JPH07214576A - 注型成形品の製造方法 - Google Patents
注型成形品の製造方法Info
- Publication number
- JPH07214576A JPH07214576A JP1392694A JP1392694A JPH07214576A JP H07214576 A JPH07214576 A JP H07214576A JP 1392694 A JP1392694 A JP 1392694A JP 1392694 A JP1392694 A JP 1392694A JP H07214576 A JPH07214576 A JP H07214576A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- cast
- casting
- mold
- molded product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】設置条件に応じた各部位の特性を備えた注型成
形品を得る。 【構成】金型7の内部に仕切板6を挿入して内部を区画
する。仕切板6の片側には、高充填注型材料9を注入
し、仕切板6の他側には、低充填注型材料8を注入す
る。注入後に仕切板6を抜き、金型7を回転させて、充
填剤を遠心力で偏在させる。
形品を得る。 【構成】金型7の内部に仕切板6を挿入して内部を区画
する。仕切板6の片側には、高充填注型材料9を注入
し、仕切板6の他側には、低充填注型材料8を注入す
る。注入後に仕切板6を抜き、金型7を回転させて、充
填剤を遠心力で偏在させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば重電機器の導体
接続部などに使われるブッシングなどのような絶縁用の
注型成形品の製造方法に関する。
接続部などに使われるブッシングなどのような絶縁用の
注型成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重電機器において、注型成形品は、絶縁
材料及び構造材料として多くの機器に用いられている。
注型成形品の成形材料には、耐湿性、耐薬性、寸法安定
性、電気的特性等に優れたエポキシ樹脂が多用され、ま
た、液状の樹脂を型に注入し、加熱硬化させ、所定の形
状に仕上げる注型による製造方法が採用されている。
材料及び構造材料として多くの機器に用いられている。
注型成形品の成形材料には、耐湿性、耐薬性、寸法安定
性、電気的特性等に優れたエポキシ樹脂が多用され、ま
た、液状の樹脂を型に注入し、加熱硬化させ、所定の形
状に仕上げる注型による製造方法が採用されている。
【0003】注入成形品の一例として注型で製造したブ
ッシング1の断面構造を図8に示す。導体2を心金とし
てこの導体2の外側に注型材料3が同軸に注型成形され
ている。また、箱体に取り付けるために複数の金属イン
サート4がフランジ部3aに埋め込まれている。このよ
うに、注型成形品は、内部に導体やインサートなどの金
属部品が埋設されたり、あるいは、沿面距離を増やすた
めに外側にひだを形成する等、複雑な形状のものが多
い。
ッシング1の断面構造を図8に示す。導体2を心金とし
てこの導体2の外側に注型材料3が同軸に注型成形され
ている。また、箱体に取り付けるために複数の金属イン
サート4がフランジ部3aに埋め込まれている。このよ
うに、注型成形品は、内部に導体やインサートなどの金
属部品が埋設されたり、あるいは、沿面距離を増やすた
めに外側にひだを形成する等、複雑な形状のものが多
い。
【0004】このような注型成形品においては、成形後
の樹脂の品質を安定化するために、通常、一つの注型品
に用いられる材料は一種類で、部品の各位置で均一であ
ることが必要である。
の樹脂の品質を安定化するために、通常、一つの注型品
に用いられる材料は一種類で、部品の各位置で均一であ
ることが必要である。
【0005】このような注型成形品は、内部と外部とで
は熱的,電気的,機械的,化学的等の条件の異なる環境
で使われる場合が多い。例えば、外面は、薬品,塵埃,
紫外線,オゾン,火炎,アーク,異物等に接触する環境
に設置される場合があり、これらのストレスから樹脂を
保護することが必要となる。一方、内側には、導体に流
れる電流によって発生した熱が伝達されて膨脹する。す
ると、金属導体とこの外側の注型樹脂との界面が剥離す
るおそれがあり、き裂が発生したり、耐コロナ特性が低
下するおそれがある。これを防ぐためには、金属導体が
注型樹脂と密着することが必要である。
は熱的,電気的,機械的,化学的等の条件の異なる環境
で使われる場合が多い。例えば、外面は、薬品,塵埃,
紫外線,オゾン,火炎,アーク,異物等に接触する環境
に設置される場合があり、これらのストレスから樹脂を
保護することが必要となる。一方、内側には、導体に流
れる電流によって発生した熱が伝達されて膨脹する。す
ると、金属導体とこの外側の注型樹脂との界面が剥離す
るおそれがあり、き裂が発生したり、耐コロナ特性が低
下するおそれがある。これを防ぐためには、金属導体が
注型樹脂と密着することが必要である。
【0006】このように内側と外側で要求される特性が
異なるにも係わらず、前述のように同一の注型材料で均
一に注型成形されるのが一般的である。例えば、通常、
注型材料は、シリカ粉末、アルミナ粉末などの無機質の
粉末が多量に充填されている。無機質は有機物の樹脂に
比べて硬く、摩耗,紫外線,オゾン,アーク,薬品,熱
などにも強く、安定している。これらの特徴は、注型成
形品としては、この注型成形品の表面に要求される特性
を満足する。
異なるにも係わらず、前述のように同一の注型材料で均
一に注型成形されるのが一般的である。例えば、通常、
注型材料は、シリカ粉末、アルミナ粉末などの無機質の
粉末が多量に充填されている。無機質は有機物の樹脂に
比べて硬く、摩耗,紫外線,オゾン,アーク,薬品,熱
などにも強く、安定している。これらの特徴は、注型成
形品としては、この注型成形品の表面に要求される特性
を満足する。
【0007】また、無機質粉末を樹脂に充填した場合に
も充填量の増加に従い、この特徴が発揮される。しかし
ながら、粉末の充填量の増加は、粘度の著しい増加によ
って、注型時の作業製を低下させるので、実製品には、
ある程度以上混合することはできない。
も充填量の増加に従い、この特徴が発揮される。しかし
ながら、粉末の充填量の増加は、粘度の著しい増加によ
