JPH07217594A

JPH07217594A - ポンプ装置

Info

Publication number: JPH07217594A
Application number: JP2492794A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Matsumoto; 克己松本; Hideo Sasaki; 秀雄佐々木; Hideaki Ito; 秀明伊藤
Original assignee: Nidec Sankyo Corp
Current assignee: Nidec Sankyo Corp
Priority date: 1994-01-28
Filing date: 1994-01-28
Publication date: 1995-08-15

Abstract

(57)【要約】【目的】インペラをモータに対して直結方式とし、軸
の密閉に有効な手段を提供することである。【構成】ポンプ装置において、液体貯留用の容器２５
と上記容器２５内の流体２４を注水口１３へ押し出す遠
心ポンプ１とを設け、遠心ポンプ１をモータ２と、この
モータ２の回転軸１８に連結されたインペラ３と、この
インペラ３を囲撓し上記容器２５に連通した吸入口１２
および上記注水口１３に連通した吐出口１４を形成した
渦室４とで構成し、上記モータ２と上記渦室４との間を
リップシール２０により密閉している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として家庭用の電動
式給湯装置に組み込まれる小型のポンプ装置特にそのシ
ール構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】特公平３−４５６４２号公報の発明は、
気泡の発生防止に有効な給湯装置を示している。その給
湯装置は、ポット本体の容器から遠心ポンプの吸い込み
口を通して、湯を吸い込み、インペラの回転によって湯
を吐出口へと送り出している。上記のものでは、インペ
ラがモータと直結する構造となっており、モータ軸を円
筒状のシール材により密閉しているため、ポンプ室内の
湯を完全に密閉するにはかなりの締め付け力が必要とさ
れ、その大きな締め付け力によって、モータ軸に大きな
負荷が掛り、その耐久性に問題があって、実用的でな
い。また、モータにかかる負荷も大きく、モータの耐久
性にも問題がある。

【０００３】

【発明の目的】本発明の目的は、インペラをモータに対
して直結方式とし、軸の密閉に有効なシール手段を提供
することである。

【０００４】

【発明の解決手段】上記目的の下に、本発明は、ポンプ
装置において、液体貯留用の容器と上記容器内の流体を
注水口へ押し出す遠心ポンプとを設け、遠心ポンプをモ
ータと、このモータの回転軸に連結されたインペラと、
このインペラを囲撓し上記容器に連通した吸入口および
上記注水口に連通した吐出口を形成した渦室とで構成
し、上記モータと上記渦室との間をリップシールにより
密閉している。

【０００５】ここで、上記モータと上記渦室との間のリ
ップシールは、基部で固定され、上記リップシールのリ
ップの先端で上記インペラの軸に接触し、上記基部と上
記先端で形成したテーパ面を上記インペラの方向に延ば
している。また、上記モータと上記渦室との間に軸受け
部が設けられており、この軸受け部と、上記渦室を形成
する壁との間で上記リップシールの基部が挟持れさてい
る。

【０００６】

【実施例】図１は、本発明のポンプ装置の構成を示して
いる。ポンプ装置は、例えば家庭用の給湯装置２６に組
み込まれ、湯などの流体２４を貯留する容器２５と、上
記容器２５内の流体２４を注水口１３へ押し出す遠心ポ
ンプ１とを備えている。

【０００７】図２および図３に示すように、遠心ポンプ
１は、モータ２と、このモータ２の回転軸１８に連結さ
れたインペラ３と、このインペラ３を囲撓し、上記容器
２５に連通した吸入口１２および上記注水口１３に連通
した吐出口１４を形成した渦室４とからなり、上記モー
タ２と上記渦室４との間は、リップシール２０により密
閉されている。

【０００８】モータ２は、べース６の一方の面に対して
取り付け板７および取り付けねじ８によって固定されて
いる。この取り付けねじ８は、パッキン９を介在させな
がら２つのケース１０、１１をベース６の他方の面に固
定している。ここで、２つのケース１０、１１は、イン
ペラ３を収納し、かつそれを囲撓するための渦室４を形
成している。なお、パッキン９の代りにＯリングを用い
ることもできる。

