JPH0721379B2 - 製材木材用真空乾燥装置 - Google Patents

製材木材用真空乾燥装置

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JPH0721379B2
JPH0721379B2 JP60230891A JP23089185A JPH0721379B2 JP H0721379 B2 JPH0721379 B2 JP H0721379B2 JP 60230891 A JP60230891 A JP 60230891A JP 23089185 A JP23089185 A JP 23089185A JP H0721379 B2 JPH0721379 B2 JP H0721379B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、製材木材用真空乾燥装置に関する。
(発明の目的) 本発明の目的は、優れた利点を有する製材木材用真空乾
燥装置を提供することである。本発明の乾燥装置によれ
ば、これまでもっぱら木材中水分の蒸発にのみに使用さ
れていた排気作用をその二次的作用に使用して、著しい
利点を、本発明の乾燥装置により実施される乾燥プロセ
スにもたらすことができる。
とくに、本発明による排気作用の二次的作用は、有利に
は木材のそり返りや変形などの欠陥に対する保護を提供
することを目的とする。これらの欠陥は、自然乾燥法
(エージング法)と同様に、あらゆる人工乾燥法では回
避し難いものとして当該分野では認識されている(もっ
とも、前者は後者よりもその程度が少ない)。本発明の
もう1つの目的は、本発明により好適に制御される真空
装置の二次的作用の結果として、乾燥速度を増大した真
空乾燥装置を提供することである。
上記目的および本明細書に記載の他の目的は、本発明の
製材木材用の真空乾燥装置によって達成することができ
る。
(具体例) つぎに、添付の図面を参照しながら、具体例を挙げて本
発明をさらに詳しく説明するが、これらに限定されるも
のではない。
第1図は、本発明の第1具体例の断面図、 第2図は、第1図に示す装置の部分拡大図、 第3図は、本発明の第2具体例の部分断面図、 第4図は、第3図の装置の部分拡大図、 第5図は、本発明の第3具体例の断面図である。
第1図において、乾燥室1は、長方形平面を持つ平行六
面体形であって金属シートから形成されて、平坦な硬質
壁(またはベース壁)2を有する。硬質壁2は、平坦で
あって、強化布部材3により強化されており、実質的に
硬質である。
乾燥室1は、上方装入開口部1aを有し、この内側に摺動
自在で硬質の可動壁(または可動板)20を設けて、乾燥
室1の硬質壁2に対向する面を閉鎖する。可動壁20は、
その周辺にシール手段を有する。このシール手段は、図
示した具体例では、可動壁20の側方端部に設けた周辺溝
22内に収納した周辺シール材21からなる。真空ポンプ10
は、その吸引側をワンウエイバルブ11を介して乾燥室1
に空気連通させる一方、その排出側を蒸気排気管に接続
して外部に解放させる。
図示した乾燥装置における他の付属品として、側壁に付
設した手動バルブ12を設けて、その開放状態では乾燥室
1内に空気を導入する。また、乾燥室1の底部に手動排
気バルブ13を設けて、蒸気凝縮物を外部に放出させる。
加熱部品14は、公知のタイプの複数の平板状のプレート
であって、電気抵抗または加熱流体の循環により加熱す
ることができる。
加熱部品14は、各々、長方形であって、底部の硬質壁2
と実質的に同じ表面積を有する。
乾燥室1の底部において、加熱部品は、断熱材15を底部
2上に介在させて設置し、これにより外部への放熱を防
止する。
板材に切断した木材16は、加熱部品14の間に常法で挿入
する。
操作の間、加熱部品14は、板材16との接触により、木材
中水分の蒸発に必要な熱を伝達する一方、真空作用によ
り、大気圧下で操作する乾燥装置の場合よりもより低い
温度で水分を蒸発させる。これと同時に、水分の木材の
中心か周辺への移動を常法で促進する。
