JPH07210206A - 搬送制御システム及び搬送制御装置の同定方法 - Google Patents

搬送制御システム及び搬送制御装置の同定方法

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JPH07210206A
JPH07210206A JP475794A JP475794A JPH07210206A JP H07210206 A JPH07210206 A JP H07210206A JP 475794 A JP475794 A JP 475794A JP 475794 A JP475794 A JP 475794A JP H07210206 A JPH07210206 A JP H07210206A
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waveform
control device
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unit
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JP475794A
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Koichi Oikawa
浩一 及川
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリンタの印字ヘッド送り機構のような搬送
装置が経年変化することにより、初期に設定したその搬
送装置の制御パラメータでは、その搬送装置の動作が不
具合となることに関し、適応的に制御パラメータの値
や、制御関数の変更が容易に行えることを目的とする。 【構成】 搬送装置の駆動側プーリとベルトとを分離出
来る機構をもうけ、その分離機構により、駆動側プーリ
とベルトとを分離して、まず回転部を同定する。次に、
この回転部の同定結果を利用して、駆動側プーリにベル
トを装着させた非分離状態の搬送装置を同定する。非分
離状態の搬送装置を同定後、この同定結果を基にして搬
送装置にとって最適な入力波形を求める。このような同
定処理、及び最適入力波形を求める処理の周期は、予め
設定し、或いは随時とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリンタの印字ヘッド送
り機構等の搬送装置の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の搬送装置の速度制御や、位置決め
制御には以下のような方式がある。 (a).光学式ロータリエンコーダを用いて、一定時間
内の移動距離を監視し、モータに与える電流を制御す
る。
【0003】(b).パルスモータを用いて、そのパル
スモータに与えるパルス数を制御する。 (c).搬送装置のフレームに位置情報を与え、ヘッド
のセンサがその位置情報を読み取る。制御部は位置情報
によりそのヘッドを制御する。
【0004】ここでは、(a)方式の位置決め制御につ
いて述べるが、従来は知見に基づいて各種パラメータを
決定していた。又、最初に決定されたパラメータは、そ
の後は変更されるというようなことは無かった。
【0005】図13は、従来の印字装置の制御機構であ
り、図14は、従来の出力電流波形例であり、図15
は、光学式ロータリエンコーダ詳細図である。図13に
おいて、21はベルト、23aは駆動用モータ、23b
bは駆動側プーリ、23cは従動側プーリ、23dはシ
ャフト、24は印字ヘッド、3は光学式ロータリエンコ
ーダ、1aは制御装置である。
【0006】図14において、時刻「t1」で電流が流
れ出し、時刻「t2」で一定電流値に達する。時刻「t
3」で電流が減少し出し、時刻「t4」で電流が「0」
となる台形波形である。
【0007】図15において、31は発光ダイオード、
32は受光トランジスタ、33は検出回路、34は光透
過用スリット、23bは駆動側プーリ、23dはシャフ
トである。
【0008】周知の通り、ドットプリンタ等のシリアル
プリンタでは駆動用モータ23aの回転をシャフト23
dにより駆動側プーリ23bbに伝え、当該プーリ23
bbの回転運動をベルト21により直動運動に変換し、
当該ベルト21の直動運動が従動側プーリ23cに伝え
られ、従動側プーリ23cが回転することにより、シリ