って、注型時の作業製を低下させるので、実製品には、
ある程度以上混合することはできない。
【0008】この問題を解決する一つの方法として、異
種材料による多段注型法がある。例えば、内側と外側を
仕切板で区切って、導体と接触する内側には接着性良好
な樹脂分の多い組成の材料を注入する。一方、外側に
は、耐環境性に優れた無機質粉末を多量に充填した材料
を注入する。注入脱泡後、仕切を取り除き、加熱硬化さ
せると、内側と外側での特性の異なる注型成形品を得る
ことができる。
種材料による多段注型法がある。例えば、内側と外側を
仕切板で区切って、導体と接触する内側には接着性良好
な樹脂分の多い組成の材料を注入する。一方、外側に
は、耐環境性に優れた無機質粉末を多量に充填した材料
を注入する。注入脱泡後、仕切を取り除き、加熱硬化さ
せると、内側と外側での特性の異なる注型成形品を得る
ことができる。
【0009】一方、エポキシ樹脂を用いた注型成形品で
は、図9に示すように、例えばブッシング1Bの表面
に、隣接した高圧充電部により生じる電界の集中を緩和
するための導電性塗料12を塗布している。塗布の際に
は、この塗装作業の前処理として、成形樹脂の表面にブ
ラスト処理等を施し、樹脂の表面と導電性塗装層12との
接着性の向上を図っている。また、ブッシング1Bがも
し屋外に使用されるときには、雨,雪,凍結,紫外線,
汚損物質等の環境要因による劣化を防ぐため、耐候性塗
料13を導電性塗装層上に重ねて塗装している。
は、図9に示すように、例えばブッシング1Bの表面
に、隣接した高圧充電部により生じる電界の集中を緩和
するための導電性塗料12を塗布している。塗布の際に
は、この塗装作業の前処理として、成形樹脂の表面にブ
ラスト処理等を施し、樹脂の表面と導電性塗装層12との
接着性の向上を図っている。また、ブッシング1Bがも
し屋外に使用されるときには、雨,雪,凍結,紫外線,
汚損物質等の環境要因による劣化を防ぐため、耐候性塗
料13を導電性塗装層上に重ねて塗装している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した無
機質粉末を充填したときには、熱膨脹率が少なくなるの
で、充填量の差は二種類の材料の熱膨脹率の差となって
くる。その結果、仕切板の位置に存在する二種類の材料
の界面で大きなストレスが発生する。また、この界面は
接着力も低く、熱的,機械的,電気的に弱点部となりや
すい。
機質粉末を充填したときには、熱膨脹率が少なくなるの
で、充填量の差は二種類の材料の熱膨脹率の差となって
くる。その結果、仕切板の位置に存在する二種類の材料
の界面で大きなストレスが発生する。また、この界面は
接着力も低く、熱的,機械的,電気的に弱点部となりや
すい。
【0011】以上のように従来の二段注型法では、注型
成形品の内部に新たに異種材料の界面を弱点部として形
成する結果となり、界面の剥離やき裂によるコロナ放電
が発生するおそれがあるので、現在までは実用化が困難
である。
成形品の内部に新たに異種材料の界面を弱点部として形
成する結果となり、界面の剥離やき裂によるコロナ放電
が発生するおそれがあるので、現在までは実用化が困難
である。
【0012】一方、図9で示したようなブッシング1B
においては、導電性塗装層上に耐候性塗料を重ねて塗装
することもあり、さらに、これらの工程ごとにマスキン
グや乾燥を繰り返す必要があるので、作業工程が増え、
製作期間が長くなるだけでなく、これらに要する設備も
増える。
においては、導電性塗装層上に耐候性塗料を重ねて塗装
することもあり、さらに、これらの工程ごとにマスキン
グや乾燥を繰り返す必要があるので、作業工程が増え、
製作期間が長くなるだけでなく、これらに要する設備も
増える。
【0013】また、塗装のときには、成形品の外周面に
付着した離型剤を除去する作業も必要となり、そのため
に時間がかかるだけでなく、この離型剤が残ったときに
は、塗料の接着力が失われるので塗料が付着しなくなる
おそれもある。とくに、製品を屋外に設置した場合に
は、塗装層は環境にさらされて経時変化が促進されるた
め、特性の変化や劣化による浸食、剥離を生じるおそれ
があり、点検、補修あるいは再塗装を必要とするおそれ
もある。
付着した離型剤を除去する作業も必要となり、そのため
に時間がかかるだけでなく、この離型剤が残ったときに
は、塗料の接着力が失われるので塗料が付着しなくなる
おそれもある。とくに、製品を屋外に設置した場合に
は、塗装層は環境にさらされて経時変化が促進されるた
め、特性の変化や劣化による浸食、剥離を生じるおそれ
があり、点検、補修あるいは再塗装を必要とするおそれ
もある。
【0014】そこで、請求項1,2及び請求項3に記載
の発明の目的は、物理的、化学的特性に優れた注型成形
品の製造方法を得ることであり、請求項4に記載の発明
の目的は、製造工程を短縮し、電界緩和層を容易に形成
することのできる注型成形品の製造方法を得ることであ
る。
の発明の目的は、物理的、化学的特性に優れた注型成形
品の製造方法を得ることであり、請求項4に記載の発明
の目的は、製造工程を短縮し、電界緩和層を容易に形成
することのできる注型成形品の製造方法を得ることであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化させる注型成
形品の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、
この区画された金型の内部に、組成の異なる注型用樹脂
を注入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金型を回転又
は及び振動して前記注型用樹脂を硬化させる注型成形品
の製造方法である。 また、請求項2に記載の発明は、
注型用樹脂の組成として、無機質充填剤が混入された絶
縁樹脂としたことを特徴とする請求項1に記載の注型成
形品の製造方法である。
は、金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化させる注型成
形品の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、
この区画された金型の内部に、組成の異なる注型用樹脂
を注入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金型を回転又
は及び振動して前記注型用樹脂を硬化させる注型成形品
