JPH07211629A - 位置検出装置及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

位置検出装置及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法

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JPH07211629A
JPH07211629A JP6023393A JP2339394A JPH07211629A JP H07211629 A JPH07211629 A JP H07211629A JP 6023393 A JP6023393 A JP 6023393A JP 2339394 A JP2339394 A JP 2339394A JP H07211629 A JPH07211629 A JP H07211629A
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JP
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light
mask
wafer
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light spot
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Application number
JP6023393A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Nose
哲志 野瀬
Koichi Chitoku
孝一 千徳
Kenji Saito
謙治 斉藤
Masanori Hasegawa
雅宣 長谷川
Masaru Osawa
大 大沢
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクとウエハとの間隔及び位置ずれを高精
度に検出することができる位置検出装置及びそれを用い
た半導体デバイスの製造方法を得ること。 【構成】 第1物体面上と第2物体面上に各々物理光学
素子より成るアライメントマークを設け、これらのアラ
イメントマークに入射させた光束の所定面上に生ずる光
スポットの位置情報を検出手段により検出することによ
り該第1物体と第2物体との相対的な位置検出を行なう
際、該第1物体と第2物体の間隔の長さに応じて該所定
面上に生ずる光スポットの半値幅または1つの軸を対称
軸とした非対称性または光強度分布の肩の位置での強度
またはピーク光量値に基づく位置情報のうち少なくとも
1つの位置情報を選択し、該選択した位置情報を信号処
理して該第1物体と第2物体との間隔を求めているこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位置検出装置及びそれを
用いた半導体デバイスの製造方法に関し、例えば半導体
素子製造用の露光装置において、マスクやレチクル(以
下「マスク」という。)等の第1物体面上に形成されて
いる微細な電子回路パターンをウエハ等の第2物体面上
に露光転写する際にマスクとウエハの間隔を測定し、所
定の値に制御し、更にマスクとウエハの相対的な面内の
位置決め(アライメント)を行なう場合に好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体製造用の露光装置におい
ては、マスクとウエハの相対的な位置合わせは性能向上
を図るための重要な一要素となっている。特に最近の露
光装置における位置合わせにおいては、半導体素子の高
集積化のために、例えばサブミクロン以下の位置合わせ
精度を有するものが要求されている。
【0003】その際、マスクとウエハとの間隔を面間隔
測定装置等で測定し、所定の間隔となるように制御した
後に、マスク及びウエハ面上に設けた位置合わせ用の所
謂アライメントパターンより得られる位置情報を利用し
て双方のアライメントを行なっている。このときのアラ
イメント方法としては、例えば双方のアライメントパタ
ーンのずれ量を画像処理を行なうことにより検出した
り、又は米国特許第4037969号や特開昭56−1
57033号公報で提案されているようにアライメント
パターンとしてゾーンプレートを用い該ゾーンプレート
に光束を照射し、このときゾーンプレートから射出した
光束の所定面上における集光点位置を検出すること等に
より行なっている。
【0004】図21は特開昭61−111402号公報
で提案されている間隔測定装置の概略図である。同図に
おいては第1物体としてのマスクMと第2物体としての
ウエハWとを対向配置し、レンズL1によって光束をマ
スクMとウエハWとの間の点PS に集光させている。
【0005】このとき光束はマスクM面上とウエハW面
上で各々反射し、レンズL2を介してスクリーンS面上
の点PW ,PM に収束投影されている。マスクMとウ
エハWとの間隔はスクリーンS面上の光束の集光点P
W ,PM との間隔を検出することにより測定してい
る。
【0006】図22はゾーンプレートを利用した従来の
位置検出装置の概略図である。
【0007】同図において光源72から射出した平行光
束はハーフミラー74を通過後、集光レンズ76で集光
点78に集光された後、マスク68面上のマスクアライ
メントパターン68a及び支持台62に載置したウエハ
60面上のウエハアライメントパターン60aを照射す
る。これらのアライメントパターン68a,60aは反
射型のゾーンプレートより構成され、各々集光点78を
含む光軸と直交する平面上に集光点を形成する。このと
きの平面上の集光点位置のずれ量を集光レンズ76とレ
ンズ80により検出面82上に導光して検出している。
