JPH0330277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成樹脂製キヤツプに関し、さらに具
体的にはピルフアープルーフ特性を有するキヤツ
プに関するものである。

以下、図面を参照しつつ詳述する。

酒、飲料用瓶の如き各種瓶に使用する、内容物
の詰め替えなどの不正を防止する目的のピルフア
ープルーフ特性を有するキヤツプとしては、従来
アルミニウム板をしぼり加工、および切り込み加
工などを施したキヤツプ広く普及していたが、材
料費と製作コストに優れ、開栓時手に損傷をきた
す恐れのない合成樹脂材料から形成されるキヤツ
プが広く実用化されるようになつた。

このピルフアープルーフ特性を有する合成樹脂
製キヤツプは、一般に第１図で示すごとく、天面
１と該天面１の周縁から垂下する内周面に螺条５
を備えるスカート２を具備し、該スカート２下部
に周方向に延びる破断線３を形成し、該破断線３
の下方のピルフアープルーフ裾部内周面に、瓶口
Ｂ外周面の螺条部６下方に設けたあご部７の外周
径より小径に形成した係止リング８を設けた構造
を有し、これを打栓するとき、瓶口Ｂ外周面が具
備する螺条部６にキヤツプＡのスカート部２内周
面が備えた螺条部５を螺合させると、該係止リン
グ８は該あご部７の外周径だけ拡がつて通過し、
該あご部７下へ機械的に嵌合されるものなどがあ
つた。

しかし、第１図で示した係止リング８を瓶口Ｂ
のあご部７へ機械的に嵌合せしめるとき、該係止
リングは膨脹をしいられ、偏向されて該あご部７
上を通過するためキヤツプＡにかなり大きなトル
クを加えて打栓する必要があり、該係止リング８
と破断線３を破壊することなく装着し、確実に固
定させ十分なピルフアープルーフ特性を働かせる
ためには微妙で精密な寸法の調節を要求し往々に
して打栓時に破断線３をこわしてしまう恐れがあ
り、かつ、その材質も復元力の大きい弾性を必要
とするなど複雑で面倒な調整を強いられる多くの
欠点を有していた。

本考案はこの様な多くの重大な欠点を除去し嵌
着するための精密な寸法調整と複雑な構造とを必
要とせず、簡単に確実な固着を可能としたピルフ
アープルーフ特性を有するキヤツプを提供するも
のである。

本考案を図面に基づいて説明すると、第２図及
び第３図で示すごとく本考案の合成樹脂製キヤツ
プは、合成樹脂で成型された天面１と該天面１の
周縁から垂下する内周面に螺条部５が備わるスカ
ート２を具備したキヤツプであつて；該スカート
２の下部に内周面の螺条を含み周方向に間隔を置
いて延びる切割条、またはリング状の切り溝等の
破断線３を形成してピルフアープルーフ特性を持
たせ、該破断線３より下方内周面の螺条５は、瓶
口螺条６下先端と同位置かあるいは通過した位置
より分断され、該分断された下部分の上部先端部
を適当寸法キヤツプＣ１の内壁から離間させて螺
条ピツチより上方あるいは下方に外したビート形
状の係止部４を備えた合成樹脂製キヤツプＣ１で
ある。

この様な構造のキヤツプＣ１を第３図で示すご
とく、該キヤツプＣ１のスカート２内周面が備え
る螺条部５と瓶口Ｄ１の螺条部６とを螺合させて
嵌着する際、瓶口螺条６上端部はキヤツプＣ１の
螺条下先端部９と螺合した後、螺条ピツチを外し
た係止部４に接触するが該係止部４は嵌着する螺
合回動方向とは順向きのキヤツプＣ１の内壁から
部分的に離間させたビード形状故、瓶口螺条６上
先端部に押されて容易に変形を起しキヤツプＣ１
の螺条５と同一線上の螺条部となり瓶口螺条６に
誘導されてスムーズに嵌着される。次に、瓶口螺
条６下部にまで達した係止部４は該瓶口螺条６下
終端を通過するが、このとき前記した変形して同
一線上の螺条となつて螺合されていた係止部４は
自由となつて基材とする合成樹脂の弾性回復力に
より変形前の形状、すなわち螺条ピツチより上方
または下方に外れた係止部４となり瓶口螺条６下
終端部と係合して嵌着を完了する。この状態での
係止部４は、前記した嵌着する螺合方向とは順向
であるが開栓する螺合方向とは完全に逆の係合形
状となつており、該キヤツプＣ１を開栓時には該
係止部４は瓶口螺条６下終端部に押されるが該係
止部４の上側螺条と緩衝して変形を拒みキヤツプ
Ｃ１を回動させない。従つて、強い回転トルクを
該キヤツプＣ１に与えて周方向に間隔を置いて延
びる切割条またはリング状の切り溝等の破断線３
を破壊しない限り該破断線３上部のキヤツプ本体
部を開栓するのは不可能となり、ここで完壁なピ
ルフアープルーフ特性が発揮される。なお、内周
面に備わる螺条５はスカート２に設けた破断線３
上で分断されるかまたは切り溝等の弱構造体とし
なければ前述効果が発揮されないので重要であ
る。

