渦電流損による発熱と試料の熱容量とで決定されること
を利用している。
【0041】したがって、まず、一定時間磁場を試料に
印加したときの時系列の試料の温度上昇曲線を求め、こ
の温度上昇曲線の立ち上がりの勾配、すなわち、傾きを
求める。そして、温度上昇曲線の立ち上がりの勾配が算
出できれば、その値を試料の熱容量に乗じて、渦電流損
を算出することができる。この算出した値により渦電流
損を評価することができる。なお、試料の熱容量は、試
料の密度および比熱から算出できるので、これを予め求
めておくことができる。
【0042】上記2つの方法を、それぞれ第1および第
2の実施の形態として以下に図面を参照して詳細に説明
する。
【0043】(第1の実施の形態)まず、第1の実施の
形態では、上記第1の方法により試料の渦電流を評価す
る際の手順およびその装置について説明する。
【0044】図1は、本発明の渦電流損評価方法を実施
する渦電流損評価装置の構成を示すブロック図、図2は
渦電流評価装置の磁場発生部を示す断面図、図3はヨー
クを示す図である。
【0045】渦電流損評価装置は、高周波磁場を発生さ
せ、該高周波磁場を所定時間印加することにより発熱し
た試料の温度を測定し、その温度上昇に基づいて渦電流
損を評価することができる。
【0046】図1に示すように、本発明の渦電流損評価
装置1は、磁場を発生して試料に磁場を印加する磁場発
生部10と、磁場発生部10における磁場の印加を制御
する磁場制御部20と、磁場発生部10における試料を
監視して渦電流損を評価する評価部30とを有してな
る。
【0047】渦電流損評価装置1を構成する各部を具体
的に説明する。
【0048】<磁場発生部10>磁場発生部10は、図
2に示すように、断熱材により形成され、その内部に測
定用の試料50を配置するための空間が設けられた試料
配置室11と、試料配置室11および試料50を支持す
る支持台12と、試料50に印加する高周波磁場を発生
するコイル(磁場発生手段)13と、試料50の温度を
測定する熱電対(温度測定手段)14と、コイル13に
より発生された高周波磁場の磁路を形成するヨーク15
とを有してなる。
【0049】試料配置室11は、支持台12と組み合わ
さって、内部に試料50を密閉する。本発明では、渦電
流損を評価するために試料の温度を測定するので、試料
から外部への伝熱や放熱があると測定誤差が大きくなる
原因となる。したがって、試料は断熱下に配置されるこ
とが必要である。そこで、試料を配置するための試料配
置室は断熱性樹脂で形成されることが望ましい。
【0050】なお、本実施の形態では、断熱材により密
閉された試料配置室11内の空間に試料が配置されるの
で、該試料配置室11内の空気は流動しておらず、流動
しない空気は優れた断熱作用を有するので、試料の放熱
を防止でき、測定精度を向上させることができる。試料
50は、試料配置室11に接触することによる伝熱を防
止するために、試料配置室11とは接触しないように、
試料配置室11内に配置される。
【0051】支持台12は、断熱材により形成され、水
平に配置されており、その上に試料配置室11および試
料50が載置される。支持台12も試料配置室11と同
様に断熱性樹脂により形成されることが望ましい。
【0052】また、試料50の伝熱を軽減するために、
図1に示すように、支持台12上には試料50を傾けて
載置することが望ましい。試料50を傾けて配置するに
は、たとえば、試料50が直方体である場合、試料50
を傾けてその下に断熱性樹脂で形成した枕(図示せず)
を配置してその姿勢を安定させ、直方体の一辺だけが支
持台12と接触するようにする。
【0053】試料50を傾けることによって、試料50
と支持台12との接触を最小限にし、試料50から支持
台12への伝熱もわずかなものとすることができ、結果
として、試料の発熱の測定精度を向上させることができ
る。
【0054】また、試料50の傾ける方向は、図2に示
すように、後述するコイル13の中心を通る中心軸16
側が持ち上げられることが好ましい。このように傾かせ
ることによって、コイル13によって発生される磁場の
向きと、試料50の傾きの軸方向とを近づけ、試料50
の渦電流損を大きくすることができる。
