JPH07216150A - 疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法

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JPH07216150A
JPH07216150A JP2726594A JP2726594A JPH07216150A JP H07216150 A JPH07216150 A JP H07216150A JP 2726594 A JP2726594 A JP 2726594A JP 2726594 A JP2726594 A JP 2726594A JP H07216150 A JPH07216150 A JP H07216150A
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water
weight
absorbent resin
ethylene
parts
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JP2726594A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Suetsugu
正克 末次
Toshikazu Nakazato
敏和 中里
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(a)ポリエチレン系重合体、(b)エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体、及び(c)吸水性樹脂
を含有する吸水性樹脂組成物を樹脂温度70℃以上12
0℃未満で混練することを特徴とする疎水化吸水性樹脂
組成物の製造方法。 【効果】 本発明による疎水化吸水性樹脂組成物は、そ
のままでは吸水性を有しないため特別な防湿対策を施さ
なくても輸送中又は保存中に品質が低下することがな
い。最終製品の製造あるいはその直前にしかるべき温度
で溶融混練をするだけで吸水力を発揮させることがで
き、例えば、押出成形品の場合には本来の成形操作が吸
水力発現操作となるので取扱い上好都合である。また、
樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を用いることによ
り加硫工程が不要となる等工程管理が簡素化され、生産
効率も改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水材・止水材の製造
に好適な疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明による疎水化吸水性樹脂組成物を再混練した樹脂
組成物は、例えば、シールド工法におけるコンクリート
セグメント間のパッキング、上下水道管及び地下埋設ケ
ーブルの継手やシール材、ドリップシートや結露防止シ
ート、建材としての止水板、各種工業用パッキングや自
動車用パッキング等の止水材の製造、農林や園芸の保水
材等の吸水材の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術及びその課題】吸水性樹脂組成物として
は、従来、ポリアクリル酸塩の架橋物、デンプン−ポリ
アクリル酸塩系樹脂、ビニルアルコール共重合体あるい
は無水マレイン酸共重合体と塩基性物質との反応生成物
を架橋した樹脂などの高吸水性樹脂などを、ジエン系ゴ
ムなどに配合し加硫した水膨脹性組成物が広く用いられ
ている(特開昭57-108143 号,同57-135160 号等)。ま
た、熱可塑性樹脂に高吸水性樹脂を含有させた吸水性樹
脂組成物も提案されており、例えば、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体またはポリブタジエン中に細かく分割した
吸水ポリマーを配合したもの(特開昭55-3424 号公
報)、塩素化ポリエチレンとポリイソブチレンとの組成
物に高吸水性樹脂を混合したもの(特開昭62-106879 号
公報)、さらに、本発明者らの出願にかかるポリエチレ
ン系重合体とエチレン−プロピレン−ジエン共重合体、
水添ジエン系共重合体及び吸水性樹脂を含有する吸水性
樹脂組成物(特願平4-250666号公報)等がある。
【0003】これらの吸水体樹脂組成物は、原料混合物
を混練して例えばシート状に成形した中間成形体のかた
ちで輸送・保存されるが、中間成形体も当然に吸湿・吸
水性を有するため、物流過程での品質変化を防止するに
は防湿用のアルミラミネート袋での出荷や恒湿倉庫での
保存等が必要である。
【0004】
【解決しようとする課題】このように、従来の吸水性樹
脂組成物では、製品の物流過程での吸湿防止にコストが
かかるという問題があった。本発明はこうした問題点を
解消して、効率的な生産を可能とし、かつ特別な防湿対
策を必要としない疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、吸水性樹脂組成物の吸水性を決定する