【0008】そして検出器82からの出力信号に基づい
て制御回路84により駆動回路64を駆動させてマスク
68をウエハ60の相対的な位置決めを行なっている。
【0009】図23は図22に示したマスクアライメン
トパターン68aとウエハアライメントパターン60a
からの光束の結像関係を示した説明図である。
【0010】同図において集光点78から発散した光束
はマスクアライメントパターン68aよりその一部の光
束が回折し、集光点78近傍にマスク位置を示す集光点
78aを形成する。また、その他の一部の光束はマスク
68を0次透過光として透過し、波面を変えずにウエハ
60面上のウエハアライメントパターン60aに入射す
る。このとき光束はウエハアライメントパターン60a
により回折された後、再びマスク68を0次透過光とし
て透過し、集光点78近傍に集光しウエハ位置をあらわ
す集光点78bを形成する。同図においてはウエハ60
により回折された光束が集光点を形成する際には、マス
ク68は単なる素通し状態としての作用をする。
【0011】このようにして形成されたウエハアライメ
ントパターン60aによる集光点78bの位置は、ウエ
ハ60のマスク68に対するマスク・ウエハ面に沿った
方向(横方向)のずれ量Δσに応じて集光点78を含む
光軸と直交する平面に沿って該ずれ量Δσに対応した量
のずれ量Δσ′として形成される。
【0012】同図に示す位置合わせ装置においては、相
対的な位置ずれ量を求める際にマスクとウエハ面上に設
けたゾーンプレートからの光束を評価すべき所定面上に
独立に結像させて各々基準とする位置からのずれ量を求
めている。
【0013】この場合、ゾーンプレートからの直接像を
そのまま評価したのでは相対的な位置ずれ量に対する所
定面上の動きが同程度で小さいため、高精度の位置合わ
せを行なうために、例えば所定面上の動きを拡大する拡
大系等を設けていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図21や図22に示す
装置は構成が全く異なるために第1物体と第2物体の対
向方向(間隔方向)と対向方向に垂直方向(横方向,面
内方向)の双方の相対的位置関係を検出するには各々横
方向(面内方向)相対位置検出装置と間隔測定装置を各
々別個に設けなければならなかった。このため装置全体
が大型化かつ複雑化してくる傾向があった。
【0015】これに対して本出願人は特願平4−125
23号公報において装置全体の簡素化を図りつつ、常に
高精度に横方向の位置ずれ検出と面間隔検出ができる位
置検出装置を提案している。
【0016】本発明は、第1物体と第2物体の相対的な
位置ずれ量及び面間隔を検出する際に、第1物体と第2
物体面上に各々所定の光学性質を有した物理光学素子
(回折格子、ゾーンプレート、ホログラム等)を設け、
これらの物理光学素子を利用し、所定面上に生ずる回折
光を検出することにより、面間隔検出系と位置ずれ検出
系とを各々独立に設けずに1つの装置により装置全体の
簡素化を図りつつ、高ストローク、高精度に、しかも容
易に第1物体と第2物体の位置ずれ量及び面間隔を検出
することのできる、特に半導体素子製造に好適な位置検
出装置及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法の提
供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の位置検出装置
は、 (1−1)第1物体面上と第2物体面上に各々物理光学
素子より成るアライメントマークを設け、これらのアラ
イメントマークに入射させた光束の所定面上に生ずる光
スポットの位置情報を検出手段により検出することによ
り該第1物体と第2物体との相対的な位置検出を行なう
際、該第1物体と第2物体の間隔の長さに応じて該所定
面上に生ずる光スポットの半値幅または1つの軸を対称
軸とした非対称性または光強度分布の肩の位置での強度
またはピーク光量値に基づく位置情報のうち少なくとも
1つの位置情報を選択し、該選択した位置情報を信号処
理して該第1物体と第2物体との間隔を求めていること
を特徴としている。又、前記検出手段からの信号を用い
て前記第1物体と第2物体の面内の位置ずれを求めてい
ることを特徴としている。
【0018】(1−2)第1物体面上と第2物体面上に
各々物理光学素子より成るアライメントマークを設け、
これらのアライメントマークに入射させた光束の所定面
上に生ずる光スポットの位置情報を検出手段により検出
することにより該第1物体と第2物体との相対的な位置
検出を行なう際、該第1物体と第2物体の間隔の長さに
応じて該所定面上に生ずる光スポットのピーク値情報ま
たは光スポットの積分値または1つの軸を対称軸とした
非対称性または光強度分布のピーク値に対する肩の位置
とその大きさに基づく位置情報のうち少なくとも1つの
位置情報を選択し、該選択した位置情報を信号処理して
該第1物体と第2物体との間隔を求めていることを特徴
としている。又、前記検出手段からの信号を用いて前記
第1物体と第2物体の面内の位置ずれを求めていること
を特徴としている。
【0019】本発明の半導体デバイスの製造方法は、 (2−1)マスク面上とウエハ面上に各々物理光学素子
より成るアライメントマークを設け、該マスク面とウエ
ハ面上に設けたアライメントマークに各々光束を入射さ
せ、該アライメントマークを介した光束の所定面上に生
じる光スポットの半値幅または1つの軸を対称軸とした
非対称性または光強度分布の肩の位置での強度またはピ
ーク光量値に基づく位置情報のうち少なくとも1つの位
置情報を選択し、該選択した位置情報を信号処理して該
第1物体と第2物体との間隔を求める工程を介してマス
クとウエハとの相対的な位置検出を行なった後、該マス