第1図の本発明の乾燥装置の具体例において、排気作用
を行うと、外部から作用する大気圧によって、可動壁20
は、乾燥室の内部を経て、硬質壁2の方向へ移動する。
シール材21は、乾燥室1の外部からの気密状態の維持の
下に、可動壁20の移動を保証する。すなわち、加熱部品
14相互間の板材は、強固にかつ均一に平坦状の硬質壁2
に押圧することができる。たとえば、当該操作を真空度
90%で行うと、表面積1m×5mの加熱部品を備えた小型の
乾燥装置であっても、木材を硬質壁2へ押圧する力は、
45000Kgfもあり、変形を防止すべく積層木材上に載置さ
れる荷重に匹敵する。
この木材に対する均一で大きな圧力は、乾燥工程の間の
真空操作により得られものであるが、かかる圧力は、木
材のそり反りや変形を実質的に除去する本発明の目的と
する効果を奏し、木材は完全に平板状を維持することが
できる。
さらに本発明の連続真空乾燥工程において、加熱と真空
処理を同時に行って、その圧力により加熱部品と板材を
緊密に接触させ、これにより、熱の木材への伝達を著し
く容易にさせて木材の加熱を促進し、その結果当然に、
乾燥速度を増大させることができる。これと同時に、外
部への熱損失が低減する。なぜなら、熱が、加熱部品と
の緊密な接触により木材へ容易に通過できるからであ
り、また、乾燥時間が短縮化されるためである。
一例として、リブリア州産のヨーロッパアカマツのよう
な樹脂質の木材試料について種々の試験を行ったとこ
ろ、時間当たり約6%までの平均損失をもって、新鮮な
製材木材の最大湿度(初期湿度約130%まで)を実質的
に無水状態にさせることができた。本発明において最も
重要なことは、操作温度を、樹脂質試料に対し通常採用
されるよりもより低い温度、即ち約65℃以下に維持する
ことができる点であり、その結果、当該木材の自然色を
保存することができ、かつ他の欠陥の発生を完全に排除
することができたのである。
注目すべきは、本発明による時間当たりの高い平均損失
は、180℃もの高温で操作する公知の乾燥装置であって
も達成できない点である。この現象は、真空作用との組
合で相乗効果をもたらす圧縮の結果として本発明の乾燥
装置内の木材中水分が絞りだされる事実によって説明す
ることができる。この効果については後述する。
平均的な硬度を有する種類の木材を用いた場合であって
も、著しい消費エネルギの低減化を立証するために、厚
さ75mmのニレを用い、所定のテストを行った。
このテストにおいて、初期平均湿度91%を30%(繊維の
飽和点に相当)にするため、1.155KWhのみの電力消費に
より水1Kgを蒸発させた。即ち、消費電力は、蒸発した
水1当たり994カロリーである。この消費量は、前記
した具体例のような著しい厚さの硬質の木材にとって非
常に少ない量であって、乾燥が容易な種類の材木、たと
えば樹脂質の薄い材木について換気装置やエネルギー回
収装置を備えた良好な公知の乾燥装置にって達成される
消費量よりもより少ない量でさえある。
本発明の乾燥装置によって達成可能なの別の目的は、自
然乾燥や人工乾燥の実施によってすでに形成された木材
のそり返りや変形などの欠陥を修正するため、木材の曲
げに通常用いられている方法を逆利用することが挙げら
れる。事実、加熱部品を用いて真っ直ぐにしようとする
木材を可塑化温度に加熱し、かつ真空操作により木材の
厚さに応じて数時間の間、硬質壁2に当該木材を押圧し
つづける必要がある。これらのフラット加熱部品の加熱
を停止させた後、木材を硬質壁2に押圧しながら当該木
材を冷却して堅固化するまで真空操作を持続し、これに
より、所望の平坦な形状を達成することができる。本発
明の別の目的は、前記したような木材に対する圧搾作用
を増大させることである。
これは、各加熱部品の間に挿入された各木材層の表面積
をある程度減少させるで、達成することができる。すな
わち、可動壁20に対する低い圧力によって生じる力は、
各木材の縮小した表面に伝達するため、当該圧力は、表
面積の減少に反比例して増大する。所望の大きな圧力
は、木材の表面積の減少や木材収容用の乾燥室容量の犠