また、第４図に示すごとく、瓶口形成の簡易性
を求めて螺条を螺破条１０に形成した瓶口Ｄ２に
本考案のキヤツプを用いる場合、第５図に示すご
とく破断線３下部の螺条５を瓶口螺破条１０最下
段のそれぞれの下先端と同位置かまたは通過した
位置より複数箇所分断し、該分断された部分の各
上部先端を適当寸法キヤツプ内壁から離間させて
螺条ピツチより上方あるいは下方に外したビード
形状の係止部４を複数箇所設けた構造の合成樹脂
製キヤツプＣ２とすれば、嵌着、並びに開栓に際
し、前記と同様な効果を発揮へ複数箇所の係止部
４での係合が実現可能となるので前述した効果以
上の確実な係合と完全なピルフアープルーフ作用
が約束される。

なお、該係止部４先端とこれに係合される瓶口
螺条６，１０下終端部形状は図面では判り易く丸
形状で示したが、例えば直線形状または凹凸形状
など何れもしつかり係合できる形状であれば良く
特に限定はしない。

以上の説明の様に本考案は、キヤツプの螺条に
係止部を設けるだけという簡単な構造でありなが
ら確実なキヤツプの固着を実現でき、少ない抵抗
で打栓を可能として打栓作業能率を向上せしめた
安価に製造しうる完壁なピルフアープルーフ特性
を保障した合成樹脂製キヤツプである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のキヤツプの一具体例の一部を
切欠いた側面図である。第２図は、本考案のキヤ
ツプの断面図である。第３図は、本考案のキヤツ
プを瓶口に装着した一部を切欠いた側面図であ
る。第４図は本考案の他の実施例を示す瓶口の部
分側面図である。第５図は本考案の他の実施例を
示すキヤツプの断面図である。 Ａ……係止リングを有するキヤツプ、Ｂ……あ
ご部を有する瓶口、Ｃ……係止部を有するキヤツ
プ、Ｄ……螺破条を有する瓶口、１……天面、２
……スカート、３……破断線、４……係止部、５
……螺条、６……瓶口螺条、９……螺条下先端
部、１０……螺破条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) キヤツプ天面と該天面の周縁から垂下する内
   周面に螺条部を備えたスカートを具備し、該ス
   カートの下部に内周面の螺条をも含み周方向に
   間隔を置いて延びる切割条、またはリング条の
   切り溝等の破断線を形成した合成樹脂製キヤツ
   プにおいて；該切割条および破断線下部の螺条
   は、瓶口螺条下先端と同位置あるいは通過した
   位置で分断され、該分断された下部分の螺条の
   上部先端部を適当寸法キヤツプ内壁から離間さ
   せて螺条ピツチより上方あるいは下方に外した
   ビード形状の係止部を備えたことを特徴とする
   ピルフアープルーフ特性を有する合成樹脂製キ
   ヤツプ。 (2) 瓶口螺条が破条である場合、該切割条、およ
   び破断線下部の螺条は瓶口螺破条最下段のそれ
   ぞれの下先端と同位置あるいは通過した位置よ
   り複数箇所分断し、該分断された部分の上部先
   端部を適当寸法キヤツプ内壁から離間させて螺
   条ピツチより上方あるいは下方に外したビード
   形状の係止部を複数個備えたことを特徴とした
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のピルフア
   ープルーフ特性を有する合成樹脂製キヤツプ。