要因について検討した結果、ある種の吸水性樹脂組成物
では、原料混合物を組成物に練り上げるための混練時の
樹脂温度を比較的低温の特定樹脂温度とすることによ
り、吸水性が発現しない疎水化吸水性樹脂組成物が得ら
れること、及び吸水性の発現の見られないこのような樹
脂組成物を特定の温度条件で再び混練すれば吸水性樹脂
としての機能が十分発揮されることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は以下の疎水化吸水性樹
脂組成物の製造方法を提供する。 (1)(a)ポリエチレン系重合体、(b)エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体、及び(c)吸水性樹脂を
含有する吸水性樹脂組成物を樹脂温度70℃以上120
℃未満で混練することを特徴とする疎水化吸水性樹脂組
成物の製造方法。 (2)(a)ポリエチレン系重合体15〜55重量%と
(b)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体85〜4
5重量%からなる成分100重量部に対して、(c)吸
水性樹脂5〜95重量部を配合してなる混合物を樹脂温
度70℃以上120℃未満で混練することを特徴とする
前記(1)に記載の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方
法。 (3)(c)吸水性樹脂がポリアクリル酸塩系樹脂を主
成分とするものからなる前記(1)または(2)に記載
の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法。 (4)(a)ポリエチレン系重合体と(b)エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体の合計100重量部に対し
て、(d)水添ジエン系共重合体10〜100重量部を
配合してなる前記(1)または(2)に記載の疎水化吸
水性樹脂組成物の製造方法。 (5)(a)ポリエチレン系重合体と(b)エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体の合計100重量部に対し
て、(e)軟化剤2〜50重量部、(f)可塑剤2〜5
0重量部及び(g)無機フィラー1〜25重量部を含む
ことを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記
載の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法。
【0007】本発明の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方
法で用いる(a)ポリエチレン系重合体としては、エチ
レンの単独重合体、エチレンと炭素原子数4〜20程度
のα−オレフィンを20モル%以下程度まで共重合して
得られる共重合体、もしくはエチレンと酢酸ビニル、エ
チルアクリレート等との共重合、あるいはこれらの単独
重合体同士、さらには単独重合体と共重合体とをブレン
ドしたもの等を用いることができる。これらの中では、
エチレンの単独重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合
体が好ましい。
【0008】例えば、エチレンの単独重合体としては、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、あるい
は低密度ポリエチレンが好適に用いられる。エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、酢酸ビニル含
有率が10〜30重量%の共重合体が好ましく、特に酢
酸ビニルの含有率が17〜30重量%の範囲内にあるも
のが好ましい。このようなEVAのメルトインデックス
(190℃、2.18kg荷重)は15〜25g/10分が
好ましい。これらの中では、特にエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)が最も好ましい。
【0009】本発明で用いられる(b)エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、エチレン、プ
ロピレン及びジエンよりなる共重合体である。ここで、
ジエン化合物としては、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げら
れる。上記EPDMは、エチレン含有率が50〜60モ
ル%、プロピレン含有率が20〜30モル%、ジエン化
合物含有率が1〜20モル%、及びヨウ素価が1〜30
であるものが好ましい。
【0010】前記(a)ポリエチレン系重合体と(b)
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)と