の製造方法である。 また、請求項2に記載の発明は、
注型用樹脂の組成として、無機質充填剤が混入された絶
縁樹脂としたことを特徴とする請求項1に記載の注型成
形品の製造方法である。
【0016】また、請求項3に記載の発明は、無機質充
填剤をシリカ粉末としたことを特徴とする請求項2に記
載の注型成形品の製造方法である。さらに、請求項4に
記載の発明は、金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化さ
せる注型成形品の製造方法において、金型の内部を複数
に区画し、この区画された金型の内部の少なくとも一区
画に、導電性の注型樹脂を注入し、区画間の遮蔽板を除
去した後、金型を回転又は及び振動して注型樹脂を硬化
させる注型成形品の製造方法である。
填剤をシリカ粉末としたことを特徴とする請求項2に記
載の注型成形品の製造方法である。さらに、請求項4に
記載の発明は、金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化さ
せる注型成形品の製造方法において、金型の内部を複数
に区画し、この区画された金型の内部の少なくとも一区
画に、導電性の注型樹脂を注入し、区画間の遮蔽板を除
去した後、金型を回転又は及び振動して注型樹脂を硬化
させる注型成形品の製造方法である。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明においては、注型成形品
の樹脂層の各部位には、この各部位の使用条件に応じた
組成の樹脂層が形成される。また、請求項2に記載の発
明においては、注型成形品の樹脂層の一部には、この一
部にかかる使用環境に応じた無機充填剤を含む樹脂層が
形成される。
の樹脂層の各部位には、この各部位の使用条件に応じた
組成の樹脂層が形成される。また、請求項2に記載の発
明においては、注型成形品の樹脂層の一部には、この一
部にかかる使用環境に応じた無機充填剤を含む樹脂層が
形成される。
【0018】また、請求項3に記載の発明においては、
注型成形品の樹脂層の一部には、この一部にかかる使用
環境に応じたシリカ粉末を含む樹脂層が形成される。さ
らに、請求項4に記載の発明においては、注型成形品の
樹脂層の一部には、注型成形品にかかる電界を緩和する
導電性の樹脂層が形成される。
注型成形品の樹脂層の一部には、この一部にかかる使用
環境に応じたシリカ粉末を含む樹脂層が形成される。さ
らに、請求項4に記載の発明においては、注型成形品の
樹脂層の一部には、注型成形品にかかる電界を緩和する
導電性の樹脂層が形成される。
【0019】
【実施例】以下、図面を用いて請求項1,2及び請求項
3に記載の発明の注型成形品の製造方法の一実施例を説
明する。まず、エポキシ注型樹脂(例えば、ビスフェノ
ール系固形樹脂、CT200 、チバ・ガイキー社の商品名)
と硬化材(例えば、酸無水物系硬化剤、HT903 、チバ・
ガイキー社の商品名)を基材として、これに無機質の粉
末充填剤(例えば、電気絶縁用シリカ粉末、A1、株式会
社龍森の商品名)の充填量を変えた2種類の材料(例え
ば、259phrと350phr)を用意する。
3に記載の発明の注型成形品の製造方法の一実施例を説
明する。まず、エポキシ注型樹脂(例えば、ビスフェノ
ール系固形樹脂、CT200 、チバ・ガイキー社の商品名)
と硬化材(例えば、酸無水物系硬化剤、HT903 、チバ・
ガイキー社の商品名)を基材として、これに無機質の粉
末充填剤(例えば、電気絶縁用シリカ粉末、A1、株式会
社龍森の商品名)の充填量を変えた2種類の材料(例え
ば、259phrと350phr)を用意する。
【0020】図1に示すように、このようにして調整し
た充填剤5の濃度の異なる注型材料を用い、中間部を仕
切板6で区画した金型7の内側の片側に低充填注型材料
8(250phr)を、他側に高充填注型材料9(350phr)を
充填する。充填後は、真空脱泡を行った後、仕切板6を
取り除く。この状態では、仕切板6が挿入されていた位
置に充填剤濃度の急激な差が存在し、特性上の界面が形
成されることになる。
た充填剤5の濃度の異なる注型材料を用い、中間部を仕
切板6で区画した金型7の内側の片側に低充填注型材料
8(250phr)を、他側に高充填注型材料9(350phr)を
充填する。充填後は、真空脱泡を行った後、仕切板6を
取り除く。この状態では、仕切板6が挿入されていた位
置に充填剤濃度の急激な差が存在し、特性上の界面が形
成されることになる。
【0021】そこで、金型7に密栓を付け、樹脂が外部
に流れ出さないようにして、遠心分離機に載せて、回転
する。場合によっては、その後加振機に搭載して、振動
を加える。樹脂は当初は液体状であるので、この回転又
は振動により、金型内で2種類の材料が移動し、混合す
る。
に流れ出さないようにして、遠心分離機に載せて、回転
する。場合によっては、その後加振機に搭載して、振動
を加える。樹脂は当初は液体状であるので、この回転又
は振動により、金型内で2種類の材料が移動し、混合す
る。
【0022】すなわち、比重の大きい無機質充填剤は、
回転による遠心力により、金型7の外側に移動する。そ
の結果、充填剤の濃度には、外側が高く、内側が低くな
る充填剤の混合比の勾配が形成される。また、振動によ
り2種類の材料がお互いに混合し、徐々に界面が消失す
る。この状態で加熱し、樹脂を硬化させる。樹脂がゲル
化し、半固体状態になるまで振動を続ける。
回転による遠心力により、金型7の外側に移動する。そ
の結果、充填剤の濃度には、外側が高く、内側が低くな
る充填剤の混合比の勾配が形成される。また、振動によ
り2種類の材料がお互いに混合し、徐々に界面が消失す
る。この状態で加熱し、樹脂を硬化させる。樹脂がゲル
化し、半固体状態になるまで振動を続ける。
【0023】硬化後の注型成形品には、図2の部分拡大
図に示すように、絶縁樹脂10の中に充填剤5の濃度の傾
斜が形成され、仕切による境界面が完全に消滅する。充
填剤5を混入すると、一般的に特性は複合則に従って変
化する。すなわち、耐アーク性,耐薬品性,耐紫外線
性,耐摩耗性は、外側の充填剤濃度の高い部分が良好な
特性を示す。逆に充填剤濃度の低い内側は、金属材料の
導体と良好な接着性を維持する。
図に示すように、絶縁樹脂10の中に充填剤5の濃度の傾
斜が形成され、仕切による境界面が完全に消滅する。充
填剤5を混入すると、一般的に特性は複合則に従って変
化する。すなわち、耐アーク性,耐薬品性,耐紫外線