牲によって達成することができる。一方、この犠牲が十
分に払われるならば、圧力が実質的に二乗法則にしたが
って乾燥速度が増大し、よって最終の乾燥生産量も増加
させることができる。すなわち、たとえば、収納容量を
1/2にすれば、乾燥速度が4倍となり、その結果、生産
量が2倍となる。実際上、乾燥木材が周囲湿度の変化に
伴って著しい厚さ変化を防止するには、圧力は2Kg/cm2
を超えることは都合よくない。
木材に対する押圧作用を系統的に増大させることが所望
の場合、その乾燥装置の構造を本発明にしたがい好適に
変形できるが、たとえば、各加熱部品の表面積をその作
製段階で縮小することができる。
加熱部品:可動壁20の面積の比率は、当該可動壁20に作
用する圧力に比例して当該木材に対する圧力を増加する
ことが所望の係数値の逆数とすることができる。好適に
は、木材に対する圧力を実質的に2倍にする場合、この
比率は1/2とすることができる。
加熱部品を備える真空乾燥装置において、不連続操作
法、即ち加熱操作を大気圧にて行い、その後、乾燥室が
所望の操作温度に到達した後に真空操作を行なう方法を
用いると、同様の圧縮効果が得られ、また、比較的低い
真空圧であるが木材に対する加圧には充分である真空状
態下で加熱を行うことにより、当該木材の硬質壁2に対
する押圧を十分に増大させることができる。一方、木材
の加熱用として温度制御した加熱部品を使用せずに熱風
の換気を用いて加熱するタイプの真空乾燥装置において
も、前記した同様な効果は、各木材層を2枚の金属板の
間に挿入して金属と木材を直接接触させかつ木材層隙間
形成用のフイレットにより各木材層を所定の場所に保持
して換気を達成することで、得ることができる。
第3図の具体例の装入開口部1aにおいて、乾燥室1は、
外方に曲げられた平坦なフランジ4を有し、その面は硬
質壁(ベース壁)2に平行である。
乾燥室1の開口部1aは、フランジ4と硬質の長方形周辺
フレーム6とが協働することにより形成される、開閉自
在な蓋(蓋体)5を備える。フレーム6は、下方に向い
た壁により溝部を形成し、その溝部内に弾性材料のシー
ル材7を挿入させてフランジ4と接触させる。
硬質の板である可動壁25は、長方形周辺フレーム6によ
って形成される空間内に配置し、可動壁25の側面は、当
該フレーム6の対応する側面に対向し、等距離で間隔を
あけている。この可動壁25の端部は、弾性材料からなる
平坦な環状のシール材26を介してフレーム6に接続して
おり、このため、可動壁25とフレーム6の間は、気密的
に密封することができる。乾燥室1が排気されると、シ
ール材26は乾燥室1の硬質壁2の方向に可動壁25を移動
させる。
第5図の具体例は、乾燥室内で形成された真空により移
動可能な壁である可動壁8が数mmの薄厚の繊維強化ゴム
シートまたは弾性材料からなる点で、第3図の装置と実
質的に相違する。可動壁8は、フレーム6と対向フレー
ム9の間に挟み込んでフレーム6の周囲に固定するとと
もに、常法でねじ締めしてフレーム6と対向フレーム9
の間を密封することができる。
またこの場合、再度、表面積を減少させた平坦な温度制
御加熱部品を用いることにより、木材に対するより大き
な加圧を達成することができる。ただし、圧力と正確に
伝達させるには、可動壁(シート)8に接する上部・温
度制御加熱部品は、実質的に可動壁(シート)8と同じ
大きさであって、充分な堅さを有するように成形せねば
ならない。また、非変形性層、好適には熱絶縁材料から
なる層を上部加熱部品とシート可動壁8の間に挿入する
必要がある。この層は、シート8と実質的に同じ表面積
とすることにより真空作用下に乾燥室1の内方に移動す
る際にシート自体が耐久性を示すようなものとしなけれ
ばならない。
本発明は、本発明の範囲を逸脱しない限り、本発明の原
理に従い種々に変形することができる。例えば、硬質壁
2の垂直方向に木材を圧縮する効果を同様に得ようとす
るならば、前記した一対の壁と同様のものであって当該
一対の壁に対し垂直であるような第2の一対の壁を設置
