JPH0721392U - 繰り出し式の消しゴム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 筆記具の後端に配設される繰り出し式の消し
ゴム装置の改良であって消しゴムの交換を容易化可能と
する。 【構成】 キャップの内孔に螺旋溝を備え、螺旋溝の前
端には段部が設けられ、キャップの内孔に挿入されて後
端に当接される天冠部を有し、後端近傍まで延設したス
リットと、スリットと連通して天冠部の後端に開口した
孔と、前方に軸部を有した内筒が設けられて、内筒がキ
ャップに対して天冠部と段部との間で挟着状に回転自在
で抜け止めされて、内筒の内孔部には後方に消しゴムを
挟着する弾性片を有し、前方の筒部の側面に突起を有し
た消しゴムホルダーが前後動可能で突起と弾性片を夫々
スリットに、突起は更に螺旋溝に嵌入させて、内筒の軸
部を先軸と回転方向で一体に接合して、先軸に対してキ
ャップを回転したときに消しゴムホルダーが後退して消
しゴムがキャップ後端から出没可能となり、且つ、消し
ゴムホルダーの後退限で弾性片が天冠部の孔から適宜突
出状態となって消しゴムの保持が解除可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筆記具の後端に配設され、回転することで消しゴムを繰り出すよう にした所謂繰り出し式の消しゴム装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、先軸に対しキャップを回転させて後端から太径の消しゴムを繰り出し、 先軸に対し後端をノックして芯を繰り出すようにしたシャープペンシルが知られ ている。従来のものは、スリットを有した内筒の後端に大径の天冠部が形成され ており、スリットより内筒内に側面に突起を有した消しゴムホルダーが嵌装され る。キャップは後端より内孔に螺旋溝を有し、前端内孔には段部が設けられてい る。キャップの後端より、内筒は適宜回転させながら消しゴムホルダーの突起を 螺旋溝に嵌装させて挿入され、天冠部の前端をキャップの後端に当接させた状態 で内筒前方の軸部側面に設けた弾性片の突起をキャップ内孔の段部に係止させる か、リングを軸部に圧入固着して段部に係止させ、キャップを天冠部と段部の間 で挟着してキャップに対して内筒を回転自在で抜け止めしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、消しゴムの消耗と共に消しゴムホルダーがキャップの後退限 まで達したときに、消しゴムを挟着する弾性片が天冠部の後端から突出して、消 しゴムの使用限界を知らしめると共に、消しゴムの保持を解除して新しい消しゴ ムの装着を容易化することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成する為に案出された本考案の繰り出し式の消しゴム装置は、キ ャップの内孔に螺旋溝を備え、螺旋溝の前端には段部が設けられ、キャップの内 孔に挿入されて後端に当接される天冠部を有し、後端近傍まで延設したスリット と、スリットと連通して天冠部の後端に開口した孔と、前方に軸部を有した内筒 が設けられて、内筒がキャップに対して天冠部と段部との間で挟着状に回転自在 で抜け止めされて、内筒の内孔部には後方に消しゴムを挟着する弾性片を有し、 前方の筒部の側面に突起を有した消しゴムホルダーが前後動可能で、突起と弾性 片を夫々上記スリットに、突起は更に螺旋溝に嵌入させて、内筒の軸部を先軸と 回転方向で一体に接合して、先軸に対してキャップを回転したときに消しゴムホ ルダーが後退して消しゴムがキャップの後端から出没可能となり、且つ、消しゴ ムホルダーの後退限で上記弾性片が天冠部の孔から適宜突出状態となるように構 成されたことを特徴とする。

【０００５】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示している。先ず、繰り出し式の消しゴム装置は、キ ャップ４、内筒１１、消しゴムホルダー１９の部材を組み合わせて構成され、キ ャップ４は先方に先軸１の後端外周に被嵌する内孔６と段部７を有し、段部７の 後方で内孔１０に螺旋溝５が形成されている。又、キャップ４の外周側面にはク リップ基部８と接続してクリップ９が設けられている。

【０００６】 内筒１１は、消しゴム２３を挿通する孔部と共にキャップ４の後端に当接され る天冠部１３を有し、略中央から後端近傍まで延設した長いスリット１２が穿設 され、スリット１２と連通して天冠部１３の後端に開口した孔１４が設けられて いる。又、前方には先軸１の後端孔に回転方向で一体に係合する軸部１５を有し て、軸部１５の内孔にはシャープペンシルの芯ケース３の外周部が適宜に止着さ れ、更に、芯ケース３の後端に当接する仕切り部１８が設けられている。又、軸 部１５の後方外周には傾斜面と垂直面で膨出状に設けられた係止突起１６が形成 されている。

【０００７】 又、消しゴムホルダー１９は後方に消しゴム２４の後端を挟着する一対の弾性 片２１とその内面には消しゴム２４の外面に適宜食い込む係止突起２２を有し、 前方の筒部２３の側面には弾性片２１と同軸上で一対の突起２０が設けられてい る。（図３参照）

