JP3540509B2 - エレベータドアの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータドアの制御装置に関するものであり、特に、エレベータドアの開閉動作中に人体等がエレベータドアに挟まれた場合、あるいはエレベータドアに引き込まれた場合等にエレベータドアを速やかに停止または反転させるエレベータドアの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図26〜28は従来のエレベータドアの制御装置を示す図で、図26は特開平3−237286号公報に示されたエレベータドアの駆動機構を示す図であり、図27は図26に示したエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図で、図28は図27に示したエレベータドア制御装置における、ドア動作状態量と負荷異常検出判定量との関係を示す図である。図26において1はドア駆動用モータ、2はプーリ、3はVベルト、4はタイミングベルト、5はカゴドアである。モータ1が回転してカゴドア5が動作すると、乗り場ドア(図示しない)は乗り場ドアに設けられた装置(図示しない)でカゴドア5と結合され、連動して動作する。
【0003】
戸閉動作を行う際のモータ1のトルク指令は図28に示すようになる。図27に示したエレベータドアの制御装置では、変位測定器20でカゴドア5の位置を検出し、カゴドア5の位置に応じて設定されたトルク指令制限値を導出する。トルク指令制限部12では、速度制御器11が出力するトルク指令51とカゴドア5の位置に応じて導出されるトルク指令制限値とを比較し、小さい方をトルク指令として電流制御器13に出力する。
戸閉動作中に人がカゴドア5に挟まれ、カゴドア5が拘束されてモータ速度53が低下すると、速度誤差が大きくなるため速度制御器11が出力するトルク指令51が増大する。負荷異常検出手段14では、速度制御器11が出力するトルク指令51とカゴドア5の位置に応じて決定されるトルク指令制限値を比較し、所定時間以上連続してトルク指令値51がトルク指令制限値を越える場合は、速度指令反転要求30を発生し、カゴドア5を反転させて、人の安全を確保するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベータドアの制御装置では、トルク指令制限値の設定を十分にきめ細かくできないため、カゴドアに人が挟まれる箇所によっては、大きな力が人体に作用した後にしかドアが反転しないという問題点があった。また、カゴドア5の重量が異なる場合や、速度指令が変更された場合はカゴドアの位置毎に設定されているトルク指令制限値を設定し直さなければならないという問題点があった。
【0005】
この発明はかかる問題を解決するためになされたもので、正常動作時のエレベータドアモデルに基づいて動作時のドア動作状態量を高精度に算出することにより、負荷異常検出の精度を向上させ、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我等を防止し、安全性を向上させることができるエレベータドア装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエレベータドアの制御装置は、指令発生部から出力される指令値に基づいてエレベータドアを駆動する駆動手段と、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度の少なくとも1つに関する変化値及び前記指令値のいずれか一方または両方から前記エレベータドアが駆動されるときのトルクの推定値を算出する算出手段と、前記トルクの推定値と前記指令値に対応するトルクの指令値または前記エレベータドアの動作経過と共に変化するトルクの変化値とを比較して得られた比較値に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備え、前記異常検出手段で異常が検出されたときに前記指令発生部によって前記エレベータドアを反転または停止させるものである。
【0007】
また、指令発生部から出力される指令値に基づいてエレベータドアを駆動する駆動手段と、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つから前記エレベータドアの速度の推定値を算出する算出手段と、前記速度の推定値と前記エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値とを比較して得られた比較値に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備え、前記異常検出手段で異常が検出されたときに前記指令発生部によって前記エレベータドアを反転または停止させるものである。
【0008】
また、前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する加速度の変化値と慣性係数とから慣性力を、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値または指令発生部から出力される指令値と摩擦係数とから摩擦力をそれぞれ求め、これらより前記エレベータドアが駆動されるときのトルクの推定値を算出するものである。
さらに、前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値または指令発生部から出力される指令値と摩擦係数とから摩擦力を求め、前記指令値に対応するトルクの指令値もしくは前記エレベータドアの動作経過と共に変化するトルクの変化値と前記摩擦力とから慣性力を求め、前記慣性力と慣性係数との比から前記エレベータドアが駆動されるときの加速度の推定値を算出するものである。