性,耐摩耗性は、外側の充填剤濃度の高い部分が良好な
特性を示す。逆に充填剤濃度の低い内側は、金属材料の
導体と良好な接着性を維持する。
【0024】発明者らは、このようにして図3の縦断面
図に示すようなブッシング1を注型した。外側から10mm
の位置までは高充填注型材料9(シリカ粉末350phr)、
それよりも内側には通常の低充填注型材料8(同250ph
r)を注入し、真空脱泡後、仕切板6を除去し、密栓し
て金型7に 300回転/分で回転しながら一次硬化させ
た。ゲル化する前に回転から振動に移行した。
図に示すようなブッシング1を注型した。外側から10mm
の位置までは高充填注型材料9(シリカ粉末350phr)、
それよりも内側には通常の低充填注型材料8(同250ph
r)を注入し、真空脱泡後、仕切板6を除去し、密栓し
て金型7に 300回転/分で回転しながら一次硬化させ
た。ゲル化する前に回転から振動に移行した。
【0025】ゲル化以降は、充填剤の所定の位置に固定
され、移動を防ぐことができるため、回転・振動の効果
は消失する。その後、一次硬化、離型、二次効果は、通
常通り実施した。
され、移動を防ぐことができるため、回転・振動の効果
は消失する。その後、一次硬化、離型、二次効果は、通
常通り実施した。
【0026】回転させながら注型したブッシングの厚さ
方向の充填剤の濃度を図4のグラフに示す。充填剤の濃
度は、所定の位置で試験片を機械加工により切り出し、
加熱し有機分を除去した後残留重量から算出した。その
結果、充填剤の濃度は、内側から表面に向かって、徐々
に高くなっていくる。特に、表面付近は、高充填量(40
0phr以上)で無機質のシリカ粉末の分布が密になってい
る。通常250phr程度の充填量が標準であり、高充填は材
料の粘度が著しく増大し、注入・脱泡が困難となるの
で、注型作業には用いられていない。本発明の注型成形
品の製造方法では、注入・脱泡後に回転させることによ
り、作業性を損なうことなく、部分的な高充填を可能に
したものである。
方向の充填剤の濃度を図4のグラフに示す。充填剤の濃
度は、所定の位置で試験片を機械加工により切り出し、
加熱し有機分を除去した後残留重量から算出した。その
結果、充填剤の濃度は、内側から表面に向かって、徐々
に高くなっていくる。特に、表面付近は、高充填量(40
0phr以上)で無機質のシリカ粉末の分布が密になってい
る。通常250phr程度の充填量が標準であり、高充填は材
料の粘度が著しく増大し、注入・脱泡が困難となるの
で、注型作業には用いられていない。本発明の注型成形
品の製造方法では、注入・脱泡後に回転させることによ
り、作業性を損なうことなく、部分的な高充填を可能に
したものである。
【0027】また、本発明の樹脂形成品の充填材の濃度
の変化は連続的であり、表面から10mmの位置にあった仕
切りの界面は消失してる。界面の消失だけを目的とする
場合には、回転ではなく振動だけとしてもよい。
の変化は連続的であり、表面から10mmの位置にあった仕
切りの界面は消失してる。界面の消失だけを目的とする
場合には、回転ではなく振動だけとしてもよい。
【0028】このように、二段注型と回転・振動を併用
した本発明の注型成形品の製造方法で注型したブッシン
グと二段注型で回転・振動を付与しなかったブッシング
(シリカ粉末充填剤:外側350phr、内側250phr)、及び
従来の一体注型法によるブッシング(同充填剤:250phr
一定)に対し特性の比較評価を行った。外側表面の各種
特性の試験結果を表1に示す。
した本発明の注型成形品の製造方法で注型したブッシン
グと二段注型で回転・振動を付与しなかったブッシング
(シリカ粉末充填剤:外側350phr、内側250phr)、及び
従来の一体注型法によるブッシング(同充填剤:250phr
一定)に対し特性の比較評価を行った。外側表面の各種
特性の試験結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示すように、耐トラッキング性、耐
アーク性、耐候性試験(ウェザオメータ試験後の表面粗
さ)等の結果は、いずれも以下の順位で、本発明品の樹
脂成形品が優れた特性を示した。
アーク性、耐候性試験(ウェザオメータ試験後の表面粗
さ)等の結果は、いずれも以下の順位で、本発明品の樹
脂成形品が優れた特性を示した。
【0031】本発明品>二段注型品>従来品 これにより、表面に高充填したシリカ粉末の効果が確認
された。また、信頼性を評価するために、0℃・1時
間、 100℃・1時間の液相ヒートサイクル試験を10回行
い、外観を確認した。その結果、従来の方法で製作した
ブッシングでは、5サイクル課した後に、表面に達する
き裂が確認された。一方、本発明によるブッシング、及
び、二段注型法によるブッシングは、10サイクル課した
後においても、き裂の発生は認められなかった。
された。また、信頼性を評価するために、0℃・1時
間、 100℃・1時間の液相ヒートサイクル試験を10回行
い、外観を確認した。その結果、従来の方法で製作した
ブッシングでは、5サイクル課した後に、表面に達する
き裂が確認された。一方、本発明によるブッシング、及
び、二段注型法によるブッシングは、10サイクル課した
後においても、き裂の発生は認められなかった。
【0032】さらに、部分放電試験を行った。コロナ発
生開始の放電電荷量を10pCとして、パルス発生頻度 50p
psで交流を印加した場合、本発明によるブッシングは、
40kVで、放電電荷量は10pC未満で、初期の特性
を維持した。これに対し、二段注型法だけによるものの
コロナ開始電圧は、同一条件で、14kVまで低下した。こ
の結果、本発明品が従来品、あるいは単純な二段注型品
に比べて、熱的、機械的、電気的特性に優れ、信頼性に
富むことが実験的に証明された。
生開始の放電電荷量を10pCとして、パルス発生頻度 50p
psで交流を印加した場合、本発明によるブッシングは、
40kVで、放電電荷量は10pC未満で、初期の特性
を維持した。これに対し、二段注型法だけによるものの
コロナ開始電圧は、同一条件で、14kVまで低下した。こ
の結果、本発明品が従来品、あるいは単純な二段注型品
に比べて、熱的、機械的、電気的特性に優れ、信頼性に
富むことが実験的に証明された。
【0033】以上は、無機質の充填剤の濃度を変えた例
で説明したが、樹脂側の成分を変えてもよい。例えば、
屋外で使用する注型成形品の場合、耐候性のよいシクロ
系のエポキシ樹脂が効果的であるが、耐クラック性をは
じめとする機械的特性の観点からは、通常のビスフェノ
ール系のエポキシ樹脂の方が優れている。
で説明したが、樹脂側の成分を変えてもよい。例えば、
屋外で使用する注型成形品の場合、耐候性のよいシクロ
系のエポキシ樹脂が効果的であるが、耐クラック性をは
じめとする機械的特性の観点からは、通常のビスフェノ
ール系のエポキシ樹脂の方が優れている。
【0034】そこで、導体界面等熱膨脹率の差異から大
きな熱応力を発生し、剥離・き裂が発生しやすい内側に
は、ビスフェノール系エポキシ樹脂(例えばCT 200、チ
バ・ガイキー社の商品名)を用い、外側には、耐候性の
優れたシクロ系エポキシ樹脂(例えばCY 175、チバ・ガ
イギー社の商品名)を用いて二段注型する。
きな熱応力を発生し、剥離・き裂が発生しやすい内側に
は、ビスフェノール系エポキシ樹脂(例えばCT 200、チ
バ・ガイキー社の商品名)を用い、外側には、耐候性の
優れたシクロ系エポキシ樹脂(例えばCY 175、チバ・ガ
イギー社の商品名)を用いて二段注型する。
【0035】両者の界面は新たな弱点部となるので、脱
泡後、仕切板を除去し、ゲル化まで回転と振動を与えな
がら硬化させる。振動により二種類の材料は、混合し
て、界面は消失する。完成した注型成形品は、屋外仕様
であるが、機械的・電気的特性にも優れ、信頼性を上げ
ることができる。
泡後、仕切板を除去し、ゲル化まで回転と振動を与えな
がら硬化させる。振動により二種類の材料は、混合し
て、界面は消失する。完成した注型成形品は、屋外仕様
であるが、機械的・電気的特性にも優れ、信頼性を上げ
ることができる。
【0036】なお、上記実施例では、金型を区画する仕
切板は、1枚のときで説明したが、2枚でも3枚でもよ
い。仕切板を増やすことによって、区画を増やし回転時
間を短縮することができる。
切板は、1枚のときで説明したが、2枚でも3枚でもよ
い。仕切板を増やすことによって、区画を増やし回転時
間を短縮することができる。
【0037】このように、仕切板等で金型内を分割し、
分割した内部にそれぞれ組成の異なる樹脂を注入し、仕
切を取り去った後にゲル化まで回転や振動を与えながら
硬化させた注型成形品は、内部に特性の連続的な傾斜を
付与することができる。さらに、ゲル化まで振動を加え
ることにより、多段注型法における最大の弱点である異
種注型材料間の界面を消失させることができる。
分割した内部にそれぞれ組成の異なる樹脂を注入し、仕
切を取り去った後にゲル化まで回転や振動を与えながら
硬化させた注型成形品は、内部に特性の連続的な傾斜を
付与することができる。さらに、ゲル化まで振動を加え
ることにより、多段注型法における最大の弱点である異
種注型材料間の界面を消失させることができる。
【0038】シリカ、アルミナ等の無機質の充填剤は、
樹脂よりも比重が大きいため、回転の遠心力により外側
に移動し、外側表面の耐アーク性、耐トラッキング性、
耐候性等を高め、注型成形品としての性能を高めること
ができる。また、内側と外側で樹脂側の組成を変えるこ
とにより、それぞれの樹脂の特性を生かすことができ、
耐環境特性面で最大の硬化を発揮させることができる。
樹脂よりも比重が大きいため、回転の遠心力により外側
に移動し、外側表面の耐アーク性、耐トラッキング性、
耐候性等を高め、注型成形品としての性能を高めること
ができる。また、内側と外側で樹脂側の組成を変えるこ
とにより、それぞれの樹脂の特性を生かすことができ、
耐環境特性面で最大の硬化を発揮させることができる。
【0039】これらの材料、注型法から作製された注型
成形品は、仕様環境に対応した熱的、機械的、電気的特
性等を発揮させることができ、機器の寿命を延ばし、保
守点検間隔を延ばすことができる。
成形品は、仕様環境に対応した熱的、機械的、電気的特
性等を発揮させることができ、機器の寿命を延ばし、保
守点検間隔を延ばすことができる。
【0040】次に、請求項4に記載の発明の一実施例を
説明する。エポキシ注型樹脂(例えば、ビスフェノール
系固形樹脂、CY 255、チバ・ガイキー社の商品名)と硬
化剤(例えば酸無水物系硬化剤、HY 925、チバ・ガイキ
ー社の商品名)をベースとして、シリカ充填剤(例え
ば、電気絶縁用シリカ粉末、A1,株式会社龍森の商品
名)、導電性充填剤(例えば、カーボンパウダー)を充
てんする。
説明する。エポキシ注型樹脂(例えば、ビスフェノール
系固形樹脂、CY 255、チバ・ガイキー社の商品名)と硬
化剤(例えば酸無水物系硬化剤、HY 925、チバ・ガイキ
ー社の商品名)をベースとして、シリカ充填剤(例え
ば、電気絶縁用シリカ粉末、A1,株式会社龍森の商品
名)、導電性充填剤(例えば、カーボンパウダー)を充
てんする。
【0041】図5に示すように、導電性充填剤6を30ph
r(per handred of resin by weight) 加えた注型材料14
を耐熱容器11Aを用いて、仕切板6Aで区切った金型7
Aの左側に注入する。次に、シリカ充填剤13を250phr加
えた注型材料を同様に仕切板6Aの右側に注入する。注
入完了後、仕切板6Aを取り除くと界面は消滅して、樹
脂は一方から他方へ連続したマトリックスになる。この
際に振動を与えると、界面が混合し、更に効果的であ
る。次に、所定の条件で加熱して硬化させる。
r(per handred of resin by weight) 加えた注型材料14
を耐熱容器11Aを用いて、仕切板6Aで区切った金型7
Aの左側に注入する。次に、シリカ充填剤13を250phr加
えた注型材料を同様に仕切板6Aの右側に注入する。注
入完了後、仕切板6Aを取り除くと界面は消滅して、樹
脂は一方から他方へ連続したマトリックスになる。この
際に振動を与えると、界面が混合し、更に効果的であ
る。次に、所定の条件で加熱して硬化させる。
【0042】硬化後の注型成形品には、成形樹脂の部分
拡大断面図を示す図6に示すように、樹脂10A中の片側
に導電性充填剤12を含む導電層が形成される。これによ
り界面を形成することなく、導電性部を備えた注型成形
品が得られる。
拡大断面図を示す図6に示すように、樹脂10A中の片側
に導電性充填剤12を含む導電層が形成される。これによ
り界面を形成することなく、導電性部を備えた注型成形
品が得られる。
【0043】このようにすると、同じCY225 樹脂をマト
リックスとする材料を同時に硬化させることができるの
で、導電性領域と非導電性領域との境界面は完全に混合
し、明確な界面が消滅する。このため、導電性充填剤が
混入された導電性領域と、充填剤としてシリカが混入さ
れた非導電性領域との硬化収縮による境界面での剥離
や、両者の熱膨脹率の違いによる剥離等のおそれを解消
することができる。
リックスとする材料を同時に硬化させることができるの
で、導電性領域と非導電性領域との境界面は完全に混合
し、明確な界面が消滅する。このため、導電性充填剤が
混入された導電性領域と、充填剤としてシリカが混入さ
れた非導電性領域との硬化収縮による境界面での剥離
や、両者の熱膨脹率の違いによる剥離等のおそれを解消
することができる。
【0044】また、同じCY225 マトリックスを用いてい
るため、硬化条件を同一にでき、導電領域と非導電領域
との硬化を同時に行うことができる。以上の結果、製造
工程の省力化を図り、施行後の補修を必要としない長期
信頼性の高い注型成形品を得ることができる。
るため、硬化条件を同一にでき、導電領域と非導電領域
との硬化を同時に行うことができる。以上の結果、製造
工程の省力化を図り、施行後の補修を必要としない長期
信頼性の高い注型成形品を得ることができる。
【0045】上述した製造方法によって、導電性部、耐
候性部ともに樹脂中に含まれるのでブラスト研削工程等
を削除することが可能となり、注型成形品を製造する工
程が大幅に短縮される。また、マトリックス中に塗装層
が備わるので、導電特性のばらつきが改善され、かつ界
面が存在しなくなり機械強度が向上する。さらに経時変
化やヒートサイクルにより、注型成形品が屋外環境から
受けるさまざまな劣化、例えば塗装不良や剥離に対し効
果が得られる。
候性部ともに樹脂中に含まれるのでブラスト研削工程等
を削除することが可能となり、注型成形品を製造する工
程が大幅に短縮される。また、マトリックス中に塗装層
が備わるので、導電特性のばらつきが改善され、かつ界
面が存在しなくなり機械強度が向上する。さらに経時変
化やヒートサイクルにより、注型成形品が屋外環境から
受けるさまざまな劣化、例えば塗装不良や剥離に対し効
果が得られる。
【0046】実施例の効果についてブッシング断面図を
示した図7を参照して説明する。本発明によるブッシン
グと従来の一体注型法によるブッシングに対し0℃・1
時間、 100℃・1時間の液層ヒートサイクル試験を10回
行い、き裂発生の有無を確認した。その結果、従来法に
よるブッシングでは、5サイクル課した後に表面にき裂
が確認されたが、本発明によるブッシングは、10サイク
ル課した後も、き裂の発生は認められなかった。
示した図7を参照して説明する。本発明によるブッシン
グと従来の一体注型法によるブッシングに対し0℃・1
時間、 100℃・1時間の液層ヒートサイクル試験を10回
行い、き裂発生の有無を確認した。その結果、従来法に
よるブッシングでは、5サイクル課した後に表面にき裂
が確認されたが、本発明によるブッシングは、10サイク
ル課した後も、き裂の発生は認められなかった。
【0047】さらに、部分放電試験を行った。コロナ発
生開始の放電電荷量を10pCとて、パルス発生頻度 50pps
で交流を印可した場合、本発明によるブッシングは40kV
で発生したコロナの電荷量は10pC未満であった。また、
電気抵抗値も、1Ω・cmと初期特性を維持した。以上
より、本発明品が従来品と比べて、熱的,機械的,電機
的に優れ、信頼性に富むことが実験的に確認された。
生開始の放電電荷量を10pCとて、パルス発生頻度 50pps
で交流を印可した場合、本発明によるブッシングは40kV
で発生したコロナの電荷量は10pC未満であった。また、
電気抵抗値も、1Ω・cmと初期特性を維持した。以上
より、本発明品が従来品と比べて、熱的,機械的,電機
的に優れ、信頼性に富むことが実験的に確認された。
【0048】前述したように、多くの注型成形品は、内
部に金属インサートを備えており、機械の運転停止時に
伴う内側と外側の温度変化と熱膨脹率の差異により、樹
脂と金属界面に大きな熱応力が発生し、界面の剥離や靭
性の低いエポキシ樹脂中にき裂を発生しやすい。このよ
うに、エポキシ樹脂と金属が何らかの原因により一部が
剥離してもコロナが発生しないように、金属表面には導
電塗料が塗布されている。
部に金属インサートを備えており、機械の運転停止時に
伴う内側と外側の温度変化と熱膨脹率の差異により、樹
脂と金属界面に大きな熱応力が発生し、界面の剥離や靭
性の低いエポキシ樹脂中にき裂を発生しやすい。このよ
うに、エポキシ樹脂と金属が何らかの原因により一部が
剥離してもコロナが発生しないように、金属表面には導
電塗料が塗布されている。
【0049】即ち、導電塗料は金属よりもエポキシ樹脂
への接着特性がよいので、剥離が生じた場合、導電塗料
はエポキシ樹脂の方に接着しており、金属に電圧が印加
されても剥離した空間は金属中に存在することと同じこ
とになり、コロナ放電の発生はない。
への接着特性がよいので、剥離が生じた場合、導電塗料
はエポキシ樹脂の方に接着しており、金属に電圧が印加
されても剥離した空間は金属中に存在することと同じこ
とになり、コロナ放電の発生はない。
【0050】そこで、本発明の注型成形品の製造方法を
図7に示すように樹脂と金属の界面に用いることによ
り、より優れた注型成形品を得ることができる。以上の
ように、本発明により、仕切板等で金型内に分割し、こ
れに、同一の樹脂組成で特性を替えたものを順次注入
し、仕切板を取り去った後に同時に硬化せしめた注型成
形品は、内部に特性の連続的な傾斜を付与することが可
能である。
図7に示すように樹脂と金属の界面に用いることによ
り、より優れた注型成形品を得ることができる。以上の
ように、本発明により、仕切板等で金型内に分割し、こ
れに、同一の樹脂組成で特性を替えたものを順次注入
し、仕切板を取り去った後に同時に硬化せしめた注型成
形品は、内部に特性の連続的な傾斜を付与することが可
能である。
【0051】また、これは、ブラスト研削や塗装過程を
省略することにより、大幅な省力化を図ることができ、
熱的,機械的,電機的に優れ、信頼性の高い塗装層を備
えた注型成形品を提供することができる。
省略することにより、大幅な省力化を図ることができ、
熱的,機械的,電機的に優れ、信頼性の高い塗装層を備
えた注型成形品を提供することができる。
【0052】
【発明の効果】以上、請求項1に記載の発明によれば、
金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化させる注型成形品