【０００８】 前記、内筒１１の内孔部に、スリット１２の弾性変形により消しゴムホルダー １９を嵌装して突起２０と弾性片２１をスリット内に嵌入させると共に、消しゴ ムホルダー１９の後端に消しゴム２４が止着され、内筒１１をキャップ４の後端 から挿入して天冠部１３を後端に当接状態となし、軸部１５に側面に窓部２６を 穿設したストッパーリング２５を嵌装して、前記係止突起１６を弾性変形を利用 して窓部２６に嵌入係止させ、ストッパーリング２５を内筒の軸部１５に止着す ると共にストッパーリング２５の後端がキャップの段部７に当接して、内筒１１ はキャップ４の後端と段部７との間に挟着される。以上により内筒１１はキャッ プ４に対して回転自在で抜け止めされ、内筒１１の軸部１５が先軸１の後端孔に 回転止めされると共に芯ケース３に止着される。

【０００９】 ところで、前記先軸１の前方には芯ケース３の前後動と連動して芯を繰り出す ように成されたシャープペンシルの筆記体要素が配設されていいる。その構造に 付いては本考案の要旨ではないので説明を省略する。又、本考案の実施例ではシ ャープペンシル筆記具の後端に配設された繰り出し式の消しゴム装置を示したが 筆記具としては、後端のノックにより筆記先端部が軸先より出没するボールペン も適用される。その時には消しゴムの代わりにボールペンインキを消字可能とす る固形の修正剤等が取付けられる。又、ゴムラテックス系の消せるボールペンと した場合には消しゴムが取付けられる。

【００１０】 又、図４は消しゴムホルダーの他の形態を示しており、当該消しゴムホルダー ３０は、筒部３４の側面に弾性片３２と同軸上に一対の突起３１が設けられてい る。又、筒部３４は軸方向の略中央で割り部３６を有し、前面のヒンジ部３５で 接合された二つ割り形状となっている。二つ割りとした理由は当該部材の樹脂成 形を容易にしたことである。尚、ヒンジ接合にこだわらず二つ割り部材を相互の 要部に係止部を設けて固着することも可能である。

【００１１】

【作用】 先ず、先軸１に対しキャップ４を左右に回転すると消しゴム２４が天冠部１３ の後端孔から出没する。消しゴム２４を没入した状態でキャップ４の後端をノッ クすれば芯を繰り出すことができる。消しゴムが消耗して、消しゴムホルダー１ ９がキャップ４の後退限に達した時には、弾性片２１が天冠部１３の孔１４から 適宜突出状態となって、消しゴム２４の保持が解除可能となり、新しい消しゴム を差し変える。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の繰り出し式の消しゴム装置の構成及び作用は以上の如くであり、消し ゴムホルダーの後退限で弾性片がキャップの後端から適宜突出するので消しゴム の使用限界が判り、且つ、消しゴムの挟持状態が解除されるので新しい消しゴム の交換が容易化する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である繰り出し式の消しゴム装
置を示した要部の縦断面図で、消しゴムが適量突出した
状態となっている。

【図２】図１の上端側側面図である。

【図３】本考案に使用される消しゴムホルダーを示した
斜視図である。

【図４】消しゴムホルダーの他の形態例を示した斜視図
である。

【符号の説明】

１ 先軸 ２ 内孔 ３ 芯ケース ４ キャップ ５ 螺旋溝 ６ 内孔 ７ 段部 ８ クリップ基部 ９ クリップ １０ 内孔 １１ 内筒 １２ スリット １３ 天冠部 １４ 孔 １５ 軸部 １６ 係止突起 １７ 段部 １８ 仕切り部 １９ 消しゴムホルダー ２０ 突起 ２１ 弾性片 ２２ 係止突起 ２３ 筒部 ２４ 消しゴム ２５ ストッパーリング ２６ 窓部 ３０ 消しゴムホルダー ３１ 突起 ３２ 弾性片 ３３ 係止突起 ３４ 筒部 ３５ ヒンジ部 ３６ 割り部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先方に筆記部を備えた先軸の後端に配設
   された繰り出し式の消しゴム装置であって、当該繰り出
   し式の消しゴム装置はキャップの内孔に螺旋溝を備え、
   螺旋溝の前端には段部が設けられ、キャップの内孔に挿
   入されて後端に当接される天冠部を有し、後端近傍まで
   延設したスリットと、スリットと連通して天冠部の後端
   に開口した孔と、前方に軸部を有した内筒が設けられ
   て、内筒がキャップに対して天冠部と段部との間で挟着
   状に回転自在で抜け止めされて、内筒の内孔部には後方
   に消しゴムを挟着する弾性片を有し、前方の筒部の側面
   に突起を有した消しゴムホルダーが前後動可能で、突起
   と弾性片を夫々上記スリットに、突起は更に螺旋溝に嵌
   入させて、内筒の軸部を先軸と回転方向で一体に接合し
   て、先軸に対してキャップを回転したときに消しゴムホ
   ルダーが後退して消しゴムがキャップの後端から出没可
   能となり、且つ、消しゴムホルダーの後退限で上記弾性
   片が天冠部の孔から適宜突出状態となる様に構成された
   ことを特徴とする繰り出し式の消しゴム装置。