さらにまた、前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令発生部から出力される指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つから慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を同定により求めるものである。
【0009】
また、慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、各階毎のエレベータドアに応じて定めるものである。
さらに、慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令発生部から出力される指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つに応じて補正されるものである。
さらにまた、慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作に応じて定めるものである。
また、慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、所定時間またはエレベータドアの所定開閉回数毎に定めるものである。
さらに、慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作区間または動作時間に応じて変更するものである。
【0010】
また、異常検出手段は、異常と判定する値を慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方の値に応じて変更する。
さらに、異常検出手段が、異常と判定する値と比較値との差が所定値を超えるときに、算出手段によって新たに慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を求める。
さらにまた、異常検出手段が、所定時間内に所定回数以上の異常を検出したときに、算出手段によって新たに慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を求める。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本実施の形態のエレベータドア装置を示す図である。図において、1はエレベータドア駆動用モータ、2はプーリ、3はVベルト、4はタイミングベルト、5はカゴドア、6は戸締め力発生リンクである。
図2は図1に示したエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。図において、22はエレベータドアモデル、23はパラメータ記憶手段、24は偏差許容値記憶手段、その他は図27に示した従来例と同様なので説明は省略する。
【0012】
次に、本エレベータドア装置の制御方法について説明する。
速度指令発生部10でモータ1を駆動させるための指令値としての速度指令54を出力する。速度制御器11では、この速度指令発生部10からの速度指令54と実際のドア駆動用モータ1の速度の変化値であるモータ速度53とを比較してモータ1を駆動させるためのトルク指令値となるトルク指令51を出力する。この速度制御器11の出力は、トルク指令または電流指令と呼ばれる。一般にモータの発生するトルクとモータに流れる電流(DCモータの場合、ACモータではDCモータ電流への換算値)は比例するため、速度制御器11の出力は、モータに実際に発生させたいトルクの指令値と比例関係にある。
トルク指令制限部12では、速度制御器11が出力したトルク指令51とカゴドア5の位置に応じて導出されるトルク指令制限値とを比較し、小さい方の値をトルク指令として電流制御器13に出力する。電流制御器13では、トルク指令制限部12が出力した値によりモータ1を駆動させるための電流値を求めモータ1を駆動させる。
【0013】
変位測定器20では、モータ変位59をトルク指令制限部12、速度検出部21そしてエレベータドアモデル22に出力する。速度検出部21では、変位測定器20で検出され、位置、速度、加速度の少なくとも1つに関する変化値であるモータ変位59から同じく位置、速度、加速度の少なくとも1つに関する変化値である実際のドア駆動用モータ1のモータ速度53を求め、速度制御器11とエレベータドアモデル22に出力する。
エレベータドアモデル22では、パラメータ記憶手段23に記憶されているパラメータを用いて変位測定値20からの変位値(モータ変位59)と速度検出部21からの速度v(モータ速度53)とから動作時のトルクの推定値であるモータ駆動トルクτを算出する。(以下で詳しく説明する)
【0014】
負荷異常検出手段14では、エレベータドアモデル22で正常動作とみなして算出されたモータ駆動トルクτと速度制御器11から出力されるトルク指令51との偏差が比較値となるが、その許容値(偏差許容値)が偏差許容値記憶手段24から読み込まれて設定され、エレベータドアモデル22で正常動作とみなして算出された動作時のモータ駆動トルクτと速度制御器11から出力されたトルク指令51が入力されると、算出されたモータ駆動トルクτと速度制御器11から出力されたトルク指令51のスケールをあわせる。そして、両者の差が連続して所定時間、前記偏差許容値を超える場合には、速度指令発生部10に速度指令反転要求50を出力する。この速度指令反転要求50に基づいて、エレベータドアを反転または停止させる。前記所定時間が0秒の場合は、前記偏差許容値を超える場合には直ちにエレベータドアを反転または停止させる。
【0015】
次に、エレベータドアモデル22での正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτの算出方法を説明する。図3は図2に示したエレベータドアモデル22の細部を示した図である。
本エレベータドア装置における正常動作時のエレベータドアの運動方程式は、モータ1、プーリ2、ドア5をあわせた慣性項をJ、粘性摩擦係数をb、クーロン摩擦係数をc、ドア変位をx、モータ速度をv、モータ加速度をa、モータ駆動トルクをτ、戸締め力発生リンク6が発生する戸締め力をモータ軸換算にした値をfとすると、
