JPH0721540B2

JPH0721540B2 - 埋設管路探査用発信器

Info

Publication number: JPH0721540B2
Application number: JP1304483A
Authority: JP
Inventors: 伸横井; 修次背戸; 英和須々木; 正美池田
Original assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp
Current assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date: 1989-11-21
Filing date: 1989-11-21
Publication date: 1995-03-08
Anticipated expiration: 2010-03-08
Also published as: JPH03163393A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、磁界法による埋設配管路の探査に使用する管
路探査用発信器の改良に関するものである。

（従来の技術）地中に埋設した通信ケーブル用の管路やガス管路、水道
管路等の探査には、従前から磁界法や電磁波法、弾性波
法と称される工法が広く実用に供されている。その中で
も磁界法は、探査が比較的容易に行なえるうえ探査精度
も極めて高いため、広く利用されている。

第８図は、前記磁界法により中空状の非金属管路（例え
ば塩化ビニール配管路）Ｎを探査する場合の一例を示す
ものであり、非金属管路Ｎ内へ探査用発信器T₁をマンホ
ールＭ等から適宜に押し込むか若しくは引き入れ、発信
器T₁内のコイルから高周波交番磁界E₁を発生する。

そして、地上では操作員が受信器Ｐを操作し、交番磁界
E₁により受信器側の受信コイルPcに誘起される受信信号
V₁を測定し、当該信号V₁が最大値となる位置から、管路
Ｎ内の探査用発信器T₁の位置（即ち埋設管路の位置）並
びに管路Ｎの埋設深さ等を探査する。

尚、第９図は前記探査用発信器T₁の概要を示すブロック
線図であり、合成樹脂製のケース本体30の中に電池ユニ
ット31、発振器ユニット32及びコイルユニット33等が収
納されており、前記コイルユニット33へ発振器ユニット
32から高周波励磁電流I₁を供給することに、前記交番磁
界E₁が起生されるるこれに対して、中空状の磁性材製金属製管路（例えば鋼
管製の管路）Ｓを磁界法により探査する場合には、第10
図に示す如く発信器T₂を地上に設け、管路Ｓの一端とア
ースＹ間に発信器T₁の出力電圧を加えて管路Ｓに沿って
高周波励磁電流I₂を流し、管路Ｓの回りに交番磁界E₂を
発生させる。

地上では、操作員が受信器Ｐを操作して交番磁界E₂によ
って受信コイルPcに誘起される受信信号V₂を測定し、前
記受信信号V₂が最大値となる位置から管路Ｓの配管経路
並びにその埋設深さ等を探査する。

前述の如く、磁界法は探査が比較的容易で精度も高いた
め、実用上極めて便宜な工法である。

しかし、当該工法にも解決すべき問題が多く残されてい
る。先ず第１の問題は、磁性材製金属管路Ｓと非金属製
管路Ｎとが連結された管路を探査する様な場合には、非
金属管路Ｎ内へ挿入する型式の発信器T₁と、地上側に設
置する磁性金属管路Ｓ用の発信器T₂の二種の発信器T₁・
T₂を準備する必要があり、磁性金属管路Ｓと非金属管路
Ｎとを連続的に能率よく探査することが出来ないという
点である。

また、第２の問題は、磁性金属管路Ｓの探査に於いては
第10図からも明らかな様に、管路Ｓを流れる励磁電流I₂
の大きさが管路の両端部Ａ・Ｂに於いて夫々異なるた
め、交番磁界E₂の強さが管路両端部Ａ・Ｂで異なること
になる。その結果、受信器Ｐ側の受信信号V₂の最大値が
管路の両端部Ａ・Ｂに於いて異なることにより、受信器
Ｐの探査用操作が極めて複雑になると共に、磁界E₂の減
衰により探査距離Ｌを長く選定することが出来ないとい
う点である。

（発明が解決しようとする課題）本件発明は、磁界法による埋設管路の探査に於ける上述
の如き問題、即ち磁性金属管路Ｓと非金属管路Ｎとが
混在する場合には、一つの探査システムでもって両者を
連続的に能率よく探査することが出来ないこと、磁性
金属管路Ｓの探査に於いては、磁界E₂の減衰から探査距
離Ｌを大きくすることが困難で、探査に手数がかかるこ
と等の問題を解決せんとするものであり、一基の発信器
でもって磁性金属管路Ｓと非金属管路Ｎの両方を連続的
に、しかも高能率で精度よく探査できるようにした埋設
管路の探査に使用する探査用発信器を提供するものであ
る。

（課題を解決するための手段）本件発明は、埋設管路内へ挿入した発振ユニットからの
高周波励磁電流により交番磁界を発生させると共に、当
該交番磁界の大きさを地上で測定し、その測定値から埋
設管路の位置を探査するようにした埋設管路の探査用発
信器に於いて、筒状の合成樹脂製の収納部２内に電池ユ
ニット４と、該電池ユニット４により作動される発振器
ユニット５と、発振器ユニット５から高周波励磁電流I₁
が供給されるコイルユニット６とを収納すると共に、前
記収納部２に管路内壁面と接触しつつ移動する金属製ガ
イド部３を固定し、前記発振器ユニット５の一方の出力
端子と前記ガイド部３とを電気的に接続すると共に、前
記発振器ユニット５の他方の出力端子へ先端部が接地さ
れるアースライン８の基端部を接続し、当該アースライ
ン８の先端を埋設管路の外方へ引き出すようにしたこと
を発明の基本構成とするものである。

（作用）埋設管路探査用発信器は、牽引等の方法により埋設管路
内へ引き入れられ、そのガイド部３を管路の内壁面へ接
触せしめた状態で、順次前方へ進行していく。

非金属製の埋設管路Ｎ内に於いては、発信器１のガイド
部３から管路Ｎへは電流が流れず、発振器ユニット５か
らコイルユニット６へ流れる高周波励磁電流I₁により、
交番磁界E₁が発生する。前記交番磁界E₁の磁束は地上側
の受信コイルPcと鎖交し、これに誘起々電力V₁が発生す
る。当該誘起々電力V₁を測定し、その最大値の箇所を探
査することにより、管路Ｎの位置が探知される。

また、磁性金属製の埋設管路Ｓ内に於いては、高周波励
磁電流I₁によりコイルユニット６に生ずる磁界E₂は管路
Ｓによってシールドされ、殆んど外部へ漏出しない。

しかし、ガイド部３−管路Ｓアースライン８を通して発
振器ユニット５から高周波励磁電流I₂が管路Ｓに流れ
る。これにより、管路Ｓの回りに交番磁界E₂が発生し、
磁界E₂の磁束と受信コイルPcとを鎖交させることによ
り、前記と同様に管路Ｓの位置が探知される。

尚、埋設管路が非磁性材製の金属管路の場合には、アー
スライン８の末端のアースＹを外し、前記非金属製埋設
管の場合と同じ方法により、交番磁界E₁を利用して管路
位置を探知する。

（実施例）以下、第１図乃至第７図に基づいて本発明の一実施例を
説明する。

第１図は本件発明に係る発信器の平面図、第２図はその
側面図、第３図は第１図のイ−イ視断面図、第４図は発
信器の構成を示すブロック線図である。

また、第５図は本件発明の発信器による埋設管路の探査
方法の説明図である。

前記埋設管探査用発信器１はプラスチック製の収納部２
と金属製のガイド部３とから構成されており、前記収納
部２内には、第３図に示す如く電池ユニット４と発振器
ユニット５とコイルユニット６が収納されている。

前記プラスチック製収納部２は本体2aとカバー体2bとか
ら形成されており、本体2aの前方にはガイド部３の取付
用金具７が固着されている。また、前記カバー体2bの後
方にはアースライン８の挿入孔９が穿設されており、且
つ当該挿入孔９は、アースライン８を挿通せしめた後適
宜の方法により気密状に密封されている。

前記ガイド部３は金属製のローラ支持枠10と、該支持枠
10へ管路軸線φに対して垂直方向へ移動自在に軸支した
２個のガイドローラ11,11とから形成されている。

即ち、支持枠10には、軸線φと直交方向の長孔12,12が
軸線φに対して対称状に穿設されており、当該長孔12,1
2を挿通せしめてガイドローラ11,11の支軸13,13が、前
記長孔12に沿って矢印イ、ロ方向へ移動自在に支持され
ている。

また、ガイドローラ11,11は所謂磁石材11aを挟着した構
造に形成されており、両ガイドローラ11,11の磁気反発
力によって前記支軸13,13は常時矢印ロ方向へ付勢され
ている。即ち、二個のガイドローラ11,11は常時管路内
壁面へ接触するように押圧されており、前記長孔12,12
の間隔Ｈやローラ12,12の半径Ｒは、両ローラ11,11が管
路内壁面へ接触しつつ転動可能な寸法に適宜に選定され
ている。

尚、本実施例に於いては、ガイド部３を発信器収納部２
の前方に設け且つローラ型のガイド部としているが、当
該ガイド部３は後述する如く、発信器収納部２の管路内
の移動を円滑にすると共に、磁性金属管路Ｓの内壁面に
接触して高周波励磁電流I₂を磁性金属管路Ｓへ伝え得る
ものであれば、その構造や取付位置は如何なるものであ
ってもよく、例えばボール型のガイド部やブラシ型のガ
イド部を収納部２の外周面に設けることも可能である。

又、本実施例に於いては、ガイドローラ11,11を２枚の
金属板11b,11bの間に磁石材11aを挟着した構造としてい
るが、導電性の磁石材11aを用いてローラ11を形成して
も良いことは勿論である。

更に、本実施例ではガイドローラ11,11を所謂同極性を
有するマグネットローラとし、両者の磁気反発力を利用
して常時外方向（管路内壁面の方向）へ付勢する構成と
しているが、ガイドローラ11を金属製のローラとし且つ
その支軸13,13をスプリング（図示省略）等により矢印
ロ方向へ付勢する構成としても良い。

第４図を参照して、発信器１の前記収納部２内には電池
ユニット４と発振器ユニット５とコイルユニット６等が
収納されており、電池ユニット４のエネルギーによって
発振器ユニット５が作動され、高周波励磁電流I₁がコイ
ルユニット６へ印加される。

また、発振器ユニット５の出力側端子・の片側
は、前記金属製ガイド部３へライン14を介して接続され
ており、同様に他側の端子はアースライン８へ接続さ
れている。

本実施例に於いては、電池ユニット４として単アルカリ
乾電池１本が使用されており、且つ発振器ユニット５の
発振周波数は33KHZに設定されている。

次に前記埋設管探査用発信器１を用いた埋設管路の探査
方法について説明する。

第５図を参照して、探査に際しては、先ずマンホールＭ
等から発信器１を通線機15若しくは牽引ワイヤー16を用
いて管路内へ挿入する。次に発信器１からのアースライ
ン８の末端をマンホールＭ等の金属部分に接続する。

発信器１を挿入した管路が塩ビ管を用いた非金属管路Ｎ
の場合には、発信器１のガイド部２から管路Ｎへの通電
は無く、発振器ユニット５から高周波励磁電流I₁がコイ
ルユニット６へ流れる。その結果、コイルユニット６に
交番磁界E₁が発生し、地上に於いて受信器Ｐの受信コイ
ルPcを管路軸線φと平行に向けることにより、鎖交磁束
によって受信コイルPcに受信信号V₁が得られる。

前記受信コイルPcの受信信号V₁は通常第６図の如き分布
となり、そのピーク値V₁′の真下が管路の埋設位置であ
り且つV₁′の大きさから埋設深さが算定される。

発信器１を順次前進させ、該発信器１が磁性金属管路例
えば鋼管製管路Ｓの部分へ到達すると、管路Ｓの内壁面
へ接触して発信器１のガイド部２を通して、発振器ユニ
ット５からの高周波励磁電流I₂が、ガイド部２−管路Ｓ
−アース−アースライン８を通して流れる。その結果、
管路Ｓの回りには、これに流れる高周波電流I₂によって
交番磁界E₂が発生し、地上に於いて受信器Ｐの受信コイ
ルPcを管路軸線φと垂直な方向に向けることにより、鎖
交磁束によって受信コイルPcに受信信号V₂が得られる。

前記受信コイルPcの受信信号V₂は通常第７図の如き分布
となり、ピーク値V₂′の真下が管路Ｓの埋設位置であり
且つピーク値V₂′の大きさから埋設深さが算定される。

尚、第５図に於いて17はアースライン８の巻取用リール
である。

また、本実施例に於いては、ガイド部３のガイドローラ
11を磁石材11aを用いて形成しているため、ローラ11は
絶えず管路壁面側へ吸着されており、ローラ11と管路Ｓ
間の抵抗は著しく減少する。

更に、本実施例では、コイルユニット６と発振器ユニッ
ト５間にスイッチング機構を設けていないので、磁性金
属管路Ｓ内に於いてもコイルユニット６へ断続的に通電
されるが、磁性金属管路Ｓの外部へはコイル６による磁
界E₁が殆んど漏れないため、探査作業には殆んど悪影響
を与えない。勿論、前記コイルユニット６と発振器ユニ
ット５間にスイッチング機構を設け、ガイド部３を通し
て高周波励磁電流I₂が管路Ｓへ流れた場合には、コイル
ユニット６を発振器ユニット５から切り離すことは、望
ましいことである。

尚、埋設管路がアルミや黄銅製の非磁性金属管路の場合
には、前記アースライン８の末端のアースＹを解放し、
ガイド部３を通して管路に流れる高周波励磁電流I₂を遮
断する。これにより、発信器１のコイルユニット６から
の磁界E₁のみが非磁性管路Ｎの場合と同様に分布するこ
とになり、非金属管路Ｎと同じようにして探査すること
が出来る。

（発明の効果）本発明に於いては、非金属製の管路Ｎ内では発信器１の
コイルユニット６からの交番磁界E₁を利用して、また磁
性材製の金属管路Ｓ内では、発信器１の発振器ユニット
５からガイド部３−管路Ｓ−アースライン８を通して励
磁電流I₂を流し、管路Ｓの回りに発生せしめた交番磁界
E₂を利用して夫々地上側の受信コイルPcに起電力V₁,V₂
を発生させ、そのピーク値分布から埋設管路N,Sの位置
を探知する構成としている。

その結果、一つの発信器１を管路内を移動させることに
より、非金属製の管路Ｎと磁性材製の金属管路Ｓの両方
を連続的に高能率で探査することが出来る。

また、非金属製の管路Ｎと磁性材製の金属管路Ｓとの境
界も、前記受信コイルPcの受信信号V₁,V₂の分布曲線の
形状から容易に探知することが出来る。

更に、本発明では磁性材製の金属管路Ｓの探査に於い
て、探査距離Ｌが大きくなっても管路Ｓに流れる高周波
励磁電流I₂が大きく減衰することは無く、その結果長い
管路Ｓを高精度で能率よく探査することが出来る。

そのうえ、本発明に係る発信器１に於いて、ガイド部３
のガイドローラ11を磁石材製とした場合には、ガイドロ
ーラ11が管路Ｓの内壁面へ確実に吸着され、ローラ11と
磁性金属管路Ｓ間の電気抵抗が減少して安定した高周波
励磁電流I₂の通電を行ない得る。

本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は埋設管路探査用発信器の平面図、第２図はその
側面図、第３図は第１図のイーイ視断面概要図、第４図
は発信器の構成を示すブロック線図である。第５図は、本発明に係る発信器による埋設管路の探査方
法の説明図であり、第６図は非金属製管路Ｖに於ける受
信器側の受信信号V₁の分布図、第７図は磁性材製金属管
路Ｓに於ける受信器の受信信号V₂の分布図である。第９図は、従前の発信器の構成説明図であり、第８図及
び第10図は、従前の埋設管路の探査方法の説明図であ
る。１……埋設管路探査用発信器、２……収納部３……ガイド部、４……電池ユニット５……発振器ユニット、６……コイルユニット７……取付金具、８……アースライン９……挿入孔、10……ローラ支持枠 11……ガイドローラ、11a……磁石材 11b……金属板、12……長孔 13……支軸、15……通線機 16……ワイヤ、Ｎ……非金属管路Ｓ……磁性金属管路、E₁・E₂……磁界 I₁・I₂……励磁電流、Ｐ……受信器 Pc……受信コイル、V₁・V₂……受信信号Ｙ……アース、φ……管路軸線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者須々木英和東京都千代田区内幸町１丁目１番６号日本電信電話株式会社内 (72)発明者池田正美東京都千代田区内幸町１丁目１番６号日本電信電話株式会社内 (56)参考文献特開昭61−51586（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−53587（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−96590（ＪＰ，Ａ) 実開昭63−200183（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】埋設管路内へ挿入した発信ユニットからの
高周波励磁電流により交番磁界を発生させると共に、当
該交番磁界の大きさを地上で測定し、その測定値から埋
設管路の位置を探査するようにした埋設管路の探査用発
信器において、筒状の合成樹脂製の収納部（２）内に電
池ユニット（４）と、該電池ユニット（４）により作動
される発振器ユニット（５）と、発振器ユニット（５）
から高周波励磁電流（I₁）が供給されるコイルユニット
（６）とを収納すると共に、前記収納部（２）に管路内
壁面と接触しつつ移動する金属製ガイド部（３）を固定
し、前記発振器ユニット（５）の一方の出力端子と前記
ガイド部（３）とを電気的に接続すると共に、前記発振
器ユニット（５）の他方の出力端子へ先端部が接地され
るアースライン（８）の基端部を接続し、当該アースラ
イン（８）の先端を埋設管路の外方へ引き出すように構
成した埋設管路探査用発信器。
【請求項２】ガイド部（３）を、支持枠（10）と該支持
枠（10）へ移動自在に軸支した磁石材製のガイドローラ
（11）とから形成し、ガイドローラ（11）の磁力により
磁性金属管路（Ｓ）の内壁面へガイドローラ（11）を吸
着させる構成とした請求項（１）に記載の埋設管路探査
用発信器。
【請求項３】発振器ユニット（５）からガイド部（３）
へ高周波励磁電流（I₂）が流れることにより、発振器ユ
ニット（５）とコイルユニット（６）との電気的接続を
遮断する手段を設ける構成とした請求項（１）に記載の
埋設管路探査用発信器。