JPH0721094Y2 - 回転電機における刷子ホルダステー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、モータ等の回転電機における刷子ホルダステ
ー構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 一般に、この種の回転電機のなかには、コンミテータの
先端部を刷子ホルダステーに形成した切欠き段部に遊嵌
して入り込ませ、その分、軸長を短くしてコンパクト化
を計るよう構成したものが有る。

しかるにこの場合、コンミテータおよびこれに摺接する
刷子の摩耗粉が切欠き段部内に溜り、これがコンミテー
タのセグメント間を短絡させ、さらには、コア軸を軸承
するための軸受部にまでにも浸入してコンミテータと軸
受部との間に絶縁不良が生じたりする惧れが有る許りで
なく、軸受部の機能が早期のうちに損なわれたりする惧
れが有る。

［課題を解決する手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を一掃
することができる回転電機における刷子ホルダステー構
造を提供することを目的として創案されたものであつ
て、アーマチユアコアにおけるコア軸のコンミテータ側
軸端部を、軸受を介してエンドブラケツトに軸承し、コ
ンミテータに摺接する刷子用の刷子ホルダが取付けられ
る刷子ホルダステーをエンドブラケツトに組付けてなる
回転電機において、前記刷子ホルダステーを、コンミテ
ータ外周面位置よりもコア軸軸芯側に延長して、該延長
部を、コンミテータ外周面と軸受とのあいだの仕切りに
構成すると共に、前記延長部のコンミテータ先端部がオ
ーバーラツプする部位には切欠き段部を形成してコンミ
テータ先端部を遊嵌させ、さらに、刷子ホルダステーに
は、コンミテータに摺接する刷子用の刷子ホルダを少な
くともコンミテータ下方部位を避けた位置に配すると共
に、刷子ホルダステーのコンミテータ下方部位には、前
記切欠き段部から続くガイドを切欠き形成して、刷子お
よびコンミテータの摩耗粉をエンドブラケツト底面に誘
導する構成にしたことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、コンミテータ先端
部を、刷子ホルダステー側の切欠き段部に遊嵌したもの
でありながら、刷子等の摩耗粉を確実に下方に落下ガイ
ドするようにしたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１はモータケーシングを構成するヨークで
あつて、該ヨーク１の内周には永久磁石２が固着される
と共に、アーマチユアコア３のコア軸3aの一端部が図示
しない軸受によつて回動自在に軸支されている。４はヨ
ーク１の一端に嵌着されるエンドブラケツトであつて、
前記コア軸3aの他端が軸受4aによつて回動自在に軸支さ
れるが、エンドブラケツト４に刷子ホルダステー５が組
付けられている。この刷子ホルダステー５には、左右に
一対の刷子ホルダ６が組付けられ、該刷子ホルダ６に収
容される刷子７は弾機８の付勢力によつてコンミテータ
3bに常時押圧状に摺接する構造になつている。

扨、前記刷子ホルダステー５は、コンミテータ3bの外周
面位置よりもコア軸3aの軸芯側に延長して延長部5cを形
成し、該延長部5cを、コンミテータ3aの外周面と軸受4a
とのあいだの仕切りに構成しているが、さらに、該延長
部5cにおけるコンミテータ3aの先端部がオーバーラツプ
する部位に切欠き段部5aを形成してコンミテータ3bの先
端部が遊嵌して入り込むようになつているが、さらにこ
の切欠き段部5aから続くようにしてテーパ状に切欠き形
成したガイド5bが下側部において形成されている。そし
て刷子７やコンミテータ3bの切削粉をこのガイド5bによ
つて下方のエンドブラケツト４底面に落下ガイドする構
成になつている。

叙述のごとく構成された本考案の実施例において、モー
タは、コンミテータ3bの先端部が刷子ホルダステー５に
形成した切欠き段部5aに遊嵌して入り込んでいるため、
その分、モータ軸長を短くすることができ、モータのコ
ンパクト化が計れることになる。

この様に、コンミテータ3bの先端部を刷子ホルダステー
５に入り込ませたものであるが、モータ駆動に伴い発生
した刷子７やコンミテータ3bの摩耗粉は、前記切欠き段
部5aに溜つてしまうことなく、確実にエンドブラケツト
４の底部にガイドされることになる。