アルプリンタのヘッド24が直動運動を行う。
【0009】光学式ロータリエンコーダは回転状態を検
出するセンサーであり、発光ダイオード31より発光
し、駆動側プーリ23bに明けられた光透過用スリット
34を光が透過し、受光トランジスタ32がオンとなり
電流が流れることによりパルスが発生する。検出回路3
3は、このパルスを制御装置1aにデータを送付する。
【0010】制御装置1aは、一定時間内のこのパルス
の個数をカウントし、規定値よりも1ければ時刻「t
2」〜時刻「t3」の時間を小さくし、少なければ時刻
「t2」〜時刻「t3」の時間を大きくする。
【0011】このようにして決定された出力電流波形
は、その後変更されることなく利用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のような方法
では、搬送装置の経年変化により、その搬送装置の特性
(伝達関数)が変化し、加速・減速した時に所定の箇所
に停止せず、印字品質の低下等の問題があった。
【0013】本発明はこのような点にかんがみて、搬送
装置の経年変化に追従して、適応的に伝達関数を求め、
当該伝達関数に基づいて当該搬送装置を制御する手段を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は下記の如く
に構成された搬送制御システム及び搬送制御装置の同定
方法によって解決される。
【0015】図1は、本発明の原理図である。 (1).制御装置1と、搬送装置2と、検出装置3と、
同定装置4とから構成され、当該搬送装置2は、回転す
る回転部23と、当該回転運動を直動運動に変換する変
換手段21と、当該回転部23と当該変換手段21とを
分離する分離手段22とを有し、制御装置1は、1種類
以上の電流波形を出力することが可能であり、出力した
電流波形により当該回転部23を回転制御する制御部1
2を有し、当該検出装置3は、当該回転部23の回転状
態を検出し、当該同定装置4は、当該制御部12が出力
した電流波形の各時刻の値と、当該回転部23の当該電
流波形による回転状態を当該検出装置で検出し、相当す
る各時刻の当該検出結果の値とから当該搬送装置2を同
定し、当該制御装置1は、当該同定結果に基づいて搬送
装置2を制御するように構成する。 (2).上記(1)において、当該変換手段21はベル
ト又はチェーンであるように構成する。 (3).上記(1)において、当該検出装置3はロータ
リエンコーダであるように構成する。 (4).上記(1)において、当該分離手段22により
当該回転部23と当該変換手段21とを分離させ、当該
制御部12が或る既知の波形を出力し、当該波形により
当該回転部23を回転させ、当該回転状態を当該検出装
置3で検出し、当該検出結果から当該回転部23を同定
するように構成する。 (5).上記(1)において、当該回転部23と当該変
換手段21とが非分離状態で当該制御部12が或る既知
の波形を出力し、当該波形により当該回転部23を回転
させ、当該回転状態を当該検出装置3で検出し、当該検
出結果から当該搬送装置2を同定するように構成する。 (6).前記(4)に記載された当該回転部23の同定
処理の後、当該同定処理結果を利用して前記(5)に記
載された当該搬送装置2の同定処理を行うように構成す
る。 (7).前記(4)、又は(5)、又は(6)に記載さ
れた当該同定処理によって得られた運動方程式と、予め
設定した評価関数とから当該同定装置4は、当該制御部
12が出力する最適な波形を決定するように構成する。 (8).前記(7)において、当該制御部(12)が出
力する最適波形を時間軸上の一ケ以上の区間で整数次の
多項式で表現するように構成する。 (9).上記(7)において、当該制御部12が出力す
る波形を各時刻の値で表現するように構成する。 (10).前記(4)、又は(5)、又は(6)、又は
(7)、又は(8)において、当該制御装置1は記憶手
段13を有し、当該同定処理において得られた運動方程
式に関するデータと、当該波形に関する整数次の多項式
の係数とを当該記憶手段13に記憶するように構成す
る。 (11).前記(4)、又は(5)、又は(6)、又は
(7)、又は(9)において、当該制御装置1は記憶手
段13を有し、当該同定処理において得られた運動方程
式に関するデータと、当該制御部12が出力する波形の
各時刻の値とを当該記憶手段13に記憶するように構成
