JPH0721663Y2 - 防火水槽の凍結防止施蓋構造 - Google Patents

防火水槽の凍結防止施蓋構造

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JPH0721663Y2
JPH0721663Y2 JP1990006611U JP661190U JPH0721663Y2 JP H0721663 Y2 JPH0721663 Y2 JP H0721663Y2 JP 1990006611 U JP1990006611 U JP 1990006611U JP 661190 U JP661190 U JP 661190U JP H0721663 Y2 JPH0721663 Y2 JP H0721663Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、凍結を原因とする開蓋困難性が解消された、
防火水槽の凍結防止施蓋構造に関するものである。
(従来の技術) 防火水槽の吸管投入口の従来における施蓋構造は、第5
図に示すごとく、該吸管投入口aに連通するごとく固定
された蓋受けリングbの開口上端部に蓋cを施蓋するご
とくなされており、該蓋受けリングbは、吸管投入口a
の周縁部dに固定される環状をなす固定部eに、環状を
なす蓋受け部fとその外周縁に周設された立上り壁gと
からなる蓋嵌込み部hを形成するとともに、前記蓋c
は、その周縁部iが蓋嵌込み部hに嵌め込まれた状態で
施蓋されるごとくなされていた。
(考案が解決しようとする課題) 寒冷地に設置される防火水槽にあっては、その施蓋部分
が、冬期においては氷点下10℃あるいはそれよりも低い
温度下にさらされることが珍しくない。防火水槽の施蓋
部分がこのような低温下にさらされると、第6図に拡大
して示すごとく、蓋受け部上面jと蓋周縁部下面kとの
当接部1及び立上り壁内周面mと蓋周縁部外周面nと
の当接部l2に介在していた水は凍結する。然して、蓋受
けリング側の当接面(前記上面j及び内周面m)又蓋側
の当接面(前記下面k及び外周面n)は、共に、鏡面と
して仕上げられてはおらず細かな凹凸のある面となって
いることから、前記当接部1,l2に介在していた水は、
対向する当接面の細かな凹凸部分oに入り込んだ状態で
凍結し(凍結部を符号pで示す)、当接部1,l2に所謂
投錨現象を生じさせることとなる。その結果、蓋cと蓋
受けリングbとは強固に一体化した状態となり、従って
蓋の取外しに際しては、蓋の周縁部分をハンマー等で何
回も叩く等して凍結部分を破壊しなければならず、蓋の
取外しに手間取る問題があった。
防火水槽は、消防自動車に対する水の供給源となるもの
であるが、前記のごとく投錨現象によって蓋の取外しに
手間取ることは、一刻を争う初期消火活動の障害とな
り、その解決は急務であった。
ところで、上述した凍結防止の一手段としては、例え
ば、実公昭58−160949号公報において提案されているも
のがある。
この考案は、マンホール蓋の受け部材の段部と蓋との間
に、凍結し難い横断面L型の弾性シート(ポリウレタン
ゴム等)を介在させ、蓋と弾性シートの間への雨水の侵
入を許す構造とし、該雨水が凍結したときには、ハンマ
ーなどで蓋を叩き、前記弾性シートの弾性変形によって
蓋を上下変位させ、以て氷を破砕して開蓋を行ない易く
するというものである。そしてこのために、前記弾性シ
ートの変位が大きくとれるように、弾性シートの下面に
突条を設けている。しかし、こうした解決手段では、次
の問題が残った。
弾性シートの下面の突条において、冬期の低温時や
夏期の高温時に、蓋上を自動車等が走行することに伴っ
て、大きなストロークの伸縮が頻繁に繰り返されること
になる。その結果、弾性シートの劣化が著しく進行し、
凍結時の氷破砕に必須となる弾性変位が長期に亘って確
実に保障できなくなる問題があった。
また、好ましい態様として挙げられているポリウレ
タンゴムでさえ、前記公報で引用されている−20℃乃至
−30℃の低温ではその物性(弾性)が著しく低下するの
で、氷破砕を弾性シートの弾性変位に依存することは確
実性を欠く。逆に夏期の高温時(少なくとも70℃〜80
℃)於いて、自動車等によに頻繁な上下変位を繰り返し
受けるとなると、さらに一層の劣化が進行することにな
り、長期間経過後に、肝心の氷破砕を行なうための弾性
を発揮できなくなる問題があった。
本考案は、このような問題点を解決可能とする防火水槽
の凍結防止施蓋構造の提供を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、本考案に係る防火水槽の凍結
防止施蓋構造(以下施蓋構造という)は、防火水槽の吸
管投入口2に連通するごとく蓋受けリング3を固定し、
該蓋受けリング3を、吸管投入口2の周縁部5に固定さ
れる環状をなす固定部6と、該固定部6に形成した蓋嵌
込み部10とから構成し、該蓋嵌込み部10を、環状をなし
且つ蓋受け部上面11を有する蓋受け部7と、その外周縁
に周設され且つ内周面12を有する立上り壁9とから形成
し、且つ前記蓋受けリング3の開口上端部に蓋4を施蓋
してなる防火水槽の凍結防止施蓋構造である。前記蓋受
けリング3と蓋4との間に、油を含浸させたガスケット
13を配置してなる。そして該ガスケット13は、前記蓋受
けリング3の蓋受け部上面11に当接する下面8と、前記
内周面12に当接する外側の周面18と、前記蓋4の周縁部
の外周面17に当接する内側の周面19と、該蓋4の周縁部
の下面15に当接する上面16とを有する横断面L状をなす
環状体に構成し、且つ、前記ガスケット13の内側の周面
19に油が塗布状態で付着せしめてなることを特徴とする
ものである。
前記施蓋構造において、ガスケット13をフェルトで構成
し、且つガスケットにグリースを含浸させるのがよい。
(作用) 然して本考案によれば、ガスケット13を、油を含浸させ
た物で構成し、且つ、これを蓋4と蓋受けリング3と適
合する構造としたため、ガスケット13自体の凍結を防止
しながら蓋4と蓋受けリング3との間への雨水の侵入を
防止し、さらにガスケット13の内側の周面19に油が塗布
状態で付着せしめられているため、この雨水の侵入を一
層確実に阻止し、以て、蓋と蓋受けリング3と間で氷結
しないようにすることができ、投錨現象の発生を無くし
て開蓋を容易になしうるのである。
(実施例) 本考案の好ましい実施例を図面に基づいて説明すれば以
下のごとくである。
第1〜4図において本考案に係る施蓋構造は、防火水槽
1の吸管投入口2に連通するごとく固定された蓋受けリ
ング3の開口上端部に蓋4を施蓋してなるものである。
該蓋受けリング3は、吸管投入口2の周縁部5にボルト
固定される環状をなす固定部6を具え、該固定部6に
は、環状をなす蓋受け部7とその外周縁に周設された立
上り壁9とからなる蓋嵌込み部10を一体に形成してな
る。そして該蓋嵌込み部10には、蓋受け部上面11に当接
する下面8と、立上り壁9の内周面12に当接する外側の
周面18を有する横断面L字状をなす例えばフエルト等を
素材として形成された環状をなし、グリース等の凍結し
にくい油が含浸されてなり、更に内側の周面19にも、グ
リース等の凍結しにくい油が塗布状態に付着せしめられ
てなるガスケット13が取付けられている。
そして前記蓋4は、その周縁部14の下面15において環状
をなすガスケット13の上面16に載設されかつ周縁部14の
外周面17がガスケット13の内側の周面19と略接触した状
態で蓋受けリング3の開口上端部に施蓋されるごとくな
されている。
(考案の効果) 本考案は、蓋受けリングと蓋との間に、油を含浸させた
ガスケットを介在させ、且つこのガスケットの内側の周
面に油が塗布状態で付着せしめられているため、防火水
槽における吸管投入口の施蓋部分が低温下にさらされた
としても、投錨現象を確実に防止できる。
然して、弾性シートの弾性変位を利用する前記従来の施
蓋構造によるときは、常時変形を繰り返すことによる弾
性の劣化進行によって氷破砕が出来難くなり、開蓋が困
難になる問題があったのであるが、ガスケットの弾性変
位を利用するものではない本考案によるときは、このよ
うな問題が見事に解決されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の施蓋構造を示す斜視図、第2図は蓋の
一部を欠切して示す施蓋構造の斜視図、第3図はその断
面図、第4図はその部分拡大断面図、第5図は従来の施
蓋構造を説明する断面図、第6図は投錨現象を説明する
断面図である。 1……防火水槽、2……吸管投入口、3……蓋受けリン
グ、4……蓋、6……固定部、7……蓋受け部、8……
ガスケットの下面、9……立上り壁、10……蓋嵌込み
部、11……蓋受け部上面、12……立上り壁の内周面、13
……ガスケット、14……蓋の周縁部、15……蓋周縁部の
下面、16……ガスケットの上面、17……蓋周縁部の外周
面、18……ガスケットの外側の周面、19……ガスケット
の内側の周面。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】防火水槽の吸管投入口2に連通するごとく
    蓋受けリング3を固定し、該蓋受けリング3を、吸管投
    入口2の周縁部5に固定される環状をなす固定部6と、
    該固定部6に形成した蓋嵌込み部10とから構成し、該蓋
    嵌込み部10を、環状をなし且つ蓋受け部上面11を有する
    蓋受け部7と、その外周縁に周設され且つ内周面12を有
    する立上り壁9とから形成し、且つ前記蓋受けリング3
    の開口上端部に蓋4を施蓋してなる防火水槽の凍結防止
    施蓋構造であって、 前記蓋受けリング3と蓋4との間に、油脂を含浸させた
    ガスケット13を配置し、該ガスケット13を、前記蓋受け
    リング3の蓋受け部上面11に当接する下面8と、前記内
    周面12に当接する外側の周面18と、前記蓋4の周縁部の
    外周面17に当接する内側の周面19と、該蓋4の周縁部の
    下面15に当接する上面16とを有する横断面L状をなす環
    状体に形成し、 且つ、前記ガスケット13の内側の周面19に油が塗布状態
    で付着せしめられていることを特徴とする防火水槽の凍
    結防止施蓋構造。
  2. 【請求項2】ガスケット13がフェルトで構成され、且つ
    ガスケットに含浸された油がグリースであることを特徴
    とする請求項1記載の防火水槽の凍結防止施蓋構造。
JP1990006611U 1990-01-26 1990-01-26 防火水槽の凍結防止施蓋構造 Expired - Fee Related JPH0721663Y2 (ja)

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