【0016】
【数1】
【0017】
と表せる。ここで、sgn(v)は、v>0のとき1、v<0のとき−1の値を持つ関数である。以下Jaを慣性力、bvを粘性摩擦力、c×sgn(v)をクーロン摩擦力、f(x)を戸締め力と呼ぶことにする。
また、リンクを用いて駆動するドアにおいては、式(1)における慣性項Jはドア変位xの関数J(x)となる。
【0018】
エレベータドアモデル22では、式(1)に示した正常動作時のエレベータドアの運動方程式を基に正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτを算出する。
まず、図3に示すように変位測定器20から出力されたモータ変位59からドア変位算出手段35を用いてドア変位xを算出し、f(x)を計算する。次に、速度検出部21から出力されたモータ速度53をモータ速度vとし、粘性摩擦力bvとクーロン摩擦力c×sgn(v)の値を算出する。モータ加速度aは加速度の変化を示すもので、疑似微分器38を用いて速度検出部21から出力されたモータ速度53の差分により算出する。そして、このモータ加速度aより慣性力Jaを求める。以上の操作により求めた値をそれぞれ式(1)に代入することにより、正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτを算出する。
【0019】
エレベータドアモデル22でモータ駆動トルクτを算出する際の慣性項J、粘性摩擦係数b、クーロン摩擦係数c及び戸締め力をモータ軸換算にした値f等の各種パラメータはパラメータ記憶手段23に格納されている当該パラメータの設計値もしくは別途同定された値を使用する。
また、フロアによってドア重量等のドアモデルのパラメータが異なる場合には、あらかじめフロア毎にドア重量等のドアモデルパラメータの値をパラメータ記憶手段23に記憶させておき、該当フロアのパラメータを用いてドア動作状態量の算出を行う。
【0020】
本実施の形態では、負荷異常検出手段14へ速度制御器11から出力されるトルク指令51が入力される場合を説明したが、図5若しくは図6のブロック図に示すように、速度制御器11から出力されるトルク指令51の代わりにトルク指令値となるトルク指令制限部12の出力若しくはトルクの変化値を示す電流制御器13の出力を用いてもよい。
この場合、モータ駆動トルクτと電流制御器13の出力との偏差が比較値となる。
また、図7に示すように偏差許容値記憶手段24に記憶される偏差許容値を、パラメータ記憶手段23に記憶されているドア重量等のドアモデルのパラメータやドアの開閉時の最高速度に応じて適切な値に設定するようにしてもよい。なお、全てのドア重量、最高速度に対して同一の偏差許容値を用いてもよいことは言うまでもない。
さらに、図8に示すように、負荷異常検出手段14での反転指令発生後は偏差許容値記憶手段24での偏差許容値の値を大きくすることにより、反転動作が何度も繰り返されるのを防止することができる。
また、エレベータドアの数式モデルとしては運動方程式の他に、制御系の特性も考慮した伝達関数モデル、神経回路網等の近似モデルを用いてもよい。
【0021】
図4は本発明の実施の形態における異常検出の判定に使用される偏差許容値と正常動作とみなして算出されたドア動作状態量との和と実際のドア動作状態量、すなわち、算出された正常動作時のドア動作状態量と偏差許容値の和とトルク指令との関係を示す図である。
本実施の形態では、トルク指令51と実際のエレベータの変位、速度等から正常動作時のエレベータドアの運動方程式を用いて求めた駆動トルク推定値とを比較することにより負荷異常を判定するため、図4に示すように高精度に負荷異常の判定を行うことができ、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我を防止でき、安全性が向上する。
また、停止階毎のドアモデルのパラメータを用いて駆動トルク推定値の計算を行うため、停止階によらず、負荷異常検出精度が一定となる。
【0022】
実施の形態2.
図9は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。図において、30は1段または複数段の1次遅れフィルタ、移動平均フィルタ等のフィルタである。その他は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
エレベータドアモデル22では実施の形態1と同様に、変位測定器20から出力されたモータ変位59と速度検出部21から出力されたモータ速度53が入力され、モータ駆動トルクτを算出する。実施の形態1では、算出されたモータ駆動トルクτをそのまま負荷異常検出手段14に入力して使用したが、本実施の形態では、算出されたモータ駆動トルクτを例えば1段または複数段の1次遅れフィルタ、移動平均フィルタ等のフィルタ30に通し、その値を負荷異常検出手段14に入力する。速度制御器11から出力されたトルク指令51に対しても、まずトルク指令51をフィルタ30に通し、その値を負荷異常検出手段14に入力する。
【0023】
負荷異常検出手段14では、算出されたモータ駆動トルクτをフィルタ30に通した値と速度制御器11から出力されたトルク指令51をフィルタ30に通した値とのスケーリングを行う。負荷異常検出手段14にはあらかじめ、正常時のモータ駆動トルクτとトルク指令の偏差の許容値(偏差許容値)が偏差許容値記憶手段24から読み込まれており、フィルタ30に通した後のエレベータドアモデル22で算出された動作時のトルク指令の計算値とフィルタ30に通した後の実際のトルク指令の偏差が前記偏差許容値を超えた場合に、速度指令発生部10に速度指令反転要求50を出力する。この速度指令反転要求50に基づいて、エレベータドアを反転または停止させる。
【0024】
本実施の形態では、算出されたモータ駆動トルクと速度制御器の出力とをそれぞれ1段または複数段のフィルタに通すので、駆動トルクの推定値におけるノイズの影響が低減され、負荷検出精度が向上する。
【0025】
実施の形態3.