する。 (12)上記10、又は11において、当該制御装置1
は、当該記憶手段13に記憶された波形値を有する出力
波形を出力し、当該搬送装置2を制御するように構成す
る。 (13).前記(4)において、当該同定方法は解析的
であるように構成する。 (14).前記(4)、又は(5)、又は(6)におい
て、予め当該搬送装置2の運動方程式を想定し、或る既
知の波形を当該運動方程式に代入し、各時刻の運動状態
を計算し、当該計算値と、当該既知の波形と同一の波形
を当該制御部12から出力し、回転部23に入力し、当
該検出装置3により当該回転部23の回転状態を観測
し、当該計算値に対応する各時刻の観測値との差の二
乗、又は当該計算値と当該観測値との差の絶対値を時刻
「0」〜「∞」で積分したものを評価関数とし、当該同
定方法は、当該評価関数の値が最小となるように予め想
定した当該運動方程式を修正するように構成する。 (15).前記(8)において、搬送装置の最適の応答
と、或る波形を入力した時の搬送装置の応答との差の二
乗、又は差の絶対値を時刻「0」〜「∞」で積分したも
のを当該評価関数とし、当該評価関数が最小となる最適
波形の整数次の多項式の係数を決定するように構成す
る。
【0016】即ち、 θ:同定によって得られたモデルに或る入力波形を与え
た時の回転部の応答。このθを変化させる。
【0017】Θ:目的とする回転部の運動状態で、この
Θは変化しない。最適な運動状態であって、予め与えて
おく。 としたとき、θとΘとの差の二乗(或いは絶対値)を時
刻「0」〜「∞」で積分したものを評価関数とし、この
評価関数を最小にするように入力波形を変化させ(θが
変化する)、入力波形を決定する。 (16).前記(7)において、当該制御部12が出力
する最適波形は、当該搬送装置(2)の位置決めの際に
オーバシュートを発生させないように構成する。 (17).前記(1)、又は前記(4)以降の各構成に
おいて、当該同定装置4が同定する周期、又は最適波形
を決定する周期は、予め設定した周期、或いは当該搬送
装置2の異常時、或いは常時であるように構成する。 (18).前記(1)において、当該制御装置は表示部
11を有し、当該同定装置4は同定又は最適波形の決定
時に解が収束しない場合に、「収束しない」旨を当該制
御装置1に送付し、当該制御装置は当該表示部11にそ
の旨を表示するように構成する。 (19).前記(1)、又は前記(4)〜(18)の各
構成において、当該波形は電流波形であるように構成す
る。 (20).前記(1)、又は前記(4)〜(18)の各
構成において、当該波形は電圧波形であるように構成す
る。
【0018】
【作用】前記のように構成することにより、計算値と観
測値との差から搬送装置の伝達関数を求める(同定す
る)ことが出来る。
【0019】或いは又、観測値から解析的に同定するこ
とができる。その求めた伝達関数から搬送装置にとって
最適な入力波形(例えば、位置決めのオーバシュートが
発生しない。)を決定することが出来る。
【0020】これにより、搬送装置の各部分の劣化や、
特性変化に対して適応的制御が可能となる。本発明の特
徴は、以下の点にある。
【0021】.簡単に搬送装置を同定するために、分
離状態での搬送装置の回転部を同定し、その同定結果を
利用してその後非分離状態の搬送装置を同定する。 .上記の目的を達成するため、回転運動をする回転
部(モータ、駆動側プーリ等)と、直動運動をするベル
ト(或いはチェーン等)とを分離出来る機構を設ける。
【0022】.上記の結果に基づいて、非分離状態
の搬送装置にとって最適な入力電流・電圧波形を求め
る。このとき、上記の同定処理と同一の手法(同一の
ソフト)を使用するため、この最適入力電流・電圧波形
を整数次の多項式で表現する。
【0023】.上記で求めた最適な入力電流・電圧
波形を合成出力し、搬送装置に入力して当該搬送装置を
制御する。 .適応的制御を行うため、上記〜の処理を行うタ
イミングは、予め定期的に行うようにする、或いは随時
とする、或いは搬送装置が異常(故障)となった時とす
る、等である。
【0024】上記同定処理は、次の(a)〜(h)のよ
うに、最適な入力波形は(i)のようにして、求めるこ
とが出来る。 (a).分離状態の回転部の回転運動方程式を予め想定
する。
【0025】(b).制御装置から或る出力波形(例え
ば、インパルス)を分離状態の回転部に入力し、検出装
置により回転状態をそれぞれ検出する。(c).前記
(a)で想定した回転運動方程式に基づき、各時刻の回
転状態を計算する。
【0026】(d).前記(b)の観測値と(c)の計
算値との差を求める。 (e).評価関数(例えば、差の二乗和或いは差の絶対
値の和が最小)に基づいて、想定した回転運動方程式を
修正する。
【0027】(f).非分離状態の搬送装置の連立運動
方程式を予め想定する。このとき、上記(e)で求めた
回転運動方程式の係数を既知として利用する。 (g).上記(b)〜(e)と同様の処理を非分離状態
についても行う。
【0028】(h).評価関数の変数を決定する方法
は、公知の準ニュートン法や、共役勾配法等を用いる 最小化を考える場合のこれらの方法は、簡単に言えば、
変数に或る初期値を代入し、その関数の値を計算し、そ
の後その初期値を変化させて再び関数の値を計算し、変
化後の関数値が減少していれば、変化させた方向(例え
ば、変化分が増加なら更に増加する。)に更に変数の値
を変化させて、関数の値を計算し、同様の処理を繰り返
すことにより、解を求める方法である。
【0029】以上のようにして、非分離状態の搬送装置
を同定することが出来る。 (i).多項式で表現した電流・電圧波形の係数を未知
数(変数)として、その電流波形を運動方程式の入力と
したときの当該運動方程式から得られた応答と、搬送装
置の望ましい応答(例えば、オーバシュートが発生しな
い。)との差の二乗和或いは差の絶対値が最小となるよ
うに当該係数を決定する。
【0030】多項式で表現する代わりに、各時刻におけ
る電流値を記憶し、多項式の計算を省略してもよい。こ
のようにして、経年変化による伝達関数の変化と、その
変化した伝達関数に合致した最適出力波形を求めること
により、搬送装置を最適に制御することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、シリアルプリンタのヘッドの動作制御
を例にとり説明する。図2は印字機構部のモデル化、図
3は分離手段の機構図、図4は、本発明における各種方
程式を説明する図、図5は、駆動側プーリの応答波形、
図6は、出力電流波形g(t)、図7は、角速度の変化
である。
【0032】図2において、21はベルト、22は分離
機構、23aは駆動用モータ、23bは駆動側プーリ、
23cは従動側プーリ、23dはシャフト、23kはモ
デル化したバネ定数、24は印字ヘッド、3は光学式ロ
ータリエンコーダ、4は同定装置、1は制御装置であ
る。
【0033】図3において、21はベルト、22aはベ
ルトに引っ掛ける器具、22bはバネ、22cはソレノ
イドコイル、23bは駆動側プーリ、23dはシャフト
である。
【0034】図5において、Tは振動周期、θ1 は最初
の角度のピーク値、θ2 は2番目の角度のピーク値であ
る。図6において、時刻「t1 」で電流が流れ出し、時
刻「t2 」で或る一定値になる。制御装置1が出力する
この電流波形を図4の式(7)のような多項式で表現す
る。
【0035】図7において、駆動側プーリ23bは時刻
「t1 」で停止状態、時刻「t2 」で一定角速度であ
る。尚、図10における検出回路33は、このパルスを
変換して図5に示すような応答波形として同定装置4に
データを送付する。
【0036】図3の分離手段22では、ソレノイドコイ
ル22cに電流を流すことにより、引張力が発生し、ベ
ルトに引っ掛ける器具22aを引張ることによりベルト
21と駆動側プーリ23bとが分離する。
【0037】上記のような構造の搬送装置を同定し、当
該同定結果に基づいて駆動用モータ23aの回転を制御
すればよい。同定するために、まず図3に示す分離機構
を用いてベルト21と駆動側プーリ23bとを分離す
る。
【0038】分離状態での回転部、つまり駆動用モータ
23a,シャフト23d,駆動側プーリ23bの回転運
動方程式は図4の式(1)の如く、強制振動の式とな
る。尚、周知の通り、この系の伝達関数G(s)は、出
力θ(s)と入力F(s)との比であるから、式(9)
となる。(θ(s)はθ(t)をラプラス変換したもの
である。)ここで、 F : 駆動用モータ23aの回転トルク θ : 回転角度 θドット : 角速度 θツードット : 角加速度 J : イナーシャ C : 粘性摩擦係数 K : バネ定数 T : 周期 t : 時間 g(t) : 電流の時間変化 である。
【0039】回転トルクFは図4の式(2)に示すよう
に電流g(t)に比例する。電流g(t)として、イン
パルス状の波形を制御装置1より駆動用モータ23aに
与える。
【0040】駆動用モータ23aの回転状態を図15に
示す光学式ロータリエンコーダ3を用いて観測する。そ
の観測結果は、図5に示すような応答波形となる。この
応答波形を基にして、分離状態の同定を行う。
【0041】イナーシャJの変化がほとんど生じないと
考えられる場合には(ほとんどの場合そうであるが)、
次に述べる同定処理1〜8を経ることなく、簡単に解析
的に分離状態の運動方程式を求めることが出来る。
【0042】回転状態の振幅の減少割合(図5の極小値
θ1 と極大値θ2 との比)と振動周期Tの二つの情報を
用いて、図4の式(3)〜(5)により、粘性摩擦係数
Cとバネ定数Kを決定することが出来る。(イナーシャ
Jは既知である。)尚、式(1)においてF=0とした
自由振動の式を考えると、その解は簡単に求めることが
でき、式(10)〜(12)が得られる。
【0043】ここで、固有角速度ωと図5に示す振動周
期Tとの間には、式(13)が成立し、現実的には式
(14)が成立することから、前記式(3)が得られ
る。イナーシャJの時間的変化(経年変化)が無視出来
ない(例えば、或る時点でモータの鉄心が破損したよう
な場合。)場合、つまり、イナーシャJが初期の既知の
値とは異なった値となり、イナーシャJも未知数とな
り、簡単には解析的に解を求めることが出来ない場合に
は、以下に述べるような同定処理を行う。
【0044】同定処理1:図4の式(1)の係数J,
C,Kを未知として、下記のように各係数に初期値を与
え、回転運動方程式を仮に決定する。 J=J0 C=C0 K=K0 同定処理2:上記初期値の回転運動方程式対して、各時
刻の角度θ(t)を計算する。
【0045】同定処理3:検出装置3により求めた図6
の応答波形の各時刻の角度Θ(t)を求める。 同定処理4:角度θ(t)と、角度Θ(t)との差の二
乗和をを計算する。
【0046】つまり、図4の式(6)により評価関数E
を計算する。この時のEの値をE0 とする。 同定処理5:係数J,C,Kの値を変化させる。
【0047】J=J0 +ΔJ C=C0 +ΔC K=K0 +ΔK 同定処理6:新しい係数値で上記同定処理2〜4を繰り
返す。この時のEの値をE(Δ)とする。
【0048】同定処理7:E0 とE(Δ)とを比較し、
もし、E0 >E(Δ)であれば、 J=J0 +2ΔJ C=C0 +2ΔC K=K0 +2ΔK として、同定処理4を実行する。この時のEの値をE
(2Δ)とする。
【0049】もし、E0 <E(Δ)であれば、例えば、 J=J0 −ΔJ C=C0 −ΔC K=K0 −ΔK として、同定処理4を実行する。この時のEの値をE
(−Δ)とする。
【0050】同定処理8:以上のようにして、評価関数
Eの値が或る一定値以下になるまで同定処理6,7を繰
り返し、未知数J,C,Kを決定する。 以上の同定処理により、分離状態での運動方程式が求ま
り、次に非分離状態の運動方程式を求める(同定する)
ことになる。
【0051】非分離状態の運動方程式の求め方は、分離
状態の運動方程式の求め方とほとんど同じで、図9〜図
12に示す非分離状態の連立運動方程式を立てて、その
係数を未知数とし、その未知数の係数に初期値を与え、
前記同定処理と同様の処理を行うことにより求めること
が出来る。
【0052】但し、この連立運動方程式においては、前
記の同定処理により既にJ,C,Kが既知となっている
ことから、残りの5ケ(k1 ,k2 ,k3 ,k4
1 )の係数を求めれば良い。
【0053】図8は、解析用モデルであり、各変数・定
数・係数の定義は以下の通りである。 J:駆動側回転部のイナーシャ I:従動側回転部のイナーシャ q1 :印字ヘッドの変位 q2 :従動側プーリの変位 θ:駆動側プーリの回転角 φ:従動側プーリの回転角 k1 ,k2 ,k3 ,k4 :直動部のバネ定数 K:回転部のバネ定数 c1 :直動部の粘性摩擦係数 C:回転部の粘性摩擦係数 m1 :印字ヘッドの質量 m2 :駆動側プーリの質量 R:駆動側プーリ及び従動側プーリの回転半径 τ(t):モータによって働くトルク t:時間ここで、各バネの質量及び各プーリとベルトと
の「滑り」は無視可能とする。
【0054】図9は、ヘッドの運動を説明する図であ
り、式(15)が得られる。図10は、従動側プーリの
並進運動を説明する図であり、式(16)が得られる。
