JPH0721659Y2 - ゲート取付ポンプにおける吸込用ピット装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はゲート取付ポンプ（商標名ゲートポンプ）におけ
る吸込用ピット装置に関するものである。

「従来の技術」 ゲートとポンプを一体化した構造の排水システムにおい
て、一般的な取付方法では、運転下限水位は次のような
条件で制限を受ける。

（１）通常ポンプは、流水量を確保するため吸引口の下
方向すきまを口径（Ｄ）と同程度のすきまを設ける。

（２）ポンプの運転水位は、渦発生、空気の巻込みによ
る振動、騒音、性能の低下を防ぐため、ポンプ吸込口か
ら上方向にポンプ口径（Ｄ）の２倍程度の位置以上に設
定される（第１図、第３図、第４図、第５図）。

つまり上記ポンプの運転下限水位は、計画排水量等から
選定されるポンプの口径によって決定づけられる。

計画排水量から選定された上記ポンプの設置計画を行う
にあたって、設置される場所の水位条件等により、ポン
プの運転水位（3D）深さが確保できない場合がある。そ
の場合の対策として、現在次のような設置方法で行って
いる。

ポンプを小型分割し、運転下限水位（3D）を下げ
る。

ポンプ吸込口付近を掘下げる。

ポンプ吸込口付近から吐出樋管底（水路床）全体を
掘下げる。

第３図に運転水位（3D）が確保できる場合の標準設置図
を示し、第４図に運転水位が3D以下（ここでは2Dとす
る）しかとれない場合の対策の設置図及び第５図に上
記対策の設置図を示す。

しかし、前述のような各対策には以下のような問題が生
じてくる。

のポンプを小型分割する方法は、設備の占める面積が
広くなる。

の部分的な堀下げでは、凹地に土砂や塵が堆積し易く
なり常にそれらを除去しなければならない。

の吐出樋管全体の堀下げという大がかりな方法になる
と、それにかかる土木工事の費用の面を考慮すれば不経
済なものとなる。

「考案が解決しようとする課題」 本案は上記ポンプの吸込口付近を堀下げてピットを形成
して充分な運転水位を確保し、かつピット内への土砂、
塵等の堆積を防止し得てゲートポンプ（商標名）による
排水システムを円滑に行うことを目的とする。

「課題を解決するための手段」 上記の目的を達成するため本案は 水路に昇降摺動開閉扉が設けられ、該開閉扉の一側にポ
ンプが設けられ、該ポンプの吸込口が下向に開口され、
吐出口が該開閉扉の他側に開口されてなるゲート取付ポ
ンプにおいて、上記吸込口に対向するピットを水路床に
凹設し、該ピットの上面をカバーにより閉鎖可能に形成
し、上記開閉扉及びポンプの下降に応じて上記上面のカ
バーをピット内に下降し、上昇に応じて該カバーを上記
ピットの上面に上昇させる連動装置を備えてなるゲート
取付ポンプにおける吸込用ピット装置によって構成す
る。

「作用」 従って上記開閉扉４を下降させて水路７を閉じると、そ
れに伴って一側のポンプ５も第１図に示す位置に下降
し、該下降に連動してピット２の上面カバー３が第１図
仮想線位置から実線位置に又は第２図実線位置から仮想
線位置に下降しポンプ５の下向の吸込口１の直下に該吸
込口１の径Ｄに相当する吸込空間ｓを生じさせる。又開
閉扉４を上昇させて水路７を開くとポンプ５も上昇し、
上昇動作に連動して上面カバー３は第１図仮想線位置又
は第２図実線位置に上昇してピット２の上面を塞ぎ該カ
バー３の上面と水路床８とを同一平面内に保持するもの
である。

「実施例」 吐出樋管又は暗渠による水路７に昇降摺動開閉扉４を設
けて該水路７を開閉するものであって、該開閉扉４の一
側に水中ポンプ５を設け、該ポンプ５の吸込口１は下向
に開口される。そして吐出口９は該扉４の他側に開口
し、これによってゲート取付ポンプが形成される。この
開閉扉４を閉じ、ポンプ５を動作させることによってポ
ンプ５側の水10を該扉４の他扉に吐出することができ
る。水路床８には上記吸込口１に対向するピット２を凹
設し、該ピット２には上面閉鎖カバー３をピット２内に
昇降可能に支持するもので、第１図に示すように該カバ
ー３は交差腕11、11をシリンダー12で支持してリフト装
置を形成し、シリンダー12を伸縮させて交差腕11、11を
動作させることにより該カバー３を昇降させることがで
きる。シリンダー12の伸縮動作は上記扉４の昇降によっ
て動作するリミットスイッチによって切換弁を動作し、
それによって開閉扉４の下降時に該シリンダー12を収縮
し上記カバー３を第１図実線位置に下降させ、吸込口１
とカバー３との間に吸込空間ｓを形成する。開閉扉４の
上昇時には該シリンダー12を伸長して該カバー３を第１
図仮想線位置に上昇停止させることができ、これにより
動力連動装置６を形成する。又第２図に示すように上面
カバー３をフロート13によってピット２の上面に浮上さ
せ、ポンプ５の吸込口１に設けた下向腕14の下端ローラ
15によって該フロート13及び上記カバー３を第２図実線
位置から仮想線位置に下降させ、ポンプ５の上昇に伴う
下向腕14の上昇により上記カバー３を元の実線位置に上
昇させてストッパー16で停止させることができ、これに
より無動力連動装置６が形成される。尚図中17で示すも
のは吐出口９に設けた逆止弁、18は開閉扉４の昇降杆、
第４図中19は堆積物、第５図中20は水路床８の掘下げ部
である。

「考案の効果」 本案は上述のように構成したので上記ゲート取付ポンプ
において、ポンプ５を比較的大形に形成し得るばかりで
なく、上記扉４が下降（閉鎖）した状態において吸込口
１の直下に充分な吸込空間ｓがピット２内に自動的に形
成され、該扉４の上昇（開放）に際しては該ピット２の
上面が閉鎖されてピット２内への堆積を防止し得る便益
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案のゲート取付ポンプにおける吸込用ピット
装置を示す側面図、第２図は該装置の他の実施例の側面
図、第３図はピットのない状態の側面図、第４図はピッ
ト内堆積状態の側面図、第５図は水路床掘下げ部の側面
図である。 １……吸込口、２……ピット、３……上面カバー、４…
…昇降摺動開閉扉、５……ポンプ、６……連動装置、７
……水路、８……水路床。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水路に昇降摺動開閉扉が設けられ、該開閉
   扉の一側にポンプが設けられ、該ポンプの吸込口が下向
   に開口され、吐出口が該開閉扉の他側に開口されてなる
   ゲート取付ポンプにおいて、上記吸込口に対向するピッ
   トを水路床に凹設し、該ピットの上面をカバーにより閉
   鎖可能に形成し、上記開閉扉及びポンプの下降に応じて
   上記上面のカバーをピット内に下降し、上昇に応じて該
   カバーを上記ピットの上面に上昇させる連動装置を備え
   てなるゲート取付ポンプにおける吸込用ピット装置。