の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、この
区画された金型の内部に、組成の異なる注型用樹脂を注
入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金型を回転又は及
び振動して前記注型用樹脂を硬化させることで、注型成
形品の樹脂層の各部位には、この各部位の使用条件に応
じた組成の樹脂層を形成したので、物理的,化学的特性
に優れた注型成形品の製造方法を得ることができる。
金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化させる注型成形品
の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、この
区画された金型の内部に、組成の異なる注型用樹脂を注
入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金型を回転又は及
び振動して前記注型用樹脂を硬化させることで、注型成
形品の樹脂層の各部位には、この各部位の使用条件に応
じた組成の樹脂層を形成したので、物理的,化学的特性
に優れた注型成形品の製造方法を得ることができる。
【0053】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、注型用樹脂の組成とし
て、無機質充填剤が混入された絶縁樹脂を用いること
で、注型成形品の樹脂層の一部には、この一部にかかる
使用環境に応じた無機充填剤を含む樹脂層を形成したの
で、物理的,化学的特性に優れた注型成形品の製造方法
を得ることができる。
求項1に記載の発明において、注型用樹脂の組成とし
て、無機質充填剤が混入された絶縁樹脂を用いること
で、注型成形品の樹脂層の一部には、この一部にかかる
使用環境に応じた無機充填剤を含む樹脂層を形成したの
で、物理的,化学的特性に優れた注型成形品の製造方法
を得ることができる。
【0054】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項2に記載の発明において、無機質充填剤をシリカ粉
末とすることで、注型成形品の樹脂層の一部には、この
一部にかかる使用環境に応じたシリカ粉末を含む樹脂層
を形成したので、物理的,化学的特性に優れた注型成形
品の製造方法を得ることができる。
求項2に記載の発明において、無機質充填剤をシリカ粉
末とすることで、注型成形品の樹脂層の一部には、この
一部にかかる使用環境に応じたシリカ粉末を含む樹脂層
を形成したので、物理的,化学的特性に優れた注型成形
品の製造方法を得ることができる。
【0055】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
金型の内部に注型用樹脂を注入し、硬化させる注型成形
品の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、こ
の区画された金型の内部の少なくとも一区画に、導電性
の注型樹脂を注入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金
型を回転又は及び振動して注型樹脂を硬化させること
で、注型成形品の樹脂層の一部には、注型成形品にかか
る電界を緩和する導電性の樹脂層を形成したので、製造
工程を短縮し、電界緩和層を容易に形成することのでき
る注型成形品の製造方法を得ることである。
金型の内部に注型用樹脂を注入し、硬化させる注型成形
品の製造方法において、金型の内部を複数に区画し、こ
の区画された金型の内部の少なくとも一区画に、導電性
の注型樹脂を注入し、区画間の遮蔽板を除去した後、金
型を回転又は及び振動して注型樹脂を硬化させること
で、注型成形品の樹脂層の一部には、注型成形品にかか
る電界を緩和する導電性の樹脂層を形成したので、製造
工程を短縮し、電界緩和層を容易に形成することのでき
る注型成形品の製造方法を得ることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2及び請求項3に記載の発明の注型
成形品の製造方法の一実施例を示す縦断面図。
成形品の製造方法の一実施例を示す縦断面図。
【図2】請求項1,2及び請求項3に記載の発明の注型
成形品の製造方法の作用を示す部分拡大断面図。
成形品の製造方法の作用を示す部分拡大断面図。
【図3】請求項1,2及び請求項3に記載の発明の注型
成形品の製造方法の一実施例を示す図1と異なる縦断面
図。
成形品の製造方法の一実施例を示す図1と異なる縦断面
図。
【図4】請求項1,2及び請求項3に記載の発明の注型
成形品の図2と異なる作用を示すグラフ。
成形品の図2と異なる作用を示すグラフ。
【図5】請求項4に記載の発明の注型成形品の製造方法
の一実施例を示す縦断面図。
の一実施例を示す縦断面図。
【図6】請求項4に記載の発明の注型成形品の製造方法
の作用を示す部分拡大断面図。
の作用を示す部分拡大断面図。
【図7】請求項4に記載の発明の注型成形品の製造方法
の作用を示す図6と異なる縦断面図。
の作用を示す図6と異なる縦断面図。
【図8】従来の注型成形品の製造方法で製造されたブッ
シングの一例を示す断面図。
シングの一例を示す断面図。
【図9】従来の注型成形品の製造方法で製造されたブッ
シングの図8と異なる一例を示す断面図。
シングの図8と異なる一例を示す断面図。
1,1A…ブッシング、2,2A…導体、3,14…注型
材料、4…金属インサート、5…充填剤、6,6A…仕
切板、7,7A…金型、8…低充填注型材料、9…高充
填注型材料、10…絶縁樹脂、11,11A…耐熱容器、12…
導電性充填剤、13シリカ充填剤。
材料、4…金属インサート、5…充填剤、6,6A…仕
切板、7,7A…金型、8…低充填注型材料、9…高充
填注型材料、10…絶縁樹脂、11,11A…耐熱容器、12…
導電性充填剤、13シリカ充填剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 勝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 永田 恭文 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内
Claims (4)