【0055】図11は、従動側プーリの回転運動を説明
する図であり、式(17)が得られる。図12は、駆動
側プーリの運動を説明する図であり、式(18)が得ら
れる。
【0056】次に、制御部12が出力する最適の出力波
形の求め方について述べる。この最適出力波形は、当然
のことながら回転部の応答が最適となる波形である。出
力電流g(t)を図4の式(7)に示すような時刻tに
ついてのn次の多項式で表現する。多項式の次数nは、
メモリの容量やCPUの計算時間によって決定する。
【0057】波形決定処理1:図4の式(7)における
係数ai を未知数として、前記同定処理1と同様に各a
i に初期値を与える。 波形決定処理2:上記波形決定処理1で仮に求めた図4
の式(7)の各時刻の電流値を計算し、式(2)に基づ
き、各時刻のトルクFを計算する。
【0058】波形決定処理3:図4の式(3),
(4),(5)又は前記同定処理1〜8で求めたJ,
C,Kと、上記トルクFを式(1)に代入し、各時刻に
おける角度θを計算する。
【0059】波形決定処理4:予め設定した各時刻の最
適角度Θと、上記波形決定処理3で求めた角度θとの差
を求める。 波形決定処理5:図4の式(6)の評価関数Eを計算す
る。
【0060】波形決定処理6:前記同定処理5と同様
に、各ai を変化させ、波形決定処理2〜5を実行す
る。 波形決定処理7:波形決定処理5で求めた評価関数Eの
値と波形決定処理6で求めた評価関数Eの値とを比較す
る。
【0061】波形決定処理8:波形決定処理7の結果に
基づき、同定処理7と同様の処理を行い、係数ai を決
定する。 以上のようにして搬送装置を同定し、最適な出力波形を
決定する。このとき、予め設定した繰り返し回数で同定
処理や波形決定処理が収束しない場合には、同定装置4
はその旨を制御装置1に送付し、制御装置1はその旨を
表示部11に表示する。
【0062】又、評価関数として図4の式(8)に示す
ような応答波形を用いても良い。但し、式(8)におい
て、θh は回転角度の行き過ぎ量、Vは立ち上がり時
間、αは重み係数を表している。このαは、θh とVの
どちらに重点を置くかによって予め決めておく。
【0063】求めた最適な出力波形データに基づいて、
制御部12は出力波形を合成し、搬送装置2を制御す
る。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、印字ヘッドの移動状態を良好な状態に実現する
ことができ、印字品質を良好な状態に保つことができ
る。
【0065】又、同定処理や波形決定処理が上手くいか
ない場合には、外部にその旨を伝え、状態を改善するよ
うに促すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理図
【図2】 印字機構部のモデル化
【図3】 分離手段の機構図
【図4】 本発明における各種方程式を説明する図
【図5】 駆動側プーリの応答波形
【図6】 出力電流波形g(t)
【図7】 角速度の変化
【図8】 解析用モデル
【図9】 ヘッドの運動を説明する図
【図10】 従動側プーリの並進運動を説明する図
【図11】 従動側プーリの回転運動を説明する図
【図12】 駆動側プーリの運動を説明する図
【図13】 従来の印字装置の制御機構
【図14】 従来の出力電流波形の例
【図15】 光学式ロータリエンコーダ詳細図
【符号の説明】
1 制御装置 2 搬送装
置 3 検出装置 4 同定装
置 11 表示部 12 制御部 13 記憶手段 21 ベルト 22 分離機
構 22a ベルトに引っ掛ける器具 22b バネ 22c ソレノ
イドコイル 23 回転部 23a 駆動用モータ 23b,23bb 駆動側プーリ 23c 従動側プーリ 23d シャフ
ト 23k モデル化したバネ定数 24 印字ヘッド 31 発光ダイオード 32 受光ト
ランジスタ 33 検出回路 34 光透過
用スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B65G 43/00 E

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御装置(1)と、搬送装置(2)と、
    検出装置(3)と、同定装置(4)とから構成され、 当該搬送装置(2)は、回転する回転部(23)と、当
    該回転運動を直動運動に変換する変換手段(21)と、