の配合割合は(a)ポリエチレン系重合体が15〜55
重量%、好ましくは20〜50重量%、(b)EPDM
が85〜45重量%、好ましくは80〜50重量%であ
る。(a)ポリエチレン系重合体が15重量%未満では
機械的強度及び成形性が低下し、一方(a)ポリエチレ
ン系重合体が55重量%を越えると硬度が上昇し、引裂
強度が低下することとなる。
【0011】また、本発明における(c)吸水性樹脂と
しては、高吸水性樹脂として市販されているものが特に
制限なく使用できるが、カルボキシル基またはカルボキ
シル基に誘導しうる基を分子内に1個もしくは2個有す
るα,β−不飽和化合物を単量体成分として含有する重
合体を架橋剤を用いて架橋して得られる高吸水性樹脂が
好ましい。吸水性樹脂の粒子径は5〜30μm、好まし
くは10〜20μmである。
【0012】このような(c)吸水性樹脂としては、例
えばポリアクリル酸塩系樹脂、デンプン−アクリル酸塩
グラフト系ポリマー、酢酸ビニル共重合体、無水マレイ
ン酸共重合体、ビニルアルコール系共重合体などが挙げ
られ、中でもポリアクリル酸塩系樹脂を好ましく用いる
ことができ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体
を主成分とする吸水性樹脂が特に好ましく用いられる。
前記(c)吸水性樹脂はその吸水率が自重の10〜50
0倍、好ましくは50〜200倍の吸水能を有するもの
が望ましい。(c)吸水性樹脂の配合量としては、
(a)ポリエチレン系共重合体と(b)EPDMの合計
100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは3
0〜60重量部である。(c)吸水性樹脂が5重量部未
満では組成物の吸水率が不十分となり、また95重量部
を超えると組成物の機械的強度が低下する。
【0013】本発明では、吸水性を向上させるために
(d)水添ジエン系共重合体を配合するのが好ましい。
(d)水添ジエン系共重合体は、ビニル芳香族化合物重
合体ブロック(A)と共役ジエン系重合体もしくはビニ
ル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロ
ック(B)とからなる(A)−(B)ブロック共重合
体、またはさらに必要に応じてビニル芳香族化合物と共
役ジエンのうち、ビニル芳香族化合物が漸増するテーパ
ーブロック(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブ
ロック共重合体、もしくはビニル芳香族重合体(A)か
らなる(A)−(B)−(A)ブロック共重合体であ
り、これを、水素添加し、共役ジエン部分の二重結合の
少なくとも80%が飽和されており、数平均分子量が5
万〜60万を示すものである。これらは特開平3-72512
号に開示されている。ビニル芳香族化合物としてはスチ
レンが好ましく、共役ジエンとしてはブタジエン、イソ
プレンが好ましい。例えば、結合スチレン量10〜30
重量%、メルトフローレート(230℃,2.16kg荷重)
3〜6g/10分のものが好ましい。(d)水添ジエン
系共重合体の配合量は、(a)ポリエチレン系重合体と
(b)EPDMの合計100重量部に対して、10〜1
00重量部、好ましくは20〜40重量部である。10
重量部未満では組成物の吸水率の向上が不十分となり、
また、100重量部を超えると重量保持率が低下する。
【0014】本発明では、低温での柔軟性の向上、粉付
き性の向上、作業性の改善のために(e)軟化剤及び
(f)可塑剤を配合することが好ましい。(e)軟化剤
としては、鉱物油系軟化剤が好ましく用いられる。鉱物
系の軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香
族系の石油系軟化剤、重合した高沸点強芳香族系オイ
ル、流動パラフィン、ホワイトオイルなどが挙げられる
が、好ましくは石油系軟化剤、特にEPDMなどとの相
溶性の良好なパラフィン系石油軟化剤を好ましく用いる
ことができる。(e)軟化剤の配合割合は、(a)ポリ
エチレン系重合体と(b)EPDMとの合計100重量
部に対して2〜50重量部、好ましくは30〜45重量
部であり、2重量部未満では柔軟性が不十分となり、5
0重量部を超えると成形加工性が悪化する。
【0015】(f)可塑剤としては、通常樹脂組成物で
用いられているものが使用でき、例えば、フタル酸誘導
体を好ましく用いることができる。フタル酸誘導体とし
ては、ジメチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)フタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレ
ート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソオクチルフ
タレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