ク面上のパターンをウエハ面上に転写し、次いで現像処
理工程を介して半導体デバイスを製造したことを特徴と
している。
【0020】(2−2)マスク面上とウエハ面上に各々
物理光学素子より成るアライメントマークを設け、該マ
スク面とウエハ面上に設けたアライメントマークに各々
光束を入射させ、該アライメントマークを介した光束の
所定面上に生じる光スポットのピーク値情報または光ス
ポットの積分値または1つの軸を対称軸とした非対称性
または光強度分布のピーク値に対する肩の位置とその大
きさに基づく位置情報のうち少なくとも1つの位置情報
を選択し、該選択した位置情報を信号処理して該第1物
体と第2物体との間隔を求める工程を介してマスクとウ
エハとの相対的な位置検出を行なった後、該マスク面上
のパターンをウエハ面上に転写し、次いで現像処理工程
を介して半導体デバイスを製造したことを特徴としてい
る。
【0021】
【実施例】図1,図3は各々本発明の原理及び構成要件
等の光路を展開して示した説明図であり、図1は第1物
体Mと第2物体Wとの面内の位置ずれがない場合を示し
ている。図3は第1物体Mと第2物体Wとの面内に位置
ずれがΔだけある場合を示している。図2は第1物体M
と第2物体Wとの面内に位置ずれが0のときの要部断面
図、図4は第1物体Mと第2物体Wとの面内に位置ずれ
がΔのときの要部断面図である。
【0022】図中、Mはマスクであり第1物体に相当し
ている。Wはウエハであり第2物体に相当している。本
実施例は第1物体Mと第2物体Wとを間隔gだけ離れて
対向配置しており、同図では双方の間隔及び相対的な位
置ずれ量を検出する場合を示している。
【0023】本実施例では図2,図4に示すように第1
物体Mを通過し、第2物体Wで反射した光が再度第1物
体Mを通過するため、図1,図3では第1物体Mが2つ
示されている。2は第1物体Mに設けた集光性のアライ
メントマーク、3は第2物体Wに設けた発散性のアライ
メントマークであり、第1信号を得るためのものであ
る。同様に4は第1物体Mに設けた発散性のアライメン
トマーク、5は第2物体Wに設けた集光性のアライメン
トマークであり、第2信号光を得るためのものである。
【0024】図1,図3ではアライメントマーク3,5
を等価な透過型のアライメントパターンに置換した光路
で示している。各アライメントマークは1次元又は2次
元のレンズ作用のあるグレーティングレンズ又は回折格
子等の物理光学素子の機能を有している。
【0025】図18にこれらのマスクM面上及びウエハ
W面上のアライメントマーク2,3,4,5のパターン
を示す。
【0026】図1〜図4において光束1a,1bはアラ
イメントマーク2で1次の回折作用を受け、次いでアラ
イメントマーク3で1次の回折作用を受け、アライメン
トマーク2を通過した光束(以下「光束M(1)-W(1)-M
(0) 」と表わす。)である。
【0027】本実施例ではアライメントマーク2とアラ
イメントマーク3で集光と発散作用を受ける凸凹系のア
ライメント系AA1を構成し、このアライメント系AA
1を介した平面波光束1は、図1に示すように第1物体
Mと第2物体Wの位置ずれΔが0のときセンサー(光検
出器)8上の点11に光スポット(スポット)を形成し
ている。
【0028】同様にアライメントマーク4とアライメン
トマーク5で発散と集光作用を受ける凹凸系のアライメ
ント系BB1を構成し、このアライメント系BB1を介
した平面波光束はセンサー8の点12に光スポットを形
成している。又、第1物体Mと第2物体Wの位置ずれ量
がΔのときの光束1a,1bは図3に示すようにセンサ
ー8面上の点11a,点12aにスポットを形成してい
る。
【0029】本実施例では光束1a,1bのセンサー8
面上のスポットの位置情報またはスポット波形ファイル
等の位置情報から信号処理をして、第1物体Mと第2物
体Wとの相対的な位置ずれ情報を得ている。そしてこの
系を用いて第1物体Mと第2物体Wの間隔を同時に求め
ている。
【0030】特に第1物体Mと第2物体Wの間隔が露光
間隔近傍の短ストローク範囲のときはセンサー8面上の
光スポットのピーク値、積分値、1つの軸を対称軸とし
たときの非対称性、肩の位置とその大きさに基づく位置
情報の何れかの位置情報の信号処理を行なっている。
又、第1物体Mと第2物体Wとの間隔が長い長ストロー
ク範囲のときは、センサー8面上の光スポットの半値幅
を求めることにより間隔を求めている。
【0031】このように本実施例では第1物体と第2物
体との相対的な位置ずれと同時に間隔情報も検出してい
る。センサー8はCCDやポジションセンサー、そして
分割型センサー等から成っている。
【0032】次に本実施例におけるマスクMとウエハW
との相対的位置ずれの検出方法の原理について図1,図
2を用いて説明する。
【0033】図1において1は入射光束である。1a,
1bは前述の第1及び第2のアライメント用の第1,第
2信号用の光束を示す。第2物体Wからセンサー8まで
の光学的な距離を説明の便宜上Lとする。第1物体Mと
第2物体Wの距離間隔をg、アライメントマーク2,4
の焦点距離を各々fM ,−fM ′とし、図3では第1物
体Mと第2物体Wの相対的位置ずれ量をΔとし、その時
のセンサー8の第1及び第2信号光束の入射位置の合致
状態からの変位量を各々y11,y12とする。尚、第1物
体Mに入射するアライメント光束は便宜上平面波とし、
符号は図中に示すとおりとする。
【0034】先ず、図1の上側においてはアライメント
マーク2に入射した光束1を集光光束とし、その集光点
6に至る前にアライメントマーク3に光束を照射し、こ
れを更にセンサー8に結像させている。このときのアラ
イメントマーク3の焦点距離fW (凹レンズ作用なので
マイナス符号となる。)はレンズの式、
【0035】
【数1】 を満たすように定められる。