【0055】コイル13は、支持台12の下方に配置さ
れ、複数のマグネットワイヤ(絶縁皮膜エナメル銅線)
を束ねて1本の渦巻状に巻いて形成されるので、高周波
磁場を発生させることができる。コイル13に近いほ
ど、磁場は強力になるので、コイル13は、支持台12
に可能な限り近づけることが好ましい。コイル13は、
たとえば、内径60mm、外径160mm、厚さ3mm
程度に形成される。
【0056】コイル13に電流を流すことにより磁場を
発生させるが、この際、コイル13は巻線抵抗により発
熱する。しかし、コイル13で発生する熱は、コイル1
3と試料50との間に配置される支持台12により遮断
されるので、コイル13の発熱が試料の温度測定の測定
誤差となることはない。ここで、コイル13の発熱によ
りコイル13を流れるエネルギーの一部が放散されるこ
とを銅損という。
【0057】熱電対14は、試料50に取り付けられ、
試料50の温度を測定する。熱電対14は、直接試料5
0に取り付けられるので、可能な限り細いことが好まし
い。熱電対14を細くして、試料50との接触を小さく
することで、試料50の熱が熱電対14により吸熱され
ることを最小限にし、試料50の温度の測定精度を向上
させることができる。熱電対14は、装置の大きさにも
よるが、たとえば、太さがφ0.2mm〜0.3mm程
度で、φ0.27mm程度に形成される。
【0058】ヨーク15は、ソフトフェライトにより形
成されており、図3に示すように、コイル13の下部に
おいて中心軸16を中心として8枚のソフトフェライト
板151が放射状に配置され、コイル13により発生さ
れる磁場の磁路を形成する。
【0059】なお、ソフトフェライト板151は8枚で
はなく、4枚〜16枚程度であってもよく、磁場の偏り
を少なくしかつ安価とするには8枚が特に好ましい。ソ
フトフェライト板151は、たとえば、長さ60mm、
幅14mm、厚さ4mm程度の大きさに形成されてい
る。ヨーク15を板状のソフトフェライト板151によ
って構成するので、ヨーク15の製造が容易および安価
となり、磁場の均等な発生に資することができる。ま
た、ヨーク15は、ドーナツ状に形成してもよい。
【0060】<磁場制御部20>磁場制御部20は、磁
場発生部10のコイル13に接続されており、コイル1
3に電流を供給することにより磁場を発生させる。磁場
制御部20は、コイル13に供給する電流の強度や供給
時間を調整でき、これにより、磁場の強度および磁場を
発生させる時間を制御する。
【0061】なお、本発明では、渦電流損を小規模な設
備で実現して試料50を評価することを目的としている
ので、たとえば、実際のモータ駆動時に発生する磁場が
1kOe以上で、その周波数が1kHz程度である場合
には、渦電流損評価装置1のコイル13により試料50
の中心位置に発生させる磁場は10Oe〜200Oeの
範囲とし、また、その周波数は5kHz〜50kHzの
範囲とするように、磁場制御部20で制御することが好
ましい。
【0062】発生させる磁場の強度が強すぎたり、時間
が長すぎると、試料50の渦電流損による発熱が大きく
なりすぎ、試料50の温度と室温との温度差が大きくな
るため、試料50からの放熱も増大してしまう。放熱が
増大すると試料50の温度を測定する測定誤差が大きく
なるので、試料50の温度上昇を50度以内とすること
が好ましい。また、コイル13により磁場を発生させる
時間が長いほど、コイル13自身も銅損による発熱量を
増大するのでコイル13の温度が高まり、別の試料の評
価に移行するにはコイル13の温度が下がるのを待たな
くてはならないので、余分な時間がかかってしまう。
【0063】試料50の温度上昇を50度以内に抑え、
コイル13の必要以上の発熱を防止するために、コイル
13により磁場を発生させる時間を50〜70秒とする
ことが好ましく、60秒程度とすることがより好まし
い。このように磁場の発生時間を制御することによっ
て、試料50の温度と室温との温度差が大きくなりすぎ
ず、また、コイル13の発熱も抑えられ次の評価に移行
できる時間が短くなる。
【0064】<評価部30>評価部30は、磁場発生部
10の熱電対14に接続されており、磁場発生部10に
