JPH0721296B2 - 摩擦用板 - Google Patents

摩擦用板

Info

Publication number
JPH0721296B2
JPH0721296B2 JP27747286A JP27747286A JPH0721296B2 JP H0721296 B2 JPH0721296 B2 JP H0721296B2 JP 27747286 A JP27747286 A JP 27747286A JP 27747286 A JP27747286 A JP 27747286A JP H0721296 B2 JPH0721296 B2 JP H0721296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction
carbon
cfrc
fiber
fiber diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP27747286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63130937A (ja
Inventor
幸典 山下
幸一 岩田
正剛 阪上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP27747286A priority Critical patent/JPH0721296B2/ja
Publication of JPS63130937A publication Critical patent/JPS63130937A/ja
Publication of JPH0721296B2 publication Critical patent/JPH0721296B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、摩擦用板、特に航空機、鉄道、自動車、産業
用機械等のブレーキの摩擦用板に関するものである。
(従来技術) 炭素繊維強化炭素材(以下CFRCと略記する)を摩擦用板
に用いたブレーキが航空機等に使用されており、従来の
金属材料を用いた摩擦用板に比べブレーキの軽量化と性
能向上を実現している。
CFRC同志の摩擦は非常に速いすべり速度においても安定
かつ高い摩擦係数を示し、温度による摩擦係数の変動も
小さい利点がある。更にCFRCは耐熱性、熱伝導に優れて
いるため多量の摩擦熱を発生する様な条件下でも使用可
能である。
またCFRCは機械的強度についても優れているため金属材
料等による補強板を用いずCFRC単体で摩擦用板として使
用できる。
(発明が解決しようとする問題点) 以上のようにCFRCは優れた摩擦性能を発揮する反面、耐
摩性に劣る欠点もある。航空機の摩擦用板に用いられる
CFRCは金属系摩擦用板に比較して耐摩性に優れていると
言われているが、これは摩擦材の摩擦面温度400℃以上
の領域での摩耗であつて低温特に100℃付近においてはC
FRCの摩耗は極めて悪い。更に繊維直径10μm未満の炭
素繊維を用いたCFRCの摩耗が特に大きかつた。
上記に鑑み本発明は、このような耐摩性の問題を、しか
も機械的強度その他の特長を損うことなく、解消するた
め開発されたものである。以下詳細に本発明を説明す
る。
CFRCの摩耗を改善する方法として理由は明らかでない
が、繊維直径10μm以上の炭素繊維を用いることが有効
である。炭素繊維の強度と繊維直径は第1表に示す関係
があり、耐摩性を改善するために繊維直径10μm以上の
炭素繊維を使用すれば炭素繊維の価格が増加するか又は
炭素繊維の強度を低下させる結果になつてしまう。具体
的には繊維直径10μm以上かつ引張り強度200Kg/mm2
上の炭素繊維を用いれば非常に高価で該繊維を用いたCF
RCは高価格なものとなり極めて限られた分野の摩擦用板
にしか使用できない。
又一方繊維直径10μm以上で安価な炭素繊維を用いたCF
RCは機械的強度に劣り、それ単体では摩擦用板として使
用できない。
そこで本発明者は耐摩性に優れる繊維直径10μm以上か
つ安価な炭素繊維を用いたCFRCに摩擦用板に要求される
機械的強度を付加させることにより、安価かつ耐摩性が
良好かつ機械的強度に優れるCFRC製摩擦用板を得たもの
である。
(問題点を解決するための手段) 即ち本発明の摩擦用板は、少くとも1つの面が摩擦面で
ある、炭素繊維強化炭素材で出来た摩擦用板において、
該板が、繊維直径10μm以上の炭素繊維を用いた炭素材
と繊維直径10μm未満かつ引張り強度200Kg/mm2以上の
強度を持つ炭素繊維を用いた炭素材の2種の炭素材を用
い、これら炭素材を層間を結合して積層体を一体に成形
した炭素繊維強化炭素材より構成され、かつ繊維直径10
μm以上の炭素繊維を用いた炭素材が摩擦面であること
を特徴とするものである。
上記を具体例で説明する。
第1〜2図は本発明の一具体例であつて、二つの面が摩
擦面となつている摩擦用円板を示しており、摩擦される
面には繊維直径10μm以上の炭素繊維を用いたCFRC材
(1)が、又円板の芯部には繊維直径10μm未満かつ引
張り強度200Kg/mm2以上の炭素繊維を用いたCFRC材
(2)が用いられている。
第3〜4図は本発明の他の一具体例であつて、一つの面
が摩擦面となつている摩擦用パツドを示しており、
(1)および(2)に用いるCFRCは第1〜2図のものと
同一である。
この本発明の摩擦用円板の製造法を第1〜2図に例とし
て示した摩擦用円板について工程順に説明する。
繊維直径10μm以上の炭素繊維と樹脂により熱成形され
た複合材(1)の円板と、繊維直径10μm未満かつ引張
り強度200Kg/mm2以上の炭素繊維と樹脂により熱成形さ
れた複合材(2)の円板を作る。
この時用いる樹脂としてはポリアクリロニトリル等の熱
可塑樹脂、石炭及び石油より生成されるピツチ、フエノ
ール、フラン等の熱硬化樹脂を用いることができる。
上記の2種の複合材の円板を積層する。積層は上記
(2)の複合材の円板を中央に、その両側に上記(1)
の複合材の円板を積層して第1〜2図で示す三重構造に
なるように行う。
該積層体を、複合体中の樹脂を軟化させる適度の温度に
加熱された金型中に挿入して積層体の層間に圧縮が加わ
るように加圧を行う。この時樹脂を軟化させて層間の接
着を行う。この積層体は必要に応じて樹脂の不融化処
理、硬化処理等を施す。
次に該積層体をカーボン製モールド中へ挿入して、但し
金型成形とカーボン製モールド成形の加圧方向が同一で
ある、該モールドを加圧出来る高温焼成炉中に設置して