ジノニルフタレート、アルキルベンジルフタレート、ジ
メトキシエチルフタレート、ジメチルシクロヘキシルフ
タレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチル
フタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグ
リコレート及びそれらの混合物などが挙げられる。可塑
剤(f)の配合割合は、(a)ポリエチレン系重合体と
(b)EPDMの合計100重量部に対して2〜50重
量部であり、50重量部を超えると混練作業が困難とな
る。
【0016】さらに本発明では、(g)無機フィラーを
使用して、(c)吸水性樹脂の組成物中における分散性
を向上させることが好ましい。(g)無機フィラーとし
ては、タルク、炭酸カルシウム、セッコウ、カーボンブ
ラック、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、
マイカ、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土、セメ
ント、シリカフューム、雲母粉等を使用することがで
き、その中でもタルク、炭酸カルシウム、シリカが好ま
しい。これらの無機フィラーは粉末状、球状、フレーク
状等の各種形状のものを用いることができる。(g)無
機フィラーの配合割合は、(a)ポリエチレン系重合体
と(b)EPDMとの合計100重量部に対して1〜2
5重量部、好ましくは3〜15重量部である。(g)無
機フィラーが1重量部未満では、吸水性樹脂の分散性が
低下し、吸水性が不十分となり、また、25重量部を超
えると柔軟性が低下することになる。
【0017】本発明では、上記成分にセルロースを配合
し、一層吸水性を向上させることができる。セルロース
としては、天然高分子の(i) 綿、(ii)麻、(iii) 木材パ
ルプの3種が使用できる。(i) の綿には、長い綿毛であ
るリトン及び短い地毛であるファズ、リンターがある。
(ii)の麻には、大麻、亜麻、マニラ麻、サイザル麻等が
あり、(iii) の木材パルプは、その生産方法によりメカ
ニカルパルプ、ケミグラウンドパルプ及びクラフトパル
プに分類されるが、いずれも使用できる。本発明におい
ては、これらいずれのセルロースを用いても良いが、そ
の繊維長が0.1 〜1.5 cm、繊維幅が10〜50μmの
ものが好ましい。セルロースの中でも綿が好ましく用い
られる。綿は中空構造を持つため、毛細管現象による吸
水力が強く、吸水性樹脂組成物として混合した場合、表
層の水を吸水性樹脂組成物内部にまで通水することにな
り、吸水性樹脂組成物全体の初期吸水力が向上する。ま
た内部補強材としての役割も果たし、強度の向上も計ら
れる。セルロースの配合割合は、(a)ポリエチレン系
重合体と(b)EPDMとの合計100重量部に対して
1〜30重量、好ましくは1〜15重量部である。30
重量部を超えると吸水時の変形の原因となり、異方膨潤
により成形物のそりや曲りが発生し、表面の平滑性が悪
化し、樹脂組成物中の吸水性樹脂の抜けが発生する。
【0018】また、本発明では、上記成分に発泡剤を加
えて疎水化吸水性樹脂組成物とし、使用時に樹脂温度が
120℃以上で、かつ発泡剤の分解温度未満の範囲で混
練し、吸水樹脂としての機能を充分に発揮させ成形した
後、発泡剤の分解温度以上として発泡させ、吸水性樹脂
発泡体とすることもできる。発泡剤としては、樹脂成分
の混練温度で分解または気化しないかぎり任意のものが
使用できる。その具体的な例としては、アゾジカルボン
アミド、アゾジカルボン酸金属塩、ジニトロソペンタメ
チレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド、p−ト
ルエンスルホニルセミカルバジド、S−トリヒドラゾノ
トリアジンなどがある。これらの発泡剤は、それぞれの
種類や発泡倍率によって任意に配合量を変えることがで
きる。発泡剤は、(a)ポリエチレン系重合体と(b)
EPDMとの合計100重量部に対して1〜10重量配
合される。なお、発泡倍率は8倍以下、好ましくは2〜
5倍程度とする。発泡倍率が8倍を超えると、得られた
発泡体中の吸水性樹脂のゲル抜けが多くなる。
【0019】本発明では上記した成分以外にも、所望に
よりさらに、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、難燃
剤、帯電防止剤、造核剤等を適宜配合することができ
る。
【0020】本発明では上記原料混合物を70℃以上1
20℃未満の樹脂温度で混練することによって、本来有
すべき吸水性が著しく抑制された疎水化吸水性樹脂組成
物を得ることができる。混練時の樹脂温度が120℃以
上では吸水性の発現を抑制できない。
【0021】混練には、二軸押出機、単軸押出機、ロー
ル混練機、バンバリミキサー、ヘンシェルミキサー、ブ
ラベンダー等が用いられる。混練後、上記温度を超えな
