JPH072172B2 - インプラント部材及びその製造方法 - Google Patents

インプラント部材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH072172B2
JPH072172B2 JP2105714A JP10571490A JPH072172B2 JP H072172 B2 JPH072172 B2 JP H072172B2 JP 2105714 A JP2105714 A JP 2105714A JP 10571490 A JP10571490 A JP 10571490A JP H072172 B2 JPH072172 B2 JP H072172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
implant member
slurry liquid
bioactive material
artificial bone
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2105714A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH042341A (ja
Inventor
隆夫 川井
進次 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2105714A priority Critical patent/JPH072172B2/ja
Publication of JPH042341A publication Critical patent/JPH042341A/ja
Publication of JPH072172B2 publication Critical patent/JPH072172B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は人工骨や人工歯根等に代表される生体用インプ
ラント部材及びその製造方法に関し、詳細には生体組織
と強固に接合することのできるインプラント部材及びそ
の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 損傷又は欠損した骨,関節,歯根等の修復に際して人工
骨,人工関節,人工歯根等の生体用インプラント部材を
使用することがある。
該インプラント部材は強度的に優れ、且つ生体との適合
性に優れていることの他、術後に成長する新たな生体骨
組織(以下生体新組織と言うことがある)がインプラン
ト部材に対して強い一体性を示す様に構成されているこ
とも重要な要件の一つである。そのための1つの手段と
してインプラント部材表面を粗面化して凹凸を形成し、
そこに形成された凹部内に生体新組織を侵入・成長せし
めてアンカー効果を発揮させ、抜出しに対する強度を高
めることが挙げられる。
インプラント部材の表面を粗面化する方法としては、イ
ンプラント部材の基材表面に微細な粉粒体や線条体等を
溶射又は加圧溶着する方法、或はメッシュやワイヤを貼
着する方法、又は基材表面をショットブラスト加工して
粗面化する方法等がある。
インプラント部材の基材としては機械的強度の高いステ
ンレス鋼やチタン合金等の金属材料が使用されることが
多く、前記微粉体や線条体についても基材と同種の金属
材料を使用している。しかしながら金属材料は生体組織
との親和性が低く、インプラント部材の表面を粗面化し
て機械的なアンカー効果を期待するだけでは十分な固着
性を確保することが困難であった。そこで別の手段とし
て生体組織に対し親和性の高いアパタイトやバイオガラ
ス等の生体活性材料を、インプラント部材の最外層に溶
射したり、或は粉体塗装を施した後に焼成する等の方法
により添設することが行なわれている。
[発明が解決しようとする課題] 第4図はインプラント部材の一部断面拡大図であり、基
材1に微細な金属粉粒体を溶射や拡散接合して凹凸を有
する表面層2を形成し、さらにヒドロキシアパタイト等
のリン酸カルシウム系化合物や生体活性ガラス等に代表
される生体活性材料層3を、前記表面層2の外面全域に
わたって前記の様な焼成方法によって添設している。
ところがこの様な方法で形成される場合においては、生
体活性材料層3が表面層2の凹部4bをかなり埋める様に
形成されてしまうので、せっかくの凹凸部が滑らかに平
均化されることとなり、生体新組織の侵入によるアンカ
ー効果が期待できなくなり、残存生体骨との接合性が低
くなってしまう。
尚上記第4図では生体活性材料層3が表面層の凹部4bの
内奥部まで入り込む様に示しているが、実際問題として
は内奥部には十分届かず、凸部4aを中心とする表面部の
みに生体活性材料がコーティングされる場合が多く、従
って仮に生体新組織が凹部4bの内奥まで侵入することが
あっても、生体骨との化学的接合が不十分となり、結局
接合力を飛躍的に向上させることはできなかった。
そこで本発明者らは、表面層の凹凸部を平滑化すること
なく、しかも表面層凹部の内奥まで生体新組織を侵入さ
せて強固な化学的結合を形成すると共に強力なアンカー
効果を発揮することができる様なインプラント部材を提
供することを第1の目的とし、さらにこの様なインプラ
ント部材を簡単に製造することのできる方法を開発する
ことを第2の目的とし、種々研究を重ねて本発明を完成
した。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成した本発明のインプラント部材は基材表
面に形成された微細凹凸の凹部内奥表面に生体活性材料
層を形成してなる点に要旨を有し、さらに本発明の製造
方法は、微細凹凸を形成したインプラント部材の表面
に、生体活性材料の粉末を分散させたスラリー液を塗布
した後、該インプラント部材の凸部に付着している前記
スラリー液を除去し、さらに乾燥して生体活性材料を焼
成する工程を含むことを要旨とするものである。
[作用及び実施例] 金属製人工骨Aに生体活性材料層を形成する方法の一例
を第1図及び第2図によって以下詳述する。人工骨Aは
第2図(a)〜(c)の左下りハッチング部2として示
す様に基材1の表面に同種の金属粉体を溶射や拡散接合
し、100〜400μm程度の凹凸部4a,4bを有する表面層が
形成されている。ここまでは従来から行なわれている方
法が全て採用され得る。第1図(a)は密閉容器10内の
スラリー液12中に人工骨Aを浸漬した状態を示す説明図
であり、該密閉容器12には真空ポンプ13及び不活性ガス
供給源14が接続される。前記スラリー液12はアパタイ
ト、バイオガラス、β−燐酸三石灰、セラビタール又は
結晶化ガラス等の生体活性材料を数μm以下〜数100μ
mの微粉末に粉砕し、水又はアルコール等の媒体中に分
散したものであり、スラリー濃度は10%以下とすること
が望ましい。
まず人工骨Aは昇降アーム11に懸吊した状態でスラリー
液12の上部空間位置(破線A′で示す)に保持し、真空
ポンプ13を駆動して上部空間を真空にして人工骨Aを真
空環境に晒す。こうして凹部4b内の空気を脱気すれば、
スラリー液12中に浸漬させたときに、該凹部4b内に空気
