JPH07210205A - Pid調節器のパラメータ調整装置 - Google Patents

Pid調節器のパラメータ調整装置

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JPH07210205A
JPH07210205A JP374694A JP374694A JPH07210205A JP H07210205 A JPH07210205 A JP H07210205A JP 374694 A JP374694 A JP 374694A JP 374694 A JP374694 A JP 374694A JP H07210205 A JPH07210205 A JP H07210205A
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JP
Japan
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pid controller
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time
identification
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JP374694A
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Inventor
Toshikatsu Fujiwara
敏勝 藤原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PID調節器を接続したままの閉ループ系の
状態で最適なパラメータを短時間で求めて、PID調節
器のパラメータを調整できるようにする。 【構成】 フィードバックループに比例・積分・微分の
3動作からなるPID調節器1を配置し、パラメータ調
整装置100により目標値rと制御量yとの制御偏差e
に基づいてプロセス2の操作量を算出する。同定回路1
0は、プロセス2を次式「yk =ayk-1 +buk-1
1k-2 +c2k-2 +c3 」(但し、y:制御量、
u:操作量、d:既知外乱、a,b,c:モデルのパラ
メータ)の構造の自己回帰移動平均モデルで近似し、プ
ロセス2のむだ時間L、ゲインλ及び時定数τを最小二
乗法で同定する。調整パラメータ決定回路11は、同定
の結果、得られたL,λ,τの値に基づいて、比例ゲイ
ンKp 、リセット率Rs 、及び微分時間Td を算出し、
パラメータ表示部12に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセス制御に適用さ
れるPID調節器のパラメータ調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PID調節器を用いたプロセス制
御装置は、図4に示すように構成されている。即ち、P
ID調節器1は、常時目標値rにプロセス2の制御量y
を近づけるために減算器3で制御偏差eを取込み、演算
処理した後、操作量uをプロセス2に出力する。この場
合、既知外乱dを受けて制御量yが変動するプロセス2
を対象としている。
【0003】そして、上記PID調節器1のパラメータ
を調整する場合は、PID調節器1をプロセス2からa
点でカットして操作量uのステップ状変化に対する制御
量yの挙動を求めて、むだ時間特性のむだ時間Lと1次
遅れ特性の時定数τでプロセス2の特性を近似して表わ
した後、ジーグラ・ニコルス法等の教科書に掲載されて
いる手法でPID調節器のパラメータを決めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来におけるPID調
節器のパラメータ調整装置は、調節パラメータをジーグ
ラ・ニコルス法等一般的な手法で決めるか、試行錯誤に
より求めている。しかし、前者のジーグラ・ニコルス法
等の一般的な手法による調整法には限界があり、高制御
性能は得難いという問題がある。また、後者の試行錯誤
により求める方法では、高い制御性能を得るまでに長時
間を要し、場合によっては高い制御性能が得られないこ
とがある。
【0005】また、従来の方法では、PID調節器をカ
ットして、開ループでの運転を余儀なくされるため、場
合によっては危険な状態が起こる可能性がある。本発明
は上記実情に鑑みてなされたもので、PID調節器を接
続したままの閉ループ系の状態で最適なパラメータを短
時間で求めて、PID調節器のパラメータを調整できる
と共に、調整のための決められた波形の外乱を印加する
必要のないPID調節器のパラメータ調整装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るPID調節
器のパラメータ調整装置は、フィードバックループに配
置され、目標値とプロセスの観測値である制御量との制
御偏差に基づいて上記プロセスの操作量を得る比例・積
分・微分の3動作からなるPID調節器において、プロ
セスを次式 yk =ayk-1 +buk-1 +c1k-2 +c2k-2
3 (但し、y:制御量、u:操作量、d:既知外乱、添字
k-1 :k-1 ΔT を意味し、ΔT はサンプリング周期、
a,b,c1 ,c2 ,c3 :モデルのパラメータ)の構
造の自己回帰移動平均モデルで近似し、プロセスのむだ
時間L、ゲインλ及び時定数τを最小二乗法で同定する
同定手段と、上記同定の結果、得られたむだ時間の値
L、ゲインλ及び時定数τの値に基づいて、比例ゲイン
p 、リセット率Rs 、及び微分時間Td のパラメータ
値を算出する手段と、この手段で算出されたパラメータ
値を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明におけるPID調節器のパラメータを設
定する方法は、K/s法によっている。ここで、K/s
法とは、フィードバックループにPID調節器を配置し
て、そのPID調節器のパラメータを操作して一巡伝達
特性を意味するK/sに近づける方法である。なお、s
はラプラス演算子で、Kの値は、指定されたゲイン余裕
になるように以下に示す演算式で求められる。
【0008】上記演算式とは、プロセスの操作量に対す
る制御量の伝達特性を、むだ時間特性と一次遅れ特性で
近似し、その特性から得られるゲインλ、むだ時間Lお
よび時定数τを使って、ゲイン余裕を指定した値にする
ために、PID調節器に含まれるKを求める式のことで
ある。
【0009】本発明では、PID調節器のパラメータを
設定するためには、初めにプロセスを同定する必要があ
る。そのために、ここでは最小二乗法によるプロセスの
同定法について説明する。
【0010】まず、本発明では、プロセスを次式の構造
のARMA(自己回帰移動平均)モデルで近似する。 yk =ayk-1 +buk-1 +c1k-2 +c2k-2 +c3 …(1) ここで、 y:制御量 u:操作量 d:既知外乱 添字k−i:k−iΔT を意味し、ΔT はサンプリング
周期 a,b,c1 ,c2 ,c3 :モデルのパラメータ モデルのパラメータを同定するためには、観測値とし
て、制御量y、操作量uおよび既知外乱dを予め時系列
で1パターン分(負荷上げ下げ時の挙動等)を収録して
おく必要がある。そして、その観測値を使って最小二乗
法によりモデルのパラメータを推定する。ここで、
(1)式を採用することにより、操作量uに対する制御
量yの関係のみを取り出せば、それは一次遅れ特性にな
っていることを以下に説明する。
【0011】「(1)式の操作量uに対する制御量yの
関係が一次遅れ特性になる根拠」操作量uに対する制御
量yの関係が一次遅れ特性であると言うことは、次式の
関係が成り立つ。
【0012】 y={λ/(1+τs)}u …(2) (1+τs)y=λu …(3) 従って、(3)式を離散系で表わすと次式になる。
【0013】 yk +τ{(yk+1 −yk )/Δt}=λuk …(4) 次に、(4)式を1ステップずらせることにより次式を
得る。 yk-1 +τ{(yk −yk-1 )/Δt=λuk-1 …(5) それ故に、
【0014】
【数1】
【0015】ここで、 a=1−ΔT /τ b=ΔT λ/τ λ:ゲイン τ:時定数 となり、(1)式の右辺第1項と第2項は、操作量uに
対する制御量yの関係が一次遅れ特性を表わしているこ
とが分かる。
【0016】従って、(6)式よりプロセスのゲインλ
と時定数τを求めると次の通りである。 λ=b/(1−a) τ=ΔT /(1−a) …(7) 次に、プロセスのむだ時間Lを同定するために、本発明
では、次式に示すように(1)式でのbuk-1 をbu
k-2 、あるいは、buk-3 ,…等に置換えて最小二乗法
の誤差が最も少なくなるbuk-n を探し出し、その結果
により、むだ時間Lを同定する。
【0017】
【数2】
【0018】例えば、最小二乗法によるパラメータ同定
の結果、buk-1 を採用した(8)式の同定誤差が最小
になった場合には、むだ時間LはL=0とし、buk-2
を採用した場合の同定誤差が最小になった場合には、L
=ΔT 、そして、buk-n が採用された場合には、L=
(n−1)ΔT とする。ここで、ΔT はサンプリング周
期で、同定誤差とは、最小二乗法で求めたパラメータ
a,b,c1 ,c2 ,c3 を使ったモデルの出力y^
(t)とプロセスの制御量y(t)の誤差の自乗値を1
パターン分だけ時間積分した値のことである。
【0019】即ち、前述の方法でプロセスのむだ時間L
を算出し、1次遅れ特性のゲインλと時定数τは、最小
二乗法の誤差が最も少なったときのbuk-1 またはbu
k-2,…,buk-n 等を採用した式で得られるパラメー
タa,bを使って算出する。ただし、aの値は、0<a
<1であること、そして、bの値がb>0、またはb<
0のどちらであるかは、予め分かっている必要がある。
そして、最小二乗法による同定の結果が、これらの条件
を満足しているものだけを採用する。例えば操作量uと
制御量yの関係が正のゲインである場合には、b>0の
ものの中から同定誤差が最小になるものを選び出し、む
だ時間Lの値を決める。
【0020】以上で、プロセスの同定ができたので、こ
こでは、同定で得られたプロセス特性のゲインλ、むだ
時間Lおよび時定数τを使ってPID調節器のパラメー
タを設定する方法を説明する。
【0021】前述したように、操作量uと制御量yの関
係をむだ時間特性と一次遅れ特性で表わすことができる
ので、次に、むだ時間特性の部分をPadeの近似式で
近似すると、以下の関係式が得られる。
【0022】
【数3】
【0023】次に、一巡伝達特性をK/sに近づけるた
めに、本発明ではPID調節器の特性として次式を採用
する。 Gc (s)={κ(1+0.5Ls)(1+τs)}/(L+τ)s …(10) ここで、 Gc (s);PID調節器の伝達特性 その結果、近似的な一巡伝達特性として、(9)式と
(10)式により次式を得る。
【0024】
【数4】
【0025】ここで、 K=κλ/(L+τ) 即ち、(10)式のGc (s)を採用すれば、目的とす
るK/sが近似的に得られる。
【0026】また、(10)式のPID調節器は、慣例
のPID調節器のパラメータと対比させることができ、
次式の関係となる。 Gc (s)={κ(1+0.5Ls)(1+τs)}/(L+τ)s =Kp (1+Rs /s+Td s) …(12) ここで、 Kp =κ(0.5L+τ)/(L+τ) Rs =1/(0.5L+τ) Td =0.5Lτ/(0.5L+τ) 次に、本発明で用いている前述のパラメータκの算出方
法について以下に説明する。
【0027】PID調節器の特性を、 Gc (s)={κ(1+0.5Ls)(1+τs)}/
(L+τ)s とし、プロセスの特性を、 e-Ls{λ/(1+τs)} で表わしたときの一巡伝達特性G(s)は次式になる。
【0028】 G(s)={κλ(1+0.5Ls)/(1+τs)}e-Ls …(13) そこで、系が安定で、かつ制御性能がよい適切なパラメ
ータκを如何に設定するかを以下に説明する。
【0029】まず、一巡伝達特性のG(s)の位相が−
180deg になるときの角速度ω0を求める。(13)
式の一巡伝達特性G(s)は、次の3要素から成り立っ
ていることが分かる。
【0030】(1)積分要素 κλ/{(L+τ)s} (2)一次微分要素 (1+0.5Ls) (3)むだ時間要素 e-Ls また、それぞれの位相は次の通りである。
【0031】(1)積分要素 −90 deg (2)一次微分要素 tan -1(0.5Lω) deg (3)むだ時間要素 −180Lω/π deg
【0032】
【数5】
【0033】同様にして、前述で求めた角速度ω
おける一巡伝達特性G(s)のゲイン|G(s)|は、
以下により求められる。一巡伝達特性G(s)は、前述
した3要素からなり、それぞれのゲインは、次の通りで
ある。
【0034】(1)積分要素 κλ/{(L+τ)s}のゲインは、κλ/{(L+
τ)ω} (2)一次微分要素 (1+0.5Ls)のゲインは、{(1+0.5Ls)
2 +1}0.5 (3)むだ時間要素 e-Lsのゲインは、1 従って、ゲイン|G(s)|は次式になる。
【0035】 |G(s)|={κλω-1(0.5Lω)2 +1}0.5 /(L+τ) …(16) さて、従来からよく知られている経験則によれば、ゲイ
ン余裕βは、プロセス制御の場合には3〜9dBが良い
とされている。従って、ここでは、ゲイン余裕として平
均の6dBを採用する。なお、ゲイン余裕βの値につい
ては、値に限定されるものではない。サーボ系では、一
般的に10〜20dBが良いとされている。
【0036】そこで、一巡伝達特性G(s)の位相が−
180deg になる角速度ω0 は、前述の手順で算出でき
たので、そのときの角速度ω0 におけるゲイン|G
(s)|が、ゲイン余裕βで6dB(約0.5)になる
ようなパラメータκを算出する。結果は、次の通りであ
る。
【0037】 κ=β(L+τ)(0.25L2 +ω0 -2-0.5/λ …(17) ここで、β=0.5(ゲイン余裕が6dの場合に相当)
である。以上により、適切なPID調節器のパラメータ
P 、Rs およびTd を計算するためのκ、λ、τ、L
が得られたことになる。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1(a)は、本発明の対象とするPID調節
器1とプロセス2の関係を示し、図1(b)は、本発明
のPID調節器1のパラメータ調整装置(チューニング
装置)100の概念図を示す。
【0039】本発明では、図1(a)に示すように、既
知外乱dを受けて制御量yが変動するプロセス2を対象
とする。PID調節器1は、目標値rに制御量yを常時
に近づけるために減算器3で制御偏差eを取込み、後述
の演算後、操作量uを出力する。PID調節器1の演算
は、制御偏差eを係数器4(比例ゲインKp )を介して
得られた値を3方向に伝える。第1は、直接に加算器5
に、第2は、係数器6(リセット率Rs )を通して積分
器7に入力し、その出力を加算器5に入力する。第3
は、微分器8を通して係数器9(微分時間Td )に入力
し、その出力を加算器5に接続する。
【0040】前述の対象で、既知外乱dが変動している
ときの操作量u、制御量yおよび既知外乱dを時系列デ
ータとして収録し、そのデータからオフラインでPID
調節器1のパラメータKP 、Rs 、Td を決定するの
が、図1(b)に示すパラメータ調整装置100であ
る。
【0041】上記PID調節器1のパラメータ調整装置
100は、同定回路10、調整パラメータ決定回路1
1、パラメータ表示部12からなっている。同定回路1
0は、既知外乱d及び操作量uが入力され、最小二乗法
で求めたパラメータを使ったモデルy^(t)を出力す
る。このモデルの出力y^(t)を減算器13に入力し
てプロセス2の制御量y(t)の誤差δを求め、同定回
路10に入力する。また、同定回路10は、同定処理に
よりむだ時間L、ゲインλ及び時定数τを得て調整パラ
メータ決定回路11に出力する。この調整パラメータ決
定回路11は、上記むだ時間L、ゲインλ及び時定数τ
の値から、比例ゲインKp ,リセット率Rs ,微分時間
Td を算出してパラメータ表示部12へ出力する。
【0042】以下、上記パラメータ調整装置100の詳
細について説明する。上記同定回路10は、図2のフロ
ーチャートに示す同定アルゴリズムに従って同定処理を
実行する。
【0043】まず、図2のステップA1 に示すようにP
ID調節器1のパラメータを初期設定する。この初期設
定は、制御性能は不十分でも制御系が安定する値とす
る。次にステップA2 に示すように既知外乱d(t)を
変動させたときの既知外乱d(t)、操作量u(t)及
び制御量y(t)の挙動を、時系列で1パターン分収録
する。例えば通常運転の負荷上げ下げ時の挙動などが、
1パターン分にそう相当する。なお、サンプリング周期
ΔT は、ユーザが指定したプロセスの推定時定数(むだ
時間+一次遅れの時定数)の1/10程度とする。
【0044】そして、ステップA3 に進み、上記収録し
た既知外乱d(t)、操作量u(t)及び制御量y
(t)の値を使用して、(8)式の右辺の第2項をbu
k-1 にして、パラメータa,b,c1 ,c2 ,c3 を最
小二乗法で同定する。そして、そのときの同定誤差δを
求めておく。この同定誤差δとは、最小二乗法で求めた
パラメータa,b,c1 ,c2 ,c3 を使ったモデルの
出力y^(t)とプロセスの制御量y(t)の誤差の自
乗値を1パターン分だけ時間積分した値である。同様に
して上記同定処理を繰り返す。但し、同定処理を繰り返
す毎に(8)式の右辺の第2項のbuk-1 をbuk-2
に、また、buk-2 からbuk-3 等、順次に置換えて同
定誤差δを求めておく。
【0045】更に、ステップA4 に示すように上記ステ
ップA3 の同定の結果、buk-1 を採用した(8)式の
同定誤差δが最小になった場合には、むだ時間はL=0
とし、buk-2 を採用した同定誤差δが最小になった場
合には、L=ΔT 、そして、buk-n を採用した同定誤
差δが最小になった場合には、L=(n−1)ΔT とす
る。ただし、aの値は、0<a<1であること、そし
て、この値がb>0、またはb<0のどちらであるか
は、予め分かっている必要があり、これらの条件を満足
しているものだけを採用する。例えば、操作量uと制御
量yの関係が正のゲインである場合には、b>0のもの
の中から同定誤差δが最小になるものを選び出し、むだ
時間Lの値を決める。
【0046】その後、ステップA5 に進み、前述の方法
でプロセスのむだ時間Lを算出し、一次遅れ特性のゲイ
ンλと時定数τは、同定誤差δが最も少なくなったとき
のbuk-1 またはbuk-2 ,…,buk-n 等が採用され
た式で得られるa,bを使って算出する。関係式は λ=b/(1−a) τ=ΔT /(1−a) である。
【0047】上記図2に示した同定アルゴリズムで得ら
れたプロセスのむだ時間L、ゲインλおよび時定数τを
使って、調整パラメータのKP 、RS およびTd を算出
する回路を図3に示す。
【0048】図3において、むだ時間L15を0.5の
値の係数器18に入力し、同時に除算器19の分母に入
力する。係数器18の出力20は乗算器21の一方に入
力され、演算の都合上除算器19の出力側に設けた一次
遅れ要素22の出力ω0 23を前述の乗算器21の他方
に入力する。ここで、上記一次遅れ要素22は数値計算
時に代数ループが構成されるのを防ぐために設けたもの
で、その時定数は小さな値が良い。
【0049】上記乗算器21の出力は、逆三角関数のta
n -1の演算要素24を介して2/πの値の係数器25に
入力される。ここで、tan -1の演算要素24の出力の単
位はラジアンである。係数器25の出力は加算器26に
入力される。更にこの加算器26には、1の値を出力す
る定数器27の出力が入力される。加算器26の出力は
π/2の値の係数器28に入力され、係数器28の出力
は除算器19の分子に入力される。そして、除算器19
の出力が一次遅れ要素22の入力となる。
【0050】以上の演算処理により、ゲイン余裕を計算
するときに必要となる一巡伝達特性が−180deg にな
る角速度ω0 が求まる。また、上記係数器18の出力2
0を自乗する乗算器29、上記一次遅れ要素22の出力
ω0 23を自乗する乗算器30を設け、乗算器29の出
力を加算器33に入力し、乗算器30の出力を除算器3
2の分母に入力する。この除算器32の分子には、1の
値を出力する定数器31を接続し、その除算出力を加算
器33に入力する。そして、加算器33の出力を開平器
34に入力し、その開平出力を除算器36の分母に入力
する。この除算器36の分子には、1の値を出力する定
数器35を接続し、その除算出力を乗算器40に入力す
る。また、この乗算器40には、加算器37により加算
したむだ時間L15と時定数τ17の加算結果L+τ3
8を入力すると共に、ゲイン余裕βの定数器39の出力
を入力する。
【0051】そして、上記乗算器40の出力を除算器4
1の分子に入力し、その分母にゲインλ16を入力す
る。上記除算器41の出力κ42と加算器43の出力4
4を乗算器45により乗算して除算器46の分母に入力
し、その分子に上記加算器37の出力L+τ38を入力
する。除算器46の出力は指定された上下限値の範囲で
出力され、その値がPID調節器1のパラメータ(比例
ゲイン)Kp 47となる。
【0052】上記加算器43は、上記係数器18の出力
20と時定数τ17を加算し、その加算出力44を除算
器48の分母に入力し、除算器48の分子に1の値を出
力する定数器49を接続する。上記除算器48の出力が
PID調節器1のパラメータ(リセット率)Rs 50と
なる。
【0053】更に、上記係数器18の出力20と時定数
τ17を乗算器51に入力し、その出力を除算器52の
分子に入力し、分母には加算器43の出力44を入力す
る。上記除算器52の出力がPID調節器1のパラメー
タ(微分時間)Td 53となる。
【0054】なお、上記実施例で説明した回路は、PI
D調節器1台分であるが、多数からなるPID調節器1
のパラメータ調整には、その分だけ用意すれば一度に全
てのパラメータの調整が可能である。
【0055】上記のようにPID調節器1を接続したま
まの閉ループ系の状態で、PID調節器1の比例ゲイン
p 、リセット率Rs 、微分時間Td の値を算出するこ
とができる。これらのパラメータは、図1(b)におけ
るパラメータ表示部12に表示される。従って、調整員
は、このパラメータ表示部12に表示された値からPI
D調節器1のパラメータをオフラインで設定することが
できる。
【0056】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、P
ID調節器を接続したままの閉ループ系の状態で最適な
パラメータを短時間で求めて、PID調節器のパラメー
タを調整できる。また、調整のための決められた波形の
外乱を印加する必要がなく、通常運転の負荷変動時の観
測データがあれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るPID調節器のパラメ
ータ調整装置の概念図。
【図2】同実施例における同定回路の処理動作を示すフ
ローチャート。
【図3】同実施例における調整パラメータ決定回路の回
路構成図。
【図4】従来のPID調節器におけるパラメータ調整法
の一例を示す図。
【符号の説明】
1 PID調節器 2 プロセス 3 減算器 4 係数器(比例ゲインKp ) 5 加算器 6 係数器(リセット率Rs ) 7 積分器 8 微分器 9 係数器(微分時間Td ) 18,25,28 係数器 19,32,36,41,46,48,52 除算器 21,29,30,40,45,51 乗算器 22 一次遅れ要素 24 逆三角関数のtan -1の演算要素 26,33,37,43 加算器 27,31,35,39,49 定数器 34 開平器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィードバックループに配置され、目標
    値とプロセスの観測値である制御量との制御偏差に基づ
    いて上記プロセスの操作量を得る比例・積分・微分の3
    動作からなるPID調節器において、 プロセスを次式 yk =ayk-1 +buk-1 +c1k-2 +c2k-2
    3 (但し、y:制御量、u:操作量、d:既知外乱、添字
    k-1 :k-1 ΔT を意味し、ΔT はサンプリング周期、
    a,b,c1 ,c2 ,c3 :モデルのパラメータ)の構
    造の自己回帰移動平均モデルで近似し、プロセスのむだ
    時間L、ゲインλ及び時定数τを最小二乗法で同定する
    同定手段と、 上記同定の結果、得られたむだ時間の値L、ゲインλ及
    び時定数τの値に基づいて、比例ゲインKp 、リセット
    率Rs 、及び微分時間Td のパラメータ値を算出する手
    段と、この手段で算出されたパラメータ値を表示する表
    示手段とを具備したことを特徴とするPID調節器のパ
    ラメータ調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005211963A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄鋼プロセスにおけるモデルのパラメータ修正方法及びその方法を用いた熱延鋼板の製造方法
CN114488780A (zh) * 2022-03-21 2022-05-13 浙江中控技术股份有限公司 一种pid控制方法以及pid控制器

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