つまり、刷子ホルダステー５には、コンミテータ3bの外
周面よりも軸芯側に延長する延長部5cが形成されてい
て、コンミテータ3bの外周面と軸受4aとのあいだを仕切
つていて摩耗粉が軸受4a側に浸入することを有効に回避
しており、そしてこの延長部5cのコンミテータ下方部位
には、前記切欠き段部5aから続くようにしてガイド5bが
切欠き形成されており、このガイド5bによつて前記摩耗
粉は切欠き段部5aに溜ること無く下方に落下ガイドされ
てエンドブラケツト４の底部に溜ることになる。この結
果、従来のように切欠き段部5aに溜つた摩耗粉によるセ
グメント間の短絡作用や、軸受4aまでにも浸入するよう
な不具合を可及的に回避することができて、信頼性の高
いものにできることになる。

尚、本考案は前記実施例に限定されないものであること
は勿論であり、例えば第４図に示す第二実施例の如く、
ガイド5bを鉛直状に切欠いて形成しても良く、さらに第
５図〜第８図に示す第三実施例から第六実施例の如く上
下対称状のガイド5bを構成しても良く、このようにすれ
ば、刷子ホルダステーの天地逆取付けが可能になつて組
付け作業のミスを無くすることができて都合が良い。さ
らに本考案において、二極モータでなく、四極等の多極
モータに実施することも、刷子をコンミテータ下方に配
しない構成とすれば可能であり、実施例に限定されるも
のではない。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、コンミテータ先端部を刷子ホルダステーに形成
した切欠き段部に遊嵌させて入り込ませ、その分、モー
タ軸長を短くして小型化に寄与できるものでありなが
ら、この切欠き段部が形成される部位の刷子ホルダステ
ーをコンミテータ外周面よりもコア軸軸芯側に延長し
て、コンミテータ外周面と軸受とのあいだを仕切ること
になり、これによつて、摩耗粉が軸受側に浸入すること
を効果的に回避することになる。

しかも、コンミテータ下方には、前記切欠き段部に続く
ようにしてガイドがさらに切欠き形成されていて、刷子
等の摩耗粉を、切欠き段部に溜めてしまうこと無く、エ
ンドブラケツト底部に落下ガイドすることになり、従つ
て従来のように切欠き段部に溜つた摩耗粉によつてセグ
メント間を短絡させたり軸受部まで浸入して絶縁不良を
起こしてしまうような不具合を確実に回避することがで
きて、信頼性の高い回転電機を、小型化に寄与しながら
提供できることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る回転電機における刷子ホルダステ
ー構造の実施例を示したものであつて、第１図はモータ
の要部断面図、第２図は刷子ホルダステーの正面図、第
３図A,Bは刷子ホルダステーの概略正面図、断面図、第
４図A,Bは第二実施例を示す刷子ホルダステーの概略正
面図、断面図、第５図から第８図は第三から第六実施例
を示す刷子ホルダステーの概略正面図である。 図中、４はエンドブラケツト、３はアーマチユアコア、
3bはコンミテータ、５は刷子ホルダステー、5aは切欠き
段部、5bはガイド、5cは延長部、６は刷子ホルダ、７は
刷子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アーマチユアコアにおけるコア軸のコンミ
   テータ側軸端部を、軸受を介してエンドブラケツトに軸
   承し、コンミテータに摺接する刷子用の刷子ホルダが取
   付けられる刷子ホルダステーをエンドブラケツトに組付
   けてなる回転電機において、前記刷子ホルダステーを、
   コンミテータ外周面位置よりもコア軸軸芯側に延長し
   て、該延長部を、コンミテータ外周面と軸受とのあいだ
   の仕切りに構成すると共に、前記延長部のコンミテータ
   先端部がオーバーラツプする部位には切欠き段部を形成
   してコンミテータ先端部を遊嵌させ、さらに、刷子ホル
   ダステーには、コンミテータに摺接する刷子用の刷子ホ
   ルダを少なくともコンミテータ下方部位を避けた位置に
   配すると共に、刷子ホルダステーのコンミテータ下方部
   位には、前記切欠き段部から続くガイドを切欠き形成し
   て、刷子およびコンミテータの摩耗粉をエンドブラケツ
   ト底面に誘導する構成にしたことを特徴とする回転電機
   における刷子ホルダステー構造。