図10は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。本実施の形態では、エレベータドアモデル22の入力として、速度検出部21から出力されるモータ速度53の代わりに速度指令発生部10の速度指令54を用いる。エレベータドアモデル22および負荷異常検出手段14における操作は、実施の形態1全く同一である。
また、実施の形態2と同様に動作時のドア動作状態量の計算値と実際のドア動作状態量をフィルタを通してから比較するようにしてもよい。
【0026】
本実施の形態では、エレベータドアモデル22の入力として、速度指令発生部10の速度指令54を用いているので、モータ速度53の測定値が速度指令54に比べてノイズを多く含んでいる場合に、推定された駆動トルクに含まれるノイズ成分を低減することができる。
【0027】
実施の形態4.
図11は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。図において、11は比例・積分補償器である速度制御器、31は閉ループ系モデルである。その他は実施の形態3と同様であるので説明は省略する。
ここで、速度制御器11での比例ゲインをKv、積分ゲインをKpとする。Jはドアモデルの慣性項であり、エレベータドアモデル22でドア動作状態量の算出を行う際に使用する値と同一の値に設定されている。また、sはラプラス演算子である。また、閉ループ系モデル31は、速度指令発生部10、速度制御器11、トルク指令制限部12、電流制御器13、ドア駆動用モータ1、変位測定器20そして速度検出器21から構成される閉ループ系をモデル化した伝達関数である。
実施の形態4は実施の形態3と比べると、エレベータドアモデル22の前に閉ループ系の特性を表しているフィルタ(閉ループモデル31)を用いる点のみが異なっている。
【0028】
本実施の形態では、閉ループ系の特性を表しているフィルタを用いているので、実施の形態3のように、エレベータドアモデルに基づいてドア動作状態量を算出する際、速度指令値を用いることによる誤差が算出した状態量に含まれることがなく、誤差を低減することができる。
【0029】
実施の形態5.
図12は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。実施の形態1での負荷異常検出手段14では、速度制御器11、トルク指令制限部12または電流制御器13から出力された値とエレベータドアモデル22で算出されたドア動作状態量とを比較していたが、本実施の形態では、速度検出部21から検出されたモータ速度53とエレベータドアモデル22で算出されたドア動作状態量とを比較する。
【0030】
エレベータドアモデル22では、位置、速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値として電流制御器13の出力と変位測定器20から出力されるモータ変位59と1サンプル前のモータ速度から正常動作とみなした場合のモータ速度60を算出する。そして、負荷異常検出手段14で、エレベータドアモデル22で正常動作とみなして算出された速度の推定値であるモータ速度60と、速度検出部21から出力される速度の変化値である実際のモータ速度53を比較し、比較値であるその偏差があらかじめ設定された許容値以上になった場合は、速度指令発生部10に速度指令反転要求50を出力する。そして、この速度指令反転要求50に基づいて、エレベータドアを反転または停止させる。
【0031】
次にエレベータドアモデル22での正常動作とみなした場合のモータ速度vの算出方法を説明する。図13は図12に示したエレベータドアモデル22の細部を示した図である。
本エレベータ装置における正常動作とみなした場合のエレベータドアの運動方程式は、式(1)のように表せるので加速度の推定値であるモータ加速度aは、
【0032】
【数2】
【0033】
と表せる。このモータ加速度aを積分することにより、モータ速度を計算することができる。
【0034】
図12のエレベータドアモデル22では、電流制御器13の出力と変位測定器20から出力されるモータ変位59と1サンプル前のモータ速度とから正常動作時のモータ速度を算出する。まず、変位測定器20から出力されるモータ変位59から、ドア変位算出手段35を用いて、戸締め力f(x)を計算する。次に、1サンプル前のモータ速度の計算値から、粘性摩擦力bv及びクーロン摩擦力c×sgn(v)を算出する。電流制御器13の出力τと算出した戸締め力f(x)、粘性摩擦力bv、クーロン摩擦力c×sgn(v)から慣性力を算出し、この慣性力を慣性項Jで除算することにより加速度aを算出する。そして、加速度aにサンプリング間隔を乗算したものを1サンプル前のモータ速度に加算することにより、現在のモータ速度を計算する。
【0035】
図14は、本実施の形態における異常検出の判定に使用される偏差許容値と正常動作とみなして算出されたドア動作状態量との和と実際のドア動作状態量、すなわち、算出された正常動作時のドア動作状態量と偏差許容値の和とモータ速度との関係を示す図である。
本実施の形態では、実際のモータ速度と計算で求めた正常動作とみなした場合のモータ速度を比較することにより負荷異常を判定するため、図14に示すように高精度に負荷異常の判定を行うことができ、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我を防止でき、安全性を向上させることができる。
【0036】
実施の形態6.