おける試料50の温度を熱電対14により測定し、試料
50の温度がどれだけ上昇したかを求める。また、評価
部30は、計時しながら温度をモニタリングし、モニタ
リングの結果を付属のモニターに表示することもでき
る。
【0065】評価部30は、上述の通り、評価の際に
は、予め渦電流損が求めてある基準試料の磁場印加時の
上昇した温度を、試料50の上昇した温度と比較して、
該試料50の渦電流損が基準試料の渦電流損よりどのく
らい大きいか小さいかを評価する。
【0066】また、評価部30は、基本的には、磁場発
生部10において磁場を試料50に印加している間の試
料50の温度を測定しているが、これに加えて、磁場の
印加後の試料50の放熱による温度変化も測定しておく
ことにより、試料50の放熱特性を求めることができ
る。求めた放熱特性を、次回の測定において、磁場によ
る試料50の温度上昇に考慮することによって、試料5
0の温度測定の測定制度をより高精度にすることができ
る。
【0067】次に、渦電流損評価装置1を用いた渦電流
損評価の際の流れについて、フローチャートに基づいて
説明する。
【0068】図4は、渦電流損を評価する際の流れを示
すフローチャートである。
【0069】まず、渦電流損を評価するための試料50
を用意し、熱電対14を取り付け(ステップS1)、試
料50を図2に示すように傾けて支持台12上に載置し
(ステップS2)、試料50の温度が安定するまで放置
する(ステップS3)。
【0070】次に、試料50を覆うように、試料配置室
11を支持台12上に載置し(ステップS4)、ふたた
び試料50の温度が安定するまで放置する(ステップS
5)。
【0071】試料50の温度の監視、すなわち、渦電流
損を算出するための温度上昇の監視を開始する(ステッ
プS6)。
【0072】磁場制御部20によりコイル13に電流を
供給して、磁場を発生させて試料50に磁場を印加し
(ステップS7)、所定時間経過後に磁場の発生を解除
する(ステップS8)。
【0073】評価部30により、監視した試料50の温
度上昇を求め(ステップS9)、この温度上昇が大きい
か小さいかなどを過去に測定した基準試料の温度上昇と
比較することにより、該基準試料の渦電流損に対する試
料50の相対的な渦電流損を評価して(ステップS1
0)、渦電流損の評価を終了する。
【0074】なお、ステップS10で、他の試料の渦電
流損と比較評価するためには、基準試料と評価の対象と
なる試料50とを同等の条件で測定する必要がある。す
なわち、基準試料と試料50との体積、密度、比熱が同
程度で、かつ、印加する磁場の強度や発生時間を同じに
して、測定していることが必要である。
【0075】このように、基準試料と試料50との測定
条件を同一にすれば、磁場印加による試料50の温度上
昇を、予め渦電流損と磁場の印加による温度上昇が求め
てある基準試料と比較して、試料50の相対的な渦電流
損を評価することができる。
【0076】以上、第1の実施の形態では、高周波磁場
を試料に印加して、該高周波磁場によって発熱する試料
50の温度を測定し、その温度上昇に基づいて試料50
の渦電流損を評価するので、試料の電気抵抗等によら
ず、容易に高精度に渦電流損を評価することができる。
【0077】また、実際に試料50をモータ等に組み込
んで駆動させ、そのときの渦電流損を評価する必要がな
いので、モータを駆動するための設備等を必要とせず、
評価のための時間およびコストを軽減することができ
る。
【0078】さらに、実際にモータを駆動させるときに
発生する磁場よりも高周波で強度が弱い磁場を発生させ
ることによって、渦電流損を評価することができるの
で、結果として磁場を発生させるためのコイル等の設備
を小規模なものとすることができ、省スペース化を図る
ことができる。
【0079】なお、上記第1の実施の形態では、試料5
0にのみ熱電対14を取り付け、試料50の温度上昇に
基づいて渦電流損を評価していたが、これに限られな
い。たとえば、図2に示すように、試料50の他に、支
持台12に熱電対17を取り付けたり、コイル13に熱
電対18を取り付けて、評価部30の評価の際にその温
度測定の結果を勘案することもできる。
【0080】支持台12に熱電対17を取り付けて、支