【０００９】ここで、渦室４は、主としてケース１０の
部分によって形成されており、インペラ３の回転中心を
中心とする円柱状の空間として形成されており、インペ
ラ３の回転中心の延長線上で、筒状の部分によって、吸
入口１２を形成しており、またインペラ３の回転中心を
中心とする円弧の位置で接線方向の吐出口１４を一体的
に形成している。したがって、吐出口１４の近くで渦室
４の有効断面積が絞られているが、これと反対側の渦室
の部分で、大きな空間が形成されている。なお吐出口１
４は、パイプなどの注水口１３に連通している。

【００１０】そして、上記インペラ３は、軸１５にはめ
込まれ、ベース６と一体の軸受け部１６に対して回転自
在に支持され、ジョイント１７によってモータ２の回転
軸１８に連結されている。ケース１１の中心部分に、シ
ール受け部１９が一体的に形成されており、このシール
受け部１９の壁２３と、ベース６の軸受け部１６の外側
面との間に、弾性体製のリップシール２０の基部２２が
はめ込まれている。

【００１１】このリップシール２０と一体のリップ２１
は、円筒状であって、渦室４の方向に吐出し、回転軸１
８と一体に回る軸１５の外周を取り囲み、渦室４の内部
圧力をテーパ面２２ａで受け、これによって軸１５の外
周面に圧接するように組み込まれている。

【００１２】上記の通り、モータ２と上記渦室４との間
のリップシール２０は、基部２２で固定され、上記リッ
プシール２０のリップ２１の先端で上記軸１５に接触
し、上記基部２２と上記先端で形成したテーパ面２２ａ
を上記インペラ３の方向に延びている。また、上記モー
タ２と上記渦室４との間に軸受け部１６が設けられてお
り、この軸受け部１６と、上記渦室４を形成する壁部分
の間で上記リップシール２０の基部２２が挟持されてい
る。なお、回転軸１８と軸１５とは一体であってもよ
い。それらが一体のとき、リップ２１は、回転軸１８の
外周面に当接することになる。

【００１３】また、インペラ３と同軸上で、例えばそれ
と一体にスクリュウ羽根５が形成されており、吸入口１
２の内径よりやや小さな寸法で、吸入口１２の内部に収
まっており、インペラ３とともに回転して、吸入口１２
の近くの流体２４を渦室４の内部に積極的に送り込む方
向に回転する。

【００１４】上記構成のポンプ装置は給湯装置などの湯
の供給経路に組み込まれる。この状態で給湯時に、モー
タ２は図３で時計方向に回転し、インペラ３およびこれ
と一体のスクリュウ羽根５を回転させる。このとき、ス
クリュウ羽根５は、スクリュウポンプの作用によって、
吸入口１２の近くの湯を内部に取込み、渦室４の中心す
なわちインペラ３の中心方向に積極的に送り込む。一
方、インペラ３は、回転することによって、その中心の
近くの湯に遠心力を与えながら、渦室４の内壁に沿って
回転させ、吐出口１４から注入口１３に送り出す。

【００１５】このようなポンプ動作の過程で、インペラ
３の中心位置近くで、減圧作用が起きやすく、特に沸騰
直後の湯のときに、内部に微細な気泡が混入しているた
め、インペラ３の近くでのキャビテーションが助長され
やすい。しかし、吸入口１２の近くにスクリュウ羽根５
が取り付けられており、これが渦室４の中心位置、すな
わちキャビテーション現象の起きやすい位置へ湯を積極
的に送り込んでいるため、その近くでの減圧が少なくな
り、気泡化すなわちキャビテーション現象の発生が最小
限度に抑えられる。

【００１６】また、かりに渦室４の内部でキャビテーシ
ョン現象によって、少量の気泡が発生し、インペラ３が
空回りしても、吸入口１２の位置でスクリュウ羽根５が
湯を強制的に渦室４の内部に送り込んでいるため、ある
程度の湯量が確保できる。このように、スクリュウ羽根
５が吸入口１２の近くで湯などの液体を積極的に渦室４
の内部に送り込み、またインペラ３が遠心作用によっ
て、湯を吐出口１４へ送りだすため、この２つの作用に
よって、湯量はインペラ３単体のものよりも向上する。
したがって、モータ２の回転速度が従来のものよりも低
くても、必要な湯量が確保できる。

