JPH0721556U - 不正開封防止キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開封によりキャップ本体から分離したリング
を壜体口筒から離脱不能とすることにより、壜容器の取
扱い性を向上させることにある。 【構成】 キャップ本体２と、キャップ本体２の下端に
連結片４を介して連結され、開封時に連結片４が切断さ
れてキャップ本体２と分離するリング３と、から構成さ
れ、リング３に、壜体口筒２１に離脱不能に係止する突
条１２を設け、孔３２を開設した頂板３１と外筒３４を
有し、外周面に弾性フランジ３６を、また内周面に壜体
口筒２１に係止可能な突条３５を設けた移行中栓３０
を、キャップ本体２内嵌着して、リング３の不意の離脱
を防止した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、合成樹脂製の不正開封防止キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

飲料、調味料あるいは薬剤等の壜容器において、その使用開始前の不正開封を 防止するキャップとして、いわゆるピルファープルーフキャップが用いられてい る。

【０００３】 従来の合成樹脂製ピルファープルーフキャップは、壜体の口筒外周に螺合する キャップ本体と、このキャップ本体の下端に複数の細い連結片を介して連結され たリングとから成り、開封時にキャップ本体を反螺合方向に回転させると、リン グの内周面に設けてある縦突条が、壜体口筒の外周面に設けてある縦突条に当接 してリングが回転を阻止され、これにより上記連結片が切断される。従って、こ の連結片の切断の有無により、その壜容器が既に開封されたものであるか否かを 判別できるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記ピルファープルーフキャップにおいて、開封によりキャップ本体と分離さ れたリングは壜体の口筒から離脱可能となっているので、取外して捨てるのが普 通である。

【０００５】 しかしながら、製作時の成形寸法誤差等の関係から、リングが壜体口筒から簡 単に離脱しない場合が多々あり、その取外しが厄介なものとなっていた。

【０００６】 また、リングの取外しを忘れたり、あるいは取外し難いためそのままにしてお いた場合には、壜体の使用時、即ち内容物の注出あるいは散布等のために壜体を 反転させた際に、リングが不本意に口筒から離脱、落下してその作業の妨げにな るなど、甚だ煩わしいものであった。

【０００７】 本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、開封によりキャップ本体か ら分離したリングを壜体口筒から離脱不能とすることにより、壜容器の取扱い性 を向上させた不正開封防止キャップを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、壜体の口筒に螺合可能なキャップ本体 と、該キャップ本体の下端に複数の細い連結片を介して連結され、開封時に該連 結片が切断されてキャップ本体と分離するリングとを有する合成樹脂製の不正開 封防止キャップであって、 前記リングの内周面に、壜体の口筒に離脱不能に係止する係止手段を設けると 共に、 孔を有する頂板から垂下設された外筒の外周面に弾性フランジを、内周面に壜 体の口筒上端に係止可能な係止部をそれぞれ設けた移行中栓を、キャップ本体内 の上端に前記弾性フランジの圧着により嵌着して成る。

【０００９】

【作用】

内容物を充填した壜体の口筒にキャップを螺合により組付けると、その螺合末 期において、キャップ本体内の上端に嵌着されている移行中栓の係止部が、口筒 上端の係止部を乗り越えて係止状態となるため、移行中栓は口筒の上端に被嵌状 に組付く。 また、ほぼ同時に、リング内周面の係止手段が壜体口筒外周面に係止状態とな る。

【００１０】 従って、予めキャップ本体内に取付けてある移行中栓を壜体口筒に移行させる ための組付け操作力を利用して、リングの係止手段を壜体口筒に係止させること ができるので、極めて効率的にキャップの組付けを達成することができる。

【００１１】 次にこの壜容器の開封操作時においては、キャップを反螺合方向へ回転させる ことにより、連結片が切断されてキャップ本体とリングとが分離し、キャップ本 体は口筒から離脱するが、リングは口筒外周面に係止しているため、離脱不能状 態で口筒下部に保持される。

【００１２】 また、移行中栓は、その弾性フランジの圧着によるキャップ本体内周面への組 付き力よりも、係止部の係止による壜体口筒への組付き力の方が強いので、キャ ップ本体が口筒から離脱しても、口筒上端に組付いた状態で保持される。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明する。高密度ポリエチレン等の合 成樹脂で成形されたキャップ１は、図１に示すようにキャップ本体２と、その下 端に複数の細い連結片４を介して連結されたリング３とから成る。

【００１４】 キャップ本体２は、筒壁５の内周面に螺条６が刻設されていると共に、下端面 の等分２個所に押圧突起７が突設されている。なお、９は頂板８の下部に嵌着さ れたパッキンである。

【００１５】 リング３には、その上端面の、等分２個所であって、上記キャップ本体２の押 圧突起７の螺合方向側近傍に受圧突起１０が突設されていると共に、各受圧突起 １０の中間部２個所にも突起１１が設けてあり、これらの各突起１０、１１とキ ャップ本体２の下端面との間に細い連結片４が連設されている。

【００１６】 また、リング３の周壁は、段部により上部の小径部３ａと下部の大径部３ｂと に形成されており、大径部３ｂの内周面下端には、等分３個所に係止手段である 水平方向の突条１２が設けてある。

