JPH07216669A - ケンス自動搬送装置用ケンスクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡績工場内の隣接する２工程間でケンスを自
動的に巡回させて用いるためのケンス自動搬送装置で従
来手動で行われていたケンス内残スライバの除去を機械
的に行うと共に所定位置に自動的に搬出する手段を提供
し、紡績工場の省力化をより一層高めることを目的とす
る。 【構成】 ケンス自動搬送装置３で搬送中のケンス２の
上方に配置されて残スライバＳを吸引する吸引口４と、
吸引口４から残スライバ排出口８，１０に残スライバＳ
を搬送するパイプ１ａ〜１ｅと、パイプ１ａ〜１ｅ中に
吸引流を発生させる吸引手段６，１０から成るケンスク
リーニング装置１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はケンス自動搬送装置用ケ
ンスクリーニング装置に関する。より詳しくは、紡績工
場における、スライバを製造してケンスに収納する前工
程と、前記ケンス内のスライバを消費して新たな繊維製
品を製造する次工程との間で複数のケンスを自動的に巡
回させるケンス自動搬送装置に付設され、次工程で消費
し切れずに残存しているケンス中の残スライバを除去す
るケンスのクリーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】紡績工場においてカード、練条機、コー
マ機では得られる繊維製品はスライバであり、それらス
ライバはケンスに収容され、次工程、すなわち練条機、
スライバラップマシン、粗紡機等に供給される。これら
練条機、スライバラップマシン、粗紡機等ではケンス中
のスライバが消費されて次工程の繊維製品（スライバ、
ラップ、又は粗糸）が製造される。紡績工場においてス
ライバが充満した満管ケンスの次工程への運搬、および
次工程の空ケンスの前工程への返却運搬は手数を要する
作業であり、そこで一定個数のケンスを前工程と次工程
間で巡回させるケンス自動搬送装置が知られており、こ
の搬送装置を用いることによりケンス運搬の大幅な省力
化が達成される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前工程で満管ケンスが
製造される時に複数個のケンスに収容されるスライバの
長さは理論的には同一である。しかし次工程においてこ
れら複数個のケンスからスライバが引出されて消費され
て行く時に、スライバに僅かづつのスリップが発生する
結果、ケンスがほゞ空になった時のケンス内の残スライ
バの長さは複数のケンス間で同一ではない。そこで次工
程の１台の紡績機械（例えば練条機）に供給される複数
のケンスからのスライバの供給が全てのケンスで継続し
ている間に次の複数個の満管ケンスに切換えられるのが
常である。したがってほゞ空になったケンスの全部には
それぞれ長さの異なる残スライバが残されることにな
る。

【０００４】このようにして空ケンスに残された残スラ
イバは従来は前述の前工程に空ケンスが供給される前に
その都度作業員が手により取除いており、且つ取除いた
残スライバは作業員によって混打綿室等に運搬車等によ
って運搬されている。したがってこれら作業に作業員が
必要となるので、ケンス自動搬送装置を用いることによ
る省力化の効果が削減されているのが実状である。本発
明は従来公知のケンス自動搬送装置の有する問題点を解
決して、紡績工場の省力化を一層高めることができるケ
ンス内残スライバ除去のためのケンスクリーニング装置
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ケンス
自動搬送装置で搬送中のケンスの上方に配置されて残ス
ライバを吸引する吸引口と、該吸引口から残スライバ排
出口に残スライバを搬送するパイプと、該パイプ中に吸
引流を発生させる吸引手段から成ることを特徴とするケ
ンスクリーニング装置によって達成される。

【０００６】前記スライバ排出口が混打綿機に向けて設
けられていてもよく、あるいは集綿機に直接連結されて
もよい。前者の場合には吸収流を発生させるためにパイ
プ中に吸引フアンを設けることを要し、後者の場合には
集綿機自体によって吸引流が発生される。

【０００７】前記パイプの吸引口の下流側の位置にバル
ブを設けると共に、前記ケンス搬送装置上のケンスが前
記吸引口のほぼ直下にきた時にケンス搬送装置の運転を
停止し、且つ前記バルブを開口して吸引口に吸引流を及
ぼさせるコントロール装置を設けるとより好ましい。

【０００８】

【実施例】以下本発明のケンスクリーニング装置の一例
を示す添付図面を参照して本発明を以下詳述する。図１
に示すケンスクリーニング装置１は図１中コンベア３で
代表して示すケンス搬送装置上を移動する複数個のケン
ス２の上方に配置されて残スライバＳを吸引する吸引口
４、吸引口４で吸引した残スライバＳを輸送するパイプ
１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ、パイプの終端に設けた
残スライバ排出口及びパイプ中に吸引流を発生させる吸
引手段から成る。

【０００９】図１に示すケンスクリーニング装置１では
残スライバを混打綿機９に排出する場合と集綿機１０に
排出する場合を併用して示し、そのためにパイプ１ｃを
分岐ジョイント７でパイプ１ｄとパイプ１ｅに分岐させ
ている。しかし混打綿機９又は集綿機１０の何れか一方
に残スライバＳを供給するようにしてもよい。前者の場
合にはパイプ１ｂとパイプ１ｅの間に吸引フアン６を配
置して残スライバＳをパイプ内で搬送可能にすることが
必要である。この場合にはパイプ１ｄの終端に残スライ
バＣを搬送空気から分離する分離機８を設けると好まし
く、この分離機８は残スライバ排出口の役割を果す。一
方後者、すなわち集綿機１０にパイプ１ｅを直結する時
には集綿機１０自体が吸引力を有するので、吸引フアン
６を用いなくてもよい。

【００１０】吸引フアン６および／又は集綿機１０を常
時作動して吸引口４から常時残スライバＳを吸引可能に
してもよい。しかし省エネルギの観点からパイプ１ａの
吸引口４の下流側の位置にバルブ５を設け、前記ケンス
搬送装置上のケンス２が吸引口４のほぼ直下にきた時に
ケンス搬送装置の運転を停止し、その上でバルブ５を開
口して吸引口４に吸引流を及ぼさせるコントロール装置
（図示せず）を設けるとよい。なお残スライバＳの吸引
が終了した時にはバルブ５は閉鎖され、次のケンス２が
吸引口４の下方にくる迄ケンス搬送装置が運転されるこ
とになる。このようにすれば残スライバＳを有するケン
ス２が停止した状態で残スライバＳが吸引されるので、
残スライバＳの吸引除去が確実に行われると共に、必要
な時だけ吸引流が発生されるので省エネルギが達成され
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明のケンスクリーニング装置は残ス
ライバを機械的に除去し、且つ除去した残スライバを空
送して所定場所に集積するように構成しているので、こ
れら作業についての作業員の作業を全く必要とせず、そ
の結果紡績工場での省力化を一段と向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のケンスクリーニング装置の一例を示す
略示正面図である。

【符号の説明】

１…ケンスクリーニング装置 ２…ケンス ３…コンベア ４…吸引口 ５…バルブ ６…吸引フアン ７…分岐ジョイント ８…分離機 ９…混打綿機 １０…集綿機

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紡績工場における、スライバを製造して
   ケンスに収納する前工程と、前記ケンス内のスライバを
   消費して新たな繊維製品を製造する次工程との間で複数
   のケンスを自動的に巡回させるケンス自動搬送装置に付
   設され、次工程で消費し切れずに残存しているケンス中
   の残スライバを除去するケンスのクリーニング装置にお
   いて、該ケンスのクリーニング装置が、ケンス自動搬送
   装置で搬送中のケンスの上方に配置されて残スライバを
   吸引する吸引口と、該吸引口から残スライバ排出口に残
   スライバを搬送するパイプと、該パイプ中に吸引流を発
   生させる吸引手段から成ることを特徴とするケンスクリ
   ーニング装置。
2. 【請求項２】 前記スライバ排出口が混打綿機に向けて
   設けられており、前記吸引手段が前記パイプ中に設けた
   吸引フアンであることを特徴とする請求項１記載のケン
   スクリーニング装置。
3. 【請求項３】 前記スライバ排出口が集綿機に連結して
   設けられ、該集綿機によって吸引流が発生されることを
   特徴とする請求項１記載のケンスクリーニング装置。
4. 【請求項４】 前記パイプの吸引口の下流側の位置にバ
   ルブを設けると共に、前記ケンス搬送装置上のケンスが
   前記吸引口のほぼ直下にきた時にケンス搬送装置の運転
   を停止し、且つ前記バルブを開口して前記吸引口に吸引
   流を及ぼさせるコントロール装置を設けることを特徴と
   する請求項１記載のケンスクリーニング装置。