- 【請求項1】 金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化さ
せる注型成形品の製造方法において、前記金型の内部を
複数に区画し、この区画された前記金型の内部に、組成
の異なる前記注型用樹脂を注入し、前記区画間の遮蔽板
を除去した後、前記金型を回転又は及び振動して前記注
型用樹脂を硬化させる注型成形品の製造方法。 - 【請求項2】 注型用樹脂の組成として、無機質充填剤
が混入された絶縁樹脂としたことを特徴とする請求項1
に記載の注型成形品の製造方法。 - 【請求項3】 無機質充填剤をシリカ粉末としたことを
特徴とする請求項2に記載の注型成形品の製造方法。 - 【請求項4】 金型の内部に注型用樹脂を注入し硬化さ
せる注型成形品の製造方法において、前記金型の内部を
複数に区画し、この区画された前記金型の内部の少なく
とも一区画に、導電性の注型樹脂を注入し、前記区画間
の遮蔽板を除去した後、前記金型を回転又は及び振動し
て前記注型樹脂を硬化させる注型成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1392694A JP3285693B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 注型成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1392694A JP3285693B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 注型成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07214576A true JPH07214576A (ja) | 1995-08-15 |
JP3285693B2 JP3285693B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=11846797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1392694A Expired - Fee Related JP3285693B2 (ja) | 1994-02-08 | 1994-02-08 | 注型成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3285693B2 (ja) |
-
1994
- 1994-02-08 JP JP1392694A patent/JP3285693B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3285693B2 (ja) | 2002-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2355063C1 (ru) | Способ изготовления полюсных деталей выключателя для низковольтных распределительных устройств, распределительных устройств среднего напряжения и высоковольтных распределительных устройств, а также полюсная деталь | |
JP3422252B2 (ja) | 高電圧トランスおよびそれを用いた点火トランス | |
US4791247A (en) | Polyester bushing and method of making same | |
EP1983537B1 (en) | Vacuum interrupter | |
KR20020077373A (ko) | 회전전기기계의 도체 또는 도체 번들용 고품질 절연체를유동층 소결에 의해 제조하는 방법 | |
KR0175110B1 (ko) | 에폭시수지 조성물 및 이를 사용한 수지 성형물 | |
KR100656233B1 (ko) | 성형 전기 장치 및 성형 전기 장치의 제조 방법 | |
CZ20022253A3 (cs) | Způsob výroby izolací elektrických vodičů práškovým povlékáním | |
JPH07214576A (ja) | 注型成形品の製造方法 | |
JPH10308128A (ja) | 電気絶縁用樹脂モールド品 | |
KR920001722B1 (ko) | 유기 중합체 고형 절연물 및 그 제조방법 | |
US2744839A (en) | Coated electrical apparatus and method of making the same | |
JPS6318805B2 (ja) | ||
JPH01242655A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2571483B2 (ja) | エポキシ樹脂絶縁成形体に導電性層を形成する方法 | |
JP2013030368A (ja) | 樹脂注型品およびその製造方法 | |
JPH09231850A (ja) | ガス絶縁機器用絶縁スペーサ及びガス絶縁機器 | |
RU2151436C1 (ru) | Способ ремонта керамических изоляторов | |
JPS59201309A (ja) | ポリエステルプリミツクス成形絶縁操作ロツド | |
KR870002146B1 (ko) | 에폭시 전기절연물의 제조방법 | |
JP3621119B2 (ja) | 樹脂モールド品 | |
JPH0848857A (ja) | 樹脂モールド品 | |
JP3207720B2 (ja) | 樹脂モールド部品及びその製造方法 | |
JPH09282959A (ja) | 絶縁スペーサ | |
JP3590077B2 (ja) | 絶縁樹脂成形品の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080308 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090308 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |