JPH07216591A - 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法 - Google Patents

耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法

Info

Publication number
JPH07216591A
JPH07216591A JP951294A JP951294A JPH07216591A JP H07216591 A JPH07216591 A JP H07216591A JP 951294 A JP951294 A JP 951294A JP 951294 A JP951294 A JP 951294A JP H07216591 A JPH07216591 A JP H07216591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
weight
corrosion resistance
ferritic stainless
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP951294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Uematsu
美博 植松
Takeshi Utsunomiya
武志 宇都宮
Kazu Shiroyama
和 白山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP951294A priority Critical patent/JPH07216591A/ja
Publication of JPH07216591A publication Critical patent/JPH07216591A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光輝焼鈍されたステンレス鋼の表面にある不
動態皮膜をリン酸溶液中での陽極電解によって強化し、
耐食性を向上させる。 【構成】 このフェライト系ステンレス鋼は、Cr:1
6〜35重量%及びNb:0.1〜1.0重量%を含む
フェライト系ステンレス鋼を基材とし、金属Nbに比較
してNb酸化物を多量に含む不動態皮膜が表面に形成さ
れている。不動態皮膜は、光輝焼鈍したステンレス鋼を
陽極としてリン酸溶液中で電解することにより形成され
る。 【効果】 改質された不動態皮膜は、腐食の起点となる
欠陥部がなく、ステンレス鋼の耐孔食性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性を改善したフェ
ライト系ステンレス鋼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は、代表的な耐食材料とし
て各種建築用資材,構造材等に使用されている。なかで
も、フェライト系ステンレス鋼は、高価なニッケルを含
まず、溶接にも問題がないことから、安価な耐食材料と
して汎用されている。しかし、フェライト系ステンレス
鋼の代表鋼種であるSUS430を例にとると、腐食環
境の緩やかな田園地帯においても短期間で赤銹を発生す
ることにみられるように耐食性,耐候性が十分でない。
更に、溶接時の加熱,冷却によって粒界腐食が発生し易
い欠点もある。
【0003】耐候性を改善するには、Cr量の増加やM
oの添加等が有効である。CrやMoの増加に伴った靭
性の低下は、C及びNを低減させることで改善してい
る。C,Nの低減は、耐粒界腐食性改善にも有効であ
る。しかし、C,Nの低減にも自ら限界があり、現在、
工業的に到達し得るC,N量レベルでは、粒界腐食感受
性を完全に無くすことはできない。そこで、C,Nを固
定し得るTi又はNb等の安定化元素を単独或いは複合
で添加することにより、粒界腐食に及ぼすC,Nの悪影
響を解消している。これらの技術的背景をもとにして、
たとえば低炭素・低窒素30Cr−2.0Mo−Nb鋼
のように、耐候性に優れた含Mo高Cr鋼が開発されて
いる。しかし、海岸地帯,海上等の塩素イオンを含む腐
食環境に曝されると、温度,湿度等の気象条件によって
は短期間に赤銹を発生することがある。
【0004】赤銹発生は、不動態皮膜の一部が塩素イオ
ンで破壊され、ステンレス鋼成分が溶解し、Feの腐食
生成物が形成されることに起因する。ステンレス鋼の表
面は、通常赤銹等の発銹を抑制する不動態皮膜で覆われ
ているが、海岸地帯や海上では不動態皮膜が破壊される