【0036】同様に図1の下側においてはアライメント
マーク4により入射光束1を入射側の点7より発散する
光束に変え、これをアライメントマーク5を介してセン
サー8に結像させている。このときのアライメントマー
ク5の焦点距離fW ′(凸レンズ作用なのでプラス符号
となる。)は、
【0037】
【数2】 を満たすように定められる。
【0038】次に図3に示すように第1物体Mと第2物
体Wが面内でΔだけ位置ずれがあったときについて説明
する。
【0039】この時の信号光束1a,1bの変位量y11
及びy12はアライメントマーク2及び4の焦点6,7と
アライメントマーク3,5の光軸中心を結ぶ直線とセン
サー8の受光面との交点として幾何学的に求められる。
従って、第1物体Mと第2物体Wの相対位置ずれに対し
て各信号光束1a,1bの入射位置の変位量y11,y12
は図3より明らかのようにアライメントマーク3,5の
光学的な結像倍率の符号を互いに逆とすることで逆方向
となる。
【0040】また定量的には、
【0041】
【数3】 と表わせ、ずれ倍率はβ1 =y11/Δ,β2 =y12/Δ
と定義できる。従ってずれ倍率を逆符号とすると第1物
体Mと第2物体Wのずれに対して光束1a,1bはセン
サー8の受光面で逆方向に、具体的にはそれぞれ距離y
11,y12だけ変化する。
【0042】本実施例では、(3)式及び(4)式の関
係を用いてセンサー(光検出器)8上に形成される光ス
ポットの位置情報に基づいて、マスクMとウエハWのず
れ量Δを求めている。
【0043】例えば図3(A)において、f11=200
μm,g=20μm,L=20mmとすると、(3)式
における
【0044】
【数4】 従って(3)式は、y11=110.1×Δ ・・・・・・・・
(3)′となり、光スポットはマスク/ウエハのずれ量
Δの110.1倍の量だけセンサー8の面上で移動す
る。
【0045】これにより例えば、Δ=0.1μmのと
き、センサー8上では光スポットは11.0μm移動す
る。即ち、センサー8上の光スポットの移動量を計測す
ることによって、マスクMとウエハWの相対的なずれ量
を求めている。このようなことは図3(B)についても
全く同様である。
【0046】図18はこのような原理に基づいた設計パ
ターンの例である。
【0047】本実施例において光検出面8上のスポッ
ト、例えば図3(A)の場合は点11aで図3(B)の
場合は点12aにあたるが、次にこの光スポットの波形
情報よりマスクMとウエハWの面間隔gを正確に求める
方法について述べる。先ず図1(A),図3(A)の物
理光学素子の組み合わせに関したケースにつき光検出面
8に発生する光スポットの素性と、マスクとウエハの面
間隔gの関係について説明する。
【0048】図3(A)で示すように、光スポットの位
置11aは光束1がマスクMで凸レンズと同じ作用をも
つ回折(焦点距離fM )をうけ、更にウエハで凹レンズ
と同じ作用をもつ回折をうけた光そのものを意味してい
る。即ち、図2(A)に照らして光の進む順に回折の有
無についてみていくと、マスクMで1次回折、次にウエ
ハWで1次の反射回折し、マスクMを素通り(0次透
過)している。マスクM,ウエハW,マスクMの順に1
次,1次,0次の回折をうけているといえる。
【0049】ところが図4に示すようにこれとは別に、
マスクMで素通り(0次)し、ウエハWで1次の回折
(反射)し、更にマスクMで1次の回折(透過)する光
が略同じ方向の光検出器8に向かい、実質的にはM(1
次)−W(1次)−M(0次)の光とM(0次)−W
(1次)−M(1次)の光がオーバーラップしてセンサ
ー8上に光スポットが形成される。
【0050】図4で符号と番号が同じものは図1〜図3
と同様の意味である。図5は図4の状況を定量的・摸式
的にした概略図である。M′はアライメントマークであ
りマスク面上のアライメントマークMと同一のものであ
る。
【0051】図5においてマスクM上の物理光学素子2
は凸レンズ作用をし、その焦点距離はfM 、ウエハW上
の物理光学素子3は凹レンズ作用をし、その焦点距離は
W(fW <0,式(1)で与えられる)である。実線
で示す回折光1,13,14がマスクで1次回折、ウエ
ハで1次回折、再び反射してマスクに入り0次透過(素
通り)の場合で、光検出面8上の位置11aに光スポッ
トを形成する。このときマスクとウエハの位置ずれ量は
Δである。
【0052】次にマスクMで0次透過(素通り)し、ウ
エハWで1次回折(凹レンズ作用)し、更にマスクM′
(マスクM′はマスクMと実質同一のもの。以下同
じ。)で1次回折する(凸レンズ作用)光について説明
する。即ち、図5において光線15の光路について説明
する。
【0053】マスクMを素通りしてウエハWで回折をう
けた光15は、図5に示すようにウエハWの虚焦点16
から発散するように進行し、これがマスクM′で再び凸
レンズ作用をうける。このためマスクM′から像面側の
距離xの点16aにスポットを形成する。
【0054】このとき、
【0055】
【数5】 となる。
【0056】又、ウエハWの中心を通って回折された光
主光線がマスクM′により更に回折されて光検出器8上
においてマスクMの中心軸17から距離Yの位置にでき
るとすると、
【0057】
【数6】 となる。
【0058】ここで例えば、fM =200μm,g=2
0μm,L=20mmとすると (3)式より y11=110.1×Δ ・・・・・・・・・・・・(3)′ (1)式より fW =−181.63μm ・・・・・・・・・・・(7) (5)式より x=24669.17μm ・・・・・・・・・・(8) 即ち、M(0)-W(1)-M(1) の回折光は光検出器8よりも
マスクM側より遠くにできる。x+20μm=2468
9.17μmウエハWより離れた位置、即ち4689.
