JPH07211B2 - Pc鋼より線の端部定着用頭部成形方法 - Google Patents

Pc鋼より線の端部定着用頭部成形方法

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JPH07211B2
JPH07211B2 JP22011890A JP22011890A JPH07211B2 JP H07211 B2 JPH07211 B2 JP H07211B2 JP 22011890 A JP22011890 A JP 22011890A JP 22011890 A JP22011890 A JP 22011890A JP H07211 B2 JPH07211 B2 JP H07211B2
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▲ひかる▼ 六車
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株式会社タイムスエンジニアリング
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプレストレストコンクリート工法における応力
導入用の緊張材や、斜張橋等の引張ケーブル等に使用す
るPC鋼より線の端部に、その定着のため、外径を膨出さ
せた頭部を形成するPC鋼より線の端部定着用頭部形成方
法に関する。
(従来の技術) 従来、プレストレストコンクリート工法の応力導入や、
斜張橋等の引張ケーブル等に用いられるPC鋼材には、一
本の単線からなるPC鋼棒と複数の単線をより合わせたPC
鋼より線が使用されている。
また、PC鋼材の端部定着方法には、楔定着、ナット定
着、及び頭部定着がある。楔定着は、応力導入後の引張
力によって半割状楔がテーパー穴内に引き込まれる際の
挾持力によってPC鋼材の外周を挾持して定着するもので
あり、ナット定着はPC鋼材の外周にねじを成形し、これ
にナットを螺嵌させて定着するものである。また、頭部
定着はPC鋼材の端部を加圧変形させて、その外径を膨出
させた頭部を一体に備え、この頭部によって定着させる
ものである。そして、従来はPC鋼棒には上述した各定着
方法の全てが使用されているが、PC鋼より線には従来、
定着に必要なねじ加工、及び頭部成形加工ができなかっ
たため、楔定着しか使用されていなかった。
そこで本発明者らはPC鋼より線に頭部定着方法を実施す
べく、PC鋼より線の端部にスリーブを嵌合させて加圧変
形させることにより頭部を成形する方法を開発した(特
開平2-75430号公報)。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来のスリーブを嵌合させて頭部を加圧成形さ
せる方法では、頭部成形時にスリーブ自体は外径が大き
く膨出されるが、PC鋼より線を構成している各単線は、
先端が互いに拡開される方向に曲げられた状態で変形さ
れるため、スリーブが破裂し易く、また破裂しないまで
もPC鋼より線の強度に比べて膨出部の強度が小さく、必
要な緊張力を付与した際の定着に耐え得ないという問題
があった。
本発明は上述の如き従来の問題にかんがみ、PC鋼より線
に対し、これと同等の強度の端部定着用頭部を成形する
ことのできるPC鋼より線の端部定着用頭部成形方法の提
供を目的としたものである。
(課題を達成するための手段) 上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成する
ための本発明の特徴は、複数の素線をより合わせたPC鋼
より線の端部外周に金属スリーブを嵌め合わせ、その金
属スリーブ嵌合部分をPC鋼より線の強度低下が起こらな
い限度の温度までに加熱して加圧変形させるPC鋼撚り線
の端部定着用頭部成形方法において、前記金属スリーブ
を前記PC鋼より線と略同じ鋼材をもって成形し、かつ、
該金属スリーブをその一端を閉鎖した有底筒状としたこ
とにある。
なお、PC鋼より線は、断面が円形の素線を複数本より合
わせたままのもの、及びそのより合わせたものを冷間引
抜加工によって素線間の螺旋状の溝を縮小させるととも
に、断面を円形に近い形状に塑性変形させたもののいず
れでもよい。
(作用) この方法によれば、金属スリーブをPC鋼より線の端部に
嵌合し、その端面を加圧すると、PC鋼より線の先端の各
素線が拡開される方向に変形されるとともに金属スリー
ブが軸方向に圧縮されて外周が膨出する。このとき、金
属スリーブは先端が閉鎖されているため、その端部閉鎖
壁部分及び外周壁部分が拡開された素線間に喰い込んで
内部が緻密な頭部となり、頭部を支持して引張した際、
せん断前の縮径方向の変形がなくなる。
(実施例) 次に本発明の実施例を図面について説明する。
本発明において頭部成形加工を施すPC鋼より線は、第1
図に示すように複数の素線をより合わせたPC鋼より線1
及びこのPC鋼より線1を図には示してないが冷間引抜加
工によって塑性変形させ、第2図に示すように素線間の