【００１７】 さらに、小径部３ａの内周面には、等分８個所に縦突条１３が設けてある。こ の縦突条１３は、図４に示すように、キャップ１の螺合組付け操作時に壜体口筒 ２１の縦突条２５を乗越え可能なように、かつ開封操作時にはストッパとなるよ うに、片側が傾斜面１４に、他側が垂直面１５にそれぞれ形成されている。

【００１８】 図３に示すように、硝子、合成樹脂等で成形された壜体２０の口筒２１の外周 面上端には、中栓取付用の突条２２が周設してあり、その下方には螺条２３が刻 設してある。また該口筒２１の外周面下端には、リング３保持用の突条２４が周 設されていると共に、その上方には等分４個所に、前記リング３の縦突条１３に 対応する形状、即ち片側が傾斜面２６に、他側が垂直面２７に形成された縦突条 ２５が設けてある（図４参照）。

【００１９】 比較的軟質の合成樹脂で成形された移行中栓３０は、図２、図３に示すように 複数の小孔３２を設けた頂板３１の下面に内筒３３及び外筒３４を垂下設して成 り、かつ外筒３４にはその内周面下部に、係止部である突条３５が周設してある と共に、外周面下端縁に、等間隔に切欠き３７を設けた薄い弾性フランジ３６が 形成してある。

【００２０】 前記キャップ１を壜体２０に組付ける場合は、まず移行中栓３０をキャップ本 体２内に押込んで、頂板３１をパッキン９に密着させる。これにより、中栓３０ の弾性フランジ３６がキャップ本体２の筒壁５内周面に圧着するので、中栓３０ はキャップ本体２内の上端に確実に保持される。

【００２１】 次いで、内容物を充填した壜体２０の口筒２１にキャップ１を螺合により組付 ける。この螺合において、リング３が口筒２１の下部に達すると、その内周面の 縦突条１３が口筒２１の縦突条２５に当接するため、キャップ１の回転は抵抗を 受け、連結片４にせん断応力が生ずるが、押圧突起７が受圧突起１０に当接して 押圧するので、連結片４が切断されることはない。

【００２２】 そして、キャップ１の回転力により、リング３の縦突条１３の傾斜面１４が口 筒２１の縦突条２５の傾斜面２６を乗り越えるため（図４参照）螺合は進行し、 リング３の下端の突条１２が口筒２１の突条２４を乗り越えた時点で螺合終端に 達し、組付きが終了する（図３）。

【００２３】 また、ほぼ同時に、キャップ本体２内の上端に嵌着されている中栓３０の突条 ３５が、口筒２１上端の突条２２を乗り越え、係止状態となるため、中栓３０は 口筒２１の上端に被嵌状に組付く（図３）。

【００２４】 次に、上記壜容器を開封する場合には、キャップ１を反螺合方向に回転させる と、リング３の縦突条１３の垂直面１５が口筒２１の縦突条２５の垂直面２７に 当接してストッパとなるため、リング３とキャップ本体２との連結片４にせん断 応力が生じて該連結片４が切断される。

【００２５】 従って、キャップ本体２はそのまま回転させることにより、口筒２１から離脱 するが、リング３はそのまま残り、しかもリング３の下端の突条１２が口筒２１ の突条２４よりも下位に位置するため、リング３は離脱不能状態で口筒２１下部 に保持される。

【００２６】 また、中栓３０においては、その弾性フランジ３６の圧着によるキャップ本体 ２内周面への組付き力よりも、突条３５の係止による壜体口筒２１への組付き力 の方が強いので、キャップ本体２が口筒２１から離脱しても、口筒２１上端に組 付いた状態で保持される。

【００２７】

【考案の効果】

本考案の不正開封防止キャップによれば、壜容器の開封後、リングが壜体口筒 に離脱不能に保持されているので、注出、散布等のための壜体反転時に、リング が不本意に離脱、落下する恐れが皆無となり、壜容器の取扱い性が著しく向上す る。

【００２８】 また、キャップの組付け時には、予めキャップ本体内に取付けてある移行中栓 を、壜体口筒に移行させるための組付け操作力を利用して、リングの係止手段を 壜体口筒に離脱不能に係止させることができるので、極めて効率的にキャップの 組付けを達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す、キャップの一部を断
面した正面図。

【図２】同、移行中栓の斜視図。

【図３】図１、図２のキャップ及び移行中栓を壜体口筒
に組付けた状態の断面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１ ； キャップ ２ ； キャップ本体 ３ ； リング ４ ； 連結片 ６ ； 螺条 １２； 突条 ２０； 壜体 ２１； 口筒 ２２； 突条 ２３； 螺条 ２４； 突条 ３０； 移行中栓 ３１； 頂板 ３２； 小孔 ３４； 外筒 ３５； 突条 ３６； 弾性フランジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壜体の口筒に螺合可能なキャップ本体
   と、該キャップ本体の下端に複数の細い連結片を介して
   連結され、開封時に該連結片が切断されてキャップ本体
   と分離するリングとを有する合成樹脂製の不正開封防止
   キャップであって、前記リングの内周面に、壜体の口筒
   に離脱不能に係止する係止手段を設けると共に、孔を有
   する頂板から垂下設された外筒の外周面に弾性フランジ
   を、内周面に壜体の口筒上端に係止可能な係止部をそれ
   ぞれ設けた移行中栓を、キャップ本体内の上端に前記弾
   性フランジの圧着により嵌着して成る不正開封防止キャ
   ップ。