と、その再生を妨げる作用をもつ塩素イオンを含んだ海
塩粒子の飛来により腐食が進行する。光輝焼鈍等を施し
たものにあっても、加工時に発生した疵等の欠陥が表層
部に存在すると、欠陥部を介して基地が雰囲気に曝され
る。雰囲気に塩素イオン等の腐食性物質が含まれている
と、欠陥部を起点として腐食が進行する。その結果、耐
候性が低下し、早期に赤錆が発生することがある。この
点、特公昭61−2760号公報では、不動態化作用を
強めるため、酸化性の硝酸浴中でステンレス鋼を陽極電
解している。また、特公昭60−43917号公報で
は、光輝焼鈍時にステンレス鋼表面に形成された不動態
皮膜を電解質水溶液中での陽極電解により除去した後、
酸化性の酸浴にステンレス鋼を浸漬することにより、新
たな不動態皮膜を形成する方法を紹介している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、硝酸浴中での
陽極電解をNb含有ステンレス鋼に適用すると、耐食性
向上効果がみられない。また、電解→浸漬の2工程を組
み合わせた方法は、工程数が増加することは勿論、浸漬
工程のために長い浸漬槽を配置する必要がある。その結
果、生産性が低下し、製造コストの上昇を招く。更に
は、硝酸系の電解浴を使用するとき、有害なNOx が発
生する欠点がある。本発明は、このような問題を解消す
べく案出されたものであり、リン酸溶液中での陽極処理
によって不動態皮膜を強化し、塩素イオンを含む腐食環
境においても優れた耐食性を呈するNb含有フェライト
系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフェライト系ス
テンレス鋼は、その目的を達成するため、Cr:16〜
35重量%及びNb:0.1〜1.0重量%を含むフェ
ライト系ステンレス鋼を基材とし、金属Nbに比較して
Nb酸化物を多量に含む皮膜が前記基材の表面に形成さ
れている。このフェライト系ステンレス鋼は、Cr:1
6〜35重量%及びNb:0.1〜1.0重量%を含む
フェライト系ステンレス鋼を光輝焼鈍した後、リン酸溶
液中で陽極電解することにより製造される。陽極電解に
先立って、光輝焼鈍後のステンレス鋼を交番電流で電解
処理しても良い。
【0007】
【作用】本発明者等は、フェライト系ステンレス鋼の表
面に形成される不動態皮膜と耐食性,耐候性との関係を
種々の観点から調査・研究した。その結果、Nbを含む
フェライト系ステンレス鋼を光輝焼鈍することによって
生成した不動態皮膜をリン酸溶液中で陽極処理すると
き、不動態皮膜が強化され、耐孔食性等の耐食性が著し
く向上する現象を見い出した。リン酸溶液中での陽極電
解が不動態皮膜を強化するメカニズムは明らかでない。
しかし、陽極電解前後のステンレス鋼表面を分析した結
果、電解処理前の不動態皮膜に金属Nbが多く含まれて
いたのに対し、電解処理後の不動態皮膜では金属Nbが
大幅に減少し、ほとんど酸化物の状態でNbが存在して
いることを知見した。また、Nbを含んでいないステン
レス鋼を同様に陽極電解したものでは、耐孔食性が著し
く向上する現象が観察されなかった。このことから、金
属状態で存在していたNbが陽極電解によって大幅に減
少する挙動が耐食性の向上に寄与しているものと推察さ
れる。
【0008】基材となるフェライト系ステンレス鋼とし
ては、たとえばC:0.05重量%以下,N:0.05
重量%以下,Si:1.0重量%以下,Mn:1.0重
量%以下,P:0.04重量%以下,S:0.03重量
%以下,Ni:1.0重量%以下,Cr:16〜35重
量%,Mo:0〜8重量%以下及びNb:0.1〜1.
0重量%を含むステンレス鋼が使用される。なかでも、
比較的多量のCr及びMoを含む系は、自己修復作用の
強い不動態皮膜を形成する上で有効である。このフェラ
イト系ステンレス鋼は、更にTi,Al,Cu及びZr
の1種又は2種以上を任意成分として含むことができ
る。以下、使用されるフェライト系ステンレス鋼に含ま
れる合金成分及び含有量を説明する。
【0009】C,N:それぞれ0.05重量%以下 何れも、ステンレス鋼に不可避的に含まれる元素であ
る。C,N含有量を低減すると軟質になり、加工性が向
上すると共に炭化物の生成が少なくなる。また、C,N
含有量の低減に伴って、溶接性及び溶接部の耐食性も向
上する。そこで、C及びN含有量の上限を、共に0.0
5重量%に規定する。 Si:1.0重量% 溶接部の高温割れや溶接部靭性に対し有害な元素であ
る。また、ステンレス鋼を硬質にするので、Si含有量
は低い方が好ましい。そこで、Si含有量の上限を1.