カーボンの酸化が生じない非酸化性雰囲気中で加圧を加
えながら1500℃以上の温度までモールド中の積層体を焼
成する。
焼成中の昇温速度は樹脂の炭素化を考慮して選択する事
が重要である。具体的には800〜1000℃以下の温度領域
では樹脂の分解反応により多量のガスを放出する為、急
激な昇温を避けゆつくりした昇温が望ましくそれ以降は
比較的早い昇温が可能である。
上記金型中での積層体の接着工程であるが、この工程を
省略してカーボンモールド中で同様の接着工程を実施す
る事も可能である。
上記の1500℃以上の高温焼成した複合材は樹脂の炭素化
が完了しているのでCFRCとして得られる。又得られたCF
RCは第1〜2図の様に炭素繊維の直径により三重構造の
CFRCになつており、その各々の層間界面はほとんど失な
われており得られたCFRCは一体のCFRCとなつている。
上記工程は第1〜2図に沿つて説明を行つたもので円板
の積層について説明したが、積層体の形状を限定するも
のではない。
(作用) 上記の様に、安価かつ耐摩性に優れる繊維直径10μm以
上の炭素繊維を用いた炭素材と、機械的強度に優れた引
張り強度200Kg/mm2以上のかつ繊維直径10μm未満の炭
素繊維を用いた炭素材の二者を組合わせることにより、
CFRC製摩擦用板に要求される耐摩耗性と機械的強度の二
点を同時に満足でき、価格的にも安価なものを得る事が
可能となる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を述べる。
(実施例1) 第1〜2図に示される摩擦用円板を作つた。(1),
(1)部には繊維直径14.5μ、引張り強度74Kg/mm2、引
張り弾性率3TON/mm2の炭素繊維を用いたCFRCであり、
(2)部には繊維直径7μ、引張り強度310Kg/mm2、引
張り弾性率23TON/mm2の炭素繊維を用いたCFRCである。
該摩擦用円板を外径φ240mm、厚み13mmに加工し、
(1),(1)部の各厚みを約1mmとし、(2)部の厚
みが約11mmとなるようにした。
次に第3〜4図に示される摩擦用パツドを作つた。
(1)部および(2)部は第1〜2図に示される摩擦用
円板の(1)部および(2)部と同一のCFRCとした。摩
擦用パツドの(1)部の厚みを2mmとし、(2)部の厚
みを13mmとした。
(1)部の一部分を切出し物性を測定したが見掛比重1.
55であつた。
(2)部の一部分を切出し物性を測定したが見掛比重1.
70、曲げ強度1250Kg/cm2であつた。
上記の摩擦用円板と2個の摩擦用パツドをスポツト型デ
イスクブレーキにセツトして摩擦試験を行つた。
摩擦試験は慣性制動方式で行ない、3.0Kg・m・sec2
慣性荷重を摩擦用円板に与え、該円板を465rpmで回転さ
せ、該パツドの押付け力12Kg/cm2を一定にして慣性制動
を1000回くり返した。その時ローター中に埋込んだ熱電
対によりローター温度を測温しローター温度が100℃以
下の時に制動が始まるようにした。
1000回制動後の摩擦用パツドには1.26mmの摩耗があり、
摩擦用円板には両面の摩耗を合わせ0.30mmの摩耗が生じ
た。
(比較例1) 繊維直径14.5μ、引張り強度74Kg/mm2、引張り弾性率3T
ON/mm2の炭素繊維を用いたCFRCを作り、実施例1と同じ
寸法の摩擦用円板と摩擦用パツドを作つた。この時のCF
RCの物性は見掛比重1.57、曲げ強度400Kg/cm2であつ
た。
この摩擦用円板とパツドを実施例1と同一条件の摩擦試
験を実施したが、一回目の制動でローターが破壊して試
験が実施できなかつた。
(比較例2) 繊維直径7μ、引張り強度310Kg/mm2、引張り弾性率23T
ON/mm2の炭素繊維を用いたCFRCを作り、実施例1と同じ
寸法の摩擦用円板と摩擦用パツドを作つた。この時のCF
RCの物性は見掛比重1.75、曲げ強度1350Kg/cm2であつ
た。
この摩擦用円板とパツドを実施例1と同一条件の摩擦試
験を実施した。1000回制動後の摩擦用パツドには4.40mm
の摩耗があり、摩擦用円板には両面の摩耗を合わせ1.00
mmの摩耗があつた。
(発明の効果) 以上の様に、本発明の摩擦用板は、従来のCFRC製摩擦用
板よりも安価かつ耐摩耗性に優れており、耐熱性および
軽さは従来のCFRCと同様に優れている。そして本発明の
摩擦用板は安価であるため従来品よりも広い用途に用い
る事ができる、具体的には航空機、鉄道、自動車等のブ
レーキに用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の摩擦用円板の斜視的外観
図、第2図は第1図のA−A′部の断面図、第3図は本
発明の他の一実施例の摩擦用パツドの斜視的外観図、第
4図は第3図のB−B′部の断面図を夫々例示してい
る。 (1)……繊維直径10μ以上の炭素繊維を用いたCFRC
材、 (2)……繊維直径10μ未満かつ引張り強度200Kg/mm2
以上の炭素繊維を用いたCFRC材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの面が摩擦面である、炭素
    繊維強化炭素材で出来た摩擦用板において、該板が、繊
    維直径10μm以上の炭素繊維を用いた炭素材と繊維直径
    10μm未満かつ引張り強度200Kg/mm2以上の強度をもつ
    炭素繊維に用いた炭素材の2種の炭素材を用い、これら
    炭素材を層間は結合して積層体を一体に成形した炭素繊
    維強化炭素材より構成されかつ繊維直径10μm以上の炭
    素繊維を用いた炭素材が摩擦面であることを特徴とする
    摩擦用板。
JP27747286A 1986-11-19 1986-11-19 摩擦用板 Expired - Lifetime JPH0721296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27747286A JPH0721296B2 (ja) 1986-11-19 1986-11-19 摩擦用板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27747286A JPH0721296B2 (ja) 1986-11-19 1986-11-19 摩擦用板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63130937A JPS63130937A (ja) 1988-06-03
JPH0721296B2 true JPH0721296B2 (ja) 1995-03-08