図15は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。図において、32はパラメータ記憶手段23に記憶するパラメータを同定により求めるパラメータ同定手段である。その他は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
図15のパラメータ同定手段32では、電流制御器13の出力、変位測定器20から出力されるモータ変位59、速度検出部21から出力されるモータ速度53から慣性項J、粘性摩擦係数b、クーロン摩擦係数cの値の同定を行う。戸締め力fにおけるパラメータは設計値を用いることにする。
【0037】
次に、パラメータ同定手段32での同定方法を説明する。
ドア変位をx、モータ速度をv、モータ加速度をa、モータ駆動トルクをτ、戸締め力発生リンク6が発生する戸締め力をモータ軸換算にした値をfとし、第k回目のサンプリングのデータを*(k)と表記することにし、τ2 、ベクトルt、パラメータベクトルp及び行列Aを以下のように定義する。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
このときA、p、tの間には
【0043】
【数7】
【0044】
なる関係がある。Aの疑似逆行列をA+ とすれば
【0045】
【数8】
【0046】
となり、行列A+ とベクトルtが求まれば、ドアモデルのパラメータベクトルpを求めることができる。
【0047】
パラメータ同定手段32では、τ2 、モータ加速度a、モータ速度v、そして、sgn(v)を所定サンプリングだけメモリに記憶し、行列A+ とベクトルtよりパラメータベクトルpの値、すなわち慣性項J、粘性摩擦係数b、クーロン摩擦係数cの値を同定により求める。そして、エレベータドアモデル22で、パラメータ同定手段32で算出されたドアモデルのパラメータに基づいてドア動作状態量を算出する。
【0048】
また、戸閉動作におけるドア動作状態量の算出には、戸閉動作から同定したドアモデルのパラメータを使用し、戸開動作におけるドア動作状態量の算出には、戸開動作から同定したドアモデルのパラメータを使用して算出すると、負荷異常検出の精度をさらに向上させることができる。
【0049】
経年変化や気温などの環境変動により摩擦係数等のパラメータが変動する場合には、時間と共に適切なパラメータの値が変化する。そこで、図16に示すようにタイマ36を設け、所定時間毎にパラメータ同定手段32でドアモデルのパラメータ同定を行い、ドア動作状態量算出の際に使用するドアモデルのパラメータを変更するようにすると、環境変動により摩擦係数等のパラメータが変動する場合にでも、時間と共に適切なパラメータの値を設定できる。
また、図17に示すようにエレベータドアの開閉回数をカウントする開閉回数カウンタ33を設け、所定開閉回数毎にパラメータ同定手段32でドアモデルのパラメータ同定を行い、ドア動作状態量算出の際に使用するドアモデルのパラメータを変更するようにしてもよい。
【0050】
また、図18に示すようにエレベータドアの反転回数をカウントする反転回数カウンタ34を設け、負荷異常検出手段14において、負荷異常が通常考えられる以上に頻繁に発生する場合には、パラメータの値が正しくないと判断し、パラメータ同定手段32でドアモデルのパラメータ同定を行うようにしてもよい。
【0051】
さらに、図19に示すように負荷異常度合い判定手段41を設け、負荷異常検出手段14において、速度制御器11から出力されるトルク指令51とエレベータドアモデル22で正常動作とみなして算出されたモータ駆動トルクτとを比較した結果、速度制御器11から出力されるトルク指令51と正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτとの差が大きすぎる場合にも、パラメータの値が正しくないと判断し、パラメータ同定手段52でドアモデルのパラメータ同定を行うようにしてもよい。
【0052】
フロア毎にドア重量が異なる場合は、フロア毎にドアモデルのパラメータ同定を行い、フロア毎のパラメータをパラメータ記憶手段23に格納し、ドア動作状態量を算出する際に、当該フロアのドアモデルパラメータを用いて算出するようにしてもよい。
また、本実施の形態では実施の形態1の図2のブロック図で示される制御装置にパラメータ同定手段32を追加した制御装置について説明したが、これは図2のブロック図で示される制御装置にのみに限定するものではなく、他のブロック図で示される制御装置等に用いてもよい。
さらに、これらのパラメータを実施の形態1のように、あらかじめ設定させておいてよいことは言うまでもない。
【0053】
本実施の形態ではパラメータ同定手段32の入力として電流制御器13の出力と速度検出部21から出力されるモータ速度53を使用しているが、電流制御器13の出力の代わりに速度制御器11から出力されるトルク指令51若しくはトルク指令制限部12の出力を、速度検出部21から出力されるモータ速度53の代わりに速度指令54を用いても同様の効果が期待できる。
【0054】
本実施の形態では、パラメータ同定手段を内蔵しているため、駆動トルクなどのドア動作状態量の算出に用いるドアモデルのパラメータ値を変更することが容易で、経年変化によりパラメータの値が変動しても高精度にドア動作状態量を計算できる。また、戸開動作の際には戸開動作のデータから同定したパラメータを用いることにより、ドア動作状態量の推定精度をさらに向上させることができる。
【0055】
実施の形態7.
図20は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。本実施の形態のエレベータドアは、戸開動作開始直後はカゴドアのみで動作し、所定距離のみカゴドアが動作した後カゴドアと乗り場ドアが結合されカゴドアと乗り場ドアが一体となって動作する。
カゴドアのみで動作する区間では、カゴドアのみで動作するときのドアモデルのパラメータを用いて正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτを算出し、カゴドアと乗り場ドアが一体となって動作する区間では、一体となって動作する場合のドアモデルのパラメータを用いて正常動作時のモータ駆動トルクτを算出する。
また、図21に示すように、タイマ36を設け、ドア変位ではなく開閉動作開始からの経過時間に応じてパラメータ記憶手段23におけるパラメータを変更するようにしてもよい。
【0056】
本実施の形態では、戸開動作開始直後は他の区間とは別のモデルを用いることにより、戸開動作開始直後の駆動トルクの推定精度を向上させることができる。
【0057】
実施の形態8.
図22は本実施の形態におけるエレベータドアの制御装置のブロック図である。図において、37はパラメータ修正値算出手段である。その他は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
パラメータ修正値算出手段37では、電流制御器13の出力、変位測定器20から出力されるモータ変位59、速度検出部21から出力されるモータ速度53に基づいて、エレベータドアモデルのパラメータの修正値を算出する。そして、ドア動作状態量算出の際に使用されるドアモデルのパラメータは、パラメータ修正値算出手段37で算出されたパラメータ修正値に基づいて、ドア動作中に逐次修正される。
【0058】
次に、ドアモデルパラメータの修正値の算出方法を説明する。
まず、ドア変位をx、モータ速度をv、モータ加速度をa、モータ駆動トルクをτ、戸締め力発生リンク6が発生する戸締め力をモータ軸換算にした値をfとし、k回目のサンプリングのデータを*(k)で表し、y2 、τ2 、y3 、τ3 を以下のように定義する。
【0059】
【数9】
【0060】
【数10】
【0061】
【数11】
【0062】
【数12】
【0063】
ここで、αは0<α<1を満たす定数である。また、y3 、τ3 の初期値には例えば0を用いる。
gを正の定数とし、k回目のサンプルにおけるパラメータ修正量△ph (k)を
【0064】
【数13】
【0065】
とし、以下のようしてパラメータ修正値ph
【0066】
【数14】
【0067】
を求め、エレベータドアモデル22で使用するドアモデルのパラメータをパラメータ修正値ph に修正する。ここでst はサンプル間隔である。
【0068】
本実施の形態では、ドア動作中にドアモデルパラメータを逐次修正することにより、パラメータ変動があった場合にても高精度に駆動トルクの推定が行える。
【0069】
実施の形態9.
図23は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。図において、38は疑似微分器、39はドア重量、40はモータの速度53、加速度、エレベータドアの現在位置、ドア重量39等から求めた結合係数を有する神経回路網である。
神経回路網40には、モータの速度53、加速度、エレベータドアの現在位置、ドア重量39の設計値もしくは同定値が入力される。神経回路網40からは正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτが算出される。神経回路網40で算出された正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτと速度制御器11の出力が負荷異常検出手段14に入力され、算出された駆動トルクτと速度制御器11から出力されたトルク指令51の差が、所定時間以上連続してあらかじめ設定された偏差許容値を超える場合は、速度指令発生部10へ速度指令反転要求50が出力される。そして、この速度指令反転要求50に基づいて、エレベータドアを反転または停止させる。
【0070】
本実施の形態では、高精度に負荷異常の判定を行うことができ、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我を防止でき、安全性を向上させることができる。
【0071】
実施の形態10.
図24は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。
本実施の形態のエレベータドアは、戸開動作開始直後はカゴドアのみで動作し、所定距離のみカゴドアが動作した後カゴドアと乗り場ドアが結合されカゴドアと乗り場ドアが一体となって動作する。
全動作領域における正常動作とみなした場合のモータ駆動トルクτをカゴドアと乗り場ドアが一体となって動作する場合のドアモデルのパラメータを用いて算出する。そして、カゴドアのみで動作する区間では、偏差許容値記憶手段24に記憶すべき負荷異常判定を行う際の偏差許容値を大きくする。
【0072】
本実施の形態では、カゴドアのみで動作する区間とカゴドア及び乗り場ドアが一体となって動作する区間に応じて偏差許容値の値を変えるので、動作区間によって駆動トルクの推定精度が異なる場合、高精度に駆動トルクの推定が行える区間での負荷異常検出精度が低下するのを防止する。
【0073】
実施の形態11.
図25は本実施の形態におけるエレベータドア装置の制御装置を示したブロック図である。本実施の形態では、図12に示した実施の形態5のようにエレベータドアの動特性のみを表現するモデルではなく、制御系の特性も含めたモデルを用いて、指令値である速度指令54から正常動作とみなした場合の速度の推定値であるモータ速度60を算出する。
負荷異常検出手段14では、計算された正常動作とみなした場合のモータ速度60と速度の変化値である実際のモータ速度53が入力され、その偏差である比較値を求めると共に、偏差許容値記憶手段24から設定される偏差許容値以上の差がある場合は速度指令発生部10に速度指令反転要求50を出力する。そして、この速度指令反転要求50に基づいて、エレベータドアを反転または停止させる。
【0074】
本実施の形態では、実際のモータ速度と計算で求めた正常動作時のモータ速度を比較することにより負荷異常を判定するため、高精度に負荷異常の判定を行うことができ、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我を防止でき、安全性を向上させることができる。
【0075】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
本発明のエレベータドアの制御装置は、エレベータドアモデルに基づいて正常動作時のドア動作状態量を高精度に算出するため、負荷異常検出の精度も向上し、乗客のドアへの引き込まれ・挟まれに伴う怪我などを防止でき、安全性が向上する。
また、停止階毎のドアモデルのパラメータを用いて駆動トルク推定値の計算を行うため、停止階によらず、負荷異常検出精度を一定にすることができる。
さらに、1段または複数段のフィルタを用いることにより、駆動トルクの推定値におけるノイズの影響が低減され、負荷検出精度が向上する。
さらにまた、エレベータドアモデルの入力として、速度指令発生部の速度指令を用いているので、モータ速度の測定値が速度指令と比べてノイズを多く含んでいる場合に、推定された駆動トルクに含まれるノイズ成分を低減することができる。
また、モータ速度の測定値ではなく速度指令を用いることによって生じる誤差を閉ループ系の特性を有するフィルタを用いることにより低減することができる。
【0076】
また、パラメータ同定手段を内蔵しているため、駆動トルクなどのドア動作状態量の算出に用いるドアモデルのパラメータ値を変更することが容易で、経年変化によりパラメータの値が変動しても高精度にドア動作状態量を計算できる。
さらに、戸開動作の際には戸開動作のデータから同定したパラメータを用いることにより、ドア動作状態量の推定精度をさらに向上できる。
さらにまた、戸開動作開始直後は他の区間とは別のモデルを用いることにより、戸開動作開始直後の駆動トルクの推定精度を向上する。
また、ドア動作中にドアモデルパラメータを逐次修正することにより、パラメータ変動があっても高精度に駆動トルクの推定が行える。
さらに、動作区間によって駆動トルクの推定精度が異なる場合、高精度に駆動トルクの推定が行える区間での負荷異常検出精度が低下するのを防止する。
さらにまた、反転動作が何度も繰り返されるのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のエレベータドア装置を示す図。
【図2】図1の制御装置を示すブロック図。
【図3】図2のエレベータドアモデルの細部を示す図。
【図4】図2のドア動作状態量と偏差許容値との和とトルク指令との関係を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1のエレベータドア装置を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1のエレベータドア装置を示す図。
【図7】本発明の実施の形態1のエレベータドア装置を示す図。
【図8】本発明の実施の形態1のエレベータドア装置を示す図。
【図9】本発明の実施の形態2のエレベータドア装置を示す図。
【図10】本発明の実施の形態3のエレベータドア装置を示す図。
【図11】本発明の実施の形態4のエレベータドア装置を示す図。
【図12】本発明の実施の形態5のエレベータドア装置を示す図。
【図13】図12のエレベータドアモデルの細部を示す図。
【図14】図12のドア動作状態量と偏差許容値との和とモータ速度との関係を示す図。
【図15】本発明の実施の形態6のエレベータドア装置を示す図。
【図16】本発明の実施の形態6のエレベータドア装置を示す図。
【図17】本発明の実施の形態6のエレベータドア装置を示す図。
【図18】本発明の実施の形態6のエレベータドア装置を示す図。
【図19】本発明の実施の形態6のエレベータドア装置を示す図。
【図20】本発明の実施の形態7のエレベータドア装置を示す図。
【図21】本発明の実施の形態7のエレベータドア装置を示す図。
【図22】本発明の実施の形態8のエレベータドア装置を示す図。
【図23】本発明の実施の形態9のエレベータドア装置を示す図。
【図24】本発明の実施の形態10のエレベータドア装置を示す図。
【図25】本発明の実施の形態11のエレベータドア装置を示す図。
【図26】従来のエレベータドア装置を示す図。
【図27】図26のエレベータドア装置の制御装置を示すブロック図。
【図28】図26のトルク指令制限値とトルク指令との関係を示す図。
【符号の説明】
1 ドア駆動用モータ 2 プーリ
3 Vベルト 4 タイミングベルト
5 カゴドア 6 戸締め力発生リンク
10 速度指令発生部 11 速度制御器
12 トルク指令制限部 13 電流制御器
14 負荷異常検出手段
20 変位測定器 21 速度検出部
22 エレベータドアモデル
23 パラメータ記憶手段 24 偏差許容値記憶手段
30 フィルタ 31 閉ループ系モデル
32 パラメータ同定手段 33 開閉回数カウンタ
34 反転指令回数カウンタ 35 ドア変位算出手段
36 タイマ 37 パラメータ修正値算出手段
38 疑似微分器 39 ドア重量
40 神経回路網 41 負荷異常度合い判定手段
50 速度指令反転要求 51 トルク指令
53 モータ速度 54 速度指令
58 トルク指令計算値 59 モータ変位
60 速度計算値
Claims (13)
- 指令発生部から出力される指令値に基づいてエレベータドアを駆動する駆動手段と、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度の少なくとも1つに関する変化値及び前記指令値のいずれか一方または両方から前記エレベータドアが駆動されるときのトルクの推定値を算出する算出手段と、前記トルクの推定値と前記指令値に対応するトルクの指令値または前記エレベータドアの動作経過と共に変化するトルクの変化値とを比較して得られた比較値に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備え、前記異常検出手段で異常が検出されたときに前記指令発生部によって前記エレベータドアを反転または停止させることを特徴とするエレベータドアの制御装置。
- 指令発生部から出力される指令値に基づいてエレベータドアを駆動する駆動手段と、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つから前記エレベータドアの速度の推定値を算出する算出手段と、前記速度の推定値と前記エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値とを比較して得られた比較値に基づいて異常を検出する異常検出手段とを備え、前記異常検出手段で異常が検出されたときに前記指令発生部によって前記エレベータドアを反転または停止させることを特徴とするエレベータドアの制御装置。
- 前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する加速度の変化値と慣性係数とから慣性力を、前記エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値または指令発生部から出力される指令値と摩擦係数とから摩擦力をそれぞれ求め、これらより前記エレベータドアが駆動されるときのトルクの推定値を算出することを特徴とする請求項1記載のエレベータドアの制御装置。
- 前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する速度の変化値または指令発生部から出力される指令値と摩擦係数とから摩擦力を求め、前記指令値に対応するトルクの指令値もしくは前記エレベータドアの動作経過と共に変化するトルクの変化値と前記摩擦力とから慣性力を求め、前記慣性力と慣性係数との比から前記エレベータドアが駆動されるときの加速度の推定値を算出することを特徴とする請求項2記載のエレベータドアの制御装置。
- 前記算出手段は、エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令発生部から出力される指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つから慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を同定により求めることを特徴とする請求項3または請求項4記載のエレベータドアの制御装置。
- 慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、各階毎のエレベータドアに応じて定めることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作経過と共に変化する位置、速度、加速度、トルクの少なくとも1つに関する変化値、前記指令発生部から出力される指令値、前記指令値に対応するトルクの指令値の少なくとも1つに応じて補正されることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作に応じて定めることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、所定時間またはエレベータドアの所定開閉回数毎に定めることを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方は、エレベータドアの動作区間または動作時間に応じて変更することを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 前記異常検出手段は、異常と判定する値を慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方の値に応じて変更することを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 前記異常検出手段が、異常と判定する値と比較値との差が所定値を超えるときに、算出手段によって新たに慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を求めることを特徴とする請求項3〜請求項11のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
- 前記異常検出手段が、所定時間内に所定回数以上の異常を検出したときに、算出手段によって新たに慣性係数及び摩擦係数のいずれか一方または両方を求めることを特徴とする請求項3〜請求項12のいずれか1項記載のエレベータドアの制御装置。
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