    当該回転部(23)と当該変換手段(21)とを分離す
    る分離手段(22)とを有し、 制御装置(1)は、1種類以上の任意の波形を出力可能
    であり、出力した波形により当該回転部(23)を回転
    制御する制御部(12)を有し、 当該検出装置(3)は、当該回転部(23)の回転状態
    を検出し、 当該同定装置(4)は、当該制御装置(1)が出力した
    波形の各時刻の値と、当該回転部(23)の当該波形に
    よる回転状態を当該検出装置(3)で検出し、相当する
    各時刻の当該検出結果の値とから当該搬送装置(2)を
    同定し、 当該制御装置(1)は、当該同定結果に基づいて搬送装
    置(2)を制御することを特徴とする搬送制御システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、当該変換手段
    (21)はベルト又はチェーンであることを特徴とする
    搬送制御システム。
  3. 【請求項3】 前記請求項1において、当該検出装置
    (3)はロータリエンコーダであることを特徴とする搬
    送制御システム。
  4. 【請求項4】 前記請求項1において、当該分離手段
    (22)により当該回転部(23)と当該変換手段(2
    1)とを分離させ、 当該制御部(12)が或る既知の波形を出力し、当該波
    形により当該回転部(23)を回転させ、当該回転状態
    を当該検出装置(3)で検出し、当該検出結果から当該
    回転部(23)を同定することを特徴とする搬送制御シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記請求項1において、当該回転部(2
    3)と当該変換手段(21)とが非分離状態で当該制御
    部(12)が或る既知の波形を出力し、当該波形により
    当該回転部(23)を回転させ、当該回転状態を当該検
    出装置(3)で検出し、当該検出結果から当該搬送装置
    (2)を同定することを特徴とする搬送制御システム。
  6. 【請求項6】 前記請求項4に記載された当該回転部
    (23)の同定処理の後、当該同定処理結果を利用して
    前記請求項5に記載された当該搬送装置(2)の同定処
    理を行うことを特徴とする搬送制御装置の同定方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項4、又は5、又は6に記載さ
    れた当該同定処理によって得られた運動方程式と、予め
    設定した評価関数とから当該同定装置(4)は、当該制
    御部(12)が出力する最適な波形を決定することを特
    徴とする搬送制御システム及び搬送制御装置の同定方
    法。
  8. 【請求項8】 前記請求項7において、 当該制御部(12)が出力する最適波形を時間軸上の一
    ケ以上の区間で整数次の多項式で表現することを特徴と
    する搬送制御システム及び搬送制御装置の同定方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項7において、 当該制御部(12)が出力する波形を各時刻の値で表現
    することを特徴とする搬送制御システム及び搬送制御装
    置の同定方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項4、又は5、又は6、又は
    7、又は8において、 当該制御装置(1)は記憶手段(13)を有し、 当該同定処理において得られた運動方程式に関するデー
    タと、当該波形に関する整数次の多項式の係数とを当該
    記憶手段(13)に記憶することを特徴とする搬送制御
    システム及び搬送制御装置の同定方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項4、又は5、又は6、又は
    7、又は9において、 当該制御装置(1)は記憶手段(13)を有し、当該同
    定処理において得られた運動方程式に関するデータと、
    当該制御部(12)が出力する波形の各時刻の値とを当
    該記憶手段(13)に記憶することを特徴とする搬送制
    御システム及び搬送制御装置の同定方法。
  12. 【請求項12】 前記請求項10、又は11において、 当該制御装置(1)は、当該記憶手段(13)に記憶さ
    れた波形値を有する出力波形を出力し、当該搬送装置
    (2)を制御することを特徴とする搬送制御システム及
    び搬送制御装置の同定方法。
  13. 【請求項13】 前記請求項4において、 当該同定方法は解析的であることを特徴とする搬送制御
    装置の同定方法。
  14. 【請求項14】 前記請求項4、又は5、又は6におい
    て、 予め当該搬送装置(2)の運動方程式を想定し、 或る既知の波形を当該運動方程式に代入し、各時刻の運
    動状態を計算し、当該計算値と、 当該既知の波形と同一の波形を当該制御部(12)から
    出力し、回転部(23)に入力し、当該検出装置(3)
    により当該回転部(23)の回転状態を観測し、当該計
    算値に対応する各時刻の観測値との差の二乗、又は当該
    計算値と当該観測値との差の絶対値を時刻「0」〜
    「∞」で積分したものを評価関数とし、 当該同定方法は、当該評価関数の値が最小となるように
    予め想定した当該運動方程式を修正することであること
    を特徴とする搬送制御装置の同定方法。
  15. 【請求項15】 前記請求項8において、 搬送装置の最適の応答と、 或る波形を入力した時の搬送装置の応答との差の二乗、
    又は差の絶対値を時刻「0」〜「∞」で積分したものを
    当該評価関数とし、 当該評価関数が最小となる最適波形の整数次の多項式の
    係数を決定することを特徴とする搬送制御システム及び
    搬送制御装置の同定方法。
  16. 【請求項16】 前記請求項7において、 当該制御部(12)が出力する最適波形は、当該搬送装
    置(2)の位置決めの際にオーバシュートを発生させな
    いことを特徴とする搬送制御システム及び搬送制御装置
    の同定方法。
  17. 【請求項17】 前記請求項1、又は前記請求項4以降
    の各請求項において、当該同定装置(4)が同定する周
    期、又は最適波形を決定する周期は、予め設定した周
    期、或いは当該搬送装置(2)の異常時、或いは常時で
    あることを特徴とする搬送制御システム及び搬送制御装
    置の同定方法。
  18. 【請求項18】 前記請求項17において、当該制御装
    置は表示部(11)を有し、当該同定装置(4)は同定
    又は最適波形の決定時に解が収束しない場合に、「収束
    しない」旨を当該制御装置(1)に送付し、当該制御装
    置は当該表示部(11)にその旨を表示することを特徴
    とする搬送制御システム及び搬送制御装置の同定方法。
  19. 【請求項19】 前記請求項1、又は前記請求項4以降
    の各請求項において、 当該波形は電流波形であることを特徴とする搬送制御シ
    ステム及び搬送制御装置の同定方法。
  20. 【請求項20】 前記請求項1、又は前記請求項4〜1
    8の各請求項において、 当該波形は電圧波形であることを特徴とする搬送制御シ
    ステム及び搬送制御装置の同定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7463000B2 (en) 2005-06-30 2008-12-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Motor controlling method, motor controlling apparatus, and recording apparatus
JP2009098786A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Mitsubishi Electric Corp メカニカルシステムの制御装置
CN110963255A (zh) * 2019-11-04 2020-04-07 河钢股份有限公司承德分公司 一种输送机的监测控制方法、监测控制装置及终端

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CN110963255B (zh) * 2019-11-04 2022-04-12 河钢股份有限公司承德分公司 一种输送机的监测控制方法、监测控制装置及终端

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