0重量%に規定する。 Mn:1.0重量%以下 ステンレス鋼中に微量に存在するSと結合して可溶性硫
化物MnSを形成することにより、耐候性を低下させる
有害な元素である。そこで、Mn含有量の上限を1.0
重量%に規定する。
【0010】P:0.04重量%以下 母材及び溶接部靭性を損なうので、P含有量は低い方が
望ましい。しかし、ステンレス鋼等の含Cr鋼を脱Pす
ることは困難であり、且つP含有量を極度に低下させる
ことは製造コストの上昇を招く。したがって、P含有量
の上限を0.04重量%に規定する。 S:0.03重量%以下 耐候性及び溶接部の高温割れに悪影響を及ぼす有害な元
素であるため、S含有量は低い方が好ましい。そこで、
S含有量の上限を0.03重量%に規定する。 Ni:1.0重量%以下 フェライト系ステンレス鋼の靭性改善に有効な合金元素
である。しかし、多量のNi含有は、コスト高の原因と
なる。本発明においては、通常のフェライト系ステンレ
ス鋼で不可避的不純物として混入される1.0重量%に
Ni含有量の上限を定めた。
【0011】Cr:16〜35重量% ステンレス鋼の耐食性を高める主要元素であり、耐候
性,耐孔食性,耐隙間腐食性及び一般耐食性を著しく向
上させる。耐食性改善に与えるCrの作用は、16重量
%未満では不十分である。しかし、Cr含有量が35重
量%を超えると、著しい脆化が生じ、薄板製造,製品加
工等の際に困難を伴う。そのため、Cr含有量を16〜
35重量%の範囲に定める。 Mo:0〜8重量% Crと共に耐候性を高める有効な合金元素であり、その
効果はCr量が増すにつれて大きくなる。Moは、腐食
の起点となる不動態皮膜中の活性な欠陥部を補完し、腐
食の発生を抑制する。また、カソード反応を抑制する作
用があり、仮に腐食が発生した場合でも、腐食の進行が
抑えられる。このようなMoの作用は、含有量1重量%
以上で顕著となる。前掲したCr量レベルにおいては、
8%を超えてMoを添加すると延性の低下を招き加工上
困難を伴う。ただし、Moを含まないステンレス鋼であ
っても、陽極処理により不動態皮膜が同様に強化され、
耐食性が改善される。
【0012】Nb:0.1〜1.0重量% 本発明で規定したC量レベルのフェライト系ステンレス
鋼において粒界腐食を防止する。また、陽極処理後の不
動態皮膜を強化し、耐食性を向上させる。このような作
用を得るため、0.1重量%以上のNb含有量が必要で
ある。しかし、過剰のNb添加によって溶接部靭性を阻
害するので、Nb含有量の上限を1.0重量%に規定す
る。 Ti:0.05〜0.3重量% 不動態皮膜を強固にし、比較的低いCr量及びMo量の
組成であっても優れた耐食性及び耐候性が得られる。ま
た、Ti添加は、粒界腐食を抑制し、C,Nを固定する
作用も呈する。このような効果を得るためには、0.0
5重量%以上のTiを含有することが必要である。しか
し、0.3重量%を超えてTiを含有させると、素材の
表面品質を劣化させ、局部的な腐食を強める傾向がみら
れる。
【0013】Al:0.01〜0.5重量% 脱酸剤として添加される成分であるが、不動態皮膜を緻
密化する作用も呈する。このような作用は、0.01重
量%以上のAl含有量で顕著となる。しかし、0.5重
量%を超えてAlを添加すると、素材の表面品質の劣化
を招き、且つ溶接性が悪化する。 Cu:0.1〜1.0重量%,Zr:0.05〜0.3
重量% 任意成分として添加されるCu及びZrは、共に耐候性
改善に有効な合金元素である、このような効果を得るた
めには、0.1重量%未満のCu含有量又は0.05重
量%未満のZr含有量では不十分である。しかし、多す
ぎると溶接部靭性が阻害される。したがって、CuやZ
rを含有させる場合、Cu含有量の上限を1.0重量%
に、Zr含有量の上限を0.3重量%にそれぞれ設定す
る。
【0014】光輝焼鈍:光輝焼鈍の雰囲気には、酸化ス
ケールが発生しない水素ガス又は水素ガスと非酸化性ガ
スとの混合ガスが使用される。焼鈍に際しては、テンパ
ーの発生を抑制するため、雰囲気の露点を−35℃以下
にすることが好ましい。焼鈍温度は、冷延したステンレ
ス鋼を再結晶させることから、900〜1100℃の範
囲に維持することが好ましい。
【0015】陽極電解:リン酸を使用した陽極電解によ
って、金属Nbが大幅に減少した不動態皮膜がステンレ
ス鋼の表面に形成され、耐食性が向上する。このような
効果は、リン酸濃度2重量%以上で顕著になる。しか
し、30重量%を超えてリン酸濃度を高くしても、濃度
上昇に見合った耐食性向上効果は得られない。常温の陽
極電解によっても耐食性が向上するが、温度を上げるほ
ど陽極電解の作業能率が改善される。電解条件として
は、たとえば電流密度0.5〜20A/dm2 及び電解
時間10〜150秒が採用される。0.5A/dm2
満の電流密度或いは10秒に満たない電解時間では、不
動態皮膜の成長が不十分で、耐食性向上効果が発現しな
い。逆に、20A/dm2 を超える電流密度或いは15
0秒を超える電解時間では、肌荒れが発生し、陽極電解
されたステンレス鋼の表面性状が劣化する。
【0016】
【実施例】本実施例では、C:0.024重量%,S
i:0.56重量%,Mn:0.13重量%,P:0.