螺旋状の溝巾を縮小させ、外周の円筒面積を増大させた
PC鋼より線1Aを使用する。
次に上記両PC鋼より線1もしくは1A(以下単に1と記
す)に対する頭部加工工程を順に説明する。
まず、PC鋼より線1を所要の長さに切断する。
所要長さに切断されたPC鋼より線1の先端頭部成形加工
部に第3図〜第5図に示すように有底筒状の金属スリー
ブ2を嵌め合わせる。なお、このスリーブ2はPC鋼より
線1と同質の鋼材料を使用する。
スリーブ2を挿入したPC鋼より線1は、第6図に示すよ
うに頭部成形加工機に送り込み、クランプ3によってク
ランプさせる。完全にクランプさせると同時に高周波誘
導加熱装置加熱コイル4によってスリーブ2を含むPC鋼
より線1頭部成形加工部を所定の温度まで加熱させる。
加熱温度の調整は加熱時間と加熱電圧によって行う。所
定の温度まで加熱させた後加熱電圧が遮断し、次に油圧
プレスシリンダーを働かせ、頭部成形用加圧金具5を押
し出し、スリーブ2の端面より軸方向に加圧させる。こ
れによって第7図に示すように頭部6が成形加工され
る。頭部成形加工が完了した後、油圧プレスシリンダー
により加圧金具5を元の位置に戻し、クランプ3を開放
してPC鋼より線1を取り出す。なお、これらの動作は自
動制御機構により順次自動的に行われる。
このようにして成形された頭部6は、第7図に示すよう
にPC鋼より線1の各素線1aの端部が互いに拡開する方向
に湾曲され、その外側がスリーブ2の円筒壁部2a内面に
喰い込む。一方スリーブ2は圧縮されることにより円筒
壁部2aの外周面が膨出する方向に変形し、更にスリーブ
2の端部閉塞壁部2bが拡開した素線1a間に喰い込んで素
線端部間を移動不能に保持し、内部が緻密な頭部6が成
形される。
また、クランプ3による圧縮力によってスリーブ2の円
筒壁部2aが縮径方向に変形させ、PC鋼より線1の外周を
挾持させることにより、スリーブ2の固着力を増強でき
る。
なお、頭部成形加工部の加熱方式は高周波誘導加熱方式
でなく、直接通電方式あるいはその他の熱源でもよい。
このようにして頭部6が成形加工されたPC鋼より線1の
使用に際しては、従来のPC鋼棒の頭部定着と同じ方法に
よって定着できる。
なお、上述の実施例では7本のPC鋼より線を使用してい
るが、これに限らず、各種の本数よりのPC鋼より線が使
用できる。
(発明の効果) 上述したように本発明のPC鋼より線の端部定着用頭部成
形方法は、有底筒状の金属スリーブをPC鋼より線の端部
に嵌合させて加圧変形させるようにしたことにより、加
圧によって拡開したPC鋼より線の素線端部とスリーブが
相互に喰い込み合って内部が緻密な状態の頭部が成形さ
れることとなり、また、スリーブにPC鋼より線と略同じ
鋼材を使用し、強度低下が起こらない限度の加熱である
ため、頭部の強度はPC鋼より線自体と同強度のものが得
られることとなったものである。
而して、本発明方法を用いることにより、PC鋼棒と同じ
ように頭部定着が実現され、従来のPC鋼より線の楔定着
に比べ、定着のための費用が著しく減少し、かつ確実な
定着がでることとなったものであり、その効果は甚だ大
なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明において加工を施すPC鋼より線
の端面図、第3図、第4図はそれぞれPC鋼より線に金属
スリーブを挿入した状態の横断面図、第5図は同縦断平
面図、第6図は頭部成形加工機の概略構成を示す断面
図、第7図は同頭部成形加工機における頭部成形加工完
了状態の断面図である。 1,1A……PC鋼より線、1a……素線、2……スリーブ、2a
……周壁部、2b……端部閉鎖壁部、3……クランプ、4
……高周波誘導加熱コイル、5……頭部成形用加圧金
具、6……頭部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の素線をより合わせたPC鋼より線の端
    部外周に金属スリーブを嵌め合わせ、その金属スリーブ
    嵌合部分をPC鋼より線の強度低下が起こらない限度の温
    度までに加熱して加圧変形させるPC鋼撚り線の端部定着
    用頭部成形方法において、前記金属スリーブを前記PC鋼
    より線と略同じ鋼材をもって成形し、かつ、該金属スリ
    ーブをその一端を閉鎖した有底筒状としたことを特徴と
    してなるPC鋼より線の端部定着用頭部成形方法。
  2. 【請求項2】複数の素線をより合わせたより線を冷間引
    抜加工によって素線間の螺旋状の溝巾を縮小させるとと
    もに、断面を円形に近い形状に塑性変型させたPC鋼より
    線を使用する請求項第1項に記載のPC鋼より線の端部定
    着用頭部成形方法。
JP22011890A 1990-08-23 1990-08-23 Pc鋼より線の端部定着用頭部成形方法 Expired - Fee Related JPH07211B2 (ja)

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