17μmだけセンサ8面より遠くにフォーカスする。
【0059】又、(6)式より、 Y=99.09×Δ ・・・・・・・・(6)′ 以上のことから、光検出器8上に発生する光スポットの
うち、M(1)-W(1)-M(0) の回折光はセンサー8上にフ
ォーカスされ、(3)′式で示す対ずれ倍率でセンサー
8上を動く。
【0060】又、M(0)-W(1)-M(1) の回折光はセンサ
ー8上では4689.17μm遠くにフォーカスし、
(6)′式で示す対ずれ倍率でセンサー8上を動く。こ
れらM(1)-W(1)-M(0) の回折光とM(0)-W(1)-M(1)
の回折光が重なってセンサー8上にスポットを形成す
る。全く同様にして図3(B)の場合、即ちマスク(凹
レンズ)、ウエハ(凸レンズ)と回折された後、マスク
で素通りする場合についても同様の関係が成り立ち(数
値は異なるが)、この場合もセンサー8上に2つのスポ
ットが重なり合って光スポットを形成する。
【0061】以上説明した以外の次数の組み合わせのう
ち強度が強いものは、図2(A),(B)に示すように
斜め入射であれば光検出器8上にはスポットとして現れ
ることはない。
【0062】図3(A),(B)に示すようにマスクM
とウエハWの位置ずれ量Δはセンサー8上のスポット位
置を検出することにより得ることができ、構成としては
図3(A)のみ或いは図3(B)のみの構成(ただし、
スポットは実際にはM(1)-W(1)-M(0) でできるスポッ
トとM(0)-W(1)-M(1) でできるスポットの重ね合わせ
光が得られる)でもよいし、図3(A)と図3(B)の
ペアパターンで光検出器8上の2つの光分布の位置情報
からずれを算出してもよい。
【0063】本発明はこのアライメント(位置ずれ)情
報を与える光スポット情報をもとにして、マスクとウエ
ハの間隔(ギャップ)を高精度に求めていることを特徴
としている。ここで便宜上、図3(A)のタイプを凸凹
タイプ、図3(B)タイプを凹凸タイプと呼び、M(1
次)−W(1次)−M(0次)で回折されできるスポッ
トを(110)光,M(0次)−W(1次)−M(1
次)で回折されできるスポットを(011)光と呼ぶ。
【0064】図6,図7において、fM =217μm,
g=30μm前後,L=18700μm,fM ′=15
7μmのときのセンサー8上の光スポットの強度分布を
示す。パターンはg=30μmを露光,アライメント間
隔値として設計している。
【0065】図6は凸凹タイプを用いたときの光スポッ
トがセンサー8上でgap g=28μm,29μm,30
μm,31μm,32μmと変化するにつれてどう変化
するかを、図7は凹凸タイプについて同様にgap g=2
8μm,29μm,30μm,31μm,32μmとし
たときの変化を示す。何れも図1に示すように、マスク
MとウエハWの位置ずれが略0の場合である。
【0066】図6の凸凹タイプの場合、間隔が28μm
から32μmとなるにつれてピーク値が大きくなってい
る。又、図7の凹凸タイプの場合、間隔が28μmから
32μmとなるにつれて(110)光と(011)光の
2つの光スポットの重なり合わせの状態が変化すること
を反映して著しく非対象なスポットとなっている。凸凹
タイプの場合(図6)には、間隔の変動によって(11
0)光と(011)光の光路長差が変化し、g=28μ
mからg=32μmになるにつれて強め合う位相関係に
なり、光センサー上のスポットのピーク値が大きくなっ
ている。
【0067】一方凹凸タイプの場合は図7に示すよう
に、(110)光と(011)光が少しセンサー8上で
ずれて、更に光路長差が変化しているため光スポットの
ピーク値の変化でなく、光スポットのピークにコブ状の
強度分布、所謂“肩”ができる状態になっている。
【0068】本発明では、アライメント信号より間隔情
報を求めることを可能としている。従来は図6の間隔変
動に伴なう光スポットプロファイルのピーク値に対する
半値幅の値をボケ値として用いていたが、高精度な間隔
計測をアライメント信号で行なうには半値幅以外の信号
処理、信号特性を用いることが必要となる。そのため本
発明では、間隔変動に対して敏感な、言い換えれば間隔
計測精度のよい方法を用いていることを特徴としてい
る。
【0069】特に本発明では、アライメント信号を利用
して間隔計測を高精度かつ光ストロークに求めている。
即ち、間隔が露光間隔(g=30μm)より大きく離れ
た場合、長ストローク範囲では光スポットの半値幅によ
り求め、露光間隔近辺(露光間隔)の短いストローク範
囲(短ストローク範囲)の場合は光スポットのピーク値
情報、或いは一定のセンサーエリア内の積分値、1つの
軸を対称軸としたときの非対称性、そして光スポットの
“肩”の位置の大きさのうち何れか1つの信号処理を用
いて間隔計測を行なっている。
【0070】本発明では光スポットの半値幅は図20の
ように光スポットのピーク値に対し、光の強さが半分の
値のスポットサイズと定義している。
【0071】このように本実施例の位置検出装置では長
ストローク範囲の計測と、露光間隔近辺の短ストローク
範囲で高い精度の計測を可能としている。これは例えば
半導体素子製造における露光装置において、マスクとウ
エハを重ね合わせて露光する場合の露光時のウエハの露
光ビームの光軸方向の位置近辺での間隔は高い精度で測
定される必要があり、これによりアライメントの精度を
確保したり、露光時のマスクとウエハの焼付けボケ(ラ
ンアウト誤差や露光ビームによる回折ボケ)を少なく抑
えることができるようにしている。
【0072】又、長いギャップ計測の長ストロークはシ
ョット毎にウエハを移動する場合、露光、アライメント
時の間隔で移動するとは限らず、場合によっては間隔を
より大きくとってから移動させたりするため、その時で
も間隔が概略いくらであるか計測する必要があり、この
ために対応させた特性を有するようにしている。本発明
はこのような背景に対応した構成となっている。
【0073】以下、図面を参照しながら各実施例を説明
する。
【0074】(実施例1)凸凹タイプを用いたとき 図6に示すように凸凹タイプを用いたときの光スポット
については、露光間隔近辺の短ストローク範囲について
はピーク光量値、或いは光スポットが存在するセンサー
エリア内の一定領域の積分値と間隔の関係の特性を利用
する。又、長ストローク範囲については光スポットの半
値幅により求める。
【0075】図8にピーク光量値(ピーク値)と間隔と
の関係を示す。図8は図6の光スポットのピーク値が間
隔変動と共にどう変わるかをプロットしている。
【0076】凸凹タイプを用いたときの光スポットのう
ち(110)光と(011)光は、図4に示すような光
路についてみるとセンサー8に向かう波面のお互いに成
す角が略等しい状態で、しかも光路長差は間隔が大きく
なるにつれて波長λの整数倍の値に近づき位相の関係で
お互いの強度が干渉により強め合うように変化する。こ
の為、図8に示すように間隔の値が大きくなるにつれて
光量或いはピーク値が大きくなっている。
【0077】図8に示す如くピーク値が間隔の変化にと
もない増大し、同様にピーク光量値もピーク値と略類似
の変動を示す。従って、例えば間隔30μmから間隔3
1μmへの僅か1μmの変動についてみるとピーク値の
変化は、図8に示すように1700から1850へと変
化し、約150の変動量となり、ピーク値の判別により
0.1μm〜0.05μmの検出は比較的容易に可能で
ある。光量(積分値)についても全く同様のことが成り
立つ。尚、ウエハの反射率によりピーク値が変わるが、
プロセスが変わったときにはそのプロセスについて1度
キャリブレーションの信号較正をしておけばよい。
【0078】又、このときのセンサー8上の光スポット
の半値幅と間隔の関係を図19に示す。
【0079】図19に示すように、光スポットの半値幅
の検出を行なえば、間隔の長ストローク範囲について間
隔値が絶対値として計測できる。しかしアライメント光
をセンサー上にフォーカスしてできた光スポット値の半
値幅はアライメント間隔近辺では余り高い精度が期待で
きない場合がある。そのため半値幅で長ストロークの間
隔計測を求め、所望の間隔値(図19の場合30μm)
からの概略のずれを求め、高精度な間隔計測が要求され
る30μm近辺では、先に述べた信号処理により高精度
な計測を行なっている。
【0080】(実施例2)凹凸タイプを用いたとき 図7に示すように凹凸タイプを用いたときの光スポット
については、センサー8上のスポットプロファイルが間
隔と共に大きく変動している。この理由は凹凸タイプの
光スポットのうち(110)光と(011)光はセンサ
ー8に向かう波面のお互いに成す角が僅かにずれてお
り、しかも光路長差は間隔が大きくなるにつれて、凸凹
タイプの場合のようにお互いの強度が干渉により強め合
う関係にないためである。
【0081】図7に示した間隔によりセンサー上の光プ
ロファイルが変化する現象を利用して間隔を計測する方
法について図9を用いて説明する。
【0082】図9の実線は或る特定の間隔値の場合のセ
ンサー上の光分布を示している。図9では実線のピーク
値を軸にして、実線を折り返した曲線(分布)を点線で
示している。このとき斜線で示すようなエリアの値(積
分値)をとれば、図7に示すように間隔値の変動に伴っ
て斜線のエリア値(積分値)が変わることが明らかにな
る。
【0083】即ち、図9においてピクセルの位置(座
標)をP、出力をO(P)とし、ピーク位置で定める軸
で折り返した値をO′(P)とすると、斜線のエリア、
即ち積分値は、
【0084】
【数7】 となる。
【0085】ここにPi,Pfはスポットエリア積分領
域のピクセル番号(座標)の始まりと終わりの番号であ
る。
【0086】図11は積分値Aの値を間隔毎に計算して
プロットしたときを示している。
【0087】図11に示すように間隔の値が変化すると
積分値Aの値は大幅に変わり、高精度な間隔計測が可能
となる。このことを裏づけるための間隔が28μmのと
きと32μmのときの上記(9)式に基づく積分値Aの
値である各々Ag=28とAg=32を図10(A)と図10
(B)に示す。図7のグラフ(データ)に基づき、図1
0の2種類の間隔のケースについて示した。この場合
も、以上の信号処理による高精度な間隔検出は露光間隔
近辺において行ない、長いストローク範囲の間隔検出は
スポットの半値値で計測すればよい。
【0088】(実施例3)本実施例は実施例2で示した
凹凸タイプを用いたときの光スポットについての信号処
理の変形例である。先ず露光間隔近辺の高精度な検出方
法の例について示す。
【0089】センサー上のピクセルの位置(座標)を
P、出力をO(P)とするとき、 ε(P)=O(P)−O(P−1) ・・・・・・・・(10) を定義する。
【0090】この時、図7で示される間隔30μmのと
きのデータについてε(P)を求めると図12のように
なる。図12において、P1 は図7のセンサーのピーク
値のときのセンサー上のピクセル番号で、P2 は図12
における光スポットプロファイルの肩の位置に相当する
ピクセル番号である。
【0091】従って、図12において更に、 δ(P)=ε(P)−ε(P−1) ・・・・・・・・(11) の値を定義すると、図13に示すような関係が得られ
る。
【0092】図13において、P1 ,P2 の値は図12
のそれと同じである。即ち、図13のP2 であるゼロク
ロスのピクセル番号が図7のスポットプロファイルの肩
の座標を与えることになる。(11)式で定義されるパ
ラメータのゼロクロスポイントのうち、負から正に変動
する値のうち、小さい座標がP2 であり、これでもって
肩の位置のセンサー上ピクセル座標となる。
【0093】図7をみれば容易にわかるように、O(P
2 )の値は間隔値と共に著しく変化しており、これまで
述べた間隔30μmの例のみならず、他の間隔の場合に
ついて肩の位置のセンサー上の出力O(P)をグラフに
してみると図14の如くなる。従って、肩の位置の出力
を求めれば、その時の間隔値が高精度に求められる。
【0094】本実施例の場合図7で示すような、センサ
ー出力(例CCD)を得て、これをA/D変換した後、
例えばDSP(Digital Signal Processor)で(10),
(11)式に基づく処理をしてP2 の値を求め、このと
きのO(P2 )が間隔値に1:1で対応する。間隔値の
長いストローク範囲における検出は、実施例2に示した
ときと同様である。
【0095】以上、実施例1,2,3と述べたが、本方
法によればアライメント信号を信号処理することによっ
て所望の間隔近辺では高精度な、かつ所望の間隔近辺以
外の広い間隔ストロークにおいても可能な間隔検出を行
なうことができる。
【0096】このことにより、 (イ)露光間隔をリアルタイムで計測できる (ロ)0.1μm以下の高精度な計測が可能(特に露光
間隔近辺の所望の間隔エリアで) (ハ)所望間隔近辺以外の広い間隔ストロークにおいて
も間隔計測が可能 となる。
【0097】図15は本発明の位置検出装置をX線を利
用した半導体素子製造用の露光装置に適用したときの要
部概略図である。
【0098】図15において、39はX線ビームでほぼ
平行光となって、マスク34面上を照射している。35
はウエハで、例えばX線用のレジストが表面に塗布され
ている。33はマスクフレーム、34はマスクメンブレ
ン(マスク)で、この面上にX線の吸収体により回路パ
ターンがパターンニングされている。32はマスク支持
体、36はウエハチャック等のウエハ固定部材である。
37はZ軸ステージ、実際にはチルトが可能な構成にな
っている。38はX軸ステージ、44はY軸ステージで
ある。
【0099】前述した各実施例で述べたマスクとウエハ
のアライメント検出機能部分(位置検出装置)は筐体3
0a,30bに収まっており、ここからマスクMとウエ
ハW35のギャップとX,Y面内方向の位置ずれ情報を
得ている。
【0100】図15には、2つのアライメント検出機能
部分30a,30bを図示しているが、マスクM上の4
角のIC回路パターンエリアの各辺に対応して更に2ケ
所にアライメント検出機能部分が設けられている。筐体
30a,30bの中には光学系、検出系が収まってい
る。46a,46bは各アライメント系からのアライメ
ント検出光である。
【0101】これらのアライメント検出機能部分により
得られた信号を処理手段40で処理して、XY面内のず
れとギャップ値を求めている。そしてこの結果を判断し
た後、所定の値以内に収まっていないと、各軸ステージ
の駆動系42,41,43を動かして所定のマスク/ウ
エハずれ以内になるよう追い込み、しかる後にX線露光
ビーム39をマスクMに照射している。アライメントが
完了するまでは、X線遮へい部材(不図示)でシャット
しておく。尚、図15では、X線源やX線照明系等は省
略してある。
【0102】図15はプロキシミティータイプのX線露
光装置の例について示したが、光ステッパーについても
同様である。この他、本発明においては光源として、i
線(365nm)、KrF−エキシマ光(248n
m)、ArF−エキシマ光(193nm)等を用い、こ
れらの光源からの照明光を持つ逐次移動型の縮小投影露
光装置や、等倍のミラープロジェクションタイプの露光
装置にも同様に適用可能である。
【0103】次に上記説明した投影露光装置を利用した
半導体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0104】図16は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造
のフローを示す。
【0105】ステップ1(回路設計)では半導体デバイ
スの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0106】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0107】次のステップ5(組立)は後工程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0108】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0109】図17は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。
【0110】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0111】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0112】本実施例の製造方法を用いれば、従来は製
造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製造
することができる。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、第1物体
と第2物体の相対的な位置ずれ量及び面間隔を検出する
際に、第1物体と第2物体面上に各々所定の光学性質を
有した物理光学素子(回折格子、ゾーンプレート、ホロ
グラム等)を設け、これらの物理光学素子を利用し、所
定面上に生ずる回折光を検出することにより、面間隔検
出系と位置ずれ検出系とを各々独立に設けずに1つの装
置により装置全体の簡素化を図りつつ、高ストローク、
高精度に、しかも容易に第1物体と第2物体の位置ずれ
量及び面間隔を検出することのできる、特に半導体素子
製造に好適な位置検出装置及びそれを用いた半導体デバ
イスの製造方法を達成することができる。
【0114】特に第1物体Mと第2物体Wの間隔が露光
間隔近傍の短ストローク範囲のときはセンサー8面上の
光スポットのピーク値、積分値、1つの軸を対称軸とし
たときの非対称性、肩の位置とその大きさに基づく位置
情報の何れかの位置情報の信号処理を行なっている。
又、第1物体Mと第2物体Wとの間隔が長い長ストロー
ク範囲のときは、センサー8面上の光スポットの半値幅
を求めることにより間隔を求めている。これにより装置
全体の簡素化を図った高精度の位置検出が可能な位置検
出装置を得ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理及び構成要件の光路を展開した
位置ずれ量が0のときの要部概略図
【図2】 図1の要部断面図
【図3】 本発明の原理及び構成要件の光路を展開した
位置ずれ量がΔのときの要部概略図
【図4】 図3の要部断面図
【図5】 図4の光路を展開した説明図
【図6】 凸凹系の間隔とセンサー上の光量分布の説明
【図7】 凹凸系の間隔とセンサー上の光量分布の説明
【図8】 凸凹系の間隔とピーク光量値との関係の説明
【図9】 凹凸系の折り返し軸による処理方法の説明図
【図10】 凸凹系の折り返し軸による処理方法の説明
【図11】 凹凸系の折り返し軸による処理方法と間隔
値との関係を示す説明図
【図12】 凹凸系の肩の位置の座標値の算出処理の説
明図
【図13】 凹凸系の肩の位置の座標値の算出処理の説
明図