Family

ID=17584066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27747286A Expired - Lifetime JPH0721296B2 (ja) 1986-11-19 1986-11-19 摩擦用板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0721296B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5468252B2 (ja) * 2005-04-26 2014-04-09 ボーグワーナー インコーポレーテッド 摩擦材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63130937A (ja) 1988-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3053874B2 (ja) 摩擦要素
JP3911522B2 (ja) 摩擦ディスクとその製造方法
US3956548A (en) Duo material carbon composite brake disk
US8789665B2 (en) Carbon fiber reinforced carbon matrix composite for brake pad back plate
JPH06505325A (ja) 正の振動減衰を与えるカーボン複合ブレーキディスク
WO2006033373A1 (ja) 炭素複合材料、炭素複合材料からなるブレーキ材料、および炭素複合材料の製造方法
US4747476A (en) Methods of making clutch driven plates
JP6204447B2 (ja) 自動車ブレーキディスクの製造方法
KR101610131B1 (ko) 자동차 브레이크 디스크 제조 방법
JP6783183B2 (ja) 炭素短繊維強化複合材料およびその製造方法
JPH0721296B2 (ja) 摩擦用板
KR101608904B1 (ko) 자동차 브레이크 디스크 제조 방법
US5875877A (en) Polymer derived fiber reinforced ceramic composite clutch
JP2779911B2 (ja) ブレーキ組立体
JPH0718091A (ja) 湿式摩擦材
JPH0619198B2 (ja) 摩擦用板
JP3008218B2 (ja) 非石綿系摩擦材成形品
JP2811574B2 (ja) 摩擦材
JP2818326B2 (ja) 摩擦材
JPS6350568B2 (ja)
JPH0885781A (ja) ブレーキ用摩擦材
KR20200068121A (ko) 복합재 브레이크 디스크 및 그 제조방법
KR20110095543A (ko) 탄소-세라믹 브레이크 디스크 및 이를 제조하는 방법
JPS62215134A (ja) 二層成形クラツチフエ−シング
JP3795091B2 (ja) ブレーキ摺動部およびこれを用いたカーボンブレーキ