024重量%,S:0.006重量%,Ni:0.30
重量%,Cr:19.23重量%,Mo:0.05重量
%,Nb:0.50重量%,Al:0.010重量%,
Cu:0.47重量%,N:0.020重量%を含み、
残部がFe及び不可避的不純物からなる組成をもつステ
ンレス鋼を、板厚1mmにした冷延鋼帯を使用した。7
5%H2 −25%N2 混合ガスの雰囲気に維持された焼
鈍炉に鋼帯を通板し、1000℃に80秒間加熱する焼
鈍を施した。焼鈍後の鋼帯表面は、極めて薄い不動態皮
膜で覆われていた。次いで、室温の電解液に試験片を浸
漬し、試験片を陽極又は陰極として電流密度5A/dm
2 で20秒間通電し、陽極処理及び陰極処理を施した。
表1は、このときに使用した電解液の組成及び試験片の
極性を示す。
【0017】
【表1】
【0018】電解処理後の鋼帯から試験片を切り出し、
JIS G0577に準拠して孔食電位を測定した。試
験液には、Arで脱気した浴温30℃の3.5%NaC
l水溶液を使用した。孔食電位は、掃引速度20mV/
分の動電位法で測定した。測定結果を示す図1から明ら
かなように、同じ鋼種であっても電解処理条件の如何に
応じて孔食電位が大きく異なっていることが判る。なか
でも、電解処理Aを施した試験片2は、著しく高い孔食
電位を示した。光輝焼鈍材を研磨した後で電解処理Aを
施した試験片6は、孔食電位が低くなっている。このこ
とから、電解処理Aは、光輝焼鈍材に施した場合にのみ
有効であることが判る。本発明者等は、孔食電位の上昇
が不動態皮膜の改善に起因しているものと推定し、XP
S(光電子分光法)により試験片の最表面を分析した。
その結果、試験片表面に形成されている不動態皮膜に含
まれている元素のうち、Nbの状態が電解処理Aの前後
で大きく変わっていることを見い出した。
【0019】光輝焼鈍されたままの試験片1では、図2
(a)に示すように、金属Nb及びNb25 のピーク
がみられる。これは、Nbが金属状態で不動態皮膜に含
まれていることを示す。他方、電解処理Aを施した試験
片2では、図2(b)に示すように、金属Nbのピーク
が低下し、Nb25 を主とするピークに変化してい
た。このことから、不動態皮膜に含まれていた金属Nb
は、電解処理Aによってほとんど存在しなくなっている
ことが判る。不動態皮膜に含まれている各元素の皮膜厚
み方向に関する分布を調査した。調査結果を示す図3か
ら明らかなように、電解処理Aを施した試験片2(図3
b)では、光輝焼鈍したままの試験片(図3a)に比較
して、最表面から基地に向かって増加するFe濃度の勾
配が小さくなっていた。また、O濃度が高い表面層が深
くなっていた。このことは、腐食の起点となり易いFe
が電解処理Aによって優先的に溶出し、不動態皮膜中の
金属元素が酸化されていることを示す。すなわち、不動
態皮膜は、電解処理Aで強化されている。
【0020】次いで、試験片1及び2について、塩付着
量が0.5mg/cm2 となるように人工海水を噴霧し
た後、温度30℃及び相対湿度50%の条件下で2日間
保持する腐食試験を行った。そして、試験片表面に発生
した赤錆の程度を、JISH8502に規定されている
レイティング・ナンバー(R.N)で評価した。光輝焼
鈍まま材である試験片1では、顕著な発銹が観察され、
R.Nは5であった。これに対し、光輝焼鈍材に電解処
理Aを施した試験片2では、R.N=9.0と発銹が抑
制されていた。この対比から明らかなように、光輝焼鈍
したステンレス鋼を陽極としてリン酸溶液浴中で電解処
理するとき、耐食性が著しく向上することが確認され
た。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、Nb含有フェライト系ステンレス鋼の表面に形成さ
れている不動態皮膜をリン酸溶液中での陽極電解の一工
程によって強化している。陽極電解後の不動態皮膜は、
金属成分が十分に酸化され、欠陥のない安定した皮膜と
なる。不動態皮膜が改質されたステンレス鋼は、極めて
高い孔食電位を呈し、塩素イオン等の腐食性物質を含む
環境にあっても優れた耐候性及び耐孔食性を示すため、
屋根材,外装材,貯湯槽等の屋外タンク等の外装構造材
料として広範な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光輝焼鈍されたステンレス鋼の孔食電位に処
理の相違が与える影響を示したグラフ
【図2】 光輝焼鈍ままのステンレス鋼表面にある不動
態皮膜最表面の分析結果(a)及びリン酸溶液中で陽極
電解した後の不動態皮膜最表面の分析結果(b)
【図3】 光輝焼鈍ままステンレス鋼表面にある不動態
皮膜に含まれているFe及びOの皮膜厚み方向に関する
分布(a)及びリン酸溶液中で陽極電解した後の不動態
皮膜に含まれているFe及びOの皮膜厚み方向に関する
分布(b)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:16〜35重量%及びNb:0.
    1〜1.0重量%を含むフェライト系ステンレス鋼を基
    材とし、金属Nbに比較してNb酸化物を多量に含む皮
    膜が前記基材の表面に形成されている耐食性を改善した
    フェライト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 Cr:16〜35重量%及びNb:0.
    1〜1.0重量%を含むフェライト系ステンレス鋼を光
    輝焼鈍した後、リン酸溶液中で陽極電解することを特徴
    とする耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼の製
    造方法。
JP951294A 1994-01-31 1994-01-31 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法 Withdrawn JPH07216591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP951294A JPH07216591A (ja) 1994-01-31 1994-01-31 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP951294A JPH07216591A (ja) 1994-01-31 1994-01-31 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07216591A true JPH07216591A (ja) 1995-08-15

Family

ID=11722309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP951294A Withdrawn JPH07216591A (ja) 1994-01-31 1994-01-31 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07216591A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6547927B1 (ja) * 2018-02-14 2019-07-24 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼
WO2019159606A1 (ja) * 2018-02-14 2019-08-22 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6547927B1 (ja) * 2018-02-14 2019-07-24 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼
WO2019159606A1 (ja) * 2018-02-14 2019-08-22 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス鋼
CN111727268A (zh) * 2018-02-14 2020-09-29 杰富意钢铁株式会社 铁素体类不锈钢
EP3733910A4 (en) * 2018-02-14 2020-11-04 JFE Steel Corporation FERRITIC STAINLESS STEEL
CN111727268B (zh) * 2018-02-14 2022-06-07 杰富意钢铁株式会社 铁素体类不锈钢

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2123470C (en) Ferritic stainless steel exhibiting excellent atmospheric corrosion resistance and crevice corrosion resistance
EP0411061B1 (en) Fe-Mn-Al-C ALLOYS AND THEIR TREATMENT
TWI653346B (zh) 黑色肥粒鐵系不銹鋼板
JP5962541B2 (ja) 高強度鋼板の製造方法
WO2019058409A1 (ja) ステンレス鋼板及びその製造方法、固体高分子型燃料電池用セパレータ、固体高分子型燃料電池セル、並びに固体高分子型燃料電池
US20130327452A1 (en) High strength steel sheet and method for manufacturing the same
JP7427669B2 (ja) 耐食性が向上したフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
US9598743B2 (en) High strength steel sheet and method for manufacturing the same
JP3263426B2 (ja) 耐候性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP6547011B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP7210516B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法
JP5018257B2 (ja) 研磨性および耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
EP0603402A1 (en) High-chromium and high-phosphorus ferritic stainless steel excellent in weatherproofness and rustproofness
JP2021075758A (ja) 耐食性に優れたFe−Ni−Cr−Mo−Cu合金
JPH07216591A (ja) 耐食性を改善したフェライト系ステンレス鋼及び製造方法
US6334913B1 (en) Corrosion-resistant titanium alloy
JP3286400B2 (ja) 高耐食性フェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JPH08134596A (ja) 耐応力腐食割れ特性に優れた高強度ステンレス鋼板
JP3286401B2 (ja) 耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法
JPH0635615B2 (ja) 溶接部の耐食性にすぐれたフエライト系ステンレス鋼材の製法
JPH07216592A (ja) 耐食性及び防眩性に優れたフェライト系ステンレス鋼の製造方法
JP3373592B2 (ja) 防眩性に優れた高耐食性フェライト系ステンレス鋼
JP7482666B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼の製造方法
JPH0774384B2 (ja) 耐食性、加工成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法
CN114901851B (zh) 奥氏体系不锈钢板及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010403