持台12の温度を測定することによって、評価部30
は、支持台12の温度を勘案し、熱電対14で測定され
た試料50の温度上昇を補正して、測定精度を向上させ
ることができる。
【0081】また、コイル13に熱電対18を取り付け
て、コイル13の温度を測定することによって、コイル
13の銅損による発熱を監視することができ、コイル1
3の発熱に基づいて、磁場が印加されているかどうか印
加状態を監視し、磁場制御部20において発生させる磁
場を制御することが可能となる。なお、磁場の印加状態
は、図1に示すように、空芯コイル19を磁場発生下に
配置し、空芯コイル19が発生する電圧を検出すること
によっても監視可能である。
【0082】次に、上記実施の形態で説明した手順およ
び装置を利用した実験の実験結果について説明する。
【0083】(実験例1)実験例1では、図2に示すよ
うに、磁場発生部10において、試料50には熱電対1
4を、支持台12には熱電対17を、コイル13には熱
電対18をそれぞれ取り付けて温度を測定し、また、支
持台12上には空芯コイル19を配置しておいた。そし
て、試料50、支持台12およびコイル13の温度をそ
れぞれ測定し、磁場が印加されたときに空芯コイル19
が発生する電圧をDC変換して磁場の印加状態を監視し
た。
【0084】また、試料50には未着磁のNdFeB焼
結磁石を使用し、容易磁化方向に磁場を印加した。印加
した磁場の強度は100Oe程度、その周波数は28.
7kHz、磁場波形は正弦波状であったが、2次の高調
波が約20%含まれていた。
【0085】図5は評価部30によって測定された各熱
電対14、17、18の温度の測定結果、および、空芯
コイル19が発生する電圧の測定結果を示すグラフ、図
6は測定結果に基づく試料の温度上昇の算出結果を示す
図である。
【0086】図5では、横軸は時間(s)を示し、縦軸
は温度(℃)および電圧(V)を示す。
【0087】図5の上側に示す電圧の検出結果を見る
と、64.5秒間電圧が検出されており、これにより、
磁場が64.5秒発生していたことがわかる。また、熱
電対14の測定温度を見ると、磁場の発生、すなわち、
試料50に磁場の印加が開始されてから、試料50の温
度が上昇し始めるまでには2秒ほどの遅れがあった。
【0088】磁場の印加による試料50の温度上昇は、
31.72℃であった。
【0089】次に、上記試料50はそのまま未着磁のN
dFeBとし容易磁化方向に対して垂直な方向に磁場を
印加した場合、試料50を着磁後のNdFeBに変更し
て容易磁化方向に磁場を印加した場合、または、試料5
0を着磁後のNdFeBとして容易磁化方向に対して垂
直な方向に磁場を印加した場合について、それぞれ、試
料50の温度上昇を調べた。それぞれの場合の温度上昇
の結果は、図6に示す通りである。なお、容易磁化方向
とそれに垂直な方向で直流の電気抵抗は等しく、異方性
はなかった。また、着磁後でも1.44μΩmと直流の
電気抵抗は等しかった。
【0090】電気抵抗はそれぞれ等しいにも関わらず、
図6を参照すると、未着磁の磁石に容易磁化方向の磁場
を加えたときの温度上昇に比べて、容易磁化方向に垂直
な磁場を加えたときの温度上昇はその約44%、着磁後
の磁石に容易磁化方向の磁場を加えたときの温度上昇は
その約30%、着磁後の磁石に容易磁化方向に垂直な磁
場を加えたときの温度上昇はその約35%となって異な
っている。
【0091】このように、電気抵抗が同じでも、磁石が
未着磁あるいは着磁後、または、印加する磁場の方向が
異なることにより、渦電流損が何割も異なる結果が得ら
れている。したがって、本願発明のように、磁石の電気
抵抗等は問題とせず、磁場下に配置された磁石の温度上
昇にのみ基づくことが、渦電流損の正確な評価または算
出に適していることが示された。
【0092】(実験例2)次に、上記第1の実施の形態
において、コイル13に近いほど磁場が強力になると説
明したが、このことを実験により確かめた。
【0093】図7は、図2において中心線16から半径
方向に20mmの位置での中心線16方向における磁場
の強度を示すグラフである。
【0094】図7では、縦軸は、磁場HのZ軸方向の強