い範囲で、シート、ブロック、ペレット、リボン等、出
荷に適した形態にすることが好ましい。
【0022】本発明にしたがい混練温度を抑えた場合に
吸水性が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、
かかる材料塊の表面を剥離しても吸水性に変化はなく、
X線による観察でも従来品と比べて表面結晶化度に違い
はないことから、主としてモルホロジーが原因ではない
かと考えられる。
【0023】すなわち、本発明と同様の原料混合物を高
い温度で混練すると樹脂中に(a)ポリエチレン系樹脂
と(b)EPDMが互いに入り組んだ状態で混合する。
この場合、(c)吸水性樹脂は、吸水性樹脂との溶解性
パラメーター(SP)値差の少ないポリエチレン系重合
体に包み込まれるかたちで組成物中に存在し、一方、添
加剤である軟化剤、可塑剤はEPDMにより多く分配さ
れる。結果として、水分は組成物表面からポリエチレン
系重合体分を流路として移動し吸水性樹脂の領域に比較
的容易に到達することができ、全体として組成物が吸水
性を示すと考えられる。
【0024】これに対し、本発明では、混練時の樹脂温
度が低いため融点が相対的に高いポリエチレン系重合体
は流動性が低いまま混合され、樹脂組成物全体として観
察すると、より流動性の大きいEPDM中にポリエチレ
ン系重合体が塊状に存在することになる。ところが、こ
の場合でも、吸水性樹脂はポリエチレン系重合体に包み
込まれるかたちで組成物中に存在するため、吸水性樹脂
はポリエチレン系重合体とEPDMとによって二重に包
み込まれることになる。一方、添加剤である油分や可塑
剤は疎水性がより高いEPDM中により多く分配される
から、結果として、成形材料の外部の水分はEPDMに
阻まれて吸水性樹脂の領域にまで達することができず、
吸水性の発現が阻まれるのではないかと考えられる。
【0025】本発明により製造される疎水化吸水性樹脂
組成物は、樹脂温度120℃以上で再び混練することに
より、抑制されていた吸水性樹脂としての機能が充分に
発揮され、良好な吸水性が発現するとともに本発明の原
料混合物を120℃以上の樹脂温度で直接混練したもの
と同様の良好な重量保持率を示す。再混練時の好ましい
樹脂温度は120℃〜220℃であり、温度が低いと吸
水性が発現せず、樹脂温度が高すぎると製品の表面に肌
荒れが生じ、好ましくない。
【0026】こうした成形は従来用いられている装置に
より行なう。その工程は最終製品の形状によるが、例え
ば、押出成形について言えば、まず、中間成形体として
供給された本発明の成形用材料を、ニーダー等によって
予備混練し、必要ならばロールを通した後、これを押出
機に投入して成形する。押出機としては一軸、二軸を問
わず、温度調節可能なものであり、目的とする製品の成
形に適合したものであれば限定なく使用でき、ベント付
き押出機が好ましい。押出工程以前に複数の練り工程と
ロール工程またはそれに準じる何らかの混練工程が入る
こともある。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定さ
れるものではない。なお、各実施例及び比較例におい
て、樹脂原料及び添加剤としては、以下のものを使用し
た。
【0028】(a)ポリエチレン系重合体:EVA(酢
酸ビニル含有量28重量%、メルトインデックス(19
0℃、2.16kg荷重)20g/10分)、(b)エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体:EPDM(プロピレン
含有量28重量%、ヨウ素価15、ムーニー粘度(ML
1+4 、100℃)88)、(c)吸水性樹脂:アクアリ
ック CS-6S(日本触媒化学工業株式会社製;ポリアクリ
ル酸塩系)、(d)水添ジエン系共重合体:ダイナロン
1320P (商品名)(日本合成ゴム株式会社製,結合スチ
レン量10%,メルトフローレート(230℃,2.16kg
荷重)3.5g/10分,ショアA硬度39,水素添加率
99%以上)。(e)軟化剤:鉱物油(出光石油化学株
式会社製;PW−380(商品名)パラフィン系鉱物
油)、(f)可塑剤:DIDP(ジイソデシルフタレー
ト)、(g)無機フィラー:シリカ(林化成株式会社
製;ミクロンホワイト5000A ,平均粒子径6μm)。
【0029】実施例1〜6 表1に示す割合及び成形条件で、原料混合物を一軸の押
出機にて溶融、混練し、厚み約3mmの短冊状に成形
後、それぞれの物性を測定した。結果を表1に示す。 参考例1〜2 実施例1、2の疎水化吸水性樹脂組成物をそれぞれ樹脂
温度144℃で混練し、吸水性を回復させた成形物の各
物性を測定した。結果を表1に示す。 比較例1 実施例1と同じ原料混合物を樹脂温度144℃で混練成
形した後の物性測定結果を表1に示す。
【0030】なお、表1に記載の物性の測定及び評価
は、以下の方法と基準により行なった。 (1) 吸水倍率(1日後と7日後):吸水後の樹脂成形体
の重量を吸水前の樹脂成形体の重量で除した値。 (2) 重量保持率:一度膨潤させたものを減圧乾燥した後
秤量し、その重量を膨潤前の重量で除した値。この値が
小さい程吸水性樹脂のゲル抜けが多いことを表わす。 (3) 表面性状:目視による観察。 ◎:表面がツルツル状で特に良好な平滑性を有す、 ○:表面が良好な平滑性を有す、 △:一部やや荒れ気味部分あり、 ×:肌荒れあり。 (4) 吸水性樹脂組成物の経時変化:温度23℃、湿度1
00%の条件下で30日間保存後の重量増加量を百分率
で表わす。 ○:重量増加率5%未満、 ×:重量増加率5%以上。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように本願発明の温度条
件(樹脂温度70℃以上120℃未満)での混練(実施
例1〜6)では、良好な疎水性を示しており、また参考
例1、2においてこの疎水化された樹脂組成物を樹脂温
度144℃で再び混練することにより、比較例1に示す
原料混合物を樹脂温度144℃で直接混練したものと同
様の吸水力が発現することがわかる。このことから、本
発明の温度条件(樹脂温度70℃以上120℃未満)で
混練された疎水化吸水例樹脂組成物は、使用時に120
℃以上の樹脂温度で混練することにより、吸水性樹脂組
成物としての機能を再現性良く充分に発揮させることが
可能である。なお、実施例、比較例、参考例で用いた樹
脂組成物について、硬度(ショアA)をJISK680
1に準拠して測定したところ、すべて50以下の値を示
し、柔軟性に優れ加工成形性も良好であることが判明し
た。
【0033】
【発明の効果】本発明による疎水化吸水性樹脂組成物
は、そのままでは吸水性を有しないため、特別な防湿対
策を施さなくても輸送中または保存中に品質が低下する
ことがない。また、吸水力を発揮させるためには最終製
品の製造あるいはその直前にしかるべき溶融混練を行な
うだけでよく、例えば製品が押出成形品の場合には、本
来の成形操作が吸水力発現操作ともなるので取扱い上も
便利である。また、樹脂成分としてポリオレフィン系重
合体を用いることにより加硫工程が不要となる。これら
のため、工程管理が簡素化されるとともに生産効率も著
しく改善される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリエチレン系重合体、(b)エ
    チレン−プロピレン−ジエン共重合体、及び(c)吸水
    性樹脂を含有する吸水性樹脂組成物を樹脂温度70℃以
    上120℃未満で混練することを特徴とする疎水化吸水
    性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 (a)ポリエチレン系重合体15〜55
    重量%と(b)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
    85〜45重量%からなる成分100重量部に対して、
    (c)吸水性樹脂5〜95重量部を配合してなる混合物
    を樹脂温度70℃以上120℃未満で混練することを特
    徴とする請求項1に記載の疎水化吸水性樹脂組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 (c)吸水性樹脂がポリアクリル酸塩系
    樹脂を主成分とするものからなる請求項1または2に記
    載の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 (a)ポリエチレン系重合体と(b)エ
    チレン−プロピレン−ジエン共重合体の合計100重量
    部に対して、(d)水添ジエン系共重合体10〜100
    重量部を配合してなる請求項1または2に記載の疎水化
    吸水性樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 (a)ポリエチレン系重合体と(b)エ
    チレン−プロピレン−ジエン共重合体の合計100重量
    部に対して、(e)軟化剤2〜50重量部、(f)可塑
    剤2〜50重量部及び(g)無機フィラー1〜25重量
    部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの
    項に記載の疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法。
JP2726594A 1994-01-31 1994-01-31 疎水化吸水性樹脂組成物の製造方法 Pending JPH07216150A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101720537B1 (ko) * 2015-09-21 2017-03-28 주식회사 한국지러스트 제습필름 조성물 및 이를 이용한 제습 수축필름

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