溜りが残留するのが防止される。そして昇降アーム11を
下降させて人工骨Aをスラリー液12中に浸漬する。次い
でガスタンクより空気やN2ガス等をスラリー液12の上部
空間に導入して加圧することが好ましく、これによって
表面層凹部4bの内奥まで確実にスラリー液を押し込むこ
とができる。必要に応じ振動や衝撃を加えて残留気泡の
放出を図ることもある。
スラリー液12の浸漬を完了した人工骨Aは前記密閉容器
10より取出す。このときのスラリー液12の付着状態は第
2図(a)に示す様になっており、スラリー液12は表面
張力によって隣接凸部4a同士を連続して覆い、表面層2
の全面にわたって付着されている。
次いで第1図(b)に示す様に、浸漬の終った人工骨A
に向けてブロワー15によって空気を吹き付け、第2図
(b)に示す如く表面層2の凸部外表面側に付着してい
るスラリー液12を吹き飛ばし、凹部4b内のみにスラリー
液12が残留する程度(凸部4aの頂面が露出した該凹部4a
がスラリー液12に被覆されない程度)とする。そしてこ
の人工骨Aを加温ないし加熱することにより、スラリー
液の媒体を蒸発させて乾燥する。その後900℃以上の高
温に加熱することによって凹部4b内に付着した生体活性
材料を焼成して生体活性材料層3を形成する。こうして
第2図(c)に示す様に生体活性材料層3は表面層2に
おける凹部4bの内奥表面のみに形成されることとなり、
生体新組織が凹部4bの内奥に侵入し易くなり、生体骨と
人工骨を強固に固着できる様になった。なお40μm以下
の微小部には生体新組織の侵入が行なわれないとされて
いるので、生体活性材料層3によって埋められても、接
合性に大きな影響を及ぼすことはない。
(実施例1) 10μm以下の結晶化ガラス粉末を10%のスラリー液と
し、第1図(a),(b)に示す工程を経て、Ti製人工
骨の表面凹部にスラリー液を付着させた。なお真空引き
は10-2Torrで行ない、不活性ガスの加圧は5kg/cm2で行
なった。そして取出した人工骨を110℃で乾燥した後、1
050℃で熱処理をして第2図(c)に示す様な人工骨を
得た。
(実施例2) 予め結晶化処理した結晶化ガラスとこの原ガラス粉末を
1:1の割合で混合したものを分散してスラリー液とし、
実施例1と同条件で人工骨表面にこのスラリー液を付着
・乾燥させた後、900℃で熱処理して凹部に結晶化ガラ
ス層を形成した人工骨を得た。
(実施例3) 予め1000℃以上で熱処理したヒドロキシアパタイト微粉
末を非水溶性溶媒に分散させ、熱処理後のコーティング
層中のSiO2含有率が40%以下となる様にSiアルコキシド
(例えばエチルシリケート)及び酢酸を添加し、さらに
水を加えてゾル−ゲルスラリーとした。これを人工骨に
含浸させ、第1図(b)の工程を経て乾燥・熱処理して
生体活性材料層を第2図(c)の如く形成した。
上記実施例1,2,3によって製造された人工骨を成犬の膝
関節部に埋め込み、所定期間経過毎に引抜き試験を行な
い、第3図の実線(イ)に示す結果を得た。なお(ロ)
〜(ヘ)に示す比較例は次の表面形状のものである。
(ロ) 微細凹凸を有する不均整な表面層2を形成し、
該表面層の全面を覆いつくす様に結晶化ガラス層を形成
したもの。
(ハ) 上記と同様に不均整な表面層2を形成するが、
生体活性材料層を形成しないもの。
(ニ) 基材1にビーズ状の粒子を添着しただけのも
の。
(ホ) 平らな基材表面に結晶化ガラスを均一にコーテ
ィングしたもの。
(ヘ) 平な基材だけのもの(アルミナ製)。
第3図より明らかな様に本発明実施例の人工骨は比較例
に示した従来品と比較して引抜き強度が向上しており、
(イ)は(ハ)より10kg/cm2以上高い値を示した。
表面層2に生体活性材料をコーティングする方法として
は、上記の例に限定されず、アルコキシドを用いるゾル
−ゲル方法により、結晶化ガラスやNaを主体とする生体
活性ガラス又はヒドロキシアパタイト等を表面層2の凹
部4bに付着させる方法であっても良い。
他方表面層2上のスラリー液12を取り除いて第2図の
(a)の状態より第2図(b)に示す状態へ変化させる
方法としては、上記した空気吹き付け法に替えて、ブラ
シや布等によってこすり取る方法であっても良い。
[発明の効果] 本発明のインプラント部材は以上の様に構成されている
ので、生体新組織と化学的に強固に接合されると共にア
ンカー効果も発揮されるので、長期にわたって安定した
人工骨として利用することができる様になった。また本
発明によって上記インプラント部材が簡単に製造できる
様になった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明方法の工程例を示す説明
図、第2図(a)〜(c)は本発明方法によって製造さ
れる人工骨の工程毎の断面形状を示す拡大説明図、第3
図は本発明実施例と比較例の引抜き強度の相違を示すグ
ラフ、第4図は従来の人工骨の断面形状例を示す拡大説
明図である。 A……人工骨、1……基材 2……表面層、3……生体活性材料層 4a……凸部、4b……凹部 10……密封容器、11……昇降アーム 12……スラリー液、13……真空ポンプ 14……不活性ガス供給源 15……ブロワー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面上に生体組織との親和性の高い
    生体活性材料を添着させてなるインプラント部材であっ
    て、基材表面に形成された微細凹凸の凹部内奥表面に生
    体活性材料層を形成してなることを特徴とするインプラ
    ント部材。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載のインプラント部材を
    製造するに当たり、微細凹凸を形成したインプラント部
    材の表面に、生体活性材料の粉末を分散させたスラリー
    液を塗布した後、該インプラント部材の凸部に付着して
    いる前記スラリー液を除去し、さらに乾燥して生体活性
    材料を焼成する工程を含むことを特徴とするインプラン
    ト部材の製造方法。
JP2105714A 1990-04-20 1990-04-20 インプラント部材及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH072172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2105714A JPH072172B2 (ja) 1990-04-20 1990-04-20 インプラント部材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2105714A JPH072172B2 (ja) 1990-04-20 1990-04-20 インプラント部材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH042341A JPH042341A (ja) 1992-01-07
JPH072172B2 true JPH072172B2 (ja) 1995-01-18