度、すなわち、磁場HのZ成分を2乗した値を示し、横
軸は、図2に示す磁場発生部10の中心線16から半径
方向(図中X軸方向)に20mmの位置における中心線
16の軸方向(図中Z軸方向)の支持台12からの距離
を示す。ここで、縦軸を磁場HのZ軸方向の強度の2乗
としたのは、上記式(1)よりわかるように、試料の渦
電流損は磁場Hの2乗に比例するからである。
【0095】図4に示されるように、支持台12から中
心線16の軸方向(Z軸方向)に離れるほど、磁場Hの
強度は小さくなっていることがわかる。したがって、支
持台12から離れるほど、すなわち、コイル13から離
れるほど磁場は減衰するので、逆にコイル13に近いほ
ど磁場が強力になることが確かめられた。
【0096】したがって、試料50の渦電流損を正確に
評価するためには、支持台12に試料50をできるだけ
接近させて配置することが望ましい。なお、試料50を
支持台12に接近させても、支持台12が断熱材により
形成されており伝熱することがないので、十分な感度で
渦電流損が評価できる。
【0097】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の方法により試料の渦電流を評価する際の手順およびそ
の装置について説明する。なお、第2の方法を実施する
ための装置は、図1および図2に示すものとほぼ同一で
あるので、同一な構成については説明を省略し、第2の
方法を実施するにあたって異なる構成のみ以下に説明す
る。
【0098】<評価部30>図1における評価部30
は、磁場発生部10の熱電対14、17、18および空
芯コイル19に接続されており、各部の温度を測定し、
磁場の印加状態を監視する点では第1の実施の形態と同
様である。しかし、その動作が第1の実施の形態と異な
る。
【0099】第2の実施の形態では、評価部30は、試
料50の温度を計時しながら測定し、温度の変化を時系
列のグラフにしたとき(図5の熱電対14の測定温度参
照)の温度上昇曲線の立ち上がりの勾配を算出する。
【0100】ここで、立ち上がりの勾配は、試料50の
温度上昇開始の時点から、温度上昇開始から温度上昇停
止までの時間の1/3〜1/2の時間だけ経過した時点
までの温度上昇曲線の接線、すなわち、単位時間あたり
の上昇温度とする。温度上昇停止付近では、試料50の
放熱が大きくなりすぎており、ここまで含めて立ち上が
りの勾配を求めると、放熱の分誤差が生じるからであ
る。
【0101】そして、評価部30は、算出した立ち上が
り勾配を、予め記憶してあるか、または、予め試料50
の密度および比熱により算出されている試料50の熱容
量に乗じて、試料50の渦電流損を算出する。
【0102】以上のように、評価部30は、試料50の
密度および比熱がわかっていれば、温度上昇の立ち上が
り勾配を算出することによって、実際に渦電流損を算出
することができるので、容易に試料50を評価すること
ができる。
【0103】第2の実施の形態においては、第1の実施
の形態のように、渦電流損の評価のために、比較の対象
となる基準磁石を用意して予めその温度上昇を求めてお
く必要がなく、評価したい試料50のみから渦電流損を
算出し、評価することができる。
【0104】次に、第1の実施の形態で行った実験例1
と同様に、図2に示す磁場発生部10において、試料5
0を未着磁のNdFeBとし、容易磁化方向に磁場を印
加したときの試料50の温度上昇の立ち上がり勾配は、
図5に示すようになった。
【0105】図5では、実験例1で説明したように、磁
場の印加時間が64.5秒間で、試料50の温度上昇が
磁場の印加開始から2秒ほど遅れているので、試料50
の温度上昇開始から温度上昇停止までに62.5秒間か
かり、その間に31.72℃温度上昇した。
【0106】印加時間のおよそ半分の時間として温度上
昇開始時から32.2秒経過後までの試料50の温度上
昇の立ち上がり勾配を算出すると、0.5442K/s
となった。ここで、NdFeB焼結磁石の体積、密度お
よび比熱は予め求めてあり、体積は1.100×10-6
3、密度は7500kg/m3、比熱は502.1J/
(kg・K)であったので、試料の熱容量は予め4.1
423J/Kと算出された。そして、渦電流損は、0.
5442K/sに4.1423J/Kを乗じて、2.2
54Wと算出された。
【0107】このように、試料50を未着磁のNdFe
Bとし、容易磁化方向に磁場を印加したときの試料50
の渦電流損は2.254Wであった。
【0108】次に、上記試料50を未着磁のNdFeB
とし容易磁化方向に対して垂直な方向に磁場を印加した
場合、試料50を着磁後のNdFeBに変更して容易磁
化方向に磁場を印加した場合、または、試料50を着磁
後のNdFeBとして容易磁化方向に対して垂直な方向
に磁場を印加した場合について、それぞれ、試料50の
温度上昇の立ち上がり勾配を調べた。すると、図8に示
すような結果が得られた。
【0109】図8は、測定結果に基づく、試料50の立
ち上がり勾配および渦電流損の算出結果を示す図であ
る。なお、容易磁化方向とそれに垂直な方向とで直流の
電気抵抗は等しく、異方性はなかった。また、着磁後で
も直流の電気抵抗は等しく1.44μΩmであった。
【0110】図8を参照してわかるように、電気抵抗は
それぞれ等しいにも関わらず、未着磁の磁石に容易磁化
方向の磁場を加えたときの渦電流損値に比べて、容易磁
化方向に垂直な磁場を加えたときの渦電流損値はその約
44%、着磁後の磁石に容易磁化方向の磁場を加えたと
きの渦電流損値はその約30%、着磁後の磁石に容易磁
化方向に垂直な磁場を加えたときの渦電流損値はその約
35%となって異なっている。
【0111】このように、電気抵抗が同じでも、磁石が
未着磁あるいは着磁後、または、加える磁場の方向が異
なることにより、渦電流損が何割も異なる結果が得られ
ている。したがって、本願発明のように、磁石の電気抵
抗等は問題とせず、磁場を磁石50に印加したときの温
度上昇の立ち上がり勾配に基づくことが、渦電流損の正
確な評価または算出に適していることが示された。
【0112】以上、本発明の渦電流損評価方法およびそ
の装置では、試料50の温度上昇(立ち上がり勾配)に
基づいて、容易に渦電流損を評価することができる。
【0113】また、従来、モータ内に組み込まれた磁石
の渦電流損を評価することは、モータ効率の差で渦電流
損を見積もるので、費用的、時間的、精度的にかなり困
難であったが、本発明の渦電流損評価方法およびその装
置では、試料50(磁石)を実際にモータに組み込んで
モータを駆動しなくても、モータに組み込むための磁石
に磁場発生部10の支持台12上で磁場を印加して温度
を測定するだけで評価することができる。
【0114】したがって、試料50の渦電流損の評価お
よび算出が格段に容易になり、また、モータを駆動する
といった大規模な設備を必要としないので、コストおよ
び時間を格段に軽減でき、また、評価精度を格段に向上
させることができる。
【0115】そして、本発明の渦電流損評価方法および
その装置は、渦電流損の少ない磁石を開発する場合に必
須となるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の渦電流損評価方法を実施する渦電流
損評価装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 渦電流評価装置の磁場発生部を示す断面図で
ある。
【図3】 ヨークを示す図である。
【図4】 渦電流損を評価する際の流れを示すフローチ
ャートである。
【図5】 評価部によって測定された各熱電対の温度の
測定結果、および、空芯コイルが発生する電圧の測定結
果を示すグラフである。
【図6】 測定結果に基づく試料の温度上昇の算出結果
を示す図である。
【図7】 図2において中心線から半径方向に20mm
の位置での中心線方向における磁場の強度を示すグラフ
である。
【図8】 測定結果に基づく、試料の立ち上がり勾配お
よび渦電流損の算出結果を示す図である。
【符号の説明】
1…渦電流損評価装置、 10…磁場発生部、 11…試料配置室、 12…支持台、 13…コイル、 14、17、18…熱電対、 15…ヨーク、 19…空芯コイル、 20…磁場制御部、 30…評価部、 50…磁石試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田湯 哲朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 加納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に高周波磁場を所定時間印加して、
    該高周波磁場による試料の温度上昇を測定し、 該温度上昇に基づいて前記試料の渦電流損を評価するこ
    とを特徴とする渦電流損評価方法。
  2. 【請求項2】 予め前記試料の渦電流損を評価するため
    の基準試料について、前記所定時間と同じ時間、前記高
    周波磁場と同等の高周波磁場を印加し、該高周波磁場に
    よる前記基準試料の温度上昇を測定しておき、 該基準試料の温度上昇を、前記試料の温度上昇と比較し
    て、前記試料の渦電流損を評価することを特徴とする請
    求項1に記載の渦電流損評価方法。
  3. 【請求項3】 測定した前記試料の温度上昇の上昇率を
    算出し、算出した該上昇率を予め求められている前記試
    料の熱容量に乗じることによって、前記試料の渦電流損
    を求めることを特徴とする請求項1記載の渦電流損評価
    方法。
  4. 【請求項4】 渦巻き状コイルを用いて前記試料に印加
    する前記高周波磁場を発生することを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか一項に記載の渦電流損評価方
    法。
  5. 【請求項5】 熱電対を用いて温度を測定することを特
    徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の渦
    電流損評価方法。
  6. 【請求項6】 前記試料は、前記高周波磁場の発生源と
    近接させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいず
    れか一項に記載の渦電流損評価方法。
  7. 【請求項7】 前記高周波磁場の磁場周波数は5kHz
    〜50kHzの範囲であり、該高周波磁場の大きさは試
    料中心位置で10Oe〜200Oeであることを特徴と
    する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の渦電流
    損評価方法。
  8. 【請求項8】 前記試料に前記高周波磁場を印加する時
    間を50秒〜70秒とし、該印加時間における前記試料
    の上昇温度が5度〜50度の範囲とすることを特徴とす
    る請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の渦電流損
    評価方法。
  9. 【請求項9】 前記高周波磁場の印加状態を監視しなが
    ら、前記試料の温度上昇を測定することを特徴とする請
    求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の渦電流損評価
    方法。
  10. 【請求項10】 前記高周波磁場の影響下に空芯コイル
    を配置して、該空芯コイルが発生する電圧により前記高
    周波磁場の印加状態を監視することを特徴とする請求項
    1〜請求項9のいずれか一項に記載の渦電流損評価方
    法。
  11. 【請求項11】 前記高周波磁場は、コイルにより発生
    させ、該コイルの銅損に基づいて前記高周波磁場の印加
    状態を監視することを特徴とする請求項1〜請求項10
    のいずれか一項に記載の渦電流損評価方法。
  12. 【請求項12】 断熱材により形成され、内部に測定用
    の試料が配置される空間が設けられた試料配置室と、 前記試料配置室および前記試料を支持する支持台と、 高周波磁場を発生して前記試料に印加する磁場発生手段
    と、 前記試料の温度を測定する温度測定手段と、 前記高周波磁場による前記試料の温度上昇に基づいて該
    試料の渦電流損を評価する評価手段と、 を有することを特徴とする渦電流損評価装置。
  13. 【請求項13】 前記磁場発生手段は渦巻き状コイルで
    あることを特徴とする請求項12に記載の渦電流損評価
    装置。
  14. 【請求項14】 前記温度測定手段は熱電対であること
    を特徴とする請求項12または請求項13に記載の渦電
    流損評価装置。
  15. 【請求項15】 前記断熱材は断熱性樹脂であることを
    特徴とする請求項12〜請求項14のいずれか一項に記
    載の渦電流損評価装置。
  16. 【請求項16】 前記磁場発生手段は前記試料に印加す
    る高周波磁場の印加時間を制御する磁場制御部を含むこ
    とを特徴とする請求項12〜請求項15のいずれか一項
    に記載の渦電流損評価装置。
  17. 【請求項17】 前記高周波磁場の印加状態を監視する
    監視手段をさらに有することを特徴とする請求項12〜
    請求項16のいずれか一項に記載の渦電流損評価装置。
  18. 【請求項18】 前記監視手段は、空芯コイルであり、
    前記高周波磁場の影響下に配置した空芯コイルが発生す
    る電圧に基づいて前記高周波磁場の状態を監視すること
    を特徴とする請求項17に記載の渦電流損評価装置。
  19. 【請求項19】 前記監視手段および磁場印加手段は共
    にコイルであり、該コイルによって前記高周波磁場を発
    生する際の銅損に基づいて、前記高周波磁場の印加状態
    を監視することを特徴とする請求項17に記載の渦電流
    損評価装置。
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