する必要がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1具体例の断面図、第2図は、第
1図の装置の部分拡大図、第3図は、本発明の第2具体
例の部分断面図、第4図は、第3図の装置の部分拡大
図、第5図は、本発明の第3具体例の断面図である。 1…乾燥室(乾燥チャンバー) 1a…開口部(開口) 2…硬質壁(ベース壁) 3…裏張り布 4…フランジ 5…蓋(蓋体) 6…フレーム 7…シール材 8…可動壁(シート) 9…フレーム 10…真空ポンプ 14…加熱部品(フラット発熱素子) 15…熱絶縁材層 16…木材 20…可動壁(硬質板体) 21…シール材 25…可動壁(硬質板体)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材を収容する乾燥室(1)を備える製材
    木材用真空乾燥装置であって、上記乾燥室(1)内に、
    硬質かつ平坦である硬質壁(2)と当該硬質壁に対向す
    る可動壁(20,25,8)からなる少なくとも1対の壁を設
    けること、 上記乾燥室(1)を排気した際、可動壁(20,25,8)
    を、その外側に作用する圧力の下に硬質壁(2)の方向
    に密封状態で移動させて、木材を当該硬質壁(2)に強
    制的に押圧させること、 および 上記密封状態を、a)硬質の可動壁(20)の両側部と当
    該可動壁(20)の進行方向に延在する両側壁の間に、弾
    性材料からなるシール材(21)を介在させるか、または b)乾燥室(1)上方に設けた硬質のフレーム(9)の
    下面に、硬質の可動壁(25)端部に設けたシール材(2
    6)を固定するかまたは弾性材料からなるシート可動壁
    (8)端部を伸張させて固定し、かつシール材(26)ま
    たは可動壁(8)の伸張部分の下面に設けたフレーム
    (6)と上記両側壁上端に外方に設けたフランジ(4)
    の間に、弾性材料からなるシール材(7)を介在させる
    ことにより、維持する ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】上記シール材(21)を、可動壁(20)の両
    側部に設けた溝(22)内に収納して、当該可動壁(20)
    の進行方向に延在する両側壁に密封状態で接触させるこ
    とにより、前記密封状態を維持する特許請求の範囲第1
    項記載の装置。
  3. 【請求項3】可動壁(25,8)が、硬質のフレーム(9)
    と協働して、乾燥室(1)の開口部(1a)用の開閉自在
    な蓋(5)を形成する特許請求の範囲第1項記載の装
    置。
  4. 【請求項4】可動壁(20,25,8)よりも小さい表面積を
    有する平板状の加熱部品(14)を備える特許請求の範囲
    第1項記載の装置。
  5. 【請求項5】加熱部品(14)の表面積:可動壁(20,25,
    8)の表面積の比が、1/2である特許請求の範囲第4項記
    載の装置。
  6. 【請求項6】全ての加熱部品が、可動壁(8)よりも小
    さい表面積を有し、 さらに、硬質壁(2)と加熱部品(14)の間に、当該硬
    質壁(2)と実質的に同じ表面積を有する非変形性で好
    適には熱絶縁性の層(15)を設ける特許請求の範囲第4
    項記載の装置。
  7. 【請求項7】可動壁(8)に隣接する加熱部品が、当該
    可動壁(8)と実質的に同じ表面積を有する一方、他の
    加熱部品が当該可動壁(8)よりもより小さい表面積を
    有する特許請求の範囲第1項記載の装置。
  8. 【請求項8】木材の装入の間に、金属板を木材層の間に
    介在させて当該金属板を当該木材層に接触させる、加熱
    部品を使用しないタイプの特許請求の範囲第1項記載の
    装置。
  9. 【請求項9】相互に垂直である2対の対向する壁を設け
    る特許請求の範囲第1項記載の装置。
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