【図14】 凹凸系の肩の位置の出力値と間隔値との関
係を示す説明図
【図15】 本発明の位置検出装置をX線を用いた半導
体素子製造用の露光装置に適用したときの要部概略図
【図16】 本発明の半導体デバイスの製造方法のフロ
ーチャート
【図17】 本発明の半導体デバイスの製造方法のフロ
ーチャート
【図18】 本発明に係るマスクとウエハ面上のアライ
メントマークの説明図
【図19】 間隔とセンサー面上の光スポットとの関係
を示す説明図
【図20】 光スポットの半値幅の説明図
【図21】 従来の間隔測定装置の要部概略図
【図22】 従来の位置検出装置の要部概略図
【図23】 従来の位置検出装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光束 2,3,4,5 物理光学素子 M マスク(第1物体) W ウエハ(第2物体) 6,7 集光点 8 センサー g 間隔 Δ 位置ずれ量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 雅宣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大沢 大 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1物体面上と第2物体面上に各々物理
    光学素子より成るアライメントマークを設け、これらの
    アライメントマークに入射させた光束の所定面上に生ず
    る光スポットの位置情報を検出手段により検出すること
    により該第1物体と第2物体との相対的な位置検出を行
    なう際、該第1物体と第2物体の間隔の長さに応じて該
    所定面上に生ずる光スポットの半値幅または1つの軸を
    対称軸とした非対称性または光強度分布の肩の位置での
    強度またはピーク光量値に基づく位置情報のうち少なく
    とも1つの位置情報を選択し、該選択した位置情報を信
    号処理して該第1物体と第2物体との間隔を求めている
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段からの信号を用いて前記第
    1物体と第2物体の面内の位置ずれを求めていることを
    特徴とする請求項1の位置検出装置。
  3. 【請求項3】 マスク面上とウエハ面上に各々物理光学
    素子より成るアライメントマークを設け、該マスク面と
    ウエハ面上に設けたアライメントマークに各々光束を入
    射させ、該アライメントマークを介した光束の所定面上
    に生じる光スポットの半値幅または1つの軸を対称軸と
    した非対称性または光強度分布の肩の位置での強度また
    はピーク光量値に基づく位置情報のうち少なくとも1つ
    の位置情報を選択し、該選択した位置情報を信号処理し
    て該第1物体と第2物体との間隔を求める工程を介して
    マスクとウエハとの相対的な位置検出を行なった後、該
    マスク面上のパターンをウエハ面上に転写し、次いで現
    像処理工程を介して半導体デバイスを製造したことを特
    徴とする半導体デバイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1物体面上と第2物体面上に各々物理
    光学素子より成るアライメントマークを設け、これらの
    アライメントマークに入射させた光束の所定面上に生ず
    る光スポットの位置情報を検出手段により検出すること
    により該第1物体と第2物体との相対的な位置検出を行
    なう際、該第1物体と第2物体の間隔の長さに応じて該
    所定面上に生ずる光スポットのピーク値情報または光ス
    ポットの積分値または1つの軸を対称軸とした非対称性
    または光強度分布のピーク値に対する肩の位置とその大
    きさに基づく位置情報のうち少なくとも1つの位置情報
    を選択し、該選択した位置情報を信号処理して該第1物
    体と第2物体との間隔を求めていることを特徴とする位
    置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段からの信号を用いて前記第
    1物体と第2物体の面内の位置ずれを求めていることを
    特徴とする請求項1の位置検出装置。
  6. 【請求項6】 マスク面上とウエハ面上に各々物理光学
    素子より成るアライメントマークを設け、該マスク面と
    ウエハ面上に設けたアライメントマークに各々光束を入
    射させ、該アライメントマークを介した光束の所定面上
    に生じる光スポットのピーク値情報または光スポットの
    積分値または1つの軸を対称軸とした非対称性または光
    強度分布のピーク値に対する肩の位置とその大きさに基
    づく位置情報のうち少なくとも1つの位置情報を選択
    し、該選択した位置情報を信号処理して該第1物体と第
    2物体との間隔を求める工程を介してマスクとウエハと
    の相対的な位置検出を行なった後、該マスク面上のパタ
    ーンをウエハ面上に転写し、次いで現像処理工程を介し
    て半導体デバイスを製造したことを特徴とする半導体デ
    バイスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100606493B1 (ko) * 2000-01-14 2006-08-01 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 리소그래피 장치용 아베 아암 캘리브레이션 시스템
JP2011029538A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法

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KR100606493B1 (ko) * 2000-01-14 2006-08-01 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 리소그래피 장치용 아베 아암 캘리브레이션 시스템
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