【００１７】なお、スクリュウ羽根５の外径が吸入口１
２の内径に近づけたほうが、流体の吸入能力が増すた
め、スクリュウ羽根５の内径は、吸入口１２の内部に当
たらない程度の寸法に設定される。ここで、スクリュウ
羽根５は、ねじ状として、あるいはプロペラ状の外形と
して形成される。

【００１８】前述のように、リップシール２０は、渦室
４の内部のシール受け部１９に対しその基部２２で固定
されており、リップ２１の先端は、軸１５の外周に接触
し、渦室４の圧力を受けて、軸１５の外周面に接触する
構造となっている。このため軸１５に対するリップ２１
の接触面積が小さいため、軸１５に加わる負荷が適度な
ものとなっている。また、渦室４の内部圧力が上昇する
と、その圧力がリップ２１に加わり、リップ２１の先端
を軸１５に対して圧接する方向に働くため、リップシー
ル２０の密閉性能の信頼性が向上する。

【００１９】ポンプ動作の終了時に、モータ２を停止さ
せたとき、リップシール２０が軸１５に対して適度な負
荷を与えて、ブレーキ作用として働くため、電源オフ時
に、インペラ３の回転が直ちに停止するので、液体２４
の供給停止動作が瞬時に停止する。インペラ３が直接モ
ータ２に連結されており、モータ２の回転を磁石を用い
てインペラ３に伝達する形式のものに比較して、回転部
分の慣性が小さく、したがって電源のオフ時に、インペ
ラ３の回転が瞬時に停止する。

【００２０】また、起動時にも回転速度が瞬時に定常回
転に立ち上がるため、ポンプ動作の開始や停止が瞬時に
行われ、動作の応答性が改善される。なお、供給動作の
停止時に、モータ２の端子間を短絡して、発電制動によ
っても、同様のブレーキ効果が期待できる。

【００２１】

【発明の効果】本発明では、モータとインペラが直結方
式のもとに駆動されるため、回転部分の慣性が少なく、
モータのオンオフに対応して、ポンプ動作が瞬時に開始
・停止状態となるため、動作の応答性が向上すること、
モータの出力軸が直接インペラを駆動する構造となって
いるため、モータの回転力を磁石継ぎ手を用いてインペ
ラに伝達する方式のものに比較して、マグネットジョイ
ントがなくなる分構造が簡単で、低価格のポンプ装置を
提供できること、また、軸の部分に組み込まれたリップ
シールが渦室内の圧力に応動し、内部圧力の高まりに応
じてシール作用を強化するため、その信頼性が向上し、
長時間にわたって安定な密閉効果が期待できること、な
どの特有の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ポンプ装置の一部破断側面図である。

【図２】遠心ポンプの断面図である。

【図３】遠心ポンプの正面図である。

【符号の説明】

１遠心ポンプ２モータ３インペラ４渦室５スクリュウ羽根１０ケース１１ケース１２吸入口１３注水口１４吐出口１６軸受け部１８回転軸２０リップシール２１リップ２２基部２３壁２４流体２５容器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】流体貯留用の容器と上記容器内の流体を
注水口へ押し出す遠心ポンプとを備え、この遠心ポンプ
は、モータと、このモータの回転軸に連結されたインペ
ラと、このインペラを囲撓し、上記容器に連通した吸入
口および上記注水口に連通した吐出口を形成した渦室と
からなり、上記モータと上記渦室との間をリップシール
により密閉したことを特徴とするポンプ装置。
【請求項２】上記モータと上記渦室との間に上記リッ
プシールの基部が固定され、上記リップシールのリップ
の先端が上記インペラの軸に接触し、上記基部と上記先
端で形成したテーパ面を上記インペラの方向に延ばした
ことを特徴とする請求項１記載のポンプ装置。
【請求項３】上記モータと上記渦室との間に軸受け部
を設け、この軸受け部と、上記渦室を形成する壁との間
で上記リップシールの基部を挟持したことを特徴とする
請求項１記載のポンプ装置。