Family

ID=14415004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2105714A Expired - Fee Related JPH072172B2 (ja) 1990-04-20 1990-04-20 インプラント部材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH072172B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5019346B2 (ja) * 2005-12-12 2012-09-05 国立大学法人 岡山大学 骨親和性インプラント及びその製造方法
JP7304214B2 (ja) * 2019-06-12 2023-07-06 日本特殊陶業株式会社 生体適合部材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH042341A (ja) 1992-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4723188B2 (ja) 多孔性の生体適合性移植材料およびその製造方法
EP1575636B1 (en) Biodegradable biocompatible implant
JP5049119B2 (ja) 生体適合性骨インプラント組成物及び骨欠損の修復のための方法
US4547390A (en) Process of making implantable prosthesis material of modified polymeric acrylic (PMMA) beads coated with PHEMA and barium sulfate
US7527804B2 (en) Method for improvement of soft tissue attachment and implants making use of said method
JPH078294B2 (ja) 水酸化カルシウム処理した重合体よりなる移植材料
JPH0588148B2 (ja)
JPH11276510A (ja) 表面修飾骨補綴部材およびその製造方法
JPH072172B2 (ja) インプラント部材及びその製造方法
JP2002320667A (ja) 生体内埋込材料とその製造方法
JP3166352B2 (ja) インプラント部材
JP2775523B2 (ja) 骨代替材料とその製造方法
JPH072171B2 (ja) インプラント部材の製造方法
JPS62266065A (ja) 燐酸カルシウム含有の生体適合性層状物質およびその製造方法
JPH05103829A (ja) 生体活性層のコーテイング方法
WO2013011827A1 (ja) 生体用インプラント材とその製造方法
JPH06197947A (ja) 複合生体インプラントおよびその製造方法
JPH02203853A (ja) インプラント部材の製造方法
JPH0773601B2 (ja) 生体の補填補綴材料
JPH0747115A (ja) インプラント及びその製造方法
JPH0724054A (ja) 人工補填補綴材料の製造方法
JPS5982849A (ja) 義歯装着用歯科インプラント
JPH0623030A (ja) 人工生体材料
JPH08117324A (ja) 生体インプラント材の製造方法
JP2006068249A (ja) 骨補填材とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080118

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090118

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100118

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees